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再保険 マーケット・アウトルック 再保険者の記録的業績と資本 2012 9

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再保険

マーケット・アウトルック 再保険者の記録的業績と資本

2012 年 9 月

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Reinsurance Market Outlook

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目次 エグゼクティブ・サマリー - 再保険者の記録的業績と資本 3 供給は新たなピーク水準に達した 5 プロパティ・キャタストロフ・カバーの信用リスクは限定的である 10

Aon Benfield Securities のキャットボンド市場年次レビュー 12 元受保険者の再保険需要 17 世界のキャタストロフ・ロスの発生ペースは平均を下回る 22 近年の平均を再び上回る米国の悪天候 24 TRIA 期限切れに伴う民間の再保険への参入機会 27 大西洋ハリケーン・シーズンの最新予測 28

M&A 最新事情 29 経済と金融市場の最新の状況 30 銀行の財務レバレッジ 36 お問い合わせ先 37 エーオン ベンフィールドについて 40

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Aon Benfield

3

エグゼクティブ・サマリー - 再保険者

の記録的業績と資本 再保険は、その役割を果たしている。2011年に記録的な損害を被った元受保険者に対し

て再保険はその機能を十分に発揮し、損害回収後の再保険更改においても、元受保険者

が十分受け入れ可能な料率条件で必要な再保険キャパシティを提供できている。2011年

の記録的な損害の後、再保険者は迅速に資本を回復し、2012年上半期末の再保険資本

は過去最高の 4,800億ドルに達している。 キャタストロフ再保険キャパシティの増加率が、キャタストロフ再保険の需要を上回る状態が続いている。一方、ノン・キャタストロフ・ペリルに対する再保険の需要は減少し続けており、ノン・キャタストロフ分野のほとんどの種目において、再保険の価値提案を行うことが難しくなっている。ほぼ 10年にわたり損害発生頻度が低下し続け、損害規模の拡大もコントロール可能であることを経験してきた元受保険者にとって、損害発生の可能性の低いリスクを移転する必要性が減少している。 実際のところ、再保険ビジネスはますますプロパティ・キャタストロフを中心としたものに変化してきた。米国のハリケーン・リスクがほとんどの再保険者の資本必要額を左右するものであることに変わりはないが、現在の世界経済の様々な要因が、引受多様化のために必要な資本額に影響を与えている。ほとんどが米ドル建ての再保険マーケットの中にあって、日本円が上昇し、ユーロが下落することで、ヨーロッパの風災と日本の台風、地震リスクの集積額の間にあった開きが相当に縮小している。 キャタストロフを中心とした再保険ビジネスには、資本供給源の多様化がみられる。キャタストロフ・エクスポージャーを担保するビジネスに投資することで投資リスクの分散効果を得られることから、2006年から 2007年の前回のピーク・キャパシティ時よりも、資本市場からより安定的な投資家を呼び込めている。再保険者や元受保険者は、これらの投資家のそれぞれのリスクアペタイトに合致する再保険リスクを供給している。社債や国債の低利回りが続くことで、キャタストロフや、その他の再保険リスクにキャパシティが集まる傾向が続くものと思われる。 当面の間、元受保険者は、ある程度のキャタストロフ損害が発生したとしても、こうしたマーケットの状況を享受するだろう。2011年に実証されたとおり、キャタストロフ再保険の料率に影響を与えると考えられる再保険損害の一事故当たりあるいは年間の集積額の規模は上昇し続けている。 弊社は、最近の更改を通じてお客様に差別化戦略の成果をもたらすことができたことを光栄に思う。弊社では、再保険のプロフェッショナルな人材確保への投資、独自の分析能力、様々な引受資本へのアクセス、弊社のマーケット・プレゼンスを通してしか得ることのできない洞察などによって、直近の更改において、お客様の再保険コストを数億ドル規模で削減することができたと考えている。2013年においても、弊社は引き続きお客様主体の最善の戦略を実施していく覚悟である。

注:この再保険マーケット・アウトルックは、それぞれの出再マーケットにおけるレート・オン・ライン、キャパシティ、保有レベルの変化に関する弊社の見解と共にお読みいただきたい。また、個別のお客様に関しては、プログラムの過去の取引関係、キャパシティ・ニーズ、ロス・エクスペリエンス、エクスポージャー管理、データの質、モデルの適合性、契約のマージン等の要因で、マーケット全体のアウトルックとは異なる場合があり、弊社の専門の担当者は、いつでも皆様のご相談に応じさせていただく用意がある。

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Reinsurance Market Outlook

4

図表図表図表図表 1: グローバル・マーケットグローバル・マーケットグローバル・マーケットグローバル・マーケットで再保険の需要と供給を左右する要因で再保険の需要と供給を左右する要因で再保険の需要と供給を左右する要因で再保険の需要と供給を左右する要因 再保険の供給に影響を与えるグローバルな要因

+ 記録的な再保険者の資本

+ 現在まで、キャタストロフ損害の出再額が低水準であること + キャットボンドあるいは類似の担保付商品に関する投資家の関心の高まり - 再保険者の株価が引き続き低水準であること

= 再保険マーケットの供給の増加再保険マーケットの供給の増加再保険マーケットの供給の増加再保険マーケットの供給の増加

再保険の需要に影響を与えるグローバルな要因

- 元受保険者の資本が強固であること

- 経済環境が悪化する中で、保険の需要が増えないこと

- カジュアルティ種目における損害頻度が継続的に低下していること - ほぼすべてのマーケットで元受の競争が激しいこと - 投資リターンが低いこと + 元受保険者の株価が低く、株価押し上げのための自社株買いが進む土壌があること + ソブリン債関連の問題

= 再保険需要の横ばい、または減退再保険需要の横ばい、または減退再保険需要の横ばい、または減退再保険需要の横ばい、または減退 出典: Aon Benfield Analytics

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Aon Benfield

5

$411B$342B

$402B$470B $455B $480B

-17% 18%

17% -3% 5%

2007 2008 2009 2010 2011 Q2 2012

供給は新たなピーク水準に達した 再保険者の資本は 2012年上半期において過去最高の 4,800億ドルに達した。第 1 四半期には前年同期の 2%増であった資本水準は、上半期には 5%に達した。世界のどの地域でも再保険の供給は需要を上回る状態が続いている。世界のどの地域でも、再保険業界は、元受保険者に対して必要な再保険キャパシティを提供できる立場にある。弊社は来年 1 月の来るべき更改において、世界のほとんどの地域において供給が元受保険者の需要を上回る状態が続くと予想している。

1992年のハリケーン「アンドリュー」以来、この 20年間で再保険キャパシティの供給は大幅に増加した。「アンドリュー」がその後の再保険マーケットの発展に与えた影響を強調しすぎることはない。1992年当時のマーケットは現在とは大きく異なるものであった。複数のハリケーン「アンドリュー」の再現をサポートするキャパシティが現在の保険、再保険業界に存在することは特筆すべきことである。当時は、将来起こりうるこのような災害に財政的な対応ができるのは、中央や地方の政府のみと考えられていた。世界的に多くの政府の保険・再保険スキームが組成された当時に比べて、現在の民間の保険・再保険業界の資本基盤は、より巨額な災害による経済的負担に対処することができるようになっている。自らがスポンサーとなり、あるいはサポートしてきたキャタストロフ・プログラムを民間に戻そうと真剣に考える中央・地方政府もいくつか存在する。世界経済が停滞する中で、実際に、実質的な見直しを図った例はほとんどないが、部分的あるいは全体的にこれらのプログラムを資本の潤沢な民間に移行することによって、不測の事態に対する政府の財政支出は大幅に削減することが可能である。 再保険マーケットは、米国のハリケーンをピーク・リスクとし、その多くが米ドル建てである。このため米国のハリケーン契約は、リスク単位当たりの再保険マージンが最も高くなっている。リスクの分散効果をもたらすヨーロッパの風災、日本の台風、地震は、これに比べてまだ相当に低いマージン水準が続いている。しかし、経済問題への対応のためにとられた政策によって発生した通貨の変動が再保険の価格設定に大きな影響を及ぼし、米ドルに対する日本円の劇的な上昇と、ユーロの穏やかな下落によって、3 位、4 位、5 位にそれぞれ位置づけられていたこれらのリスクの集積額の順位をほぼ横並びとした。その結果、わずかではあるものの日本のキャパシティは過去にそうであったほど再保険者に分散効果をもたらさなくなり、これと逆のことがヨーロッパのキャパシティについて言えるようになった。 図表図表図表図表 2: 再保険者の資本の推移再保険者の資本の推移再保険者の資本の推移再保険者の資本の推移

