実践を通じて 危険回避力を 身につける · 4 危険予知と安全対策...

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1

実践を通じて

危険回避力を

身につける

材料実験室

2

大学で「安全」を学ぶ目的

理工系出身者のみなさんは将来、

製品を作る技術者などの「安全を保障する立場」になる。

自分や周囲の人間の身を守る

高い安全意識を身につける

大学時代から安全を意識する習慣を身につけることが重要

日々の実験活動での行動が習慣化のためのチャンス

3

安全意識を高めるためには

Step1 危険を回避する方法を知る

Step2 安全知識を習得する

Step3 繰り返し考え続ける

危険予知と安全対策

4

危険予知と安全対策

危険予知(KY) 危険を回避するには、どのような事故が発生する可能性

があるかを予測すること。

危険回避力

危険予知

安全対策

事故を未然に防ぐ対策

被害を最小限にする対策

安全対策 予測した事故を未然に防ぎ、また事故が起こったとして

も被害を最小限にする施策。

危険を回避する知識の習得や活動は「リスク管理」とも呼ばれ、社会に出てから災害・

事故や損失・トラブルを未然に防ぐ上で重要視されています。

ココがPoint!

Step1 危険を回避する方法を知る

5

危険の温床を見つける

危険予知は、まず危険の温床を探すところから。

身の回りの危険の温床を探し、危険予知をしてみよう。

危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

6 http://www.safety-driver.com/menkyo/topicquestions.html

例: 10km/hで進行しています。交差点を直進するときは、

どのようなことに注意して運転しますか?

Step1 危険を回避する方法を知る

危険予知のポイント①

危険の温床を見つけてみよう

7

例: 木材の曲げ実験終了。大きな音がしてびっくりした、さて、

この後考えられる危険とは?

Step1 危険を回避する方法を知る

危険予知のポイント①

危険の温床を見つけてみよう

8

危険の温床を見つける

危険予知は、まず危険の温床を探すところから。

身の回りの危険の温床を探し、危険予知をしてみよう。

安全ではない行動安全ではない行動 安全ではない状態安全ではない状態

・面倒くさがる

・不適格な服装(サンダル、スカート、半ズボンなど)

・計画性のない作業

・機械装置等の指定外使用

・運転中の機械などに手を触れる

・操作性向上のために、安全装置を無効にする

・整理整頓がされていない

・不衛生な環境

・物自体の欠陥(鋭い角やバリがある等)

・防護装置の欠陥(覆いや囲いがあるか?)

など

など

危険の温床危険の温床

危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

9

5Sとは

整理・・・不要なものを捨てること

整頓・・・使いやすく並べて表示すること

清掃・・・きれいに掃除しながら点検すること

清潔・・・きれいな状態を維持すること

しつけ・・・きれいに使うように習慣づけること

危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

5Sのすすめ

問題箇所を見つけたら5Sを参考に整理整頓・対策をしましょう。

10

必要なものと不必要なものに分け、

不要なものを捨てること。

整理が不十分な場合の問題点

①本来必要な物を置くスペースがなくなる

②不必要な物の管理までしなければならない

③全体に乱雑で、快適に活動できる環境ではない

整理のポイント

・将来使用する予定のあるものには、

いつまで取っておくかを明確にし、掲示する。

・書類をデジタル化することも一つの方法

整理とは… 危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

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必要なときに必要な分をすぐに取り出せるよう、

分かりやすく、安全な状態に位置させること。

整頓が不十分な場合の問題点

①すぐに見つからない。

②すぐに取り出せない。

③使える状態ではない。

④特定の人しか探し出せないものが多い。

⑤物の運搬に手間取ったり、

つまづきや接触事故が起こりやすくなる。

整頓のポイント

・不要なものはすぐに片付ける。

・重量物は頭上より上には収納しない。

・崩れたり、倒れたりしないよう整頓。

・通路にはみ出して物を置かない。

・小物は種類毎に箱などにいれておく。

整頓とは… 危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

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ゴミなし、汚れなしの衛生的な状態を保つほか、

計器などの機能が順調に果たせるかを点検すること。

清掃のポイント

・清掃は全員で行うことが基本。

・室内に分担表を掲示。

・週1回時間を決めて、「全員短時間で

一斉に」行う。目安は10分程度。

・清掃してもすぐに汚れてしまう場合は、

汚れの発生源等の根源を突き止め、

「よごれを出さない対策」を打ち出す。

清掃が不十分な場合の問題点

①見た目に汚く、気持ちが良くない。

②床の油、ゴミで滑って転倒する。

③空気が良くない。

④熱を持つ部分にゴミ・埃が付着し、

火災の原因となる。

清掃とは… 危険予知のポイント①

Step1 危険を回避する方法を知る

13

ヒヤリを有効に!

