広島大学病院診療支援部 小松真由美 - hiroshima …赤血球輸血(rcc・wrc)...

Post on 28-Jun-2020

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広島大学病院 診療支援部 小松 真由美

製剤 A型 O型 B型 AB型

患者 A型

赤血球(RCC・WRC)編

A抗原 抗B

製剤 A型 O型 B型 AB型

患者 A型 B型 AB型

赤血球(RCC・WRC)編《同型の製剤がない場合》

抗体なし

抗体がある人に抗原を入れてはいけません!同型の製剤がない場合の第二選択はO型です!!

製剤 A型 O型 B型 AB型

患者 A型

抗B A抗原

血小板(PC)・血漿(FFP)編

製剤 A型 O型 B型 AB型

患者 A型 O型 B型

A抗原

血小板(PC)・血漿(FFP)編《同型の製剤がない場合》

抗原がある人に抗体を入れないように!同型の製剤がない場合の第二選択はAB型です!!

赤血球輸血(RCC・WRC)末梢循環系に十分な酸素を供給すること。

適応:血液疾患に伴う貧血、慢性出血性貧血

急性出血、周術期(術前、術中)

血小板輸血(PC)止血・出血予防

適応:活動性出血、Plt少ない患者の術前、人工心肺使用時大量輸血時、出血傾向強いDIC、血液疾患、固形腫瘍、造血幹細胞移植

血漿輸血(FFP)凝固因子の補充

適応:PT30%未満、肝障害、大量出血時、濃縮製剤のない凝固因子の欠乏、血漿交換低フィブリノーゲン(100mg/dl)

輸血の目的

赤血球輸血 ☞ 血圧を上げ、臓器に酸素を送り臓器不全を起こさせない

血液型検査、2回目の確認まで待てない!

*血液型が確定していても、オーダーが出せない、生食

法のクロスが待てない場合も。

⇓ ⇓

O型赤血球

血小板、FFP輸血 ☞ RCC程には急がない

原則、血液型検査をして 同型のものを輸血*

1回血液型検査して発注・解凍して実際に輸血する前に2回

目の確認が間に合えば大丈夫です。

緊急時には…

クロスマッチが陽性になった!!

・連銭形成 → 鏡顕、生食置換

・フィブリン析出 → 患者血漿をもう一度遠心して再検査

・Pegを洗浄せずに、遠心していないか → 再検査

・患者 或いは 製剤の血液型が間違えてはないか

→ 患者検体・製剤の血液型を検査

・不規則抗体、規則抗体があるかも!

→ 輸血部職員に連絡下さい。

O血球が陽性になった!!

・連銭形成 → 鏡顕、生食置換

・フィブリン析出 → 患者血漿をもう一度遠心して再検査

・不規則抗体、規則抗体があるかも!

抗Tja、抗Jra、抗H、抗Dib

*試薬血球が血清と反応させた後に、溶血してないか注意し

てください。

T(AB血漿)が陽性になった!!

・赤血球成分が粘い → 患者赤血球を生食で洗浄して再検査

・AB血漿の異常(汚染など)→ 新しくAB血漿を37℃溶かし

て遠心後、再検査

・T抗原露出(敗血症、菌血症) → 血漿成分の輸血は禁忌!!

不規則抗体がある患者に、抗原陽性血が輸血されてしまった場合…

適合血ってなに?

T-リンパ球 B-リンパ球

形質細胞

マクロファージ

不規則抗体と反応しないように、を選ばないといけません!!

脾臓

候補血ってなに?

血液センターでは、適合血の製剤を選ぶ際に2回

検査をして確定しています。

候補血は、その一次試験合格血です。

適合血とほぼ同じ扱いで構いません。

*適合血も候補血も、クロスマッチは生食法からPegクームス法までして下さい。

更に、必ず製剤の を確認して下さい。

適合血 選ばない

連銭形成 γ-グロブリン・フィブリノゲンの上昇、

血漿増量剤の使用で起こる。

*生食法(クロス・血型ウラ)では偽陽性として出るの

で、鏡顕や生食置換で確認が必要なこともある。

小児・成人・移植のため表裏不一致

小児…抗体産生が未熟な為に、ウラ(抗体)が出ない

成人…疾患等の理由により抗体産生低下の為ウラが出ない

移植のため…幹細胞移植により、オモテ(抗原)はドナー型に変わったが、ウラは患者の元の血液型の抗原に反応する抗体が出ていない場合

適合血 選ばない

移植後A、B、O、AB型

異型の幹細胞移植後に、血液型がドナーの血液型に変化したもの

登録してある血液型に合わせて輸血して下さい。

適合血 選ばない自己抗体

自己の赤血球を含む色んな赤血球に非特異的に反応する抗体持ちます。

不規則抗体(-)であれば(1週間以内)、適合血選ばず 生食法のクロスのみで構いません。

非特異抗体解離

赤血球の抗原に特異性のない反応を示す抗体が患者赤血球から解離さ

れた。

解離液陰性

患者血球にIgG・補体等が結合しているが、解離したものは赤血球の

抗原に反応するものではなかった。

*不規則抗体スクリーニング検査をして陽性の場合は、特別な処理が必要なので 輸血部職員に連絡下さい。

適合血 選ばない

抗P1(室温)

