三大災害撲滅 その1 墜落・転落災害編平成22年...
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(株)レンタルのニッケン編集・発行:品質技術部/営業支援部
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発行日/ 2012 年 2月 1 日
No.2 月号
2012年
122
0 300 600 900 1200 1500(人)
平成18年 計 1472人
計 1357人
計 1268人
計 1075人
計 1195人
508人
その他
平成19年 461人
平成20年 430人
平成21年 371人
平成22年 365人
林業 陸上貨物運送業 製造業建設業
三大災害撲滅 その1 墜落・転落災害編
目次contents
特集建設業における死亡災害発生状況三大災害撲滅運動 その1 ~墜落・転落災害の防止~墜落・転落災害を防止せよ
3月号の予告特集 三大災害撲滅 その1 墜落・転落災害編
三大災害撲滅その 2
2012年
平成22年の全産業における死亡災害の発生件数は前年より若干増加しましたが、建設業における死亡災害の発生件数は年々減少傾向にあります。しかし依然として、全産業における死亡災害の約3割を建設業が占めるなど業種別では極めて高い割合となっています。 そこで、建設業においてどのような死亡事故が多いか、「事故の型別発生状況」の過去5年間を調べてみたところ、例年同じような傾向となっています。平成22年を例にとると、①墜落・転落災害161人(全体の44.1%)、②建設機械・クレーン等災害53人(同14.5%)、③倒壊・崩壊災害29人(同8.0%)となっており、合計で全体の死亡者数(365人)の約3分の2となり「建設業の三大災害」と言われるゆえんです。
建設業における死亡災害発生状況
各団体の取り組み
出典:厚生労働省「労働災害発生状況」
参考:建設業労働災害防止協会 「建設業における死亡事故の工事の種類・ 災害の種類別発生状況」
産業別死亡者数(平成18年~22年)建設業 事故の型別発生状況(平成22年)
建設業における労働災害を減少させるには、これらの「三大災害」を削減させることが非常に重要となります。関係省庁、関係団体から建設業各社において広く「三大災害」対策の取り組みが行われています。 ここでは、その中でも代表的な取り組みについてご紹介します。
今月号の安全ニュースでは、「三大災害」のうち最多、死亡災害の44.1%を占める「墜落・転落災害」を特集しました。発生状況や実際に発生した事例から、作業シーン別の「墜落・転落災害」を防止するための具体的な対策方法など、「墜落・転落災害」削減のお役立ちができるような情報を記載しました。
建設機械・クレーン
「三大災害」で3分の2!!
倒壊・崩壊
その他 墜落・転落
目 標 平成24年に、平成19年比で死亡者数について20%以上・死傷者数について15%以上減少させる。
厚生労働省
建設業労働災害防止協会
第11次労働災害防止計画(平成20年度~ 24年度)
第6次建設業労働災害防止5カ年計画(平成20年度~ 24年度)平成23年度建設業労働災害防止対策実施事項
平成22年 墜落・転落災害死亡災害発生割合
建築工事62.3%
土木工事25.2%
その他の工事12.5%
工事の種類別
作業前の準備・各作業に共通する事項
足場からの墜落・転落防止
屋根・作業床・開口部からの墜落・転落防止
移動式足場使用時の墜落・転落防止
「働きやすい安心感のある足場」の設置
ローリングタワー はしご・脚立
安全帯幅木
安全ネット
手すり中さん 親網
開口部注意!
