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産業技術センター

Topics1 ● 県内中小企業と共に、共同研究に取り組んでいます 「スマートエネルギー導入推進事業」 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

2 ● 活動報告「熱処理・表面処理技術研究会」 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

3 ● 活動報告「スポット溶接研究会」 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

企業紹介 ● 印刷技術を利用し、シンプルで壊れにくいシート状の触覚センサーを開発しました 第28回神奈川工業技術開発大賞受賞 株式会社マルサン・ネーム . . . . . . . . . . . . . . 5

設備紹介 ● 新規導入設備を詳しくご紹介します! 第1回 EMI 測定システム . . . . . . . . . . . . 6

HOWTO! ● HOW TO! 知財入門 シリーズ② 知財入門   県内中小企業の知的財産活用事例 南開工業株式会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

お知らせ ● 神奈川県ものづくり技術交流会 / 技術移転マッチング商談会 / 航空機産業フォーラム / センサエキスポジャパン 2012 / アグリビジネス創出フェア 2012 / 産業交流展 2012 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8

はじめに 当センターでは、平成 24 年度からスマートエネルギーシステム導入推進事業に、県環境農政局蓄電推進課と共に取り組んでいます。 今年度は、太陽光パネルと蓄電池、電気自動車(EV)を組み合わせた電力システムを構築し、オフィスビルのピーク電力の 15%カットを行う実証試験(スマートオフィス)を行い、平成 25 年度に実施する中小工場の電力制御システムの導入による電力使用量のカット(スマートファクトリー)の実証試験に向けて、県内中小企業と、関連技術の共同研究開発を実施します。

産業技術センターニュースKanagawa Industrial Technology Center News

vol.22012contents

スマートエネルギーシステムの概要

スマートコントローラ

制御

太陽光パネル(出力 17kW)制御

EV用充電機器(出力10kW)

蓄電池

出力10kW容量13kW

EV(容量24kWh)蓄電

発電

給電充電

( )放電 蓄電

設置施設モニター

県内中小企業と共に、共同研究に取り組んでいます

「スマートエネルギーシステム導入推進事業」Topics 1

1産業技術センターニュース 2012 vol.2

共同研究開発の概要 中小企業向けのスマートファクトリーシステムには標準的なモデルが無く、また、市場も不明確なことから、民間での研究・開発があまり進んでいません。業態や規模により、使用する機器や使用電力量が大きく変わるためです。工場の電力使用状況に合わせた電力制御システムの最適化が求められています。

来年度実施のスマートファクトリーの実証試験では、1) 排熱等の熱利用により電力消費量をカットする工場モデル(めっきやアルマイト処理等の表面処理業者)2) 大電力を短時間に消費する場合に、使用電力のシフト等による電力ピークカットを行うモデル(金属加工業者)を想定しました。これらの実証試験に必要とされる技術課題について、共同研究を実施します。

 本年6月に、下記の 3 テーマについて募集を行い、外部評価委員のご意見なども踏まえ、県内中小企業 6 社との共同研究の実施を決定しました。1) 太陽電池の効率向上・熱利用に関すること 太陽光パネルが、パネル温度の上昇によって変換効率が低下することから、パネルの冷却により変換効率低下を防止するとともに、廃熱等を積極的に利用することを想定したテーマです。2) 蓄電池の低コスト化・安全性向上に関すること 電気自動車(EV)で使用済みとなったリチウムイオン電池などの蓄電池を、工場用の蓄電装置に再利用することを主として想定したもので、再利用による低コスト化や、蓄電池の寿命予測、安全性に関する評価・検討を行うものです。3) 電力制御システムの構築に関すること 太陽光パネルと蓄電池を使用する電力制御システムに適したパワーコンディショナやインバータの研究・開発を想定しています。

研究テーマと概要研究テーマ名 概    要

「太陽追尾型太陽電池システムの開発」 太陽の位置に対応して太陽光パネルの角度を自動的に変えて効率的に発電する太陽追尾型太陽電池システムを開発する。

「リユースリチウムイオン二次電池の特性評価」 使用済み電気自動車用リチウムイオン電池の再利用を進めるため、劣化状況の評価技術を確立する。「リチウムイオン電池負極・正極表面における充放電中のその場観察」

