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 本年もレッドハット・フォーラムの時期がやってまいりました。今回のテーマは「THE IMPACT OF THE INDIVIDUALー オープンな対話と変化が導く、真イノベーション ー」。レッドハットが考えるイノベーションの源泉は、より良いものを生み出そうと挑戦する情熱と、オープンなマインドを持つ多様な“個”の力です。一人ひとりが“個”の力を発揮し、ビジネスと開発が一体となって強い束となった時、イノベーションを自分たちで巻き起こすことができます。レッドハット・フォーラム 2017では、“個”との対話や先進事例、オープンソースの最新テクノロジーの共有を通じて、イノベーションを実現するためのさまざまなヒントが散りばめられた刺激的な場をご用意いたします。ぜひふるってご参加ください。

米国レッドハット社長兼CEO

ジム・ホワイトハースト 

レッドハット株式会社代表取締役社長

望月 弘一

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ技術革新統括本部システム技術本部 本部長

冨安 寛 氏

ゼネラルセッション 特別講演

米国レッドハット上級副社長/製品・テクノロジー部門 社長

ポール・コーミア

詳細・お申込みはこちら ▶▶▶

Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2017

INDEX

ユーザー事例 Success Story

旅行商品の価格作成業務にRed Hat JBoss BRMSを適用。作業工数を削減し、業務の標準化も実現

ANAセールス株式会社

ユーザー事例 Success Story

地方公共団体のICT基盤に、Red HatのOpenStackを採用。IaaS基盤の構築で災害時の業務継続に備える

富士市○レッドハットからの提言

これからの企業に求められるビジネスイノベーションはレッドハットがオープンソースでご支援する

OPEN EYE 27vol.2017 September

オープンソースの新時代を築く、サクセスストーリー

RED HAT FORUM TOKYO 2017THE IMPACT OF THE INDIVIDUAL -オープンな対話と変化が導く、真イノベーション-

redhat-forum.jpお申込みはこちら

2017.10.20 FRIウェスティンホテル東京

redhat-forum.jp

RED HAT FORUM TOKYO 2017THE IMPACT OF THE INDIVIDUAL

-オープンな対話と変化が導く、真イノベーション-

2017.10.20(金)開催!

望月 弘一レッドハット株式会社 代表取締役社長

企業のITは、ビジネス拡大に貢献すべく大きな変革を求められています。レッドハットは、お客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するオープンソースソリューションをご提供します。

● オープンソースソフトウェアによる次世代の仮想化技術やクラウド基盤で、 お客様のITインフラを刷新。● コンテナアーキテクチャやxPaaSを駆使したDevOpsにより、 アジャイルなIT開発を実現。● 複雑化したIT環境をAnsibleにより自動化し、作業効率の向上と ITの最適化を実現。

午後のブレイクアウトセッションでは、これらのソリューションを大きく4つのカテゴリに分け、導入事例やデモを交えながら、わかりやすくご紹介します。

category 1OpenStack/クラウド

導入が本格化しているRed Hat OpenStack Platform。数あるユーザー導入事例から、厳選した内容でお届けします。また、次世代のアジャイル基盤となるOpenStack環境とコンテナ環境の関係についても紐解いていきます。さらにRed Hat Enterprise Linuxの最新情報、プライベート/パブリックいずれのクラウドも最大活用するためのクラウドマネジメント・ソリューションについてもご紹介します。 クラウド基盤であるOpenStack上に、コンテナオーケスト

レーション基盤のOpenShiftを組み合わせたデモ環境を

ご覧いただけます。また、Service Catalog機能としての

CloudFormsと自動化ソリューションのAnsibleを連携さ

せ、ハイブリッドクラウド基盤を柔軟に管理するデモも実

施します。

事例セッション【CD01】 株式会社NTTドコモ/株式会社エヌ・ティ・ティ・データ:    Red Hat OpenStack Platform採用による    spモード基盤システムのインフラ効率化の実現【CD12】 NTTコムウェア株式会社:    Red Hat OpenStackで実現したDevOps向け開発環境クラウドへの取り組み【官公庁・教育機関向け】 富士市役所:富士市役所のOpenStack利用法

おすすめセッション【CD02】 レッドハット株式会社:Red Hat OpenStack Platformの戦略と今後のビジョン(仮)【CD03】 レッドハット株式会社:DevOps時代のRed Hat Enterprise Linuxコンテナ

category 2アプリケーションプラットフォーム

RED HAT FORUM TOKYO 2017

レッドハットの展示ブースでは

IoTやFinTech時代の企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるアプリケーション基盤を提供しているレッドハット。国内No.1の実績を誇るRed Hat JBoss BRMS(ビジネスルールエンジン)の最新導入事例や、注目度が高まるAPI管理基盤など、俊敏にサービスをリリースしてマネタイズするための多彩なソリューションをご紹介します。 新しいデバイスの出現により、顧客体験は進化を続けてい

ます。それらを活用してお客様に迅速に新規サービスを提

供するためには、APIを活用したアジャイル開発が不可欠で

す。展示ブースでは、3scaleによるAPI管理、FuseによるAPI

開発、BRMSによるレコメンデーション機能を連携して実装

し、スマートスピーカーによる音声認識での取引を実現す

る次世代FX環境 KomaFX デモをご覧いただきます。

事例セッション【AP01】 i Smart Technologies株式会社:    IoTにより中小企業の生産性向上に挑戦するi Smart Technologies    ~最新機能とOpenShift採用の背景、海外や製造業以外への展開など

おすすめセッション【AP03】 レッドハット株式会社:変化に適応していくためのアプリケーション基盤    ~マイクロサービス、API、コンテナを活用して    アジャイルなインテグレーションを実現する~ 【AP04】 レッドハット株式会社: より良いワークバランスを求めませんか? BRMS Business Resource Plannerの紹介

レッドハットの展示ブースでは

● 導入が本格化しているOpenStackについて、ユーザーの生の声を聴くことができる● 次世代アジャイル基盤となるOpenStack環境とコンテナ環境の関係がわかる● クラウドを最大活用するためのクラウドマネジメント・ソリューションが把握できる

POINT

● Red Hat JBoss BRMS(ビジネスルールエンジン)の最新事例を聴くことができる● API管理基盤など、俊敏なサービスリリースを可能にするソリューションを把握できる● 業務リソースの最適化ソリューションを、デモを交えてわかりやすく解説

POINT

2 OPEN EYE

Success story for your business

category 3コンテナ/DevOps

category 4オートメーション/マネジメント

詳細・お申込みはこちら ▶▶▶

キーワードで知るセッション午後のブレイクアウトセッションでは、具体的なキーワードをご用意して、各セッションがどのようなビジネスの課題解決につながるのかについてご紹介しています。ぜひご自身の企業や組織が抱える問題のヒントとしてご活用ください。(詳細はWebサイトをご覧ください)

時代は、コンテナ活用へ。注目のコンテナテクノロジーをプラットフォームから支えるRed Hat OpenShift Container Platform。最新技術のご紹介から、マイクロサービスアプリケーションを実現するためのDevOpsへのアプローチ、なぜ企業は今コンテナアプリケーションが必要なのか?等、国内外の最新事例を多数交えつつ、具体的な内容でお届けします。 注目のコンテナテクノロジーをプラットフォームから支える

