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¿À AF ^ BF@ しんろ原子力を考える 株式会社 BWR 運転訓練センター 代表取締役社長 中尾 ……… 2 マンスリーレポート持ち直しの動きに 拡がりが見られない県内経済 ……… 4 調 一部に回復の動きみられるものの 足取り重い県内経済 -平成16年度上期の県内景気見通し調査- …… 10 歴史にみる激動期の経営者 作家 童門 冬二 …………………………………………… 27 シリーズ企業訪問トキワ印刷株式会社 「環境世紀」への対応、そして挑戦 …… 36 美を訪ねて第17回 北の造形詩 -若松光一郎 40 …………………………福島県立美術館長 酒井 哲朗 企業法務セミナー短期賃貸借制度廃止と建物明渡猶予制度 46 ……………………………………… 弁護士 渡辺 健寿 知的財産権セミナー特許と商標の国際的な権利取得 48 …………………水野特許商標事務所 所長 水野 博文 税務É財務相談 QA 50 …… 企業組織再編成に係る税制(合併)について(その1) 55 ……………地方経済天気図 57 ……………福島県景気動向指数 58 ……………経済日誌 59 ……………資料紹介 60 ……………主要経済指標 本誌は自然保護のため、リサイクルペーパーを使用いたしております。

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目 次

�目 次����4 ����

【しんろ】

原子力を考える株式会社 ���運転訓練センター 代表取締役社長 中尾 昇……… �

【マンスリーレポート】

持ち直しの動きに拡がりが見られない県内経済……… �

【調 査】

一部に回復の動きみられるものの足取り重い県内経済

-平成16年度上期の県内景気見通し調査-…… ��

【講 演】

歴史にみる激動期の経営者作家 童門 冬二…………………………………………… ��

【シリーズ企業訪問】

トキワ印刷株式会社 「環境世紀」への対応、そして挑戦…… ��

【美を訪ねて】

第17回 北の造形詩-若松光一郎��…………………………福島県立美術館長酒井 哲朗

【企業法務セミナー】

短期賃貸借制度廃止と建物明渡猶予制度�� ………………………………………弁護士 渡辺 健寿

【知的財産権セミナー】

特許と商標の国際的な権利取得�� …………………水野特許商標事務所 所長水野 博文

【税務�財務相談 �&�】

� ……企業組織再編成に係る税制(合併)について(その1)

……………地方経済天気図

� ……………福島県景気動向指数

�……………経済日誌

……………資料紹介

��……………主要経済指標

本誌は自然保護のため、リサイクルペーパーを使用いたしております。

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原子力を考える

�� ��

��

なかお のぼる

株式会社���運転訓練センター

代表取締役社長

大熊町

■■

� 福島の進路16.4

しんろ

昨年9月の新聞に「1977年当時、米国は

日米関係の悪化を恐れ、核燃料再処理を容

認した。」という記事が出ました。これは

秘密解除された米国政府文書から明らかに

なったものです。

当時、カーター大統領は、核不拡散を重

視する政策を発表し、東海村の再処理工場

稼動に反対でした。しかし、「日本はエネ

ルギー危機に見舞われており、再処理に死

活的利益がかかっているとみている点に配

慮すべきである。」というマンスフィール

ド駐日大使の提言を受け入れたということ

です。

なぜ再処理(核燃料サイクル)が日本に

とって「死活的」なのでしょうか?

それを理解するためには、日本のエネル

ギー事情について知る必要があります。現

在、わが国では石油などの化石燃料に80%

以上も依存しています。そして、エネル

ギー自給率は4%にしかなりません。

わが国では農業も多くの課題を抱えてい

ますが、食料の方は何とか頑張って自給率

40%を守っています。農業は自国に生産者

が存在しているのですが、エネルギーは外

部からの供給がないと生産できないという

のが大きな違いです。そして、外部すなわ

ち輸入先は石油の場合、80%が政情不安定

な中東に偏っています。大切なエネルギー

資源は安定した供給に支えられるべきであ

りますが、そのことは1970年代のオイル

ショックで身にしみています。

このような観点から、原子力によるエネ

ルギー安定供給ということが考えられ、我

国では一貫して原子力平和利用を国策とし

て進められてきたわけです。

そして、原子力を�準国産エネルギー�

として勘定に入れると、エネルギー自給率

はやっと20%程度にすることができます。

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�福島の進路16.4

しんろ

ですから、今や原子力発電は我国の重要な

基幹エネルギーと呼べるまでに成長してき

たといえます。

それでは、原子力はなぜ準国産といえる

のでしょう。それは次の利点があるからです                   。

① 少ない燃料で大きな発電量が得られ、

備蓄に適している。

重さでいうと石油の6万分の1の燃料

で同じ量の電力が得られる。

② 核燃料サイクルを完成させれば、燃料

のウランを節約できるとともに新たなプ

ルトニウムという国産燃料を生み出すこ

とができる。

つまり、原料のウランこそ輸入に頼らざ

るを得ませんが、一たび核燃料サイクルが

完成すれば、もとのウランから発電しつつ

新たな燃料も生み出せ、適切な備蓄のもと

に長期間持続的に運転できるのです。

原子力については、特に最近�自主点検

等に係る不正問題�が明らかになるという

事もあり、メディアをはじめとする風当り

は厳しさを増しています。しかし、我国の

先人達は1953年のアイゼンハワー大統領の

歴史的な「アトムズ�フォー�ピース」演

説以来、50年にわたって幾多の困難を乗り

越え、やっと、ここまでやってこられたの

です。

我々一般住民の立場からは、エネルギー

問題や時として生じる不祥事について、適

切に判断したり評価したりする事は、相当

に難しいと言わざるを得ません。これは学

校教育においても殆ど触れられなかった分

野であるだけに、致し方なしという側面も

あります。しかし、子や孫の世代にまで及

ぶ大切な事柄であるがゆえに、少なくとも

偏見や誤解による判断だけは避けるよう、

努力する必要があるのではないでしょうか。

たとえば、プルサーマルについても大き

な論議を呼んでいます。これは核燃料サイ

クルの第一歩ともいえるもので、発電所か

ら取り出した燃料を再処理し、そこで取り

出したプルトニウムを再び燃料に加工して

燃やす事をいいます。プルトニウムを燃や

す事自体は、科学技術的には特段の問題で

はなく、現にいまの発電所の出力の30%は

プルトニウムの燃焼によっているのです。

これは一般住民の立場では、果たして安全

なのか判断できかねるものの代表例でしょ

う。このような場合にも風潮に巻き込まれ

ず、適切な判断材料を基に自分の評価とい

うものを打ち出す、という姿勢が大切なの

ではないでしょうか。

我が福島県は、10基の原子力発電所を有

する世界有数の立地県となっています。残

念なことに、いまだに風評被害が残ってい

るようです。私たちも、それらに負けず原

子力を理解し、より身近な物と感じ、県の

名産は「原子力の電気」と胸を張って郷土

自慢できるような原子力であってほしいと

常々思っています。

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マンスリーレポート�マンスリーレポート�

持ち直しの動きに拡がりが見られない県内経済県内経済は、製造業の一部や雇用情勢などで改善の動きが続いている。しかし個人消費や

住宅建設、公共投資など需要面で低調に推移しており、総じて厳しい状況にある。個人消費をみると、1月の大型小売店販売額は、百貨店・スーパーとも前年を下回り、全

体では14ヵ月連続の前年割れとなった。2月の乗用車新車登録台数は、大型車や軽自動車の売れ行きが好調なことから前年を上回った。投資動向では、2月の公共工事前払保証取扱いは、県、市町村などからの発注減の影響で、件数・請負金額とも前年を下回った。1月の新設住宅着工戸数は、持家・分譲で前年割れとなり、全体では4ヵ月連続で前年を下回った。2月の生産活動は、デジタル家電関連産業を中心に好調な生産が続いているが、繊維や食

料品などの業種では、国内需要の低迷から依然として厳しい状況が続いている。2月の企業倒産は、倒産件数、負債金額とも前年を上回った。また1月の有効求人倍率は、

前年比で0.16ポイント上昇し、改善の動きが続いている。

個人消費 東北経済産業局の速報による

と、1月の県内大型小売店の販売額は、

209億26百万円で前年同期比2.5%減(店

舗調整済)となり、14ヵ月連続で前年を

下回った。また、2月の乗用車新車登録

台数(軽自動車含)は、7,113台で同1.7

%増と3ヵ月連続で前年を上回った。

3月の家電量販店では、薄型テレビや

���レコーダーが好調、また入進学�

就職シーズンを迎え白物家電も堅調。

生産活動 デジカメや���レコーダー、

カメラ付き携帯電話などデジタル家電や

情報通信関連の業種では、引き続き好調

な生産が続いている。また、鉄鋼や紙製

品などの業種では、堅調な生産が続いて

いるものの、原材料の値上がりにより収

益確保が厳しくなってきている。一方、

ニットや清酒などの地場産業や建設関連

業種では、国内需要の低迷等により厳し

い状況が続いている。

企業経営 内閣府が発表した2001年度の

県民経済計算によると、全県の平均所得

(雇用者所得、利子配当、企業所得を住

民数で除したもので、各都道府県の経済

全体の所得水準を表す)は、297万1千

円で前年度比129千円の減少となった

(岡山県を除く46県で減少)。県別に見る

と、福島県の一人当たりの県民所得は、

274万8千円と前年度比3.8%減少し、全

国で24位(前年度24位)となった。

トピックス 福島県知的クラスター形成

事業の一環として、県内の企業や大学と

スウェーデンの企業や大学との間で進め

ている医療�福祉分野での共同研究、開

発事業が、日本貿易振興機構(ジェトロ)

の��(ローカル�トゥー�ローカル)

事業に今般採択された。期間は、平成16

年度からの3年間で、ミッション団の相

互派遣などを行い、新たな産業創出を目

指している。

� 福島の進路16.4

マンスリーレポート

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�福島の進路16.4

マンスリーレポート

―― 消 費 動 向 ――

大型小売店 東北経済産業局の速報による

と、1月の県内大型小売店の販売額は、209

億26百万円で前年同月比2.5%減と、14ヵ

月連続で前年割れとなった。業態別にみる

と、百貨店では暖冬から冬物商品が低調に

推移したため、「衣料品」が前年同期に比

べ1.2%減となったうえ、「飲食料品」も同

3.6%減となり、全体では46億17百万円で同

1.5%減となった。スーパーでは、「衣料品」

が前年同期比5.0%減となり、また主力の

「飲食料品」も同1.5%減と低迷、全体では

163億8百万円で同2.8%の減となった。

3月の家電量販店では、薄型テレビ、

���レコーダーなどの売上げが好調に推

移している。また、入進学�就職シーズン

を迎え、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レ

ンジなど白物家電も順調な売れ行きをみせ

ている。

-20

-10

10

20

スーパー等 ↓

(%) 大型小売店販売額(店舗調整済)

(前年同月比伸び率)

2 3 4 5 7 8 8 9 10 9 10 6 1 1 12 12 11 11

↑ 百貨店

14年 15年 16年

(資料:経済産業省)

乗用車販売 2月の乗用車新車販売登録台

数(軽自動車含)は、7,113台で前年同月

比1.7%増と3ヵ月連続で前年を上回った。

車種別では、大型車はモデルチェンジ効果

により7ヵ月連続で前年同月を上回ったの

に対し、主力の中小型車は昨年度大幅に伸

びた反動もあり、8ヵ月連続で前年同月を

下回るなど低迷している。一方、軽乗用車

は5ヵ月連続で前年を上回った。

(台)� (%)�乗用車新規登録台数�

0�

3,000�

6,000�

9,000�

12,000�

15,000�

-20�

-10�

0�

10�

20�

30�

12�11�10�3�4�5�6� 8�9�7�2� 2�1� 1�

15年� 16年�

←前年同月比�(右目盛)�

(資料:県自動車販売店協会)

消費者物価指数 1月の消費者物価指数は、

総合指数(平成12年=100)が97.8となり、

前月比±0、前年同期比0.2ポイントの下

降となった。10大費目の動向では、「食料」

が98.8で前月比2.1ポイント上昇した。一

方、「保健医療」が103.7で同0.2ポイント、

「住居」が102.8で同0.3ポイント、「光熱�

水道」が98.7で同0.4ポイント、「交通�通

信」が97.4で0.4ポイント、「教養�娯楽費」

が90.7で同1.0ポイント、「被服�履物」が

88.6で同3.9ポイント下降した。

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� 福島の進路16.4

マンスリーレポート

―― 交通・レジャー動向 ――

高速道路 日本道路公団によると、2月の

磐越自動車道5料金所の利用台数は、合計

385,390台で前年同月比0.2%減となり、前

年を下回った。料金所別にみると、猪苗代

磐梯高原が106,103台(同0.7%増)、磐梯

河東が95,462台(同0.2%増)、会津若松が

135,885台(同0.1%増)、会津坂下が32,566

台(同5.6%減)、西会津が15,374台(同0.6

%減)となった。

消費者物価指数�(総合指数 平成12年=100)�

97.0

98.0

99.0

100.0

2� 4�5� 7�8�6�3�1� 1�12� 12�11� 11�10� 10�9�

14年� 15年� 16年�

全 国�↓�

↑�福島県�

(資料:県企画調整部 情報統計領域)

ゴルフ場 県内41ゴルフ場(前年比2ヵ所

減)の2月の利用者数は、42,264人で前年

同月比13.3%増となり、4ヵ月連続で前年

を上回り、このところ回復の兆しがみられ

る。当月は、いわき地区を中心に浜通りの

ゴルフ場が軒並み前年を上回る入込みをみ

せており、その結果、全体の利用者数増加

に繋がったものと思われる。また当月の利

用者数が、前年同期を上回ったゴルフ場は

前月と同じ18ヵ所となっている。

―― 投 資 動 向 ――

公共工事 2月の公共工事保証取扱いは、

件数231件(前年同月比21.7%減)、金額17

億55百万円(同33.1%減)、保証対象であ

る請負金額は43億56百万円(同35.6%減)

となった。請負金額の内訳をみると、前年

同月に比し、国が16億円(29.4%減)、県

が24億円(49.7%減)、市町村が25億円

(24.3%減)減少したが、特に県の減少幅

が大きくなっている。

前年同月比�(右目盛)�↓�

3�4�5�6� 8�9� 9�7�2� 2�1� 1�12� 12�11�10� 11�10�

(億円)� (%)�公共工事前払金保証実績�

14年� 15年� 16年�

0�

50�

100�

150�

200�

250�

-80�

0�

80�

(資料:東日本建設業保証�株)

住宅建設 1月の県内新設住宅着工戸数は

821戸で前年同月比7.5%減と4ヵ月連続で

前年を下回った。貸家(同9.5%増)は前

年を上回ったが、持家(同5.9%減)、分譲

(同47.1%減)は減少した。着工件数を都

市別にみると、喜多方、原町、相馬、白河

の4市が前年同月に比べ増加した。利用関

係別にみると、「持家」では会津若松、相

馬、「貸家」では福島、相馬、白河、「分譲」

では、郡山の各市が前年同月を上回った。

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�福島の進路16.4

マンスリーレポート

―― 生 産 活 動 ――

窯業・土石 2月の生コンクリート出荷量

は、125,642�(前年同月比13.0%増)と

なり、10ヵ月連続で前年同月を上回った。

地区別にみると、県北が同18.1%減、県中

が同84.8%増、白河が同0.6%減、会津が

同84.8%増、相双が同31.5%減、いわきが

同61.8%増となっている。

11�2�3�4�5� 7�8�9�6�1� 1�12�10�

(戸)� (%)�新設住宅着工�

15年� 16年�

↑�前年同月比�(右目盛)�

500�

0�

1,000�

1,500�

2,000�

-60�

-40�

-20�

0�

20�

40�

60�

80�

(資料:国土交通省)

清酒 1月の清酒移出量は、1,239�(前

年同月比8.8%減)と消費者の嗜好の変化な

どから、清酒需要は減少傾向にあり、5ヵ

月連続で前年を下回った。内訳をみると、

一般酒は894�(同8.8%減)、特定名称酒は

345�(同8.9%減)でともに前年を下回った                   。

好調を保っていた吟醸酒(特定名称酒)も

前々月(15年11月)に続き前年割れとなった。

化合繊織物 2月の化合繊織物の生産は、

国内需要の低迷に加え海外製品との競合が

厳しくなっており、前年を下回った。

12� 12�11� 11�10�9�8�1�2�3�4� 6�7�5�

鉱工業生産指数(全国、東北との比較)�(季調済 平成12年=100 ※東北値は平成7年=100)�

15年�

福島県�↓�

↑�全 国�

東 北�↓�

90�

100�

80�

110�

120�

130�

14年�

(資料:県企画調整部 情報統計領域)

ニット 2月のニットは、夏物製品の生産

がピークを迎え、生産量は前年並みの水準

で推移した。新たなマーケットとして海外

市場の開拓やアパレル向け製品情報の発信

など積極的な動きがみられた。

木材・木製品 12月の県内木材6市場の製

材品入荷量は、2,272�となり、販売量は

1,771�となった(平成15年3月より調査

対象市場が変更となったため、前年比は未

記入)。また、県内9市場の素材入荷量は

20,932�(前年同月比8.7%増)となり、

販売量は21,353�(同9.8%増)となった。

紙・紙加工品 2月の段ボールケース等の

生産は、農作物およびギフト向け製品が終

了、 ��向け及び食品向け製品が中心となっ

ている。デジタル家電の好調な販売を受け、

生産は堅調に推移している。また感熱紙の

生産は、前年同期を上回ったが、ノーカー

ボン紙、インクジェット紙は内外の需要の

低迷により前年割れとなった。

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� 福島の進路16.4

マンスリーレポート

化学 2月のセラミックコンデンサー材の

生産は、デジタル家電が好調なことから、

前年に比べ倍増した。またリチウムイオン

電池の正極材の生産も、デジタルカメラや

携帯電話など好調な販売が続いていること

から、前年を上回る水準で推移した。

鉄鋼・金属 2月の伸銅品の生産は、半導

体向け電子材が好調で前年を上回ったが、

自動車向け端子材は、横這いで推移した。

また、鋳物品は、好調が続いたトラック

向けが、例年並みの水準に落ち着きつつあ

る。一方、建機関係は輸出向けが好調なこ

とから前年を大きく上回る勢いで推移して

いる。鉄道車両も更新需要により順調な生

産が続いている。

↑�繊維�

機械�↓�

化学�↓�

食料品�↓�

12� 12�11� 11�10�9�8�2�3�4� 6�7�5�1�

15年�14年�

70�

120�

130�

110�

100�

90�

80�

県内鉱工業生産指数�(季調済 平成12年=100)�

(資料:県企画調整部 情報統計領域)

電気機械 2月の配電盤�変圧器の生産は、

民間企業向けの需要が上向き始めたことを

受け、前年をやや上回る水準で推移した。

また、海外(中国)からの変圧器の新規受

注などもあり、生産拡大に向け明るい兆し

も見られた。

輸送用機械 2月の自動車部品の生産は、

前年をやや上回る水準で推移した。中小型

トラック向け部品の生産は伸び悩んだもの

の、乗用車向け部品の生産は好調に推移し

た。特に、北米向けの生産が好調となって

いる。

精密機械 2月の医療用精密機械の生産は、

国内向けが前年を上回ったが、海外向けは

需要が一巡傾向にあり、横這いで推移した。

また、カメラ部品は、デジタルカメラ向

け製品の生産が、好調に推移しているもの

の、新商品開発や価格を巡り、一段と競争

が厳しさを増している。

1� 1�2�3�4�5� 7�8�6�12� 12�11� 11�10�9�

� (%)�大口電力使用量�

15年�14年� 16年�

前年同月比�(右目盛)�↓�

106 kw/h (%)�

350�

500�

450�

400�

-10�

5�

10�

0�

-5�

15�

(資料:東北電力福島支店)

大口電力 1月の大口電力販売量は、451

百万�/�(前年同月比4.3%増)となり、

5ヵ月連続で前年を上回った。主な販売先

の増減をみると、「電気機械」103百万�/�

(同5.6%増)、「非鉄金属」60百万�/ �

(同8.6%増)、「化学」58百万�/�(同7.1

%増)、「輸送用機械」44百万�/�(同0.4

%増)などとなっている。

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�福島の進路16.4

マンスリーレポート

―― 金 融 動 向 ――

資金需要 県内金融機関(全国銀行、第二

地銀、信用金庫、信用組合)の1月末の預

金残高は5兆9,941億34百万円で前月比645

億39百万円(1.1%減)と3ヵ月ぶりに前

月を下回った。また、前年同月比では682

億19百万円(1.2%増)となり、9ヵ月連

続で前年を上回った。

貸出残高は、3兆9,532億7百万円で前

月比43億65百万円(0.1%増)と2ヵ月連

続で前月を上回った。また前年同月比では

437億77百万円(1.1%減)となり、25ヵ月

連続で前年を下回った。

前年同月比→�(右目盛) �

(百万円)� (%)�

14年� 16年�15年�

2�3�4�5� 7�8�6�1� 1�12�11� 12�11�10� 10�9� 9�

不渡手形金額�(県内4手形交換所)�

0�

200�

400�

800�

600�

1,000�

1,200�

0�

-50�

-100�

50�

100�

150�

200�

250�

300�

(当研究所調べ)

保証協会 1月の保証承諾は、件数1,031件

(前年同月比34.1%増)、保証金額94億49百

万円(同56.2%増)となった。また、1月中

の代位弁済は、件数47件(同24.2%減)、金

額4億13百万円(同42.8%減)となった。1

月末時点での保証債務残高は、件数35,015

件(同6.6%減)、金額2,493億40百万円

(同2.5%減)となった。

―― 企業動向・雇用動向 ――

企業倒産 2月の企業倒産(負債総額10百

万円以上)は、件数16件(前年同月比6.7

%増)、負債金額40億73百万円(前年同月

比1.9%増)となった。倒産件数は6ヵ月

ぶりに前年同月を上回った。負債金額は大

型倒産の発生及び倒産件数の増加から、前

年同月を上回った。倒産件数を地区別にみ

ると、県北5件、県南7件と当月は中通り

地区に集中した。また業種別では、個人消

費の低迷を反映し、小売業の倒産が6件で

11ヵ月ぶりに最多業種となった。

12�11�10�3�4�5�6� 8�9�7�2� 2�1� 1�

(億円)� (件)�

15年� 16年�

県内企業倒産�(負債額1,000万円以上)�

150�

100�

250�

200�

300�

50�

0� 0�

10�

20�

30�

40�

50�

件 数�(右目盛)�↓�

(資料:帝国データバンク福島支店)

雇用動向 1月の有効求人倍率(季節調整

済、パート含)は、0.71倍と前年比で0.16

ポイント上回ったが、前月比では0.01ポイ

ント下回った。

新規求人数は11,105人で、前年同月比

11.1%増と19ヵ月連続で前年を上回った。

前年同月を上回る業種が、「製造業」、「サー

ビス業」に加え、「運輸�通信業」など他

の業種にも広がりがみられた。

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調 査

�一部に回復の動きみられるものの足取り重い県内経済

―平成16年度上期の県内景気見通し調査―

日本経済の現況は、企業業績の回復や好調な輸出を背景として持ち直しの動きが続いている。これを裏付けるように3月に内閣府が発表した平成15年10-12月期の国内総生産(���、季節調整値)改定値は、実質で前期(7-9月期)比1.6%増、年率換算では、6.4%増となり4四半期連続でプラス成長となった。米国経済の景気回復を起点として、大企業、製造業主導で回復を辿ってきた国内景気も、ここにきてようやく中堅�中小企業や非製造業にも広がりを見せてきており、更なる拡大が期待されるところである。また、昨年来株価も安定的に推移しており、低迷を続けていた地価にも都心部では下げ止まり感がみられ、長らく続いた資産デフレからの脱却の気配が感じられる。資産価格をめぐるこうした動向は、企業収益の安定化をもたらす要因となるものと思われる。今回の景気回復が本格化するかどうかの焦点は、現在の牽引役である企業部門に加え国内需要の主柱となる家計部門にもはっきりとした形が表れてくるかどうかにある。そういった意味で、今後所得や雇用の一層の改善がより重要になると思われる。県内経済をみると、需要面では個人消費の動きも弱く、住宅建設や公共工事は低調に推移