ヒヤリ・ハット事例

10 10

30 30

600 600

重大災害 (死亡または重傷)

傷害事故

物損事故

一歩間違えれば重大事故になる ヒヤリとした、ハッとした経験

Birdによる

災害・事故の比率

(バードの法則)

1つの重大災害の背後に、

10の傷害事故、30の物損事故、

600のヒヤリ・ハット事例がある。

ヒヤリ・ハットで済んだ事例も、それは運

が良かったに過ぎません。この事例が

最悪の場合どうなるかを考え、確実に

安全対策をする習慣を身につけましょう。

危険予知のポイント②

Step1 危険を回避する方法を知る

14

危険予知・安全対策の例

Step1 危険を回避する方法を知る

・荷の高さを下げ、通路から遠ざける

必ずしも大規模な対策が必要とは限らない。

・計測器を床に直置きしない

事故事例①

ホットスターラーや投げ込みヒーターのつけっぱなしによる空焚き

15

連続使用届を出している装置に関しては毎日点検・確認

事故事例② 手袋を着用せず重量物を運搬し、指にけがを負った。

16

慣れてきたころの気の緩みが事故につながる

手を挟んだ場所

転倒した支持台

RC供試体

固定支持台

固定支持台

対策

・手袋着用の厳守

・転倒防止の実施

ヒヤリハット事例①

17

(オートグラフ・万能試験機)

試験空間に頭や体をいれていませんか?

機械にはさまれ死亡事故など

の恐れがあります。

セッティングの確認は鏡やカメラ

などを使おう

ヒヤリハット事例②

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(オートグラフ・万能試験機)

試験終了後、試験片を取り外そうとしたらはずれなかった

→試験は終了したが、試験力が残っていた

試験片や治具の飛散で死亡事故などの恐れがあります

作業の前に、試験力がのこっていないか、

試験機が停止しているか、

試験機の制御モードがどうなっているか、

確認しましょう

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安全意識を高めるためには

Step1 危険を回避する方法を知る

Step2 安全知識を習得する

Step3 繰り返し考え続ける

20

最低限の安全知識を養う

科学技術に関わるみなさんにとって、

専門にかかわらず、広い安全知識が必要。

危険なのは、安全か危険かも分からずに、

行動してしまうこと。

理工系学生として

Step2 安全知識を習得する

最低限の安全知識があれば、

必要なときに調べることができる。

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最低限の安全知識

1.身体の保護

2.電気設備

3.薬品

4.石油類

5.高圧ガス

6.放射線・X線取扱作業

7.動物実験・遺伝子組み換え実験

8.レーザー光

9.廃棄物

「安全のてびき」の目次

Step2 安全知識を習得する

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身体の保護

作業着の着用

保護めがねの着用 薬品や試験片が飛散して目に入る危険性がある。

失明などの重大な障害を避ける。

サンダルではなく、靴で実験を 露出した部分を保護する。

毒性のある物質が口に入れないため。

引火性の高い化学物質に火が移る可能性を避ける。

実験室内での飲食・喫煙はしない

Step2 安全知識を習得する

最低限の安全知識①

23

電気設備

プラグ・コードの取扱いは適切に。 破損したら、廃棄または修理すること。

水を使う場所周辺の機器には必ずアースをつけましょう。 濡れた手で電気器具を触らないようにしましょう。

工事が必要な場合は、 技術企画総務課まで連絡してください。

コンセント・テーブルタップなど

定格容量を超えないこと。

たこ足配線をしないこと。

電気に水は禁物。

しろうと工事はしてはいけません。

定格容量を超えて使用すると、 発熱し、火災の原因となります。

最低限の安全知識②

Step2 安全知識を習得する

24

安全意識を高めるためには

Step1 危険を回避する方法を知る

Step2 安全知識を習得する

Step3 繰り返し考え続ける

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繰り返し考えるから、習慣になる。

Step3 繰り返し考え続ける

新しい装置や材料を使うときに

毎月定期的に

実験をする前に

ヒヤリハットした時に

危険がないか、

再検討。

・・・

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「知識不足による危険」より厄介なのは

「危険を知っていて対策をしなかった」こと。

いつもやっていて、平気だったから・・・という「甘え」が重大災害を引き起こします。

人は往々にして、「面倒くさい」「自分は大丈夫」などと甘い言い訳を考えます。そうな

ると、いくら知識があっても意味がありません。「大丈夫」と思われることも、厳格に対

処する習慣をつけてください。

ある事故を起こしてしまった男子学生の談

「何かおかしいな」と思ったけど

別にいいやと思って続けてしまった。

Step3 繰り返し考え続ける

厳格に対処する。

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まとめ

Step1 危険を回避する方法を知る

Step2 安全知識を習得する

Step3 繰り返し考え続ける

危険予知と安全対策

危険の温床を見つける

ヒヤリを有効に!

専門にかかわらず、広い安全知識が必要。

厳格に対処する

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緊急事態の対応

緊急事態(事故・火災など)が起こってしまったら、

直ちに正門警備室と管理室に連絡してください。

②材料実験室管理室

内線 8710

外線 03-5286-3057

①正門警備員室

内線 2000

外線 03-5286-3022

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