多くはIgM性の自然抗体で、37℃クームス法では陰性の場合が多く、臨床的意義低い。

抗Leb(室温)

多くはO型赤血球(検査用血球試薬)のLeb(+)と反応する 抗LebHで患者と同型のクロスマッチでは適合となり、問題なし。

*HとはA.B抗原の基礎となる抗原で、O型はA.B抗原を持たない為にH抗原量が多い。

**37℃でも反応する場合は適合血選ぶ。

適合血 選ばない

抗I抗体

抗H抗体

抗HI抗体

これらの抗体は健常者でも持つ事が多く、

37℃で反応する場合は適合血を選びますが、これらの多くは低温で反応し 輸血副作用の原因とはなりません。

A・B抗原

H抗原とは…A・B抗原の基礎構造で、O型はこのH抗原のみの血球。

Bombay型(H抗原(‐))のもつ抗Hは4~37℃

反応性!

I抗原とは…通常、臍帯血では少なく徐々に増加。iadult(I抗原が少ない成人)では37℃反応性の抗I持つことあり!

適合血を選択する!!・抗P1抗体 選ぶ

・抗Lea、Leb抗体 選ぶ

・抗D、E、e、C、c、f抗体

抗fはce抗原に反応する抗体で、適合血はc或いはeのどちらかの抗原(-)の製剤を適合血とする

・抗Dia

・抗Fya、Fyb

・抗Jka、Jkb

・抗M、N、S、s

・抗Xga

・抗K、k 等など

適合血を選択する!!高頻度抗原(ほとんどの人が持っている抗原)に対する抗体

・抗Dib、抗Jra、抗Tja

スクリーニングで全ての血球に反応する

☞輸血部職員に連絡してください!

適合血の中でも稀なので、手に入れるのは困難。

・以前抗○○抗体あり

たとえ抗体が陰性化しても、再び抗原刺激を受けると、二次応答により速やかに、その抗体を再び産生し始めます!

現在、不規則抗体が陰性でも、適合血を選択します!!

抗体(+) 抗体(-)

輸血した赤血球以前 現在

適合血を選択する!!

・抗D、E、e、C、c、Jka…解離(DAT+)

患者血液中の赤血球から抗体が解離された

患者血液中で、不規則抗体が産生されて

輸血した赤血球から解離された…等。

この場合も、再び抗原陽性血の輸血によ

り、強い二次免疫応答が起きます。

輸血した赤血球

血液型違い(主不適合)の幹細胞移植では…

・O型RhD(+)の患者に、A型RhD(+)ドナーの場合の輸血

前処置 移植 直接クームス(-)

赤血球輸血

患者血液中の抗Aと反応しないように選ぶ

血小板/血漿

ドナー由来のA型血球を壊さないように選ぶ

←患者抗A ドナーA型血球→

O型 A型

O型 A型

患者がドナーに対する抗体を保有

血液型違い(主副不適合)の幹細胞移植では…

・A型RhD(+)の患者に、B型RhD(+)ドナーの場合の輸血

前処置 移植 直接クームス陰性化 患者血球消失

赤血球輸血

患者血液中に存在する抗体と反応しない赤血球を選ぶ

血小板/血漿

患者存在する赤血球と製剤中の抗体が反応しないものを選ぶ

A型 O型 B型

互いに相手に対する抗体を保有

患者A型血球 ドナーB型血球

A型 AB型 B型

患者抗B ドナー抗A

血小板の血液型に注意!

・A、O、B、AB型血小板を使用

血液型違いの幹細胞移植においては時期や再発等の理由により、製剤によっては違う血液型を輸血する場合。

基本、赤血球輸血の血液型が登録されているので、血小板輸血時にはコメントに従い血小板を発注して下さい。

*一応、Drに一言確認 して下さい。

特殊な血小板の対応になります

・洗浄血小板

製剤中の血漿タンパクに対してアレルギー性の輸血副作用を起こしやすい(発熱・蕁麻疹・掻痒感など)患者では、製剤中の血漿を除去することにより、それらの副作用を回避・軽減できます。

☞ 輸血部職員を呼び出して下さい。

*洗浄後は、血小板の機能が低下するので速やかに輸血して下さい。

特殊な血小板の対応になります

・抗白血球抗体 ☞ PC輸血の時に注意して下さい。

HLA(ヒト白血球抗原)抗体を持つ患者では、血小板にもHLA抗原があるので、HLA適合の血小板(HLA-PC)を輸血しないと効果が望めません。

発注してすぐ手に入る製剤ではありません。予約が無い場合は、血液センターに連絡してなるべく適合度の高い製剤を検索してもらいます。

HLAの型が優先される為、患者の血液型とは違う血小板

を輸血する事もあります。それで、製剤中の抗体価が高

い場合は、血小板を洗浄して対応します。

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