している。生産面をみると、デジタル家電や情報通信関連の業種では、好調な生産を続けているところもあるものの、食料品や繊維などの地場産業や建設関連の業種では、需要の低迷から厳しい状況が続いている。雇用面では、改善基調にはあるものの、全国平均に比べまだ低い水準にある。こうした中、当研究所では今般県内企業の平成16年度上期の景気見通しについてアンケー

ト調査を実施した。本調査は県内の850社を対象とし、429社から回答を得た2月時点の「平成16年度上期景気見通しアンケート調査」の結果を「���(業況判断指数)」中心にまとめたものである。

●調査要領1.調査方法 多項目アンケート調査郵送法2.調査対象 県内企業850社3.回答企業 429社(回収率50.5%)4.調査時期 平成16年2月

(前回調査:平成15年8月)5.調査対象期間

15年度上期:平成15年4月~15年9月期この期間は「実績」と記載。

15年度下期:平成15年10月~16年3月期この期間は「現況」と記載。

16年度上期:平成16年4月~16年9月期この期間は「見通し」と記載。

注:���(ビジネス�サーベイ�インデックス)���とは景気動向調査における企業の景気

判断を指数にしたもので、「上昇」、「増加」または「過剰」と答えた企業の割合から「下降」、「減少」または「不足」と答えた企業の割合を引いた値である。

業 種 回答企業数 構 成 比製 造 業 208社 48.5%

飲 食 料 品 30 7.0繊維�繊維製品 23 5.4木材�木製品 10 2.3紙�紙加工品 10 2.3化 学 13 3.0窯業�土石製品 24 5.6鉄鋼�非鉄金属製品 18 4.2一 般 機 械 13 3.0電 気 機 械 8 1.9情報通信機器 8 1.9電子部品�デバイス 6 1.4輸送用機械 11 2.6精 密 機 械 8 1.9その他製造業 26 6.1

非 製 造 業 221 51.5建 設 業 48 11.2運 輸 業 18 4.2通 信 業 5 1.2卸�小売業 99 23.1サービス業 37 8.6その他非製造業 14 3.3

全 産 業 計 429 100.0

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� �

��福島の進路16.4

調 査

図1 県内企業の景気判断 ���推移(全産業)

△90�

0�

90�

4年度上期�

5年度上期�

6年度上期�

7年度上期�

8年度上期�

9年度上期�

 年度上期�

 年度上期�

 年度下期�

12�  年度上期�

14� 年度下期�

14� 年度上期�

15� 年度下期�

15  年度上期�

16 年度下期�

 年度上期�

13�13� 年度上期�

3年度下期�

4年度下期�

5年度下期�

6年度下期�

7年度下期�

8年度下期�

9年度下期�

 年度下期�

 年度下期�

10�10�11�11�12�

国内景気�所属業界�自企業�

※国内景気、所属業界:15年度下期以前は調査時点の現況、16年度上期は見通し※自企業:8年度上期以前は調査時点の現況、8年度下期から15年度上期は再調査した実績、15年度下期は現況、

16年度上期は見通し

〇県内企業の景気判断県内企業における自企業の景気判断���

は15年度下期現況が△23となり、15年度上期実績(△18)比では5ポイント下降、前回調査における15年度下期見通し(△19)比では4ポイント下降となり、景気回復の足取りが重いことを示す結果となった。一方、16年度上期見通し���は△16と現

況比7ポイント増加し、来期の業況については回復に向かう見通しとなった。産業別にみると、製造業が△15と現況(△22)比7ポイント上昇し、非製造業が△17と現況(△24)比7ポイントの上昇となり、それぞれ回復に向かう見通しとなっている。〇設備投資計画16年度上期に設備投資計画のある企業は、

163社で回答企業全体の38.0%にとどまり、15年度下期の実施企業数180社(42.0%)と比較して17社減少した。これは、県内企業の業況回復の足取りが重く、収益環境が依然厳しいことから、設備投資を最小限にとどめたり、投資を見合わせる企業が多くなっているためと思われる。一方、平成16年度上期の設備投資計画

額は、「電子部品�デバイス」、「化学」、「紙�紙加工品」などで増加し、全体では、282億23百万円となり、15年下期実績を5.5%上回り、3期連続して増加する見通しとなった。設備投資の目的は、設備の更新が半数以上を占め、新分野�新規事業や増産�販促といった前向きな設備投資は後退する結果となった。〇雇用の状況全産業の雇用の過不足���は±0となり、

前回8月の調査時(+10)より10ポイント下降した。業種別にみると、製造業では「管理�事務部門」でやや過剰感があるものの、「技術�研究部門」、「営業�接客部門」で不足感が強まっている。また、非製造業では「管理�事務部門」で過剰感があり、「営業�接客部門」で不足感が強まっている。平成15年4月と比較した平成16年4月の

雇用総数増減の見通し���は△7となり、前回調査時(△9)と比較して総人員は若干増加する見通しである。県内企業では、正社員を削減し、パートを増加させるといった動きが依然として続いている。

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調 査

Ⅰ 国内、所属業界の景気判断

1.国内の景気

15年度下期現況における国内景気判断

���は△8と15年度上期実績(△29)と比

較して21ポイント上昇した。また、16年度

上期の見通し���は+2で、現況比10ポイ

ント上昇し、平成8年上期以来8年ぶりに

プラスに転じるなど、企業業績の回復を背

景に、景気回復が着実に進んでいることを

裏付ける見通しとなった(表1)。

表1 国内と所属業界の景気判断

13年度下期

 実績※1

14年度上期

 実績※1

14年度下期

 実績※1

15年度上期

 実績※1

15年度下期

 現況※2

16年度上期

  見通し

国内景気 全 産 業 △ 80 △ 39 △ 58 △ 29 △ 8(△17) 2

製 造 業 △ 68 △ 36 △ 52 △ 37 △23(△25) △ 19所属業界の 景 気 非製造業 △ 74 △ 59 △ 62 △ 50 △46(△40) △ 36

※1:調査時点の現況を使用※2:15年度下期現況の( )内は前回調査の見通し

2.所属業界の景気

15年度下期現況(以下、現況と記載)の

業界景気判断���は製造業が△23、非製造

業が△46となり、15年度上期実績(製造業

△37、非製造業△50)と比較していずれも

改善した。また、16年度上期の見通し���

は、製造業△19、非製造業△36となり、製

造業、非製造業とも引き続き改善の動きを

示している(表1)。

図2 自企業の景気判断 ���推移(全産業)

 年度上期�

14� 年度下期�

13� 年度上期�

13�  年度上期�

16� 年度下期�

15� 年度上期�

15� 年度下期�

14�△70�

△53�

△38�△36�

△20� △18�

△23�△24�

0�

50�

(上 昇)�

(下 降)�

現況・実績BSI※�見通しBSI(下線)�

△36�

△19� △16�

△47�

△22�

△44�

※13年度上期から15年度上期は再調査した「実績」、15年度下期は現況。なお、以下図3~図6についても同様。

Ⅱ 自企業の判断

1.景気判断

自企業の現況の景気判断は△23となり、

前回8月調査の15年度下期見通し(△19)

と比較して4ポイント下降した。さらに15

年度上期実績(以下、実績と記載)△18と

比較しても5ポイント下降した。一方、16

年度上期見通し(以下、見通しと記載)は

△16と改善の見通しである(図2)。

�1 現況(平成15年度下期)

全産業の現況���は△23となり、15年上

期実績(△18)および前回昨年8月調査の

15年下期見通し(△19)よりも下降すると

いう結果となった。

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表2 自企業の景気判断(上昇・下降)���

13年度下期

 実績※1

14年度上期

 実績※1

14年度下期

 実績※1

15年度上期

 実績※1

15年度下期

 現況※2

16年度上期

  見通し

全 産 業 △ 38 △ 36 △ 20 △18(△28) △23(△19) △ 16

製 造 業 △ 45 △ 31 △ 22 △14(△21) △22(△17) △ 15

飲 食 料 品 △ 26 △ 35 △ 28 △11(△22) △27(△19) △ 13

繊維�繊維製品 △ 50 △ 39 △ 45 △52(△59) △48(△41) △ 31

木 材�木 製 品 △ 54 △ 45 0 △10( 0) 0( 13) △ 10

紙�紙 加 工 品 △ 45 0 △ 20 10(△10) 0(△20) 20

化 学 △ 7 8 0 23(△ 8) 0( 0) △ 8

窯業�土石製品 △ 48 △ 58 △ 55 △59(△68) △44(△41) △ 52

鉄鋼�非鉄金属製品 △ 42 △ 29 △ 16 △11( 0) △17( 11) 0

一 般 機 械 △ 27 △ 31 △ 33 △15(△11) △15(△22) △ 8

電 気 機 械 △ 72 △ 29 0 0( 0) 0(△15) 13

情報通信機器※ 3 - - - 50( -) △13( -) 0

電子部品�デバイス ※ 3 - - - 33( -) 50( -) 0

輸 送 用 機 械 0 0 14 45( 7) △36(△14) △ 27

精 密 機 械 △ 57 0 15 △14( 46) △13( 8) 0

その他製造業 △ 75 △ 60 △ 40 △35(△48) △35(△24) △ 15

非 製 造 業 △ 30 △ 41 △ 19 △22(△36) △24(△20) △ 17

建 設 業 △ 23 △ 59 △ 36 △40(△50) △40(△43) △ 51

運 輸 業 △ 13 △ 50 0 △19(△21) △17(△14) 0

通 信 業※ 4 - - △ 33 △21( 0) △29( 0) 0

卸 � 小 売 業 △ 44 △ 41 △ 18 △20(△41) △20(△17) △ 20

サ ー ビ ス 業 △ 28 △ 32 △ 11 △25(△20) △22(△ 3) △ 8

その他非製造業 31 0 0 3(△ 9) △14(△27) △ 11

※1:再調査した実績、( )内は前回調査の現況※2:( )内は前回調査の見通し※3:情報通信機器、電子部品�デバイスは、15年度上期より電気機械より分離して集計のため、

以前の実績値なし※4:通信業は、14年度下期より運輸業より分離して集計のため、以前の実績値なし

��福島の進路16.4

調 査

業種別にみると、マイナス幅が大きいの

は、製造業では「繊維�繊維製品」(△48)、

「窯業・土石製品」(△44)、「輸送用機械」

(△36)となっており、非製造業では「建設

業」(△40)、「通信業」(△29)となっている                   。

また、実績と比較して悪化幅が大きいの

は、製造業では、「輸送用機械」(実績比81

ポイントの減)、「情報通信機器」(同63ポ

イントの減)、非製造業では「その他非製

造業」(同17ポイントの減)となった。逆

に、実績と比較して現況が上昇した業種は、

製造業では「電子部品�デバイス」(同17

ポイントの増)、「窯業�土石製品」(同15

ポイントの増)、「木材�木製品」(同10ポ

イントの増)、非製造業では「サービス業」

(同3ポイントの増)となった(表2)。

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表3 製造業の実績・現況・見通し ���〔受注高(増・減)、生産高(増・減)、売上高(増・減)、在庫(過剰・不足)〕

受 注 高 生 産 高 売 上 高 在 庫

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

製 造 業 △15 △18 △15 △11 △15 △14 △15 △19 △15 8 5 4

飲 食 料 品 △11 △25 △14 △3 △17 △10 0 △19 △11 17 10 3

繊維�繊維製品 △59 △23 △ 9 △67 △19 △14 △64 △27 △18 △14 △23 △18

木 材�木 製 品 △10 △30 0 △20 △20 10 △20 △30 10 △10 20 10

紙�紙 加 工 品 △20 △30 10 △20 △30 10 △20 △30 10 20 10 0

化 学 18 0 △ 9 15 8 △ 8 23 △ 8 0 0 0 △15

窯業�土石製品 △52 △39 △65 △54 △50 △54 △57 △35 △65 25 0 17

鉄鋼�非鉄金属製品 △18 △12 △18 △22 △11 △17 △24 △18 △24 △12 0 △ 6

一 般 機 械 △31 0 8 △ 8 △15 8 △ 8 △15 8 8 0 0

電 気 機 械 25 0 △13 25 25 △25 0 13 △25 38 50 38

情 報 通 信 機 器 25 △13 0 38 △13 0 25 △13 0 0 0 0

電子部品�デバイス 20 60 0 17 50 0 20 40 0 0 △20 20

輸 送 用 機 械 55 △36 △36 64 △18 △36 64 △18 △36 △ 9 △ 9 △ 9

精 密 機 械 38 50 13 38 38 13 38 38 13 13 13 13

そ の 他 製 造 業 △32 △32 △12 △12 △23 △12 △39 △40 △12 20 24 20

�� 福島の進路16.4

調 査

�2 見通し(平成16年度上期)

全産業の見通し���は△16となり、現況

(△23)比で7ポイント上昇し、回復に向

かう見通しとなった。国内経済の景気回復

の流れが県内経済へも波及してくるのでは

といった思いが背景にあるものと思われる。

産業別にみると、製造業では「紙�紙製

品」が+20(現況比20ポイントの増)、「鉄

鋼�非鉄金属製品」が±0(同17ポイント

の増)、「電気機械」が+13(同13ポイント

の増)、「精密機械」が±0(同13ポイント

の増)と現況より良化するとみている。ま

た、非製造業では現況比で良化する業種は、

「通信業」が±0(同29ポイントの増)、

「運輸業」が±0(同17ポイントの増)、

「サービス業」が△8(同14ポイントの増)

となっている(表2)。

2.製造業の経営

�1 現況(平成15年度下期)

製造業の現況���をみると、全体では受

注高、生産高、売上高ともに実績と比較し

てやや悪化している。

受注高���は全体で△18と実績比3ポイ

ント減となった。業種別にみると、「電子

部品�デバイス」が+60(実績比40ポイン

トの増)と増加しており、「輸送用機械」

が△36(実績比91ポイントの減)、「情報通

信機器」が△13(同38ポイントの減)と特

に悪化している。

生産高���は全体で△15(実績比4ポイ

ントの減)となり、売上高���は△19(同

4ポイントの減)となった。業種別にみる

と、「電子部品�デバイス」、「繊維�繊維

製品」、「窯業�土石製品」などが増加して

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表4 製造業の実績・現況・見通し ���〔収益(増・減)、製品価格(上昇・下降)、原材料価格(上昇・下降)〕

収 益 製 品 価 格 原 材 料 価 格

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

製 造 業 △ 24 △ 24 △ 18 △ 27 △ 24 △ 22 12 24 22

飲 食 料 品 △ 10 △ 23 △ 17 △ 17 △ 10 △ 23 23 50 43

繊 維�繊維製品 △ 61 △ 35 △ 35 △ 30 △ 22 △ 13 5 14 14

木 材�木 製 品 △ 30 △ 30 △ 10 0 △ 20 △ 10 0 40 0

紙�紙 加 工 品 △ 10 △ 30 10 △ 10 20 0 30 70 20

化 学 8 0 0 △ 8 0 △ 15 15 15 31

窯 業�土石製品 △ 79 △ 50 △ 63 △ 50 △ 38 △ 29 △ 13 △ 8 13

鉄鋼�非鉄金属製品 △ 33 △ 17 △ 22 △ 33 △ 28 △ 11 44 61 56

一 般 機 械 △ 15 △ 23 31 △ 31 △ 23 △ 15 8 31 23

電 気 機 械 13 △ 25 0 △ 25 △ 38 △ 50 △ 13 25 25

情 報 通 信 機 器 25 0 13 △ 50 △ 50 △ 25 △ 29 △ 13 △ 25

電子部品�デバイス 0 50 0 △ 33 △ 50 △ 50 △ 17 0 △ 17

輸 送 用 機 械 36 △ 27 △ 45 △ 27 △ 27 △ 36 18 18 27

精 密 機 械 13 0 0 △ 50 △ 38 △ 50 13 13 △ 13

そ の 他 製 造 業 △ 38 △ 35 △ 19 △ 23 △ 31 △ 15 23 8 23

��福島の進路16.4

調 査

おり、逆に「輸送用機械」、「情報通信機器」

などは実績比で減少している。

在庫���は、全体で+5と実績比3ポイ

ントの減となり、やや改善した。業種別に

みると、受注が好調な「電子部品�デバイ

ス」が適正水準(±0)から不足(△20)

に転じ、好調な生産が窺える結果となった

(表3)。

また、収益���については、先に述べた

受注高、生産高の悪化を受け、全体で△24

(実績比±0ポイント)となり低迷してい

る。業種別にみると、「電気機械」が△25

(同38ポイントの減)、「輸送用機械」が

△27(同63ポイントの減)となっており、

大幅に悪化している。

一方、製品価格は△24と実績(△27)比

やや改善したが、依然としてデフレ傾向は

解消されておらず、今後も下落基調で推移

する見通しである(表4)。また、原材料価

格は、中国での需要急増の影響から高騰化

が進み、「紙�紙加工品」、「鉄鋼�非鉄金

属製品」などで大幅に上昇している(表4)。

�2 見通し(平成16年度上期)

平成16年度上期の「受注高」「生産高」

「売上高」等の見通しをみると、「電気機械」、

「精密機械」、「電子部品�デバイス」など

これまで好調を保っていた業種で先行き慎

重姿勢から現況比を下回っているが、全体

ではやや改善に向かう見通しとなっている。

「在庫」の見通しをみると、売上高等の好

転から、全体的には過剰感はやや弱まる見

通しとなっている(表3)。

一方、「製品価格」の見通し���は△22

と現況比2ポイントの上昇、「原材料価格」

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�� 福島の進路16.4

調 査

の見通し���は+22と現況比2ポイントの

下降となった。「製品価格」は、デフレ経

済の出口が見えないことから引き続き下降

する見通しとなっている。「原材料価格」

は、海外要因により高騰化を続けていた素

材価格も落ち着きが見込まれ、全体的にや

や下降する見通しとなった(表4)。

�3 売上高、収益の推移

製造業の売上高、収益の推移をみると、

「電気機械」、「化学」、「輸送用機械」、「情

報通信機器」などの業種での低迷が響き、

売上高は悪化するももの、収益は人件費圧

縮等企業の損益分岐点引下げ努力が奏功し、

横這いで推移する見通しである。一方、見

通しについては、国内経済の景気回復が県

内経済にも波及することが見込まれ、売上

高、収益ともに現況比改善する見通しと

なった(図3、4)。

図3 製造業の売上高 ���推移

 年度上期�

14� 年度下期�

13� 年度上期�

13�  年度上期�

16� 年度下期�

15� 年度上期�

15� 年度下期�

14�△70�

△54�△47�

△37�△23�

△15� △19�△19�

0�

50�

(増 加)�

(減 少)�

現況・実績BSI見通しBSI(下線)�

△36�

△47�

△22�

△27�△20�

△15�

図4 製造業の収益 ���推移

14� 年度下期�

13� 年度上期�

13�  年度上期�

16� 年度下期�

15� 年度上期�

15� 年度下期�

14� 年度上期�

△70�△60�

△53�

△32�

△15�△24�

△24�△26�

0�

50�

(増 加)�

(減 少)�

現況・実績BSI見通しBSI(下線)�

△38�

△48�

△26�△34�

△19� △18�

3.非製造業の経営

�1 現況(平成15年度下期)

非製造業の現況���をみると、売上高は

△12(実績比11ポイントの増)となった。

業種別にみると、「建設業」は公共工事

の発注が年度末前で増加する時期でもあり、

受注高が△31で実績比9ポイントの増、完

成工事高が△15で同28ポイントの増となっ

た。一方、収益は、受注高、完工高の増加

を受けて、△30で同15ポイントの増となった                   。

また、「卸�小売業」では、売上高が

△10と同15ポイントの増、収益は△11と同

12ポイントの増となった。また、商品価格

は、△14で同21ポイントの増となった。

「サービス業」は、売上高△14と同24ポ

イントの減、収益は+3と同14ポイントの

減、商品価格は△26と同11ポイントの上昇

となった(表5、6)。

�2 見通し(平成16年度上期)

売上高の見通しは、全体ではやや悪化の

見通しとなった。「運輸業」では改善の見

通しとなったが、公共投資削減が続く「建

設業」では△41と現況比26ポイントの減と

なり、大幅な減少見通しとなった。収益に

ついても、売上高とほぼ同様の見通しと

なった。

商品(サービス)価格の見通しについて

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表5 非製造業の実績・現況・見通し ���〔受注高(増・減)、生産高(増・減)、売上高(増・減)、在庫(過剰・不足)〕

受 注 高 売上(完成工事)高 在 庫

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

非 製 造 業 - - - △ 23 △ 12 △ 14 - - -

建 設 業 △ 40 △ 31 △ 50 △ 43 △ 15 △ 41 - - -

運 輸 業 - - - 8 △ 15 8 - - -

通 信 業 - - - △ 20 20 0 - - -

卸 � 小 売 業 - - - △ 25 △ 10 △ 4 12 8 4

サ ー ビ ス 業 - - - 10 △ 14 △ 14 - - -

その他非製造業 - - - △ 46 △ 9 △ 82 - - -

表6 非製造業の実績・現況・見通し ���〔収益(増・減)、商品価格(上昇・下降)、仕入価格(上昇・下降)〕

収 益 商品(サービス)価格 仕 入 価 格

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

平成15年度

 上期実績

平成15年度

 下期現況

平成16年度

上期見通し

非 製 造 業 △ 19 △ 14 △ 18 △ 34 △ 20 △ 12 - - -

建 設 業 △ 45 △ 30 △ 51 △ 21 △ 23 △ 8 △ 13 △ 4 7

運 輸 業 18 △ 24 0 △ 47 △ 13 0 - - -

通 信 業 20 20 △ 20 △ 20 △ 20 △ 20 - - -

卸 � 小 売 業 △ 23 △ 11 △ 8 △ 35 △ 14 △ 11 △ 5 8 13

サ ー ビ ス 業 17 3 △ 6 △ 37 △ 26 △ 17 - - -

その他非製造業 △ 57 △ 21 △ 29 △ 50 △ 50 △ 40 - - -

図5 非製造業の売上高 ���推移

 年度上期�

14� 年度下期�

13� 年度上期�

13�  年度上期�

16� 年度下期�

15� 年度上期�

15� 年度下期�

14�△70�

△46�

△41�

△15�△23� △12�

△26�

0�

50�

(増 加)�

(減 少)�

現況・実績BSI見通しBSI(下線)�

△37�△46�

△14�△15�

△39�

△8�

△27

図6 非製造業の収益 ���推移

 年度上期�

14� 年度下期�

13� 年度上期�

13�  年度上期�

16� 年度下期�

15� 年度上期�

15� 年度下期�

14�△70�

△48�

△27�△38� △19�

△14�△34�

0�

50�

(増 加)�

(減 少)�

現況・実績BSI見通しBSI(下線)�

△40�

△14� △13�

△42�

△18�

△48�

△19�

��福島の進路16.4

調 査

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図7 設備投資実施割合

0� 10� 20� 30� 40� 50� 60%�

◎全 産 業 �(429社)�

○製 造 業 �(208社)�

○非製造業�(221社)�

41.7(179社)�42.0(180社)�

38.0(163社)�

48.6(101社)�48.1(100社)�

41.8(87社)�

35.3(78社)�36.2(80社)�

34.4(76社)�

15年度上期 (設備投資実施企業179社)�15年度下期 (設備投資実施企業180社)�16年度上期 (設備投資実施見込み企業163社)�

�� 福島の進路16.4

調 査

は、△12と現況比8ポイント上昇し、デフ

レの影響で下降が続いていた価格もようや

く落ち着いていくものと見込まれている。

�3 売上高、収益の推移

非製造業の売上高の推移をみると、個人

消費の低迷や公共工事削減の流れが続いて

いる中で、現況は改善傾向にある。しかし

その勢いは力強いものとはいえず、需要動

向が好転するような材料も見込めないこと

から、見通しについては慎重とならざるを

得ず、悪化の見通しである。収益について

も同様、現況はやや改善するものの、見通

しは現況比悪化するものと見込まれている

(図5、6)。

Ⅲ 設備投資

1.平成15年度下期の設備投資

回答企業429社の内、15年度下期(現況)