Red Hat OpenShift Container Platform。最新の

Coolstoreデモを通じて、

マイクロサービスアプリ

ケーションの実現に向け

た、DevOpsへのアプロー

チについてご紹介します。

事例セッション【CT01】 株式会社 野村総合研究所:NRIにおける金融システムへのOpenShift導入事例(仮)【CT02】 パイオニア株式会社:カロッツェリア スーパールート探索におけるコンテナ技術の活用【CT03】 ソフトバンク株式会社:挑戦DevOps - SoftBankにおけるDevOps実践の軌跡【CT08】 マッコーリー銀行:豪州最大の投資銀行は、デジタルバンキングでいかに顧客体験を変革したか    ~OpenShift, CloudForms, Ansibleで実現するDevOps環境~【CT13】 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス:テストコードがない状態からのビルドパイプライン導入事例

事例セッション【AT02】 株式会社インターネットイニシアティブ:    Ansible Towerのクラウド活用とIIJの統合運用管理サービス

おすすめセッション【CT05】 レッドハット株式会社:事例に学ぶAgile/DevOpsプロジェクトの進め方【CT07】 レッドハット株式会社:デジタルビジネス時代の新常識    ~エンタープライズ・コンテナ基盤とハイブリッド・クラウドによる次世代アプリケーション・プラットフォーム~ 【金融業界向け】 ドイツ銀行/株式会社マネーフォワード:デジタルトランスフォーメーション実現への金融業界の挑戦

レッドハットの展示ブースでは

ソフトウェア・デファインド・インフラストラクチャが現実味を帯びるなか、注目度No.1はやはりAnsible。企業のIT基盤の構築からアプリケーション開発、環境メンテナンスまで、いかにオートメーションを実現するか。レッドハットが提供するマネジメントソリューションは多岐に渡ります。レッドハット製品やオープンソースソフトウェアの積極的な導入を進めている方に、さまざまなお役立ち情報をお届けします。 Ansible Towerを活用して、あらゆるITリソースに対する作

業自動化を実現するデモをご覧いただけます。ネットワーク

機器の設定自動化、OSとアプリケーションの構成管理、

Ansible Towerを用いたCI/CDの方法などを実演。また、

Ansible Tower を利用するメリットを解説し、エンタープラ

イズにおいて自動化を導入するための要点をご紹介します。

レッドハットの展示ブースでは

POINT● 「本当に効果のある自動化」をどのように実現すべきなのかがわかる● コードによるインフラ構成管理の重要性が理解できる● Ansible Towerを活用した、マルチクラウド環境における統合運用管理について学べる

● コンテナは本当に使えるのか?エンタープライズで使えるのか?どこで使えるのか?が理解できる● コンテナやDevOpsがもたらす開発とデプロイ、運用の新しいモデルがわかる● DevOpsの事例について、道具だけでなくプロセスやカルチャーの変革を交えた話を聴くことができる

POINT

売上増大への直接的な貢献

情報セキュリティ対策の強化

従業員のワークスタイル革新

業務およびITコストの削減 情報活用の促進 新技術・製品に関する

知識・活用方法の習得

顧客サービスの質的な向上

ビジネス・イノベーションの創出

内部統制や法令遵守への対応

システムの性能や信頼性の向上

経営や部門における意思決定の迅速化 社内・部門の人材育成

既存システムの統合性強化

グローバル・ビジネスへの対応強化

社内・部門における組織再編

ある保守的企業のデジタル変革への挑戦実演ライブデモ[17:50 – 18:35]

~Destinasia Digitally Transforms into the Best-in-Asia

本セッションでは、架空の旅行代理店が、テクノロジーの活用でビジネスの課題を解決しながら先進テクノロジーの導入に挑む姿を、ストーリー形式によるライブデモでご紹介します。

レガシーIT環境により、さまざまなビジネスの課題を抱える旅行代理店ディスティネシア社。ツアーの予約ミスで顧客からクレームが入るなど、サイロ型システムの弊害で悩む同社の社長は2名のIT部門エンジニアとともに新たなテクノロジーの導入に立ち上がります。既存のIT資産を、迅速かつ正確な最新システムへと変革するにはどうすればよいのか?デジタルの活用により、競合他社との差別化をはかり、いかにビジネスを躍進させるのか?新システムをAPI連携することでサービスとして外部展開し、新たなビジネスモデルを生み出すなど、同社が挑むチャレンジにぜひご期待ください。

おすすめセッション【AT04】 レッドハット株式会社:Ansible 最新情報(仮)【AT06】 レッドハット株式会社:    「Ansible」による IT Automation の真髄に迫る    ~コスト削減、即応性、品質向上を実現する自動化の    ベストプラクティス~

OPEN EYE 3

Red Hat K.K. EDITORIAL 2017

*セッション時間および内容、講演者は予告なく変更となる場合がございます。 詳細はWebサイトにてご確認ください。

 ANAセールスでは現在、航空券販売を行う航空セールス事業と、自社で旅行商品を企画販売する旅行事業とを展開している。今回ビジネスルールエンジンを適用したのは、旅行事業における国内パッケージツアーの旅行代金を作成するシステムだ。その背景について、ANAセールス株式会社 経営企画部 旅行システム開発室 室長の丸山一雄氏は次のように説明する。 「国内ツアーとしては、北海道から沖縄まで年間約4万4,000コースの商品を販売しています。これまで、各コースの旅行代金の作成は、企画担当者が複数のExcelシートを組み合わせるなどして手作業で行っていました。旅行代金は、目的地や季節、さらには曜日や時間帯などさまざまな要素で変動するため、価格作成が非常に複雑です。また作業量も膨大なため、入力ミスなども発生します。こうした状況を改善したいと思いつつも、システム化は難しいと考えていたので、長年にわたり具体的な改善案が出せずにいました」(丸山氏)。

 昨今の旅行業界では、市場のトレンドや多様な顧客ニーズに応えるべく、商品サイクルが短期化しつつある。同社においても、かつては旅行商品の企画立案はほぼ半年単位だったが、2カ月単位で商品サイクルを回すなどの対応が求められていた。迅速な商品展開が重要視されつつも、従来の旅行代金の作成方法がボトルネックとなっていた。 「旅行代金の算出だけで約2~3週間もの時間を

要する従来の方法では限界だと感じていました。売りとなる人気企画の立案にはじっくり時間を充てたい、しかし商品展開の間隔は短縮する必要がある。そのためには作業を効率化し、同時に人為的なミスをなくす必要もあったのです」(丸山氏)。 旅行代金の計算フォーマットは、標準的な計算式でマクロを組んだExcelシートだったが、旅行代金の作成に際しては目的地ごとに地域特性を勘案する必要がある。そのため、企画担当者は自分の経験値に基いて独自に作業のカスタマイズを行っており、一人で約10種類もの計算式を操っている担当者もいた。まさに職人技だ。 「企画担当者が利用するExcelシートは個別でカスタマイズされており、完全に属人化していました。それが、作業の標準化や人員の横展開などを困難にしていたのです。業務の効率化と共に、業務プロセスを標準化、平準化する必要も痛感していました」(丸山氏)。

 長期にわたり、旅行代金の作成業務を課題と認識していた同社は、解決策を模索する中でビジネスルールエンジンの存在にたどり着いた。その経緯について、ANAセールス株式会社 経営企画部 旅行システム開発室 アシスタントマネジャーの上地玄悠氏は、次のように説明する。 「我々の課題をシステム的に解決するためには、独自の仕組みをスクラッチで開発するしか方法がないと考えていました。しかし、導入コストの観点から採用を見送らざるを得ませんでした。そんな折、以前からANAグループと接点のあったレッドハットに相談したところ、Red Hat JBoss BRMS(以下JBoss BRMS)を紹介してもらったのです」(上地氏)。 ビジネスルールの有用性に着目した同氏は、ソ

