今後のエネルギー・環境政策と 新クレジット制度について ·...
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今後のエネルギー・環境政策と 新クレジット制度について
平成24年7月31日 経済産業省
産業技術環境局 環境経済室長 飯田 健太
資料6
1.新たなエネルギー・環境戦略の策定 2.新クレジット制度
1
1.新たなエネルギー・環境戦略の策定
2
3
2030年における3つのシナリオ 国家戦略室作成資料抜粋
4
各シナリオにおける発電電源構成 国家戦略室作成資料抜粋
4
5
各シナリオの基礎となる原発依存度低減の考え方 国家戦略室作成資料抜粋
6
ゼロシナリオ 国家戦略室作成資料抜粋
7
15シナリオ 国家戦略室作成資料抜粋
8
20~25シナリオ 国家戦略室作成資料抜粋
9
各シナリオにおける2030年の姿(1) 国家戦略室作成資料抜粋
10
各シナリオにおける2030年の姿(2) 国家戦略室作成資料抜粋
(6月) ・6月29日 エネルギー・環境に関する選択肢 決定 (7月~8月) ・7月2日 パブリックコメント募集開始(8月12日まで) ・7月7日 特設WEBページ(http://www.sentakushi.go.jp/)開設 (意見聴取会) ・7月14日 さいたま市、15日 仙台市、16日 名古屋市 22日 札幌市、大阪市、28日 富山市、29日 広島市、那覇市 ・8月 1日 福島市、4日 高松市、福岡市 ・8月 4日、5日 討論型世論調査 ・8月中 革新的エネルギー・環境戦略決定 ・後に速やかに エネルギー基本計画策定
(年内までに) ・地球温暖化対策、原子力政策大綱、グリーン政策大綱策定
今後の日程
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• 京都議定書継続をめぐる議論から脱却し、米中印を含む「全ての国」が参加する枠組みへのプロセスがス
タートすることは大きな前進。 • 他方、「新たな枠組み」を巡る主要な対立軸は何ら変わっておらず、今後もEUが求める「トップダウン」型
アプローチや、中国やインド等が求める「途上国の義務化回避」との攻防が続くことは確実。
• 我が国としては、京都議定書第二約束期間に参加しないことが決定。他方、「カンクン合意の着実な実施」
の下、2020年目標の達成に向けた削減努力は国際的責務。
• 我が国として、ボトムアップ型の取組を国の内外でしっかりと進めて成果を出すことにより、将来枠組みの
基礎としていくことが重要。
1. 第1約束期間の▲6%削減の達成に向けて、政府、産業界ともに最大限の努力を行う。
2. 今夏までに、国民的議論を通じて、新たなエネルギーミックスと温暖化対策(国内中期目標等)を策定。
3. 目標達成に向けた実行計画を策定するとともに、その中に産業界の低炭素社会実行計画もしっかりと位置
づけ、官民一体となった取組を進め、その成果を内外にアピールする。
4. 二国間オフセット・クレジットメカニズム等を通じて、政府と産業界が連携して、我が国の低炭素技術、資金、
ノウハウを活用することにより、途上国の排出削減に貢献する取組を積み重ね、ボトムアップ型アプローチを
基礎とした「日本モデル」への幅広い国々からの支持を獲得する。
具体的には、
COP17の評価と今後の課題
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条約作業部会
AWG-LCA
将来枠組みに向けた道筋
2015末 2020末
議定書作業部会 AWG-KP
MRVの開始(隔年報告書の提出、レビューの実施) 気候技術センター設立 緑の気候基金運営開始 等
2012末
カンクン合意の実施 (移行期間)
2020年以降の枠組
COP18
年までの取組
2020
京都議定書第二約束期間 (2013年~2017年 or 2020年)
COP18で 作業完了予定
ダーバン・プラットフォーム特別作業部会
2012年前半に立ち上げ
2015年までに採択
COP21
各国による批准、締結
細目規定の整備
全ての国が参加する法的枠組み発効
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長期目標レビュー (2013年~2015年)
IPCC第5次報告書 (2014年)
○自らの排出削減・・・2020年までの新たな削減目標を産業界が自ら設定 + ○これに加えて、 ・低炭素製品の開発・普及 → 運輸・業務・家庭部門での排出削減に貢献。 ・技術移転等を通じた国際貢献 → 我が国産業のビジネス機会も拡大。 ・革新的技術の開発 → 2030年~2050年の実用化を目指す。