出典: 各社財務諸表、Aon Benfield Analytics

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Reinsurance Market Outlook

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時代の先端をゆく時代の先端をゆく時代の先端をゆく時代の先端をゆく再保険者はリスクと資本の管理を再保険者はリスクと資本の管理を再保険者はリスクと資本の管理を再保険者はリスクと資本の管理を従来と従来と従来と従来と異なる手法で行っている異なる手法で行っている異なる手法で行っている異なる手法で行っている 再保険者としての事業経営がますます高度化している。ほぼ 3年間にわたり、再保険者の株価のフランチャイズ・バリューがほとんど無い状態(時価総額が純資産価値を下回る状態)が続いた後、再保険者は、料率サイクルや災害発生をマネージするためのキャパシティの調達先として新たな資本パートナーとの連携を深め始めている。例外はあるものの、再保険者は過去 15年間にわたって、キャットボンドが提供するビジネスチャンスを見逃してきたと言えるが、今になって、キャットボンドがもたらすキャパシティは、キャタストロフのテール・リスクをカバーする資本として最も効率的であると考えている。再保険者はキャットボンドによるキャパシティ確保の利点を認識し始め、自らの顧客である元受保険者が既に 10年以上にわたって活用しているこの補完的資本マーケットを最近になって利用し始めている。 サイドカーはまだ 2006、2007年当時のピークに達しているわけではないが、現在、需要サイクルを管理するには最も適したツールとみなされている。再保険者が有利な条件で株式のセカンダリー・オファリング(追加発行または既存株の売り出し)ができない状況下では特に、サイドカーの取引関係を大災害発生前に構築しておくのが有効となる。また、今後 10年間でマネージド・ファンドは最も重要なキャタストロフ再保険者の資本供給基盤となってゆくだろう。いくつかの再保険者がマネージド・ファンドのプラットフォームを構築している。しかしまだ、再保険者の立ち上げたプラットフォームが最高の成果を挙げたわけではない。再保険者は多様なファンドマネジャーを通して、キャタストロフ・リスクが投資に多様性をもたらし、多額の資金を投入するに値すると考える幅広い投資家を集める投資ファンドを運営するための真剣な努力を開始するだろう。 下記の図表は、グローバルな情勢が変化した中での再保険者の現在の状況の概要を示している。元受保険会社や元受契約者に提供される商品は、高度で先進的な元受、再保険会社が入手することのできる様々な供給源からの資本を基に組成されているという事実には、もはや疑う余地がない。 図表図表図表図表 3: 時代の先端をゆく時代の先端をゆく時代の先端をゆく時代の先端をゆくグローバル再保険者グローバル再保険者グローバル再保険者グローバル再保険者

出典: Aon Benfield Analytics

SpecialtyInsurer

PersonalLines Insurer

Multiple LinesInsurer

Lloyd’sSyndicate

EmergingMarket Insurer

Life & AnnuityInsurer

Commercial Insurer

Health Insurer

Pension Funds

Life Insurers

High Net Worth Individuals

Hedge Funds

EquityInvestors

Insurer Debt &Mezzanine Investors

RetrocessionReinsurers

SPVs, Sidecars

and

Managed Funds

Utilize appropriate capital sources

for risks assumed

SelectRisks

All NetRisks

Form relationships

Understand a very wide range

of risks

Select from

those risks suitable

business

Manage cycles

and eventsManaging Dynamic Portfolio of Risks

Assumed

ModernGlobal

Reinsurers

Managing Dynamic CapitalAssuming Risk

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Aon Benfield

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再保険者の業績再保険者の業績再保険者の業績再保険者の業績 キャタストロフ・ロスレシオとコンバインドレシオが大幅に下がったことが弊社の再保険者統計、Aon Benfield

Aggregate(ABA)1 から明らかである。エクスペンスレシオ、キャット以外のロスレシオ、過年度ロスリザーブの好転がほぼ同水準であったので、2012年上半期に達成した 90.1%のコンバインドレシオの要因は、ほぼすべてキャタストロフ損害活動の低下によるものと言える。 図表図表図表図表 4: Aon Benfield Aggregate のコンバインドレシオのコンバインドレシオのコンバインドレシオのコンバインドレシオ

出典: 各社財務諸表、Aon Benfield Analytics

1 The Aon Benfield Aggregate は、世界の 31 主要再保険者の統計; 最新の ABA は下記を参照。

http://thoughtleadership.aonbenfield.com

-4.8% -4.7% -3.2%

61.6% 60.1% 59.9%

11.1%31.8%

2.5%

29.9%

30.6%

31.0%

97.8%

117.8%

90.1%

-10%

40%

90%

140%

1H2010 1H2011 1H2012

Prior Year Reserve Adjustment Attritional Loss Ratio Catastrophe Loss Ratio Expense Ratio

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Reinsurance Market Outlook

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ABA対象再保険者に関する 2012年 6 月 30日時点の年換算ベースの ROEは、通常時よりも不利な投資リターン、資本利用機会の減少、資本レベルの過剰などに拘わらず、10.7%となった。 図表図表図表図表 5: Aon Benfield Aggregate による再保険者の資本、による再保険者の資本、による再保険者の資本、による再保険者の資本、ROE、自社株買い、株価の状況、自社株買い、株価の状況、自社株買い、株価の状況、自社株買い、株価の状況

出典: 各社財務諸表、Aon Benfield Analytics

0%

2%

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2007 2008 2009 2010 2011 1H 2012

年間年間年間年間ROE (%)

0.6

0.7

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0.9

1

1.1

1.2

2007 2008 2009 2010 2011

評価評価評価評価 - PBR (%)

0

100

200

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400

500

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2007 2008 2009 2010 2011 1H 2012

再保険者の資本再保険者の資本再保険者の資本再保険者の資本 (10億ドル億ドル億ドル億ドル)

1H 2012

0%

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2%

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5%

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2007 2008 2009 2010 2011 1H 2012

自社株買い自社株買い自社株買い自社株買い (年初年初年初年初SHFに対するに対するに対するに対する%)

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Aon Benfield

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マーケットの供給過剰状態から、2010年、2011年のキャタストロフ発生後の資本調達は比較的低調であった。2005年の一連のハリケーン損害と比べて、再保険者が支払った損害の割合は高かったものの、今回の資本調達額は、ハリケーン「カトリーナ」後の状況のおよそ 10分の 1であった。 図表図表図表図表 6: 災害発生後の資本調達災害発生後の資本調達災害発生後の資本調達災害発生後の資本調達

出典: Aon Benfield Securities, Inc. 再保険者再保険者再保険者再保険者にににには引き続き竜巻は引き続き竜巻は引き続き竜巻は引き続き竜巻////雹の雹の雹の雹の再保険再保険再保険再保険カバーをカバーをカバーをカバーをオファーオファーオファーオファーする機会があるする機会があるする機会があるする機会がある 竜巻/雹の活動が昨年に続き今年も活発であることから、元受保険者は、一事故ベース、集積ベース、あるいはプロポーショナル・ベースで竜巻/雹のカバーを手配することができるか、マーケットに関心を寄せている。損害は、通常、元受保険者のプロパティ・キャタストロフ・カバーの保有範囲に収まり回収されないため、2010年、2011年、そして 2012年もこのエクスポージャーからの損害が元受保険者の正味勘定に甚大な影響を与えている。いくつかの試みにかかわらずまだ実現していないが、今シーズンが世界的にみてキャタストロフ損害が軽微なシーズンとなれば、来年の更改ではこの種のプロテクションを可能とする新たなダイナミックスが生まれるかもしれない。

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1992/3 2001/2 2005/7 2008/9 2011/12