に設備投資をしたと答えた企業は全体で

180社(割合にして42.0%)となった。こ

れは15年度上期の実績より1社の増加でほ

ぼ同様の水準であった。

業種ごとの実施状況をみると、国内の設

備投資が好調に推移していることを背景と

して、「一般機械」、「電気機械」、「輸送用

機械」などにおいて実績比で増加している。

また、実績が堅調な「化学」、「精密機械」、

「情報通信機器」では、高い投資水準を

保っている。一方、「繊維�繊維製品」、

「窯業�土石製品」では業況も厳しいこと

から低水準に止まっている(図7、表7)。

設備投資金額をみると、全体で267億57

百万円となり、前期実績191億87百万円を

39.5%上回った。製造業では208億52百万

円(実績比60.1%増)、非製造業は59億5

百万円(同4.2%減)となった。

設備投資金額の多い業種別にみると、

「電気機械」が78億65百万円(実績比215.2

%増)、「卸�小売業」が42億42百万円(同

7.7%減)、「化学」が36億99百万円(同0.5

%減)となった(図8、表8)。

2.平成16年度上期の設備投資

16年度上期に設備投資を実施すると答え

た企業は163社で現況比17社の減少となっ

た(表7、図7)。

また、設備投資予定金額では、全体で

282億23百万円と15年度下期実績比5.5%の

増加となる見通しである。増加要因は、生

産が好調な「電子部品�デバイス」で大型

投資が見込まれるためである。設備投資金

額の大きい業種別にみると、「電子部品�

デバイス」が86億46百万円で同438.0%の

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表7 業種別設備投資実施割合 (単位:社、%、%ポイント)

15年度上期実績 15年度下期実績 16年度上期予定

実施企業数 実施割合 実施企業数 実施割合 前期比増減率� 実施企業数 実施割合 前期比増減率

全 産 業 179 42.4 180 42.6 0.6 163 38.6 △ 9.4

製 造 業 101 49.3 100 48.8 △ 1.0 87 42.4 △13.0

飲 食 料 品 13 44.8 13 44.8 0.0 10 34.5 △23.1

繊維�繊維製品 5 23.8 4 19.0 △20.0 1 4.5 △75.0

木材�木製品 2 20.0 4 40.0 100.0 2 20.0 △50.0

紙�紙加工品 5 50.0 4 40.0 △20.0 3 30.0 22.2

化 学 13 100.0 12 92.3 △ 7.7 12 92.3 0.0

窯業�土石製品 9 37.5 6 25.0 △33.3 9 37.5 50.0

鉄鋼�非鉄金属製品 8 44.4 9 50.0 12.5 9 50.0 0.0

一 般 機 械 5 38.5 8 61.5 60.0 6 46.2 △25.0

電 気 機 械 4 50.0 5 62.5 25.0 6 75.0 20.0

情報通信機器 8 100.0 8 100.0 0.0 7 87.5 △12.5

電子部品�デバイス 4 66.7 4 66.7 0.0 4 66.7 0.0

輸 送 用 機 械 7 63.6 8 72.7 14.3 6 54.5 △25.0

精 密 機 械 8 100.0 7 87.5 △12.5 6 75.0 △14.3

その他製造業 10 38.5 8 30.8 △20.0 6 24.0 △25.0

非 製 造 業 78 35.9 80 36.7 2.6 76 35.0 △ 5.0

建 設 業 13 27.1 14 29.2 7.7 12 25.0 △14.3

運 輸 業 13 72.2 14 77.8 7.7 14 77.8 0.0

通 信 業 1 20.0 2 40.0 100.0 2 40.0 40.0

卸 � 小 売 業 30 31.6 32 33.3 6.7 29 30.5 △ 9.4

サ ー ビ ス 業 16 43.2 14 37.8 △12.5 16 43.2 14.3

その他非製造業 5 35.7 4 28.6 △20.0 3 21.4 △25.0

※前期比増減率=15年度下期実施企業数/15年度上期実施企業数×100-100

図8 設備投資金額

192(179社)�268(180社)�

282(163社)�

130(101社)�209(100社)�

239(87社)�

62(78社)�59(80社)�

44(76社)�

15年度上期 (設備投資実施企業179社)�15年度下期 (設備投資実施企業180社)�16年度上期 (設備投資実施見込み企業163社)�

0� 50� 100� 150� 200� 250� 300� 350(億円)�

◎全 産 業 �(429社)�

○製 造 業 �(208社)�

○非製造業�(221社)�

��福島の進路16.4

調 査

増、「化学」が48億75百万円で、同31.8%

の増、「紙�紙加工品」が39億50百万円で

同54.4%増となる見通しである(図8、表

8)。

3.設備投資目的

16年度上期に設備投資を予定している

163社に設備投資の目的を聞いたところ、

「設備の更新」が63.8%と最も多く、以下

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表8 業種別設備投資金額 (単位:百万円、%)

15年度上期実績 15年度下期実績 16年度上期予定

投 資 額 投 資 額 前期比増減率 投 資 額 前期比増減率

全 産 業 19,187 26,757 39.5 28,223 5.5

製 造 業 13,024 20,852 60.1 23,854 14.4

飲 食 料 品 442 332 △24.8 203 △39.0

繊維�繊維製品 72 34 △52.8 8 △76.5

木材�木製品 156 77 △50.6 295 283

紙�紙加工品 438 2,559 484.5 3,950 54.4

化 学 3,717 3,699 △ 0.5 4,875 31.8

窯業�土石製品 950 1,021 7.5 1,521 49.0

鉄鋼�非鉄金属製品 1,672 1,704 1.9 1,861 9.2

一 般 機 械 136 76 △44.1 386 407.9

電 気 機 械 128 224 74.8 375 67.0

情報通信機械 2,495 7,865 215.2 88 △98.9

電子部品�デバイス 1,175 1,607 36.8 8,646 438.0

輸 送 用 機 械 390 411 5.4 527 28.2

精 密 機 械 488 837 71.5 948 13.3

その他製造業 765 406 △46.9 172 △57.6

非 製 造 業 6,163 5,905 △4.2 4,369 △26.0

建 設 業 179 701 292.3 341 △51.4

運 輸 業 802 564 △29.7 927 64.4

通 信 業 5 16 210.0 11 △29.0

卸 � 小 売 業 4,594 4,242 △ 7.7 2,383 △43.8

サ ー ビ ス 業 435 163 △62.4 466 185.1

その他非製造業 148 219 48.0 241 10.0

表9 16年度上期に設備投資をしない理由(設備投資を実施しない企業243社) (複数回答、単位:%)

受注、売上の見通しが立たない

利益の見通しが立たない

設備投資が一巡した

資金調達が困難である

取引先が生産拠点を海外移転した

そ の 他回 答企業数

全 産 業 48.1 49.0 47.3 19.8 2.5 6.2243

製 造 業 55.5 50.9 40.9 28.2 5.5 7.3110

非 製 造 業 42.1 47.4 52.6 12.8 0.0 5.3133

建 設 業 63.6 63.6 51.5 12.1 0.0 0.033

運 輸 業 33.3 33.3 66.7 33.3 0.0 0.03

通 信 業 0.0 0.0 100.0 0.0 0.0 0.03

卸 � 小 売 業 42.2 46.9 53.1 10.9 0.0 6.364

サ ー ビ ス 業 20.0 35.0 55.0 20.0 0.0 10.020

その他非製造業 30.0 40.0 30.0 10.0 0.0 10.010

�� 福島の進路16.4

調 査

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図9 設備投資目的

設備の更新�

合理化・省力化�

情 報 化 �

増産・販促�

新分野・新規事業�

福利厚生�

そ の 他 �

64.861.7

19.6

19.618.316.6

19.017.8

13.5

10.617.2

12.3

2.81.73.1

14.015.0

11.0

20.621.5

63.8

15年度上期 (設備投資実施企業179社)�15年度下期 (設備投資実施企業180社)�16年度上期 (設備投資実施見込み企業163社)�

0� 10� 20� 30� 40� 50� 60� 70� 80% (複数回答)�

図10 16年度上期に設備投資を予定している企業の資金調達方法

内部資金        �(減価償却費+留保利益)�

金融機関からの借入�

リース�

親会社・関連会社からの借入�

所有資産の売却�

増資・社債の発行�

そ の 他 �全産業 (163社)�製造業 (87社)�非製造業 (76社)�

�0� 10� 20� 30� 40� 50� 60� 70� 80%

62.663.261.8

39.334.5

44.7

31.321.8

42.1

11.712.6

10.5

3.71.1

6.6

0.61.10.0

2.54.6

0.0

��福島の進路16.4

調 査

「合理化�省力化」(21.5%)、「増産�販促」

(16.6%)、「新分野�新規事業」(13.5%)

の順で続いている。「情報化」は12.3%と

前回よりも比率を下げた(図9)。

この結果と16年上期の設備投資実施割合

が現況を下回っていることを考え合わせる

と、県内企業は設備の更新や合理化といっ

た必要に迫られて行う投資割合が高く、

「増産�販促」や「新分野�新規事業」と

いった前向きな投資に向かう割合が少なく

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�� 福島の進路16.4

調 査

なっていることがわかる。

4.設備投資をしない理由

平成16年度上期に設備投資を実施しない

と答えた企業243社に対し、その理由を複

数回答で聞いたところ、「利益の見通しが

立たない」が49.0%と最も多く、以下「受

注、売上の見通しが立たない」(48.1%)、

「設備投資が一巡した」(47.3%)の順となっ

ており、上位項目は前回と同じ顔ぶれとなっ

ている。

前回の調査と比較すると、「設備投資は

一巡した」がやや前回を上回った(44.7%

→47.3%)が、他の項目はそれぞれ前回調

査を下回る結果となっている(表9)。

5.設備投資資金調達方法

16年度上期に設備投資を実施すると回答

した163社に、資金調達方法をたずねたと

ころ、「内部留保(減価償却費+留保利益)」

が61.8%と最も多く、以下「金融機関から

の借入」が44.7%、「リース」が42.1%と

なった。企業では、景気回復の実感に乏し

く収益環境も厳しいことから、借入をして

まで積極的な設備投資をするところは少な

く、内部資金やリースを活用する割合が高

くなっている(図10)。

Ⅳ 雇用動向

1.雇用の過不足感

2月の調査時点での雇用の過不足に関す

る���結果は、全体で±0と前回調査の

���値(+10)を10ポイント下回り、雇用

は適正水準に回帰しつつある(表10)。

製造業の過不足���は△2と前回調査

(+8)を10ポイント下回った。業種別の

過不足���は、「化学」が△23(前回調査

比15ポイントの減少=不足)、「繊維�繊維

製品」が△13(同17ポイントの減)、「輸送

用機械」が△10(同17ポイントの減)とな

り、雇用の不足感が強まっている。逆に、

「精密機械」は過剰感が強まっている。

非製造業の過不足���は+3と前回調査

(+11)を8ポイント下回った。特に「運

輸業」で△12(同2ポイントの増)、「通信

業」で△20(同13ポイント増)となり、依

然として不足感が高い状況にある。

職種別にみると、好調な生産が続く製造

業では、「製造部門」で不足に転じた。さ

らに、「技術�研究」(△26)、「営業�接客」

(△13)でも、前回の調査結果より不足感

が強まっている。

雇用に関する自由意見欄には、雇用調整

のほかに、年功制から能力主義、成果主義

へ賃金制度を移行することを検討している

といった雇用形態の変更に言及する企業も

出てきており、雇用情勢は厳しい局面が続

いている。

2.雇用人数の増減

平成15年4月と比較した平成16年4月の

雇用総数増減の見通し���は、全産業で

△7と前回8月の調査時点より2ポイント

の増加となった。

製造業では△11と前回を4ポイント上回っ

た。しかし、収益環境が厳しいことから人

員増加には消極的であり、人件費圧縮のた

めパートの比率を高める動きが今後も続く

見込みである。

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表10 雇用の過不足 ���

全 体 管理�事務 技術�研究 製 造 営業�接客

15年8月 16年2月 15年8月 16年2月 15年8月 16年2月 15年8月 16年2月 15年8月 16年2月

全 産 業 10 0 8 5 △12 △16 - - △ 4 △15

製 造 業 8 △ 2 5 2 △20 △26 7 △ 2 △ 3 △13

飲 食 料 品 0 △ 7 3 3 △22 △40 0 3 0 △10

繊維�繊維製品 4 △13 7 0 △30 △22 △ 4 △13 △ 4 △ 9

木材�木製品 13 0 △13 △10 △25 △20 13 0 △38 △30

紙�紙加工品 0 0 △10 △10 △10 0 20 10 0 0

化 学 △ 8 △23 0 △ 8 0 △ 8 △15 △33 △23 △23

窯業�土石製品 14 13 5 8 △ 9 △17 18 13 18 △ 8

鉄鋼�非鉄金属製品 0 0 21 11 △16 △22 △16 △ 6 △ 5 △33

一 般 機 械 0 0 22 0 △33 △46 0 △ 8 △11 △15

電 気 機 械 27 13 8 0 △12 △25 27 13 △ 4 0

情報通信機器 - 0 - 17 - △33 - △17 - 0

電子部品�デバイス - 15 - 4 - 2 - 6 - △13

輸 送 用 機 械 7 △10 △ 7 △ 9 △29 △27 0 △36 0 △18

精 密 機 械 15 29 0 13 △39 △25 23 0 8 13

その他製造業 12 △ 5 4 0 △20 △38 16 15 △ 8 △19

非 製 造 業 11 3 12 7 △ 5 △ 5 - - △ 5 △17

建 設 業 18 15 16 4 0 2 - - △ 7 △13

運 輸 業 △14 △12 7 △ 6 0 △ 6 - - 0 △28

通 信 業 △33 △20 33 0 △33 0 - - △33 △20

卸 � 小 売 業 17 2 15 12 △ 5 △ 7 - - 3 △11

サ ー ビ ス 業 3 0 0 5 △ 8 △11 - - △14 △30

その他非製造業 0 0 9 0 △ 9 0 - - △36 △22

表11 平成16年4月時点の雇用人数 ���〔前年同時期比較(増・減)〕

総 人 員 正 社 員 パ ー ト 等

15年8月調査時 16年2月調査時 15年8月調査時 16年2月調査時 15年8月調査時 16年2月調査時

全 産 業 △ 9 △ 7 △16 △15 9 9

製 造 業 △15 △11 △18 △17 3 7

非 製 造 業 △ 7 △ 4 △13 △13 16 11

※平成15年4月と比較した平成16年4月の雇用人数(増�減)���

��福島の進路16.4

調 査

非製造業においても雇用人員は△4と前

回を3ポイント上回った。雇用調整につい

ては、パート社員の人員をより多く減らす

方向で進む見込みである(表11)。

Ⅴ 企業の経営全般について

1.企業が抱える経営上の問題点について

地方の景気回復の足取りが重く、回復実

感が乏しい中で、各企業が抱える経営上の

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表12 企業が抱える経営上の問題点 (複数回答、単位:%)

回答企業数

国内販売

(需要の低迷)

販売価格の

低下   

国内企業と

の競争激化

人材不足

人件費の負

担増加  

資金繰り難

設備の老朽

化    

輸入品との

競合   

在庫の過剰

人手過剰

為替相場の

変動   

全 産 業 429 53.8 37.8 25.4 16.1 15.9 11.4 11.2 6.3 3.5 2.3 1.4 5.4製 造 業 208 54.3 41.8 20.7 16.3 13.9 10.1 12.0 12.5 3.4 1.9 2.4 4.3飲 食 料 品 30 56.7 33.3 26.7 13.3 20.0 10.0 26.7 0.0 0.0 3.3 0.0 6.7繊維�繊維製品 23 56.5 34.8 8.7 8.7 8.7 17.4 0.0 52.2 4.3 4.3 0.0 0.0木 材�木 製品 10 40.0 70.0 20.0 30.0 0.0 10.0 0.0 20.0 10.0 0.0 0.0 0.0紙�紙 加 工品 10 70.0 20.0 40.0 0.0 10.0 0.0 0.0 0.0 10.0 0.0 10.0 20.0化 学 13 53.8 53.8 15.4 15.4 0.0 0.0 23.1 7.7 0.0 0.0 15.4 0.0窯業�土石製品 24 83.3 66.7 4.2 16.7 4.2 4.2 8.3 4.2 8.3 0.0 0.0 0.0鉄鋼�非鉄金属製品 18 38.9 55.6 5.6 16.7 16.7 5.6 16.7 11.1 0.0 5.6 5.6 5.6一 般 機 械 13 38.5 38.5 23.1 7.7 23.1 23.1 23.1 7.7 0.0 0.0 0.0 7.7電 気 機 械 8 62.5 25.0 25.0 12.5 12.5 0.0 0.0 12.5 12.5 0.0 12.5 0.0情報通信機器 8 50.0 50.0 50.0 12.5 12.5 12.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0電子部品�デバイス 6 50.0 50.0 16.7 33.3 16.7 0.0 0.0 0.0 0.0 16.7 0.0 0.0輸 送 用 機 械 11 36.4 36.4 9.1 18.2 18.2 0.0 27.3 9.1 0.0 0.0 0.0 27.3精 密 機 械 8 25.0 37.5 37.5 37.5 37.5 12.5 0.0 12.5 12.5 0.0 0.0 0.0その他製造業 26 57.7 23.1 34.6 23.1 19.2 19.2 11.5 15.4 0.0 0.0 0.0 0.0非 製 造 業 221 53.4 33.9 29.9 15.8 17.6 12.7 10.4 0.5 3.6 2.7 0.5 6.3建 設 業 48 66.7 25.0 43.8 6.3 14.6 8.3 4.2 0.0 0.0 6.3 0.0 8.3運 輸 業 18 38.9 44.4 16.7 16.7 33.3 11.1 16.7 0.0 0.0 0.0 0.0 5.6通 信 業 5 40.0 40.0 0.0 40.0 60.0 0.0 20.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0卸 � 小 売 業 99 55.6 36.4 30.3 14.1 16.2 14.1 9.1 1.0 5.1 2.0 1.0 6.1サ ー ビ ス 業 37 40.5 40.5 21.6 24.3 10.8 18.9 21.6 0.0 5.4 2.7 0.0 5.4その他非製造業 14 50.0 14.3 28.6 28.6 21.4 7.1 0.0 0.0 7.1 0.0 0.0 7.1

�� 福島の進路16.4

調 査

問題点について尋ねたところ、「国内販売

(需要)の低迷」が53.8%と最も多く、業

種別にみると、「窯業�土石製品」(83.3%)、

「紙�紙加工品」(70.0%)、「建設業」(66.7

%)、「電気機械」(62.5%)などで割合が

高くなっている。2番目に多かったのは、

「販売価格の低下」で37.8%となり、「木

材�木製品」(70.0%)、「窯業�土石製品」

(66.7%)、「鉄鋼�非鉄金属製品」(55.6%)

などで割合が高くなっている。企業にとり

需要低迷と販売価格の低下を招くデフレ経

済に未だ歯止めがかからず、大きな問題と

なっていることが分かる。

2.景気浮揚策について

各企業に最も効果のある景気浮揚策を尋ね

たところ、「個人消費拡大施策の実施」が

64.1%と最も多く、以下「法人税の見直しな

ど企業負担の軽減」(34.3%)、「公共工事な

どによる需要拡大」(28.9%)、「産業の空洞

化対策の実施」(15.2%)などとなっている                   。

全産業を通じて、個人消費拡大を通じた

内需の拡大と、景気回復が見込める状況に

突入してきたことを踏まえ、企業経営活動

を支援する「法人実効税率の引き下げ」や

「設備投資減税の拡充」を求める声が、一

段と強くなっている。

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図11 企業が抱える経営上の問題

国内販売(需要)の低迷�

国内企業との競争激化�

在庫の過剰�

為替相場の変動�

人手過剰�

販売価格の低下�

人件費の負担増加�

資金繰り難�

人材不足�

輸入品との競合�

設備の老朽化�

そ の 他 �

53.8

41.833.9

29.9

16.116.315.8

15.913.9

17.6

11.410.112.7

11.2

6.3

3.5

1.4

5.44.36.3

2.40.5

3.43.6

2.31.92.7

12.50.5

12.010.4

25.420.7

37.8

54.353.4

0� 10� 20� 30� 40� 50� 60� 70%

全産業 (429社)�製造業 (208社)�非製造業 (221社)�

図12 企業が望む景気浮揚策

財政支出による消費拡大政策の実施�

法人税見直しなど企業負担の軽減�

そ の 他 �

海外需要の維持拡大�

資産・物価デフレ経済の解消�

公共工事などによる需要拡大�

不良債権問題の早期解決�

企業の創業・再生支援強化�

産業の空洞化対策の実施�

円高の抑制�

64.1

34.633.9

38.915.2

19.710.9

14.513.515.4

11.711.511.8

0.0

3.6

7.9

1.92.8

5.810.0

5.811.5

0.5

9.14.4

28.918.3

34.3

63.564.7

0� 10� 20� 30� 40� 50� 60� 70%

全産業 (429社)�製造業 (208社)�非製造業 (221社)�

��福島の進路16.4

調 査

Ⅵ まとめ

今回の調査を見ると、県内企業の景況感

は、足元(現況)では前回調査(平成15年

8月)よりやや悪化するものの、先行きに

ついては改善するといった見通しを持って

いることがわかる。国内経済が輸出や設備

投資を牽引役として着実に回復軌道を辿っ

ているが、現在のところ県内企業にとって

その実感は乏しいといったところが実態で

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表13 企業が望む景気浮揚策 (複数回答、単位:社、%)

回答企業数

個人消費拡

大政策の実

施    

法人税見直し

など企業負担

の軽減   

公共工事な

どによる需

要拡大  

産業の空洞

化対策の実

施    

資産�

物価

デフレ経済

の解消  

企業の創業�

再生支援強化

不良債権問

題の早期解

決    

海外需要の

維持拡大 

円高の抑制

全 産 業 429 64.1 34.3 28.9 15.2 14.5 11.7 7.9 5.8 4.4 2.8

製 造 業 208 63.5 34.6 18.3 19.7 11.5 13.5 5.8 11.5 9.1 1.9

飲 食 料 品 30 80.0 53.3 3.3 0.0 16.7 20.0 10.0 0.0 0.0 3.3

繊維�繊維製品 23 65.2 21.7 4.3 34.8 8.7 26.1 0.0 8.7 17.4 0.0

木材�木製品 10 60.0 30.0 50.0 10.0 10.0 20.0 10.0 0.0 0.0 0.0

紙�紙加工品 10 70.0 40.0 10.0 40.0 0.0 0.0 0.0 30.0 10.0 0.0

化 学 13 61.5 46.2 0.0 15.4 0.0 15.4 7.7 23.1 23.1 0.0

窯業�土石製品 24 50.0 37.5 54.2 8.3 12.5 12.5 4.2 0.0 4.2 4.2

鉄鋼�非金属製品 18 50.0 38.9 33.3 16.7 11.1 5.6 0.0 5.6 38.9 0.0

一 般 機 械 13 61.5 30.8 0.0 23.1 23.1 7.7 7.7 23.1 7.7 7.7

電 気 機 械 8 62.5 25.0 37.5 12.5 12.5 12.5 12.5 0.0 12.5 0.0

情報通信機器 8 50.0 12.5 25.0 25.0 0.0 12.5 0.0 62.5 0.0 12.5

電子部品�デバイス 6 66.7 50.0 16.7 16.7 16.7 16.7 0.0 16.7 0.0 0.0

輸 送 用 機 械 11 63.6 36.4 9.1 27.3 0.0 0.0 9.1 18.2 0.0 0.0

精 密 機 械 8 75.0 37.5 12.5 37.5 0.0 0.0 0.0 25.0 0.0 0.0

その他製造業 26 65.4 19.2 11.5 30.8 23.1 15.4 11.5 7.7 3.8 0.0

非 製 造 業 221 64.7 33.9 38.9 10.9 11.8 15.4 10.0 0.5 0.0 3.6

建 設 業 48 45.8 20.8 85.4 6.3 14.6 18.8 6.3 0.0 0.0 0.0

運 輸 業 18 50.0 50.0 22.2 22.2 5.6 5.6 11.1 0.0 0.0 11.1

通 信 業 5 40.0 80.0 40.0 0.0 20.0 0.0 20.0 0.0 0.0 0.0

卸 � 小 売 業 99 79.8 31.3 29.3 13.1 10.1 14.1 8.1 0.0 0.0 3.0

サ ー ビ ス 業 37 67.6 43.2 24.3 2.7 16.2 8.1 10.8 2.7 0.0 8.1

その他非製造業 14 42.9 35.7 7.1 21.4 7.1 50.0 28.6 0.0 0.0 0.0

�� 福島の進路16.4

調 査

あると思われる。

そうした中、県内企業においてもデジタ

ル家電や情報通信関連業種など製造業の一

部で好調な生産が続いており、雇用水準も

適正水準に回帰するなど明るい材料もみら

れる。問題はこうした動きが県内経済全体

に広がっていくかにある。

そもそも現在の景気回復は、従来のよう

な財政主導によるものではないため、国内

全域同時進行を望むことはできない。財政

事情は年々厳しさを増しており、政府には

財政面での支援を期待することは難しい。

つまり景気回復の材料を他者から与えても

らうのではなく、自ら勝ち取ることが必要

となる。いうなれば民間主導の景気回復と

は、個々の企業の自助努力の上に成し遂げ

られることを示唆している。

こうした事情を踏まえ、各企業の経営者

が自企業にとっての最善策を自ら考え行動

することが必要である。各企業の地道な努

力の積み重ねにより、県内経済が力強い回

復に向かうことを大いに期待したい。

(担当 星)

