当院 乳腺撮像...

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当院の乳腺撮像

~本当にあった5つのトラブル?! ~

日本赤十字社大阪赤十字病院

放射線診断科部

吉澤 雄介

1

当院の乳腺撮像の使用機器

Intera 1.5TRelease 3.2.3.2

SMART BREAST(-)

Ingenia 3Tラージボア

体厚の厚い方

Achieva 1.5TRelease 3.2.3.2

SMART BREAST(+)

2

使用コイル 1.5T インジェクター

SENSE BREAST COIL7ch根本杏林堂

ソニックショットGX

3

1日1件心臓枠と合わせて1件

木曜日のみ11:20に1枠追加

⇒30分以上かかるのであまり枠数を追加できない

当院の乳腺MRIの推移

230

256273

253

210187

230

198211

178

0

50

100

150

200

250

300

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

過去10年の推移

4

当院の乳腺MRIの推移

230256

273253

210187

230

198211

178

1325 23 27

39 45 41 4556

40

0

50

100

150

200

250

300

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

過去10年の推移

5

近年の減少傾向は同じ枠の

心臓の検査の増加が原因

⇒2週間待ち程度

=心臓MRI撮像件数

ガイドライン

6

乳がん検診学会:乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドライン

推奨グレード

T2強調画像の撮像は勧められるか B

T1強調画像(脂肪抑制なし)の撮像は勧められるか B

拡散強調画像(DWI)の撮像は勧められるか C1

DWIを含めた非造影MRIによる撮像は勧められるか C2

A:強い科学的根拠があり、行うように勧められるB:科学的根拠があり、行うよう勧められるC1:科学的根拠はないが、行うよう勧められるC2:科学的根拠がなく、行わないように勧められるD:無効性あるいは害を示す科学的根拠があり、行わないように勧められる

当院の撮像シーケンス(1.5T)

7

SURVEY

T1W FFETRA 2D

T2Wfs TRA2D

DWI TRA 2D

PRE e-thrive TRA

PRE e-thrive SAG

Dyn e-thrive TRA

0,1,2,5min

Dyn e-thrive SAG 3min

POST e-thrive COR

*Total scan time=18:55

当院の撮像シーケンス(1.5T)

8

*Total scan time=18:55

*option

• 両側乳腺撮像依頼あれば

反対側をPOSTでCORを追加

• 脂肪抑制ムラあればSPAIRを

STIRに変更して撮像追加

0:48

1:08

1:04

2:44

1:06

2:06

1:43

2:06

6:10

後処理

Subtraction TRA

(1.2.5min – 0min)

Subtraction SAG

(3min - PRE)

9

後処理

MIP FH

180度

10

MIP RL(RIGHT)

360度

MIP RL(LEFT)

360度

後処理

11

Relative

enhancement

TIC ROI

1. 上半身は前開きの検査着一枚に着替え

2. 金属チェック

3. ルート確保

4. ポジショニング

5. 逆血、生食の後押しは必ず確認(漏れ確認)

6. 撮像

7. Dyn前に声掛け

8. 終了時検査室外にて抜針

当院の乳腺MRI撮像の流れ

12

当院の乳腺MRIのポジショニング

13

• 女性技師 or Ns付き添いの

もと男性技師も行う

• 基本2人で行う

• 両手は挙上位

• ヘッドレストの位置は患者に

委ねる

• 事前ルート確保

皮膚のたるみが出ないように

• 乳腺は脂肪組織に囲まれた組織

• 腫瘍、リンパ節の観察のため、良好な脂肪抑制が必須

• 皮膚の皺、たるみがある場合、脂肪抑制不良となる

ポジショニングの注意点

14

看護師、女性技師に患者に検査後聞いてもらいました

この検査後の感想を参考に除圧用クッションを置いています

検査時痛みの出やすい場所

15

カバーの取り付け

患者皮膚と直接接する面にラミロールでカバー

自作ヘッドレストを使用

16

寝台、コイルに

center lineを記し、

撮像前にチェック!

