家系 - tokushima u...そして、話を聞 ......

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今井先生の講義について ユダヤ人と規定する方法が祖父母がユダヤ教徒共同体に所属していたかどうか、だということに 驚きました。 しかし、ここで疑問に思ったことがあるのですが、ユダヤ人かどうかを判別する際に、その人の 家計家系図が辿れなくて祖父母の人種がわからなかった場合はどうしたのでしょう。 ユダヤ教会の信徒記録簿、行政が管理する戸籍記録、本人たちの名前の特徴などを組み合せれば、祖父母の代 ぐらいの情報を確定するのはそれほど困難ではなかったはずです。(いま) 渡部先生の講義について 今まで私は、「人種」とは生まれたところで分類されるものだと思っていました。そして、話を聞 いていて思ったのですが、生物学的に「人種」という概念は存在しないなら、これから「人種」 という言葉を使うのは適切ではない、ということでしょうか。 最後に、スライドの文字が小さく、次のスライドに移る速さが早く感じました。 下線部、適切でないかどうかはその言葉が使われたコンテクストによります。スライドでは、フォントは太字で 28 ポイント 以上、枚数は 25 分の発表で 21 枚ですから、そんなに文字が小さかったりスピードが速かったりとは思わないのですが、6 月 29 日の授業では気をつけます。(わた) 私の場合は、授業などで「人種」という語を使うときは常に「 」に入れ、またなぜそうするのかも説明しています。(い ま) 昔の世界は人種間に優劣をつけていたのか・・・優生学というものははたしていいのか?私は疑 問を抱く。資料にのっている 1913 年施設に入所している精神病者に対して、出所の条件として 断種手術を課す。とある。これは人間のモラルに反しているのではないか?人間はみんな同じ世 界で生きており、子孫を残すことはその人の自由である。渡部先生の授業で印象に残ったの化論と人種主義でした。ダーウィンは生物は【生存競争・自然選択・適者生存】により変化した。 【共通な祖先】から進化して現在の多様な姿になった。とあって、私たちは共通の祖先から環境 の変化によって分類された。共通の祖先とは何か詳しく調べていきたい。 上のほうの下線部の文、一度読めば誰でもスムーズに理解できるように書き直してください。 また、優生学についてはこの後の授業を通じて考察を深めてください。(いま) 下線部、ぜひ自分で実際に調べてみてください。(わた) 今回の授業でどのような事柄も背景知識が大切であることをまなびました。 第二次世界大戦中、ナチドイツのおいてドイツ人であること、ユダヤ人の血が混じっていな いことが人生を大きく左右するものでした。なぜならドイツ人は優生学のもと、断種法という惨 い方法でアーリア人のみの国を作ることに多大な力を注いでいたからです。またドイツ人であれ ばいいのではなく「健康な」ドイツ人でなくてはなりませんでした。健康とはどのような状態の ことをいうのか、インターネットでは「当初言われていた健康は古典的適応度を指し、その個体 が生物として繁栄していく能力を総体として捉えるための概念」と書かれていました。このよう に人の血や健康状態までも細かく条件づけして優良人種の増殖を促進したかつてのドイツを私を 含め現代人の多くは奇妙、異様だと捉えます。なぜなら現代社会は道徳を大切にし、人種主義が 流行してないからです。もし、道徳が学校教育に存在せず、現在人種主義が流行していたならば、 ナチドイツの優生学に賛成していたかもしれません。どのような出来事も時代背景を踏まえた うえで理解したいです。 1行目に書かれていることは、その通りですね。 情報の出所は、単に「インターネット」ではなく、より具体的に示すこと。「当初言われていた」の「当初」とはいつのこと? また、ここで引用されている文言だけでは、それほど「細かく条件づけして」いるとは言えないですが。 ところで、現代社会が道徳を大切にしていると言えるかどうかはともかく、ナチの時代は、「不良な遺伝子」を保持する者

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Page 1: 家系 - Tokushima U...そして、話を聞 ... スライドでは、フォントは太字で28ポイント ... 上のほうの下線部の文、一度読めば誰でもスムーズに理解できるように書き直してください。

今井先生の講義について

ユダヤ人と規定する方法が祖父母がユダヤ教徒共同体に所属していたかどうか、だということに

驚きました。

しかし、ここで疑問に思ったことがあるのですが、ユダヤ人かどうかを判別する際に、その人の

家計家系図が辿れなくて祖父母の人種がわからなかった場合はどうしたのでしょう。

ユダヤ教会の信徒記録簿、行政が管理する戸籍記録、本人たちの名前の特徴などを組み合せれば、祖父母の代

ぐらいの情報を確定するのはそれほど困難ではなかったはずです。(いま)

渡部先生の講義について

今まで私は、「人種」とは生まれたところで分類されるものだと思っていました。そして、話を聞

いていて思ったのですが、生物学的に「人種」という概念は存在しないなら、これから「人種」

という言葉を使うのは適切ではない、ということでしょうか。

最後に、スライドの文字が小さく、次のスライドに移る速さが早く感じました。

下線部、適切でないかどうかはその言葉が使われたコンテクストによります。スライドでは、フォントは太字で 28ポイント

以上、枚数は 25分の発表で 21枚ですから、そんなに文字が小さかったりスピードが速かったりとは思わないのですが、6

月 29日の授業では気をつけます。(わた)

私の場合は、授業などで「人種」という語を使うときは常に「 」に入れ、またなぜそうするのかも説明しています。(い

ま)

昔の世界は人種間に優劣をつけていたのか・・・優生学というものははたしていいのか?私は疑

問を抱く。資料にのっている 1913 年施設に入所している精神病者に対して、出所の条件として

断種手術を課す。とある。これは人間のモラルに反しているのではないか?人間はみんな同じ世

界で生きており、子孫を残すことはその人の自由である。渡部先生の授業で印象に残ったのは進

化論と人種主義でした。ダーウィンは生物は【生存競争・自然選択・適者生存】により変化した。

【共通な祖先】から進化して現在の多様な姿になった。とあって、私たちは共通の祖先から環境

の変化によって分類された。共通の祖先とは何か詳しく調べていきたい。

上のほうの下線部の文、一度読めば誰でもスムーズに理解できるように書き直してください。

また、優生学についてはこの後の授業を通じて考察を深めてください。(いま)

下線部、ぜひ自分で実際に調べてみてください。(わた)

今回の授業でどのような事柄も背景知識が大切であることをまなびました。

第二次世界大戦中、ナチ・ドイツのにおいてドイツ人であること、ユダヤ人の血が混じっていな

いことが人生を大きく左右するものでした。なぜならドイツ人は優生学のもと、断種法という惨

い方法でアーリア人のみの国を作ることに多大な力を注いでいたからです。またドイツ人であれ

ばいいのではなく「健康な」ドイツ人でなくてはなりませんでした。健康とはどのような状態の

ことをいうのか、インターネットでは「当初言われていた健康は古典的適応度を指し、その個体

が生物として繁栄していく能力を総体として捉えるための概念」と書かれていました。このよう

に人の血や健康状態までも細かく条件づけして優良人種の増殖を促進したかつてのドイツを私を

含め現代人の多くは奇妙、異様だと捉えます。なぜなら現代社会は道徳を大切にし、人種主義が

流行してないからです。もし、道徳が学校教育に存在せず、現在人種主義が流行していたならば、

ナチ・ドイツの優生学に賛成していたかもしれません。どのような出来事も時代背景を踏まえた

うえで理解したいです。

1行目に書かれていることは、その通りですね。

情報の出所は、単に「インターネット」ではなく、より具体的に示すこと。「当初言われていた」の「当初」とはいつのこと?