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新春講演会

歴史にみる激動期の経営者

�� ���

��

どうもん ふゆじ

作 家

■■

��福島の進路16.4

講 演

激動期の日本

今、激動期であるといっても、日本の歴

史の中でどの時代に照応させたらいいかと

いうことが問題になりますが、私はいくつ

かの時代の複合時代だろうと思っています。

一つは、バブル経済の崩壊を「応仁の乱」

に見立てるならば、その後、日本に訪れた

のは「戦国時代」です。

戦国時代の風潮というのはどうであった

かといいますと、�下剋上�です。下剋上

というのは下が上を超える、下が上に勝つ

ということです。何によって勝つのかとい

えば、能力主義そして実績主義、つまり力

と数字がすべてだったのです。戦国時代に

部下が上に求めたのは生活保障能力です。

上に部下を食べさせられるだけの能力がな

いと見たときには、さっさと見限ってほか

の会社にいってしまう、あるいは逆に実力

行使でトップを排除してしまうような恐ろ

しい時代だったのです。そのため、上に立

つ経営者は新規立ち上げや経営の改善など、

いろいろなことを行わざるをえなかった。

この状況が今と似ているだろうということ

が一つです。

そして、二つ目は「幕末開国時代」であ

ろうということで、これはG7などからの

日本に対する経済政策、金融政策への注文、

プレッシャーが非常に強いということです。

私は1927 年(昭和2年)生まれの戦前派な

ので、外国の言っていることには「内政干

渉に近いぞ」と怒りを覚えることもありま

す。ところが、よく考えてみれば、言われ

てもしょうがないようなことをこちらもし

ているのではないかと、がっかりしてしま

うこともあるわけです。

幕末開国時代

~江戸幕府の終焉と明治維新~

徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜には二人

の経済ブレーンがいました。一人は埼玉県

深谷出身の渋沢栄一、もう一人は益田孝と

いう人です。益田は徳川慶喜がまだ一橋慶

喜といっていた頃から家臣になって、主に

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�� 福島の進路16.4

講 演

財政面の担当をしていました。

慶喜は慶応3年10月14日に大政を奉還し、

徳川幕府は消滅しますが、この時、渋沢栄

一は日本にいませんでした。フランスのナ

ポレオン三世からの招待で、パリの万国博

覧会出席のため、使節団の事務長としてパ

リにいっていたのです。

ところが、その徳川幕府が倒れて送金が

途絶えてしまい、帰国の船賃もなくなって

しまったわけです。この時に声を掛けてき

たのが、パリのナショナルバンク頭取のヘ

ラルドでした。ヘラルドの申し出によって、

残金をナショナルバンクへ預けたわけです

が、この運用成績が大変よかったので、無

事帰国することができました。その上、明

治2年になって、2万両という大金が配当

金として送られてきたのです。渋沢は、こ

れを群がる徳川家臣団の失業者たちに分け

ずに、静岡に商法会所、日本で最初の合本

組織(株式会社)を作りました。失業武士

たちにお茶の栽培をさせたわけですが、こ

れが静岡茶を有名にするきっかけとなった

のです。

そして、渋沢栄一はこの成功を認められ

て、明治2年に大蔵省に招かれ、小泉首相

が言うところの政府の構造改革案を立てま

した。しかし、どうにもならない障壁があ

るわけです。改革というのは三つの壁への

挑戦です。「物の壁(物理的な壁)」、「仕組

みの壁(制度の壁)」、そして三つ目は「心

の壁(意識の壁)」ですが、この意識の壁

をぶち壊すことがいつの世でも難しいので

す。この時の意識の壁にはどういうものが

あったかというと、渋沢栄一の見たところ、

明治の閣僚級を含め高級官僚には、「武士

は食わねど高楊枝」と財政の観念が全くな

かった。西郷隆盛や大久保利通のような有

名な官僚にしてもそうだったのです。渋沢

栄一は大蔵大臣の井上馨とともに辞表をた

たきつけて辞めてしまいました。

しかしながら、彼は、「今の政府を構成

している薩長土肥などの藩閥は恐ろしい力

を持っている。後進の育成、後継者の養成

に異常な力を注いでおり、このままでは、

日本中の優秀な若者は全部政府に吸収され

てしまう。これは大変なことだ。今後の日

本では、財界人、実業人の養成に力を尽く

さなければいけない」ということで、東京

商法会議所を作りました。これは現在全国

にある商工会議所のはしりですが、中小企

業への経営コンサルタントあるいは情報提

供の役割を負ったわけではなく、あくまで

も有能な実業人の養成機関としての研修が

主でした。

この頃、渋沢栄一は、パリで学んだこと

を日本経済の近代化に生かしたいと考えま

した。一つは、ヘラルドから教えられた

�投資�と�配当�の株式制度を創設する

こと、もう一つは、ナショナルバンクとい

った公的な金融機関を創立したいというこ

とです。当時の日本の金融業というものは、

三井や住友、鴻池などが、片手間に行って

いるという状況で、独立した金融機関とい

うものはなかったのです。

明治22年以前の当時の国政は、まだ国会

がないので法律もなく、条例によって運営

されていました。そこで、彼は国立銀行条

例を作ってもらい、第一国立銀行を創設し

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��福島の進路16.4

講 演

ました。そして、その頭取に渋沢が就任し、

「『論語』とそろばんを一致させなさい」と、

有名な銀行員に対する訓示を行ったわけで

す。これが、日本で最初に作られた銀行業

の初心、原点だろうと私は思います。

もう一人の益田孝は何を言ったか。徳川

末期の政府の官僚は、「武士は食わねど高

楊枝」などといって、依然として、「士農

工商」の身分制を頭の中に置いているとい

うことが一つです。そして、もう一つはい

まだにオランダ語を国際語だと信じている

ということでした。寛永16年(1638年)に

日本が鎖国をしてからも、長崎港だけは開

けておいて、朝鮮や中国、オランダとの貿

易を続けました。しかし、そのために日本

国内での国際語というものは、全部オラン

ダ語一辺倒になってしまったのです。

益田孝は、すでに函館奉行所でイギリス

人から英語を学んでいました。毎日横浜に

いって、日本の金の1両が、今日はニュー

ヨークで何ドル、あるいはロンドンで何ポ

ンド、パリで何フランと全部つかんでいた

のです。これを一覧表にして印刷し、必要

な人に有償で配っていました。これが今の

日本経済新聞に発展していったわけです。

益田孝が言ったことはそういうことです。

これは渋沢栄一も同じですが、要するにグ

ローバルな発想力、物の見方が欠けていた

ということだろうと思います。結局、この

ことが、徳川幕府を倒してしまったのです。

享保の改革 ~8代将軍吉宗~

明治維新とは、政治的変革だというのは

事実でありますが、半分は経済変革であろ

うと私は思うのです。270年もの長い間、

今の中央政府である江戸幕府は、予算の単

位を「石」で括っています。つまり、あの

頃は毎年のお米の相場、価格を決定すれば、

それによってほかの物価が統制できるとい

う考え方だったのです。しかし、そんなこ

とはできません。なぜなら、各藩大名家は、

今で言えば10割自治です。現在は3割自治

などと言われて、不足分を地方交付税や国

庫補助金などで補っておりますけれども、

当時の藩大名家にはそんなものは一文もな

いのです。必要な行政経費は、すべて地域

内の産業振興によって、商売をして稼がな

ければならないような状況に置かれていた

からです。

そういった状況の中で、江戸時代の経済

の消長を見てみますと、3回の山と3回の

谷がありました。山というのは景気のよ

かった時代のことで、最初は「元禄」、2

番目が「明和�安永」、3番目が「文化文

政」です。また、反動的に訪れた不況期の

最初が「享保」、2回目が「寛政」、3回目

が幕末近い「天保」という時期です。そし

て、この享保、寛政、天保という不況期に、

決まって徳川幕府は今の政府レベルでの大

規模な経営改革を行います。これが江戸の

三大改革です。そして、2回目の寛政の改

革、3回目の天保の改革の推進者がこぞっ

てお手本にしようと目指した改革が、8代

将軍吉宗が行った享保の改革です。

さて、それでは吉宗はどういうことを

行ったのかということです。この間、テレ

ビでカルロス�ゴーンさんの番組がありま

して、司会者が彼に「なぜ、あなたは3年

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�� 福島の進路16.4

講 演

という短年月であの傾いた自動車会社を再

建できたのですか」と聞きました。ゴーン

さんが答えました。「それは三つのことを

行ったからですよ。一つは改革の目的をはっ

きりと確立したこと、二つ目はその目的を

全従業員に周知徹底したこと、そして、三

つ目は現場の中間管理職にリーダーシップ

の発揮を促すことによって、社員のやる気

やモラルを大いに盛り立てたことです」。

「ただし、改革というのは痛みを伴いま

す。改革を周知徹底するということは、た

とえば、このコップ一つを目的とするなら

ば、粉々に砕いてかけらをいっぱい作り、

ひとかけらずつ従業員に渡すということで

す。だから、最初に作ったこのコップの中

に、すでに改革のやりがいと喜び、魅力が

込められていなければいけない。つまり、

これはトップである経営者の責任、経営者

がどういう改革目的を作るかによって、全

従業員のモラル、やる気に関係するでしょ

う」とおっしゃいました。

私はなるほどなあと思いました。「ああ、

ゴーンさんにしても、かつての日本式経営

をそのまま行っているのではないのか。そ

んなことは日本人がずっと行ってきた。特

に、この吉宗や上杉鷹山の行ったことでは

ないのか」。そういう意味においては、日

本式経営というものを、何もかも悪いと投

げ捨てることもないのではないかと思いま

す。

吉宗が行ったのは何だったのか。元禄時

代に、日本人は「自分さえよければいい」

という考えに一斉に傾斜してしまったので

す。結局、これによって、景気はよくなっ

たけれども、他人に対する優しさ、思いや

り、ぬくもりというものを失ってしまった。

これは言ってみれば、心のバランスシート

に巨額な赤字を生じたことではないでしょ

うか。「改革では徳川幕府の財政再建はも

ちろん行う。しかし、国民の心の赤字も同

時に克服したいのだ。ハード、ソフト両面

にわたる改革がおれの目標である」。これ

が、ゴーンさんがいうところの享保の�改

革の目的�なのです。

そうはいっても、いたずらに人に対して

優しさ、思いやり、ぬくもりを持てと言っ

ても始まらない。この心は孔子がかつて言っ

た「恕」の精神であって、恕というのは、

許すという意味でなく、つまり他人に対す

る優しさ、思いやりあるいはぬくもりの心

をどれだけ自分が持っているかである。こ

れを国民に求めたいということです。

また、同時に孔子は「論語」の中で、

「水は方(四角い入れもの)、円(丸い入れ

もの)の器に従う」とも言っています。水

というのは、柔軟な存在であって、重箱に

入れれば四角に姿を変えるし、丸いコップ

に入れ替えれば直ちに丸くなる。しかし、

水を国民の意識や気持、方円の器をまちづ

くりと考えれば、環境の整備いかんによっ

て、人の気持はよくなったり、悪くなった

りします。そうであるならば、ハード面に

おける環境整備を行わず、ただ人間に対し

て「この恕の気持を持て。お前たち、優し

さが足りないぞ」といってみたところで、

そんなものは精神訓話であり、シュプレヒ

コールにすぎない。行政の長として、これ

は無責任である。

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��福島の進路16.4

講 演

それでは、方円の

器づくりを行おう。

そのきっかけとして、

首都である自分のひ

ざ元の江戸の街から

これを実行していこ

う。それには、江戸

城の中でものを考え

ていてもだめだ、民

の声を直接聞こうで

はないかということ

で、彼が江戸城大手

門前に設けたのが

「目安箱」という投書箱です。「目安」とい

うのは船の羅針盤のことで、この目盛りに

よって、船の舵を取るわけです。この舵取

りを市民の声を直接聞いて行おうと、江戸

町奉行であった大岡越前の守忠相に実行さ

せようということになりました。

環境問題を始めとして投書がどんどん来

ます。吉原遊郭のあたりの歓楽街に規制を

加え、代わりに隅田堤、多摩川堤、あるい

は飛鳥山といったところに桜の名所を作っ

たり、また、五代将軍綱吉の「生類憐みの

令」の下で作られた国立の犬小屋跡の�公

有地の有効利用�として桃の名所を作った

りしたのです。これは現在、東京都中野区

に桃園町という地名となって残っています。

また、小川笙船という町医者の投書に基

づき、「小石川養生所」という老人福祉施

設を作り、彼を初代の養生所長に任命しま

した。つまり、日本で最初の国立病院の院

長に町医者を登用したということです。

さらに、この小石川養生所で使う漢方薬

は非常に効果があるのだけれど、高価な輸

入品なので国産化を図ろうということにな

り、青木昆陽という植物学者に薬用ニンジ

ンほかいろいろなものを実験栽培させまし

た。これは現在、東京大学の付置研究所所

管として小石川植物園ないしは小石川養生

所跡、あるいは薬草園跡ということで、一

般公開しております。そして、この流れが

徳川吉宗の孫の白河藩主松平定信が行った

寛政の改革に引き継がれていきます。

安永の高度成長 ~老中田沼意次~

さて、2回目の「安永」の高度成長をも

たらしたのは、田沼意次という老中でした。

私の感じでは、高度成長の時の政治責任者

と改革を成功させた時の改革責任者という

のはともに独裁者です。いわゆるエリート

が集まって、ああでもない、こうでもない

と仮定の議論ばかりしていても、経済は盛

り上がりませんし、改革も成功しません。

これは、江戸時代の話であって、今の話で

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はないのですが、不言実行、言い訳もしな

いといった�信長�的な人が出てこないと、

だめだと思うのです。

安永がなぜ成功したかというと、吉宗の

改革も、減量経営だ、クビ切りだ、あるい

は何でも節約だと、後ろ向きのことばかり

行っていたわけではなく、積極経営もどん

どん行っているのです。吉宗の足軽として、

紀州和歌山城から一緒についてきた田沼意

次は、開いている長崎港をもっと利用して、

商人と手を組み重商主義で「農」を少し抑

えていこうとしました。

この頃は輸入超過ですから、日本の貨幣

がどんどん海外へ流出していきます。これ

を食い止めるにはどうするか、その一つは

吉宗公が行った漢方薬の国産化をもっと拡

大すること、もう一つは、食の国である中

国へのフカヒレ、いりこあるいは昆布、ホ

タテなどの輸出です。これは、輸入品の国

産化によって通貨の海外流出を抑え、逆に

今度は日本からの輸出品を増やして、外貨

を獲得しようという考えです。これが成功

して、経済は盛り上がりました。

ただ、問題がありまして、田沼は本当に

お金が好きで好きでしょうがないという人

だったのです。彼は賄賂哲学というものを

持っていまして、「老中といったって給与

は安いのだ。それで、いつも故郷に無心し

ては何とか補っている。それを見た連中が、

気の毒がって、持って来てくれる。金なん

ていうのは、持っている人にとっては大切

なもので、それをくれちまうというのは、

いかにその人に真心があるか。その真心に

は、こっちも真心でお返ししなければだめ

なのだ」と、そんなことばかり言っていた

わけです。すると、国民の方がだんだん嫌

になってしまって、「田や沼や汚れた御世

を改めて、清く澄ませ白河の水」と落首、

からかいの歌を作りました。

寛政の改革 ~白河藩主松平定信~

徳川吉宗公の孫である松平定信は、白河

藩主になってから、城下町では年寄りを大

切に、年長者に礼を尽くし、そして彼らの

意見を吸収して、よい政治を行っていこう

としました。それから、松平定信は日本で

最初の公立公園を作りました。白河市にあ

る南湖公園です。もともと、米の増産のた

め南湖を新田開発用のかんがい用水に利用

しようと始めたのであるが、彼の考えは一

石三鳥を狙おうということで、これに加え

て、南湖周辺をカエデやモミジの名所とし、

四季折々楽しめるようなレクリエーション

の公園を作ろう。そして三つ目は、この工

事推進にはすべて城下町の失業者を充てよ

うということです。

この地方自治体の首長(白河藩主)とし

ての実績は全国的に知られていました。吉

宗も同じように和歌山藩主としての実績が

知られており、目安箱もすでに和歌山城で

実験済みでした。ですから、今と違って、

10割自治を見事に成し遂げていた地方自治

体の首長が、入閣をして老中その他の大臣

になり、よい地方行政を国政に反映してい

く。これが当時の政治の実態でして、国政

そのものは国政というレベルから下りてく

ることではないのです。地方分権などとい

う考えはなく地方主権なのであって、地方

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から上がっていったいいものが国政の中に

導入され、活用される。これが本当だと思

うのですが、田沼意次によって、それが崩

れかけていたのです。

結局、そのことが松平定信に対する期待

の念として上がってきて、彼は田沼意次を

追放し、寛政の改革を行いました。初めに

行ったのが、江戸城の管理職役人のたたき

直しです。そして、「学問吟味」を行い、

同時に大学頭だいがくのかみ

であった林家の私塾である

「昌平坂学問所」を国立大学にランクアッ

プし、大学頭は文部大臣級の扱いにしてい

くというように、教育を非常に重んじまし

た。学問吟味というのは、直参の子弟15歳

以上の者に課する論語などに関する学力考

査です。その他、剣術あるいは槍術、馬術

といったような武術にも力を入れさせ、江

戸城の武士たちに武士の原点である「文武

両道」を奨励したのです。

朝から晩まで文武、文武だったのです。

太田蜀山人は、これを「世の中に蚊ほどう

るさきものはなし、ぶんぶ、ぶんぶと夜も

寝られず」と蚊の泣き声に例えました。太

田蜀山人は左遷され、長崎奉行所へ飛ばさ

れたのですが、すぐ心を入れ替えて、学問

吟味を受けました。つまり、この試験に合

格しなかったら、そのポストから外すとい

う再試験です。「国民に対する義務を全然

履行していない。税金を給料としてもらう

に値しないものは全部クビだ」ということ

で、これを徹底していきました。

福祉政策としては、定信は小石川養生所

の拡大強化を図りました。しかし、この寛

政の落ち込んだ時で金がない。では、それ

を作るにはどうするか。つまり、小石川養

生所の運営には二つの助け合いがある。そ

れは、税金による助け合い(公助)と、家

族を抱えている家庭の自己努力(自助)で

ある。その間に「互助」を入れて三助方式

にしていこう。互助というのは、地域社会

におけるお互いの助け合いであり、介護保

険の思想です。つまり、福祉というものを、

ただ役所とその家庭だけで行えばいいので

はなく、社会全体の問題にしていこうとい

う「福祉の社会化」の意味合いがあるので

す。そこで、このことを江戸八百八町の町

会に働きかけました。それぞれの町会は加

入者から町会費を徴収し、それによって運

営しています。「年間の町会費を少し節約

して、節約額の70%、七分を拠出してもら

いたい。そうすれば、この養生所の運営費

に回すことができるだろう」ということで

す。当時は70%を七分といっていたので、

このやり方を「七分積立金」といいました。

定信はこのほかに福祉施設として「石川

島人足寄場」を作りました。それは、軽犯

罪を犯して牢屋に入れられていても、やが

て社会復帰しますので、収監されている間

に技術を身につけさせようという更正施設

です。これは今もありまして、刑務所に入っ

ている人が、いろいろなものを作り、展示

して売ることがありますが、これを定信は

始終行なっていたのです。そして、売れた

お金の半分を本人の分として、出所すると

きに与えようと預金しておき、残りの半分

は石川島人足寄場の管理費として取るとい

うことを行っていました。

このように、白河藩主であった松平定信

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は非常に善政を行います。国政を筋のある

正しい清い流れに変えていきました。とこ

ろが、残念ながら経済が発展しない。先頃

発表された平成15年10月~12月期の���

1.7%のような成長もなく、年率7%にな

どとてもならない。ずっと底入れ宣言でき

ないまま、国民はくたびれてしまったので

す。そこで、我慢し切れなくなった国民が、

「白河のあまり清きに耐えかねて、濁れる

元の田沼恋しく」と、また落首を詠みまし

た。国民も勝手なのですが、ここが政治の

難しいところで、清さ一辺倒だけではいけ

ないということでしょう。経済の盛り上が

りがなければ、どうしても負担ばかりが増

えます。

米沢藩改革 ~上杉鷹山~

この吉宗、定信2人の善政を受け継ぎ功

績があったとして、老中松平定信が表彰し

たのが、山形県米沢藩主の上杉鷹山です。

鷹山の行ったことは、まさにゴーンさんの

先取りで、改革の目的をはっきりと打ち立

てました。それは吉宗公が掲げた「恕」と

いうことです。恕を唱えたのは孔子ですが、

その200年後に生まれた孟子がもう少し砕

いた言い方をしています。つまり、「忍び

ざるの心」、それは他人の不幸、悲しみを

見るに忍びない心を言います。

その心を孟子は、人間が常に持つべき心

として「恒心」と名づけました。しかし、

孟子が「恒心なし」と言い切る場合、それ

は「恒産」がないときである。普通、恒産

というのは、ある程度の収入あるいは財産

を指します。しかし、上杉鷹山はそうは考

えず、「これはまちづくり、生活環境をい

うのだ。環境整備を抜きにして、その住民

に恒心を持ってくださいというのは押しつ

けであり、単なる精神教育にすぎなくな

る」。上杉家は当時、大変な財政難でした。

そこで、本当のリストラクチャリングを行っ

たのです。

リストラ(リストラクチャリング)の本

当の意味は再構築であり、減量経営の意味

ではありません。どんな財政難になっても、

その企業に対するお客様の信頼が高ければ、

ニーズは絶えない。ただ、そのニーズは変

化するので、それに応えなければいけない。

つまり、客のニーズの変化は見るに忍びな

いので、それに対応していこう。それが

「忍びざるの心」です。しかし、お金がな

い。それなら、今が皮を切っている改革な

ら、肉はもちろんそぎますが、骨まで切ら

なければなりません。これは仕事の根本的

な見直しを行うことで、現場から行えます。

トップの切り替えは簡単ですが、現場にい

くと総論賛成、各論反対になってしまうた

め、中間管理職の特段のリーダーシップが

必要になってきます。やはり「三位一体」

というのは、トップ、ミドル、ローという

各層がその気にならなければだめなのです。

それにはゴーンさんの言うように、改革に

参画することに喜びや魅力、そしてやりが

いが必要だということなのです。

痛みを伴うから、現場は必ず「なぜ、こ

んなことを私が今しなければいけないので

すか」と疑問を持ちます。その時に、この

鷹山が中間管理職にリーダーシップの執り

方として求めたことは、「してみせて、言っ

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て聞かせて、させてみる」ということでし

た。これは三つのことは果たしてくださいと

いうことです。「なぜ」、目的をきちっと話

す。「どれだけ」、本人のやり遂げた仕事の

組織目的に対しての寄与度、貢献度をはっ

きり告げる。さらに「評価」、それに対し

てどんな褒賞や罰を与えるかということを

はっきりさせることです。

鷹山は、この改革を進めるうえで二つの

提言を行います。その一つが「火種運動」

です。「上杉藩は、例えてみれば、冷え

切った灰の上に存立している企業である。

私はトップとして、超能力は持っていない

し、奇跡は起こせない。しかし、手はある。

自分の足場、冷え切った灰の足元を掘って

みると、まだ消えていない小さい火種が発

見できる。そして、これが今、私の胸の中

で赤々と燃えている。同じことを全員で

やって、火種運動を起こそう。これによっ

て、米沢城からその火がどんどん燃え盛れ

ば、城下の人々の胸に飛び火していって、

そのときに人々は『ああ、そうか。あの改

革は、お城のための改革

ではなく、我々のために

行っているのだ。では、

我々も協力しなければい

けないな』と認識するだ

ろう。」

その忍びざるの心が見

事に実ったのが、有名な

「棒杭の商い」です。売

る人はおらず、棒杭が

立っていて、どんな高い

品物でもここに掲げられ

た値段表を見て、買う人はきちんとお金を

ざるに入れていく。後で精算すれば、ぴっ

たりご名算、一文の狂いもない。これが米

沢の棒杭の商いであり、お城から始まった

火種運動です。あの火の燃え盛りがみんな

の胸に飛び火していった。だから、天明の

大飢饉の時にもあの地方だけは絶対に餓死

者を出さなかった。なぜなら、地域別に食

糧と必要最低限の生活用品が格納されてい

て、その扉が一斉に開かれ、全員がそれに

よってお互いを支えあったからである。こ

れも忍びざるの心が、あの火種運動から広

がっていったからだと、このような話が

残っています。

本日は最後までご清聴いただきまして、

ありがとうございました。

【おことわり】

本稿は、平成16年2月20日に、財団法人

福島県産業振興センター、財団法人福島経

済研究所の共催により開催された新春講演

会の要旨を当研究所の文責でまとめたもの

です。

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トキワ印刷株式会社����������������

企業概要

代表者 代表取締役社長 後藤  裕所在地 須賀川市大字森宿字ヒジリ田50設 立 昭和22 年6月18 日創 立 大正3年2月7日資本金 478 .2 百万円従業員 180 名