リチウムイオン電池の性能を評価する新しい方法として、これまで不可能だった充放電中の電池内部の観察ができる技術を開発する。

「鉛蓄電池の長寿命化と蓄電設備への応用」 使用済み鉛蓄電池の再生技術を開発し、工場用蓄電設備等へ活用する。「太陽光発電・蓄電システムの活用と性能評価」 太陽光発電・蓄電システムの「見える化」機能を構築、活用し、工場向け電力制御システムの改善を目指す。「太陽電池により充電された蓄電池を利用した独立電源系パワーコントローラの試作」

太陽電池と蓄電池を活用したスマートエネルギーシステム用電力制御回路(DC - DC コンバータ・インバータ)を開発する。

おわりに~今後の予定 共同研究開発の優れたご提案につきましては、今後とも個別に対応させていただきます。参加をご希望の方がいらっしゃいましたら、事務局までご連絡ください。 【問合せ】 企画部 研究開発連携室 上元好仁

熱利用型工場モデル ピークシフト型工場モデル

図 スマートエネルギーシステムの共同研究概念図

共同研究概念図

太陽光パネル

熱くなった太陽光パネルの熱(70~80℃)や機器の排熱

発電電力 熱利用

電力制御装置

蓄電池

電気 タ

ヒートポンプ

表面処理槽余剰電気ヒーター 表面処理槽

両方で加 熱

余剰電力

系統電力

図 ピークカット型スマートエネルギーシステム

電力制御装置太陽光パネル

系統電力

工作機械 +スマートメータ

余剰電力

駆動時間の調整蓄電池 駆動時間の調整蓄電池

図 熱利用型スマートエネルギーシステム

2 産業技術センターニュース 2012 vol.2

活動報告「熱処理・表面処理技術研究会」

●1 はじめに~「熱処理・表面処理技術研究会」とは 超円高による生産拠点の現地化、国内の人材不足と海外への人材・技術の流出、アジア新興国の急速な技術力の向上など、ものづくり基盤技術を支える中小企業を取り巻く経営環境は益々厳しさを増しています。このような状況から、当センターでは、地域のものづくり基盤技術の競争力強化を支援する新たな試みの一つとして、「熱処理・表面処理技術研究会」(以下、研究会)の運営に取り組んでいます。○活動方針 研究会は、地域の産学公が連携して、熱処理、表面処理関連技術に共通する具体的な研究課題を抽出し、参加メンバーの協働により解決を図ることを活動の基本方針としています。○メンバーと体制 当センターと熱処理、表面処理を行う地域の企業に加えて、(財)神奈川科学技術アカデミー、地域の大学、自動車メーカーをはじめとする川下企業等の技術者、研究者によって構成されており、様々な立場から意見を集約する体制をとっています(図1)。○研究課題 社会全体および業界のニーズを反映するとともに、業界全体の技術力向上に貢献できることを考慮して、①金型、工具を対象とするセラミックス硬質皮膜技術と、②機械構造用部品を対象とする窒化、浸炭焼入れ、高周波焼入れ等の表面硬化処理技術の二つの技術分野を選定しました。

●2 セラミックス硬質皮膜技術分野への取組み 本技術分野の内、金型、工具を対象とする技術は、被加工材の高強度化と加工の高速化に伴って、金型への負荷が増大する傾向にあることから重要となっています。本研究会では、図2に示すような冷間鍛造と打ち抜き加工をそれぞれ想定した金型を作製し、企業と連携してプレス機を用いた金型の評価試験を実施しています。実機試験を通じて金型損傷に及ぼす基材の鋼種、熱処理、表面硬化処理、および硬質皮膜の膜質の影響等を明らかにすることで、金型、工具の更なる長寿命化を目指します。