また、ここで引用されている文言だけでは、それほど「細かく条件づけして」いるとは言えないですが。

ところで、現代社会が道徳を大切にしていると言えるかどうかはともかく、ナチの時代は、「不良な遺伝子」を保持する者

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は子孫を残すのを断念すること。これこそが、まさに「道徳」的だとされていたのですね。つまり「時代背景を踏まえたうえ

で理解」することが大切ですが、「道徳」「正義」などは歴史的・社会的にいかようにも変容しうるという視点も忘れないでく

ださい。(いま)

私の授業に対するコメントは?(わた)

現代を生きている私からしてみれば優生学という考えには賛成できない。遺伝的に優れた人間よ

りも努力を惜しまず何事にも一生懸命になれる人間のほうが余程素晴らしいと思えるからである。

そのような人間が今後日本には欠かせない存在であると私は考える。断種法にも賛成できない。

強制妊娠中絶をさせられたり、遺伝病、結核、性病になっていると結婚できないのはとても残酷

である。私は好きな人と結婚し、好きなことをするのが一番よいと考えている。生物は共通な祖

先から進化したと言っていたことに興味をもった。なんという名前でどんな形をした生き物なの

か気になった。DNA のことは知っているつもりだったがまだまだ知識不足と感じた。塩基配列を

調べれば、生物の類縁関係がわかるというのは知らなかった。勉強になりました。ありがとうご

ざいました。

第2次世界大戦後、優生学はその性格を変化させながら、ある意味で再び流行するようになりました。この後の授業を

通じて考察を深めてください。(いま)

下線部、自分で実際に調べてみてください。(わた)

今井先生の講義では、1つ驚いたことがあります。それは断種についてです。私は断種手術と

いえば、中国の宦官であると今まで認識してきたので、100年も経っていない近い歴史上に、

断種手術を行っていたことを知りませんでした。

人種についても、ナチ党はユダヤ人を虐殺したのみで、他の人種には差別化は行っていたとし

ても殺傷を行ってはいないと記憶していました。学校教育で虐殺のことのみしか取り上げられな

かったことも関係しているとは思いますが、自身の人種問題についての関心の薄さを痛感しまし

た。中学、高校時代に計 1800 冊ほどの本を読んでいながらと、恥ずかしく思います。考えてみ

れば、論説本を避けて、小説ばかり読んでいました。新聞にも目を通さず、ニュースもあまり見

ないような生活を続けていたための結果なのでしょう。

また、前回でも多少触れられていましたが、ユダヤ人という人種は存在しない、そしてユダヤ

人の定義が非常にあいまいで、科学的根拠を持たないといったことが、当時の人のナチ党を熱狂

的に支持していたことを暗示しています。なぜ、「科学的」手法によって証明されたと掲げる人種

主義の矛盾に、当時の一般市民は気付かなかったのでしょうか。やはり、ナチ党の絶対支持と、

自分たち「アーリア人」にとって都合の良い政策だったからなのでしょうか。たとえそれに気づ

いた有識者がいても、ナチ党に「精神薄弱」として殺され、この矛盾に大衆が気づかないように

したからなのでしょうか。

ナチ党台頭以前のヴァイマル共和国時代のユダヤ人の定義の箇所を聞き、当時の人々がこの法

を甘んじて享受していたことが信じられません。「健康」なアーリア人にも、「ユダヤ人」の友達

がいたであろうに。しかもこの法のひどいところは、この法公布時点で「ユダヤ人」と結婚して

いたら、その伴侶も「ユダヤ人」であるとしたこと、3 代以上「ユダヤ人」との血縁関係が薄く

なければ「ユダヤ人」であるとしたことです。例えその人が敬虔なキリスト教信者であっても、

妻が「ユダヤ人」、祖父母が 2 人以上「ユダヤ人」であったら、断罪の対象になる、またはその可

能性が高いといったことが、人道的ではありません。また、この「ニュルンベルク人種法」にの

っとって「ユダヤ人」だと決めていくと、1 人ユダヤ人がいたら、その血縁者すべてが疑われた

ことでしょう。一人一人を逐一調査していては、いくら人手があっても足りません。もしかした

ら「疑わしきは罰せ」と指令していたのかもしれません。

また、ナチ党支配時代の教育で、「遺伝病患者は、国家に 1 日当たり 5.50 マルクの負担をかけ

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ている」としていたことに、怒りを覚えました。このことについて、何の根拠もありません。そ

の教えを受けた子供は、無邪気にそれを信じて人種差別問題の遺恨を深くさせたことでしょう。

渡部先生の講義で、さらにナチ党に対する懐疑の念が深まりました。第二次世界大戦中期に、

マイヤーが「種」とはなんであるかの定義を発表したのに、まったくそれに反した「科学的」人

種主義を貫いたことが、恐ろしく思います。同じドイツに生まれた学者の発表であるのに、当時

のドイツにとっては邪魔であるために無視したのでしょう。もしかしたらマイヤーはナチ党に命

を狙われたのかもしれません。また、マイヤーが 2005 年まで存命であったことも驚きです。

ある時代において、ましてや独裁的な体制の下で、「科学的」だとしきりに喧伝されたことについて、一般市民が矛盾に

気づくのは容易ではないのではないでしょうか。「正義」や「真理」の判断・解釈を、政治指導者や専門家に全面的に委ね

てしまわないように、「一般市民」も賢くなるしかないでしょうね。

「ニュルンベルク人種法」が制定されたのは 1935年、つまりナチ独裁体制が確立された後です。

「ユダヤ人」定義をめぐっては、「疑わしきは罰せ」ではなく、逐一調査したのですが、君が書いているような点で、まさに

ナチスも頭を痛めていたところがありました。それは「ニュルンベルク人種法」で「ユダヤ人」ではなく「ドイツ人」とされた「2

分の1ユダヤ人」を、「ユダヤ人」に組込むよう規定を拡大しようかどうかという点をめぐってです。「2分の1ユダヤ人」は多

数おり、これを取り巻く何倍もの「ドイツ人」の親戚がいたからです。

ところで、「人種差別問題の遺恨を深くさせた」とはどういう意味ですか?(いま)

「種」の定義はいろいろな研究者が、いろいろな年代に行っています。マイヤーの提唱した「生物学的種」は、現代から

見ると普及している考えですが、発表当時に今と同じように受け入れられたかどうかはわかりません。(わた)

今井先生へ

祖父母への(?)ユダヤ人規定は曖昧だったとありますが、実際はユダヤ人ではないと偽っていた人

はいないのですか?

渡部先生へ

今回の授業まで同じ猫と猫が子供を作れて、なぜ同じカエルとカエルが子供を作れないのかが曖

昧だった。しかし、それは種が違うからできないのだと分かった。なぜ雑種動物は生殖能力がな

いのですか?