   ��� 0248 -75 -2145(代表)   ��� 0248 -76 -8116事業概要

官製はがき、一般印刷、紙発泡緩衝材「ワンダーエコ」製造

�� 福島の進路16.4

企業訪問

大企業との競合を通じて

須賀川市の北、国道4号線に面するトキ

ワ印刷㈱は、印刷業界の中でもガリバー企

業と戦い、生き残りを図っている企業であ

る。大手企業との競合、社会変動の波に揉

まれながら、その中で「ワンダーエコ」と

いう商品を開発し、日本郵政公社の「ゆう

パック」向けに今年2月から発売を開始し

たトキワ印刷の取組みを紹介したい。

当社は、昭和16年から、大蔵省専売局

(現��)の発注を受け、「ハイライト」や

「マイルドセブン」といったたばこの包か

の印刷を手掛けていた。しかし、専売公社

は民営化されて「��」となり、加えて海

外からの輸入たばこの台頭などもあり、包

かの印刷が��で内製化され、平成6年4

月には印刷の発注がストップした。

一方で当社は、60年以上に亘り、官製は

がきや電報頼信紙を印刷しており、当社の

売上の6割以上を占める。しかも年賀状の

シェアは全国の約25%(南関東、信越、東

北、北海道の各地域)を占め、通常の郵便

葉書は日本郵政公社発行の38%、「往復郵

便葉書」に至っては100%を占めている。

官製はがきの印刷に関しては、凸版印刷や

大日本印刷といった業界のトップ企業と競

合しての受注となる。

当社を取り巻く環境をみると、「��化に

よるはがきの需要低迷」、「中国や東南アジ

アをはじめとして世界の労働賃金の低廉

化」、「早急に対応が求められる環境問題」

などがあり、これらにいかに対応していく

かが課題といえる。しかも経費削減の進む

民間企業からの需要増加が見込めない状況

において、今まで以上に「官」からの仕事

を安定して受注していく技術が必要となる。

県内でも既存ビジネスの需要先細りを懸

念して新分野に取組む企業が増えているが、

その新しい分野として異業種への展開を選

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製品化にあたっての苦労話を話す後藤社長

��福島の進路16.4

企業訪問

択する企業が多い。そうしたなか、当社

では、自社で出る裁断くずを、もう一度

発注先である郵政公社に販売することが

できる物を作り上げ、活路を見出そうと

している。裁断くずや試し刷りによるい

わば廃棄物を単なる再生紙の「材料」と

するのではなく、付加価値を生み出す

「製品(商品)」としてもう一度命を吹き

込みたいという考えが新商品の開発に着

手したきっかけという。

「ワンダーエコ」開発の苦労話

環境の負荷を低減し、尚且つ高付加価値

の新商品を作り出すという難問に取組んだ

社長と社員2名は、約1年間に亘り敷地内

の小さな作業小屋にこもって開発にあたっ

た。社内でも社長の取組みに半信半疑の者

も多く、「社長は何をやってるんだろう?」

という声がよく聞かれたという。

再生紙も含め、紙のリサイクル業者の間

では、「紙の繊維を切ってしまったら何も

出来ない」と言われているが、この定説を

覆し、紙を細かく粉になるまで磨り潰して

研究を進め、平成12年1月発泡材の原料の

開発に成功した。

過去にも新商品開発を自ら手掛けては成

功に至らず何度となく失敗を繰り返したと

いうが、社長は「何をやっても駄目な悪い

時期がある。しかし当社はその10年間とい

う厳しい時期を乗越えて商売をしてきた。

商売にもツキが重要で、ツキが上向いてく

る時には必ず重要な�人�が現れて手を差

し伸べてくれる」という。官�財界に知人

の多い社長が、「今回の新商品を世に送り

出すことが出来たのもやはり様々な�人�

との繋がりがあってこそ」と話す。

また、そのツキの一つに郵政公社の民営

化も挙げられる。郵政事業庁時代は新しい

取組みに対する動きが今ひとつであったが、

郵政事業も民営化を受けて動きが良くなっ

てきたのも事実。今回の商品開発とこう

いった動きが重なったのも、社長がいう

「ツキ」のひとつなのだろう。しかし、こ

のツキも社長の新商品開発にかける「執念」

が引き寄せたものといえる。

優れた商品力を武器として

当社の強みは、「毎日2トンという上質

の裁断くずと広い土地」という。以前は、

裁断くずや試し刷り、裁断ミスによる紙片

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粉末化された紙片

微粉砕を発泡させるペレット製造装置

��・カシオペアなどで利用されている「ワンダーヘルシー」

�� 福島の進路16.4

企業訪問

は、再生紙向けなどとして収集業者に売

却していたが、これだけ上質な紙を大量

に使用することが可能な印刷業者は、全

国でも数える程しかなく、この貴重な資

源の再利用は、環境保護という観点だけ

でなく、高付加価値商品を生み出す可能

性を秘めている点に着目した。得てして

エコ�リサイクル商品というと既存商品

より価格が高く、品質も劣るという概念

が強いが、当社の商品は、民間の宅配業

者の包装材よりも安価であり、既存の発

泡スチロールと品質的にも劣らない商品

である。まさに環境面だけでなく、競争

力を充分兼ね備えた商品といえる。

発泡スチロールとほぼ同じ比重の当商

品は、紙特有の柔らかさを持ち合わせ、

弾力�復元性に富み、商品をやさしく保

護する。中身の入った一升瓶の落下テス

トでは、40㎝の高さからどの角度で落と

しても中身は保護されるなど高い緩衝力

を持つことが検査により証明されている。

また、空気を多く含み、保冷�断熱材と

しても高い性能を持ち、単なる保冷パッ

クとしての機能だけでなく、水分の吸

収�放出性能が他の発泡スチロールなど

と比較して優れ、中に入れた農産物も長

持ちするという。そして一番の特徴は、

上質な紙を主成分にして、少量のコーン

スターチ(補助材)とポリプロピレン

(結合材)を混合し発泡させている為、有

害な化学物質を含まず、燃やしてもダイオ

キシンを発生しないという点にある。また、

発泡体、板材、シート材と様々な形状への

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書家 岡本光平氏によるパッケージラベル

��福島の進路16.4

企業訪問

加工が可能であり、クッション機能付きの

靴の中敷、使い捨てスリッパ、封筒など用

途は幅広い。

心強いパートナーとともに

当社が開発した「ワンダーエコ」は、官

製はがき等の発注先である日本郵政公社の

「ゆうパック」の包装用として今年2月か

ら全国の250余りの郵便局で試験的に販売

が開始された。今後は24,700局を数える全

国の郵便局で発売する予定である。

また、自動車部品メーカーとして全国に

工場を持つ矢崎総業㈱と業務提携すること

により、東日本向けの製品は当社が、そし

て西日本向けの製品を矢崎総業が担当する

ことで「ワンダーエコ」が全国展開してい

く可能性を持ち合わせている。

「ワンダーエコ」の開発�販売開始は、

当社に大きなメリットをもたらす事が予想

される。通常のはがきなどの印刷は、材料

費にロス発生部分も勘案して価格を決定す

るが、裁断くずをロスとしてではなく、リ

サイクルすることで収益源として考えるこ

とが可能となり、他社より低価格を提示す

ることが可能となる。つまり、新分野商品

の開発により、本業での他社との価格競争

力も増し、また新商品をゆうパック向けに

販売することで日本郵政公社との繋がりも

強まっていくと考えられる。

「ふくしま」を発信するツールとして

全国でも有数の果物や野菜の産地である

福島県。しかし残念なことに日本一の生産

量を誇る産品が無く、PR不足などもあり

全国で福島県産の農産物の知名度は決して

高いとはいえない。また、会津地方を中心

として多くの蔵元を有する本県では、蔵元

が卸�小売店を通さずインターネット販売

など直取引きを拡大し、販路を広げていく

のも売上低迷を打破する一つの手段と考え

られる。今回売り出された「ワンダーエコ」

商品が、こういった福島県の産品を優しく

包み、その本物の味を全国に運び、知

名度向上の一翼を担うことに期待した

い。 (担当 野木)

「ワンダーエコ」商品についての詳

細は、ホームページ「��������������

��� �� � �������������」を参照願い

ます。

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第17回 北の造形詩―若松光一郎

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さかい てつを

福島県立美術館長

福島市

■■

�� 福島の進路16.4

美を訪ねて

具象・前期

若松光一郎は、大正3年(1914)石城郡

湯本町(いわき市)に生まれた。鎌田正蔵

より1歳年下であるが、東京美術学校入学

は昭和8年(1933)で同期となった。若松

は、東京美術学校師範科を出て磐城中学に

赴任してきた柴田善登の感化を受け、美術

クラブに所属し、『中央美術』などの美術

雑誌を通じて、シャガールやゴッホに興味

をもったという。鎌田が岡田三郎助の教室

だったのに対し、若松は藤島武二の教室で

学んだ。若松も、鎌田や杉全直ら美校同期

の仲間で結成したグループ「貌」に加わり、

池袋パルテノンにも住んだが、鎌田や杉全

のように、超現実主義の影響は受けなかっ

た。

若松は、昭和11年(1936)に創設された

第1回新制作派展を見て感動し、脇田和や

佐藤敬に注目したという。昭和10年(1935)

に松田改組といわれる当時の文部大臣松田

源治による強引な帝展改革が画壇に混乱を

招き、逆に分裂した。有島生馬、石井柏亭、

安井曽太郎、山下新太郎ら在野画壇の大家

たちが集まって、一水会をつくった。悠々

と一日に一水あるいは一山を描くという中

国画論に由来する命名であるが、このよう

な旧来の洋画の成熟に対して、猪熊弦一郎、

内田巌、小磯良平、中西利雄ら新進画家た

ちは、新しい具象絵画の創造をめざして新

制作派協会を設立した。

新制作派は、具象絵画のモダニズムの拠

点となった。それぞれの個性は異なるが、

都会的な新しい造形感覚が、この会の基調

だった。若松は、昭和12年(1937)の第2

回展に《人物》が入選した。この時美校在

学中で23歳、順調なスタートだった。モデ

ルは当時東京音楽学校ピアノ科の学生だっ

た紀志子夫人、ピアノを背にした全身像で

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��福島の進路16.4

美を訪ねて

ある。翌年《プラットフォーム》、《暗室》

(1939)、《アトリエ》(1940)と着実に入選

を重ねた。

彫刻家の舟越保武のアトリエをモチーフ

にした《アトリエ》は賞候補になったが、

図版によれば、室内のさまざまな彫像の

フォルムにによる空間構成を意図した作品

であり、この時期の若松の作品には、平面

構成を強く意識した新鮮な造形感覚がみら

れる。若松は、不分明な心象表現よりも、

明晰な造形秩序を追求していたようだ。

昭和16年(1941)の第6回新制作派展に

《石の村》《巌》を出品し、《石の村》(図1)

が新作家賞を受賞した。栃木県の大谷に取

材した風景画であるが、堅固な画面構成と

マチエールが出色である。採石場のこわれ

かけた小屋の暗い薄塗りの色調と、画面中

央上部に厳として存在する、方解石の粉末

を混ぜたという岩山の青白い明るい色面が

対比され、前景の大谷石が散乱する作業場

から遠景の青空へ、色彩とフォルムによる

階調をつくっている。マチエールに対する

若松の強い関心が早くも認められる。また、

この作品あたりから、若松の主題が風景に

移ったことも注目される。

《晩秋の武蔵野風景》(1941)、《霊山の春》

(図2�1943)、《五月》(1944)など、自然

の感触を確かめるかのような風景画が描か

れる。この頃戦争は苛烈さを加えてきた。

若松の画面から、以前の室内風景のような

都会的感覚は希薄となり、濃密な風景表現

に、画家の生命感情を塗り込めているかの

ようだ。若松は、鎌田のように長期の兵役

に従事することがなかっため、比較的戦中

の作品がのこっている。しかし、終戦の前

年に応召し、広島で爆心地から5キロの地

点で原爆を体験し、広島市宇品で終戦を迎

えた。

図1 石の村 図2 霊山の春

具象・後期

戦後、若松はいわき市湯本に居を定めた。

紀志子夫人がピアノを教え、若松はアトリ

エで子どもたちや大人に絵を教え、高校や

専門学校の美術教師を務め、地域の芸術活

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�� 福島の進路16.4

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動の中心となった。若松夫妻の二人三脚に

よる美術と音楽の芸術活動は、地域に大き

な貢献をしたが、音楽は若松の絵画表現に

も影響を与えたようである。若松は、郷里

から新制作派展に出品を続け、さらに新し

い表現世界を展開した。

図3 石炭をはこぶ女

戦後しばらくは、炭鉱や漁港などの風景

や労働の情景が主たるモチーフだった。

1950年代に佐藤忠良、朝倉摂、中谷泰、竹

谷富士男、吉井忠らが常磐炭鉱を訪れ、若

松はともにスケッチをしたり炭鉱の人々と

交流したが、若松は、彼らのいうネオ�リ

アリズムの主張に共感し、《小田炭鉱A、

B》や《石炭をはこぶ女》(図3)のよう

な炭鉱や漁場の場景など、社会性をもった

テーマを塊量的な力強いフォルムで構成し

た作品を描いている。

図4 独航船

しかし、《まきあみ》(1959)や《独航船》

(1960)のような作品では、主題や社会性

よりも、造形の自律性がきわだってくる。

《まきあみ》は、3人の漁師が漁網を巻き

上げる労働の情景であり、具体的なイメー

ジをとどめているものの、画面を支配して

いるのは、漁網のダイナミックな線と色彩

である。出港の光景を描いた《独航船》

(図4)になると、さらに抽象化がすすみ、

海や船体、帆は描かれているが、それらは

ここでは色面として、散乱する紙テープと

対比する造形要素とした用いられており、

この作品は、ほとんど抽象画に接近した色

彩のシンフォニーというべきものである。

終戦直後、戦前の美術に対する批判や反

省が行われ、リアリズムをめぐる論争があっ

たが、そのなかで日本美術の社会性の欠如

が指摘された。若松の社会的テーマの作品

は、このような動向と無関係ではない。昭

和31年(1956)に岡本太郎らによって東京

で「世界�今日の美術」展が開かれた。ア

メリカの抽象表現主義やヨーロッパの非具

象絵画など、世界の最先端の美術が紹介さ

れ、自由奔放な「熱い抽象」が日本の画家

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たちに大きな衝撃を与えた。《独航船》な

どにその影響がうかがわれる。若松は、そ

のような現代絵画の動向を注視し、鋭敏に

反応しながら、独自の造形思考を深めて

いった。

コラージュ・前期

若松は、1960年代、50歳になった頃から

抽象画の時代に入る。いわき市の四倉海岸

でみた廃船の油のしみが「そのまま絵にな

ると思った」というが、ものそのものに偶

然生じた現象に、対象を離れた自由なイ

メージの生成、素材の質感のおもしろさを

発見したのである。《変容》や《無窮動》

のような、油彩による抽象表現主義風の実

験を経て、画面に絵具以外の物質をとりこ

んだコラージュにたどりつく。

カゼインカラーという日本画の顔料と油

絵具の中間のような特殊な絵具と墨などに

よって彩色された和紙をキャンバスに貼り

つけていく、「表具屋のような」と自らい

う方法である。若松は、和紙という繊細素

朴な伝統的素材に注目し、一枚一枚裏から

彩色していくという手仕事を制作のプロセ

スに導入し、それらを貼りつけて画面を構

成する。つまり、素材や色彩との身体的な

対話を通じて、イメージを生成していくと

いう方法である。若松は、このように重層

的、構造的に方法化されたコラージュの作

品によって、繊細で透明な感性に基づく固

有のイメージを自由に展開していく。

図5 北国の記念碑

図6 宇宙の響きⅠ《変容№1》(1965�平市民会館蔵)、《北

国の記念碑》(1966�福島県立美術館蔵)、

《雨乞い祭》(1967�東京国立近代美術館蔵)

という制作過程をみると、若松が廃船の船

体の油のしみに見たのは、フォルムやマチ

エールのおもしろさだけではなく、人間の

記憶の形象だったのではないかと思われる。

《北国の記念碑》(図5)は、画面全体を長

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方形の和紙で覆い、《雨乞い祭》は

和紙の地の上に和紙でフォルムをつ

くっている。このような試行のなか

で、若松は、「表具屋のような」工

芸的、装飾的な手法をつきぬけた、

風土や共同体の深層に達するモニュ

メンタルな堅固な造形を求めた。

コラージュ・後期

1970年代末ころから、若松の絵画

に新たな作風展開がみられる。不定形な平

面的なフォルムと色彩の重なりで構成され

ていた画面は、《暈染》(1974)のように、

キャンバスの地のうえに貼りつけられた和

紙に滲みの効果を意識した手書きの形象が

出現し、《宇宙の響きⅠ》(図6�1978)以

降、クレーやミロを連想させる線描や記号

のような形が、画面いっぱいに躍動するよ

うになる。暗黒の宇宙を暗示するように画

面全体を覆う黒の地のうえに、月や星座や

宇宙の神秘を形象した子どもの落書きやク

レーを思わせる記号のような形や線が充満

する幻想的なイメージである。このような

黒をバックにした作品は、《オートノミー

1》(1979�福島県立美術館蔵)や《�������》

(1981)、《レクイエム》(1983)など、音楽

のイメージによる多彩なヴァリエーション

として後続する。

図7 �����������

図8 大地の歌

一方、《スケルツオ》(1981)、《子供の情

景A》、《�������� 》(図7�1983)な

ど、白やピンクを基調にして、赤、青、黄、

紫、黒などのやはり記号的フォルムと線描

を用いた明るい画面のシリーズが制作され

ている。この時期若松は、宇宙や音楽をモ

チーフにして、生動する記号的フォルムを

画面にもちこみ、コズミックな根源的な生

命のリズムを表現している。それはまた、

堅固な平面を追求するあまり、閉ざされる

恐れのあった空間を解放することも意味し

たであろう。明暗の対照によって、暗では

神秘を、明では生の喜びを表現している。

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美を訪ねて

このようなふたつの傾向は、《ジュピタ-

Ⅰ》(1990)や《オートノミー91》(1991)

