basics of nonviolent communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · basics of...

16
Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン Miki Kashtan 2007 9 東京・広島・大阪 September 2007 Japan Tour 連絡先(アメリカ・英語) Contact Information Bay Area Nonviolent Communication 55 Santa Clara Avenue, Suite 203 Oakland, CA 94610 Phone: 510-433-0700 Email: [email protected] Website: www.baynvc.org NVC email groups (learning & connection) www.cnvc.org www. groups.yahoo.com (search under “nonviolent communication” to find scores of groups) Center for Nonviolent Communication PO Box 6384 Albuquerque, NM 87197 Phone: +1.505-244-4041 Fax: +1.505-247-0414 Email: [email protected] Website: www.cnvc.org Website for NVC publications www.nonviolentcommunication.com © 2006 by Inbal Kashtan and Miki Kashtan

Upload: truonghanh

Post on 12-Apr-2018

218 views

Category:

Documents


3 download

TRANSCRIPT

Page 1: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎

ミキ・カシュタン Miki Kashtan

2007 年 9 月 東京・広島・大阪

September 2007 Japan Tour

連絡先(アメリカ・英語) Contact Information

Bay Area Nonviolent Communication 55 Santa Clara Avenue, Suite 203 Oakland, CA 94610 Phone: 510-433-0700 Email: [email protected] Website: www.baynvc.org NVC email groups (learning & connection) www.cnvc.org www. groups.yahoo.com (search under “nonviolent communication” to find scores of groups)

Center for Nonviolent Communication PO Box 6384 Albuquerque, NM 87197 Phone: +1.505-244-4041 Fax: +1.505-247-0414 Email: [email protected] Website: www.cnvc.org Website for NVC publications www.nonviolentcommunication.com

© 2006 by Inbal Kashtan and Miki Kashtan

Page 2: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

目 次 Nonviolent Communication クイックガイド 1

NVCの仮説と目指すもの 2

非暴力コミュニケーションの基礎 4

気持ち/感情 – 未完成リスト 10

普遍的な人間の必要 – 未完成リスト 12

「必要」の口語的表現 13

つながりリクエストの例 13

従来のコミュニケーション・パターン 14

Page 3: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 1 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

Nonviolent Communication クイックガイド

表現 Expression 共感 Empathy 観察 Observation 私が・・・を見るとき/聞くとき

[観察][Observation] [あなたが・・・を見るとき/聞くとき]

気持ち Feeling ・・・な気持ちがします。 .

気持ち Feeling ・・・な気持ちがしますか。 .

必要 Need

それは、私が・・・を必要としているからです。.

必要 Need

それは、あなたが・・・を必要としているからです。..

お願い Request ・・・をしてくださいませんか?

[お願い][Request] [・・・してみませんか?]

観察 Observations: 解釈を加えずに、何を見て、何を聞いたかを述べる状況説明のことです。例えば、「彼女はかんしゃくを起こしている」と言う代わりに、「彼女は床に転がって叫んだり足をばたつかせたりしている」と言うことができます。誰かが何か言ったことに言及する場合は、言い換えないでなるべくそっくりそのまま引用します。 気持ち Feelings: 他の人たちがしていることに対する、自分の感情のことです。自分の物語や考えではありません。例えば、「踊らされた気がする」というのは、相手の行動に対する自分の解釈になっています。代わりに、「不愉快だ。」ということができます。 「私は・・・という気がする “I feel like . . . “」とか「・・・だと感じる“I feel that…”」という表現は避けましょう。・・・には、自分の気持ちより自分の考えが出てきてしまいます。 必要 Needs: 感情は必要から生じます。そして必要は普遍的で即時的で、誰か特定の人の行動に引き起こされるものではありません。感情の原因として、人の行動をあげつらうより、自分の必要を言葉にしてみましょう。例えば、「私がイライラしてるのは、あなたがお皿を洗ってくれなかったから。」の代わりに「私がイライラしているのは協力が必要だからなの。」となります。 お願い Requests: やって欲しいこと(やって欲しくないことではなく)を、具体的にはっきりとお願いします。例えば、「今日も、また遅れるのはやめてね。」の代わりに、「今晩、一緒に決めた時間に帰ってきてね。」と言います。お願いするということは、定義上、相手にノーと言う可能性も認めることです。断られることも、さらなる対話のチャンスととらえましょう。 共感 Empathy: NVC では、相手の気持ちや必要を推測することで、共感を寄せます。私たちは「正してやろう」という代わりに、相手を理解しようとします。場合によっては、観察やお願いは省かれます。言葉が必要ない時や適切な言葉が見つからない時は、無言で共感を伝えます。 自己共感 Self-Empathy: 自己共感では、自分自身の内側に耳を傾け、自分自身の気持ちや必要とつながります。自分の感情・必要とのつながることによって、次のステップを選べるようになるのです。

Page 4: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 2 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