*ingenia(3T)では寝台センターに

来るように嵌るがIntera Achieva

は置いているだけ

寝台Centerに置く

17

DWI b値0,1000,1500

b=1500では正常乳腺の信号をより拡散させて観察できる

ADC値による良悪性の識別が可能

(DWI high / ADC low⇒悪性度は高い) 18

b=1000 b=1500 ADC

Dynのガイドライン

19

乳がん検診学会:乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドライン

推奨グレード

乳房専用コイルによる腹臥位での撮像 A

両側乳房の同時撮像 A

ダイナミック撮像によるTICの解析 A

造影早期相は乳がん診断に強く勧められるか A

高空間分解能画像の撮像は必要か A

A:強い科学的根拠があり、行うように勧められるB:科学的根拠があり、行うよう勧められるC1:科学的根拠はないが、行うよう勧められるC2:科学的根拠がなく、行わないように勧められるD:無効性あるいは害を示す科学的根拠があり、行わないように勧められる

Dynのガイドライン

• VoxelはXYZ方向全て2.5㎜以下

• Slice面内分解能 1×1㎜以下

• Slice厚 2.5~3㎜以下

• 5㎜以上の病変はすべて

抽出されるように

• 脂肪抑制画像

• 両側同時撮撮像

• 乳がんの増強効果は造影剤静注後2分以内にピークが生じる。

⇒時間分解能が必要

• TIC解析にはPRE、ピーク評価のための早期相、ピーク後の増強効果の推移を観察するための後期相と少なくとも3回の計測が必要

⇒当院では5分後まで撮像

• 1分未満の時間分解能はあまりメリットがない

⇒各時相1分程度の撮像

20

Dyn TRA

21

Scan time 1:00

TR 4.0㎳

TE 1.93㎳

Matrix size 1.04/1.10/2.00

Slice 枚数 180枚

Foldover direction RL

0min

TRA

1min

TRA

2min

TRA

3min

SAG

5min

TRA

• K0を過ぎたタイミングでINJ

• 1分後のK0がおおよそ1分になるように

造影剤注入のタイミング

22

*time to K0=20sec

20sec *INJ rate=Gd 2.0ml/s (0.2ml/kg 造影剤) Gd 1.0ml/s (0.1ml/㎏ 造影剤)water 2.0ml/s 20ml

*scan time=1min*SAGのscan time=2min

JUST 1min!

Dynの声掛けのタイミング

23

SURVEY

T1 TRA 2D

T2fs TRA 2D

DWI TRA 2D

PRE e-thrive TRA

PRE e-thrive SAG

Dyn e-thrive TRA

0,1,2,5min

Dyn e-thrive SAG 3min

POST e-thrive COR

PREの撮像前に患者にINJの声掛け

⇒SAGはDyn3minのSAGとsubtractionするため

Dyn中のSag

撮像時間がTRAの1分に

対して2分と設定できる

のでTRAより空間分解能

を上げて撮像

24

Orientation TRA SAG

Scan time 1:00 2:01

TR 4.0㎳ 4.8㎳

TE 1.93㎳ 2.3㎳

Matrix size 1.04/1.10/2.00 0.86/0.86/2.00

Slice 枚数 180枚 100枚

Dyn中のSag

乳頭に対して垂直に撮像

25

Post Cor

SAGと同様に空間分解能

をTRAより少し上げて

撮像

26

Orientation TRA Cor

Scan time 1:00 1:34

TR 4.0㎳ 4.8㎳

TE 1.93㎳ 2.3㎳

Matrix size 1.04/1.10/2.00 0.86/0.86/2.00

Slice 枚数 180枚 65枚

POSTでCo撮影

大胸筋を含む広い範囲で撮像する

乳頭に対して垂直に撮像

原則患側のみ 27

当院の行っているCoは

位相エンコード方向はFH

(動きの影響が少ないので有用)

だがSENSEが入れれない

乳房が大きい場合FHでは時間がかかる時も…

RLに変更してREST slabを入れ、SENSEを入れて時短!!

POSTで広い範囲のCoを時短

28

ここにCoのプランニングの写真入れる!!!