のように最後まで共存する。1980年代に、

《北の碑》(1984)や《大地の歌》(図8�

1985)など一連の作品において、再び自ら

の風土のアイデンティティに立ち帰って統

合する試みもあったが、《浮遊するフェル

マータ》(1994)や《����� ������》

(図9�1995)などの最晩年の作品は、老

境の若松の心象を表し明快で自在である。

図9 ����� ������

地域で

若松光一郎という画家の生涯を考えると

き、制作以外の地域社会に対する芸術的貢

献を忘れることができない。美術教師とし

て生徒を指導したり、県展や市展などの展

覧会に対する協力だけではなく、市民と直

接交わった。湯本の自宅で毎週月曜日の夜

に絵を教えはじめ、それがユマニテ会に発

展し、ユマニテ会の展覧会には、朝倉摂、

佐藤忠良、竹谷富士男、中谷泰らが協賛出

品して、市民と作家たちとの交流の輪を広

げた。

昭和51年(1976)に創設され、若松が会

長となったいわき市民ギャラリーは注目す

べき存在だった。作家だけでなく広く市民

に参加を呼びかけた美術新興団体で、展覧

会部会、事業部会、実技セミナー部会を設

け、活発な活動をした。「ヘンリー�ムー

アの彫刻と素描展」「ロダン展」「クリムト

展」のような世界一流の芸術を市民に体験

させるなど、類例のない充実した活動を繰

り広げた。

いわき市美術館創設には、佐藤忠良らと

ともに尽力した。この美術館は、旧長岡現

代美術館の現代美術のコレクションのなか

から、ウオーホル、ローゼンクイスト、イ

ヴ�クラインらの20世紀後半の代表的な現

代美術の作品を収集し、当時美術館ブーム

といわれるほど数多くつくられた公立美術

館のなかでも、先見性をもった美術館とし

て高く評価されたが、その背後には若松ら

の存在があった。

火薬を使った表現行為によって知られ、

国際的に活躍している中国の現代作家蔡国

強に早くから活躍の場を提供したのはいわ

き市の人々であり、いまも作家と格別の絆

によって結ばれているようだ。若松亡き後

も、作家と市民が連携して芸術を支援する

素晴らしい伝統が、いまも生きているよう

である。

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短期賃貸借制度廃止と建物明渡猶予制度

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わたなべ けんじゅ

弁 護 士

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�� 福島の進路16.4

企業法務セミナー

1 短期賃貸借制度とその廃止

ある物件について抵当権の設定登記がな

された後、その物件を賃借した者は、抵当

権が実行されて競落された場合、買受人に

対して賃借権を主張できず、明け渡さなけ

ればならないのが原則です。

しかし、これまで民法395条の規定によ

り、土地については5年、建物については

3年を越えない短期の賃貸借は、抵当権が

実行されて競落された場合でも、賃貸借契

約期間中は買受人に対して賃借権を主張す

ることができ、期間満了まで明け渡さない

でよいとされていました。これをいわゆる

「短期賃貸借制度」といいます。

しかし、この短期賃貸借の存在のために

競売物件の売却価格が低下したり、意図的

に短期賃貸借契約を締結して競売物件に居

座ったうえ立退料を請求する事例など、弊

害や濫用の事例が多く見られました。

このため、平成16年4月1日施行の改正

法は民法395条の制度を廃止することとし、

抵当権が設定された後に締結された賃貸借

契約は、その期間の長短にかかわらず、競

売による買受人に対抗できないものとしま

した。

2 建物明渡猶予制度の創設

しかし、抵当権設定登記後の賃借人が全

く保護されないとすると、賃借している物

件が競売に付され競落された場合、賃借人

は直ちに物件を明け渡さなければならない

ことになり、これは賃借人に大きな負担と

なります。

そこで、改正法は、新たに建物について

明渡猶予制度を創設し、賃借人の保護を図

りました。

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��福島の進路16.4

企業法務セミナー

これは、抵当権に対抗できない賃貸借に

より建物を占有する者で、差押後に占有を

始めた者を除く者は、代金納付から6か月

までに限り、当該建物の明渡を猶予される

というものです(差押後に占有を始めた者

は明渡猶予を認められません)。

3 明渡猶予期間中の法律関係

明渡猶予期間中の入居者と買受人の法律

関係については、賃貸借関係は成立せず、

入居者は文字どおり明渡を猶予されている

に過ぎません。

また、入居者は明渡猶予期間中、無償で

建物を使用できるのではなく、買受人に対

し、建物使用の対価として、賃料相当損害

金の支払義務を負います。買受人が入居者

に対して、相当の期間を定めて1か月分以

上の使用の対価の支払いを催告した場合に、

入居者が期間内に支払わないとその期間の

経過後は入居者は明渡猶予を受けられなく

なります。

また、抵当権に後れる賃借権は買受人に

対抗できないものとなった以上、賃借人が

差し入れた敷金返還請求権は買受人に承継

されないことになります。

4 抵当権者の同意がある場合

金融機関から借入を起こして建物を建築

しテナント貸室として他者に賃借するよう

な場合、金融機関は賃貸借契約の事前にそ

の建物に抵当権設定をするのが通常です。

このようなテナント貸室を賃借する者の

多くは、正常な賃借人であり、このような

正常な賃借人を保護することは、金融機関

としても抵当物件に対する賃料を確保する

などの利益がある場合があります。

そこで、改正法は抵当権設定登記後に登

記された賃借権は、これに優先する全ての

抵当権者が同意をし、その同意について登

記がされたときは、当該抵当権者及び競売

における買受人に対抗できることとしまし

た。

5 テナント賃借の場合の注意点

上記のとおり、賃借人はその契約期間の

長短に関わらず、抵当権者及び買受人に対

抗できないので、競売による買受人があら

われた場合には、6か月間明渡を猶予され

るだけです。

また、賃貸借契約が買受人に承継されな

いことから敷金の承継もなく、賃貸人に差

し入れた敷金を買受人に請求することはで

きず、元の賃貸人に対して請求するしかあ

りません。

既に抵当権設定登記がなされている建物

を賃借する場合には、賃借人としては、賃

貸人の後日の経済状態の変化によっては、

予定外の時期に貸室の明渡を求められ、差

し入れた敷金の返還も期待できないという

ような不測の事態に陥る可能性があること

を知っておく必要があります。

なお、改正法の施行日(平成16年4月1

日)よりも前に契約締結された短期賃貸借

については、施行後も引き続き改正前の民

法395条が適用になります。

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      特許と商標の国際的な権利取得

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みずの ひろふみ

弁 理 士

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�� 福島の進路16.4

知的財産権セミナー

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いいえ。国を越えて国際的に権利が及ぶ

と言う意味での国際特許や国際商標は未だ

存在しておりません。知的財産権の効力は

これを付与した国の法域内に限るのが原則

です。したがって、権利を取得するための

手続は各国毎に行う必要があります。

しかし、この手続をする場合において、

国際間で統一的に扱うことを内容とした条

約が存在します。特許については、特許協

力条約に基づく国際出願というものがあり、

2004年3月現在で122ヵ国が加盟していま

す。商標については、マドリッド協定議定

書に基づく商標の国際登録というものがあ

り、2004年3月現在で62ヵ国が加盟してお

り、日本にとって主要な取引き相手先とな

る、米国、中国、韓国、およびEC主要国

も加盟しております。

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�����

特許協力条約(���)は、いままで各

国毎に区々の様式に則って行っていた外国

への出願を、様式の面から統一した出願

(���出願)をすることにより、外国出願

への労力と費用の軽減を図ることを目的と

しております。日本国特許庁に対して日本

語または英語による統一様式によって出願

手続を行うだけで、その出願日をもって全

加盟国へ出願したと同等の効果を享受する

ことができます。ただし、実際に特許取得

を希望する加盟国に対しては、この出願日

から2年6ヵ月以内に各国毎に出願書類の

翻訳文等を提出する必要があります。

このようにして為された国際特許出願は

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��福島の進路16.4

知的財産件セミナー

出願日から1年6ヵ月後に日本語と英語の

双方で国際公開がなされ、さらに、国際調

査報告や国際予備審査報告という文書が日

本語で作成されます。これらは各加盟国の

審査において審査資料として重要な位置を

占めるため、各国における特許取得の可能

性や統一的な出願内容の補正に役立たせる

ことができます。

このほか、外国で特許を取得するために

便宜を与える他の方法としては、パリ条約

に基づく国際特許出願があります。これは、

権利取得を望む加盟国毎に、日本の特許出

願に基づき、この出願日から12ヵ月以内に、

その国の独自の様式に則って作成した特許

出願を為すことです。この場合、出願日は

日本の特許出願日が基準として扱われます。

しかし、このパリ条約に基づく国際特許

出願は、上記の���出願に比べて、各国

毎の区々独自の手続様式に合わせた出願書

類の準備を12ヵ月以内で行う必要性から、

出願人にとっては労力�費用の負担が大き

く、また、上記した国際調査報告や国際予

備審査報告のような国際間で共通利用の審

査資料がないことから、審査の迅速性に欠

ける等の課題がありました。

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国際的な商品流通やサービスの急速な拡

大は、同一性のある商標を多数国間で共通

して使用することによる統一的な国際的信

用の確立とその保護の要請が高まってきて

おり、従来の各国毎に独立した出願手続で

は、保護の迅速性に欠ける問題点がありま

した。

そこで、従来の制度よりも簡易な手続き

で、国際間で同一性のある商標を共通して

保護すべく商標に関する国際条約が締結さ

れました。日本では2000年3月14日からこ

の条約上の制度を利用できるようになり、

正規に登録になった商標は、原則として希

望する他の加盟国においても、自動的に商

標登録されたものとして保護されるように

なりました。したがって、原則として、従

来のように現地代理人による手続きも不要

となり、また、国際登録日から10年毎に行

う商標登録の更新手続きも日本における1

件の更新申請書類で済ますことができ、複

数国における商標登録の一元管理が可能と

なります。逆に、国際商標の基となる日本

の商標登録が拒絶や無効にされた場合には、

これに基づいてなされた国際登録商標も自

動的に保護が拒絶されることになります。

なお、この場合は各国毎の独自出願手続に

則った個別手続に移行することにより、各

国毎に商標登録を受けることができる救済

措置があります。

以上のように、特許の国際出願と商標の

国際登録は、統一された出願手続による数

多くのメリットを有しており、いずれも日

本国特許庁における出願手続きを基にして

外国で保護を受ける場合の便宜を図ってく

れるものですので、国際ビジネスを有利に

進める観点からも利用をお勧めいたします。

※知的財産権セミナーは今回で最終回となりました。水野弁理士には長い間ご執筆いただき誠にありがとうございました。今後の益々のご活躍をお祈りいたします。

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税務・財務相談� !�

企業組織再編成に係る税制(合併)について(その1)

平成13年度の税制改正では、柔軟な企業組織再編を可能とするための法制整備の

一環の観点から、商法改正により会社分割制度が導入されたことに伴い、税制面で

の新たな枠組みとして、分割・合併等の企業組織再編に係る税制が整備されました。

今回は、企業組織再編の一つである合併について取り上げます。

�� 福島の進路16.4

税務・財務相談Q&A

〔質問1〕

新たな企業組織再編に係る税制の基本

的考え方及びその背景について説明して

下さい。

〔回 答〕

企業組織再編成に係る税

制の基本的考え方及びその

背景は、平成12 年10 月3日

の政府税制調査会「会社分割�合併等の企

業組織再編成に係る税制の基本的考え方」

によれば次の通りです。

(基本的考え方)

�1 合併�現物出資などの資本等取引と整

合性のある課税のあり方

�2 株主における株式譲渡益課税やみなし

配当に対する適切な取扱

�3 納税義務�各種引当金などの意義�趣

旨などを踏まえた適正な税制措置のあり

�4 租税回避の防止

(背景)

�1 近年、わが国企業の経営環境が急速に

変化する中で、企業の競争力を確保し、

企業活力が十分発揮できるよう、商法等

において柔軟な企業組織再編成を可能と

するための法制等の整備が進められてき

ている。税制としても、企業組織再編成

により資産の移転を行った場合にその取

引の実態に合った課税を行うなど、適切

な対応を行う必要がある。

�2 企業組織再編成に係る法人課税のあり

方を検討するに当たっては、以下の点か

ら、現行の現物出資、合併等に係る税制

を改めて見直し、全体として整合的な考

え方に基づいて整備する必要がある。

第一に、会社分割には、現物出資、合

併等と共通する部分があり、例えば、分

割型の吸収分割と合併では法的な仕組み

が異なるものの、実質的に同一の効果を

発生させることができる。同じ効果を発

生させる取引に対して異なる課税を行う

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税務・財務相談Q&A

こととすれば、租税回避の温床を作りか

ねないなどの問題がある。

第二に、現行の税制においては、営業

譲渡により企業買収を行う場合には、資

産の時価取引として譲渡益課税が行われ

るが、他方、合併により企業買収を行う

場合には、課税が繰り延べられるなどの

問題がある。

�3 会社分割�合併等の組織再編成に係る

法人税制の検討の中心となるのは、組織

再編成により移転する資産の譲渡損益の

取扱いと考えられるが、法人がその有す

る資産を他に移転する場合には、移転資

産の時価取引として譲渡損益を計上する

のが原則であり、この点については、組

織再編成により資産を移転する場合も例

外ではない。

ただし、組織再編成により資産を移転

する前後で経済実態に実質的な変更が無

いと考えられる場合には、課税関係を継

続させるのが適当と考えられる。した

がって、組織再編成において、移転資産

に対する支配が再編成後も継続している

と認められるものについては、移転資産

の譲渡損益の計上を繰り延べることが考

えられる。

また、分割型の会社分割や合併におけ

る分割法人や被合併法人の株主の旧株

(分割法人や被合併法人の株式)の譲渡

損益についても、原則として、その計上

を行うこととなるが、株主の投資が継続

していると認められるものについては、

上記と同様の考え方に基づきその計上を

繰り延べることが考えられる。

�4 分割型の会社分割や合併における分割

法人や被合併法人の株主については、そ

の取得した新株等の交付が分割法人や被

合併法人の利益を原資として行われたと

認められる場合には、配当が支払われた

ものとみなして課税するのが原則である。

ただし、移転資産の譲渡損益の計上を繰

り延べる場合には、従前の課税関係を継

続させるという観点から、利益積立金額

は新設�吸収法人や合併法人に引き継ぐ

のが適当であり、したがって、配当とみ

なされる部分は無いものと考えられる。

〔質問2〕

合併に関する法人税課税の概要につい

て説明してください。

〔回 答〕

1.被合併法人における課税

(概要)

適格合併(税法に定める一定の要件(適

格要件)を満たす場合)では、被合併法人

(合併によりその有する資産および負債の

移転を行った法人)の資産を最後事業年

度(注1)終了のときにおける帳簿価額で引

き継いだものとされ、譲渡に伴う譲渡損益

は繰り延べられます。

非適格合併の場合は、移転資産は時価で

譲渡されたものとみなされ、被合併法人で

譲渡損益が計上されます。

すなわち、非適格合併の場合は、被合併

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税務・財務相談Q&A

法人は合併による資産等の移転は原則とし

て合併時の価額(時価)による資産等の譲

渡として取り扱われることになり、その譲

渡利益または譲渡損失は被合併法人の最後

事業年度(合併の日の前日の属する事業年

度)の益金または損金の額に算入すること

となります。

この場合、被合併法人は、資産等の移転

の対価として合併法人の株式等を合併法人

から時価で取得し、直ちにこれを被合併法人

の株主等に交付されたものとみなされます。

注1:合併による解散が被合併法人の事業年

度の途中の場合には、その事業年度開始

の日から合併の日(合併期日)の前日ま

での期間を1事業年度とみなされます。

2.合併法人における課税

資産移転等に伴う譲渡損益は被合併法人

において計上されるため、資産の移転に係

る合併法人における課税はありません。

〔質問3〕

適格合併の要件について説明してくだ

さい。

〔回 答〕

税法では、企業グループ内組織再編と共

同事業を行うた

めの組織再編成

に大別されたう

えで、それぞれ

適格要件を規定

しています。な

お、いずれの場

合も金銭の交付は売買と考えられるため、

適格合併の条件として合併において金銭の

交付が行われないことが必要です。

(企業グループ内組織再編成)

1.資本関係100%の企業グループ内の合併

資本関係が100%(発行済株式等の全部

を直接または間接に保有(注2))である法

人間の合併は、移転資産に対する支配が継

続しているとの考えから、その他特別な要

件はなく、基本的に適格合併とされます。

注2:同一の者がそれぞれの法人の発行済株

式等の全部を直接または間接に保有する

場合を含む。

2.資本関係50%超100%未満の関係にあ

る企業グループ内の合併で、かつ株式

保有の継続が見込まれる場合

資本関係50%超100%未満(注3)の関係

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税務・財務相談Q&A

にある企業グループ内の適格要件は以下の

通りです。

�1 (独立事業単位要件)

被合併法人の従業員の概ね80%以上が合

併法人の事業に従事する見込みであること。

�2 (事業継続要件)

被合併法人の主要な事業が合併法人にお

いて引き続き営まれる見込みであること。

注3:発行済株式等の総数の50%超100%未

満の株式を直接または間接に保有ある

いは、同一の者がそれぞれの法人の50

%超100%未満の株式を直接または間接

に保有する場合を含む。

(共同事業を行うための合併)

共同事業を行うための合併とは、上記の

独立事業単位要件及び事業継続要件に加え

て、以下の�1、�2、�3のいずれも満たす関

係にある法人間で行う合併を指します。

�1 (事業関連性要件)

被合併法人の事業と合併法人の事業が相

互に関連性を有するものであること。

�2 (相対的規模要件又は経営参画要件)

被合併法人の事業と合併法人の事業の売

上金額、従業員数、資本金もしくはこれら

に準ずるものの比率が概ね5倍以内である

こと。または双方の特定役員等(注4)が合

併法人の経営に参画すること。

注4:社長、副社長、代表取締役、専務取締

役、常務取締役またはこれに準じる者で

法人の経営に従事する者。

�3 (株式継続保有要件)

移転する事業の対価として交付された株

式を継続して保有することが見込まれてい

ること。

〔質問4〕

被合併法人の有する繰越欠損金の取扱

について説明して下さい。

〔回 答〕

平成13年度税制改正前は、被合併法人の

有する繰越欠損金の合併法人への引き継ぎ

は一切認められていませんでした。しかし、

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税務・財務相談Q&A

平成13年税制改正により適格合併の場合は、

一定の制限の下、繰越欠損金の引き継ぎが

認められました。その一方で、場合によっ

ては、合併法人の繰越欠損金が合併後に使

用できなくなるケースが生じることになり

ました。

(共同事業を行うための組織再編成の場合)

適格合併のうち、共同事業を行うための

組織再編成に該当する場合は繰越欠損金の

全額が引き継ぎ可能となります。

(企業グループ内の組織再編成の場合)

1.見なし共同事業要件を満たす場合

見なし共同事業要件は、下記の�1、�2、

�3の要件か、あるいは�1、�4の要件を満た

すことが必要です。みなし共同事業要件を

満たす場合は、繰越欠損金の全額の引き継

ぎが可能となります。

�1 (事業関連性要件)

被合併法人の事業と合併法人の事業が相

互に関連するものであること。

�2 (相対的規模要件)

被合併法人の事業と合併法人の事

業の売上金額、従業員数、資本金も

しくはこれらに準ずるものの比率が

概ね5倍以内であること。

�3 (同等規模継続要件)

被合併法人の事業と合併法人の事

業について、50%超の資本関係が発

生したときから合併直前まで継続し

て営まれており、かつ、当該資本関

係発生時と合併直前の規模の割合が概ね2

倍を超えないこと。

�4 (経営参画要件)

被合併法人の特定役員のいずれかと合併

法人において特定役員である者のいずれか

が合併後の法人において特定役員となるこ

とが見込まれること。

2.見なし共同事業要件を満たさない場合

紙面の関係で次回取り上げます。

〔質問5〕

合併法人の有する繰越欠損金の取扱に

ついて説明して下さい。

〔回 答〕

合併法人の有する繰越欠損金についても、

被合併法人の有する繰越欠損金の取扱と同

様の取扱となっています。

(株式会社若葉会計センター

公認会計士 遠藤健太郎)

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全国地方銀行協会

(平成16年3月発表分)から

輸出が好調に推移し、設備投資に持ち直しの動きが拡がるなど、景気改善に向けた動きが続く地方経済平成16年1月から2月の地方経済は、輸出が好調に推移し、設備投資に持ち直しの動きが

拡がる中で、生産面にも拡大の動きがみられるなど、景気改善に向けた動きが続いている。需要面では、個人消費は、デジタル機器の販売が好調を持続し、乗用車販売も引続き堅調

となるなど、力強さを欠くものの一部に底固い動きがみられる。住宅建築は、地域差はあるものの、総じて持ち直しの動き。設備投資は、大企業製造業の能力増強投資が拡大し、地場中小企業の一部にも更新投資の上積みがみられるなど、持ち直しの動きが続く。公共工事は、減少基調。輸出は、中国などアジア向けを中心に好調を維持。観光は、総じて盛り上がりを欠く。この間、生産活動は、受注が好調なデジタル機器関連など、多くの業種で改善傾向が続く。

雇用面は、新規求人数が増加するなど、引続き改善。向こう3ヵ月程度の先行きについては、当面、景気改善に向けた動きが続くとみられてい

る。

晴   :明るい�

晴一部曇:一部に明るさ�

曇   :停滞、持ち直し�

曇一部雨:不振�

雨   :厳しい�

各 地 の 景 気 �

東北�

関東�

東海�

近畿�中国�

四国�

沖縄�

甲信越�

北海道�

北陸�

九州�

��福島の進路16.4

地方経済天気図

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東北経済抜粋

個人消費は、乗用車販売が普通乗用車を

中心に堅調となったものの、大型小売店

販売は暖冬の影響から衣料品や家電品販

売が不振となるなど、総じて低調。住宅

建築は、引続き前年割れ。設備投資は、

製造業、非製造業ともに投資を追加する

動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。

公共工事は、国、県からの発注が前年を

下回るなど、減少基調が続く。輸出は、

鉄鋼、自動車の部品が増加したものの、

電気機器、船舶が不振となり、高水準な

がらやや一服。観光は、暖冬による雪不

足からスキー客が低調となるなど、総じ

て盛り上がりを欠く。生産活動は、鉄鋼、

一般機械、輸送用機械やウエイトの高い

電子部品�デバイスが高操業を続けるな

ど、好調を持続。雇用は、製造業を中心

に新規求人数が増加し、有効求人倍率も

改善するなど、明るい動きがみられる。

(「曇一部雨」)

�� 福島の進路16.4

地方経済天気図

●個人消費 1月の大型小売店販売額は、

すべての県で前年を下回る。2月の乗用

車販売は福島で前年を上回る。

1月の大型小売店販売額は、冬物衣料な

どが伸びず、すべての県で前年を下回った。

2月の乗用車販売は、新車投入効果が

あった普通乗用車が前年を上回ったが、小

型乗用車が前年を下回り、全体ではほとん

どの県で前年割れとなった。

●住宅建築 宮城、山形で前年を上回る。

1月の新設住宅着工戸数は、持家や貸家

が増加した宮城、山形で前年を上回った。

●設備投資 緩やかな回復傾向が続く。

各県とも生産の持ち直しを受け、緩やか

な回復傾向を続けている。

●公共工事 すべての県で前年を下回る。

1月の公共工事は、国や県からの発注が

減少し、すべての県で前年を下回った。

●輸出 秋田で高水準を維持。

1月の輸出は、秋田で北米向けの輸送用

機械の輸出が好調。宮城でもタイヤ�ゴム

チューブの輸出が堅調。

●生産活動 電子部品�デバイスを中心に

好調な生産が続く。

[紙�パルプ] 青森では高操業を持続。

[化学] 福島では好調な生産続く。

[鉄鋼] 青森で好調。

[一般機械] 山形、福島では低調だが、秋

田では増産の動き。

[情報通信機械] 岩手、福島では堅調な生

産続いているが、山形では低調。

[電子部品�デバイス] 情報関連製品の需

要堅調でほとんどの県で好調な生産が続く。

●観光等サービス業 青森は堅調に推移。

新幹線の開通効果が続く青森では観光客

数が増加しているが、他県では、雪不足に

よるスキー客の減少などで全体的に低調に

推移。

●雇用情勢 ほぼ横這いで推移。

1月の有効求人倍率は、青森、秋田など

で改善の動きが続いているが、他県ではほ

ぼ横這いで推移。

●景気の先行き見通し

先行きについては、当面、持ち直しに向

けた動きが続くとみられている。

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福島県景気動向指数

【福島県景気動向指数】―平成15年12月分―

(福島県情報統計領域�統計分析グループ調べ)

概 要 12月の景気動向指数(DI)は、先行指数50.0%、一致指数62.5%、遅行指数

91.7%となった。先行指数は、7ヵ月連続で50%を上回った後、50%となった。一致指

数は、4ヵ月連続で50%を上回った。遅行指数は、5ヵ月振りに50%を上回った。

(単位:%)

年月 14/12 15/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

先行指数 9系列 44.4 66.7 66.7 77.8 33.3 77.8 77.8 77.8 66.7 77.8 77.8 77.8 50.0

一致指数 8系列 62.5 100.0 87.5 87.5 62.5 75.0 50.0 31.3 37.5 75.0 75.0 75.0 62.5

遅行指数 7系列 28.6 28.6 42.9 71.4 42.9 42.9 28.6 57.1 35.7 28.6 42.9 28.6 91.7

景気動向指数景気変動に敏感な各種経済指標を組み合わせて作成

した指数で、景気の現状把握や予測、景気の転換点判断などに利用される。この指数は、季節調整等をした各指標(本県では24

系列)について、3ヵ月前の値と比較して増加した場合を+、減少した場合を-とし、+となった個別指標の割合を百分比で表わしたもの。50%以上の場合は景

気の拡張(上昇)局面、50%以下の場合は収縮(下降)局面を示している。先行指数 景気の実勢より早目に動く指数。

新規求人倍率など9系列から作成。一致指数 景気の実勢とほぼ一致して動く指数。

鉱工業生産指数など8系列から作成。遅行指数 景気の実勢よりも遅れて動く指数。

消費者物価指数など7系列から作成。

(※なお、「福島県景気動向指数」は3ヵ月ごとに掲載いたします。)

先 行 指 数第2地銀�信金�信組貸出残高はプラスから保合いとなった。また、新規求人倍率は8ヵ月連続、所定外労働時間(製造業)は4ヵ月連続、中小企業業況判断��は3ヵ月連続、新設住宅着工床面積は2ヵ月連続のプラスとなった。一方、自動車新規登録台数、在庫率指数

(鉱工業)はプラスからマイナスとなった。また、不渡手形金額は3ヵ月連続、生産指数(投資財)は2ヵ月連続のマイナスとなった。

100�

50�

0�4 5 6 7 8 9 10 13 14 151211

景気の山�3.6�

谷�6.2�

12

一 致 指 数手形交換金額はマイナスからプラスとなっ

た。また、雇用保険受給者実人員は18ヵ月連続、有効求人倍率は4ヵ月連続、大口電力使用量は4ヵ月連続、大型小売店販売額は3ヵ月連続のプラスとなった。一方、生産指数(鉱工業)、出荷指数(鉱