「低炭素社会実行計画」について
○策定業種:113業種 ○カバー率:日本全体の約5割、産業・エネルギー転換部門の約8割 ○実績:原単位を大幅改善 →CO2排出量も削減 ○目標達成に向け、不足分は海外クレジット等を購入
低炭素社会実行計画(~2020年)
自主行動計画(~2012年度)
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2.新クレジット制度
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国内クレジット制度の概要について
○ 「国内クレジット制度」とは、大企業等による資金等の提供を通じて、中小企業等が行った温室効果ガス排出削減量を認証し、大企業の自主行動計画の目標達成等のために活用できる制度。
○「ベースライン・アンド・クレジット」の考え方に基づき温室効果ガス削減量を評価する。具体的な評価については、温室効果ガスを削減する技術や方法ごとに定められた排出削減方法論(※)に基づいて算定する。※2012年7月末、67件の排出削減方法論が承認されている。
項目 内容
制度根拠 「京都議定書目標達成計画」(平成20年3月28日閣議決定)
制度運営事務局 経済産業省、環境省、農林水産省
制度期間 平成20年10月~平成25年3月
参加主体 自主行動計画非参加者である中小企業等
対象事業 温室効果ガスの排出削減事業
事業の申請先・申請方法 国内クレジット認証委員会へ申請 共同実施者との共同申請が必要
クレジットの用途 ①自主行動計画の目標達成 ②温対法・省エネ法への活用 ③カーボン・オフセット等のCSR活動 等
承認事業計画数 1,153件(平成24年7月30日時点)
クレジット認証量 54.4万t-CO2 (984件)
中小企業
大企業等
ベースライン・アンド・クレジットの考え方に基づき算定された温室効果ガス排出削減量に相当するクレジット
資金等
太陽光発電
農林水産業 家庭
国内クレジットの認証
国内クレジット
認証委員会
ヒートポンプ バイオマスボイラー
導入技術の種類 国内クレジット制度の枠組み
一次買い手の業種
ボイラー更新
371件, 202,413 t-CO2
バイオマスボイ
ラー導入
177件, 140,453 t-CO2
空調設備更新
181件, 51,481 t-CO2
ヒートポンプ導入
93件, 40,817 t-CO2
太陽光発電設備
導入
34件, 34,695 t-CO2
工業炉更新
21件, 27,596 t-CO2
照明設備更新
157件, 20,877 t-CO2
インバーター制御
等導入68件, 10,737 t-CO2 その他51件,
14,500 t-CO2
合計54.4万 t-CO2
オフセットプロバ
イダー 37%
商社, 16% 電力会社 15%
銀行・リース 8%
低炭素投資促進
機構, 8%
ESCO・省エネサー
ビス事業者 4%
メーカー 4%
小売・流通業者 2%
ガス・石油会社 1%
シンクタンク・コン
サルティング会社 1%
建設・プラント 0.5%
その他,3%
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■環境省は、カーボン・オフセット(自らの排出量を他の場所の削減量(クレジット等)で埋め合わせて相殺すること。)の仕組みを活用して、国内における排出削減・
吸収を一層促進するため、国内で実施されるプロジェクトによる削減・吸収量を、オフセット用クレジット(J-VER)として認証する制度を2008年11月からスタート。
(「J-VER」=「Japan-Verified emission reduction」)
■国際規格ISOに準拠した信頼性の高い認証制度として運営。
A社 B社
排出量
対策を講じなかった場合の排出量(ベースライン排出量)
削減プロジェクトを実施
削減量を認証
B社の排出量を A社の削減量でオフセット
削減量
資金
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オフセット・クレジット(J-VER)制度の目的及び概要について
項目 内容
制度運営事務局 環境省
制度期間 平成20年11月~平成25年3月
参加主体 地方自治体、民間企業等
対象事業 温室効果ガスの排出削減事業 温室効果ガスの吸収事業
事業の申請先・申請方法 気候変動対策認証センター(委託先)に申請
クレジットの用途 ①カーボン・オフセット ②温対法算定・報告・公表制度に活用