NVC の仮説と目指すもの Key Assumptions and Intentions of NVC

I. 非暴力コミュニケーション実践が根ざしている仮説

NVC実践は、以下のような仮説を土台としています。これらの仮説は多くの文化・伝統に共通して見られるものですが、NVCはその仮説を実現するための、具体的で強力なツールを提供してくれます。私たちがこのような仮説に基づいて生きる時、自分自身とつながり、また他人とつながることは不可能ではなくなるばかりか、無理なくできるようになります。 1. 全ての人間は同じ必要を共有している: 私たちは皆、同じ必要を持っています。しかしその必要を満たす手段は様々でしょう。対立は、その手段のレベルで起きるのであり、必要のレベルで起きているのではないのです。私たちが文化の違いと呼んでいるものは、必要を満たす手段の違いであって、必要そのものの違いではありません。

2. 私たちの世界には、全ての人の必要を満たすのに充分な資源がある: いま多くの人達が窮乏に悩んでいるのは、私たちが社会構造を全ての人の必要を満たすようにデザインしてこなかったからです。どの窮状を考えてみても、その原因は、現在のシステムの限界、想像力の危機、つながりを深めるスキルの欠如に求めることができます。

3. 全ての行動は、必要を満たすための試み: 意識的であれ無意識的であれ、私たちの行動の底には、必要を満たしたいという欲求があります。私たちは、必要を満たすためのより効果的な方法を見つけられない時に、仕方なく暴力に走ります。

4. 感情は必要が満たされているか、いないかを指し示す:ある状況下で、必要は満たされているように見える時も満たされていないように思える時もありますが、私たちの感情は、必要の本当の状態から直接に湧き上がってきます。感情は、他人にきっかけを与えられることはあっても、他人によって引き起こされることはありません。必要が満たされる時、私たちは幸せ、満足、安心、などを感じます。必要が満たされない時、私たちは悲しく、怯え、怒りを覚えるのです。必要が満たされているかどうかの判定には、常に解釈や信念がかかわってきます。

5. 全ての人は、思いやる力をもっている: 私たちは、それを引き出す方法を知らない場合もありますが、生来、思いやる力を持っています。自分が思いやりを示され、自主性を尊重してもらえたとき、私たちは自分と他者を思いやる力をもっと発揮することができる傾向にあります。思いやりを育てることは、必要を平和に満たす能力を開発するのに直接役立つのです。

6. 人間は与えるのが好き: 私たちは、自分自身や他の人の必要とつながりを持ち、与えることを自らの選択として行う時、人に貢献することに本質的な喜びを感じます。

7. 人間は相互依存関係のなかで必要を満たします: 私たちの必要は、自分自身との関係のなかで或いは自然とのつながりのなかで満たさなければならないものを除いて、ほとんど全て他人との関係を通じて満たされます。他の人の必要が満たされない時、自分自身の必要の一部(例えば平和やきずな、調和、貢献といったもの)は満たされないままに残ってしまいます。

8. 選択は自分自身の中に: 状況の如何によらず、主体性の必要は、必要の自覚に基づいた意識的な選択をすることで満たすことができます。

9. 平和への最短ルートは、自分自身とつながること: 私たちの平和をつくる力は、自分の必要が満たされているかどうかに依存しません。たとえ、多くの必要が満たされていなくても、自分自身とつながる必要さえ満たされていれば、内なる平和を得るには充分なのです。

Page 5: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 3 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

II. 非暴力コミュニケーションが目指すもの

私たちは NVCを使う時、以下の目標を心に留めておきます。なぜなら、全ての人の必要が大切にされる世界をつくるのに私たちが貢献しようとする時、これらの目標は役に立つと信じているからです。

心を開いた生き方

1. 自分への思いやり: 私たちはあらゆる自己非難、自分を裁くこと、自分に要求することをやめ、自分自身に対して思いやりを持とうと努めます。そして全ての自分の行いによって満たそうとしている必要とは何なのか、理解しようとします。

2. 心から表現する: 自分のことを話すとき、私たちは心から話すことを目指します。自分の気持ちや必要を話し、具体的で実行可能なお願いをしようとします。

3. 思いやりを持って受け取る: 人の話を聞くとき、私たちは彼らの行動や表現の背後にある感情や必要に耳を傾けようとします。それは、彼らの表現方法の如何によりません。たとえ彼らの行動や表現が自分の必要に反する場合(例えば、決め付け、命令、身体的暴力など)であってもです。

4. つながりを優先する: 私たちは、全ての人の必要と心を開いてつながろうと努めます。状況が深刻であればあるほど、妥協が含まれる可能性がある迅速な解決よりも、つながりを持つことが重要になってきます。

5. "正しい"か"間違っている"かを超えて: 私たちは、身に付いてしまった善か悪かの評価(道徳的判断)を下す習慣を変えて、人間の必要が満たされているのかどうか(必要を基準とした判断)に注意を向けられるよう努めます。

選択、責任、平和

6. 自分の感情に責任を持つ: 私たちは自分の感情を自分自身の必要につなげ、他人は自分をどう感じさせる力もない、という認識を持つようにします。この認識は、他人が変わってくれるのを待っている代わりに、自分の必要を満たすために行動を起こす原動力となります。