●3 表面硬化処理分野への取組み 歯車等の機械部品を対象とする表面硬化処理は、動力伝達機構の高効率化、低燃費化に欠かせない重要な技術です。 本研究会では窒化ポテンシャル制御を用いた窒化処理に着目しています。窒化処理は熱処理に伴う変形が少ないことや、摩擦、摩耗特性に優れた鉄窒化物層を表面に付与できることが特長ですが(図3)、この化合物層や母相の拡散硬化層が、強靱性に劣ることが用途を制約する一因になっています。 企業と連携して、水素センサーを用いた窒化ポテンシャルの調整により、化合物層や拡散硬化層の構造を制御して、窒化処理の強靱化を目指します。

●4 おわりに 本研究会は、神奈川地域の熱処理、表面処理技術に関連するものづくり企業が国際的な競争力を今まで以上に強化できるように活動して参ります。上記の技術分野に興味を持っていただける企業の方々であれば、どなたでも本研究会に参加できます。 【問合せ】 機械・材料技術部 材料物性チーム 髙木真一

図3 ガス窒化処理した合金鋼の金属組織

図1 研究会の体制

図2 実機評価試験用の金型

Topics 2

3産業技術センターニュース 2012 vol.2

●1 はじめに~「スポット溶接研究会 」とは 「スポット溶接部のはがれに対する原因と対策を知りたい」、「外注先の品質を上げたい」そんな現場の声をいただき、スポット溶接研究会は生まれました。講演会、研修、溶接機動作確認及びデータベース構築と多彩なメニューで企業支援を行っています。

●2 活動内容

2.1技術講演会・見学会 年に2回、技術講演会・見学会を開催しています。この3年間に6回開催し、60 社のべ 200 名の参加をいただきました。講演会では、スポット溶接に関する基礎知識、品質管理、非破壊検査方法、溶接機の電流・加圧力測定器などに関する話題提供を行ってきました。 また、スポット溶接機ユーザーである鉄道車両メーカー及びスポット溶接機メーカーのご協力のもと、見学会を実施しました。右の写真は、今年3月に実施した㈱アマダにおける見学会の模様です。 次回は 12 月に講演会を開催する予定です。詳細は後日当センターホームページ、メールマガジンにてお知らせします。2.2研修 現在、当センターの中小企業研究開発人材育成事業(ORT)コース研修として、「抵抗スポット溶接」研修の受講者を募集しています。設計担当、品質管理及び購買担当の方々をはじめとした、普段スポット溶接に接する機会が余りない方々に、理解を深めていただくための一日コースの研修です。 具体的な内容は、抵抗溶接の接合メカニズムから JIS 規格の各種評価方法まで、講義及び当センターの溶接機及び計測機器を使用した実習コースです。右の写真は、JIS Z3139 規定の断面マクロ試験に対応した、厚さ 1mm 軟鋼板に対する交流スポット溶接機による接合断面の光学顕微鏡組織写真です。実習を通じて、写真撮影に至るまでの手法を学ぶことができます。また、せん断試験についても同様に実習を行います。 この研修は、受講者のニーズに対応したカリキュラムを組む「セミオーダー型研修」です。また、断面マクロ試験、引張せん断試験の試料を持ち込んで試験することもできます。2名以上の申込みがあれば随時開催します。詳細は、当センターホームページでご案内しています(8 月 8 日付お知らせ ORT コース研修「抵抗スポット溶接」)。2.3溶接機動作確認 スポット溶接作業においては、溶接機の管理が重要になります。納入先への品質保証の観点からも、計測機器を用いた動作確認が必要です。当センターはスポット溶接機用計測機器を保有しています。職員が企業に出向き、溶接電流、通電時間及び加圧力の測定を行います。

●3 公開データベース構築に向けての取組み JIS 規格で継手強度の規定値が明示されているのは、引張せん断試験のみで、対象材料は鋼及びアルミ合金に限定されています。十字引張試験も JIS 規定はありますが、強度規定値は無く、公表されているデータも限られています。また使用時に負荷される応力形態は、せん断試験時と必ずしも同様でなく、ひとたび製品に破断が発生すれば、受発注者間でトラブルになることも考えられます。 これらに対応するため、当センターでは現在、各種材料・継手形状に対する公開データベース構築に取り組んでおり、せん断試験と十字引張試験との強度比較を行っています。写真は SUS304 の L 字引張試験状況を示しています。関心のある方は是非お問い合わせください。