プロジェクト登録件数 221件(平成24年7月26日時点)
クレジット認証量 31 万t-CO2 (165件)
ジェイ バー
排出量
削減量
排出削減系・畜産系方法論別プロジェクト数 (単位:件)
プロジェクト種類別登録プロジェクト数 オフセットの仕組み
木質バイオマ
スボイラー, 10
木質ペレット,
7
木質ペレット
ストーブ, 7
廃食油バイオ
ディーゼル,
23
排熱回収, 4 照明設備, 4
ボイラー,
13 空調設備, 5
ヒートポンプ,
4
その他, 19
複数方法論,
8
畜産系,
2件
森林吸収系 117件
排出削減系 102件
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新クレジット制度の在り方に関する検討会の設置について
1.検討会の目的
国内クレジット制度、オフセット・クレジット(J-VER)制度とも、京都議定書の約束期間である
2012年度末で一旦終了。
両制度の活用機会の増加に伴い、両制度で重複する方法論等が増加。
関係省で検討会を設け、2013年度以降の新クレジット制度の在り方に関する検討を行う。
2.検討方針・課題
新制度は、現行の国内クレジット制度及びJ-VER制度の優れた点を取り入れて相互補完し、環
境の観点からみて信頼が得られるものとするとともに、事業者の環境投資を有効に後押しし、地域の取組をさらに進めるものとすることを目指す。
上記を踏まえ、以下のような点について検討を行う。
① 現行の両制度の評価
② 統合の是非について
③ 統合の検討に当たって解決すべき諸論点について
3.審議経過
・第1回(4月16日) 参加事業者向けアンケート案、新制度の在り方について(論点)の審議
・第2回(5月14日) 参加事業者等アンケートの結果報告、参加事業者からのヒアリング、
新制度の在り方について(骨子)(案)の審議
・第3回(6月18日) 新制度の在り方について(取りまとめ)(案)の審議
6月28日~7月11日 パブリックコメント実施
8月上旬 最終取りまとめを公表
新クレジット制度の在り方について(取りまとめ)の概要①
<2013年度以降のクレジット制度についての基本的な視点> 国内における排出削減・吸収源対策を推進していくことが必要 産業界の取組やCSR、カーボン・オフセット等の取組をさらに進めるため、クレジット制度の継続が必要
<現行の国内クレジット制度とJ-VER制度の評価>(アンケート調査結果等) 両制度の統合に期待 創出側からは手続きの簡素化やソフト支援の充実、購入側からは購入インセンティブの 生まれる方策や活用先の拡大の要望 新制度は、手続きの利便性向上、創出側と購入側のマッチング促進により、取引費用の 低減を図り、取引の厚みを増すことが重要
<国内クレジット制度とJ-VER制度の統合の重要性>
クレジットを創出する制度が併存しているわかりにくい状況を解消し、制度の活性化を図る上で、2013年度以降のクレジット制度の継続に当たっては、両制度を統合すべき。
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<新制度構築に当たっての基本的な考え方> (1) 制度の対象者 対象者の範囲には制限を設けない。
(2) 共同実施者 共同実施者要件は設けない(プロジェクト実施時に購入者を確保するかは、事業者の判断に任せる。)
(3)①MRV(排出削減量等の算定・報告・検証)手法> ●ISOを視野に入れた制度設計を行う。(ISO14064-2、64-3に準拠) ●審査機関についても、経過措置等を講じた上でISO14065の認定を要件とする。
②ダブルカウント ●低炭素社会実行計画参加者が創出したクレジットや森林吸収プロジェクト由来のクレジットは、同計画の目
標達成に活用することは認めない。
●温対法の算定・報告・公表制度の対象者がクレジットを創出した場合には、事務的負担を考慮した上で二重に削減効果を主張することを防止する措置を検討。
新クレジット制度の在り方について(取りまとめ)の概要②
<新制度の理念>
①現行の両制度の優れている点を取り入れ、相互補完し、多様な主体が参加できる制度と する。 ②環境の観点からみて信頼が得られるものとするとともに、使いやすく適用範囲の広い利 便性のある制度とする。 ③地域資源の活用による温室効果ガス削減に向けた地域の取組やクレジットの地産地消 を後押しし、地域活性化につながるような制度とする。 ④国際的にも評価され、海外における取組においても参考とされるような内容となることを 目指す。