7. 自分の行動に責任を持つ: 私たちはあらゆる瞬間に行っている自分の選択を意識するように努めます。そして最も自分の必要を満たしてくれそうな行動をとるようにします。恐怖や罪悪感、恥ずかしさや報償目当て、義務感や責任感から何かをするのは、避けようと努めます。

8. 満たされない必要を抱えても平和に生きる: 私たちは、満たされない必要を抱えた時も、自分の気持ちを大切にして、無理やり必要を満たそうとするより、その満たされない必要と共にいようとします。

9. 必要を満たす力を増す: 私たちは、NVCのスキルや瞑想といった、私たち自身が内に持っている資源を発達させることを目指します。そして自分や人との結びつきを深め、必要を満たす多彩な手段をもてるようにします。

力を分け合う (パートナーシップ)

10. 誰の必要も等しく大切にする: 私たちは要求ではなくお願いをするようにします。それによって、他の人がその人の方法で自分の必要を満たそうとすることにも、心を開いておけます。自分のお願いに「いや」と言われたとき、または、他の人のお願いに「いや」と言うとき、私たちは自分だけ、または相手だけの必要を満たす解決ではなく、双方の必要が満たされる解決を探そうと努力を続けていきます。

11. 身を守るための実力行使: 力を使うのは、教育したり、罰したり、相手の同意無しに自分の要求を通そうとしたりするためではなく、身体的安全への差し迫った必要が対話によっては満たされないという状況においてだけです。私たちは、差し迫った危険から身を守るために最小限の力を使いますが、身体的安全が取り戻され次第、なるべく早く対話に戻ろうと努めます。

Page 6: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 4 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

非暴力コミュニケーションの基礎 1. はじめに

非暴力コミュニケーションは (NVC) 、思いやりの言葉だ、より良い社会への変革の道具だ、或いは、スピリチュアルの実践だ、などと説明されます。NVC は私たちに、何が私たちを触発するかを理解したり、自分の反応に責任を取ったり、自身と他者とのつながりを深めたりするための道具と意識を提供し、それによって私たちの人生に対する習慣化された反応を変えてゆきます。最終的には、私たちが人生やその意味についてどう考えるかを根本的に変える必要があります。 NVCは次のような基本原理に基づいています。 すなわち あらゆる人間の行為の基には、なんらかの「必要(need)」があり、人々はそれを満たそうとしている。だからそれらの必要を理解し、認めることをしてゆけば、つながりや協力、地球的に言えば平和のための共通の基盤をつくることができる。 お互いを必要のレベルで理解すると、そのようなつながりを築くことができます。なぜなら、より深い人間性のレベルでは、お互いの類似性が差異に勝り、より深い思いやりを生み出すからです。私たちが自分の解釈や批判、非難や要求をちらつかせずに、必要に注目する時、私たちの深いところに潜在している想像性が開花し、それまでは意識から遮断されていた解決策が現れてきます。この深さでは、対立や誤解はずっと簡単に解決することができます。 NVCを学ぶことは、あたらしい技術や言語を学ぶのに似ています。一つずつ、理論を学んでは充分な時間を練習にあてて、マスターしてゆきます。すらすら話せるようになるには時間がかかる一方、どんなに僅かでも新しい言語の知識があれば、コミュニケーションがとれる可能性が高まります。さらに、NVCは私たちを、普段あまり馴染みのないレベルの優しさや弱さにまで招くので、この言語の基礎を成す完全な意識の統合には、私たちの自分自身との内なるつながりや、過去の痛みの癒しがしばしば必要になってきます。 NVC言語は次の二つの部分から成っています。まず、正直に自分自身を相手に表現すること、そして、思いやりを持って相手に聞くこと。どちらも、「観察」「気持ち」「必要」「お願い」の4つの要素で表現されます。とはいえ、思いやりある結びつきは、根本的に「気持ち」と「必要」のレベルに依存します。ですから、「観察」と「お願い」は言葉になる場合もならない場合もあります。NVC を実践するには、これらの要素を、判断や解釈、要求とは区別して、これらの要素に埋め込まれた想いを具現化することが必要です。そうすれば、自分自身を表現したり、自分や相手に聞くときに、理解とつながりが促され、関係者全ての必要が満たされるのを助け、私たち全ての中に、与える歓びと受け取る歓びが育まれることになるでしょう。NVCの運用には、思いやりあるつながりを自分自身と持つことー「セルフ・エンパシー」も必要です。セルフ・エンパシーの目的は、自分自身の「必要」とのつながりを持続させて、自分の行動や応答を自己理解と自己受容に基づいて選ぶことを助けることです。 NVCはマーシャル B. ローゼンバーグ博士によって開発され、世界中の個人と組織に紹介されてきました。NVCは、紛争中の部族間、内戦によって引き裂かれた国々をはじめ、学校、刑務所、企業、保健、社会改革、政府組織、そして親密な個人的関係にまで使われています。現在、2万人の公式トレイナーとそれを超える数の世界各地の非公式トレーナーがそれぞれの地域で NVC を広げています。