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D B

illi

on

s

Starts-ups Sidecars Recaps

Hurricane Andrew

World Trade Center

Hurricane Katrina

Hurricanes Ike & Gustav,

Financial CrisisTohoku EQ &

Non-Peak CAT

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Reinsurance Market Outlook

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プロパティ・キャタストロフ・カバーの信用

リスクは限定的である キャタストロフ再保険は、元受保険者に非常に信用力の高いプロテクションを提供する:単純に言えば、再保険者は、キャタストロフ損害の支払いを滞りなく行うということである。2000年以来、再保険業界は、1,500億米ドル以上に上るキャタストロフ損害の支払いを行ってきた。Aon Benfield Analytics が同じ期間で行った調査によると、キャタストロフ損害によって破綻した再保険者は僅か 8社であり、この 8社の資本は世界の再保険者の資本の 1%にも達しないことがわかった。さらに、破綻した会社もすでに再保険金の 99%以上を支払っていたのである。この結果、実現した信用損失率は、10 ベーシス・ポイント以下であり、これは AA 格の社債のデフォルト率に比肩する。 再保険キャパシティは過去 12年間、支払い能力を試されてきた。直近では 2011年は大規模自然災害の記録的な年となり、253の災害による経済損害は、4,350億ドル、保険損害は 1,070億ドルに上った。2011年の損害の再保険回収割合は、もうひとつの記録的な年である 2005年よりもはるかに高い。だがこれらの損害に拘わらず、2011年末の再保険者の資本は 2010年と実質的に変わることなく、4,550億ドルとなった。再保険者が支払ったキャタストロフ損害額は、多くの場合各社の株主資本の 25%以内であった。

Aon Benfield Analytics は、下記の 2 つの年度に関して、いくつかのキャタストロフ再保険者の調査を行った:

� 2005年: ハリケーン「カトリーナ」、「リタ」、「ウィルマ」(KRW) により、甚大なキャタストロフ損害がもたらされた。

� 2011年: オーストラリアの洪水、ニュージーランド地震、東日本大震災、米国の竜巻とタイの洪水によって甚大な損害がもたらされた。 調査の目的は、キャタストロフ損害が拡大したこの 2 つの年度のキャタストロフ損害と資本のパターンを見出すことである。図表 7の左のグラフは、KRW と 2011年のキャタストロフ損害の前年度末株主資本との比率を示している。 調査の対象とした 13再保険者の中で、4社のみ(Everest、Partner Re、Transatlantic、White Mountains)が、前年度末資本との比率において 2011年の方が 2005年よりも高い数値を示している。 また、2005年には 5 つの再保険者が前年度末資本より 30%以上大きな損害を示しているが、2011年にはどの再保険者もこのような状況となっていない。 図表 7の右のグラフは、いわゆる「2005年組」の再保険者の状況を示したものだが、30%を 超えたのは、Flagstoneのみであった。

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Aon Benfield

11

図表図表図表図表 7: 前年度末の資本前年度末の資本前年度末の資本前年度末の資本に対するに対するに対するに対する再保険者のキャタストロフ損害再保険者のキャタストロフ損害再保険者のキャタストロフ損害再保険者のキャタストロフ損害割合割合割合割合(%)(%)(%)(%)

出典: 各社財務諸表、Aon Benfield Analytics

2011年のキャタストロフ損害によって、A.M. Best とスタンダード & プアーズ (S&P) は、少数の再保険者のアウトルックをネガティブとした。しかし、再保険者の中で、S&Pが格下げしたのは 4社のみであり、A.M.

Best が格下げした再保険者はなかった。さらに格下げとなった 4社のうちの 3社が A カテゴリー範囲の格付けを維持している。このように限定的な格付け業者の対応は、再保険者の効果的なキャタストロフ・リスク管理と、格付け業者の格付け基準がキャタストロフ損害に対する資本要件として大幅なクッションを求めていることが背景となっている。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

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80.0% 2005 KRW

2011 Cat Losses

0.0%

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15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0% 2011 Cat Losses

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Reinsurance Market Outlook

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Aon Benfield Securities のキャットボンド

市場年次レビュー 保険リンク証券(ILS)市場は 2012年 6 月末までの 12 ヵ月間、新規スポンサーおよび既に発行経験のあるスポンサーの双方に対して、魅力あるキャパシティの供給源であり続けた。世界的金融危機の後も、ILS市場は、明確にその回復力を示した。新規発行額、発行残高とも、市場は 4年間で最高レベルに達している。 概観概観概観概観 新規発行に対するスポンサーの関心が高まったことと市場への投資家の参入増加で、昨年度の年間発行額は急増した。2012年 6 月末までの 1年間の新規発行額は、前年から 20億ドル増加し、64億ドルとなった。発行残高は前年同期末よりも 34億ドル増加し、149億ドルとなっている。2009年からの 3年間は満期が多かったことに加え、金融危機の影響で新規発行件数が減少したため、発行残高は減少していた。発行残高の大幅な増加は、この 1年間が市場の重要な成長の年であったことを示している。1996年からのキャットボンドの累積発行額は 440億ドルに上っており、戦略的、効果的なリスク管理ツールとしての重要性を示すものとなっている。 図表図表図表図表 8: 2002年から年から年から年から2012年(年(年(年(6月末までの月末までの月末までの月末までの1年間ベース)のキャットボンド発行残高と累積発行額年間ベース)のキャットボンド発行残高と累積発行額年間ベース)のキャットボンド発行残高と累積発行額年間ベース)のキャットボンド発行残高と累積発行額

出典: Aon Benfield Securities, Inc.

2,589 3,005 3,876 4,7416,608

12,911

16,155

13,249 13,16711,504

14,923

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

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40,000

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2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

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D M

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Property Outstanding Life / Health Outstanding

Cumulative Property Issuance Total Cumulative Issuance

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Aon Benfield

13

2012年 6 月末までの 12 ヵ月で 30 件の案件が成立した(生保・医療分野での案件 2 件を含む)。前年同期は 24 件であった。予想したとおり、米国のハリケーン・リスクが市場を席巻し、巨大自然災害をカバーするキャットボンドの 50%以上を占めた。米国の地震リスクをカバーするキャットボンドの占有率は前年同期の17%から 20%に上昇した。これに比べ、ヨーロッパの風災をカバーする案件は 17%であり、前年同期の21%からやや減少した。生保・医療分野の発行額は 3億 3,000万ドルであった。 図表図表図表図表 9: 年年年年別別別別のキャットボンド発行額のキャットボンド発行額のキャットボンド発行額のキャットボンド発行額((((6月末までの月末までの月末までの月末までの1年間ベース)年間ベース)年間ベース)年間ベース)

出典: Aon Benfield Securities, Inc. 例年、第 3 四半期(暦年ベース)は米国ハリケーン・シーズンに備えて発行額が減少する。2010年の第 3 四半期には 2億 3,200万ドルしか成立していないが、2011年の第 3 四半期には、8億 5,400万ドルに上る 5件の案件が成立した。これが第 4 四半期の活発な発行の契機となり、第 4 四半期には 9 件で総額 20億ドルの案件が成立した。激しいサンダーストームを担保する Mariah Re の損害が発生したが市場は堅調を維持した。第 1 四半期には 9 件、総額 15億ドルの案件が成立し、第 2 四半期には発行額は 21億ドルとなった。この結果、2012年の上半期は 2007年の上半期(発行額は 50億ドルを若干下回る)以来の活発な上半期となった。

998 1,011

1,958

1,499

3,279

8,145

5,914

1,780

4,6614,382

6,430

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

US

D M

illi

on

s

Property Issuance Life / Health Issuance

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Reinsurance Market Outlook

14

発行日 発行体 シリーズ クラス ペリル 規模

(百万) トリガー 担保資産

Jul-11 Queen Street III Capital Limited

EU Wind $150.0 Industry Index MMF

Aug-11 Embarcadero Reinsurance Ltd.

Series 2011-I Class A CAL EQ $150.0 Indemnity MMF

Aug-11 Vita Capital IV Ltd. Series V Class D CA DE Mortality $100.0

Industry Index IBRD Notes Series VI Class E

CA DE UK US Mortality

$80.0

Aug-11 Pylon II Capital Limited Class A

FR Wind €65.0 Parametric

Index Tri-Party Repo

Class B €85.0

Aug-11 Kizuna Re Ltd. Series 2011-1

JP TY $160.0 Indemnity IBRD Notes

Oct-11 Calypso Capital Limited Series 2011-1 Class A EU Wind €180.0 Industry Index EBRD Notes

Oct-11 Queen Street IV Capital Limited

US HU, EU Wind $100.0 Industry Index MMF

Nov-11 Successor X Ltd. Series 2011-3 Class V-F4 US HU $80.0

Industry Index MMF Class V-X4 US HU, EU Wind $50.0

Nov-11 Residential Reinsurance 2011 Limited

Series 2011-II Class 1 US HU, EQ, ST, WS,

WF

$100.0 Indemnity MMF

Class 2 $50.0

Dec-11 Compass Re Ltd. Series 2011-1

Class 1

US HU, EQ

$75.0

Industry Index MMF Class 2 $250.0

Class 3 $250.0

Dec-11 Golden State Re Ltd. Series 2011-1

US EQ $200.0 Modeled Loss MMF

Dec-11 Atlas VI Capital Limited Series 2011-1

Class A US HU, EQ

$125.0

Industry Index EBRD Notes

Class B $145.0

Series 2011-2 Class A EU Wind €50.0

Dec-11 Tramline Re Ltd. Series 2011-1 Class A US HU, EQ, EU Wind $150.0 Industry Index MMF

Dec-11 Loma Reinsurance Ltd. Series 2011-2 Class A US HU, EQ $100.0 Industry Index MMF

Jan-12 Vitality Re III Limited Series 2012-1 Class A US Medical Benefit

Ratio

$105.0 Industry Index MMF

Class B $45.0

Jan-12 Ibis Re II Ltd. Series 2012-1 Class A

US HU $100.0

Industry Index MMF Class B $30.0

Feb-12 Embarcadero Reinsurance Ltd.