ユダヤ教会の信徒記録簿、行政が管理する戸籍記録、本人たちの名前の特徴などを組み合せて調べましたから、

そう簡単に偽るわけにはいかなかったはずです。自己申告や個人面談によって判定していたのではありませんか

ら。(いま)

同じ種類でないと、相同染色体の形や大きさが少し異なります。そこで普通の細胞分裂は何とかできるのですが、生殖

細胞を作るための「減数分裂」が上手くいかないため、ちゃんとした生殖細胞がでず、子供ができないわけです。(わた)

授業で人種は単なるヒトを外見的な特徴で分類する概念であることを学びました。そして先生は

人種は生物分類する際の単位ではないとおっしゃっていました。しかし、三省堂の大辞林による

と人種は「地球上の人類を、身体形質の特徴によって区別した種類。ふつう、白色人種・黒色人

種・黄色人種に三大別するが、分類不能な集団も多い。」と書かれていました。ここで人種は亜種

の一種なのではないかという疑問が浮かびました。なぜなら、三省堂大辞林の亜種とは「種とし

て独立させるほど大きくはないが、変種とするには相違点の多い一群の生物に用いる。その例と

して北海道のキタキツネはキツネの亜種である。」と書かれていたからです。亜種の例を人種の視

点に置き換えて「アフリカの黒人はヒトの亜種である。」といえるのではないでしょうか。

現存のヒトにおいて、遺伝的にはアフリカ人の多様性がもっとも大きいので、下線部のように肌の色だけでヒトを分類す

ることは生物学的には意味がありません。したがって「アフリカの黒人はヒトの亜種である」とすることは、生物学的には間

違っています。(わた)

私の授業に対するコメントは?(いま)

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「人種」の定義に宗教という文化的・社会的要素を「人種」の定義に使用したことについて、一

瞬不快な印象を受けたが、確かに私たちも、知り合いが自分の知らないような変わった宗教の信

者であると知ると少し偏見を持ったり、差別したりしている。

授業でユダヤ人差別について知ったとき、何の罪もないユダヤ人が大量虐殺されたことは絶対に

許せないことだと思っていたが、宗教差別という点においては私も少なくとも同じ視点をもって

いると言える。

人種分類の科学的背景について、「政治」と「科学」が共生するということはある点では危険だ。

なぜなら、政府は大きな権力を握っているため、その権力が独裁政権などのように適切に使用さ

れなくなると、国民の生活に被害が及ぶ場合もあるからだ。

前置きですが、まず今井先生と山口先生に僕の前回のコメントに対する応答に対して返答します。

三好先生の授業の時のコメントよりは出典源の明記は心がけましたが、題名だけで肝心な出版

社や作者を明記するのを忘れていました。

チャールズ・ダーウィンの『種の起源』に関しては朝倉書店出版の原書第6版(訳:堀伸夫・

堀大才)の該当ページを要約したもので、ヒトラーの子供の話に関しては紛らわしい事を言って

いましたが、デアゴスティーニジャパンが出していた雑誌、週刊100人(歴史は彼らによって

つくられた)の№2(第2号)に載っていました。その雑誌の内容を確認したいところですが、

残念ながらその雑誌は実家にあるので、今のところは確認できません。そこで今井先生に amazon

で週刊100人(歴史は彼らによってつくられた)の№2:アドルフ・ヒトラーを購入すること

をお勧めします。

今回は添付ファイルで本を紹介します。

雑誌で確認するのもよいですが、大学のパソコンの bing でヒトラーの子供たちで検索すると

「ヒトラーの子孫の今ー歴史ー教えて!goo」または「ヒトラーの子孫の今ーBIGLOBE なんでも

相談室」があります。

そこでもヒトラーにロレという子供がいた事をほのめかす内容が書かれています。 調べてみて

ください。 長々となりましたが今回の授業へのコメントと分けてこのメールを送信します。

こちらのメール内容は今井先生と渡部先生の授業へのコメントです。

今井先生へ:優生学は遺伝的に「優れた」人間を増やそうとする学問で、優れた人間集団の維持

や育成のためには劣等形質を排除し、優良形質を保護・育成しなければならないという考えが根

強く、断種法も優生学から生まれた概念であるが、本当に優れた人間ばかりを集める事が持続可

能な社会を営む上で大切だろうか?

確かに断種法によって、病気や障害のある人から遺伝的形質が伝わり、同様の子供が生まれるの

を防ぐ事で医療費などの社会保障費が膨らみ社会的負担が大きくなるのを未然に防ぐ上では肯定

できるが、病気や障害があるからと言って、仕事をさせないなどの差別はしてはいけない。「汚れ

のない人間はいない。」というネロの言葉のように、社会も色々な人間がいることで汚れがあるの

は当然で、それだからこそ、持続可能なのである。

また「ニュルンベルク人種法」では、「人種」を祖父母がユダヤ教徒共同体に所属しているかどう

かで決定し、その時に宗教という文化的・社会的要素を「人種」の定義に使用しているが、その

点に怒りを覚える。

なぜなら、宗教は規律(例:ヒンドゥー教では牛を神聖なものとし牛肉を食べてはいけない。)が

あるものの、その宗教に属しているからといって、個人のパーソナリティーを決める事はできな

いからである。

キリスト教の教義でキリスト殺しの民:ユダに由来して、ユダヤ人に対して宗教的・文化的な面

で差別することは典型的に良くない例である。もはや、宗教を人種の定義に取り入れる事は人の

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ジンクス(?)を決めつける時点でちまたの心理学や血液型性格診断と似ている。

(出典源:今井先生のプリント)

渡部先生へ:授業に関しては、山口先生とヒガシゴリラを比較するスライドや「アマガエル*ア

カガエル、ペルシャ*シャム、どちらが交配可能?」を考えさせるスライドなどの導入によって、

魅了する所がよかったです。交配した結果、誕生した動物の写真をスライドに導入させていたら、

さらに良いと思います。ちまたの動物図鑑ではライオンやトラはネコ科、パンダはクマ科である

ことはよく書かれているが、種の話に論点を置いていますが、同じ科を交配させた場合はどうな

るのでしょうか?

君は財政負担を未然に防ぐという観点からは断種法を肯定できるとしていますが、では断種=不妊手術によって本当

に「病気や障害のある」遺伝形質が次世代に伝わるのを防ぐことができるのかどうか、その後の授業から学んでもらえれ

ば幸いです。(いま)

動物では属レベルを超えて雑種ができることはありません。染色体の違いから細胞分裂が正常に行われないからです。

それと最後の文章は、ちょっと読み難いです。(わた)

授業へのコメント:科学と science、一見同じような意味を持っている。しかし、深く見極めてい

くと全く違う事に気づかされてしまった。これが、山口先生の言う「物事の本質まで疑問を持っ

て複数の情報源から適切な情報を見極める」ことを私達に伝えていると感じた。それと、偉大な

人は、日常的な些細なことに気付いたからこそ今の法則(?)がなりたっている事に感謝したい。だ

からこそ、私達は必要な情報を読み取り、社会に貢献すべく日々を過ごしていかなければならな

い。

授業への質問:山口先生自身は万有引力をどう思いますか。

これまたずいぶん前のものが混入していますね。それはともかく「必要な情報を読み」取ることと「社会に貢献」すること

とは、ただちにはつながらないと思われますが。

また、質問された当人ではありませんが、前後に何の説明もなく「万有引力をどう思」うかというのは、質問になっていな

いですね。(いま)

まず,今井先生の講義で学んだ優生学について

弱者を放置し,優れた形質をもつと思われた人間の出産を増加させる→積極的優生学と障害者や

遺伝病患者に不妊手術を行う→消極的優生学の2つ,あることを学んだ.また,積極的優生学は

優れた形質をもつと思われた人間を増やし,結婚相談のような比較的穏健な政策は早い時期から

優生学的観念に連関を持っていた.そして,消極的優生学は劣った形質をもつ人間に生殖を思い

留ませるもので,断種や人種差別,ジェノサイドにまで発展した.

参考サイト

http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/ethics/theme2.html

http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E5%84%AA%E7%94%9F%E5%AD%A6_%E5%84%AA%

E7%94%9F%E6%94%BF%E7%AD%96

次に,渡部先生の講義について,

進化論とは,関連付けられる先祖があるとして幅広く受け入れられている理論である.それは,

より複雑で高度な生物でもより単純な組織体から進化する.つまり,新しい種は遺伝子の突然変

異から発生し,より優れた変異が維持されて次世代に引き継がれていることを提示しているので

ある.最後に,渡部先生の講義について,最後時間がおしているのはわかるが,前半部分は普通

だったが,後半からスライドを切り替えるのがとても速くなって,プリントに書く時間が全然な

かったので,以降改善してほしい.

