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～データサイロの克服を支援する技術のご紹介～

AVEVA製産業向けソフトウェア「Wonderware」とその関連サービスによるITとOTの融合

© 2019 AVEVA Group plc and its subsidiaries. All rights reserved.

キヤノンITソリューションズ株式会社エンジニアリングソリューション事業部

アドバイザリーアプリケーションスペシャリスト伊藤嘉康

2019年12月3日

OT寄り

経営計画層

操業管理層

監視制御層

物理プロセス層

操作・センシング層

製造・インフラ事業体機能モデル

IT寄り

各層間の統合、「データサイロ」の克服が課題製造・インフラ事業


IT/OTの融合

データサイロの克服を支援する各技術


～本日紹介する内容～

1. SCADA

操業現場のデバイス収集

データ OT（制御・運用技術）寄り

IT（情報技術）寄り

2. プロセスヒストリアン

3. タイムスライス

蓄積加工／前処理

可視化

4. ０次分析ビジネス

インテリジェンス（BI）

5. クラウドサービス

SCADAによるエッジコンピューティング

～収集フェーズ～


“SCADA” とは？

• Supervisory Control And Data Acquisition

• グラフィック画面（HMI）を中心に、

デバイス通信やアラーム・履歴管理、

セキュリティ管理などの機能を持つ

• オープンな技術をベースとして進化・発展

• 1980年代終盤～

• DCS（分散制御システム）に対抗

• PC/AT互換機、Windows OS、PLCを使用

• 約30年の歴史を持つレガシーなシステム© 2019 AVEVA Group plc and its subsidiaries. All rights reserved.