Series 2012-I Class A CAL EQ $150.0 Indemnity MMF

Feb-12 Kibou Ltd. Series 2012-1 Class A JP EQ $300.0 Parametric Index

MMF

Feb-12 Successor X Ltd. Series 2012-1

Class V-AA3

US HU, EU Wind $23.0 Industry Index MMF

Class V-D3 US HU $40.0

Feb-12 Queen Street V Re Limited

US HU, EU Wind $75.0 Industry Index MMF

Mar-12 Mystic Re III Ltd. Series 2012-1 Class A US HU, EQ (ex Calif.) $100.0

Indemnity MMF Class B US HU, EQ $175.0

Mar-12 East Lane Re V Ltd. Series 2012 Class A

Southeast HU, ST $75.0

Indemnity MMF Class B $75.0

Mar-12 Combine Re Ltd.

Class A

US HU, EQ, ST, WS

$100.0

Indemnity MMF

Class B $50.0

Class C $50.0

Apr-12 Blue Danube Ltd. Series 2012-1 Class A US, CB, MX HU, US,

CAN EQ

$120.0 Industry Index IBRD Notes

Class B $120.0

Apr-12 Pelican Re Ltd. Series 2012-1 Class A Louisiana HU $125.0 Indemnity MMF

Apr-12 Akibare II Ltd. Series 2012-1 Class A JP TY $130.0 Modeled Loss MMF

Apr-12 Everglades Re Ltd. Series 2012-1 Class A FL HU $750.0 Indemnity MMF

May-12 Mythen Ltd. Series 2012-1

Class A US HU $50.0

Industry Index IBRD Notes Class E US HU $100.0

Class H US HU, EU Wind $250.0

May-12 Residential Reinsurance 2012 Limited

Series 2012-I

Class 3 US HU, EQ, ST, WS, Calif. WF

$50.0

Indemnity MMF Class 5 $110.0

Class 7 $40.0

Jun-12 Long Point Re III Ltd. Series 2012-1 Class A Northeast HU $250.0 Indemnity MMF

Total $6,429.7

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Aon Benfield

15

図表図表図表図表 10: 半期ごとのキャットボンドの発行額半期ごとのキャットボンドの発行額半期ごとのキャットボンドの発行額半期ごとのキャットボンドの発行額

出典: Aon Benfield Securities, Inc. 市場を動かした要因市場を動かした要因市場を動かした要因市場を動かした要因 需要と供給需要と供給需要と供給需要と供給

2012 年 6 月末までの 12 ヵ月間、投資家は非常に活発な発行スケジュールに投資のペースを合わせてきた。2011年第 4 四半期には、損失期待値の高い案件が相次いで発行され、2012年第 1 四半期には、このレベルのリスクに対する投資家の投資意欲が幾分減退したが、ILSファンドを運用する投資家の多くが新規投資資金を獲得し、それを運用しようとする強い投資需要が見られた。第 2 四半期が終盤に近づくにつれ、新規市場での取引が鈍化すると、投資家の取引需要がセカンダリー市場に移り、セカンダリー市場が活発化した。 カバーの強化カバーの強化カバーの強化カバーの強化

2012年 6 月末の 12 ヵ月では、実損填補型の発行がより顕著になっている。Liberty Mutual Insurance

Company、The Travelers Indemnity Company、東京海上日動火災、カリフォルニア地震公社など、発行経験のあるスポンサーが、インデックス・トリガーから実損填補型に移行した。Louisiana Citizens Property

Insurance Company、Citizens Property Insurance Company、 共同スポンサーとなった North Carolina

Farm Bureau と COUNTRY Mutualなど、新たなスポンサーも実損填補のカバーを確保した。 自然災害自然災害自然災害自然災害 米国の強烈な荒天による損害で Mariah Re Ltdが、2億ドルの全損となったが、市場は強固な状態が続き、スポンサーは自らの望むカバーを入手できる状態が続いた。

2,302

4,976

2,510

1,460

2,6501,757

3,588

3,168

3,404

3202,011

2,625

2,842

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

US

D M

illi

on

s

Jan - Jun Jul - Dec

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Reinsurance Market Outlook

16

図表図表図表図表 11: 年毎のキャットボンドの満期年毎のキャットボンドの満期年毎のキャットボンドの満期年毎のキャットボンドの満期額(額(額(額(6月月月月30日ま日ま日ま日までのでのでのでの1年年年年間)間)間)間)

出典: Aon Benfield Securities, Inc. 今後の見通し今後の見通し今後の見通し今後の見通し 需要と供給需要と供給需要と供給需要と供給

2012年の残りの期間(暦年ベース)、キャットボンドの発行はポジティブな状態が続くと思われる。投資家には、新たな運用手段としての強い投資需要がある。また、過去に経験のあるスポンサーも新規スポンサーも多様化を求め、また全体の再保険購入を補完する目的で ILSの発行に参加すると期待される。上半期に準備中の案件が少なくないことから年間発行額は 60億ドルに達すると思われる。 強烈な荒天による損害発生にかかわらず、Aon Benfieldの All Bond Indexによれば、 2012年 6 月末の12 ヵ月間のリターンは 7.4%であり、前年同期の 6.43%を上回っている。ILS市場は、同様に格付けされた社債に比べて、競争力のあるリターンを提供してきた。この結果、新たな投資家がこの分野に興味を示し、また、既存の投資家は、この市場にさらに多額の投資を行う意欲を持っている。

1,442

2,670

4,531

3,939

5,674

2,483

3,9004,157

400155

804

371 329100

425

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

US

D M

illi

on

s

Property Maturities Life Maturities

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Aon Benfield

17

元受保険者の再保険需要 2011年の後、2012年の上半期には僅かな成長と、損害の大幅減少がみられ、元受保険者の資本は 4%の増加となった。前年同期には、3%の増加であり、2011年通年の増加率は 1%であった。多くの地域でみられた資本の増加は、わずかに増加した再保険需要を抑え込む形となったが、元受市場の成長が大きかった地域では、再保険需要にプラスの影響がでた。ただ、甚大なキャタストロフ損害が発生した前年度までと異なり、これらの地域でも再保険需要は大きな増加とはなっていない。 図表図表図表図表 12: 元受保険者の資本推移元受保険者の資本推移元受保険者の資本推移元受保険者の資本推移

出典: 各社財務諸表、Aon Benfield Analytics 世界の元受保険者の資本世界の元受保険者の資本世界の元受保険者の資本世界の元受保険者の資本

Aon Benfield の世界の保険料とレバレッジ比率見通しの分析結果によると、2011年末の保険者の資本額はおよそ 3兆 4,000億ドルとなっている。このうち、南北アメリカの割合は 56%を占め、損害保険セグメントだけでも 40%となっている。

-29% 34%

12%1% 4%

2007 2008 2009 2010 2011 1H 2012

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Reinsurance Market Outlook

18

図表図表図表図表 13: 世界の保険者の資本世界の保険者の資本世界の保険者の資本世界の保険者の資本

出典: Aon Benfield Analytics 米国のカジュアルティ元受料率はポジティブな傾向が続いている米国のカジュアルティ元受料率はポジティブな傾向が続いている米国のカジュアルティ元受料率はポジティブな傾向が続いている米国のカジュアルティ元受料率はポジティブな傾向が続いている

Aon Benfield によるカジュアルティ料率の調査結果は、すべての会社の平均上昇率が 5.9%であることを示している。スタンダード・コマーシャルが 6.6%で、スペシャルティ・コマーシャルの 5.4%を上回っている。予算の関係で再保険需要が低下していたケースでは、元受マーケットの上昇が継続すれば、追加的な再保険購入の需要が生まれるかもしれない。 図表図表図表図表 14: カジュアルティの元受料率の推移カジュアルティの元受料率の推移カジュアルティの元受料率の推移カジュアルティの元受料率の推移