参考サイト

http://www.allaboutscience.org/japanese/darwins-theory-of-evolution.htm

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下線部はどういう意味か理解していますか?前半部は、ネットからの文章のコピペになっています。自分で考えたコメン

トを書いてください。後半部は、次回の授業で改善します。(わた)

・今井先生の授業について

私はこれまで勉強してきて、『優生思想』という思想があったことは知っていましたが、それは、

あくまでも昔のこと(戦前)だと思っていたので、授業でスウェーデンでは七十年代半ばまで優

生思想にもとづく強制不妊治療が行われていたことを聞いてとても驚きました。そこで、そのこ

とについて気になったので調べてみると、スウェーデンを始めとする優生思想を持つ国家では、

不妊や断種を行ってきた主な理由として「福祉国家として健康な国民を育てようとした」、「福祉

に回る金額を減らそうとした」などを挙げているのですが、日本でも似たような事例があり、そ

れは主に障害者差別によるものであることが分かりました。いかなる理由があっても、このよう

なむごい政策を政府が、それも強制的に行うことは絶対に許されません。本人の同意なしでも保

護者が同意すれば手術ができることを利用して、半ば強制的に不妊治療を行っていたことが日本

でもあったので、これを過去のことにせずに今の社会問題として世間に知らしめる活動を世界各

国で協力して行うべきです。

・渡部先生の授業について

ダーウィンの進化論が「強者による圧政」を擁護する思想として利用されていたのを初めて知

って、ダイナマイトを発明したノーベルも自分の発明が戦争に利用されたのを知って、嘆き、そ

れがもとになって自分が発明して手に入れたお金を世間のために使いたいと考え、ノーベル賞を

設立したというエピソードを思い出しました。科学者が苦労して考え出した物や理論を己の私利

私欲のために使うことは間違っているのですが、逆に、戦争などに使われていた技術が現代でも

役立っていることも調べた結果、分かりました。江戸時代の日本では、庶民に武器の使用が禁止

されていたので、鉄砲(火薬)の技術を何かに利用できないかということを主に金物屋が思案し

ていたそうで、それが現代の花火の始まりだったそうです。このように技術や文化は、使う側の

意志によってたくさんの人を楽しませるものにも、殺すものにもなりうることが今回の授業や調

べ学習で再認識できました。今後は調べた情報にもその考えを当てはめて、ものの善悪を見極め

られるようになります。

いろいろ自分で調べていますね。今後も自分で調べる・考えるということをお願いします。(わた)

同感です。今後ともご健闘を。(いま)

今井先生の方ですが、講義を聴いているとナチスは「自分たちが優秀だ」などと信じており宗

教団体のように思えるがどうだったのでしょうか?

渡部先生の方で、DNAの話が出てきて考えたことですが、私が聞いたことがある話のなかで

ハーフの人は身体能力が高いというのがある。ダルビッシュ選手や室伏選手などはその例である

が、先生はこの事をどのように考えますか?

たしかにナチ党を一種の疑似宗教団体と呼ぶことはできるかもしれません。最も初期に参加した党員の大部分は第一

次世界大戦の戦場から戻ってきた若者たちでした。当時は敗戦後の講和条約や経済的混乱によってドイツ国民全体がプ

ライドないしアイデンティティを喪失しかけていたような状態にありました。社会のどこにも「居場所」を見出せなかった若者

たちは、ナチ党の集会や行事での活動を通じて、初めて自分が他人や指導者、祖国のために役立っているのだという実

感をもつことができたのでした。ナチ党こそが、そうした若者たちに「居場所」を提供したわけです。(いま)

下線部は、この授業で何回も出ている「出典」の明らかでない話の典型です。ところで、ダルビッシュ選手や室伏選手の

身体能力が高いのは、本人の努力の結果でしょう。ハーフ(混血)の人の身体能力がすべて高いわけではありません。

(わた)

前回に引き続き今井先生の講義で、人種主義と優生学について学びました。

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正直、今日の講義を聞くまで優生学という学問があったことを知りませんでした。優生学につい

て聞いたときに、成立したのはドイツであろうと考えていました。私の中で、人間の優劣という

と、ユダヤ人を迫害していたドイツと結びついているからです。

また、断種法がアメリカやヨーロッパの各地で広まっていて驚きました。西洋と東洋の考え方は

異なっているから、日本にまではその考えが広まっていないだろうと思っていましたが、講義資

料の中に日本の優生保護法などに関することが書かれていたので落胆しました。人間の優劣など、

よくない考えは世界共通なものであったのかと考えさせられました。

渡辺先生の講義では、人種分類の科学的背景について学びました。知らないことがほとんどでし

た。

人間をはじめとする多くの生物は、もっと単純に人は人だとか、ゴリラはゴリラだと考えていま

した。環境の変化などの、様々な要因で別の種類になるのは複雑でしたが、よくよく考えると単

純構造だと発達する部分がなく、同じ種類の生物ばかりが出現すると思うので、当たり前のこと

なのかと思いました。ダーウィンの進化論については納得できる部分もありましたが、強者の弱

者に対する搾取を弁護するための理論として使われたのは納得いきませんでした。戦争の勝者や

支配者を肯定するのはよくないと思ったからです。

問題によっては、西洋と東洋とで異なる場合もあれば、近現代世界に共通の事象や問題もあるわけです。「驚き」から

出発して、幅広く勉強していきましょう。(いま)

下線部、意味がよくわかりません。(わた)

先日の講義の前半で 1920、1930 年代のドイツでは「人種衛生学」は最先端の科学とみなされ

ていたことを知った。さらに断種法の歴史における抑制的優生政策はナチ・ドイツだけでなくア

メリカ合衆国やスイス、スウェーデンでも施行されていたことも知った。しかし当時、断種のマ

イナス面については考慮されなかったのかと疑問に持った。そして講義後、断種について調べて

みると日本でも断種は行われていたそうだ。日本では遺伝性疾患をもつ患者に対する断種が 1940

年の国民優生法で制定され約 4 年間断種が行われていた。また 1948 年に制定された優生保護法

では遺伝子性疾患だけでなくハンセン氏病や「遺伝子性以外の精神病、精神薄弱」を持つ患者に

対する断種が制定について規定された。この優生保護法により行われた強制的な優生手術は約 45

年の間に 1 万 6 千件に及んだということである。

後半では、人類分類の科学的背景についての講義を受けた。ダーウィンの進化論についてが出

てきて僕はこれについて全く知らなかったので講義後、調べてみることにした。ダーウィンの進

化論の重要箇所は自然淘汰説である。ダーウィンはハトの品種改良を観察し様々な品種の多様な

形質に驚き、人間に優劣があるように生物も全て平等ではなく生存と繁殖に有利さの差があるの

ではないかと考えた。自然選択は生命の誕生以来、すべての生物に働いてきたとされている。だ

からよく自然選択説は循環論的であると批判されるが、実際に観察された現象から導き出された

理論である。

http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/ethics/theme2.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E9%81%B8%E6%8A%9E%E8%AA%

AC

「当時」の「断種のマイナス面」とはどういう事態を指しているのですか?(いま)

下線部は意味を理解して書いていますか?内容がウィキペディアからのコピペになっています。(わた)

今回の授業を受けて、二十世紀は優生学の時代だったと分かり、優生学は「福祉国家」と密接に

絡み合いながら、社会に根付いたと言えます。子どもを産み、育て、病人や老人や障害をもつ者

を支えることが家族という領域に委ねられてきたが、福祉国家はそのような営みを肩代わりする

分、誰が子供を産むべきか、誰がどう生きるべきかといったことに口をはさみます。そのような

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ことが二十世紀において、優生学と福祉国家が互いに結びつきながら発展してきた背景にあるの