リューションとしてJBoss BRMSに焦点を絞った。その理由としてまず挙げられるのは、ビジネスルールを業務アプリケーションから切り離して管理、実行できる点だ。 「これによって、開発フェーズではビジネスルールと業務アプリケーションを別々に構築することが可能となり、開発作業の効率化と開発工数の削減を実現できます。運用フェーズにおいても、通常はビジネスルールが変わるたびに業務アプリケーションを修正する必要があり、追加のコストと工数が発生しますが、JBoss BRMSならビジネスルールだけを修正すればよく、システム全体に手を加える必要はありません。環境の変化にも迅速かつ低コストで対応できるという点も、JBoss BRMSを採用する決め手となりました」(上地氏)。 結果的に、導入コストもスクラッチ開発と比較して約3分の1に抑えることができた。

 これまで旅行代金の作成にあたっては、原価となる航空券やホテル代、レンタカー代などを企画担当者がExcelに入力し、そこにさまざまな計算ロジックを適用することで算出していた。国内線は1日に約1,000便も運航しており、同じ東京~沖縄間でも、時間帯などによって往路、復路の価格が変わってくる。また北海道、沖縄といった地域ごとのパンフレットに記載する旅行設定期間は長いもので200日以上あり、パンフレットの誌面幅の都合上、旅行代金を18種類以内に分類して割り振っていく必要があった。かつてはこの旅行代金の作成と分類作業を、企画担当者がすべて手作業で行っていたという。 「JBoss BRMSを導入したことで、この作業を1クリックでできるようになり、作業工数を大幅に削減することができました。最大で40%、少なくとも20%は削減できており、作業時間の短縮に繋がったことで、

従業員のワークライフバランス実現の一助にもなったと考えています」(丸山氏)。 またこの効率化によって捻出できた時間は、企画担当者が本来注力すべき企画立案に充てられるようになった。 「これまで企画担当者は、業務時間の約4割を旅行代金の作成に占めていました。しかしそれは、最も時間を圧縮すべき業務だったといえます。その部分を削減できたことで、旅行商品の企画や分析、あるいは市場調査など、本来時間をかけるべき業務に注力できるようになりつつあります」(丸山氏)。

 旅行代金の作成業務では、最終的な価格を確定するまでに1つのコースで通常2~3回、シミュレーションを繰り返すことがある。競合他社との価格比較などを踏まえての作業だが、このような価格見直しの際には、単に当該コースの価格を調整すればよいというわけではなく、同時期の同一エリアの旅行全体で収益が担保できるかという点も算出し直さなければならない。しかし、年間4万4,000コースもある国内ツアーすべてに2~3回のシミュレーションを手作業で行う工数は膨大だ。そのため、これまではすべてのツアーで完璧な収支シミュレーションを実施することは困難だった。 「それが今では、JBoss BRMSにより迅速に算出できます。1コースあたり2~3回というシミュレーションの回数自体は変わっていませんが、適正でより競争力の高い旅行代金を、より多くのコースで設定できるようになりました。JBoss BRMSは、我々の競争優位性と同時に収益もきちんと確保してくれる有用な仕組みだと言えます」(上地氏)。

 今回の導入では、目的地の特性等によりこれまで

企画担当者間でばらつきのあった作業時間そのものをほぼ同じレベルに平準化することにも成功した。 また、作業プロセスが標準化されたことで、これまでは横展開が不可能だったチーム間での連携も可能となり、たとえば繁忙期に効率的に人員を配備したり、業務のスキルトランスファーを実施したりといったことも円滑に行えるようになった。 「さらにはExcelフォーマットをシンプルに標準化したことで、入力間違いなどの人為的なミスも低減し、より精度の高い商品価格の作成にも繋がっています」(上地氏)。

 一方、ビジネスルールエンジンを導入するためには、これまで各企画担当者の中でブラックボックス化していた料金計算のコツやノウハウをすべて洗い出す必要があった。同社では約3カ月をかけて、この作業を行ったという。 「北海道から沖縄に至るまで、すべての国内旅行の企画担当者に対して、旅行代金をどのように作成しているのかを細かくヒアリングしました。これまでは、業務の棚卸しをしようとしても皆忙しく時間が取れなかったのですが、価格作成業務に長年課題を感じていた経営層の後押しもあり、JBoss BRMSの導入を全社プロジェクトとして推し進めたことで、企画担当者のノウハウを可視化することができました。経営層のコミットメントも重要な要件だと考えています」(丸山氏)。 ANAセールスでは企画担当者へのヒアリング期間を含め、計約11カ月間でJBoss BRMSの導入を含む旅行料金作成アプリケーションの構築を完了させた。

 今回のJBoss BRMS導入にあたり、上地氏は企画担当者のノウハウをシステムに落としていく際にレッドハットの知見が役に立ったと振り返る。

 「我々は、旅行商品の価格作成業務については熟知していますが、それをどのようにシステムに落とせばよいのかという点については正直そこまで詳しくありません。レッドハットからは、ビジネスルールエンジンと業務アプリケーションを切り分けて各々に進化させていけるということを教わりながら、だったらここはこういうルールにしようとか、ここはシステム側で吸収しようとか、判断を下す必要がある場面でサポートしてもらい、とても参考になりました」(上地氏)。 比較的容易にビジネスルールを追加できることから、今回システム化の対象に含まれなかった旅行商品の追加代金において、まだ洗い出しができていない改善点を抽出し、さらに効率化していくことを考えている。 「今回のJBoss BRMS導入は、いわば“守りのシステム”への適用です。しかし我々がさらにビジネスを拡大していくためには、お客様のカスタマーエクスペリエンス全体にわたって関係を強化できる“攻めのシステム”が必要です。そうした領域でも、JBoss BRMSや新しいテクノロジーを使って成長できるのではと見込んでいます。レッドハットには、そうしたところも含めて引き続き支援してほしいと思っています」さらなる成長への抱負を語りつつ、丸山氏は締め括った。

ビジネスルールエンジン導入の流れ

01 背景 02 課題 03 システム要件 04旅行商品の価格作成業務において時間のかかる非効率な作業が定常化

膨大な作業時間と人為的ミスを削減し、業務プロセスを標準化、平準化したい

煩雑な業務を効率化して工数を削減、仕様の変更も迅速に

作業工数は20~40%削減、削減できた時間は企画立案に充当

背景旅行商品の価格作成業務において時間のかかる非効率な作業が定常化

課題膨大な作業時間や人為的なミスを削減し、業務プロセスを標準化、平準化したい

システム要件煩雑な業務を効率化して工数を削減、

仕様の変更も迅速に

JBoss BRMSを導入したメリット1作業工数は20~40%削減、

削減できた時間は企画立案に充当

・手作業だった旅行代金の作成と分類作業が“1クリック”に

・作業時間の短縮がワークライフバランス実現につながる

・ビジネスルールを業務アプリケーションから切り離して管理/実行・導入コストもスクラッチ開発と比較して約3分の1に

・商品サイクルの短期化に伴い、旅行代金の作成方法がボトルネックに

・作業の属人化が、業務の標準化や人員の横展開を困難にしていた

・旅行代金の作成は複数のExcelシートを使って手作業で実施・作業量も膨大で入力ミスも発生、長い間改善策を出せずにいた

JBoss BRMSを導入したメリット1

4 OPEN EYE

Success story for your business

ユーザー事例Success Story

ANAセールスビジネスルールエンジンの導入

 国内および海外旅行のパッケージツアーブランド「ANAスカイホリデー」や「ANAハローツアー」を展開するANAセールス。旅行商品の企画販売を行う同社では、年間4万4,000コースもの国内旅行パッケージツアーを販売している。その旅行商品の価格作成業務は煩雑かつ膨大で、チームや担当者ごとに属人化した手作業に頼らざるを得ない状況が続いていた。これらの課題を解決するため、同社ではビジネスルールエンジンの導入を決定。Red Hat JBoss BRMSを採用し、業務の効率化と標準化を実現した。