Page 7: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 5 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

2. NVCの構成要素

観察(状況描写)Observations

観察とは、私たちが、自分の反応を引き起こした刺激(stimulus)だと認識することを、見たり聞いたりしたままに描写することです。私たちの目標は、私たちが反応しているもの(状況)を、具体的、個別的で中立的に、ビデオカメラがその瞬間を捕えるかのように、描写することです。これは、相手の方と共通の事実を共有するのに役立ちます。観察は、私たちが気持ちや必要を語るときの文脈を与えてくれます。そして両者にとって文脈が明らかなときは、必要ない場合もあります。 状況描写する時のコツは、自分自身の判断や評価、解釈と、何が起きたかの描写と分けて考えることです。例えば、もし「あなたは、失礼だ」と言うと相手は同意しないかもしれません。でも「あなたは入ってきた時、私に挨拶をしなかった」と言えば、相手は何のことを言われたか、よりはっきり認識できるでしょう。 もし、私たちが見たり聞いたりしたことを、評価をはさまずに「観察ことば」で説明できたなら、それを聞いている相手もすぐに言い返そうとはせずに、その第一段階に耳を傾け、さらに私たちの「気持ち」や「必要」も聞こうとしてくれる可能性が高まります。 判断や解釈を観察ことばに翻訳することを学ぶと、どちらが良いか、悪いか、という思考から脱しやすくなります。また、自分の感情の源として、誰か他の人ではなく自分の「必要」に注目することによって、自分の反応について責任を持てるようになります。 このように、観察―自分と他者とをしっかりつなぐ道を築くことーは、心の深いところの意識転換に無くてはならない要素として浮かび上がってきます。 気持ち Feelings 気持ちは、満たされたり満たされずに残ったりしている(下記参照)私たちの「必要」に関連した感情体験と身体感覚を表します。私たちの目標は、これらの感情を特定し、名前をつけ、そしてその気持ちと結びつくことです。 気持ちを特定して表現する時のコツは、他人の行動を解釈する言葉を捜すのはやめて、私たち自身の内面で経験していることを表す言葉に集中することです。例をあげると、「私は寂しい」は内面の経験を表しますが、「あなたは私を愛していないと感じる」というのは、相手の感情を推測する表現になります。 自分の気持ちを表現するということは、私たちは自分の経験に責任を取るプロセスを続けているということなのです。私たちが自分の気持ちを表現するとき、相手は自分に対する批判や非難が聞こえてこないので、私たちが大切に思っていることに耳を傾けやすくなります。そうなれば、相手が双方の必要に合った仕方で返答してくれる可能性が大きくなります。 この資料の 10 ページにある感情のリストは、全ての感情を網羅したものでも、規定しようとするものでもありません。このリストは、私たちが自分の気持ちを探ったり、自分の感情生活の豊かさを発見したりするための資料として活用してください。

Page 8: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 6 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

必要 Needs

必要は、私たちが最も深いところで共通に持っている人間性の表出です。全ての人類は、生きるための基本的な必要を共有しています。一例を挙げると、水、栄養、休息、住居、関係などです。私たちは、この外にも多くの必要を共有しています。とはいえ、それらの必要は、度合いもさまざまだし、時代によっても強烈だったりそうでもなかったりするのを経験しています。 NVCの文脈では、必要が指し示すのは、私たちの中で最も生き生きしていること、すなわち、自分の価値観の核や最も深いところの人間としての望みです。必要を理解し、名前をつけ、結びつくことは、私たちの自分と他者との関係を向上させるのに役立ちます。さらに他者への理解を深めるので、私たちみんなが、みんなの必要を満たすよう行動する可能性を高めます。 必要を見つけて表現し、それとつながるコツは、必要を満たすための特定の方法を説明する言葉より、人類に共通する経験を説明する言葉に注意を向けることです。何かが欲しいと言いながら、ある人、ある場所、ある行為、ある時や物に言及する場合、私たちは決まって、「必要」ではなく、「方法」を説明しています。例えば、「あなたに私の誕生パーティーに来て欲しいの」というのは、愛と絆の必要を満たすための一つの方法かもしれません。この場合、人、行為、限られた時間と場所が含まれた表現になっています。ある決まった方法に集中していた注意を、必要とつながること向けると、力が湧いて、解放された感じを味わうことがよくあります。なぜなら、陰に隠れた必要を見つけることによって、私たちは一つの特定の方法に縛られていた状態から自由にされて、ほかの方法を探ることができるようになるからです。 感情は、必要が満たされたり、満たされなかったりする時に沸き起こります。ということは、私たちの人生のあらゆる瞬間に起こっているということです。私たちの感情は、きっかけに関係がありますが、きっかけに起因するわけではありません。感情の原因は満たされたり満たされなかったりした必要です。ですから、自分の感情を必要と結びつけることによって、私たちは自分の感情の責任を全て引き受け、自分と他の人を過ちや非難から自由にします。そして、自分だけの固有の経験を、人類共通の現実である必要の時間のなかで表現することによって、私たちは他の人が私たちの人間性に目を向け、私たちに理解と思いやりを示してくれる最大の機会を作り出すのです。 この資料の 12 ページにある必要のリストは、決して網羅的でもこれに限定しようというものでもありません。これは、みなさんが自分自身の必要が何であるかを特定したり、認識したりするのを助けるのと同時に、他の人の必要を推測するための資料として提供されています。このリストでは、必要は最も抽象的、一般的で普遍的に見えるようにしてあります。皆さん一人一人が、自分の内側に、広い項目のなかの細かいニュアンスや色合いを見つけていってください。そうすれば、自分の体験をもっと完全に説明することができるでしょう。