だと分かりました。しかし、過去の優生対策を真正面から問いなおさなければ、断種法のために

強制的な不妊手術などの被害を受けた人々が望んでいることは実現しないのではないかと考えま

した。

進化論と人種差別の話を聞いて、人種差別の原因は進化論にあるのではないのかと考えました。

進化論が人種差別を理論的に正当化したことでユダヤ人虐殺にも繋がり、進化論は危険な思想で

はないかと疑いましたが、ダーウィンの進化論の発表の他にも白人優位主義やキリスト教が「人

間」と「動物」とを区別したことなど人種差別の原因となる例があり一概にも進化論によって人

種差別が起こったとは言いきれません。

主張していることは分かりましたが、文章が読み難いです。接続詞を使うなどして、もう少し読みやすい文章にしてくださ

い。(わた)

今回の今井先生の講義では先週に続いてドイツの黒い歴史と科学のつながりについて学んだ。そ

の中で優生学という学問を知りその考え方こそがヒトラー率いるナチスのユダヤ人大虐殺につな

がっていったとしり、科学という言葉は様々な場面での事象を肯定も否定もする役割があるとい

うことを改めて知り、「科学」という言葉の持つ便利さ、恐怖を知ることができた。

今回の渡部稔先生の講義では「種」について学んだ。もちろん僕もそうだが人間は生物の種族?

の中で自分たち人類が一番であるという考えを持っている。しかし、今回の講義でDNAによる

系統樹から「人類人種」という概念は成立しないということを知り、知識を待たないことは思い

込みをしてしまう一番の原因であるということを重思い知らされた気持ちになった。これから、

様々な事象を捉える時に思い込みで答えを決めつけることがないように、「調べる」ことをしてい

きたい。

優生学そのものとユダヤ人大虐殺とは、はっきり分けて考えたほうがよいです。(いま)

「人種」概念が生物学的には成り立たないことと、ヒトが生物で一番ということの関係は何ですか。(わた)

優生政策で優れた遺伝子だけを残そうとして、病的遺伝資質の保因者だとみなされたものを断種

していた、ということは実際は、保因者でなくとも断種されていたということですよね。

そうであるならば、実際は保因者ではなかったものも断種されていたということになって、この

政策には意味がなかったのではと考えてしまいます。逆に、保因者が積極的優生政策で優遇され

てきて、結局病気が発症した。という場合もあってその時、子供が居た場合、その子供は積極的

政策で生まれたのにもかかわらず、断種の対象になったのでしょうか?

近縁な生物ほど DNA の配列が類似しているという話ですが、人類はみな似たような配列という

ことですよね。だから○○人と××人で子供をもうけても、平気なはずです

しかし、同じように同類で子孫を残せて、似たような配列という条件が同じでも、犬の場合、か

けあわせによって病気持ちだったり長生きできないような、子供が生まれてくるのはなぜなので

しょうか?

DNA が近いからダメなのでは思っていたのですが、人間と同様に考えれば、それは違います。大

型犬と小型犬では難しいというのは理解できるのですが、カラーでダメだというのは理解できま

せん。

さすがのナチ・ドイツでも、その子供本人に「断種法」で規定された症状が現れるまでは、断種の対象にはされなかった

と思われますが、ただいずれにしても判定に際しては、曖昧な基準にもとづいて恣意的な運用がなされたケースも多かっ

たですからね。(いま)

イヌは人が人為的に改良していったものです。そのため形態が著しく異なる「品種」がたくさん作られており、その形態

は同品種内で遺伝的に固定されています。そこでそのような品種間で雑種を作った場合、奇形等の障害が出ることがある

のです。(わた)

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(今井先生の授業)

今回の講義を受けて、1920~30年代のドイツでは「人種衛生学」が最先端の科学としてみ

なされていたということにとても驚いた。

このような誤った考え方が人々に受け入れられた原因として、世界恐慌などによってもたらされ

た社会不安により人々が混乱している時期に、「優生学」が流行し、この社会不安の解決手段とし

て、生物学的・医学的な方法が挙げられたことが考えられる。

また、日本でも「優生保護法」が1996年という、かなり最近まで存在していたということ

や、このような考え方が障害者差別を助長するということを知り、「優生学」というものをかなり

身近に感じることができた。この日本の例については、戦後、憲法などが改正され、国民一人ひ

とりの人権などが保障された状況になっていたにも関わらず、最近まで人間の差別を促すような

法が存在していたということにとても疑問を持った。

(渡辺先生の授業)

今回の講義では、科学者とナチスが共生関係にあったということ知り、科学者の在り方について

考えさせられた。

ナチス政権下では、科学者は研究費用や研究環境、権力など、自分たちの名誉や地位、お金のた

めにエセ科学ともいえるものをつくり出し、それによって、人類の歴史に残る残虐な出来事を促

進させてしまった。

これは、科学者が主張する事柄が必ずしも正しくないということや、科学者もエセ科学をあたか

も正しい科学として受け入れるということの代表的な例であると考えられる。

このような政治と科学の癒着が存在すること、またそれによって、エセ科学が大衆を騙し、誘導

している可能性があるということは、現代でも考えられるものである。

私たち一般民衆の情報リテラシーも重要であるが、これらの問題はそれだけでは越えられないも

のであり、やはり科学者一人ひとりの正しい意識が必要であると考えた。

引き続きこの後の授業を通じて思考を深めていってください。(いま)

あなたの主張していることはもっともです。そこで、科学者の意識に頼るばかりではなく、あなた方はどうすることができ

るのか、どうしなければならないかも考えてください。(わた)

今回の今井先生の授業で特に断種法というものがあったということに驚きました。なぜかという

と、現代社会を生きている我々は基本的人権というものがあったり、ノーマライゼーションとい

う理念があり障害者も同じように生活を送るということが当たり前になっていたからです。だか

ら、社会保障やバリアフリーなどがあり伴に共に生活できる社会制度が整っています。しかし、

当時はそのような社会政策とは真逆で、社会的弱者を淘汰しようとする法律が普通に存在したの

で、大変衝撃をうけました。

また、渡部先生の授業のなかで人種間の違いは 0.1%しかなく、DNA による人種の概念は成立し

ないということを知り、今まで自分の中での偏見が大きく改められました。なぜかというと、我々

日本人は欧米人と比べると小柄で顔のつくりもまったくと言っていいほど違っています。さらに

運動能力も違います。これらのことから、遺伝子は日本人と欧米人と大きく違っているだろうと

いう間違った知識がありました。しかし、講義を受けて DNA でみるとほとんど違わないという

ことを知り、今までの自分の考えが大きく改められました。

現代社会で「障害者も同じように生活を送るということが当たり前になって」いると、どこまで言えるでしょうかね?