旅行商品の価格作成業務にRed Hat JBoss BRMSを適用。作業工数を削減し、業務の標準化も実現

 ANAセールスでは現在、航空券販売を行う航空セールス事業と、自社で旅行商品を企画販売する旅行事業とを展開している。今回ビジネスルールエンジンを適用したのは、旅行事業における国内パッケージツアーの旅行代金を作成するシステムだ。その背景について、ANAセールス株式会社 経営企画部 旅行システム開発室 室長の丸山一雄氏は次のように説明する。 「国内ツアーとしては、北海道から沖縄まで年間約4万4,000コースの商品を販売しています。これまで、各コースの旅行代金の作成は、企画担当者が複数のExcelシートを組み合わせるなどして手作業で行っていました。旅行代金は、目的地や季節、さらには曜日や時間帯などさまざまな要素で変動するため、価格作成が非常に複雑です。また作業量も膨大なため、入力ミスなども発生します。こうした状況を改善したいと思いつつも、システム化は難しいと考えていたので、長年にわたり具体的な改善案が出せずにいました」(丸山氏)。

 昨今の旅行業界では、市場のトレンドや多様な顧客ニーズに応えるべく、商品サイクルが短期化しつつある。同社においても、かつては旅行商品の企画立案はほぼ半年単位だったが、2カ月単位で商品サイクルを回すなどの対応が求められていた。迅速な商品展開が重要視されつつも、従来の旅行代金の作成方法がボトルネックとなっていた。 「旅行代金の算出だけで約2~3週間もの時間を

要する従来の方法では限界だと感じていました。売りとなる人気企画の立案にはじっくり時間を充てたい、しかし商品展開の間隔は短縮する必要がある。そのためには作業を効率化し、同時に人為的なミスをなくす必要もあったのです」(丸山氏)。 旅行代金の計算フォーマットは、標準的な計算式でマクロを組んだExcelシートだったが、旅行代金の作成に際しては目的地ごとに地域特性を勘案する必要がある。そのため、企画担当者は自分の経験値に基いて独自に作業のカスタマイズを行っており、一人で約10種類もの計算式を操っている担当者もいた。まさに職人技だ。 「企画担当者が利用するExcelシートは個別でカスタマイズされており、完全に属人化していました。それが、作業の標準化や人員の横展開などを困難にしていたのです。業務の効率化と共に、業務プロセスを標準化、平準化する必要も痛感していました」(丸山氏)。

 長期にわたり、旅行代金の作成業務を課題と認識していた同社は、解決策を模索する中でビジネスルールエンジンの存在にたどり着いた。その経緯について、ANAセールス株式会社 経営企画部 旅行システム開発室 アシスタントマネジャーの上地玄悠氏は、次のように説明する。 「我々の課題をシステム的に解決するためには、独自の仕組みをスクラッチで開発するしか方法がないと考えていました。しかし、導入コストの観点から採用を見送らざるを得ませんでした。そんな折、以前からANAグループと接点のあったレッドハットに相談したところ、Red Hat JBoss BRMS(以下JBoss BRMS)を紹介してもらったのです」(上地氏)。 ビジネスルールの有用性に着目した同氏は、ソ

リューションとしてJBoss BRMSに焦点を絞った。その理由としてまず挙げられるのは、ビジネスルールを業務アプリケーションから切り離して管理、実行できる点だ。 「これによって、開発フェーズではビジネスルールと業務アプリケーションを別々に構築することが可能となり、開発作業の効率化と開発工数の削減を実現できます。運用フェーズにおいても、通常はビジネスルールが変わるたびに業務アプリケーションを修正する必要があり、追加のコストと工数が発生しますが、JBoss BRMSならビジネスルールだけを修正すればよく、システム全体に手を加える必要はありません。環境の変化にも迅速かつ低コストで対応できるという点も、JBoss BRMSを採用する決め手となりました」(上地氏)。 結果的に、導入コストもスクラッチ開発と比較して約3分の1に抑えることができた。

 これまで旅行代金の作成にあたっては、原価となる航空券やホテル代、レンタカー代などを企画担当者がExcelに入力し、そこにさまざまな計算ロジックを適用することで算出していた。国内線は1日に約1,000便も運航しており、同じ東京~沖縄間でも、時間帯などによって往路、復路の価格が変わってくる。また北海道、沖縄といった地域ごとのパンフレットに記載する旅行設定期間は長いもので200日以上あり、パンフレットの誌面幅の都合上、旅行代金を18種類以内に分類して割り振っていく必要があった。かつてはこの旅行代金の作成と分類作業を、企画担当者がすべて手作業で行っていたという。 「JBoss BRMSを導入したことで、この作業を1クリックでできるようになり、作業工数を大幅に削減することができました。最大で40%、少なくとも20%は削減できており、作業時間の短縮に繋がったことで、

従業員のワークライフバランス実現の一助にもなったと考えています」(丸山氏)。 またこの効率化によって捻出できた時間は、企画担当者が本来注力すべき企画立案に充てられるようになった。 「これまで企画担当者は、業務時間の約4割を旅行代金の作成に占めていました。しかしそれは、最も時間を圧縮すべき業務だったといえます。その部分を削減できたことで、旅行商品の企画や分析、あるいは市場調査など、本来時間をかけるべき業務に注力できるようになりつつあります」(丸山氏)。

 旅行代金の作成業務では、最終的な価格を確定するまでに1つのコースで通常2~3回、シミュレーションを繰り返すことがある。競合他社との価格比較などを踏まえての作業だが、このような価格見直しの際には、単に当該コースの価格を調整すればよいというわけではなく、同時期の同一エリアの旅行全体で収益が担保できるかという点も算出し直さなければならない。しかし、年間4万4,000コースもある国内ツアーすべてに2~3回のシミュレーションを手作業で行う工数は膨大だ。そのため、これまではすべてのツアーで完璧な収支シミュレーションを実施することは困難だった。 「それが今では、JBoss BRMSにより迅速に算出できます。1コースあたり2~3回というシミュレーションの回数自体は変わっていませんが、適正でより競争力の高い旅行代金を、より多くのコースで設定できるようになりました。JBoss BRMSは、我々の競争優位性と同時に収益もきちんと確保してくれる有用な仕組みだと言えます」(上地氏)。

 今回の導入では、目的地の特性等によりこれまで

企画担当者間でばらつきのあった作業時間そのものをほぼ同じレベルに平準化することにも成功した。 また、作業プロセスが標準化されたことで、これまでは横展開が不可能だったチーム間での連携も可能となり、たとえば繁忙期に効率的に人員を配備したり、業務のスキルトランスファーを実施したりといったことも円滑に行えるようになった。 「さらにはExcelフォーマットをシンプルに標準化したことで、入力間違いなどの人為的なミスも低減し、より精度の高い商品価格の作成にも繋がっています」(上地氏)。

