ウォータハンマについて...ウォータハンマの軽減法...
Post on 14-Mar-2020
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ポンプ運転中に停電が起り、電動機の動力が急激に失わ
れたとき、管路の形状や、逆止め弁の閉じおくれなどによ
り、ウォータハンマ過渡現象がおこります。
■ポンプ特性の変位 図⒜はポンプの吐出し管路中に全く弁のない場合、図⒝
は吐出し管中に逆止め弁があった場合の停電後のポンプ特
性の変化を示したものです。このようにポンプ停電後の管
路内の圧力はいずれも圧力降下(負圧発生)し、次いで圧
力上昇します。この圧力降下値と圧力昇値が大きいとポン
プあるいは管路が破損することもありますので、ウォータ
ハンマ防止策が必要であります。すなわち負圧発生を防止
または軽減させることがウォータハンマ防止策となり、こ
れを防止すれば圧力上昇も小さくなります。
● 停電後に起るポンプ系の現象
●ウォータハンマ過渡現象の起りやすい条件および起りに
くい条件
主なものをあげると次表のようになりますので、ポンプ
場の計画当初より十分検討し、ウォータハンマ過渡現象が
おきないよう配慮する必要があります。
544
P P
項 目管内流速ポンプ・モートルの回転体慣性力
管 長
管路形状
チェック弁の 種 類
普通逆止め弁(しまりおくれがあると逆流を強く受け止めることになる)
凸部がある(この部分で水柱分離が起る)
急閉逆止め弁(バネにより急閉する)緩閉逆止め弁(逆流をやわらかく受け止めてしまる)
発生し易い条件速い程発生し易い
小さい程発生し易い
長い程発生し易い(大体1,000m以上)
おそい程発生しにくい
大さい程発生しにくい
短い程発生しにくい(大体100m以下)
発生しにくい条件
掲載写真は別置式フライホイール付ポンプ外観です
ウォータハンマについて
■ウォータハンマの軽減法 負圧発生(水柱分離)を防止する方法としては、さまざ
まな方法がありますが、一般に
⑴ ポンプにフライホイールをつける。
⑵ 管路の負圧発生部にサージタンクをつける。
⑶ ワンウェイサージタンクをつける。
⑷ 圧力タンクをつける。
⑸ 管路形状を変えたり、管内流速を遅くする。
⑹ 急閉逆止め弁や緩閉逆止め弁を用いる。
⑺ その他
などがあり、特に⑴、⑶の方法に⑹の逆止め弁を併用し
て対策する場合が多くあります。
この中でも特に経済的でかつ、確実な方法として⑴のフ
ライホイールを用いる場合が多くあります。フライホイー
ルで負圧を軽減できないほど、高真空度の場合は、ワンウ
ェイサージタンク法を用いるのが普通であります。
水中ポンプではフライホイールを簡単につけることがで
きないので圧力タンク法を用いるのが普通です。
■ウォータハンマ過渡現象の照会事項について⑴ 日立では、フライホイール装置の標準化をすすめ各種
条件に適合する各種のフライホイール装置をポンプと直
結できるようにしています。
⑵ 日立では、ウォータハンマ過渡現象の検討を行い、ポ
ンプ設備、電動機設備、制御設備全体の見積、とりまと
めを行いますので、お引合いの際は次の事項をお知らせ
ください。
イ ポンプ仕様(吐出し量、全揚程、回転数)常用最大運
転台数、運転方式
ロ 電動機仕様(形式、極数、GD2、周波数、電圧、電流
値)始動方式
ハ 弁(逆止め弁および制水弁)仕様(種類、口径、常用
耐圧)
ニ 送水管仕様(内径、材質、肉厚、試験水圧、常用耐圧、
長さ)
管路縦継図面(管路プロフィール)
ホ ポンプ据付位置(据付床面)、計画吸水面、計画吐出し
水面の各エレベーション
545
参考資料
ウォータハンマ●
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