• Dyn前のPRE撮像の前に患者に声掛け

• Dynは腹臥位で両側含めたTRAで0,1,2,5分撮像

• 3~4分までは対象乳房をSAGで面内分解能を上げて撮像時間2分で撮像

• Dyn終了後POSTでCoを撮像

⇒両側と指示がある場合はCoをoptionで両側片側ずつ撮像

Dyn撮影

29

乳腺カンファレンスに参加

乳腺外科医よりT1W TRA 2D(脂肪抑制なし)は省略しても構わないとのこと

30

今後の時間短縮の試み

今後の時間短縮の試み

PRE DynSAG COR

合計=5:51

HR TRA

3:3031

HR TRA

からMPR

今後の時間短縮の試み

32

0:48

1:08

1:04

2:44

1:06

2:06

1:43

2:06

6:10

現在のシーケンス=18:55 15:56になる..予定?

7:30

• シリコン挿入でトラブル?!

• SMART BREASTのトラブル?! ~その1~

• SMART BREASTのトラブル?! ~その2~

• DWIの脂肪抑制でトラブル?!

• 乳腺のf0が…トラブル?!

本当にあった5つのトラブル

33

シリコン挿入でトラブル?!

Surveyの時点でシリコンの存在に気付いた

T1Wfsの撮像ためf0設定へ

34わかりやすいf0

シリコンの中心周波数は脂肪より30Hzだけ低い

両側挿入されているとピークが高いので間違いやすい

装置は一番高いピークを取りに行くので要注意!!!

シリコン挿入時の中心周波数のズレ

35

シリコン

脂肪水修正前

修正後

シリコン挿入でトラブル?!

36

SMART BREASTとは

Surveyとして得られた画像から自動セグメンテーションを行い,

肺野や心臓、インプラントなどは自動的に除外して乳房と腋窩部に合わせて自動的にシミングを行う機能

常に安定した均一な脂肪抑制画像が得られる37

SMART BREASTのトラブル?! ~その1~

*フィリップス・ジャパン技術解説より引用

SMART BREASTのトラブル?! ~その1~

撮像中に左右の信号のムラが顕著に、、、

なぜ?38

原因

Surveyの時点での動き⇒咳が出て動いてしまったそう

対策

シミングしても改善しない場合は再度SMART BREASTSurveyを撮像!

39

SMART BREASTのトラブル?! ~その1~

SMART BREASTのトラブル?! ~その1~

ちなみにMIP上では動いていないように

見えるので要注意!!40

原画 AUTO MIP

SMART BREASTのトラブル?! ~その2~

脂肪抑制ムラが、、、

IB SMART ではなく volume shim にしてみる

41

*臨床の撮像画像がなかったので乳房ファントム使用内容物 サラダ油 生食ボトル

IB SMART volume42

SMART BREASTのトラブル?! ~その2~

• IB SMARTは優秀な機能だが、万能ではない

• 時にvolumeに頼る選択肢も必要

脂肪抑制はSPAIRで撮像しているが、脂肪抑制ムラによる高信号領域が発生

最悪の場合、病変にかかることも、、、

DWIの脂肪抑制でトラブル?!

43

DWIの脂肪抑制でトラブル?!

DWI撮像前のfsでムラ落ちが多ければSTIRに変更

44

当院ではDWI STIRは

追加画像

時間は2分程度で撮像

DWIの脂肪抑制でトラブル?!

45

毎脂肪抑制シーケンスで

intelactive f0をselect

中心周波数を確認して撮像

乳腺のf0が…トラブル?!

46

乳腺のf0が…トラブル?!

造影前 TRA 造影6分後 COR造影3分後 SAG

47

当院ではDyn中に別オリエンテーションを撮像それぞれのオリエンテーションでピーク形状が違う

⇒間違えたピークを選択すると脂肪抑制不良に

乳腺のf0が…トラブル?!

造影前 TRA 造影6分後 TRA

48同じオリエンテーションでもf0に変化が、、、

乳腺のf0が…トラブル?!

49

経験上

脂肪が多く、

乳腺が少ない高齢者

ほど起こりやすい

• 創意工夫で脂肪抑制ムラが出ないように

• スムーズに検査を行うための工夫を

• 乳腺カンファレンスに参加することで外科医と直接シーケンスの相談が

可能なため参加する価値はあり

まとめ

50

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