 一方、ビジネスルールエンジンを導入するためには、これまで各企画担当者の中でブラックボックス化していた料金計算のコツやノウハウをすべて洗い出す必要があった。同社では約3カ月をかけて、この作業を行ったという。 「北海道から沖縄に至るまで、すべての国内旅行の企画担当者に対して、旅行代金をどのように作成しているのかを細かくヒアリングしました。これまでは、業務の棚卸しをしようとしても皆忙しく時間が取れなかったのですが、価格作成業務に長年課題を感じていた経営層の後押しもあり、JBoss BRMSの導入を全社プロジェクトとして推し進めたことで、企画担当者のノウハウを可視化することができました。経営層のコミットメントも重要な要件だと考えています」(丸山氏)。 ANAセールスでは企画担当者へのヒアリング期間を含め、計約11カ月間でJBoss BRMSの導入を含む旅行料金作成アプリケーションの構築を完了させた。

 今回のJBoss BRMS導入にあたり、上地氏は企画担当者のノウハウをシステムに落としていく際にレッドハットの知見が役に立ったと振り返る。

 「我々は、旅行商品の価格作成業務については熟知していますが、それをどのようにシステムに落とせばよいのかという点については正直そこまで詳しくありません。レッドハットからは、ビジネスルールエンジンと業務アプリケーションを切り分けて各々に進化させていけるということを教わりながら、だったらここはこういうルールにしようとか、ここはシステム側で吸収しようとか、判断を下す必要がある場面でサポートしてもらい、とても参考になりました」(上地氏)。 比較的容易にビジネスルールを追加できることから、今回システム化の対象に含まれなかった旅行商品の追加代金において、まだ洗い出しができていない改善点を抽出し、さらに効率化していくことを考えている。 「今回のJBoss BRMS導入は、いわば“守りのシステム”への適用です。しかし我々がさらにビジネスを拡大していくためには、お客様のカスタマーエクスペリエンス全体にわたって関係を強化できる“攻めのシステム”が必要です。そうした領域でも、JBoss BRMSや新しいテクノロジーを使って成長できるのではと見込んでいます。レッドハットには、そうしたところも含めて引き続き支援してほしいと思っています」さらなる成長への抱負を語りつつ、丸山氏は締め括った。

05 JBoss BRMSを導入したメリット2 06 JBoss BRMSを

導入したメリット3導入に際してのチャレンジ07 08 今後の展望/

レッドハットへの期待

シミュレーションのやり直しが容易になり、より競争力の高い価格設定が可能に

作業時間の平準化を実現、プロセスの標準化でスキルトランスファーも容易に

属人化した作業の洗い出しが鍵、担当者へ個別ヒアリングを実施

追加料金の計算にもBRMSの適用を検討、さらなる“攻めのシステム”を・人のノウハウをシステムに反映する際にレッドハットの知見が役立つ

・今後は“攻めのシステム”を支援して欲しい

・ブラックボックス化していた作業をすべて見える化

・経営層のコミットメントも重要な要件

・担当者間でばらつきのあった作業時間を平準化

・効率的な人員配備や円滑なスキルトランスファーが可能に

・手作業だったシミュレーションもJBoss BRMSで算出が迅速に

・競争力の高いコース設定が可能になった

JBoss BRMSを導入したメリット3作業時間の平準化を実現、プロセスの標準化でスキルトランスファーも容易に

導入に際してのチャレンジ属人化した作業の洗い出しが鍵、担当者へ個別ヒアリングを実施

JBoss BRMSを導入したメリット2シミュレーションのやり直しが容易になり、より競争力の高い価格設定が可能に

今後の展望レッドハットへの期待追加料金の計算にもBRMSの適用を検討、

さらなる“攻めのシステム”を

OPEN EYE 5

Red Hat K.K. EDITORIAL 2017

丸山 一雄 氏

ANAセールス株式会社経営企画部 旅行システム開発室 室長

上地 玄悠 氏

ANAセールス株式会社経営企画部 旅行システム開発室 アシスタントマネジャー

課題作業に時間がかかる

エリアによりフォーマットが異なる十分な分析予測ができない

解決策Red Hat JBoss BRMSにより効率化・標準化・高度化を実現

実現した姿収益の確保

タイムリーな商品投下新規商品企画

▼ 旅行代金価格作成システムの自動効率化

低コスト

分析の深化 業務サイクル短期化

体制再構築

 静岡県富士市は、豊富な水資源や流通の利便性を活かし、豊かな文化と産業を育んできた人口25万の都市だ。近年では、市が目指すまちの姿を表現した「いただきへの、はじまり」というブランドメッセージを発表し、国内外からの観光客誘致にも注力している。 同市では、2011年から2015年に「第二次富士市情報化計画」を遂行、さらに2017年から2020年にかけて「第三次富士市情報化計画」を進めている。これは、市民サービスの向上や地域の活性化、行政運営の効率化・高度化などを目的として、市の情報化を推進していくものだ。 特に「第三次富士市情報化計画」では、東海地震や南海トラフ地震などを想定した大規模災害発生時に対処するため、ICT部門の業務継続計画(ICT-BCP)を策定し、具体的な施策と実行が課題となっていた。

 富士市では現在、情報システム基盤を外部のデータセンターに置き、隣接する富士宮市と共同運用する形で電算化を図っている。標準パッケージソフトウェアによる業務の全体効率化やセキュリティ強化により市民サービスの向上を推進し、住民情報や税務に関する多くの業務システムをデータセンターに移行した。市職員も、サーバー側で処理を行なうシンクライアントを通じて業務を遂行している。 しかしこの場合、たとえば災害など不測の事態で庁舎とデータセンター間の回線が切断された場合、業務は停止してしまう。たとえデータセンター側の災害対策を徹底し、対策を施しても、リスクはゼロにはならない。

 「回線が回復するまでの時間は、最短でも3日程度かかります。その間、データセンターへのアクセスが切断され、多くの業務を遂行することができません。最悪の事態を回避するために、庁舎内にバックアップとしての業務システムが必要となります」と、富士市役所 総務部 情報政策課 課長の深澤安伸氏は説明する。 現状、すべてのアプリケーションやシステムがデータセンターに移っているわけではなく、庁舎内で稼働しているものもある。万一の際は庁舎内の予備のPCを使用したり、稼働中のサーバーに仮想マシンを立てる等の対応も可能だが、この方法では調達に手間と時間がかかり、緊急時の対応としては現実的ではない。

 これらの課題に対応するため、富士市では庁舎内にIaaS基盤でプライベートクラウドを用意することにした。 IaaS基盤の構築にあたって同市は、NECに相談のうえシステム構成を検討した。設計としては、Windows が 70インスタンス動く規模を想定。「Windowsベースの70インスタンスというと、ハードウェアが相応のスペースを占めることは容易に想像されます。統合型IaaS基盤によって、かなりの集約率となっていることがわかります」と、総務部 情報政策課 主幹の大長剛二氏は語る。 またNECに相談した際に、オープンソースをベースにしたシステムが望ましいと要望したという。 「ベンダーが独自に作ったシステムは、中身が見えません。たとえばダッシュボードから操作した時も、中で何が起きているかがわからない。オープンソースソフトウェアなら中身が見えますし、自分たちのやりたいことも実現しやすい点が大きな魅力です」と深澤氏は語る。 「オープンソースでも、Linuxのように安定した活