金属・鉱業

石油・ガスインフラ

飲食料品

SCADA

画面

アラーム

操業履歴

トレンド

セキュリティ

デバイス通信

レシピ

スクリプト

：

操業データ

操業現場

PLC

制御

エッジコンピューティングにおけるSCADAの新たな価値

• SCADAでエッジデバイスを手軽に

インテリジェント化

• 特にInTouch Edge HMI

• クラウドへつなげることでエッジ

コンピューティングを効率的に実現可能

• 「エッジ」に求められるデータの管理

（抽出・集計）はSCADAの基本機能として実装済み


エッジ

デバイス

クラウド

DeviceGatewaySCADA

現場データ送受信制御コマンド送受信

データの集計、選択

集計・分析用データの送信

AVEVAInsight

MS SQLAzureなど

MQTTBroker

InTouch Edge HMIについて

• プラットフォーム非依存

• Windows、Windows Server

• Windows Embedded

• Linux（Debian系 - Ubuntu、Raspbianなど）

• VxWorks

• Web/HTML5対応

• IE, Edge, Chrome, Safari, FireFoxなどでの遠隔表示

• 表示デバイス非依存（PC、タブレット、スマホ）

• IIoT通信対応

• 各社PLCやOPC、MQTTなどのプロトコルをサポート


その特長

IT/OT両対応の通信機能

• OT系に加えてIT系プロトコルを追加


• 外部データベースへも読み書き可能

ITとの融合を支援

Historian

AVEVAInsight

OLE DBプロバイダー

AVEVA/Wonderware 汎用データベース（例）

Azure SQL DB

InTouch Edge HMI

プロセスヒストリアンによるＩＴとの融合

～蓄積フェーズ～


プロセスヒストリアンの位置づけ


産業・IoTシステム向け（OT寄り）

正規化、トランザクション管理

整合性重視

ビジネス・情報システム向け（IT寄り）

非正規化、リアルタイム性

高速性重視

NoSQLリレーショナルデータベース

プロセスヒストリアンWonderware Historian など

◆ 高速・大容量な時系列データの蓄積に特化◆ 産業デバイスとの接続性に優れる

Wonderware Historianのアーキテクチャ

• Microsoft SQL Serverと連携

• マスターデータはSQL Serverのテーブルに格納

• 履歴データは仮想テーブルとして管理

• 実データは独自ファイルに蓄積

ITとの融合を促す汎用性：データソース

• さまざまなデータソースを利用可能

• 時系列データのデータストアとして

IT寄りシステムにも適用可能


App. Server

OPC/DDE

第一階層Historian

ファイル/SQL

Wonderware 製各種クライアントソフト（トレンド、BI、SPC、レポートなど）

SELECT *FROM History

Historian Server

汎用 SQLクライアントソフト

InTouch

独自プログラム

データソース

可視化、分析統合活用

MES、ERP、クラウドサービスなど

SQLServer

ITとの融合を促す汎用性：クライアントアクセス

• 外部からはSQL Serverとしてアクセス

• 汎用的なODBC／OLE DB Providerで

アクセス可能

• IT系のBIツールや上位システム（MES、ERP

など）とのインターフェース

• Transact-SQLで検索可能

• 教育コストを抑制

• Historianの独自構文はあるが、

クライアントツールがそれをマスク


App. Server

OPC/DDE

第一階層Historian

ファイル/SQL

AVEVA製各種クライアントソフト（トレンド、BI、SPC、レポートなど）

SELECT *FROM History

Historian Server

汎用 SQLクライアントソフト

InTouch

独自プログラム

データソース

可視化、分析統合活用

MES、ERP、クラウドサービスなど

SQLServer

時系列データ集計機能の例

課題：装置の稼働実績は？／平均サイクルタイムは？

→ 制限：利用可能なデータはビットのみ


約200行の SQL命令が必要通常のデータベースでは…

時系列データ集計機能の例

課題：装置の稼働実績は？／平均サイクルタイムは？

→ 制限：利用可能なデータはビットのみ

→ Historianでは検索モード“ValueState”を指定するだけ


わずか10行足らず

時間状態稼働時間(%)

2018-07-04 0:00 0 71.899

2018-07-04 0:00 1 28.101

2018-07-04 6:00 NULL 1.232

2018-07-04 6:00 0 88.918

2018-07-04 6:00 1 9.850

2018-07-04 12:00 0 68.309

2018-07-04 12:00 1 21.905

2018-07-04 18:00 0 56.080

2018-07-04 18:00 1 43.920

2018-07-05 0:00 0 44.152

2018-07-05 0:00 1 55.848

SELECT Datetime as 時間,Value as 状態, StateTime as 稼働時間(%)

FROM HistoryWHERE DateTime >= '20180704 00:00.000'

AND DateTime < '20180705 00:00.000'AND TagName IN ('PumpStatus')AND wwRetrievalMode = 'ValueState'AND wwStateCalc = ‘Percent‘AND wwCycleCount = 4

タイムスライスによる時系列データ集計

～加工／前処理フェーズ～


このような課題の答えをすぐに見つけられますか？


Q. ”B班”が製品”AJ16”を製造中に、”水温警報”が発生していなかった時のその平均温度は？

タグ名時刻値

TK12.Temperature 2019-06-29 07:23:34.039 56.23

TK12.Volume 2019-06-29 07:24:10.287 75.1TK12.Pressure 2019-06-29 07:25:21.717 203.1

… … …

TK12.Temperature 2019-06-29 08:23:34.039 51.23

TK12.Volume 2019-06-29 08:24:10.287 56.1

TK12.Pressure 2019-06-29 08:25:21.717 199.1

バッチバッチ No 開始時刻終了時刻製品品質

B-123 2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:41:25 AJ16 Scrap

B-251 2019-06-29 07:41:25 2019-06-29 09:01:31 AJ16 Scrap

シフトID 班ID 開始時刻終了時刻

WeekDay B 2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 14:00:00

シフト

アラームタグ名アラーム開始時刻アラーム終了時刻アラーム確認時刻

Water.Temperature 2019-06-29 07:21:29 2019-06-29 08:11:25 2019-06-29 07:31:43

Motor.Load 2019-06-29 07:25:15 2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 07:26:02• データは分散している• 共通のキーはタイムスタンプだけ

SQLを書いて実現？


やっぱりストアドプロシージャでプログラムを書かなければダメか。。

それか、Historianに全部データを集めればHistorianの拡張SQLを使ってできるはず。。。

一定の時刻周期での集計なら普通のSQLとBIツールでできるけど、やりたいのは不定期の期間ごとの集計。

共通テーブル式？

ウィンドウ関数？

タイムスライス機能が有効！

SELECT AVG(…), SUM(…)FROM …GROUP BY DATEPART(YEAR, [日時])

, DATEPART(MONTH, [日時]), DATEPART(DAY, [日時]), DATEPART(HOUR, [日時])

DateTime TK12.Temp

2019-06-29 07:23:00 56.23

2019-06-29 07:23:02 58.32

2019-06-29 07:23:04 58.32

2019-06-29 07:23:06 59.67

: :