という点も含めて、「衝撃」から出発して、幅広く勉強していってください。(いま)

「0.1%」というのは、ヒトのDNAすべて(30億個)を比較した場合です。ある特徴(例えば肌の色)に注目すると、それに関

わる遺伝子にはもう少し違いがあるかもしれません。しかし別の特徴ではもっと小さな違いしかないでしょう。DNA 全体で

見ると、世界中のヒトの違いが「0.1%」になるわけです。(わた)

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今井先生へ

私は以前から着床前診断による遺伝子操作は人道に反した行為だと考えていました。遺伝子操

作は、科学技術が進んだ将来に適用してほしくない手段の1つです。効率性を求めた結果、この

ような技術が動物やヒトに介入する反面、どこかで生態系が崩されているような気がします。

渡部先生へ

「政治」と「科学」の共生についてですが、最初に聞いた時は科学者が権力・研究費・研究環境

を得たことには納得できたのですが、科学者が得た人種差別に対する正当性には納得がいきませ

んでした。でもそれは、服従しているが故の科学者の権利獲得だと知り、いかにナチスの力が大

きいのか、先週に引き続き改めて気付かされました。ナチスの得た正当性は明らかにあってはな

らないことなのに、認知されていたなんて驚きです。

ご指摘の点、さらにこの後の授業を通じて考えていってください。

さらに、科学者が研究費・研究環境を与えられるのと引き換えに、そのときどきの政府や産業界の求める方向で研究成

果を生み出すことは、今日でもごく普通にみられることです。問題はその中身ですが、原子力の問題などを例にとると、こ

の種の問題は、独裁体制の下での話として、今の私たちの社会とは全く無縁だとも言い切れない論点を含んでいるので

はないでしょうか。(いま)

下線部、「得た」ではなく、「与えた」でしょうか?(わた)

『第一次世界大戦までは遺伝病の人やその他、人民に害を及ぼすとされている人々の断種や排除

は、一部の過激な人々の間で要求されていたにすぎにない。』ということを知って、ナチスが政権

を獲得してから断種が一般的になったことはどれほどナチスの影響が大きいのか、そして各国で

の断種法の集大成としてナチス断種法が制定されたということがわかりました。

(今井先生)

≪参考文献≫

(エルンスト・クレー 松下正明 監訳 『第三帝国と安楽死 ―生きるに値しない生命の抹殺―』

批評社 1999 年)

われわれはよく「人種」ということばを使っているが、生物学的には「人種」という概念は存在

しないということ、さらにヨーロッパのルネサンス時代以前には存在しなかったことを知り、社

会ダーウィン主義の影響と今日における深く根付いた「人種」の概念は歴史的にはまだ新しい出

来事であるのに、非常にやっかいな問題であるということがわかりました。

(渡部先生)

≪参考文献≫

(C・ローリングブレイス 瀬口典子 訳 『「人種」は生物学的には有効な概念ではない』)

たしかにナチスの実行力という点には凄まじいものがあると思います。が、君自身も気づいているとおり、第一次世界大

戦後の 1920 年代からナチ政権成立までの時期に、民主主義共和制のドイツを含むヨーロッパの福祉国家やアメリカ合衆

国で優生思想、優生政策が社会に浸透していっていたこともお忘れなく。(いま)

短いコメント中に、授業の内容がよくまとめられています。(わた)

・今井先生の講義について

1920 世紀前半に「断種法の制定」など、アメリカやヨーロッパでの断種についての記述が多く

見られましたが、断種法という法律は必要ではないと考えます。確かに、性犯罪の恐れのある者

に対してに施行するのは理解できますし、その人が「精神病者」である場合は施行されるのも納

得できます。しかし、施設に入居している精神病者が、必ずしも性犯罪に手を染めるとは限りま

せん。また、子どもを養育する能力がないと認められただけで断種手術を課せられるのも同じこ

とが言えます。なぜ、断種をする必要があるのでしょうか。私は、性犯罪を犯した者のみが断種

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手術を課せられるべきだと考えます。ドイツに限っては、「遺伝性とされた疾患や障害者の結婚を

禁止し、断種手術を主張」と、結婚まで禁止される始末です。当時のドイツには人権がないのか、

と言いたくなります。このことより、昔の人々は平気で差別をして楽しんでいたように考えられ

ます。

・渡部先生の講義について

人間とゴリラは「種」のみが異なる生物と聞いて、「種」が違うだけで外見から内面までまったく

違う生命体になると知れたため、大変驚きました。しかし、二足歩行が可能であったり、起用器

用に指を使えるという類似した面もあります。人間とゴリラは遺伝子が 98%同じで、たった 2%

だけしか違わないそうです。その 2%で感受性や容姿が変わって別の世界で生活していると考え

ると切なくなります。たった 2%の違いで共存できない関係になり(日本の場合)、敵意を抱いて

いる人も少なくありません。今、人類が進化しているなら、ゴリラやチンパンジーなど一般にサ

ルと言われている生命体と共に生活できる日がくるかもしれません。私は世界平和のために、少

しでも共存できる環境を気づき築きあげるのも大事であると考えます。

「昔の人々は平気で差別をして楽しんでいた」のではなく、当時は当時で、優生政策によって民族・人種の劣化を防ごう

と、政治指導者は真剣に考え、多くの科学者がその考えに正当性を与え、医師や公務員がその実施に協力したのでしょう。

歴史の話を聴いたり、本を読みながら、もし自分がその時代に生きていたら・・・と考え、いまの社会の問題に対してはどの

ように考え、対応すればよいのか、と考える。そういう視点ももってもらえればと思います。20 世紀前半の時代と比べれば、

その後人権に対する考え方は進んできたと思われますが、いま私たちは、社会的な差別は「昔の人々」の問題だと片付け

てしまえるでしょうか?(いま)

下線部は間違っています。ヒトとゴリラは別の「属」(ヒト属、ゴリラ属)です。文章の後半部分の「共存」とは、ゴリラ、チン

パンジーの生育環境を守るという意味ですか?なお日本に野生のゴリラやチンパンジーはいないので、日本での共存と

いうことは意味がよくわかりません。また世界平和とのつながりもよくわかりません。(わた)

○今井さん

1907 年にアメリカ合衆国で世界初の断種法が成立し、日本でも 1948 年に優生保護法が施行され

た。日本ではこの法の下で、遺伝性疾患や精神病、精神薄弱、ハンセン病等の人を対象に、1 万

件以上もの断種手術が行われた。私はこの断種手術件数の多さにも驚いたがそれ以上に、このよ

うなことが戦中だけでなく戦後にも行われていたこと、この法が改正され、強制断種等に関する

条文が削除されたのがつい最近だということに驚かされた。ナチ・ドイツのように自分にとって

は時間も距離も遠く、ほとんど関係ないと考えていたことが、こうしてつい最近の日本でも行わ

れていたからだ。自分では意識してなかったが、「昔の正常でない時代」という風に漠然と他人事

のように考えていたことを思い知らされた。

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○渡部さん

ダーウィンの進化論は生物の進化のしくみを、初めて科学的に理論づけたもので生物には親から

伝えられた個体差がある。そして環境により適したものが生存競争の結果自然選択され適者生存、

進化していったという考えだ。その進化論が強者の弱者に対する搾取を弁護するための理論とし

て使われ、。このように科学が意図しないところで政治に利用される可能性が十分にあることを今

回の授業で学んだ。宗教が政治に利用されるのを避けることに関しては現代の私たちは十分に気

を付けているだろうが、科学も同様に利用されないように十分に留意するべきだと私は考えた。

驚きから出発して、幅広く勉強していきましょう。(いま)

具体的にはどうすればよいと思いますか?(わた)

今井晋哉

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人間を人種によって優劣をつけるのに不満を感じた。今の時代ではそのようなことは少なくはな

っているがゼロではない。例えるならば白人と黒人との関係である。今まで、白人による黒人差

別と支配が続き、問題となってきた。人種差別をなくそうという声が多く聞かれる。しかし、人

間の視覚においては、黒と白とは互いに反対色であり、対立する、違和感の大きい概念である。

この違和感、対立感が、相手の肌を見る度に黒人と白人との間に強く生まれており、それゆえ人

種差別はなくすのは無理なのではないか。 むしろ黒人、白人間の互いの対立、差別感情の発生を

前提としながら、黒人も白人も互いに不当に損をしない社会システムを組むべきだと考える。

渡部稔

見た目が似ていても子供ができる・できないがあることについては驚いた。何の知識も持ってい

なかった私は子供ができる組み合わせはどれか?という質問で迷わず「3」を押してしまった。

ダーウィンの進化論も大昔のことをいろいろ予想していてすごい感銘を受けた。そこで私はダー

ウィンの進化論について少し調べていたら疑問点もいくつかあるということを知った。「進化論で

は人間の先祖はサルだといっているが、だったら、動物園のチンパンジーはそのうち人間に進化

するのか?」「生物が進化したのなら、最後に登場した人間が最も進化した優れた生き物ではない

のか?」などなどがある。これらの疑問点を解決することが今度の課題である。

現在の生物学は、下線部の疑問点を説明することができます。自分で調べてみてください。(わた)