工業)はプラスからマイナスとなった。建築着工床面積(鉱工業)は4ヵ月連続のマイナスとなった。

100�

50�

0�4 5 6 7 8 9 10 13 14 151211

12

遅 行 指 数実質農家家計現金支出、製品在庫指数(鉱

工業)、保証申込額はマイナスからプラスとなった。常用雇用指数(製造業)はマイナスから保合いとなった。また、消費者物価指数は4ヵ月連続、法人事業税(調定額)は2ヵ月連続のプラスとなった。

100�

50�

0�4 5 6 7 8 9 10 13 14 151211

12

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経済日誌

経済日誌(平成16年2月)

県 内 国 内(含む海外)

3日○佐藤知事は、県の平成16年度当初予

算案を発表した。一般会計の総額は

9,096億29百万円(前年比2.9%減)

となった。

6日○県は平成14年の就業構造基本調査結

果の概要を発表。本県の10月1日時

点の15歳以上人口に占める有業者の

割合(有業率)は、58.8%。

10日○県は、新年度の県直接緊急雇用創出

事業で今春就職が決まらなかった新

規高卒者を対象にした「新規高卒枠」

を100人から150人に拡大する。

20日○福島労働局は、県内の高校卒業予定

者の職業紹介状況を発表。就職希望

者の内定率は1月末現在70.5%で前

年同期に比べ7.4ポイントアップ。

25日○県は2月1日現在の県人口を発表し

た。総人口は211万1,411人で1月1

日より480人減少した。この1ヵ月

の自然動態は542人の減少。

27日○若者を取り巻く厳しい雇用環境を受

け県内の人材派遣業者らが団結し、

就職促進と地域経済活性化を目指す

「県雇用支援機構」が設立された。

2日○ブッシュ米大統領は、2005会計年度

予算教書を議会に提出。04年度の財

政赤字が前年度比4割増の5,210億

ドルに達するとの見通しを示した。

4日○農林水産省は、小麦粉や砂糖など一

次加工品の食品製造業界の再編�統

合を促す「食品産業ビジョン(仮称)」

を今年夏にも策定することを発表。

6日○財務省は、1月末の外貨準備高を発

表。昨年12月末と比べ約677億17百

万ドル増え、7,412億46百万ドルと

5ヵ月連続で過去最高を更新した。

18日○内閣府が発表した2003年10月‐12月

期の国内総生産速報は物価変動分を

除いた実質が前期比1.7%増、年率

換算では7.0%増となった。

26日○内閣府が発表した2001年度の県民経

済計算は、1人当たりの県民所得が

全国平均で前年度比3.6%減の297万

1千円で2年ぶりに減少した。

27日○1月の完全失業率(季節調整値)は、

前月から0.1ポイント悪化し、5.0%

だった。前月は2年半ぶりに5%を

下回ったが、再び5%台に戻った。

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��福島の進路16.4

資料紹介

資 料 紹 介

○『地域の経済2003』

<成長を創る産業集積の力>

(平成15年11月 内閣府政策統括官)

本書は、国内各地域における経済動向の

総合的な把握と問題点の指摘を目的として

87年から毎年刊行されてきた『地域経済レ

ポート』を引き継ぐものである。

2001年に刊行した『地域経済レポート

2001』では、「公共投資依存からの脱却と

雇用の創出」をテーマとして取り上げ、

2002年に刊行した『地域経済レポート2002』

ではサービス業を中心とする「新しい産業

分野による地域市場の拡大」を取り上げた。

本書においては、製造業を中心とする産業

競争力の回復を通じた地域経済の再生を取

り上げている。

特に、他の先進国において地域の産業競

争力の向上に効果を発揮している産業集積

の一種である「クラスター」に着目し、産

業集積の効果はどのような方法によってど

のようなところに現れているのか。この点

に着目し分析することをねらいとしている。

○過疎対策データブック

―平成14年度過疎対策の現況―

(平成16年1月 過疎対策研究会編)

地域間交流の拡大、情報通信の発達、価

値観の多様化等、大きく変化しつつある時

代潮流の中で、過疎地域は、「多様で美し

く風格のある国づくりへの寄与」、「国民が

新しい生活様式を実現できる場としての役

割」及び「長寿高齢社会の先駆けとしての

役割」という、21世紀のわが国全体の中に

おいて新たな役割を果たすことが求められ

てきていると言われている。このような中、

「過疎地域自立促進特別措置法」も制定さ

れ、平成12年4月から施行されている。

本書は、過疎地域自立促進特別措置法に

基づく過疎対策が進められているなかで、

最新のデータに基づき、過疎地域や過疎対

策の現況等を取りまとめたものであり、資

料編を充実して、各年度版の「過疎対策

データブック」として発刊されている。

○我が国情報処理の現状

―平成14年度情報処理実態調査―

(平成16年2月 経済産業省)

近年、 ��が急速な進展を見せているわ

が国において、政府では平成13年1月に策

定した「�������戦略」によって、「我が

国が5年以内に世界最先端の ��国家にな

る」という目標を掲げ、政府全体で ��施

策に取り組むことになった。

平成15年7月には第一期の ��基盤整備

から第二期の ��利活用へと戦略を進化さ

せるべく「�������戦略Ⅱ」を策定し、推

進している。

本書は昭和44年から実施されている統計

調査であり、企業の情報処理の実態を把握

し、情報処理、情報産業振興施策の拡充の

ための基礎資料を得ることを目的として作

成されている。

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�� 福島の進路16.4

主要経済指標

県 内 主要経済指標���� Pは速報、rは訂正、※は年度計

鉱工業生産指数(季調済)(総合)注1

主 要 業 種 別鉱工業出荷指数(季調済)注1

製 造 工 業生 産 指 数

項目

年月

機 械 化 学 繊 維 食料品�たばこ12年=

100前年比

%12年=

100前年比

%12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

平成13年 93.9  ▲ 6.1 93.9  ▲ 6.1 91.1  ▲ 8.9 97.2  ▲ 2.9 88.3  ▲11.7 101.8 1.8 94.0  ▲ 6.0

平成14年 93.0  ▲ 0.9 93.0  ▲ 0.9 92.1 1.1 94.6  ▲ 2.7 86.2  ▲ 2.4 100.3  ▲ 1.5 94.3 0.3

平成15年 � 98.2 5.6 � 98.2 5.6 �103.7 12.6 � 95.1 0.5 � 82.3  ▲ 4.5 � 97.2  ▲ 3.1 �101.4 7.5

15年1月 101.3 14.3 101.3 14.2 102.1 23.7 95.0 5.3 88.8 3.2 121.1 5.2 102.5 14.2

2 98.7 11.1 98.7 11.1 106.6 24.2 92.9 0.4 82.4  ▲ 6.3 105.1  ▲ 0.7 99.0 10.2

3 97.9 10.0 97.5 9.7 101.8 16.9 97.0 11.4 84.7  ▲ 4.7 98.5  ▲ 4.5 98.8 8.9

4 95.6 4.7 95.5 4.6 96.8 7.3 97.1 2.4 80.3  ▲ 7.7 104.1 1.9 97.7 6.1

5 101.1 6.4 100.9 6.1 113.3 17.6 93.8  ▲ 4.2 81.4  ▲ 4.0 93.7  ▲ 9.2 103.5 9.9

6 95.8 3.4 95.7 3.3 98.8 7.6 102.0 8.5 78.1  ▲ 6.0 89.8  ▲11.2 99.7 6.8

7 92.6  ▲ 0.7 92.6  ▲ 0.7 92.0 0.3 101.1 4.2 83.9  ▲ 1.7 89.6  ▲ 9.1 95.7 1.1

8 94.6  ▲ 0.7 94.6  ▲ 0.7 96.8 7.3 97.0  ▲ 2.6 83.1  ▲ 2.3 87.9  ▲ 9.1 100.8 4.1

9 103.5 11.1 103.7 11.2 114.1 23.5 97.7 1.9 81.2  ▲ 4.7 97.9 3.8 108.9 14.1

10 99.2 4.6 99.2 4.6 105.7 10.2 86.6  ▲10.9 81.3  ▲ 7.3 101.3 2.7 104.5 6.3

11 99.4  ▲ 0.2 99.5 0.0 110.5 8.1 83.0  ▲13.1 83.1  ▲ 7.8 89.5  ▲ 5.1 101.4 1.5

12 100.8 5.0 �100.9 5.3 �108.8 9.3 �101.8 6.9 � 81.2  ▲ 4.3 � 98.5 2.2 � 105.1 8.2

16年1月 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

調査機関 県 企 画 調 整 部 情 報 統 計 領 域

注1.鉱工業生産�出荷�在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。月別欄の前年比は前年同月比(以下同様)

�������

項目

年月

使 用 電 力 量              公共工事前払金保証実績鉱工業在庫指数(季調済)注1

清 酒 課 税移 出 量

公共工事着工総 工 事 費総 量 うち大口電力使用量 発 生 件 数 保 証 金 額

12年=100

前年比%

103��前年比

%103��

前年比%

��前年比

%百万円 前年比

%件 前年比

%百万円 前年比

平成13年 117.2 17.2 ※13,376,469  ▲ 2.1 ※4,976,471  ▲ 2.4 27,274  ▲ 4.7 ※ 363,442  ▲ 1.3 ※8,920  ▲ 4.3 ※141,277  ▲ 5.6

平成14年 117.6 0.3 ※13,800,034 3.2 ※5,230,342 5.1 25,822  ▲ 5.3 ※ 289,409  ▲20.4 ※8,838  ▲ 0.9 ※128,757  ▲ 8.9

平成15年 �123.9 5.4 ※ ― ― ※ ― ― 24,913  ▲ 3.5 ※ ― ― ※ ― ― ※ ― ―

15年1月 118.7 1.6 1,306,017 5.7 432,522 10.0 1,358 1.4 10,154  ▲31.3 609 8.7 5,109 0.2

2 130.1 9.3 1,205,543 4.9 424,312 6.9 1,883 2.2 22,528 88.3 295  ▲20.5 2,624  ▲55.7

3 133.0 15.1 1,209,183 6.9 451,982 8.4 2,105  ▲ 2.5 41,011 16.1 437  ▲21.4 15,359 10.4

4 127.7 18.3 1,154,817 5.7 432,141 4.2 2,181  ▲ 0.1 16,098 71.9 408  ▲ 3.1 9,604  ▲25.2

5 126.2 4.3 1,088,246 2.2 437,520 5.8 1,790  ▲10.0 13,099  ▲14.7 489  ▲ 3.7 10,053 31.2

6 123.0 6.9 1,062,685 3.2 455,202 5.7 1,729  ▲ 2.2 57,463 69.3 963 2.1 13,690  ▲ 4.8

7 135.7 16.8 1,119,127  ▲ 0.5 462,884  ▲ 1.7 1,878  ▲ 2.0 33,784 12.2 921  ▲16.0 15,760 1.7

8 121.2 3.8 1,128,002  ▲ 7.3 429,438 0.0 1,488 2.2 49,010 79.6 626 1.6 8,965  ▲ 2.6

9 117.9  ▲ 2.6 1,151,975 0.3 462,640 5.5 1,777  ▲ 0.4 38,328 23.3 861 6.0 13,854 12.0

10 110.6  ▲ 6.2 1,135,791 2.7 463,029 4.3 2,177  ▲ 4.3 14,381  ▲55.8 925  ▲10.2 13,358 2.1

11 118.4  ▲ 3.3 1,102,168  ▲ 2.0 450,926 3.5 2,386  ▲11.7 25,912 83.6 681  ▲25.2 7,212  ▲24.5

12 � 126.5 2.9 1,163,615  ▲ 0.6 454,056 2.2 4,160  ▲ 5.6 16,791  ▲16.4 661  ▲43.0 6,601  ▲40.1

16年1月 ― ― 1,312,517 0.5 451,297 4.3 1,239  ▲ 8.8 ― ― 422  ▲30.7 4,283  ▲16.2

調査機関 県企画調整部情報統計領域 東 北 電 力 福 島 支 店 福島県酒造

組合連合会 国土交通省 東日本建設業保証�株福島支店

注1.鉱工業生産�出荷�在庫指数の前年比は原指数の増減率。暦年の年平均値は原指数。月別欄の前年比は前年同月比(以下同様)

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��福島の進路16.4

主要経済指標

県 内����

項目

年月

新 設 住 宅 着 工 着 工 建 築 物利 用 関 係 別 資 金 別

総 計持 家 貸 家 分 譲 給 与 民 間 資 金 公 的 資 金 建築物 床面積 工事費予定額

戸 前年比% 戸 戸 戸 戸 戸 前年比

% 戸 前年比% むね 百㎡ 百万円

平成13年 15,010  ▲ 5.2 7,619 5,844 1,443 104 9,636 13.2 5,374  ▲26.6 13,683 28,390 410,151

平成14年 14,322  ▲ 4.6 7,363 5,361 1,451 147 10,572 9.7 3,750  ▲30.2 13,243 25,816 369,259

平成15年 13,741  ▲ 4.1 7,035 5,428 1,167 111 10,894 3.0 2,847  ▲24.1 12,699 25,388 360,693

15年1月 888  ▲ 10.8 371 390 85 42 634  ▲16.8 254 8.5 696 1,361 18,761

2 837  ▲ 20.2 479 275 83 0 637  ▲14.6 200  ▲34.0 835 1,503 20,129

3 1,154 10.9 558 427 169 0 931 27.9 223  ▲28.8 939 1,707 22,539

4 1,101  ▲ 18.2 670 397 32 2 924  ▲ 2.5 177  ▲55.5 1,234 2,055 26,120

5 1,123  ▲ 3.3 631 377 110 5 966 18.7 157  ▲54.8 1,054 1,805 25,136

6 1,320 1.0 816 457 43 4 1,113 10.7 207  ▲31.5 1,421 2,791 41,827

7 1,285 5.7 765 470 32 18 1,090 15.2 195  ▲27.8 1,262 2,830 41,184

8 923  ▲ 21.9 539 332 49 3 745 0.7 178  ▲59.7 906 1,854 26,818

9 1,743 45.9 625 733 377 8 1,293 40.1 450 65.4 1,157 2,458 34,899

10 1,087  ▲ 24.4 523 530 32 2 842  ▲25.9 245  ▲18.6 1,055 2,653 43,706

11 1,116  ▲ 7.8 562 463 66 25 827  ▲ 9.2 289  ▲ 3.3 1,114 2,488 35,398

12 1,164  ▲ 1.5 496 577 89 2 892  ▲ 2.3 272 1.1 1,026 1,884 24,176

16年1月 821  ▲ 7.5 349 427 45 0 638 0.6 183  ▲28.0 644 1,339 19,110

調査機関 国 土 交 通 省

����

項目

年月

百貨店売上高注1

量販店売上高注2

乗用車新車登録台数農家現金家計支出

注3温泉旅館(福島、郡山、会津若松)利用者

百万円 前年比%

百万円 前年比%

台 前年比%

円 前年比%

人 前年比%

平成13年 61,404  ▲ 3.1 188,662  ▲ 4.7 79,253  ▲ 2.1 4,903,731  ▲ 2.6 ※3,278,368 1.5

平成14年 54,674  ▲ 3.6 183,450  ▲ 2.2 77,082  ▲ 2.7 4,583,832  ▲ 6.5 ※3,210,491  ▲ 2.4

平成15年 53,121  ▲ 2.8 182,481  ▲ 3.2 76,050  ▲ 1.3 4,377,540  ▲ 4.5 ※ ― ―

15年1月 4,688  ▲ 2.1 16,012  ▲ 2.8 5,371  ▲ 0.6 335,529  ▲ 2.4 239,928  ▲ 6.3

2 3,837 0.7 13,208  ▲ 1.1 6,994 3.4 329,314  ▲ 9.2 226,241  ▲ 5.5

3 5,199  ▲ 0.7 15,013  ▲ 1.1 12,159 7.0 378,990  ▲ 6.5 257,354 6.3

4 4,355  ▲ 2.4 14,772  ▲ 0.7 4,798  ▲ 9.7 355,215  ▲13.3 221,171  ▲ 0.9

5 4,174  ▲ 3.8 14,946  ▲ 1.7 5,442  ▲ 4.8 408,993 23.4 235,474  ▲ 6.0

6 4,167  ▲ 4.8 14,639  ▲ 1.2 6,194  ▲ 1.2 347,437  ▲ 7.8 261,003  ▲ 0.8

7 4,394  ▲ 2.4 15,073  ▲ 6.9 6,489  ▲ 2.6 318,776  ▲14.3 255,403 12.7

8 3,807  ▲ 0.3 16,263  ▲ 4.3 4,290  ▲ 6.8 396,495 4.2 318,824  ▲ 2.1

9 3,708  ▲10.8 13,941  ▲ 4.7 7,100  ▲ 5.1 307,023  ▲16.8 238,617  ▲ 8.1

10 4,602 1.7 15,012  ▲ 1.0 5,966  ▲ 1.3 351,006  ▲11.7 336,077  ▲ 0.5

11 4,746  ▲ 4.8 14,346  ▲ 6.2 5,979  ▲ 4.1 382,392  ▲ 4.2 331,405 1.0

12 � 5,442  ▲ 4.0 r 19,257  ▲ 5.3 5,268 0.7 466,370 7.0 268,731  ▲ 1.3

16年1月 � 4,617  ▲ 1.5 � 16,308  ▲ 2.8 5,586 4.0 ― ― 232,114  ▲ 3.3

調査機関 経 済 産 業 省 県自動車販売店協会 農水省福島統計情報事務所 当 研 究 所注1.前年(同月)比については店舗調整済(平成16年1月時点6店舗)。注2.前年(同月)比については店舗調整済(平成16年1月時点66店舗)。注3.平成4年4月より「自給的農家」を除く。前年同月比については調整済。

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�� 福島の進路16.4

主要経済指標

県 内����

項目

年月

消 費 者 物 価 指 数

総 合 食 料 住 居 光 熱 � 水 道 被服及びはき物 教 育 教 養 � 娯 楽

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

12年=100

前年比%

平成13年 99.3  ▲ 0.7 99.2  ▲ 0.8 101.6 1.6 100.7 0.7 95.9  ▲ 4.1 101.0 1.0 97.7  ▲ 2.3

平成14年 98.2  ▲ 1.1 98.2  ▲ 1.0 102.0 0.4 98.8  ▲ 1.9 93.0  ▲ 3.0 101.4 0.4 95.0  ▲ 2.8

平成15年 97.8  ▲ 0.4 97.6  ▲ 0.6 102.0 0.0 98.9 0.1 91.7  ▲ 1.4 102.4 1.0 92.6  ▲ 2.5

15年1月 98.0  ▲ 0.5 99.1 0.8 101.8  ▲ 0.2 97.9  ▲ 2.3 90.7  ▲ 2.4 101.5 0.3 93.1  ▲ 2.8

2 97.6  ▲ 0.3 98.4 0.9 101.8  ▲ 0.2 98.1  ▲ 1.9 88.5  ▲ 2.0 101.5 0.3 93.1  ▲ 1.8

3 97.8  ▲ 0.2 98.3 0.9 101.8  ▲ 0.3 98.3  ▲ 1.7 90.0  ▲ 0.8 101.5 0.3 93.6  ▲ 2.0

4 98.0  ▲ 0.4 98.3 0.0 101.7  ▲ 0.3 99.0  ▲ 0.6 92.7  ▲ 1.3 102.7 1.3 91.6  ▲ 3.6

5 98.1  ▲ 0.6 98.4  ▲ 0.8 101.7  ▲ 0.4 99.1  ▲ 0.6 93.8  ▲ 1.1 102.7 1.3 91.9  ▲ 3.4

6 97.8  ▲ 0.8 97.5  ▲ 1.1 101.8  ▲ 0.4 99.2  ▲ 0.5 93.3  ▲ 1.5 102.7 1.2 91.9  ▲ 3.2

7 97.6  ▲ 0.6 96.7  ▲ 1.6 102.0  ▲ 0.1 99.2 1.4 89.9  ▲ 2.8 102.7 1.2 93.0  ▲ 2.3

8 97.8  ▲ 0.6 97.1  ▲ 1.7 101.9  ▲ 0.1 99.2 1.4 88.0  ▲ 2.3 102.7 1.2 94.9  ▲ 2.0

9 97.9  ▲ 0.3 97.3  ▲ 1.0 102.2 0.4 99.2 1.4 92.0  ▲ 1.8 102.7 1.2 92.8  ▲ 2.6

10 97.9  ▲ 0.1 97.3  ▲ 0.5 102.2 0.3 99.2 1.5 94.5 0.3 102.7 1.2 92.2  ▲ 2.1

11 97.5  ▲ 0.5 96.1  ▲ 1.7 102.6 0.8 99.2 1.5 94.5 0.0 102.7 1.2 91.2  ▲ 2.8

12 97.8  ▲ 0.2 96.8  ▲ 1.2 103.1 1.3 99.1 1.3 92.5  ▲ 1.3 102.7 1.2 91.7  ▲ 2.6

16年1月 97.8  ▲ 0.2 98.8  ▲ 0.3 102.8 1.0 98.7 0.8 88.6  ▲ 2.3 102.7 1.2 90.7  ▲ 2.6

調査機関 県 企 画 調 整 部 情 報 統 計 領 域

������

項目

年月

有効求職者数注3

有 効 求 人 数注3

有効求人倍率

新規求人数注3

雇用保険受給者実人員注3

常用雇用指数(産業計)

実質賃金指数(産業計)

所定外労働時間(産業計)

人 前年比% 人 前年比

%注1倍 人 前年比

% 人 前年比%12年=100

前年比%12年=100

前年比% 時間 前年比

平成13年 40,363 12.2 21,956  ▲ 6.2 0.55 8,738  ▲ 7.0 17,937 10.8 96.7  ▲ 3.3 101.5 1.5 11.6  ▲ 5.7

平成14年 45,280 12.2 20,476  ▲ 6.7 0.45 8,918 2.1 20,210 12.7 95.4  ▲ 1.3 97.4  ▲ 4.0 10.3  ▲11.2

平成15年 41,004  ▲ 9.4 24,586 20.1 0.60 10,421 16.9 14,713  ▲27.2 94.7  ▲ 0.7 96.5  ▲ 0.9 10.9 5.8

15年1月 40,124  ▲10.5 22,283 26.7 0.56 9,995 22.4 16,329  ▲23.2 94.1  ▲ 0.9 80.0  ▲ 1.6 10.0 7.5

2 39,445  ▲10.2 23,156 28.4 0.58 10,231 22.2 15,547  ▲24.6 93.5  ▲ 1.4 80.1 0.3 10.3 3.0

3 42,726  ▲ 6.6 25,623 29.3 0.56 11,350 30.1 15,131  ▲23.6 94.0  ▲ 0.6 83.7  ▲ 2.1 10.3  ▲ 2.8

4 45,640  ▲ 9.9 24,654 24.8 0.57 9,914 13.6 15,214  ▲28.3 94.3  ▲ 1.7 80.2 3.2 10.8 5.9

5 44,778  ▲11.4 22,411 21.7 0.56 9,076 13.8 15,378  ▲31.4 94.4  ▲ 1.6 80.0 2.3 10.8 8.0

6 43,122  ▲10.2 22,099 19.1 0.58 9,759 21.4 15,248  ▲29.2 94.9  ▲ 1.1 143.8 5.3 10.8 10.2

7 42,602  ▲ 9.6 23,134 12.2 0.56 10,661 8.3 15,625  ▲29.9 95.7 0.0 107.1 1.4 10.6 5.0

8 40,113  ▲ 9.0 23,747 10.7 0.58 9,625 2.1 14,695  ▲28.7 95.6 0.2 82.0  ▲ 6.7 10.8 6.9

9 40,986  ▲ 7.0 27,096 17.0 0.62 12,162 24.2 14,515  ▲26.7 95.4  ▲ 0.1 79.3  ▲ 1.2 11.4 11.8