●4 おわりに 当研究会は、「ニーズ対応型」の研究会です。皆様の積極的な参加をお待ちしています。 【問合せ】 機械・材料技術部 材料加工チーム 薩田寿隆

活動報告「スポット溶接研究会 」Topics 3

見学会(㈱アマダ、今年3月)

交流スポット溶接機による接合断面

SUS304のL字引張試験状況

4 産業技術センターニュース 2012 vol.2

企業紹介

― はじめに ― 本県は、昭和59年度から神奈川新聞社と共催で、技術開発の奨励と技術開発力の向上を図ることを目的に、県内の中堅・中小企業が開発した優れた工業技術・製品を「神奈川工業技術開発大賞」として表彰しています。 従来のシートセンサーを理論・工法面から高性能・高機能化し、ロボット研究にも活用されている高性能シート型触覚センサーが、平成23年度の大賞に選定されました。受賞された株式会社マルサン・ネーム(横浜市鶴見区)購買部課長松井修二様、技術顧問小林健一様にお話を伺いました。

Q1 受賞、おめでとうございます。今回応募されたきっかけからお聞かせください。

A1 産業技術センターのメールマガジン、ホームページで募集を知り、自社製品を評価していただく良い機会と考え、応募させていただきました。

この製品には精度、強度、コストパフォーマンスなど多くの点で自信を持っていましたが、大賞に選定していただき光栄に思っております。

Q2 選考中は調査等にご協力をいただき、ありがとうございました。受賞が決まり、反響はいかがでしたか。

A2 調査の際は大変お世話になりました。反響は想像以上で、多くのお問い合わせ、お祝いをいただきました。改めて受賞の重みを感じました。そ

れだけでも宣伝効果は大きかったのですが、今年2月には「テクニカルショウ ヨコハマ2012」に無料で出展させていただき、更にPRを重ねられたことで当社の技術・製品への認知度を高めることができ、大変助かりました。

Q3 受賞された製品は、二足歩行ロボット・介護ロボットを高機能化に導く触覚センサーや介護現場での床ずれ防止など広い応用範囲が期待できると伺いました。その後の事業展開にどのように活用されていますか。

将来の展望も含めてお聞かせください。

A3 選考では、触れたときの荷重の大きさを段階的に処理する設計でセンサーを作製することにより、従来の方式の弱点を克服することに成功したことなどの特徴を

評価いただきましたが、この技術を活用し、神奈川工科大学で開発が進められている「パワーアシストグローブ」の研究開発にも協力しています。これは上肢不随患者のリハビリ用として開発されていますが、試用された方の中には着用後約一週間で、装置を使わないリハビリに移行した方もおいでです。ここで培った技術は、産業用ロボットの腕や手に当たるマニピュレーターや実験装置、ゲーム娯楽機器など幅広い分野のセンサーやコントローラーとして展開が見込め、今後とも力を入れていきます。

Q4 今後がますます期待されますね。当センターには、どのような役割を期待されますか。ご意見、ご要望も含め、是非お聞かせください。

A4 メーカーから試作依頼があった製品の品質評価などを中心に、ご相談させていただきたいと考えています。また、「かながわスタンダード認定事業」のように、利用手数料などの減免制度が受賞企業にもあると有難いですね。我々

は受賞した技術を、製品としてレベルアップさせながら回を重ねて応募し、評価を受けていきたいと考えています。県には、これまで受賞した技術、製品がその後の時間、分野間の連携を経て、発展していくことを促すための発表の場を設けるなど、神奈川発(初)の技術・製品が、国内のみならず世界水準に育つよう応援していただきたいですね。   本日はお忙しい中ありがとうございました。貴社のますますのご発展をお祈りします。