2019-06-29 07:23:10 59.67

2019-06-29 07:23:12 61.21

2019-06-29 07:23:14 61.98

でもデータは分散している。それに結合するだけではダメ。存在しない時刻のレコードは補完して、前の値で埋めて。。。

バッチ番号

B-122

B-123

シフトID

B

DateTime TK12.Temp バッチ番号シフトID

2019-06-29 07:23:00 56.23 B-122 A

2019-06-29 07:23:02 58.32 B-122 A

2019-06-29 07:23:04 58.32 B-122 B

2019-06-29 07:23:06 59.67 B-123 B

: : : :

2019-06-29 07:23:10 59.67 B-123 B

2019-06-29 07:23:12 61.21 B-123 B

2019-06-29 07:23:14 61.98 B-123 B

SELECT SliceByValue, …, Average, IntegralFROM AnalogSummaryHistoryWHERE …AND SliceBy = [BatchNum]

バッチ番号

B-122

B-122B-122

B-123

:

B-123

B-123

B-123

シフトID

A

AB

B

:

B

B

B

タイムスライスによる集計• イベントの発生時刻でデータを分割して、分析軸（ディメンジョン）を作成する

20

バッチバッチNo 開始時刻終了時刻製品品質

B-123 2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:41:25 AJ16 Scrap

B-251 2019-06-29 07:41:25 2019-06-29 09:01:31 AJ16 Scrap

シフト

アラーム

B-123 B-25106:13:49 07:41:25 09:01:31

Weekday, B班

06:00:00 14:00:00

Water.Temperature

07:21:29 08:11:25

Motor.Load

07:25:15 08:24:31

開始時刻終了時刻バッチNo 製品シフト班水温アラームモーターアラーム

2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 06:13:49 WeekDay B

2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:21:29 B-123 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 07:21:29 2019-06-29 07:25:15 B-123 AJ16 WeekDay B Temperature

2019-06-29 07:25:15 2019-06-29 07:41:25 B-123 AJ16 WeekDay B Temperature Motor


2019-06-29 08:11:25 2019-06-29 08:24:31 B-251 AJ16 WeekDay B Motor

2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 09:01:31 B-251 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 09:01:31 2019-06-29 14:00:00 WeekDay B

タイムスライスによる集計• イベントの発生時刻でデータを分割して、分析軸（ディメンジョン）を作成する

21


2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 06:13:49 WeekDay B

2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:21:29 B-123 AJ16 WeekDay B




2019-06-29 08:11:25 2019-06-29 08:24:31 B-251 AJ16 WeekDay B Motor2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 09:01:31 B-251 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 09:01:31 2019-06-29 14:00:00 WeekDay B


タンク12.温度

タンク12.内容量

タンク12.圧力

2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 06:13:49 WeekDay B

2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:21:29 B-123 AJ16 WeekDay B





2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 09:01:31 B-251 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 09:01:31 2019-06-29 14:00:00 WeekDay B

タイムスライスによる集計• 分析軸（ディメンジョン）にもとづいて時系列データを集計（メジャー）

22


タンク12.温度


タンク12.圧力

2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 06:13:49 WeekDay B

2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:21:29 B-123 AJ16 WeekDay B





2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 09:01:31 B-251 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 09:01:31 2019-06-29 14:00:00 WeekDay B

54.3 45.2 175.3

56.1 47.4 175.1

57.7 48.5 176.3

59.1 50.3 177.8

60.4 51.7 175.9

58.1 52.2 176.2

57.6 51.0 176.7

55.3 48.3 176.1

タイムスライスによる集計

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Q. ”B班”が製品”AJ16”を製造中に、”水温警報”が発生していなかった時のその平均温度は？