墜落・転落災害の防止のため、法令の改正やガイドラインの策定も行われています◎労働安全衛生規則の改正(平成21年6月1日施行)◎「手すり先行工法等に関するガイドライン」(平成21年4月24日付 基発第0424001号)…従来のガイドラインを廃止して新たに施行◎「足場先行工法に関するガイドライン」(平成18年2月10日付 基発第0210001号)
安全帯参考:職場のあんぜんサイト 「「労働者死傷病報告」による死傷災害発生状況」
人が樹木、建築物、足場、機械、乗物、はしご、階段、斜面等から落ちることをいう。乗っていた場所がくずれ、動揺して墜落した場合、砂ビン等による蟻地獄の場合を含む。車両系機械などとともに転落した場合を含む。交通事故は除く。感電して墜落した場合には感電に分類する。
三大災害撲滅運動 その1 ~墜落・転落災害の防止~
(厚生労働省「事故の型分類コード」より)
「墜落・転落災害」を起因物別に見てみると、その50%以上が「仮設物、建築物、構築物等」です。その原因も鉄骨・開口部・屋根など様々であり、最も注意が必要な作業です。次いで「物上げ装置、運搬機械」(トラック・フォークリフト等)、「その他の装置等」(はしご等)、「環境等」(法面や河川等)の順になっています。なお「動力機械」には建設機械ごと転落した場合が含まれるため、発生が報告されています。
~作業別のポイントの参考例~
トラックの荷台から油圧ショベルを降ろす際に転倒
鉄骨組立作業中に墜落
油圧ショベルが路肩から転落
法面から転落
脚立から転落
スレート屋根を踏み抜き墜落
場内での作業中に開口部に墜落ビルの窓ガラス
清掃中に墜落トラックの荷卸し作業中に荷台から落下
起因別仮設物、建築物、構築物等57.1%
物上げ装置、運搬機械12.9%
その他の装置等16.8%
環境等6.1% 動力
機械6.1%
その他…1.0%
全産業の51.3%ですが、死亡者数では全体の半数以上を建設業が占め、他業種より死亡災害の発生する確率が高くなっています。
建築工事が62.3%と最も高く、土木工事、その他の工事(電気通信工事・機械器具設置)の順となっています。
○わく組足場 「交さ筋かい」「下さん」「幅木」 「手すりわく」等の設置○それ以外の足場 「高さ85cm以上の手すり」「中さん」等の設置○物体の落下防止措置として「幅木」 「メッシュシート」「防網」の設置等
○当日の作業開始前に「手すり等の取りはずしや脱落の有無の点検」の実施○悪天候等後に実施する点検内容等の記録とその保存
○手すり据置き方式○手すり先送り方式○手すり先行専用足場方式
●作業主任者の選任・指揮および、能力向上教育 ●悪天候時の作業禁止 (参考:労働安全衛生規則522条)
強風:10分間の平均風速が毎秒10m 以上の風 大雨:1回の降雨量が50mm以上の降雨 大雪:1回の降雪量が25cm以上の降雪 中震以上の地震:震度階級4以上の地震
●足場からの墜落防止措置等の充実
●足場の安全点検等の充実
●安全帯の使用○作業の都合上、手すりや安全柵を取り外す際○材料の取り込み作業時
●歩み板・作業床の状況確認●飛び乗り等衝撃の禁止●安全な履物の使用
●昇降設備、作業床および手すり、中さん、幅木等の設置●作業者を乗せたまま移動させない ●脚輪のストッパーの使用
●丈夫な構造のものを 使用する●損傷・腐食の有無の確認
●公道に面した足場における落下防止措置 (朝顔・防護シート等)の設置
●作業指揮者の指名
●作業床や通路の整理整頓
●手すり先行工法の採用
※発生状況を分類コード別に見ると、全産業における発生件数は「転倒」に次いで2番目ですが、死亡者数では「墜落・転落」 災害が一番です。
建設業における発生件数
「工事の種類別」発生状況
「起因別」発生状況
建設業51.3%
製造業13.2%
商業7.4%
清掃・と畜7.4%
農林業…5.5%
その他15.2%
●墜落のおそれがある作業での作業床の設置
●安全帯の取付設備の設置、使用方法の周知 ○充分な強度・安全帯の取り付けが容易 ○点検者の氏名と点検の実施
●安全帯の取付設備の設置、使用方法の周知 ○充分な強度・安全帯の取り付けが容易 ○点検者の氏名と点検の実施
●開口部・作業床の端等での棚・囲い・手すり等の防護設備の設置及び点検
●高所作業時の作業手順の検討・作業者への周知徹底
●作業開始前点検の実施
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墜落・転落災害を防止せよ墜落・転落災害を防止せよ
●足場仮設工・撤去作業は非常に危険な作業であるため、熟練工の確保と作業時の安全の確保●大量な資材を置くための場所の確保●仮設工・撤去時のコストの削減●工期の短縮
無足場工法のメリット
解決すべき問題点
無足場工法を採用することにより、問題点を解決することができました。
●バスケット内という安定した場所での作業となったことで墜落・転落の可能性が低くなり安全が確保された●高齢化・未熟練工への対応ができた●足場仮設工・撤去作業に要していた 時間が短縮された●仮設費用の大半を占めていた人件費が大幅に削減された無足場工法による施工現場例(全景)
小型リフトでの屋内作業 ニッケンリフトでのパネル設置作業 ブームリフトでの鉄骨建方作業
無足場工法吊足場設置風景
在来工法
無足場工法の登場 建築現場では、現在よりもはるかに多くの重大事故があり尊い命が失われました。その原因の大半が墜落・転落・飛来・落下といった仮設足場にからんだ事故であり、改善と対策が求められました。この問題を解決すべく、高所作業車を使用して足場仮設工と撤去作業を省く工程とした「無足場工法」が登場しました。★高所作業車は、昭和 50 年代前半までは主に電気工事を中心に設備・塗装等の作業に補助的に使用される程度で、建築本体工事そのものに使用されることはほとんどありませんでした。★高所作業車を使用した無足場工法による施工が初めて行われたのは、昭和 52年のことと言われています。施工の詳細が専門誌に紹介されたことがその後の無足場工法の普及に大きな契機となり、今では一般的な工法として多くの現場で採用されています。