お願い Requests

私たちは、必要を満たすために、お願いをして、自分が考えている必要を満たす方法にどのくらい協力が得られそうかを見積もります。ここでの目的は、必要を満たすのに有効だと自分が信じるある行動を特定して、説明し、関係者がどのくらいこの方法による解決に参加したいと思っているかを調べることにあります。それぞれの瞬間に、私たちのお願いに対する返答の質を左右するのは、私たちと相手とのつながりです。ですから、その瞬間のお願いは、しばしば、「つながりへのお願い」となり、それによって結びつきと理解を深めようとしたり、次の「解決へのお願い」へ進んでも大丈夫なほど相手と結びついたかどうかを見極めようとしたりするのです。「つながりへのお願い」の例をあげると、「これについてどう思うか教えてくれませんか」となり、「解決へのお願い」は「家に上がるときは靴を脱いでくれませんか」などというものです。

Page 9: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 7 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

お願いの精神は、「no」を聞こうとする意志と、その後も、みんなの必要を満たす方法を見つけるために、自分や他の人と努力し続けるかどうかにかかっています。私たちが「お願い request」をしているのか、「要求 demand」をしているのかは、たいてい、それが却下された時の私たちの反応で明らかになります。「要求」が否定されると、懲罰的な結果をもたらしますが、「お願い」が否定された場合は大抵、私たちをさらなる対話へと導きます。私たちは、相手の「いや」は、その人に「うん」を言えなくしている、ある必要の一表現だ、と認識します。もし私たちが、対話によって双方の必要が満たされる方法を見つけることができる、と信じているなら、「いや」は警報でしかありません。それによって、相手の必要の側から言えば、こちらの方法に「はい」を言うことは、犠牲が大きすぎるのだな、と言うことが分かります。私たちは、そこから、結びつきと理解を求め続け、より多くの必要を満たす他の方法を探していきます。 私たちのお願いを理解してもらう確率を高めるために、私たちは、できるだけ具体的で実行可能な言葉を使おうと努めます。そして、それは真に「お願い」であり、「要求」ではないように気をつけます。例えば、「いつも時間通りに来て欲しい」というのは、あまり実行可能とはいえません。「9 時のミーティングに間に合うために何ができそうか、私と一緒に 15 分、話し合いませんか」と言う方が、具体的で実行可能です。前者の言い方に同意する(「はい、これからいつも時間通りにきます」)人はいるかもしれませんが、私たちのもっと深いところの必要、すなわち結びつきや自信、信頼、責任、尊敬などの必要は、満たされないままになりがちです。 もし、誰かが私たちのお願いに、恐怖や罪悪感、恥や義務感または報酬に対する欲のために同意するとしたら、私たちはお互いの信頼や絆を犠牲にすることになります。私たちがお願いをクリアに表現できれば、聞いている人が自分は何と答えるかの選択権がある、と実感する可能性を高めることになります。その結果、直ぐには自分の願いを認めてもらえないかもしれませんが、全ての人の必要が大切にされている、という信頼が築かれるので、長い目で見れば私たちの必要が満たされる可能性は高くなります。このような信頼の雰囲気においては、善意が膨らみ、お互いの必要を満たすために助け合おうとする意欲も高まります。 明確なお願いができるようになることや、私たちの意識を要求の代わりにお願いをするように転換することは、大概の人にとっては至難の業です。特に、お願いの部分が難しいようです。それは私たちが「想像力の危機」と呼んでいる難しさ、すなわち、他の人の必要を犠牲にせずに、自分の必要を満たす方法を見つけることが、とても難しいからです。他人の必要を考慮する前から、肯定的で実行可能なお願いを思いつくこと自体が難しいのです。私たちは、他の人にやめて欲しいこと(「怒鳴らないで」)を言うように、また、他の人にどうあって欲しいか(「こっちの身にもなってよ」)を言うように習慣付けられていて、なかなか他の人に何をして欲しいか(「声を小さくするか、後で話してくれませんか」)は言えないものです。しかし、時と共に、また自分の必要とより深くつながることによって、私たちの創造力は広がり、もっと多くの方法を考え出したり、受容したりできるようになります。 この第4の段階は、私たちが望む生き方を身に付ける上で、決定的に重要です。特に、「要求」から「お願い」への転換は、人生の焦点(focus)と信念(faith)において飛躍を引き起こします。つまり、自分の必要が満たされることに関心の焦点を置く生き方から、お互いの必要が大切にされて、最終的には双方の必要が満たされるような、質の高い結びつきに関心の焦点を向ける生き方へと転換するからです。