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新クレジット制度の在り方について(取りまとめ)(案)の概要③
<新制度構築に当たっての基本的な考え方> (4) クレジットの活用先 現行の活用先(低炭素社会実行計画、温対法、省エネ法、カーボン・オフセット、CSR等)は維持する。
(5) 方法論及びプロジェクト ●設備の新設に関する方法論も認める。
●投資回収年数が長い設備については、個別プロジェクト毎の投資回収年数の判断をせずに追加性を認めるポジティブリスト方式を採用する。
●移行限界電源方式を採用すべき(移行期間の年数や係数については引き続き検討)
(6) 地方公共団体との関係 現行の都道府県J-VERや、さらに単一の都道府県によらない広域の取組によるクレジット認証等を認め、活
用先も幅広く考えるべき。
(7) 運営の体制について 新制度においては、制度運営と方法論の承認を行う委員会と、個別プロジェクトの承認とクレジットの認証を行
う委員会の2つを設置することが適切である。
(8) 制度の終期 新制度の終期は2020年度とし、2021年度以降については、改めて検討を行うことが適当である。
(9) 移行措置 ●新制度の下で承認された方法論によって事業の承認を行う。
●承認・登録済みの事業は、事業者の意思表明等により、現行の方法論に従って承認・登録された事業であっても、新制度において継続が認められる手続を用意する。
●現行制度の下で発行されたクレジットの有効期間は、2020年度末までとする。
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今後の予定について
今後の予定
(平成24年) 12月 統合のための実務作業(制度文書、方法論等) 12月以降 「新クレジット制度」の運営委員会において、運営規則の報告や
方法論等の審議・承認を行う(予定)。
(平成25年) 1月~3月 新クレジット制度の普及・広報
4月~ 新クレジット制度の開始
オフセット・クレジット(J-VER)制度 国内クレジット制度
制度の趣旨・目的
<国民運動の展開(カーボン・オフセットの取組を普及)>
国内における排出削減・吸収の取組を一層促進するため、国内プロジェクト由来の排出削減・吸収量をオフセット・クレジット(J-VER)として認証するもの。 認証されたJ-VERは、カーボン・オフセット(事業活動等における自らの排出量を他の場所の削減量(クレジット等)で埋め合わせて相殺すること)に活用することを目的としている。
<中小企業の排出削減対策の推進> 中小企業等の低炭素投資を促進し、温室効果ガスの排出削減を推進するため、京都議定書目標達成計画(平成20年3月28日閣議決定)の下、運用を開始したもの。
認証された国内クレジットは、主として大企業が自主行動計画の目標達成のために活用することを目的としている。
制度創設時期 平成20年11月 平成20年10月
制度管理者 環境省 経済産業省・環境省・農林水産省
委員会構成
運営委員会(制度文書の決定等) 認証委員会(プロジェクト登録、削減・吸収量の認証等) 技術小委員会(方法論案の検討、審議等)
国内クレジット制度認証委員会
対象プロジェクト
温室効果ガス(6ガス) ・排出削減 ・森林吸収
温室効果ガス(6ガス) ・排出削減
審査機関の
登録要件等
妥当性確認及び検証は、原則として、ISO14065の認定を受けた又は認定申請を行っている機関が実施。
妥当性確認及び検証を実施する機関は、制度管理者がISO14064-2及びISO14064-3等に準拠した形で策定したガイドラインに従って妥当性確認及び検証を実施。
審査及び実績確認は、国内クレジット認証委員会によって登録された審査機関及び審査員が実施。
審査機関及び審査員は、認証委員会がISO14064-3や国際保証業務基準等を参考に策定したガイドラインに基づき審査・実績確認を実施。
当初想定した 活用方法
カーボン・オフセット 自主行動計画の目標達成 試行排出量取引スキームの目標達成
上記に加え、その後実際に使われている活用方法
温対法の調整後排出量報告
温対法の調整後排出量報告 省エネ法の共同省エネルギー事業報告 カーボン・オフセット
事業件数・クレジット認証量(H24.7)
プロジェクト登録件数:221件 クレジット認証量(件数):31万㌧(165件)
承認事業計画数:1,153件 クレジット認証量(件数):54.4万㌧(984件)
(参考)J-VER制度と国内クレジット制度の比較対照表
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