街道が結ぶ歴史と文化 - town.koori.fukushima.jp · 一般社団法人あおもり...

Post on 20-May-2020

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基調講演

江戸時代に整備された「羽州街道」。その沿線で活動する団体や個人の交流を通して、各地域のまちづくり活動

の活性化を目的として毎年開催されている、「羽州街道交流会」の記念すべき第10回目の大会が7月19日・20日

両日、桑折町を会場に開催され、町内外から訪れた多くの人たちが、羽州街道の起点・桑折町の歴史と文化、そ

して魅力について理解を深め、街道により結ばれる絆を確認し合いました。

 

羽州街道沿線で活動する人や団体

の交流の場となっているこの会。1

日目は、町地域交流センターを会場

に町内外から約350人が集まり、

基調講演2本、および「街道が繋い

だもの、繋ぐもの」をテーマにパネ

ルディスカッションが行われ、街道

の果たす役割や、街道でつながるこ

とによる可能性などについて、理解

を深めました。

 

開会前には、「桑折御蔵」「町建設

業連合組合」の皆さんと「児童館」

の子どもたちが協力して、「江戸時

代の羽州街道の様子」を再現した歓

迎行事で参加者をもてなしました。

 

2日目は、「羽州街道を辿る」「桑

折宿を辿る」の2コース編成による

歴史街道探訪会が行われました。

「羽州街道くいしんぼマップ」

 ごはんで町を元気にということで、その土地の食材を活かした美味しいものを一緒に考える活動をしている。今日初めて訪れ、追分から歩いてみるとロマンを感じた。はじめてくる方の目線は、住んでいる方の目線と違う。どのような点が良かったか、情報収集することも大事。羽州街道沿いの町のおいしいものをまだよく知らないので、興味がわいてくる。羽州街道の食いしんぼマップを作るのも、おもしろいと思う。

パネラー料理家・研究家minokamo

長尾明子さん

ないものねだりよりあるもの探し

 コミュニティビジネスというのは、地域の課題を、地域の資源を使って、住民が主体的になって解決することだが、無いものねだりよりあるもの探しということで、街道での人との繋がりというのが大事なことを改めて感じた。観光の成果は分かりづらいが、リピーターを増やすには、一度に全部紹介するとだめで、一つだけ心残りを見せる…あの山はいいんだよ、でも今日は行かないよ。そういうのがリピートにつながる。

パネラー一般社団法人あおもりコミュニティビジネスサポートセンター理事

山田さとみさん

街道で人がつながること大事

 大内宿には年間 100 万人が訪れる。その人たちに他の地区も知ってもらおうとネットワークづくりをし、各集落で知恵を絞って事業を展開。その効果で、若い人たちが、かなり前向きな気持ちになっている。街道で人と人が繋がることは大切だと思う。今日まで大内宿で頑張ってきたが、次の 100 年、またその次の 100 年も、大内宿で人が生きていけるように頑張って生きていきたいなと心を新たにしたところ。

パネラー

大内宿結の会顧問

吉村徳男さん

「江戸中期の桑折宿の姿」講師 鈴木文夫さん(桑折町郷土史研究会長)

人間教育に街道の活用を

 羽州街道の自治体で、子供たちが街道交流する勉強会を、ぜひ立ち上げたいと思っている。これにより、歴史を知ることで食文化があり、歴史の足跡の大切な思いを知り、今の人間教育の中で欠けてる部分が補えるのではないかと思う。また、我が町に道の駅がある。道の駅にそれぞれの自治体の品物あるいは歴史文化の一つでもいいから繋がりとしてあればいいなと思い、今後進めたいと思うので、協力をお願いしたい。

パネラー羽州街道交流会顧問七ヶ宿町長

梅津輝雄さん

「大内宿が大切にしたもの」講師 吉村徳男さん(大内宿結の会顧問)

 私は、8反分の農地を持つ、茅かや

葺き職人で、また、そば職人です。もとは役場職員でしたが、大内宿伝統の茅葺きの存続に危機感を覚え、45歳で役場をやめて、茅葺き職人に弟子入りしました。また、農林課時代には減反を推進していました

 鈴木さんは、パワーポイントを使って、貴重な絵図面に解説をつけたものを、スクリーンに大きく映し出し分かりやすく説明。宿場内を通る街道や、用水路の様子、また本陣の見取り図など興味深い資料で、江戸中期の桑折宿の姿を、魅力的に紹介した。