前回からのナチスの人種主義であったり断種法の成立の背景であったりと自分にとってとても興

味深いものでした。それは人間の差別の最も顕著に現れているのがこれらであると考えたからで

ありそこに私は強く興味を抱きました。たしかに人種主義というものは今の時代では強く批判さ

れるものであり、どこの国でも存在してはいけない考えです。なぜこの4,50年の間に 180°

とも思えるぐらいの考えの変化が起きたのか。強く疑問をもちました。特に断種法等という倫理

のかけらのない考えが生まれてしまったのか、今となっては排斥されて当然だとは思いますが当

時の人たちはどのような思いでこの法をみていたのかとえも気になりました。

渡部先生の授業はダーウィンについてということで進化論の自分が最も興味があるところを授業

してもらいとてもよかったです。人の遺伝的な差違は人種によらず0.1%というところに興味

をもちました。たしかにそう考えるならば差別という言葉自体変なことですし、もっとこの考え

が世界に広がればいいのにと思いました。ただ0.1%と言えども人はやっぱり違うんだと思いも

しましたし、その違いで差別してきた昔の法というものがとてもアホらしく思ってしまいました。

人種主義をめぐっては第二次世界大戦後,たしかに大きく「考えの変化が起き」たと言えるでしょうけど、それでも 180度

でしょうか? さらに断種をめぐっては… 今後の授業のためにとして配付した参考資料も読んで、引き続き考えていってく

ださい。(いま)

そうですね。遺伝的にはみんなほとんど同じなのだから、差別のない世の中になればよいと私も考えます。(わた)

ナチスが決めたユダヤ人の定義がとても曖昧であったことに驚いた。優生学の話を聞いて日本も

昔はそういう感情をアジアの他の地域に対して抱いていたのだとわかった。在日韓国人の人の話

を聞いている時に、大阪で民族衣装のチマチョゴリを着ていたら、すれ違った人に唾と暴言を吐

かれたと言っていた。今の日本は音楽などの影響で、とても韓国の人びとを理解して、そういう

ことをする人が減ってきているので、いつかそうって(?)優生学も消えていくだろう。人種の間に

DNA の差があまりないことがわかった。意外だった。

外国人差別の問題と優生学とは、はっきり区別して考えてください。「優生学とは何か」を完全に誤解しているようです。

(いま)

Too short! (わた)

授業前半について

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逸話がおもしろいです。 みんな仲良くすればいいのです。

授業後半について

ダーウィンの話が、わかりやすかったです。猫の例えも良かったです。

Too short! だいたい「逸話」って何を指しているの?(いま)

Too short! (わた)

今井先生の講義を受けて

前回に引き続き、人種主義についての講義だった。今回は具体的に、優れた人間を増やすため、

また、劣った人間を減らすためにどのようなことが行われたかを学んだ。部族内で病気などの“悪

い”遺伝子をもった人間を増やさないこと(「内」に向けた政策)と、劣等とされる人種を減らすこ

と(「外」に向けた政策)があり、それらが後に結合した。私が特に注目したのは、「人種衛生学」

という言葉だ。優生学が、ドイツではこのような言葉で広まったという。そこで、人種衛生学に

ついて調べてみると、「民族浄化」という表現を見つけた。これはヒトラーの考えで、「『ドイツ民

族、即ちアーリア系を世界で最優秀な民族にするため』に、『支障となるユダヤ人』の絶滅を企て

た」というものだ(出典:Wikipedia)。“衛生”といい、“浄化”といい、劣っているとされる人々

をまるで汚いもののように扱う姿勢が見られる。しかも、驚くべきことに、人種衛生学は 1920-30

年代のドイツで最先端の科学とみなされていた。当時の社会的問題を、生物学や医学と結び付け

て解決しようとしたのだ。遺伝的に優れている人々を増やすという考えに多くの人が納得し、引

き付けられていた。発展した学問を人を苦しめるために使うのはひどい、と感じてしまったが、

当時の人々は、自分たちの人種をよりよいものにしようとすることで必死で、それが正しいこと

だと信じていたのだろう。参考文献より、川越修/矢野久(編)『ナチズムのなかの 20 世紀』(柏書

房, 2002)を少し読んだ。ドイツにおける社会国家は「上級概念と考えられた福祉国家の特殊な現

象形態として理解されているのではなく、福祉国家に代わる、規範的により高次の選択肢である

とみなされている」とある(第一章:川越修「二〇世紀社会の分析視覚」、三:社会国家という視点、

pp.17:)。劣等人種を排除するという政策が、規範としてよいものとされていたことが分かる。渡

部先生の講義を受けて「種」「人種」などの言葉を生物学的に学んだ。「人種」はヒトを外見的な

特徴で分類する概念である。ヒトは生物学的には単一種であるのに、外見という曖昧な基準で人

種を定め、その優劣をつけるというのは、どう考えてもおかしいことだ。第一セクションで、エ

セ科学の話にもあったが、人々は「科学的に」という言葉を聞くと、根拠がなくても信じてしま

う。今回の話では科学だけでなく、それに政治が干渉し、結果的に共生していた、ということだ

った。そのせいで、人種主義がより正しいものと感じられるようになった。科学と政治、この 2

つが一緒になって何かをうたっていたら、確かに一般の人々は信用してしまうだろう。なぜなら、

科学は私たちの耳には正しそうに聞こえてしまうし、政治は国を引っ張っていくもとになってい

るからだ。

授業の内容を、今までの授業内容とともに良くまとめています。 (わた)

同感です。が、川越先生のいう「社会国家」と「劣等人種を排除するという政策」は、ただちにはつながらないですよ。「社

会国家」も「福祉国家」も、近現代の国家を分析する際の枠組みのことで、どちらを用いたほうが、たとえばドイツのことは

よくわかるかをめぐって議論があるというような文脈であるはずです。もちろん、ドイツで本格的に社会国家が作動し始め

たとされるワイマール時代に、優生思想・優生政策が社会に浸透していったという視点は重要ですが。

ついでながら、1ページだけを英語式に示すときは単に p.17 のようにします。複数のページにわたるときに pp.17-20 の

ように表記します。(いま)

今回の授業は二本立てで少し豪華でした。

前半の今井先生の講義では先週の続きでしたが、配られた資料のにあるスウェーデンの強制不妊

手術がの話にかなり驚きました。個人的に自分が含まれている?人種が優れた人種だと言われれ

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ばうれしいのは理解できるのですが、それにしても不妊手術してまでやることはないだろうと怒

りを覚えました。福祉国家で有名なスウェーデンがというところにも驚きました。

後半の渡部先生の講義は人種と進化論の話でした。なので進化論について少しwikipedi

aを見たところ、進化論はダーウィンが唱える前から自然選択説ではない形で唱えられていたこ

とを知りました。あと、授業内容とは関係ないことですが渡部先生のスライドの空欄補充の多さ

と講義スピードの速さが釣り合っていないと思います。時間が足りなくて急いでいたため授業ス

ピードが速くなるのはわかるのですが、それを抜きにしても空欄が多すぎます。少し調整してい

ただけるとありがたいです。

「驚き」から出発して、引き続き幅広く学習していってもらえたらと思います。(いま)

