“占い”を検証する - kansai u · 偶然、占いが当たっている環境に育った...
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占いは当たるのか、それとも、単なる思い違いなのか?
仮に思い違いとしたら、なぜ、これほど長期間人類の関心を集めてきたのだろう?
“占い”を検証する
姓名判断の方法1. の画数
を調べる。
2. それをもとに占いの基本となる数を計算する。
a+b=17, b+c=7, c+d=18, a+d=28, a+b+c+d=35
を占いに用いる。
関大
太郎
14
3
4
14
姓と名を分ける
一文字
一文字
14a
3b
4c
14d
姓名判断の方法1. の画数
を調べる。
2. それをもとに占いの基本となる数を計算する。
a+b=10, b+c=11, c+d=13, a+d=12, a+b+c+d=23
を占いに用いる。
本
田
圭
佑
5
5
6
7
姓と名を分ける
一文字
一文字
5a
5b
6c
7d
姓名判断の方法
菅
直人
0
8
2
0a
14b
8c
2d
151 ba
22 cb
10 dc
31 da
14
24 dcba
姓名判断の方法
宮
里
藍
10
20
0
10a
7b
20c
0d
17ba
27 cb
211dc
111 da
7
37 dcba
姓名判断の方法長谷
部
誠
15a
5b
14c
0d
20ba
19 cb
151dc
161da
34 dcba
野末陳平著「姓名判断」によると 良い影響を不える数は、 5,15(環境の変化が幸福を呼ぶ)6,16(地位と名誉に恵まれる)10(悪運強し)11,31(順風満帆の人生)17(芸能界で成功)18(スタミナに恵まれる)23(一代で地位財産を築く)24(金運強し)26(天下を取る可能性)
悪い影響を不える数は、 9,19(異性とのトラブル、病弱)12,22(独立は無理)14(家庭運なし)21(異性とのトラブル)28(遭難・傷害)34(健康運・家庭運が弱い)
7,17,27,37,…,9,19,29,39 を持つ人は事件や事故に遭いやすい。
野末陳平の本によると、
本
田
圭
佑
10ba
11 cb
13 dc
12da
23 dcba
10:悪運強し
11:順風満帆の人生
12:独立は無理
23:一代で地位財産を築く
5
5
6
7
スタミナ野人運
野末陳平の本によると、
菅
直人
0a
14b
8c
2d
151 ba
22 cb
10 dc
31 da
24 dcba
10:悪運強し
22:独立は無理
15:環境の変化が吉
24:金運強し
マネー安定運
野末陳平の本によると、
宮
里
藍
10a
7b
20c
0d
17ba27 cb
211dc
111 da
37 dcba
17:芸能界で成功
21:異性とのトラブル
11:順風満帆
独立独行運
野末陳平の本によると、長谷
部
誠
15a
5b
14c
0d
20ba
19 cb
151dc
161da
34 dcba
15:環境変化が吉
16:地位と名誉に縁
19:異性とのトラブル
34:健康運家庭運が弱い
奇人変人運
野末陳平の占い本は当たっているのか? 微妙である。
人はランダムの中にさえ、パターンを見つけたがる。 人類は分類好きである。
血液型、生年月日、肉食系・草食系、文系・理系
分類することによりいくつかのグループが出来上がるが、そのグループ間に差を見出そうとする。
各グループの構成員をしらべて、共通の性質があれば、そのグループの特徴とする。
調べる人数が少ないほど、共通の性質を見つけやすくなる。
知り合いが少ないほど、共通の性質を見つけやすくなる。
偶然、占いが当たっている環境に育った人々は、占いを信じるかもしれない。
6人中3人を当てる確率実験で見たように、偶然に任せると、20人に一人の割合で、3人を正答する。
家族の中で、すべての血液型がそろっていて、しかも、それぞれが典型的な行動パターンを示しているような場合。
つまり、占いの記述が実現した環境に居る人は、占いを信じてもおかしくない。
さらに、追認バイアスが働く 追認バイアスとは、仮説を肯定する現象ばかりに注目し、否定する現象を無視してしまうことにより起こるバイアスをいう。
自分の信じていることを裏付けることには容易に気づくし、場合によっては積極的に探したりする。
自分の信じていることを否定することにはそれほど注意を向けないし、ましてやそういうことを積極的に探したりしない。
どうすれば、事実に近づくか? データ(結果)を見る前に、仮説を検証する手続きを決めておく。
特に、仮説が当たっているかどうか、客観的に判定できる側面を決める。
データをできるだけ数多く、できるだけランダムに集める。
ランダムこそが、追認バイアスを働かなくさせる。
得られたデータが仮説のある側面と整合性があるかどうかを調べる。
どの側面に注目するか? 人生や性格を、簡単に決めつけることは難しい。
幸せの度合いを測ろうとしても、いったい何を基準にすればよいのかわからない。
そこで、具体的な記述部分を取り上げる。
事件事故に巻き込まれやすい名前を持つ人が、本当に事件事故にあっているか。
抽象的な記述を、具体的な質問に変換する。
“社交性がある”という記述ならば、「あなたは、*****ですか。」(Yes/No)という質問に変える。
占いの内容を、もらさず検証することは事実上丌可能である。
事件事故に遭いやすい名前があれば、
交通事故で死亡した人を調べたら、事件事故に遭いやすい名前の割合が、一般人の中の割合よりも大きい筈である。
そこで、ある期間を設定し、新聞に載っている死亡者の名前を記録する。
一般人代表として、あるクラス全員を採用する。
その上で、事故に遭いやすい名前を持つ人の割合を比較する。
事件事故に遭いやすい名前とは あるベストセラー本によると、
a+b, b+c, c+d, a+d, a+b+c+d のうちいずれかが、7,17,27,37,47,57,あるいは、9,19,29,39,49 である名前の人は、事件事故に遭いやすいとある。
これがはたして本当かどうか、事故死亡者の名前と、統計学受講者の名前の比較をしてみよう。
最終レポート課題「姓名判断について考えよう」姓名判断の方法や判断の根拠について考える 占いはどういう意味で統計学なのだろうか.
なぜ占いは人々の心をとらえ続けているのだろうか.
占いの判断の根拠は何なのだろう.この根拠はどのようにして得られたものなのだろう.
科学的な調査をするとしたら,どのような計画を立てればいいのだろうか.
占いが当たっているのかどうかの検証はどのようにすべきなのだろうか.
上述の論点にこだわることなく自由に書いても良い.奇抜な論点や独自の考え方を歓迎します.
最終レポート提出要項 提出期間:7月13日(火曜)~20日(火曜)
提出場所:第1学舎授業支援ステーション
レポート用紙・字数など
A4判用紙1枚にまとめること.
上部に学籍番号(正確に)と名前を記入し,同じページに内容を記述すること.
字数は800字~1200字程度とする(可能な限りワープロを使うこと)