タンク12.温度


タンク12.圧力

2019-06-29 06:00:00 2019-06-29 06:13:49 WeekDay B

2019-06-29 06:13:49 2019-06-29 07:21:29 B-123 AJ16 WeekDay B





2019-06-29 08:24:31 2019-06-29 09:01:31 B-251 AJ16 WeekDay B

2019-06-29 09:01:31 2019-06-29 14:00:00 WeekDay B

54.3 45.2 175.3

56.1 47.4 175.1

57.7 48.5 176.3

59.1 50.3 177.8

60.4 51.7 175.9

58.1 52.2 176.2

57.6 51.0 176.7

55.3 48.3 176.1

IT寄りのシステムでも使える時がありそう

タイムスライスを提供するWonderware Intelligence

• データの前処理機能

• 分散するデータソースを集約

• タイムスライスによる集計データをデータマート

（Microsoft SQL Server）へ定期的に格納

• データの活用機能

• バンドルされたBIツール（Tabelau OEM版）で

分析・可視化・共有

• お客様がすでにお持ちのBIツールも利用可能

タイムスライスを設定できる前処理ツール

BIツール

データ俯瞰による分析軸の発見

～加工、前処理フェーズ～


こんな課題はありませんか？

• 蓄積した膨大なデータをどう活用すべきかがわからない

• 問題の原因や兆候がどこかに出ているはずだが、見つけられない

• BIツールはあるが、分析軸がわからないので結局使えない

• 専門ツールはとても高価で、使いこなすのも大変

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ビッグデータ可視化ツール：BIGDAT@Viewer

• セルフサービス型ビッグデータ分析ツール

• 現場レベルでのビッグデータ分析を支援

• ベテランやデータサイエンティストなどの人材不足を補う

• 特長

• 膨大なビッグデータをマップ上にわかりやすく可視化

• 「気付き」を生み出し、分析軸を提供（0次分析）

• データは選ばない（＝業種不問）

• シンプルな操作性、短時間での習得

• 機能

• 多変量解析＋独自の可視化技術でデータを二次元マップ化

• スコア表示、重みづけ、ヒートマップ表示、レポート出力


ヒートマップ重みづけレポート

「０次分析」による分析軸の発見

• 自ら発見した分析軸を使って次の段階へ


分析

良品マップに混在する不良品の原因は？

マップ化による俯瞰

CSVファイル

「B点温度」が原因っぽい（分析軸の発見）

詳細分析／定常監視

関連しそうな分析軸が見えてきた。もっと詳しく見てみよう

BIツールでの詳細分析

SCADAやダッシュボードで定常監視

応用活用例：予兆検知

• リアルタイムモニタリング機能を活用

• 最新データを逐次マップ上にプロットしながら、いつもと違う動き（予兆）を判別してSCADAなどへフィードバック


BIGDAT@Viewer

分析・予兆検知

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安定稼働領域

不良多発領域

要注意領域故障の予兆？

収集通知・可視化・対処

SCADAなど

通知・アラーム表示・警報音・Eメールなど警告

CSVファイル

InTouch/Historianなど

アドオン型クラウドサービス


～クラウド活用～

AVEVA Insightによる履歴データ活用サービス

• MS Azure上のHistorianと、データ活用のクライアントソフト、

保守サービスをパッケージしたSaaS

• 年間サブスクリプション型

• 実行環境の構築や保守は AVEVA が行うため、お客様は実績データの利用に

専念

• HTTP/MQTT経由でWonderware以外のデータソースも利用可能

• いわゆる “IoTクラウドプラットフォーム”とは異なる

• 既存システムはそのままで、アドオンとして利用可能


AVEVAInsight

InTouch

MQTTHistorian HTTP(CSV/JSON)

InTouchEdge HMI

OPCサーバー

各種データソース

機能例：履歴データの分析・可視化とダッシュボード


【対応表示形式】

ステータスボード

詳細グリッド

診断グリッド

サマリーグリッド

サマリー

状態チャートの時間

カラムチャート

サマリーチャート線グラフ

累積線

ローリング合計

ガントチャート

XYプロット

機能例：複合的なデータフォーマットによるダッシュボード


OVERVIEW ALARMS

Packing

OVERVIEW ALARMS

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Los Angeles

74.3

San

Francisco78.2

Dallas

93.4

New York

64.1

地図連携

データ表示(グラフ、表)

グラフィック

稼働率、OEE

自動アドバイス(機械学習ベース)

おわりに

• これらの技術を実装した製品／ソリュー

ションが「データサイロ」の克服を支援

• それによりITとOTの融合を促し、スマー

ト工場の実現へ


E-mail: [email protected] : https://www.canon-its.co.jp/solution/fa/

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ABOUT AVEVA

AVEVA is a global leader in engineering and industrial software driving digital transformation across the entire asset and operational life cycle of capital-intensive industries.

The company’s engineering, planning and operations, asset performance, and monitoring and control solutions deliver proven results to over 16,000 customers across the globe. Its customers are supported by the largest industrial software ecosystem, including 4,200 partners and 5,700 certified developers. AVEVA is headquartered in Cambridge, UK, with over 4,400 employees at 80 locations in over 40 countries.

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