【問合せ】電子技術部 電子デバイスチーム 三橋雅彦(文)企画部 仙波元彦

印刷技術を利用し、シンプルで壊れにくいシート状の触覚センサーを開発しました第28回神奈川工業技術開発大賞受賞 株式会社マルサン・ネーム

 技術・製品開発を神奈川県内の事業所で行う中堅・中小企業及びこれらの企業で構成するグループを対象に、その技術、製品を一定の基準に基づき選考します。 受賞された場合、大賞のロゴマークが使用可能となり、当センターで行われる展示会などで優先的に紹介させていただきます。 これに加えて、中小企業による国内最大級のトレードショー「産業交流展」や工業技術見本市「テクニカルショウ ヨコハマ」に県が出展費用を負担の上、出展していただけます。左から、奨励賞盾、大賞トロフィー、地域環境技術賞盾

(いずれも、神奈川の伝統工芸技術を利用した匠の技による特注品)

○神奈川工業技術開発大賞とは ?(詳しくは当センターホームページでご紹介しています)

高性能シート型触覚センサー

パワーアシストグローブ

5産業技術センターニュース 2012 vol.2

●1 はじめに 当センターでは、今年 3 月から新たに「EMI 測定システム」、「熱処理再現試験装置」、「LC/MS/MS」を導入しました。今号から3回シリーズで、それぞれの設備について詳しくご紹介します。

●2 導入の背景 電子機器が多機能で便利になる反面、EMC(Electro Magnetic Compatibility: 電磁両立性)問題が多様化しています。このため、多くの電子機器は最新の法規制や自主規制に則り、事前に EMC 試験を実施し、安全性を確認してから販売されています。

●3 EMC 試験 EMC 試験には大きく分けて二種類あります。 一つは電子機器から発生する不要な電磁ノイズが、他の電子機器へ悪影響を与えないように、規制で決められた限度値以下に収まっているかを確認する EMI(Electro Magnetic Interference: 電磁妨害)測定。 もう一つは、逆に電子機器へ電磁ノイズを加え、悪影響を受けないかを確認するイミュニティ(Immunity: 耐性)試験です。

●4 当センターの EMI 測定システム EMI 測定システムは、電子機器や車載機器から発生する不要な電磁ノイズを測定するシステムです。本システムは国際無線障害特別委員会(CISPR)の規格 CISPR 14、22、25、日本国内の VCCI 協会の自主規制、および、電気用品安全法に適合した測定が可能です。また、2010 年度以降に VCCI 協会で新しく運用を開始した通信ポートの伝導妨害波測定と 1GHz を超える放射妨害波測定にも対応した最新のシステムとなっています。さらに、26 .5GHz までの無線電波の測定やアンテナ指向性測定、電界分布測定にも対応しています。  ご利用は、依頼試験にて承っております。費用は測定内容により異なりますので、担当者までお問い合わせください。

EMI 測定システムで可能な測定項目

新規導入設備を詳しくご紹介します! 第1回EMI 測定システム

設備紹介

EMI測定システム 3m法電波暗室での測定の様子

1.情報処理装置に要求される EMI 測定 (CISPR22、VCCI)      ・放射妨害波測定 周波数範囲 30MHz ~ 6GHz     ・電源ポート伝導妨害波測定 周波数範囲 150kHz ~ 30MHz     ・通信ポート伝導妨害波測定 周波数範囲 150kHz ~ 30MHz2.家庭用電気機器 ・ 電動工具に要求される EMI 測定 (CISPR14、電気用品安全法)     ・妨害電力測定 周波数範囲 30MHz ~ 300MHz3.車載機器に要求される EMI 測定 (CISPR25)      ・放射妨害波測定 周波数範囲 150kHz ~ 2 .5GHz     ・伝導妨害波測定 周波数範囲 150kHz ~ 108MHz4.アンテナ特性評価      ・アンテナ指向性測定、電界分布測定、利得測定