Page 10: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 8 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

3. 共感 Empathy

自分の「観察」「気持ち」「必要」と「お願い」を表現するのは、NVCの第一段階です。第二段階は共感(相手の気持ちと必要を推測することによって、相手と結びつくプロセス)です。共感的つながりは、無言で起こることもあります。しかし対立の場面では、「私たちはあなたの気持ちを理解していますよ」「あなたの必要が私たちにとっても大切なのですよ」と相手方に伝えられれば、問題の状況を打開する強力な転換点になり得ます。そのような理解を示すことは、自分の必要を満たさないような行動をとることに同意することとは、同じではありません。 他の人と共感をもって結びつくことは、私たち自身の必要―理解、絆、貢献、その他―を満たす一つの方法です。それと同時に、私たちは、共感が相手の必要をも満たしてくれるようにと望みます。そして双方の必要を満たす方策を見つける過程で、両者を助けてくれるようにと願うのです。 NVC言語は、他人との関係を築くのに役立ちます。けれども、共感の核心は、私たちが自分自身や他者の人間性に思いやりをもって結びつくことです。私たちが誰かと共感しながら共に居ることは、この意味では、自分の必要を満たす一つの方法(又はお願い)になります。私たちが心を込めてそこに在ること(full presence)は、他の人や自分自身への贈り物になるのです。 NVCを共感的結びつきに使う時、私たちは同じ4つの要素を質問の形で用います。なぜなら、私たちは決して相手の内側で何が起こっているのかを知ることはできないからです。相手にとって何が起こっているのか、についての最終決定権は、常に、相手にあるのです。私たちの共感は、相手の「理解される必要」を満たすかもしれませんし、彼ら自身の自己発見のきっかけとなるかもしれません。私たちの問いかけはこんな感じです。 [あなたが・・・・を[見た、聞いた、etc] とき、] ・・・・な気持ちがしますか。 それは、・・・・が必要だからですか。(あなたにとって・・・・が大切だからですか。) [そして、あなたは・・・・したいですか。] 大抵の場合、実際の会話では、観察やお願いを言う必要はありません。通常、状況は話の流れで明白ですし、共感のお願いを想定してすでに行動しているわけですから。私たちがもっと絆を深め、様々な方法を探る準備ができた時には、お願いを当てることができるかもしれません。 二人が共感を共有する過程で、もし双方が感情と必要のレベルで結びつくことができれば、少なくとも一方の目的と注目点が変わってしまうことが、しばしば起こります。これによって、必要の転換が起きたり、優しさと寛大さの新たな地平が開かれたり、或いは、孤立によって曇っていた時には想像すらできなかった創造的な解決策への驚くべきひらめきが訪れたり、といったことが起こり得るのです。

Page 11: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 9 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

4. 自己共感 Self-Empathy

私たち自身の気持ちや必要を表現することも、他の人の気持ちや必要を共感を持って言い当てることも、どちらも、NVC の核心となるある特別な意識に根ざしています。この意識は自己共感を実践することによって育まれます。 自己共感では、NVC を使って相手に耳を傾ける時と同じ思いやりにあふれた注意を自分自身に向けます。つまり、自分が下している評価や判断の奥にある自分自身の気持ちや必要をはっきりと聞き取るということです。この内なる自覚(awareness)と明晰(clarity)さは、私たちが次のステップを選ぶ時(他の人々に自分のことを語るのか、共感を持って相手を受け入れるのか)に私たちの支えとなります。次のステップは、どこへ注意を集中するのかについての、自分自身に対するお願いと考えることができます。 NVCを実践すると、必然的に、自分自身や他者と思いやりを持ってつながりたいという願いと、自分の注意を今現在に向け続ける力が出てきます。現在から注意を逸らさない、というのは、今現在、自分は過去を思い出しているのだ、とか、未来の可能性を想像しているのだ、と自覚することも含めての話です。 自分の感覚、感情、必要にアクセスして、自分の状態に波長を合わせるとき、自己共感はたやすく起こるものです。しかしながら、対立や反動の瞬間には、私たちは思いやりを持ってつながろうなんていう意識にはなかなかアクセスしようとはしないし、今現在に注意を向ける能力もくじけてしまうかもしれません。自己共感は、このような時に、私たちのバラバラの状態を変革して、思いやりあふれる意識や現在に注意を集中する自分に引き戻してくれます。練習を積めば、自己共感だけで、内在する自分との対立や他の人たちとの対立を解決できたというのは、多くの人が経験するところです。それが自己共感が人生の経験を変えてしまうからです。

Page 12: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 10 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

気持ち/感情 – 未完成リスト (考えや解釈を加えない、内面の気持ちや感じ)

