第一回 岐阜建築鉄骨技術交流会(中濃・東濃・各務...

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第一回 岐阜建築鉄骨技術交流会(中濃・東濃・各務原支部) コラム柱で、勾配に合わせて加工する場合 ○部分で、開先加工が手作業のため困難で、溶接幅が大きくなり、品質の確保も 困難になります。 写真1 斜め部分は開先加工も大変 - 1 -

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Post on 31-Jan-2020

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第一回 岐阜建築鉄骨技術交流会(中濃・東濃・各務原支部)

コラム柱で、勾配に合わせて加工する場合 ○部分で、開先加工が手作業のため困難で、溶接幅が大きくなり、品質の確保も

困難になります。

写真1 斜め部分は開先加工も大変

- 1 -

柱のサイズが変わるため、縦リブをコア内部に入れる際、コラム径がせまい場合、

溶接が出来ない。 案① 上ダイヤフラムを厚くする 案② 絞りコラムにする

- 2 -

①H柱で柱貫通の場合 (ブラケットの柱取付き側をガス切断する場合) ブラケットの加工で追い込みがありますので大変であり、フランジとスチフナー

との溶接は横向きになる。また、ウェブは狭くて、溶接が困難である。

- 3 -

②H柱で柱貫通の場合 (ウェブ板を使用する場合) ブラケットの加工は容易に機械加工出来るが、フランジおよびウェブのすべてに

おいて、溶接が横向きになるので大変である。特に、ウェブ同士の溶接がたれこ

まない様に溶接をしなければならないため、加工が困難です。

③H柱で梁貫通の場合 コラム柱同様に外ダイヤフラムですので、溶接に関してはすべて下向きでする事

が出来る。 ウェブの溶接はH形鋼のサイズにもよりますが、狭いと溶接が困難です。 ※溶接の出来る間隔を確認

- 4 -

ブレース材が取り付くため複雑で、斜めにくる箇所とまっすぐな箇所(リブ)と

の目違いのないようにするにはとても難しくて、溶接も困難であります。

- 5 -

ダイヤフラムとブラケットのフランジを内面合せとすると、柱側の裏当て金の溶

接が困難である。 ダイヤの出の長さを長くすると、サイコロ(コア)を先に溶接しますので、ダイ

ヤフラムがかさ折れしてしまい、目違いの元になります。 目違いをなくすためには、全部組立溶接をしてからの本溶接になり、溶接が困難

な箇所が出てきます。したがって手間もかかります。

- 6 -

柱と柱の間が狭すぎてUT対象としての溶接は不可能に近いため、設計士にはそ

の旨を了解していただいて構造計算してもらうという例で、⑪は梁からキャンテ

梁または柱・梁継ぎの大梁の略図ですが、UT対象および計算通りの剛接合にす

るのであれば右図へ変更するという例です。

- 7 -

設計実例(1)

1箇所あたりのコスト比較の一例 鋼材増分:90kg*120=¥10800 < テーパーコア製作費(材工):¥27000/1個

2C1:ロ-200X200X9

BCR295

2G1:H-600X200X11X17

1C1:ロ-300X300X12

BCR295

DFPL-22

SN490C

DFPL-22

SN490C

テーパーコア:PL-16

SN490C

DFPL-16

SN490C

2G1:H-600X200X11X17

1C1:ロ-300X300X12

BCR295

DFPL-22

SN490C

DFPL-22

SN490C

DFPL-16

Sん490C

変更要望案 2C1:ロ-300X300X9

BCR295

ロ-300X300X16

BCR295

以上の理由にて、下図変更案を提示したところ、

意匠上は問題ないが、構造設計者からは「図面通り」との回答であった。

ちなみに、鋼材増分は2階柱で1本につき90kg程度で

工事全体でも900kg程度であり、コスト面ではコア製作工数をはるかに下回ります。

鋼板構成コア部の加工工数が多くかかる。

内ダイアフラムの溶接が困難である。

内ダイアに取合う桁行方向の梁が、コーナーRにかかってしまう。

(上階柱幅が200なので、これ以上寄せられない。)

実例(2)

設計

DFPL-16

SS400

DFPL-16

SS400

RG1:H-250X125X6X9

2C1:ロ-250X250X9

変更要望案

DFPL-16

SS400

DFPL-16

SS400

RG1:H-250X125X6X9

2C1:ロ-250X250X9

DFPL-16

SS400

DFPL-16

SS400

RG1:H-250X125X6X9

2C1:ロ-250X250X9

回答

ダイアフラムを合掌勾配と平行に配置しているため、桁行方向の梁がダイアフラムに取合わない。

変更案を提示したところ、ダイアフラムはそのままで、桁行方向の梁を勾配に合せて傾けるとの回答であった。

柱コアの斜め切断は極力避けたい。斜め部分の開先加工が手作業となり、開先角度も35度とならない。

また、コアのロボット溶接が適用できないため。

実例(3)

RG:H-600X200X11X17

C:H-600X200X11X17

DFPL-19

DFPL-19

設計

変更要望案(1)

RG:H-600X200X11X17

梁貫通方式

ダイアフラム貫通方式

変更要望案(2)

C:H-600X200X11X17

DFPL-22

DFPL-22

RG:H-600X200X11X17

C:H-600X200X11X17

DFPL-19

DFPL-19

H柱-H梁構造の場合で、柱と梁が同サイズの場合、

梁フランジの溶接を下向き姿勢で溶接したいため、

梁貫通方式か、ダイア貫通方式に変更を提案したところ、

「そのような変更は今までに経験がない」とのことで、

設計図通りとの回答であった。

実例(4)

設計

1C1:ロ-250X250X16

2C1:ロ-250X250X12

変更要望案

H-350X175X7X11

H-350X175X7X11

50

150

DFPL-19

DFPL-19

DFPL-19

内DFPL-16

PL-6PL-6

ハンチ加工

ハンチ加工

梁段差とサイズ違いにより、仕口が納まらない例

コア部分を4枚の通しダイアフラムで分断しているため、

コラムの開先機械加工が不可能であり。ロボット溶接が適用できない。

溶接集中により、精度確保が困難で、歪み、変形も心配である。

設計実例(5)

H-175X175X7.5X11

SN400B

スタッドジベル

22φ L=150

変更要望案

某県立高校耐震補強工事

スタッド軸径に対し、ウェブ板厚が薄いため、

スタッド溶接によりウェブを突き破る恐れがある。

被溶接部の板厚は、スタッド軸径の1/2以上程度は必要である。

H-175X175X7.5X11

SN400B

スタッドジベル

16φ L=150

スタッド軸径を16φとする。

構造上必要であれば、ピッチを小さくしてスタッド本数を増やすことを提案した。