が、辞めた後は、荒れていく減反農地を観ていられなくなり、「そこにそばを植えろ!」と役場に訴え続け、結果そば職人にもなりました。 大内宿での暮らしを守っていくには、大変なことがたくさんあります。茅葺き屋根一つとってもそうです。葺き替えは手間がかかるし、火災も起きやすい。でもだからこそ、屋根葺きの技術をみんなで磨きみんなでやる。そして「屋根を葺く技術を守っていくことが私の役目」と自信を付ける。火災が起きないように、消防団の活動をみんなで支える、そんなことをしています。 そして、大内宿では一年間の年中行事を、とても大切にしています。年中行事を重んじることは、地域の人々との繋がりを強めます。また、年中行事の中で子どもに役目を与えることで、子どもは地域で生きていくことを覚え、役目を全うすることで自信をつけながら成長して行きます。 これら屋根葺きも年中行事も手間暇がかかります。でも私たちはあえて「面倒くさいことをやろう」を合言葉に毎日暮らしています。そして、みんなで面倒くさいことをやり遂げたら、必ず、みんなで宴会をします。地域コミュニティを守るにはこれがとても大事です。 大内宿にはたくさんの観光客が訪れますが、私たちの活動の目的に「集客」はありません。自分たちの古くからの衣食住をかたくなに守るという「面倒くさいこと」で自分たちを磨いている結果、それを観るために人が集まってくるという良い循環につながっているのです。 しかし、私たちが大内宿の伝統を守り続ける真の目的は、「子孫のため」。大内宿が大切にしているものは、これから先の大内宿です。「地域の力を次世代に」繋いでいくために、これからも大内宿は守り続けていきます。

 特に、仙台市立博物館所蔵『御道中御宿絵図』中に残されていた、菊田伴右衛門署名の菊田家本陣絵図は、この講演にて初紹介の目玉。

羽州街道は人・歴史・文化の繋がり

 平川市は南津軽郡尾上町・平賀町・碇ヶ関村3町村が合併し、34,000人という小さな市となった。「人と文化と歴史が繋がること」これが羽州街道の繋がりではなかろうかと考えている。毎年夏に、平川ねぷたまつりを開催し、3万人の観光客が来て大変な賑わいとなっている。観光協会に交流人口部を立ち上げ、近隣の皆様と交流を図っている。一人でも多く来ていただき、1か所でも多く見てもらいたいと考えている。

パネラー青森県平川市観光協会長

山田忠利さん

5 4広報こおり 平成 26年8月号広報こおり 平成 26年8月号

第10回羽州街道交流会桑折大会

街道が結ぶ歴史と文化

 平成 23年度に大館で開催した時に、分岐点のお話しを伺って、必ず来ようと思っていました。すべてが印象に残っていますが、まずは伊達氏発祥の地ということを初

「歴史の深さに感動」秋田県大館市議会議長 中村弘美さん

 交流会2日目に、2コース編成で行われた歴史街道探訪会の様子を、写真で辿ります。両コースとも出発は醸芳小学校。すべて巡り終えたあとは、うぶかの郷で昼食会を行い、歴史に触れた感動を胸にそれぞれの帰途につきました。

〝羽州街道を辿る〟コース

めて知ったこと、人口規模に比してお寺が多く、なおかつそれがきちんと維持されていることが印象深く、また数々の史跡の存在からも、桑折町の歴史の深さを感じ、非常に感動しました。交流会に多くの町民が協力していた姿からは、協働の精神を感じ、素晴らしいと思いました。ありがとうございました。

 想像して来たよりも、ずっと良い交流会でした。町長さんはじめ、地元の各団体が、女性も含め、非常に

「地元の協力が素晴らしい」青森県平川市碇ヶ関交流人口推進協議会石村憲昭さん

協力的で一所懸命なところが素晴らしかった。来年は私どもの平川市で開催するのですが、整備状況なども含め、大変参考になりました。ありがとうございました。

〝桑折宿を辿る〟コース

旧伊達郡役所

桑折寺山門

万正寺の大カヤ

選奨土木遺産「西根堰芝堤頭首工」

観音寺

伊達朝宗墓所

羽州街道分岐点(追分)

羽州街道分岐点(追分)

桑折御蔵

法圓寺(芭蕉の田植塚)

半田銀山史跡公園益子神社

産坂~小坂峠

大安寺

無能寺(御蔭廼松)

旧伊達郡役所

7 6広報こおり 平成 26年8月号広報こおり 平成 26年8月号

第10回羽州街道交流会桑折大会

歴史街道探訪会

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