出典: Aon Benfield による四半期毎の料率分析レポート

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

Americas APAC EMEA

US

D B

illio

ns

Life

Non-Life

-10%

-8%

-6%

-4%

-2%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

2007, Q

1

2007, Q

2

2007, Q

3

2007, Q

4

2008, Q

1

2008, Q

2

2008, Q

3

2008, Q

4

2009, Q

1

2009, Q

2

2009, Q

3

2009, Q

4

2010, Q

1

2010, Q

2

2010, Q

3

2010, Q

4

2011, Q

1

2011, Q

2

2011, Q

3

2011, Q

4

2012, Q

1

2012, Q

2

All Co. Avg Specialty Co. Avg Standard Co. Avg

Q3 2011 Q4 2011 Q1 2012 Q2 2012

Standard 3.3% 4.6% 5.4% 6.6%

Specialty 0.9% 2.0% 4.2% 5.4%

Average 2.5% 3.7% 4.9% 5.9%

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Aon Benfield

19

米国保険代理店・ブローカー評議会(CIAB)によれば、すべての種目を対象とする料率の実績が上昇した四半期は、2003年以来で今回が 2回目となる。労災は、上昇のペースが最も早い状態が続いており、第 2 四半期の上昇率は 9.03%となった。2001年の 9.11 同時テロが保険業界全体の料率上昇を促進したが、甚大なキャタストロフ損害がない中で、将来の料率上昇ペースがどうなるか、その動向を見守る必要がある。 図表図表図表図表 15: 米国の元受料率の傾向米国の元受料率の傾向米国の元受料率の傾向米国の元受料率の傾向

出典: 米国保険代理店・ブローカー評議会

0.9

1.1

1.3

1.5

1.7

1.9

2.1

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

Ind

ex

Commercial Auto Commercial Property Workers' Comp General Liability

2011 Q1 2012 Q2 2012

Commercial Auto -0.15% 3.44% 3.24%

Commercial Property 2.24% 6.67% 7.63%

General Liability -0.28% 3.35% 4.27%

Workers’ Comp 3.64% 7.98% 9.03%

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Reinsurance Market Outlook

20

ノン・キャタストロフ関連の保有ノン・キャタストロフ関連の保有ノン・キャタストロフ関連の保有ノン・キャタストロフ関連の保有レベルレベルレベルレベルは増加傾向は増加傾向は増加傾向は増加傾向ににににあるあるあるある

10年間にわたる損害頻度の低下傾向の中で、カジュアルティとプロパティ・パー・リスクの保有レベルは上昇している。労災、一般賠償、プロパティ、自動車などの種目は一様に損害頻度が劇的に低下しており、これらセグメントの再保険カバーにおける保有金額は上昇を続けている。この結果、任意再保険の需要が減退し、再保険マーケットはよりキャタストロフ中心となっている。 図表図表図表図表 16: 損害発生頻度損害発生頻度損害発生頻度損害発生頻度

出典: A.M. Best、 Insurance Services Office (ISO)、National Council on Compensation Insurance, Inc. (全米労災保険協議会 NCCI)、National Fire

Protection Association (全米防火協会 NFPA)、National Highway Traffic Safety Association (全米高速道路安全協会 NHTSA)、National Practitioner

DataBank、米国商務省経済分析局

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010

Auto MPL WC CGL Comb Fire Structure

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Aon Benfield

21

最近の料率上昇により米国最近の料率上昇により米国最近の料率上昇により米国最近の料率上昇により米国GDPGDPGDPGDPに対する正味に対する正味に対する正味に対する正味計上計上計上計上保険料の比率は上昇保険料の比率は上昇保険料の比率は上昇保険料の比率は上昇しているしているしているしている 米国 GDPに対する正味計上保険料の比率は 2011年末に 2.93%であったが、2012年半ばまでに若干の減少があり 2.92%となっている。2010年のソフトマーケット下で数値が 3%を割ってからは即座に急激な回復がみられたわけではないが、保険業界における最近の料率上昇は、1973年に遡る両者の関係のサイクルが概ね継続していくことを示しているように思われる。 図表図表図表図表 17: 米国米国米国米国 GDP に対する正味に対する正味に対する正味に対する正味計上計上計上計上保険料の比率保険料の比率保険料の比率保険料の比率

出典: 米国商務省、 SNL

1974, 2.98% 1984, 3.02% 2000, 2.98%2011, 2.93%

2012 Q2,2.92%

2.5%

2.8%

3.0%

3.3%

3.5%

3.8%

4.0%

4.3%

4.5%

1970 1980 1990 2000 2010

Year

% GDP Long Term Average

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Reinsurance Market Outlook

22

世界のキャタストロフ・ロスの発生ペース

は平均を下回る 2012年上半期のキャタストロフ・ロスの発生状況は米国を除く世界のすべての地域で大きく減少した。米国では第 1 四半期、第 2 四半期とも悪天候が続きキャタストロフ・ロスが増大した。 図表図表図表図表 18: 各年の各年の各年の各年の自然災害自然災害自然災害自然災害別保険損害別保険損害別保険損害別保険損害

出典: Aon Benfield Analytics

2012年第 2 四半期末時点でのキャタストロフ・ロス総額は約 147億米ドルで、年間のキャタストロフ・ロス総額が 1,302億米ドル(その大半が上半期に集中した)となった 2011年の状況を下回っている。また、今年のロス額は 2003年~2011年の年間平均ロス額である 494億米ドルと比べても低い。下半期のキャタストロフ・ロスの発生があまりなければ、2012年はキャタストロフ・ロスによる保険損害額が過去 10年間で二番目に低い年となるであろう。

-

20

40

60

80

100

120

140

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 YTD 2003 -2011

Average

US

D B

illi

on

s

Earthquake EU Windstorm Flooding Other Severe Weather Tropical Cyclone Wildfire Winter Weather

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Aon Benfield

23

図表図表図表図表 19::::地域別に見た地域別に見た地域別に見た地域別に見た現時点での現時点での現時点での現時点での 2012 年の保険損害額と年の保険損害額と年の保険損害額と年の保険損害額と 2011 年及び年及び年及び年及び 2003 年~年~年~年~2011 年の年平均額と年の年平均額と年の年平均額と年の年平均額との比較の比較の比較の比較

出典: Aon Benfield Analytics

-

10

20

30

40

50

60

Africa Asia Europe Latin America North America(excl. U.S.)

Oceania U.S.

US

D B

illi

on

s

2011 2012 YTD 2003 - 2011 Average

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Reinsurance Market Outlook

24

近年の平均を再び上回る米国の悪天候 米国では 2011年に記録的な損害が発生したにもかかわらず、2012年第 2 四半期に再び悪天候によって、過去 10年の平均損害額である 89億ドルを上回る約 115億ドルの損害がすでに発生した。また、2010年から 2012年に発生した損害で 2001年以降の累計損害額の 50%以上を占める。 図表図表図表図表20:年ごとの悪天候による損害額:年ごとの悪天候による損害額:年ごとの悪天候による損害額:年ごとの悪天候による損害額

出典: PCS

2012年ではテキサスの損害額は他のすべての州を上回っており、ケンタッキーとコロラド両州の損害額はいずれも過去の平均および 2011年の損害額を大きく上回っている。アラバマ、ジョージア、アイオワ、ノース・カロライナ、サウス・カロライナおよびウイスコンシンの各州では 2011年に大きな損害が発生したため 2012年のロス状況は過去の平均を下回っている。 図表図表図表図表21:州ごとの年平均:州ごとの年平均:州ごとの年平均:州ごとの年平均損害損害損害損害額(額(額(額(2002~~~~2011年)と年)と年)と年)と2011年、年、年、年、2012年の年の年の年の損害損害損害損害額額額額

出典: SNL, PCS

$0

$5

$10

$15

$20

$25

$30

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012YTD

Lo

sses (

in b

illi

on

s)

Total Loss Average

-

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

TX TN MO OK MN AL KS IL IN CO GA OH AZ WI KY IA NC AR NE PA NY MI SC NJ VA

Lo

sses (

in b

illi

on

s)