下の表は、心の状態と身体的感覚を表現したいときに使う言葉のリストです。これは全てを網羅するものでも、これに限定しようとするものでもありません。自己発見のプロセスにじっくり取り組もうとする人をサポートするためのものであり、人間同士のより深い理解と強い結びつきを促すためのものです。 A.必要が満たされているときに体験する、気持ち/感じ 愛情に満ちた 慈愛 いとおしさ 親しみ 愛のある 心を開いた 思いやりのある やさしい あたたかさ 自信 力がみなぎる オープンな 開かれた 誇らしい 安心だ 大丈夫だ 熱中 没頭している はまってる 意識が明晰な 感覚が研ぎ澄まされた 好奇心のある 夢中だ 魅了される 嬉々として 心惹かれる 興味をもっている 興味をそそられる 専心している とりこになる 刺激される

興奮している びっくり わくわく いきいき 熱意がある 気持ちをかきたてられる 目を奪われる 熱心な エネルギッシュな 熱烈な 有頂天の 元気な 活力のある 情熱的な おどろいた 元気いっぱい 幸福感 至福の 恍惚とした 大喜びする 夢中になる 喜びに満ちた いきいきした キラキラした どきどき わくわく 歓喜した 外向的な

感謝している ありがたい おかげさま 恩を感じる 感動している 心に触れた 感激 望み 期待している 励まされる やる気 楽観的 楽天的 喜び うれしい 楽しい 喜んでいる 幸せな 歓喜している 満足している 愉快だ ウキウキ 晴れ晴れ 心動かされる おどろく 感動 畏敬の念 感嘆する 感心する

平安 おだやかな 明晰な・スッキリ 気持ちいい 安定した 満足している ありのままを受け入れる 達成感 くつろいだ のんびりした 静かな リラックスした 解放された ほっとする 満たされた 平穏な 落ち着いた ゆるぎない 信頼している 爽快感 さわやか 活気づいた 元気を取り戻した 生まれ変わったような 休息のとれた 回復した すっきりした

Page 13: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 11 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

B. 必要が満たされていないときに体験する、気持ち/感じ 恐怖 危惧する 不安 嫌な予感 恐れ 不信感 パニック 茫然自失 こわい 疑心暗鬼 おびえた 用心深い 心配 イライラ むかつく 不愉快 不機嫌 しゃくにさわる いら立つ 欲求不満 もどかしい 憤慨する 腹が立つ 不快感 怒り 怒っている 激怒している 怒り狂う いきり立つ 憤然とした 怒りに駆られる 恨み 反感 敵意 憎悪 悪意 恨み 愕然とする 軽蔑 嫌い 大っ嫌い ぞっとする 鳥肌が立つ 嫌悪感 うんざり

混乱 あやふや 途方に暮れる 困惑する ぼんやり ボーっとする 当惑する ためらい まごついた こまった 悩まされる 複雑 離別 疎外感 打ち解けない 冷淡 無感動 退屈 冷たい 孤立した 離れた 取り乱した 無関心 無感覚 引っ込み思案の 動揺 たきつけられる 危機感 混乱した どぎまぎした かき乱された 不安 慌てた 落ち着かない ショックを受ける ぎょっとする ギクッとする ハッとする ドキッとする 動揺した 不穏な 居心地が悪い 心配な 神経さわる 不安定な

恥ずかしい 肩身が狭い 歯がゆい思い おろおろする 屈辱 無念 自意識 打ちのめされる 疲労 燃え尽き感 へとへと だるい やる気がでない 眠い 疲れた うんざり 飽き飽きした くたくた 痛み 苦悩 打ちひしがれる 打ちのめされる 深く悲しむ 胸がつぶれる思い 失恋 傷ついた 寂しい 惨めな 後悔した 悲しみ 落ち込み 意気消沈 絶望感 しょげ返った ふさぎこむ やる気を失う 失望した くじけた がっかりした 心が暗い 心が思い 哀れな 憂鬱な 不幸な 惨めな

緊張 心配 気難しい 虫の居所が悪い 行き詰って 心がかき乱された ぎりぎり 落ち着かない 神経をすり減らした イライラした びくびくした ぴりぴりした 神経質な 圧倒された/参った 集中できない ストレスにやられた 弱さ もろい 防衛的な 無力感 不安な 疑い深い 遠慮がち 不安定な あこがれ うらやましい ねたましい 切望する 感傷的 懐かしい 身を焦がす 切ない

(このリストは、マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルリストを元に、大勢の協力により、作られま

した。)

Page 14: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 12 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

普遍的な人間の必要 – 未完成リスト (特定の人々、時代、行為、物とは関連していません)

下のリストは、全てを網羅しているわけでも限定するものでもありません。自己発見のプロセスにじっくり取り組もうとする人をサポートするためのものであり、人間同士のより深い理解と強