発な開発コミュニティがあれば進化も早く、利用側のニーズに応えられます。オープンソースソフトウェアという選択に抵抗はありませんでした」(深澤氏)。

 オープンソースベースでIaaS基盤を構築するという要望を受けてNECが提案したのが、統合型IaaS基盤のCPI(Cloud Platform for IaaS)だ。ソフトウェアとしては、Red Hat OpenStack Platform(RHOSP)と、ソフトウェア・デファインド・ストレージのRed Hat Ceph Storageが動いている。 「OpenStackは実績を積み重ねて成熟してきていることや、民間企業におけるいくつもの成功事例を聞いていたので、安心して採用しました」(大長氏)。 実は当初、同種のIaaS基盤ソフトウェアの中でも、OpenStackに対しては設計や構築が難しいイメージを持っていたという。そのため、信頼できるサポートが必要だと考えていた。この点について、NECにはOpenStackをサポートする部署があること、さらにエンタープライズ分野でLinuxをサポートし、コミュニティへの貢献度も高いレッドハットのRHOSPであることなどが決め手となった。 CPIにより、富士市では機器の搬入からセットアップまで約1週間というスピード導入を実現した。

 OpenStackを導入し、今後は実運用システムを乗せていくことになるが、現在は災害時の業務継続を実現するバックアップシステムの構築に取り組んでいる。 まず、住民情報システムについては、緊急時に備えてミラーリングしたバックアップサーバーを庁舎内に設

置。データは夜間にミラーリングする。またそこにアクセスするシンクライアント環境のバックアップを今回構築したIaaS環境で動かす。この環境はコールドスタンバイで待機させておき、緊急時にのみ起動すればよい。 「災害時には、どんなことが起こるのか想定できません。対応には、迅速さと柔軟性の高さが鍵となります。それをこのプライベートクラウド環境で実現します」と総務部 情報政策課 主幹の山田勝彦氏は語る。 なお災害時のみの起動であるため、平常時はシステムのリソースが空いている。そこで富士市では、平常時のシステムを有効活用するために、現在庁舎内で動いている個別環境が必要な業務システムなどをプライベートクラウド上に移行することも検討中だ。

 現在、庁舎内で稼働しているアプリケーションや環

境の管理にも課題があった。「最近では、国や県から来る調査や報告業務が電子化されていて、オンラインによる申請や報告が増えてきています。専用のアプリケーションが必要だったりWebブラウザが指定されていたりする場合は、新規で個別の環境を用意する必要が生じます」(大長氏)。 さらに年度予算ベースで動くという庁舎の事情も加わる。年度の途中でサーバー環境や特定の環境が必要になると、予備のPCを使用したり、仮想サーバーを間借りするなど暫定的な実行環境を構築せざるを得ない。これでは、どこで何が動いているかの全体像が把握できず、効率的な業務推進を妨げる要素として管理する上でも問題だ。 IaaS基盤にすることで、これらの要求にスピーディに応じ、待ち時間を短縮できる。総務部 情報政策課 主査 加藤小太郎氏は「仮想マシンが必要になった時にタイムリーかつ迅速に作成でき、動作も速いので、快適に使ってもらえると期待しています」と話す。

 IaaS基盤を運用管理する側としては、サーバーリソースを一元管理できるようになったメリットが極めて大きい。たとえばサーバーが遅い時やメモリが不足している時など、ダッシュボードで把握して簡単にリソース割り当てを変更できる。 「どの端末からどこにアクセスできるのかといったセキュリティグループも、グラフィカルに把握できます。今後さまざまなインスタンスが立ってきた時に、これがあると管理しやすいですね」(総務部 情報政策課 上席主事 井口悟史氏)。 できることが多くなった反面、予想される管理運用の難しさについて加藤氏は「しっかりしたサポートがあり、問い合わせ窓口があるので不安はありません」とサポート体制への安心感を示した。

 IaaS基盤の本格的な活用はまさにこれからだ。富士市としては、今後さまざまなシステムをプライベートクラウドに乗せて、より柔軟で効率的な環境を目指したいと考えている。 また、今回はプライベートクラウドの構築だが、今後はシステムのマネジメントにも取り組んでいきたいという。大長氏は「最近話題のAnsibleなどを使ったオペレーションの自動化も検討したいと考えているので、Red Hatには引き続き相談にのってもらい、協力をお願いしたい。期待しています」と抱負を語る。レッドハットの自動化プラットフォーム「Ansible Tower」は、組織がシステムの自動化を安全に管理し、利用範囲を最大化して効率化を図るためのソリューションで、昨今急速に注目を集めている。富士市のICTのさらなる進化に期待したい。

OpenStackによるクラウド基盤の構築

01 背景 02 課題 03 システム要件 04市の情報化を推進、災害時の業務継続が課題に

緊急災害時の業務継続を視野に入れた庁舎内のオンプレミス環境が必要

OSSによるIaaS基盤を庁舎内に構築

OpenStackの導入に際して構築や運用のサポートが必要

背景市の情報化を推進、

災害時の業務継続が課題に

課題緊急災害時の業務継続を視野に入れた庁舎内のオンプレミス環境が必要

システム要件OSSによるIaaS基盤を庁舎内に構築

RHOSPを選んだ決め手OpenStackの導入に際して構築や運用のサポートが必要

RHOSPを導入したメリット1災害時にオンプレミスで使えるバックアップシステムを構築

・成功事例を参考に、OpenStackの実績と安心感を評価

・設計や構築に際して信頼できるサポートがほしい

・庁舎内にIaaS基盤でプライベートクラウドを構築・中身が見え、要望を実現しやすいオープンソースを希望

・情報システム基盤は外部のデータセンター

・不測の事態を想定して、庁舎内にバックアップが必要

・市民サービスの向上などを目的として、継続的に市の情報化を推進・大規模災害時の業務継続のための施策が必要

RHOSPを選んだ決め手

6 OPEN EYE

Success story for your business

ユーザー事例Success Story

富士市OpenStackによるクラウド基盤の構築

 富士山の麓に位置し、南には駿河湾を望む風光明媚な町、静岡県富士市。同市では2017年2月、地震などの災害対策やIT運用管理の効率化を目的に、庁舎内にプライベートクラウドを構築した。クラウド基盤にはRed Hat OpenStack Platform(RHOSP)とRed Hat Ceph Storageを導入し、それらを動かす統合型IaaS基盤としてNECのCPI(Cloud Platform for IaaS)を採用。その背景や導入過程、メリットなどについて、富士市役所 総務部 情報政策課に話を聞いた。

地方公共団体のICT基盤に、Red HatのOpenStackを採用。IaaS基盤の構築で災害時の業務継続に備える

富士市

 静岡県富士市は、豊富な水資源や流通の利便性を活かし、豊かな文化と産業を育んできた人口25万の都市だ。近年では、市が目指すまちの姿を表現した「いただきへの、はじまり」というブランドメッセージを発表し、国内外からの観光客誘致にも注力している。 同市では、2011年から2015年に「第二次富士市情報化計画」を遂行、さらに2017年から2020年にかけて「第三次富士市情報化計画」を進めている。これは、市民サービスの向上や地域の活性化、行政運営の効率化・高度化などを目的として、市の情報化を推進していくものだ。 特に「第三次富士市情報化計画」では、東海地震や南海トラフ地震などを想定した大規模災害発生時に対処するため、ICT部門の業務継続計画(ICT-BCP)を策定し、具体的な施策と実行が課題となっていた。