【問合せ】電子技術部 電子システムチーム 臼井 亮

6 産業技術センターニュース 2012 vol.2

HOW TO! 知財入門シリーズ② 県内中小企業の知的財産活用事例 南開工業株式会社

【問合せ】企画部 企画調整室 鈴木典子

1.はじめに 南開工業株式会社(南足柄市)は、複写機消耗品のリユース・リサイクル事業、ペットボトル等の再資源化をはじめとした資源循環型事業を中心に、最近では回収された廃プラスチックを再生原料化の上、さらに商品化したエコグッズの販売等、幅広い事業に取り組んでいます。 大手企業に研究員として勤務したキャリアをいかし知的財産管理を担当、経営実態に即した知的財産の活用を実践されている、同社取締役常務執行役員 原芳夫様にお話を伺いました。

2.南開工業㈱の知的財産活用への取組み 知的財産の権利化には、会社として戦略的に取り組み、最近では毎年特許を出願しています。これまでは、再資源化事業関連の依頼業務の事業全体に占める割合が比較的多かったため、これに関係した出願事例が多くありましたが、近年は、エコグッズ等当社独自の事業についても積極的に対応しています。 従来は、自社技術を競争に勝つための「ノウハウの塊」と捉え、権利化に対する意識は必ずしも高くありませんでした。しかし、他企業が当社の事業領域に参入してきたときに、固有の技術を権利化しておかないと事業継続に支障を来たすと考え、そのための体制づくりを始めました。今後も、事業展開に必要最低限の権利確保を目的に取り組んでいきます。

3.おわりに ~中小企業の皆さんへのアドバイス~❶ 高度で重要な自社技術は、特許出願して権利化しておくこと   ・取得した特許権は、宣伝や補助金申請時等に技術力の PR として使える。   ・その他の技術は、出願まで行うことで公知の技術とし使用を阻害されないようにする。

(参考)‌‌ 出願を行うと、1年半でその技術が公開され公知の技術となり、その後審査請求を行わなかったとしても、他者がその技術の特許権を取得することができなくなります。‌ なお、技術流出を防ぐべき大事な技術(ノウハウ)は、出願せずノウハウとして保護、管理することが大切です。

特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアルについて~はじめてみよう!知財経営~」(第 2章)http://www.jpo.go.jp/torikumi/chushou/manual_tizaikeiei.htm (特許庁HP)

❷  訴訟を提起された際に先使用権を主張できるよう「ノウハウ的な部分」は、技術内容、関連データ等をまとめ、公証役場で「確定日付」を取得しておくこと

(参考)‌‌ 先使用権を立証する方法の中でも証拠力を高めるための手法の一つです。‌ これにより、その技術を他者によって権利化されたとしてもその技術を使用することができます。

❸  特許電子図書館(IPDL)で特許調査を行い(無料)、競合他社の動向や技術動向を知ること

❺ 特許出願に係る審査請求料、特許料については、中小企業減免制度を活用すること(参考)‌‌中小・ベンチャー企業には様々な減免制度が用意されています。詳しくは下記URL をご覧ください。‌

「特許料等の減免制度」http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/genmensochi.htm (特許庁HP)

❹  特許庁主催の中小企業向け研修等を利用するなどして、社内の人材育成を図ること

HOW TO ! 知財入門

7産業技術センターニュース 2012 vol.2

新しい技術の種を探しませんか 「神奈川県ものづくり技術交流会」 開催(11/7―9、当センター)

 大学や研究機関による研究の技術シーズ、企業による製品開発事例、県や支援機関の事業紹介など最新の情報を入手し、技術連携を図るチャンスです。 毎年たくさんの方に参加(昨年度実績:240 件の発表、来場者数は3 日間で 1,210 人)いただいております。 聴講、参加は無料です。是非、ご来場ください。

技術分野 : かながわオープンラボ関連、スマートエネルギー実証、材料、メカトロニクス、エレクトロニクス、ファインケミカル・バイオ関連、環境保全・安全化技術 他

発表形式 : 口頭発表、ポスターセッション、工業技術・製品等展示申込方法等 : プログラムの詳細及び申込書は、当センター HP からご覧ください。問合せ : 技術支援推進部 交流相談支援室 tel 046-236-1500(内線 2206) fax 046-236-1527