2012 YTD Losses 2011 Losses 2002-2011 Avg

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Aon Benfield

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過去の平均損害額は通常の平均の 2倍~5倍となるロスによって押し上げられてしまったが、2012年は南東部の州では損害額が 10年平均を下回った。過去の平均の 2倍から 5倍のロスが発生した州が 10州あるが、5倍以上のロスが発生した州が 10州もあった 2011年を下回る状況になっている。 図表図表図表図表22:過去の平均(:過去の平均(:過去の平均(:過去の平均(2002年~年~年~年~2011年)と比較した年)と比較した年)と比較した年)と比較した2012年のロス状況年のロス状況年のロス状況年のロス状況

出典: PCS

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Reinsurance Market Outlook

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図表 23は、保険料を 2011年とほぼ同水準と仮定した場合の、損害率への影響を州ごとにまとめたものである。昨年は竜巻と雹による損害だけで 50%以上の損害率となった州が 3 つあったが、今年のキャタストロフ・ロスによる損害率はケンタッキーの 49%が最も高い。しかしながら、コロラド、サウス・ダコタ、およびウェスト・バージニアの各州では損害率への影響度は過去 10年平均の 2倍~5倍となっている。 図表図表図表図表23::::2012年年年年1月-月-月-月-7月の損害率月の損害率月の損害率月の損害率およびおよびおよびおよび過去の平均過去の平均過去の平均過去の平均との対比との対比との対比との対比

出典: SNL, PCS

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Aon Benfield

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TRIA期限切れに伴う民間の再保険への

参入機会 2001年 9月 11日のアメリカ同時多発テロのあと、保険者が引き受けるテロリスク保険を連邦政府が再保険でサポートするため 2002年にテロリスク保険法(TRIA)が成立した。TRIAは米国産業界にテロリスクカバーを提供する保険者のためにその後ろ盾となってキャパシティを提供する非常に重要な役割を果たしてきた。TRIAの存在がなければ保険者は重要なテロリスクをカバーから除外しなければならなかったであろう。しかし半面、TRIAの存在は民間再保険者がテロリスクの再保険カバーを提供する機会を妨げてきたのも事実である。TRIAの現行の延長期間は 2014年 12月 31日に期限が切れる。 図表図表図表図表24:テロリスク保険法および延長の推移:テロリスク保険法および延長の推移:テロリスク保険法および延長の推移:テロリスク保険法および延長の推移

TRIA 2002年年年年 成立成立成立成立 TRIEA 2005年年年年 延長延長延長延長 TRIPRA 2007年年年年 延長延長延長延長 TRIPRA 2007 期限切れ期限切れ期限切れ期限切れ

11/22/2002 12/22/2005 12/26/2007 12/31/2014

Exclusions/Endorsements

Emerge in 2004

Exclusions/Endorsements

Emerge in 2006

Exclusions/Endorsements

Start Again in 2013

直近となる 2007年に実施された延長の際に以下の重要な変更が行われた。

1. TRIAが認定するテロの対象に「国内」のテロ行為も含める

2. 7年間にわたりカバー提供し、2005年のディダクティブル条件、コ・インシュアランス(縦割り保有)あるいはロス発動レベルに変更を加えない

3. カバーする損保種目を変更しない

4. 保険者の責任はディダクティブルと縦割り保有部分からなる自己保有部分を限度とすることを明確化する 元受市場での普及率が 60%を超えるので、民間再保険市場でもプロテクションの提供は十分に可能であろう。

TRIAが延長されない場合、重要な免責条項が元受証券に導入されることが予想される。この免責導入について実際には 2013 年の更改交渉の一部として始まる可能性もあり、各州法で規定されているにもかかわらず、もともと労災保険と火災保険においてなぜテロは想定対象リスクではなかったのか、という率直な対話が今後元受保険者と各州の保険監督者との間で始まるだろう。 特定のテロリスクの引受を行う保険者の再保険ニーズに対しては再保険者から十分なキャパシティが供給されるものと思われる。

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Reinsurance Market Outlook

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大西洋ハリケーン・シーズンの最新予測 コロラド州立大学(CSU)、トロピカル・ストーム・リスク (TSR)、および米国立海洋大気圏局(NOAA)はそれぞれが 5月ないし 6月に行った名前が付けられるストームおよびハリケーンに関する予測を上方修正した。また、CSU以外の機関は 2012年の大西洋ハリケーン・シーズンでの大型ハリケーンに関する予測も引き上げた。大方の見方ではエルニーニョの動きが不明なため、名前が付けられるストームの数は例年を上回るかもしれないと見られている。現在までのところ名前が付けられたストームは 12件、内ハリケーンが 5件であるが大型ハリケーンの発生はない。 図表図表図表図表25:米国のハリケーン・シーズン予測(:米国のハリケーン・シーズン予測(:米国のハリケーン・シーズン予測(:米国のハリケーン・シーズン予測(TSR、、、、CSUおよびおよびおよびおよびNOAA)))) 名前の付けられたストーム ハリケーン 大型ハリケーン

TSR (August 2012) 平均 10.7 6.2 2.7

2012 14.2 6 2.9 差 +3.5 -0.2 +0.2

CSU (August 2012) 平均 9.6 5.9 2.3

2012 14 6 2 差 +4.4 +0.1 -0.3

NOAA (August 2012) 平均 12 6 3

2012 12-17 5-8 2-3 差 +3.0 +0.5 -0.5 出典: TSR, CSU and NOAA

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Aon Benfield

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M&A 最新事情 2012年上半期における保険・再保険業界での M&Aの動きは大きく後退した。Dealogicによると、2012年1月から 7月までの 7か月間における世界の保険セクターでの M&Aの総額は 175億米ドルに留まり、前年同期間の総額 473億米ドルを 63%下回った。以下は保険セクターにおける資本流入と M&Aの動きに影響を与えた現在のトレンドの概要である。

� 会社の株価は依然として歴史的低水準にある。会社の株価は依然として歴史的低水準にある。会社の株価は依然として歴史的低水準にある。会社の株価は依然として歴史的低水準にある。Aon Benfield Securitiesが調査対象としている上場保険会社、再保険会社の現在の株価は純資産価値を下回っている。売却を考えている株主は現在の株価が落ち込んでいる状況では売却意欲が起きないため、売買が抑制される。一方、潜在的な購入者は購入後自社の株価が希薄化するのを避けるために、自ずと合理的に支払える額に上限がある。

� 自社株買いの継続・拡大のインセンティブが働いている。自社株買いの継続・拡大のインセンティブが働いている。自社株買いの継続・拡大のインセンティブが働いている。自社株買いの継続・拡大のインセンティブが働いている。余剰資本があり、自社の株価が純資産価値を下回っている保険会社、再保険会社にとっては、他社の買収を考えたり今の市場の中で事業拡大のために資本活用を図ったりするよりも、自社株の買戻しを行いリスクのない利益を実現することの方がより魅力的になっている。

� プライベート・エクイティがスペシャルティ保険分野に戻りつつある。プライベート・エクイティがスペシャルティ保険分野に戻りつつある。プライベート・エクイティがスペシャルティ保険分野に戻りつつある。プライベート・エクイティがスペシャルティ保険分野に戻りつつある。株価が低迷しており、資金の調達も可能なので、プライベート・エクイティの投資家は中小規模のスペシャルティ保険分野で動きを活発化しつつあり、特に販売網を有し、ニッチ種目に特化しているスペシャルティ保険者にターゲットを当てている。

� スペシャルティ種目の引受総代理店(スペシャルティ種目の引受総代理店(スペシャルティ種目の引受総代理店(スペシャルティ種目の引受総代理店(MGU))))、、、、ホールセラーホールセラーホールセラーホールセラー、およびサービス事業者の手数料への関心、およびサービス事業者の手数料への関心、およびサービス事業者の手数料への関心、およびサービス事業者の手数料への関心がががが続いている続いている続いている続いている。。。。戦略的投資家およびプライベート・エクイティの投資家の双方が最近販売網の取得への関心を増大させている。しかし、主に潜在的なシナジー効果と低資本コストによって戦略的投資家が究極的にはより大きな成功を収めている。

� ヘッジヘッジヘッジヘッジ・・・・ファンドファンドファンドファンドはははは恒久的な恒久的な恒久的な恒久的なキャピタル・ビークルキャピタル・ビークルキャピタル・ビークルキャピタル・ビークルを求めを求めを求めを求めているているているている。。。。最近、複数の著名なヘッジ・ファンドが、投資運用をヘッジ・ファンド自身が行う再保険会社の設立を発表した。そのようなビークル(新設再保険会社)は恒久的な運用資産ベースをスポンサーであるヘッジ・ファンドに提供するだけでなく、ヘッジ・ファンドの投資家にとってはより税効率の高い投資ビークルとして機能し、株式の上場によるエグジットが可能となるためより高い流動性を提供できる可能性を持っている。 低成長、高い失業率、不安定な資本市場が脆弱な世界経済の根底にあり、市場の成長が依然として抑圧されているため、戦略的投資家は短期的には統合や本業とのシナジー効果を明確にした買収をより積極的に進めるであろうと Aon Benfield Securities では見ている。