 富士市では現在、情報システム基盤を外部のデータセンターに置き、隣接する富士宮市と共同運用する形で電算化を図っている。標準パッケージソフトウェアによる業務の全体効率化やセキュリティ強化により市民サービスの向上を推進し、住民情報や税務に関する多くの業務システムをデータセンターに移行した。市職員も、サーバー側で処理を行なうシンクライアントを通じて業務を遂行している。 しかしこの場合、たとえば災害など不測の事態で庁舎とデータセンター間の回線が切断された場合、業務は停止してしまう。たとえデータセンター側の災害対策を徹底し、対策を施しても、リスクはゼロにはならない。

 「回線が回復するまでの時間は、最短でも3日程度かかります。その間、データセンターへのアクセスが切断され、多くの業務を遂行することができません。最悪の事態を回避するために、庁舎内にバックアップとしての業務システムが必要となります」と、富士市役所 総務部 情報政策課 課長の深澤安伸氏は説明する。 現状、すべてのアプリケーションやシステムがデータセンターに移っているわけではなく、庁舎内で稼働しているものもある。万一の際は庁舎内の予備のPCを使用したり、稼働中のサーバーに仮想マシンを立てる等の対応も可能だが、この方法では調達に手間と時間がかかり、緊急時の対応としては現実的ではない。

 これらの課題に対応するため、富士市では庁舎内にIaaS基盤でプライベートクラウドを用意することにした。 IaaS基盤の構築にあたって同市は、NECに相談のうえシステム構成を検討した。設計としては、Windows が 70インスタンス動く規模を想定。「Windowsベースの70インスタンスというと、ハードウェアが相応のスペースを占めることは容易に想像されます。統合型IaaS基盤によって、かなりの集約率となっていることがわかります」と、総務部 情報政策課 主幹の大長剛二氏は語る。 またNECに相談した際に、オープンソースをベースにしたシステムが望ましいと要望したという。 「ベンダーが独自に作ったシステムは、中身が見えません。たとえばダッシュボードから操作した時も、中で何が起きているかがわからない。オープンソースソフトウェアなら中身が見えますし、自分たちのやりたいことも実現しやすい点が大きな魅力です」と深澤氏は語る。 「オープンソースでも、Linuxのように安定した活

発な開発コミュニティがあれば進化も早く、利用側のニーズに応えられます。オープンソースソフトウェアという選択に抵抗はありませんでした」(深澤氏)。

 オープンソースベースでIaaS基盤を構築するという要望を受けてNECが提案したのが、統合型IaaS基盤のCPI(Cloud Platform for IaaS)だ。ソフトウェアとしては、Red Hat OpenStack Platform(RHOSP)と、ソフトウェア・デファインド・ストレージのRed Hat Ceph Storageが動いている。 「OpenStackは実績を積み重ねて成熟してきていることや、民間企業におけるいくつもの成功事例を聞いていたので、安心して採用しました」(大長氏)。 実は当初、同種のIaaS基盤ソフトウェアの中でも、OpenStackに対しては設計や構築が難しいイメージを持っていたという。そのため、信頼できるサポートが必要だと考えていた。この点について、NECにはOpenStackをサポートする部署があること、さらにエンタープライズ分野でLinuxをサポートし、コミュニティへの貢献度も高いレッドハットのRHOSPであることなどが決め手となった。 CPIにより、富士市では機器の搬入からセットアップまで約1週間というスピード導入を実現した。

 OpenStackを導入し、今後は実運用システムを乗せていくことになるが、現在は災害時の業務継続を実現するバックアップシステムの構築に取り組んでいる。 まず、住民情報システムについては、緊急時に備えてミラーリングしたバックアップサーバーを庁舎内に設

置。データは夜間にミラーリングする。またそこにアクセスするシンクライアント環境のバックアップを今回構築したIaaS環境で動かす。この環境はコールドスタンバイで待機させておき、緊急時にのみ起動すればよい。 「災害時には、どんなことが起こるのか想定できません。対応には、迅速さと柔軟性の高さが鍵となります。それをこのプライベートクラウド環境で実現します」と総務部 情報政策課 主幹の山田勝彦氏は語る。 なお災害時のみの起動であるため、平常時はシステムのリソースが空いている。そこで富士市では、平常時のシステムを有効活用するために、現在庁舎内で動いている個別環境が必要な業務システムなどをプライベートクラウド上に移行することも検討中だ。

 現在、庁舎内で稼働しているアプリケーションや環

境の管理にも課題があった。「最近では、国や県から来る調査や報告業務が電子化されていて、オンラインによる申請や報告が増えてきています。専用のアプリケーションが必要だったりWebブラウザが指定されていたりする場合は、新規で個別の環境を用意する必要が生じます」(大長氏)。 さらに年度予算ベースで動くという庁舎の事情も加わる。年度の途中でサーバー環境や特定の環境が必要になると、予備のPCを使用したり、仮想サーバーを間借りするなど暫定的な実行環境を構築せざるを得ない。これでは、どこで何が動いているかの全体像が把握できず、効率的な業務推進を妨げる要素として管理する上でも問題だ。 IaaS基盤にすることで、これらの要求にスピーディに応じ、待ち時間を短縮できる。総務部 情報政策課 主査 加藤小太郎氏は「仮想マシンが必要になった時にタイムリーかつ迅速に作成でき、動作も速いので、快適に使ってもらえると期待しています」と話す。

 IaaS基盤を運用管理する側としては、サーバーリソースを一元管理できるようになったメリットが極めて大きい。たとえばサーバーが遅い時やメモリが不足している時など、ダッシュボードで把握して簡単にリソース割り当てを変更できる。 「どの端末からどこにアクセスできるのかといったセキュリティグループも、グラフィカルに把握できます。今後さまざまなインスタンスが立ってきた時に、これがあると管理しやすいですね」(総務部 情報政策課 上席主事 井口悟史氏)。 できることが多くなった反面、予想される管理運用の難しさについて加藤氏は「しっかりしたサポートがあり、問い合わせ窓口があるので不安はありません」とサポート体制への安心感を示した。

 IaaS基盤の本格的な活用はまさにこれからだ。富士市としては、今後さまざまなシステムをプライベートクラウドに乗せて、より柔軟で効率的な環境を目指したいと考えている。 また、今回はプライベートクラウドの構築だが、今後はシステムのマネジメントにも取り組んでいきたいという。大長氏は「最近話題のAnsibleなどを使ったオペレーションの自動化も検討したいと考えているので、Red Hatには引き続き相談にのってもらい、協力をお願いしたい。期待しています」と抱負を語る。レッドハットの自動化プラットフォーム「Ansible Tower」は、組織がシステムの自動化を安全に管理し、利用範囲を最大化して効率化を図るためのソリューションで、昨今急速に注目を集めている。富士市のICTのさらなる進化に期待したい。

05 RHOSPを導入したメリット1 06 RHOSPを

導入したメリット2RHOSPを導入したメリット307 08 今後の展望/

レッドハットへの期待

災害時にオンプレミスで使えるバックアップシステムを構築

さまざまな条件の環境をスピーディかつ柔軟に作る

リソースを一元管理、インスタンスの状況を把握して動的に変更

より柔軟で効率的な環境を目指す/Ansibleを使った管理も視野に・IaaS基盤の本格活用により、より柔軟で効率的な環境を実現

・オペレーションの自動化にも取り組んでいきたい

・サーバーリソースを一元管理できることが大きなメリット・管理運用の不安も万全のサポート体制で払拭

・新規で個別環境が必要な時もフレキシブルに対応できる

・要求にスピーディに対応、業務遂行もより効率的に

・プライベートクラウドによる迅速さと柔軟性の高さが鍵・平常時もシステムを有効活用

RHOSPを導入したメリット2さまざまな条件の環境をスピーディかつ柔軟に作る

RHOSPを導入したメリット3リソースを一元管理、

インスタンスの状況を把握して動的に変更

今後の展望/レッドハットへの期待より柔軟で効率的な環境を目指すAnsibleを使った管理も視野に

OPEN EYE 7

Red Hat K.K. EDITORIAL 2017

深澤 安伸 氏

富士市総務部 情報政策課

課長

大長 剛二 氏

富士市総務部 情報政策課

主幹

井口 悟史 氏

富士市総務部 情報政策課

上席主事

加藤 小太郎 氏

富士市総務部 情報政策課

主査

山田 勝彦 氏

富士市総務部 情報政策課

主幹

▼ 富士市のIaaS基盤(活用イメージ)