10 40,109  ▲ 8.6 28,241 19.0 0.66 12,924 24.5 13,906  ▲27.5 95.2  ▲ 0.2 81.6  ▲ 0.4 11.1 3.7

11 37,501  ▲ 9.4 27,087 16.5 0.67 9,961 3.0 12,474  ▲27.0 94.9  ▲ 0.5 82.6  ▲ 1.3 11.5 2.7

12 34,905  ▲10.6 25,506 19.6 0.72 9,398 18.7 12,499  ▲25.1 94.5  ▲ 0.4 178.1  ▲ 3.9 12.4 10.7

16年1月 35,744  ▲10.9 25,469 14.3 0.71 11,105 11.1 12,103  ▲25.9 ― ― ― ― ― ―

調査機関 福 島 労 働 局 職 業 安 定 課 県企画調整部情報統計領域 注2

注1.季節調整値。注2.調査対象事業所の抽出替えに伴い、前年比はギャップ修正されている。注3.各年の年計は月平均。

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��福島の進路16.4

主要経済指標

県 内�������

項目

年月

全 国 銀 行 注1 第二地銀 信 用 金 庫 信 用 組 合 信 用 保 証 申 込日 銀 券発行状況( ▲還収超) 預 金 貸 出 金 預 金 貸出金 預 金 貸出金 預 金 貸出金 件 数 金 額

億円 億円 前年比%億円 前年比

%億 円 件 前年比

%百万円 前年比

平成13年  ▲1,408 32,654  ▲2.3 23,562 3.0 12,022 9,691 12,574 7,423 4,106 3,094 ※14,577  ▲33.6 ※125,597  ▲46.8

平成14年  ▲ 515 32,546  ▲0.3 21,192  ▲10.1 11,597 9,078 12,423 7,083 3,846 2,935 ※14,101  ▲ 3.3 ※121,086  ▲ 3.6

平成15年  ▲1,384 32,357  ▲0.6 20,875  ▲ 1.5 11,750 8,874 12,590 6,856 3,890 2,883 ※ ― ― ※ ― ―

15年1月 787 31,858  ▲0.7 21,060  ▲ 7.5 11,300 8,975 12,273 7,015 3,828 2,919 800  ▲ 8.7 6,531  ▲18.3

2  ▲ 175 31,908  ▲1.0 21,020  ▲ 6.8 11,302 9,084 12,362 7,022 3,852 2,927 1,055 2.4 9,451 4.8

3  ▲ 349 31,918  ▲3.0 21,084  ▲ 7.3 11,651 8,943 12,213 7,018 3,778 2,941 1,543 27.3 16,077 44.0

4  ▲ 254 32,668  ▲1.1 20,832  ▲ 4.7 11,474 8,729 12,466 6,922 3,825 2,918 1,020 7.8 10,172 31.0

5 256 32,797  ▲0.5 20,563  ▲ 5.7 11,474 8,612 12,358 6,834 3,794 2,895 1,446 43.2 15,338 64.5

6  ▲ 183 32,999  ▲0.2 20,037  ▲ 8.7 11,630 8,682 12,523 6,818 3,841 2,888 1,714 39.6 16,473 38.2

7  ▲ 6 32,598  ▲0.1 19,908  ▲ 9.5 11,524 8,751 12,456 6,824 3,842 2,896 1,605 22.0 14,207 30.6

8  ▲ 35 32,693 0.0 20,004  ▲ 9.2 11,588 8,770 12,497 6,840 3,860 2,894 1,304 19.2 10,996 28.4

9 6 32,198 0.1 20,703  ▲ 4.8 11,722 8,948 12,404 6,816 3,825 2,888 1,601 23.8 13,047 19.0

10  ▲ 294 31,719  ▲0.6 20,725  ▲ 3.1 11,530 8,806 12,423 6,825 3,841 2,886 1,266 23.2 10,675 25.8

11  ▲ 166 32,349  ▲0.2 20,611  ▲ 2.4 11,542 8,818 12,459 6,840 3,844 2,888 1,255 17.3 10,016 19.8

12  ▲ 971 32,357  ▲0.6 20,875  ▲ 1.5 11,750 8,874 12,590 6,856 3,890 2,883 2,353 37.0 20,919 64.0

16年1月 630 32,037 0.6 21,020  ▲ 0.2 11,556 8,841 12,485 6,810 3,864 2,861 1,055 31.9 10,004 53.2

調査機関 日本銀行福島支店 東 北 財 務 局 福 島 財 務 事 務 所 注2 県 信 用 保 証 協 会

注1.第二地銀協加盟行注2.各年の年計は12月の末残

������

項目

年月

県内4市手形交換高 注1 不 渡 手 形 注1 企 業 倒 産 信 用 保 証 協 会 代 位 弁 済

枚 数 金 額 枚 数 金 額 件 数 金 額 件 数 金 額

千枚前年比

% 百万円前年比

% 枚前年比

% 百万円前年比

% 件前年比

% 百万円前年比

% 件前年比

% 千 円前年比

平成13年 1,385  ▲ 7.5 1,335,028  ▲ 9.2 5,348 6.5 5,897 46.1 289 12.5 214,959 235.3 ※719 30.3 ※6,729,230 24.1

平成14年 1,268  ▲ 8.4 1,123,674  ▲15.8 4,829  ▲ 9.7 6,189 4.9 242  ▲16.3 176,624  ▲ 17.8 ※823 14.5 ※8,207,769 22.0

平成15年 1,167  ▲ 8.0 1,013,324  ▲ 9.8 4,594  ▲ 4.9 5,359  ▲13.4 190  ▲21.5 116,444  ▲ 34.1 ※ ― ― ※ ― ―

15年1月 109  ▲ 9.7 93,731  ▲13.8 461 27.7 483 6.8 22 69.2 4,491 87.7 62 0.0 723,003 38.3

2 100  ▲ 7.1 75,953  ▲15.2 342  ▲ 3.7 381 3.4 15  ▲34.8 3,997  ▲ 66.2 66 10.0 655,026  ▲ 0.8

3 100 3.9 86,761  ▲ 3.7 384 127.2 274 71.7 11  ▲15.4 1,673  ▲ 58.4 109 303.7 1,164,296 284.6

4 99  ▲15.7 102,918  ▲16.3 583 0.7 605  ▲ 3.2 27 0.0 21,393 68.1 60 566.7 475,885 500.1

5 91  ▲19.0 74,703  ▲22.5 156  ▲52.7 199  ▲30.8 20 0.0 5,816  ▲ 17.5 58 23.4 530,685 33.5

6 105 17.7 109,832 24.4 535 148.8 602 274.1 11  ▲56.0 447  ▲ 91.6 54  ▲10.0 722,301 53.1

7 102  ▲16.4 83,609  ▲18.4 344  ▲52.5 351  ▲65.5 10  ▲41.2 5,295 45.7 83  ▲14.4 1,129,806  ▲ 6.5

8 82  ▲10.8 68,090  ▲ 9.3 206  ▲19.8 148  ▲47.6 19 11.8 26,375 596.5 52  ▲18.8 271,772  ▲39.3

9 102  ▲ 5.8 86,546  ▲10.1 407  ▲38.9 289  ▲66.7 15  ▲34.8 10,941 142.2 54  ▲38.6 439,511  ▲39.7

10 95  ▲ 9.4 81,941  ▲14.5 551 18.8 765  ▲ 5.7 15  ▲42.3 21,976  ▲ 79.7 45  ▲47.7 347,832  ▲66.5

11 77  ▲13.5 54,973  ▲13.9 305 2.7 484  ▲ 4.5 11  ▲42.1 3,017  ▲ 73.0 51  ▲30.1 620,697  ▲10.5

12 104  ▲ 3.6 94,267 0.4 320  ▲22.3 777 20.0 14  ▲26.3 11,023 432.5 48  ▲22.6 426,363  ▲28.9

16年1月 87  ▲20.7 73,993  ▲21.1 241  ▲47.7 315  ▲34.7 9  ▲59.1 2,834  ▲ 36.9 47  ▲24.2 413,239  ▲42.8

調査機関 当 研 究 所 帝国データバンク福島支店 県 信 用 保 証 協 会

注1.県内4市手形交換所�累計

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�� 福島の進路16.4

主要経済指標

国 内

P印は速報、r印は訂正

項目

年月

国 内 銀 行 勘 定 注1 手形交換高(全国) 企業倒産(負債総額千万以上)国庫対民間収支尻(総計)( ▲払超)

マ ネ ー サプライ残高(M2+CD)(平 残)

日銀券平均発行 高

全国銀行貸出約定平均金利

コ ー ルレ ー ト(有担保翌日物)実 質 預 金 貸 出 残 高 枚 数 金 額 件 数 金 額

億円 前年比%前年比

% 百億円前年比

% 百億円前年比

% 年利% 年利% 千 枚 千億円 前年比% 件 前年比

% 億円 前年比%

平成13年 ※351,787 2.8 7.1 48,617 0.8 44,822  ▲ 3.4 1.880 0.0510 208,896 8,773  ▲16.6 19,164 2.1 165,196  ▲ 30.8

平成14年 ※645,134 3.3 13.1 50,163 3.2 43,164  ▲ 3.7 1.834 0.0010 187,080 7,053  ▲19.6 19,087  ▲ 0.4 137,824  ▲ 16.6

平成15年 ※ ― 1.7 5.5 51,168 2.0 41,385  ▲ 4.1 1.799 0.0010 171,980 6,330  ▲10.3 16,255  ▲14.8 115,818  ▲ 16.0

15年1月 70,324 1.9 9.4 49,957 3.0 42,727  ▲ 3.6 1.836 0.0010 15,778 528  ▲19.6 1,444  ▲ 6.4 12,192 16.9

2 64,093 1.9 8.3 50,362 2.9 42,480  ▲ 4.0 1.837 0.0010 14,217 507  ▲16.8 1,454  ▲13.1 15,075 20.3

3 49,335 1.7 6.3 50,998 1.4 42,329  ▲ 3.9 1.829 0.0010 14,616 603  ▲18.5 1,560  ▲10.4 11,302  ▲ 45.7

4  ▲ 71,294 1.3 4.5 51,372  ▲ 1.5 41,560  ▲ 4.4 1.833 0.0010 14,361 542  ▲16.8 1,495  ▲ 7.2 9,349  ▲ 15.3

5 70,742 1.6 4.7 51,444 1.9 41,339  ▲ 4.2 1.836 0.0010 12,871 509  ▲13.5 1,452  ▲16.1 7,889  ▲ 40.9

6 10,928 1.8 5.2 51,343 1.7 41,236  ▲ 4.5 1.828 0.0010 15,485 603 10.2 1,381  ▲ 4.0 8,090 20.1

7 51,948 1.8 5.3 51,142 2.1 40,955  ▲ 4.8 1.828 0.0010 16,207 532  ▲12.0 1,377  ▲19.8 6,981  ▲ 39.9

8 60,287 2.0 5.2 51,262 2.8 41,147  ▲ 4.6 1.820 0.0010 11,857 444  ▲ 8.6 1,266  ▲19.8 11,165 2.0

9 25,003 1.8 5.1 51,116 2.4 41,372  ▲ 2.9 1.803 0.0010 15,367 576  ▲ 2.2 1,212  ▲17.4 10,719 52.0

10 17,397 1.5 4.7 50,504 1.9 40,866  ▲ 4.1 1.811 0.0010 14,017 538  ▲ 2.0 1,368  ▲20.9 8,526  ▲ 57.5

11 38,198 1.6 4.4 51,067 1.7 41,143  ▲ 4.0 1.805 0.0010 11,314 401  ▲11.9 1,114  ▲22.4 9,750 70.9

12 25,923 1.5 3.3 51,168 2.0 41,385  ▲ 4.1 1.799 0.0010 15,890 548  ▲ 5.0 1,132  ▲20.3 4,780  ▲ 36.9

16年1月 51,130 1.6 2.6 50,843 1.8 41,081  ▲ 3.9 ― 0.0010 12,498 473  ▲10.4 1,181  ▲18.2 4,595  ▲ 62.3

調査機関 財 務 省 日 本 銀 行 全 国 銀 行 協 会 東 京 商 工 リ サ ー チ

注1.国内銀行勘定の各指数は、オフショア勘定を含む数値。

項目

年月

輸出入物価指数 鉱 工 業 (季調済)注1企業物価指数

(総平均)

消費者物価指数全国総合

(167都市町村)

製造業稼働率指 数

機械受注(280社分)船舶�電力除く民需(季調済)輸 出 輸 入 生 産 指 数 生産者出荷指数 生産者製品在庫指数

12年=100

前年同月比%

12年=100

前年比%

12年=100(円ベース)

12年=100

前年同月比%

12年=100

前年同月比%

12年=100

前年比%12年=100 億円

前期比%

平成13年 97.7  ▲ 2.3 99.3  ▲ 0.7 103.1 102.5 93.2  ▲ 6.8 93.7  ▲ 6.3 98.3  ▲ 0.7 92.4 113,512  ▲ 5.8

平成14年 95.8  ▲ 1.9 98.4  ▲ 0.9 101.9 101.0 92.0  ▲ 1.3 93.5  ▲ 0.2 90.4  ▲ 8.0 93.5 99,875  ▲12.0

平成15年 95.0  ▲ 0.7 98.1  ▲ 0.3 97.8 100.1 94.9 3.2 97.2 4.0 88.5  ▲ 2.1 97.1 110,545 10.7

15年1月 95.1  ▲ 1.0 98.0  ▲ 0.4 98.8 100.7 95.2 8.1 96.9 8.4 93.5  ▲ 5.5 96.8 9,213 6.8

2 95.3  ▲ 0.9 97.7  ▲ 0.2 99.6 103.0 93.5 4.6 96.4 6.0 91.4  ▲ 6.5 95.8 8,582  ▲6.8

3 95.4  ▲ 0.7 98.0  ▲ 0.1 99.2 103.5 93.6 3.9 94.1 3.1 90.9  ▲ 5.6 95.3 8,910 3.8

4 95.2  ▲ 0.8 98.3  ▲ 0.1 99.9 102.6 92.2 3.0 95.0 3.3 90.8  ▲ 4.2 95.1 8,749  ▲ 1.8

5 94.9  ▲ 1.0 98.5  ▲ 0.2 99.1 99.5 94.6 1.3 96.8 1.1 91.2  ▲ 3.2 97.3 9,320 6.5

6 94.7  ▲ 1.1 98.2  ▲ 0.4 99.7 100.3 93.4 2.4 96.3 4.4 90.4  ▲ 2.5 96.1 9,540 2.4

7 95.0  ▲ 0.7 98.0  ▲ 0.2 99.3 100.8 93.9  ▲ 0.3 95.3 0.7 91.6  ▲ 1.3 96.4 9,246  ▲ 3.1

8 94.9  ▲ 0.7 98.2  ▲ 0.3 99.0 101.4 93.2  ▲ 1.3 95.8  ▲ 0.1 90.6  ▲ 1.6 96.1 8,848  ▲ 4.3

9 95.0  ▲ 0.5 98.3  ▲ 0.2 96.9 99.6 96.7 4.1 99.4 5.3 91.2  ▲ 1.3 98.1 8,703  ▲ 1.6

10 94.7  ▲ 0.5 98.3 0.0 94.0 96.2 97.7 3.8 101.2 5.7 90.9  ▲ 2.3 99.8 10,220 17.4

11 94.8  ▲ 0.5 97.8  ▲ 0.5 93.8 96.8 98.7 2.6 99.3 1.4 91.8 0.4 100.3 9,426  ▲ 7.8

12 � 95.0  ▲ 0.1 97.9  ▲ 0.4 93.8 97.3 r 97.9 5.9 r101.2 8.1 r 90.4  ▲ 2.1 99.5 10,191 8.1

16年1月 95.1 0.0 97.7  ▲ 0.3 94.2 98.1 �101.2 5.0 �103.7 5.8 � 89.2  ▲ 4.7 ― ― ―

調査機関 日 本 銀 行 総務省統計局 日 本 銀 行 経 済 産 業 省 内 閣 府

注1.鉱工業の各指数の前年比は原指数の増減率。

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��福島の進路16.4

主要経済指標

国 内

項目

年月

建設工事受注(50社分)(季調済) 大 型 小 売 店 販 売 額新設住宅着工戸数 乗用車新車登録台数

常用雇用指数※1(製造業)(未季調)

所 定 外労働時間※2

(製造業)

有 効 求人 倍 率

(季調済)

完全失業者数総 額 民 間 百 貨 店 ス ー パ ー

億円 前年比% 億円 前年比

% 千戸 前年比% 億円 前年比

% 億円 前年比% 千台 前年比

%12年=100 時間 倍 万人

平成13年 143,383  ▲10.1 90,656  ▲10.6 1,174  ▲ 4.6 96,261  ▲ 0.5 127,147  ▲ 5.0 4,290 0.7 98.1 12.6 0.59 340

平成14年 129,862  ▲ 9.4 80,979  ▲10.7 1,151  ▲ 1.9 93,652  ▲ 2.1 126,677  ▲ 2.2 4,441 3.5 93.9 13.5 0.54 359

平成15年 125,346  ▲ 3.5 83,651 3.3 1,160 0.8 91,030  ▲ 2.6 126,522  ▲ 3.7 4,460 0.4 91.7 14.9 0.65 350

15年1月 7,602  ▲11.0 4,941  ▲ 8.7 83  ▲ 1.7 7,779  ▲ 1.7 11,334  ▲ 2.6 294 4.6 92.1 13.2 0.60 357

2 9,385  ▲11.4 6,033  ▲ 6.0 83  ▲ 2.8 6,203 0.0 9,278  ▲ 1.0 414 5.1 91.9 14.7 0.61 349

3 23,195  ▲ 9.3 14,795  ▲ 4.5 87  ▲ 1.9 8,132  ▲ 3.5 10,283  ▲ 1.9 644 10.2 91.7 15.1 0.60 384

4 6,720 16.5 4,604 15.7 100 1.4 7,077  ▲ 4.7 10,390  ▲ 3.2 290  ▲ 7.0 92.1 14.9 0.60 385

5 7,330  ▲ 4.2 5,352 17.7 98  ▲ 7.7 7,118  ▲ 3.0 10,373  ▲ 4.0 323  ▲ 0.8 92.0 13.9 0.61 375

6 9,250 13.7 6,208 18.5 115 13.4 7,297  ▲ 2.1 10,361  ▲ 3.5 372  ▲ 3.4 92.0 14.3 0.61 361

7 9,039  ▲12.2 6,001  ▲ 4.4 99 2.6 8,649  ▲ 2.0 10,584  ▲ 5.5 400  ▲ 0.7 91.9 14.7 0.62 342

8 9,127  ▲ 1.7 5,913 4.7 92  ▲ 5.4 6,241  ▲ 1.8 10,750  ▲ 4.3 267  ▲ 5.8 91.6 14.4 0.63 333

9 15,655  ▲ 4.4 11,002 1.0 98 1.2 6,545  ▲ 5.2 9,544  ▲ 5.7 424  ▲ 1.0 91.5 15.1 0.66 346

10 8,321  ▲ 6.8 5,288  ▲ 3.1 105 1.0 7,571 0.6 10,529 0.0 353 3.0 91.3 15.7 0.70 343

11 8,891 1.5 6,297 13.6 98  ▲ 0.3 7,916  ▲ 4.1 10,207  ▲ 6.7 340  ▲ 6.7 91.3 16.1 0.74 330

12 10,831 8.8 7,216 18.9 101 9.4 10,502  ▲ 3.0 12,888  ▲ 4.8 338 0.3 91.2 16.3 0.78 300

16年1月 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

調査機関 国 土 交 通 省 経 済 産 業 省 注 1 厚生労働省 注2

注1.日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会注2.総務省統計局、各年の年計は月平均※1.従業員30人以上から5人以上、季調済から未季調に変更※2.従業員30人以上から5人以上に変更

項目

年月

通 関 国 際 収 支 (I M F 方 式)注1 外貨1米ドルあたり(東京市場)外貨準備高(年月末)輸 出 輸 入 貿易�サービス収支 所得収支 経常収支 投資収支 資本収支 直物終値

注2月中最安値 月中最高値

百万ドル 前年同月比% 百万ドル 前年同

月比% 億 円 百万ドル 円

平成13年 405,152  ▲15.7 351,110  ▲ 7.9 32,120 84,005 106,524  ▲ 58,264  ▲ 61,726 401,959 131.47 131.89 113.57

平成14年 415,876 2.6 336,830  ▲ 4.1 64,691 82,666 141,397  ▲ 80,559  ▲ 84,775 469,728 119.37 135.04 115.63

平成15年 469,976 13.0 381,198 13.2 83,660 82,860 157,852 85,994 81,319 673,529 106.97 121.48 106.93

15年1月 32,154 18.7 31,254 20.9  ▲ 1,739 6,815 4,482  ▲ 3,207  ▲ 3,345 478,593 119.21 120.51 117.80

2 36,266 20.2 28,452 16.9   7,730 7,804 14,748  ▲ 4,715  ▲ 4,959 485,265 117.75 121.48 116.86

3 40,721 12.4 32,548 22.2   9,094 8,616 16,160  ▲ 4,508  ▲ 5,469 496,181 120.21 121.32 116.64

4 38,542 15.7 31,536 16.6 6,417 7,018 12,863 5,946 4,299 499,442 119.46 120.87 117.60

5 36,369 12.5 30,433 10.7 6,735 7,654 13,814 27,240 27,100 543,088 118.63 119.17 115.10

6 37,608 5.9 30,456 18.4 7,695 3,904 11,074 3,133 2,860 545,618 119.77 119.80 117.16

7 39,250 7.2 32,537 6.9 7,078 9,004 15,096 6,278 6,164 556,836 120.11 120.35 117.38

8 36,305 5.5 29,723 2.5 6,288 8,260 14,143  ▲ 5,451  ▲ 5,542 555,088 117.13 120.69 117.00

9 41,452 10.8 32,046 12.0 9,344 7,081 15,959 23,573 23,227 604,873 110.48 117.72 110.30

10 44,011 16.6 34,358 12.6 � 7,438 � 5,680 � 12,598 � 9,213 � 9,100 626,269 108.99 112.10 107.88

11 41,657 9.9 � 32,589 6.4 � 8,847 � 6,669 � 14,965 � 9,808 � 9,668 644,569 109.34 111.02 107.87

12 � 45,641 22.7 �� 35,266 14.7 � 8,733 � 4,355 � 11,950 �  18,684 � 18,216 673,529 106.97 110.04 106.93

16年1月 � 40,057 24.6 � 35,262 12.8 ― ― ― ― ― 741,266 105.88 108.30 105.53

調査機関 財 務 省 財 務 省 財務省 日 本 銀 行

注1.発表形式の変更により項目を改定。および単位を円ベースに変更。なお、計数は�及して変更済。注2.平成7年2月以前は終値ないし15時30分時点の出来値、それ以降は17時時点の気配値ベース。

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�� 福島の進路16.4

編 集 後 記� �

近年、�����に�鳥インフルエンザ�と�食�の安全性が脅かされていますが、

これは"飽食の時代"への警鐘ではないでしょうか。

米国産牛肉の輸入ストップにより、牛丼を提供する外食チェーンでは相次いで牛丼

の販売停止を余儀なくされましたが、無くなると分かると食べたくなるのが人の常の

ようです。販売停止が近くなると大勢の客が殺到し、その様子をマスコミが盛んに報道

していましたが、「こんなことでいいのかな?」と思ったのは私だけではないでしょう                                      。

今の日本には食べるものが豊富にあるせいか、その有難みが分からなくなっている

ような気がします。しかも、その多くを外国からの輸入に頼っていることを忘れてし

まっているのではないでしょうか。今回のように輸入が出来なくなった場合に備え、

食糧自給率を上げておかなければならないことは自明の理です。

�備えあれば、憂い無し�減反などで荒地となっている農地を利用し、建設失業者

などの労働力を活かして、農業や畜産業にもっと力を入れてみてはどうでしょうか。

(木幡)