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Reinsurance Market Outlook

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経済と金融市場の最新の状況 欧州債務危機欧州債務危機欧州債務危機欧州債務危機 ユーロ圏における先行き不透明感は現在でも世界経済に暗い影を落としており、回復のブレーキとなっている。速報値によれば、ユーロ圏の今年第 2四半期の GDPは 0.2%のマイナスとなり景気後退へと徐々に近づきつつある。第 1四半期は横ばいであった。2011年の当該四半期と比較すると、第 2四半期は 0.4%のマイナス、第 1四半期は横ばいであった。 図表図表図表図表26:四半期ごとの:四半期ごとの:四半期ごとの:四半期ごとのGDPの対前年増率の対前年増率の対前年増率の対前年増率

出典: Eurostat ドイツの経済成長率は第 2四半期に 0.3%となり第 1四半期に比べ減速した。一方、フランス経済は 3四半期連続して横ばいとなった。英国経済は第 2四半期に 0.7%落ち込み、3四半期連続となったマイナス成長のなかでも最大の落ち込みとなった。 図表図表図表図表27::::GDPの対前期比伸び率の対前期比伸び率の対前期比伸び率の対前期比伸び率

3Q 2011 4Q 2011 1Q 2012 2Q 2012 ユーロ圏ユーロ圏ユーロ圏ユーロ圏 0.2 -0.3 0.0 -0.2 ドイツドイツドイツドイツ 0.4 -0.1 0.5 0.3 フランスフランスフランスフランス 0.3 0.0 0.0 0.0 英国英国英国英国 0.6 -0.4 -0.3 -0.7

6月 28日と 29日に開催された EU首脳会議で EUの財務相はメンバー国に対する金融支援の柔軟性を高める方策など積極的な施策を発表し、金融市場に一定の安心感を与えた。欧州中央銀行は 7月に金利を引き下げ、イングランド銀行は最近、量的緩和プログラムの規模をさらに 500億ポンド拡大した。こうした措置にもかかわらず、投資家と市場コメンテーターは、これらの施策が景気後退の可能性を遅らせるには不十分ではないかとの懸念を依然抱いており、一部の評論家はユーロ圏が長期的なスタグネーションの時期に入る可能性を示唆した2。

2 英国エコノミスト誌 2012年 8月 4日号より、世界恐慌の危機 – 日本の教訓

-6%

-4%

-2%

0%

2%

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1Q 09 2Q 09 3Q 09 4Q 09 1Q 10 2Q 10 3Q 10 4Q 10 1Q 11 2Q 11 3Q 11 4Q 11 1Q 12 2Q 12

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Aon Benfield

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ギリシャでは先の総選挙で新民主主義党が勝利を収め、ユーロからギリシャがすぐに離脱するというリスクは後退したものの、ギリシャへの懸念は依然として消えていない。しかし一方で、いわゆる「ギリシャ離脱」の可能性についてユーロ圏諸国の財務相は真剣に検討しているように見え、「ギリシャ離脱」の可能性は望ましくないとしても対応は可能と受け止められつつある3。ギリシャ離脱による政治的、社会的影響は計り知れない。 金融市場の不安は広がりを見せ今度はスペインが注目されるようになった。銀行の資本調達コストの上昇、深刻化する不景気、財政赤字と目標の上方修正、公的債務比率の拡大見込み、厳しくなる資金調達条件、これらがスペイン経済を締め付けている。銀行セクターが抱える問題に対し欧州金融安定基金(EFSF)と欧州安定メカニズム(ESM)からの 1,000億ユーロの金融支援が認められた。政府は増税、公的支出の削減など債務削減をめざす一連の施策を取り決めた。しかしこうした対策にもかかわらず、10 年物国債の利回りは、前にギリシャ、アイルランドで緊急措置が採られた時と同じ水準である約 7%台に上昇した。 図表図表図表図表28:ユーロ圏諸国の:ユーロ圏諸国の:ユーロ圏諸国の:ユーロ圏諸国の10年物国債の利回り年物国債の利回り年物国債の利回り年物国債の利回り推移推移推移推移

出典: Bloomberg (2012年 8月 15日データ)

3 Jean-Claude Juncker, ルクセンブルク首相

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5%

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Greece Portugal Ireland Italy Spain

Belgium France Austria UK Germany

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Reinsurance Market Outlook

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大手の格付け業者も、弱い経済見通しを特に欧州および欧州金融機関についての信用力のアウトルックに対するマイナス要素として強調している。Fitchは世界的な景気の減速について述べる中で、「リスクはダウンサイドに偏っている4 」と指摘した。格付け業者は欧州ソブリン債の格付けのアウトルックの大半を主にネガティブに据え置いている。4月末に Standard & Poor’s はスペインの長期ソブリン債の信用力格付けを BBB+に引き下げた。今年の 8月 1日に格付けは維持されたが、アウトルックはそのままネガティブとなっている。 図表図表図表図表29:ソブリン債の格付け:ソブリン債の格付け:ソブリン債の格付け:ソブリン債の格付け

Moody's Standard & Poor's Fitch

Sovereign

rating Outlook

Downgrade notches

since Jan 2011

Sovereign rating

Outlook

Downgrade notches

since Jan 2011

Sovereign rating

Outlook

Downgrade notches

since Jan 2011

Belgium Aa3 Negative 2 AA Negative 1 AA Negative 1

France Aaa Negative - AA+ Negative 1 AAA Negative -

Germany Aaa Negative - AAA Stable - AAA Stable -

Greece C - 10 CCC Negative 9 CCC - 6

Ireland Ba1 Negative 3 BBB+ Negative 2 BBB+ Negative -

Italy Baa2 Negative 6 BBB+ Negative 3 A- Negative 3

Netherlands Aaa Negative - AAA Negative - AAA Stable -

Portugal Ba3 Negative 8 BB Negative 5 BB+ Negative 6

Spain A3 Negative 5 BBB+ Negative 5 BBB Negative 7

UK Aaa Negative - AAA Stable - AAA Negative -

USA Aaa Negative - AA+ Negative 1 AAA Negative -

Japan Aa3 Stable 1 AA- Negative 1 A+ Negative 3

出典: Moody’s, S&P, Fitch (2012年 8月 16日現在) ソブリン債に対する最近のネガティブな格付け動向は Generaliや Mapfreなど欧州の多くの保険、再保険グループにも影響している。Standard & Poor’sはスペインの格付けを BBB+に 2段階引き下げたのち、Mapfreグループと Mapfre Reの格付けを A-に引き下げたが、この際初めて Mapfreの格付けとスペインの格付けに 1 ノッチの差をつけた。 世界経済世界経済世界経済世界経済

IMFは自ら作成した世界の経済成長率予測を若干下方修正し、2012年は 0.1ポイント下げて 3.5%、2013年は 0.2ポイント下げて 3.9%としたが、「ベースライン予測に対するこれらの修正よりももっと心配な点は下振れリスクが大きくなっていることである。」と語った。これらの予測は以下の前提に基づいている。

� 2013年を通じて徐々に金融緩和するため、ギリシャ、スペインを含むいわゆるユーロ周辺国で金融状況に応じた十分な施策が採られること

� 2013年に米国は極端な財政緊縮策をとらないこと

� 成長のけん引力を引き出すため一部の主要新興市場が必要な措置をとること

4 フィッチ・レーティングス, ユーロ圏問題が世界成長に重くのしかかり、ネガティブ・アウトルックが増加する

2012年 7月 23日

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Aon Benfield

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図表図表図表図表30:世界の:世界の:世界の:世界のGDP成長率と予測(成長率と予測(成長率と予測(成長率と予測(年ベース換算四半期数値の直前四半期との比較年ベース換算四半期数値の直前四半期との比較年ベース換算四半期数値の直前四半期との比較年ベース換算四半期数値の直前四半期との比較))))