外部データセンター市庁舎

デスクトップ仮想化システム

基幹系システム

情報系システム

移行・集約

災害対策

・・・・・

・・・・・シンクライアント端末

CloudPlatformfor IaaS

ソフトウェア・デファインド・ストレージ

IaaS基盤

外部データセンターバックアップシステム

新システム

庁内システムCompute

Node

StorageNode

Red HatCeph Storage

ManagementController

CPIDashboard

庁内システム

OPEN EYE Vol.272017年9月 発行

発行:レッドハット株式会社東京都渋谷区恵比寿4-1-18tel:03(5798)8500

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 私たちレッドハットは、ビジネスにおけるイノベーションを創出するためには、3つの重要な要素があると考えています。 1つめが、変革の原動力としてソフトウェア技術を活用すること。2つめが、外向きの発想を起点に社内外の人材を活用すること。そして3つめが、まずはトライしてみて、市場等の反応を見ながら軌道修正をかけていくこと(=Try, Learn and Modify)です。 1つめのソフトウェア技術の活用については、今から約6年前、ネットスケープの開発者であるマーク・アンドリーセン氏が“いずれソフトウェアが世界を飲み込む”と予言しており、それが今現実のものとなっています。ソフトウェアの力や技術をフルに活用できない企業は、いずれ衰退の一途を辿ることになるでしょう。逆の見方をすれば、今ビジネスイノベーションに成功している企業の大半はソフトウェア中心のビジネスモデルを構築しているということです。 その代表的な例がアマゾン・ドット・コムですが、日本においてもクラウドベースの会計サービスを提供するマネーフォワードが、国内約2,600社の金融機関とAPI連携を実現して“オンライン家計簿サービス”をリリースし、短期間で500万以上の会員数を獲得しています。 2つめですが、企業は常に外向きの発想を拠り所として、社内外の人材を積極的に活用しながら社内の意識改革を促進していく必要があります。我が国でも既

に、大手金融機関の3行がCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の設置を発表し、顧客利便性を追求する“お客様ファースト”への挑戦を目標として掲げています。 そして3つめ、 “Try, Learn and Modify”というアプローチは、じっくりと時間をかけて綿密な計画を立て、実行に移すというスタイルはもはや通用しないという現実を如実に物語っています。まずはターゲットとする市場や顧客層を限定し、スピード重視でスモールスタートを切る。そして市場ニーズと仮説とのギャップを適宜修正していくという姿勢が求められています。

 こうしたビジネスイノベーションを創出するための取り組みを支えるITにもまた、3つの重要な要素があります。すなわち「新しいアイデアを早期に実現できること」「次世代のIT環境を整えること」そして「継続的なサービス改善を実現できること」です。この3つの要素を全て満たすソリューションこそがOSSであり、実際に、時価総額世界トップ5の企業はすべてOSSのアーリーアダプターであり、コアユーザーとなっています。 レッドハットでは今、世界に100万件以上あるOSSプロジェクトの中からお客様にとって価値ある高品質なプロジェクトを約2,000件選定し、積極的に開発者を送り出すことで各コミュニティに貢献しています。さらにその完成度を高め、ミッションクリティカルな環境でもご利用いただける高品質なソフトウェア製品として、私たちの保証と共に市場に提供しています。 近年、特に注目されているのが、アプリケーションプラットフォームの「Red Hat OpenShift Container Platform」です。例えば、オーストラリア最大の投資銀行であるマッコーリー銀行では、金融業界での競争が激化し再編が進む中、OpenShiftを活用することで利便性の高いモバイル端末向けのサービスを次々とリリースし、利用者からのフィードバックやアイデアをいち早く吸収して、継続的改善に繋げる体制を確立しています。 またドイツ銀行では、OpenShiftを開発基盤としたIT内製化を進めており、世界的な自動車メーカーであるBMWでも、コネクテッドカーのドライバーに向けたサービスの迅速なリリース、継続的なサービス改善、急激な大量トランザクションへの対応を実現するため

に、レッドハットのOpenShiftを採用いただいています。 レッドハットでは今年、より多くのお客様のイノベーションをご支援するために、ボストンとロンドンに“アイデアをイノベーションに育てる場”として「Open Innovation Lab」を開設しました。同ラボでは、ワークショップ形式で、イノベーション実現までのロードマップ作成をご支援します。今年中にはシンガポールにも開設され、もちろん日本のお客様にもご利用いただくことが可能です。 今年のレッドハット・フォーラムでは、先進事例やOSSの最新テクノロジーを通じて、まさにビジネスイノベーションを実現するためのさまざまなヒントをお届けいたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

○ レッドハットからの提言

これからの企業に求められるビジネスイノベーションはレッドハットがオープンソースでご支援する 現在、世界に存在するオープンソース(OSS)のプロジェクトは100万件を超えるといわれており、各プロジェクトでは新たな発明やイノベーションが日々起きている。本稿では、2017年7月に開催された「IT Japan 2017」(主催:日経BP社)でのレッドハット 代表取締役社長 望月弘一の講演をベースに、今年のレッドハット・フォーラムの前奏として、ビジネスイノベーションを成功に導く要因とレッドハットの取り組みについてご紹介する。

ビジネスイノベーション成功に必要な“3つの重要な要素”

レッドハットのOSSがビジネスイノベーションを支える

Copyright 2017 Red Hat Inc. All Rights Reserved. "Red Hat"、"Red Hat Enterprise Linux"、"JBoss"、"OpenShift"および"Shadow Man"ロゴは、米国およびその他の国における Red Hat, Inc. の登録商標です。Linuxは、Linus Torvalds氏の登録商標です。OpenStackR Word MarkとOpenStackのロゴは、米国とその他の国における OpenStack Foundation の登録商標/サービスマークまたは商標/サービスマークのいずれかであり、OpenStack Foundation の許諾の下に使用されています。Red Hat は、OpenStack FoundationやOpenStack コミュニティの系列企業ではなくまた、支持や出資を受けていません。

レッドハット株式会社 代表取締役社長

望月 弘一

レッドハットの貢献アイデアを育てイノベーションに導く道筋をOSSでサポート

新しいアイデアの早期実現

次世代のIT環境

継続的なサービス改善

Try Learn and Modify

外向きの発想

原動力としてソフトウェア

ビジネスイノベーションを実現するための変革戦略モデル

レッドハット・フォーラムにて講演

マッコーリー銀行

豪州最大の投資銀行は、デジタルバンキングでいかに顧客体験を変革したか~OpenShift, CloudForms,

Ansibleで実現するDevOps環境~

https://jp-redhat.com/macquarie_960/

Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2017

ビデオでもご紹介しています(約2分)ぜひご覧ください

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