「技術移転マッチング商談会」開催(10/26、ひらつかアリーナ 北側特設会場) 県内企業における技術移転の促進を目的として、第8回 湘南ひらつかテクノフェア 2012(10/25-27、ひらつかアリーナ(平塚市中堂)、入場無料)でのイベントとして開催します。内容は、企業による開放特許の紹介等とマッチング商談会です(神奈川県特許流通コーディネータがマッチングのお手伝いをします)。 県内企業等の開放特許を活用して新しい事業を考えてみませんか。詳しくは、(財)神奈川科学技術アカデミー HP(http://www .newkast .or .jp/ )をご覧ください。 【問合せ】企画部 企画調整室

「航空機産業フォーラム」開催(11/9、当センター) 付加価値の高い航空機産業への中小製造業の取組みの活性化を図ることを目的として、今年度から開催します(参加無料)。 「航空技術・産業の動向と将来展望」と題した基調講演、特別講演「Honda 大空への挑戦」、「中小企業の航空機産業参入機会と取り組みについて」 などを行います。詳しくは、当センター HP をご覧ください。 【問合せ】機械・材料技術部 材料加工チーム

「センサエキスポジャパン 2012」出展(10/10―12、東京ビッグサイト 西 3・4ホール) 「センサエキスポジャパン 2012」は、センシングに関する国内唯一の専門展示会です。また、これの併催行事として、大学や研究機関の最新のセンサ技術・情報を公開し、産学連携を推進することを目的として、次世代センサ協議会主催による「次世代センサフォーラム」が開催されます。当センターからも出展し、センサ開発技術への応用として、電子技術部における薄膜作製技術、微細加工技術などをご紹介します。 【問合せ】電子技術部 電子材料チーム

「アグリビジネス創出フェア 2012」出展(11/14―16、東京ビッグサイト 東 6ホール) 農林水産省が主催する技術交流展示会で、全国の産学官の各機関が有する、農・林・水産・食品分野などの最新技術や研究成果を発表しています。今年から会場は、神奈川からアクセスしやすい東京ビッグサイトに移りました。今後、この分野への進出を考えられている企業や他機関との連携を模索している企業には有益な情報が得られる可能性が高いため参加されてみてはいかがでしょうか。当センターからも出展し、バイオセンサーや機能性食品に関する研究内容などをご紹介します。 【問合せ】電子技術部 電子デバイスチーム

「産業交流展 2012」出展(11/20―22、東京ビッグサイト 東 2・3ホール) 当センターは、豊富で優れた研究成果や技術を有する公設試験研究機関や企業が集結する「首都圏テクノネットワーク」の一員として参加し、スマートエネルギーシステムの実証運用や新規成長分野の研究を加速するオープンラボなど、研究内容・成果を発表します。 さらに、県と神奈川新聞社の共催事業「第29 回神奈川工業技術開発大賞」の紹介ブースを出展します。ご来場の際は、是非お立寄りください。 【問合せ】技術支援推進部 商品開発支援室

お知らせ

技術相談専用電話(直通)☎ 046-236-1510 当センターホームページhttp://www.kanagawa-iri.go.jp/産業技術センターニュース 2012 Vol .2 神奈川県産業技術センター 〒243-0435 海老名市下今泉705-1 TEL 046-236-1500(代表) FAX 046-236-1526平成24年9月発行   〃    工芸技術所 〒250-0055 小田原市久野621 TEL 0465-35-3557(代表) FAX 0465-35-3936通巻99号   〃    計量検定所 〒221-0062 横浜市神奈川区浦島丘4 TEL 045-421-3484(代表) FAX 045-402-6260   〃 尾上町駐在事務所 〒231-0015 横浜市中区尾上町5-80 TEL 045-633-5124(代表) FAX 045-633-5194 (複製を希望する場合は、当センター企画調整室までご連絡ください。) 印刷所 (株)相模プリント 〒252-0144 相模原市緑区東橋本1-14-17 TEL 042-772-1275(代表) FAX 042-774-1913

オープンラボ実証用太陽電池システム スマートエネルギー実証システム

8 産業技術センターニュース 2012 vol.2

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