出典: IMF World Economic Outlook Update, July 2012

IMFは米国および新興市場経済、特にブラジル、中国、インドでの基本的成長が鈍化していると言及している。新興市場での減速は外部環境が弱まったこと、および昨年生産能力に制約を受けたことと緊縮政策が採られたことによって国内需要が大幅に落ち込んだことによる。外国人投資家の間でリスク懸念が高まり、資金が安全と思われる市場に移動したのに続き、株式市場と為替の下落、資本流出が始まった。 金融市場金融市場金融市場金融市場 世界の各国政府は経済回復を促すための主要施策として低金利政策を持続している。主要な米国のフェデラル・ファンド・レートは 2008年 12月から記録的な低さとなる 0.25%に据え置かれており、英国オフィシャル・バンク・レートは 2009年 3月以降 0.5%となっている。景気刺激策として欧州中央銀行(ECB)は 2012年 7月 5日にベンチマークとなる主要貸出金利を 0.25ポイント引き下げて 0.75%とした。 図表図表図表図表31::::5年物国債の利回り年物国債の利回り年物国債の利回り年物国債の利回り推移推移推移推移

出典: Aon Benfield Analytics, Bloomberg

-10%

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0%

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2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

World Advanced economies Emerging and developing economies

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1 06 1 07 1 08 1 09 1 10 1 11 1 12

UK Eurozone USA Japan

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Reinsurance Market Outlook

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弱い経済環境と世界経済を活性化させようとの施策によって国債利回りは 2012年は歴史的な低水準が維持されている。5年物の米国債の利回りは今年初めに 0.83%でスタートしたが 8月半ばまでに 0.66%に下がった。同時に、英国国債の利回りは 1.05%から 0.54%へと下落し、ユーロ圏の国債利回りは 0.76%から0.43%へと下がった。日本国債の利回りも下落を続け 0.35%から 0.18%へと下がった。 図表図表図表図表32:国債に対する:国債に対する:国債に対する:国債に対する5年物社債のスプレッド年物社債のスプレッド年物社債のスプレッド年物社債のスプレッド

出典: Aon Benfield Analytics, Bloomberg 金融市場での不安が広がっているにもかかわらず、今年投資家の信用リスク選好度は増えている現実があり、彼らは再び社債市場に目を向け始めた。今年上半期に、多くの保険者、再保険者はこのセクターで注目すべき純投資を行った。この需要が増えている状況は国債に対する社債のスプレッドに反映されており、今年のスプレッドはこれまでのところ相対的に安定しており、欧州の BBB格の債券に対しても約 0.9ポイント下落したほどであった。

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Jan 09 Jan 10 Jan 11 Jan 12

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米国米国米国米国5年物年物年物年物AA A BBB

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Jan 09 Jan 10 Jan 11 Jan 12

Perc

en

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ユーロ圏ユーロ圏ユーロ圏ユーロ圏5年物年物年物年物AA A BBB

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Aon Benfield

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図表図表図表図表33:各株式市場の指標:各株式市場の指標:各株式市場の指標:各株式市場の指標推移推移推移推移((((2006年年年年1月月月月をををを100とするとするとするとする))))

出典: Aon Benfield Analytics, Bloomberg 株式市場は 2012年に向けて良好なスタートを切り、第 2四半期にいったん落ち込んだが、7月と 8月に再び回復した。8月半ば時点で、S&P 500のインデックスは年初から 12%上昇した。欧州(Eurotop 100)と英国(FTSE 100)の株式市場ではそれぞれ 8%、5%上昇し、日本の日経インデックスは同じ期間に 5%の上昇となった。MSCI ワールド・インデックスは 8%上昇した。 図表図表図表図表34::::CBOE S&P 500のボラティリティのボラティリティのボラティリティのボラティリティ指数推移指数推移指数推移指数推移

出典: Aon Benfield Analytics, Bloomberg マーケット・ボラティリティは第 1四半期に下落したものの、世界経済とユーロ圏問題に対する懸念から第 2四半期に再び上昇した。欧州で緊急性が高まっている一部の問題に対し、解決に向けた救済策(少なくとも一時的かもしれないが)がとられたので、インデックスは 2011年の年初以来の最低水準にまで下落した。

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S&P 500 FTSE 100 Eurotop 100 Nikkei MSCI World

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Reinsurance Market Outlook

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銀行の財務レバレッジ 世界の銀行上位 20行の分析によると、株主資本に対する総資産の倍数で示される財務レバレッジは 1年前との比較で僅かながら低下しつつある。昨年第 2四半期に平均 22.9倍であったレバレッジは、1年間で上昇した数も相当数あったので今年の同時期では僅か 0.1ポイント低下し 22.8倍となった。 バーゼルⅡの合意に基づき、連邦預金保険公社(FDIC)は「資本力が適正である」とする財務レバレッジの上限を 25倍までと規定している。2012年第 2四半期末では 20行のうち 2行が「資本力が適正」となった。現在「資本力が充実している」とされる銀行はレバレッジが最大 20倍までの銀行であり、現在 8行だけがこの基準を満たしている。2013年 1月 1日からバーゼルⅢが施行され、銀行は「資本力が充実している」とされるためには、レバレッジをより厳しい 16.7倍までに抑える必要がある。「資本力が充実している」とされる現在の 8行のうち、6行だけが1月1日からの新しい要件での基準を満たしていることになる。 図表図表図表図表35:銀行上位:銀行上位:銀行上位:銀行上位20行の財務レバレッジ行の財務レバレッジ行の財務レバレッジ行の財務レバレッジ

Leverage Name 06/30/07 12/31/07 06/30/08 12/31/08 06/30/09 12/31/09 06/30/10 12/31/10 06/30/11 12/31/11 06/30/12

Deutsche Bank AG 53.4 54.5 62.4 71.7 50.5 40.9 46.4 39.0 37.0 40.5 40.2

Mitsubishi UFJ Financial Group Inc 25.1 22.9 22.3 25.6 27.5 32.2 28.0 23.5 23.6 24.1 23.4

HSBC Holdings PLC 18.0 18.7 20.1 27.0 20.5 18.8 17.8 16.9 16.8 16.4 16.0

Barclays PLC 55.2 52.7 61.3 56.1 41.0 29.2 32.0 29.3 28.9 28.1 30.1

BNP Paribas SA 36.4 36.0 42.1 48.6 46.8 33.5 34.6 30.0 28.3 28.9 26.3

JPMorgan Chase & Co 12.2 12.7 14.0 16.1 13.8 12.9 12.4 12.6 12.8 12.9 12.5

Royal Bank of Scotland Group PLC 24.3 34.7 30.5 40.8 32.7 21.8 20.6 19.3 19.3 20.1 19.1

Bank of America Corp 11.5 12.0 12.4 13.0 11.5 11.5 11.0 10.7 11.0 10.1 9.9

Mizuho Financial Group Inc 44.4 38.1 41.4 52.9 64.9 128.7 58.6 52.4 40.8 41.5 38.9

Citigroup Inc 17.5 19.3 19.3 27.3 23.7 12.2 12.5 11.7 11.1 10.6 10.4

Sumitomo Mitsui Financial Group Inc 34.1 28.3 33.9 34.8 35.4 55.4 32.2 26.0 26.5 28.2 26.8

Banco Santander SA 19.3 16.5 18.5 18.2 18.1 16.2 16.9 16.2 16.8 16.4 17.6

Societe Generale SA 39.1 39.3 34.5 37.7 33.7 28.7 29.6 28.4 28.0 28.2 28.8

Lloyds Banking Group PLC 31.0 29.1 34.1 46.4 31.8 23.7 22.0 21.5 21.8 21.1 20.9

UBS AG 49.5 61.7 46.9 61.9 47.7 32.7 31.7 28.1 26.2 26.6 25.8

Wells Fargo & Co 11.6 12.2 12.9 19.3 15.4 12.0 11.1 10.7 10.1 10.2 9.8

UniCredit SpA 21.9 17.7 19.0 19.0 17.0 15.6 14.8 14.5 14.2 18.0 15.6

Credit Suisse Group AG 32.3 31.5 33.4 36.2 30.1 27.5 31.9 31.0 31.3 31.2 30.0

Nordea Bank AB 24.2 22.8 25.2 26.7 22.6 22.7 25.0 23.8 24.0 27.5 26.6

Commerzbank AG 40.0 40.7 43.2 63.6 80.3 95.6 90.0 70.5 29.8 30.9 28.1 平均平均平均平均 30.1 30.1 31.4 37.2 33.3 33.6 29.0 25.8 22.9 23.6 22.8

出典: Aon Benfield Analytics

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Reinsurance Market Outlook

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#10038 - 08/2012