い結びつきを促すためのものです。 つながり 受け入れられること 愛情 認めてもらうこと 帰属意識 協力 コミュニケーション 気の置けなさ コミュニティー 仲間 おもいやり 配慮/気遣い 一貫性 共感 仲間に入れてもらう 親密さ 愛 相互依存 高めあうこと 尊敬 安心 安全 安定 支え/サポート 知ってもらう 見てもらう 理解してもらう 信頼 理解すること あたたかさ

誠実さ うそじゃないこと 真実味 誠実さ そこに居ること 遊び 喜び ユーモア 平和 美 交流 気楽さ 平等 調和 インスピレーション/直感 秩序 整理整頓 身体的幸福 空気 食べ物 活動/運動 休息/睡眠 性的表現 安全 (生命の危機からの保護) 住まい ふれあい 水

意味 自覚 命の祝福 挑戦 明晰さ 頭を整理すること 能力 意識 貢献すること 創造性 発見 有効性 効率性 成長 希望 学び 参加 目的 自己表現 刺激 理解 自主・自立 選択 自由 独立 空間 自発性

(このリストは、マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルリストを元に、大勢の協力により、作られまし

た。)

Page 15: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 13 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

「必要」の口語的表現

下のフレーズは、自分の必要を実際の場面でさまざまに表現する言い回しのバリエーションの例です。これらは、ほかの人の必要を推測するときにも(「必要」という言葉のかわりに)使えます。点線の上に、前頁の「必要」リストから好きな言葉を入れることができます。「必要」に意識を向けようとして使う限り、どの言い回しも使えますが、気をつけないと、「必要」と「手段」の区別を曖昧にしてしまう危険があります。

.....が大好きです

.....が生きがいです

私は....があると嬉しい。

....は私に元気をくれる。

私は....に価値をおく。

私は....が欲しい。

私は.....を切に望む。

.... は楽しい。

.... が大切。

.... は私にとって意味がある。

.... は私にとても大切です。

.... は私の人生に意義を与える。

..... のおかげで元気/いい/幸せ/完全な気持ちがす

る。

つながりリクエストの例

会話の中でよく使われるつながりリクエストの例です。

A. つながりの質を維持するためのリクエスト:

1. 私が今何と申し上げたか、おっしゃっていただけませんか。

2. 私の気持ちと必要は何だと理解なさっているか教えてくださいませんか。

3. 私の話(経験)を、聞いてくださいませんか。

4. 今私が言ったことについて、どうお感じになるか教えてくださいませんか。

5. 「私があなたのおっしゃることを理解してる」と納得していただくために、私が具体的に何をすればいいか教えてくださいませんか。

B. 解決へ向かうためのつながりを強化するリクエスト:

6. 私のリクエストに同意いただくために、どんな情報が必要か教えてくださいませんか。

7. "yes” と言えないのは、あなたのどんな「必要」(価値、大切なこと)とぶつかるからなのか、教えてくださいませんか。

8. 私が言ったどの部分がお気に障ったのか、教えてくださいませんか。

9. 一緒に円満解決になる方法をいろいろ考えてみていただけませんか。

10. 私がそちらの提案を呑む以外に、なにかお互いにうまくいく方法があれば、教えてくださいませんか。

11. 私もあなたも満足する解決があると思っていらっしゃるかどうか、教えてくださいませんか。

Page 16: Basics of Nonviolent Communicationcompassionateparent.weebly.com/uploads/4/1/2/3/... · Basics of Nonviolent Communication 非暴力コミュニケーションの基礎 ミキ・カシュタン

©2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, [email protected], www.baynvc.org 訳:中川春野 Page 14 of 14 Please contact us if you would like to share with others. If we agree, please include copyright and contact information

従来のコミュニケーション・パターン 診断 – 批判、裁定、分析、比較、非難 : 相手が間違っているとか悪いとかほのめかす。(例)「気にしすぎよ。」 要求: 相手になにか頼むとき、実行されないと何らかの罰がある、と陰に陽にほのめかす。(例) 「このレポートをタイプしといて。時間までにできてないと怒るよ。」 当然の報い – 賞罰の正当化: ある行動はほめられ、ある行動は罰を受ける、とほのめかす。(例)「彼はあんなことをしたのだから、罰せられて当然だ」 責任回避: 自分がとった行動や感じる気持ちを、自分自身の「必要」以外のもののせいにする。

他人の行動:「レポートを時間までにタイプしなかったから、彼女を首にした。」 権威を持つ人からの指令: 「私は、上司に命令されたので、帳簿の収益額を偽造しました。」 組織の方針、ルール、規則: 「学校の方針なので、成績をつけるのを止められない。」 集団の圧力: 「仕事の後一杯やるのは、みんながやっているから。」 性別や年齢、社会的役割: 「仕事に行くなんてまっぴらだけど、一家の主だからやっているんだ。」

抑えきれない衝動: 「彼女を見ると、どうしてもちょっかい出したくなるんだ。」

診断、心理学的背景: 「私が子供たちに怒鳴るのは、崩壊家庭に育ったからよ。」 漠然とした形式的な力: 「(悪いやつらは)牢屋にぶちこまなきゃ、誰も安心して道を歩けやしない。」