空欄は、普通にスライドを見ればすぐに分かる内容だと思いますが。。。授業後に HP で復習をしておいてください。(わ

た)

人種主義の興隆と急進化

…科学が進歩するにつれていい面もあるが悪い面もある。遺伝学などで人種の優秀性を調べ劣等

な遺伝形質の物は排除される。さらに社会福祉の対象者選別などの差別などが起きる。最終的に

この世界の人がみんな優れているだけの人になったらどうなるのだろうか。さらにそこからより

優れるものに選別されるのだろうか。結局その先にはなにもなくこんなことをしても意味がない

だろう。まず劣等などとそういうことを考えるだけで差別であり、もし劣等と思う人がいるなら

その人をサポートしてあげるべきである。

人種分類の科学的背景

…社会ダーウィン主義の「自然淘汰」、「生存競争」、「適者生存」、これは動物はこうと考えられ

たがそれが人類にもあてはまるということで生まれた考えである。だがしかし本当に人類にもあ

てはまるのだろうか。人類には他の動物と違い理性がある。もしこのような考えで差別が生じた

ならば人々から反発を食らう。それによって結局は失敗に終わるだろう。

「劣等などとそういうことを考えるだけで差別」だということと、「人をサポートしてあげるべき」と考えるとき、その人のこと

を「劣等と思う」というのは、どうつじつまが合うのでしょうか?(いま)

下線部は、今井先生の授業でもあったとおり、ナチス政権下で行われました。そしてその結果はどうなりましたか?(わ

た)

人種という問題については昔、そして今もなお様々な問題がある。断種法はそのうちの一つで、

今回学んでかなり劣悪なものだと思えた。障害者を身体的に劣っているとみて排除しようとした

り、人種で差別を行っていた。確かに不自由な部分をかかえている人はいる。しかし、その人た

ちを差別すること、排除することで社会はよくなるのだろうか?人間一人一人、価値があり、生

まれてきたのだから互いに共存しあう中で助け合い、よい社会を築いていくべきだと思う。

ナチス政権下において科学者が研究のためにナチスを支持することで、ナチスは科学者たちの

から人種差別のに対して正当性を得るということについて、政治と科学のつながりを感じた。科

学を研究していく上で、やはりお金が必要だし、環境も整えなければならないし、あと権力が必

要になる。いくらすごい発見をしたとしても権力がないと認めてもらえないからだ。人種差別に

抵抗がある科学者もやむをえなくナチス政権を支持したのではないかと考える。

君が書いていることはごもっともですが、「よい社会を築いていくべきだと思う」だけではなく、そのために具体的にどの

ようにしていったらよいでしょう?(いま)

やむをえなく支持という場合もあれば、進んで支持という場合もあったでしょう。しかしいずれ歴史の審判を受けることに

なります。(わた)

今井先生へ

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世界初の断種法がアメリカで制定され、1933 年にはナチス断種法が制定された。そしてその 7

年後の 1940 年には日本で遺伝子疾患をもつ患者に対する断種が国民優生法で規定されている。

日本でもナチスのしたことと同じような政策が行われていたことに、私は衝撃を受けた。ナチス

のユダヤ人の問題と日本におけるハンセン病患者隔離政策には、共通している部分がある。この

2つの問題を関連させて学び、国全体が誤った方向へ進むときどのような現象が起こるのか、知

りたい。

渡部先生へ

ナチスの人種主義政策に対して、ドイツの科学者たちがナチスの指示に従ったことは、仕方が

ないかもしれないが残念だ。だれかナチスの政策に意義異議を唱えた人はいなかったのだろうか。

もしも科学者が反対していたら、政策は行われなかったかもしれない。

「衝撃」から出発して、引き続きこの後の授業を通じて学習していってください。ご健闘を。(いま)

そのように考える根拠は何ですか?(わた)

ナチ・ドイツでは、社会福祉のために、また優生遺伝を増やし、劣性遺伝を排除するという名

目のもとユダヤ人を殺害していた。また、断種に関してアメリカが一番最初に断種を法律化した

国であり、ナチ・ドイツではなかった。第 2 次世界大戦勃発前から黒人差別があった背景として

考えられることができる。

授業の後半では、生物の種について講義を受けた。自然条件下で交配し、子孫を残すことが出

きれば同一の種である。とみなすことができるということだった。

種の進化について、ダーウィンの進化論があり、生物は絶えず長い時間をかけて進化し続けて

いる、といった考えである。しかし、その進化論が社会にも適用されてしまうと、資本主義を助

長していることになる。これを社会ダーウィン主義というが、ナチはこれを利用していたと考え

られ、弱いものは排除、という考えに至ったと考えられる。

宿題にしておきましたが、「優生遺伝」という表記はおかしいですよ。また「劣性遺伝を排除する」というのも、優生政策

の説明にはなっていません。辞書をよく見て。

また、ユダヤ人殺害と優生政策とは、まずははっきり区別してください。アメリカの黒人差別と断種法も、もともとは全く

別の話です。また、社会ダーウィン主義はとくに「資本主義を助長」しようとしたのではありません。(いま)

自分の考えも書きましょう。(わた)

ユダヤ人の遺体の処理をユダヤ人にやらせていたという話が一番印象に残りました。収容所の映

像を見て、改めて信じられない事件だと感じた。もらった資料に数週間後までに目を通し、悲惨

な歴史に目をむけていきたいです。生物は共通な先祖から進化して現在の多様な姿になったとあ

って、すごく興味深く感じます。人種というものに注目し、今井先生の授業にからめて考えてい

けるので来週の時間が楽しみです。

ご健闘を。(いま)

今井先生へのコメント

ユダヤ教徒共同体はユダヤ教信者の団体ってことで解釈していいですか?ネットでユダヤ教につ

いて調べるとユダヤ教信者は迫害のため、まともな職に就けず、多くの人が金融業に就いていた

とがわかりました。しかし金融業をしていた裕福になったユダヤ人が多かったそうです。そこで

他の人々は裕福さに嫉妬したりして、差別がきつくなっていきました。私も裕福な人への嫉妬の

気持ちが分からなくもないです。この前、テレビで高級車を所持している人や高級な服を1回だ

け着て後は着ないという人がでていました。前者の高級車なら「すごいな~羨ましい」としか思

いませんが、後者に関しては「服を1回だけしか着ないとは、贅沢すぎる!世の中には貧しい人

達がいて、好きな服も買えない人がいるというのにっ」と思ってしまいます。

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だから何かと、そうゆういう金持ちな人には、苛立ちをかんじます。だから、どうしてユダヤの

人たちが、より差別されていったのかわかりました。

渡部先生へのコメント

ダーウィン進化論には、「生き物は神によって想像創造されたのではなのいいのか」と記されてい

ますが実際のところどうなんでしょうか。①やはり神って存在しないんですかね・・?今まで人

間の祖先はサルと思っていましたが、、渡部先生の授業を受けて人間の祖先ってなんだ?とふと疑

問に思い調べてみると、サルではないことがわかりました。共通の祖先でしたが、人間とサルに

分岐したそうです。②では人間の祖先って一体なんなんでしょうか?

冒頭の質問は、そのとおりでよろしいです。キリスト教にも教区共同体というのがあります。

さて、そういう「苛立ち」の気持ちは私自身もわからなくはないですが、だからといって追放・隔離・虐殺を正当化すること

はできないですね。(いま)

下線部①、あなたはどう考えますか?私が「神は存在する!」と言えば信じますか?下線部②、自分で調べてください。

(わた)

まず、今井先生の授業についてです。優生学というものに基づき、促進・積極的政策と抑制・消

極的政策があることを学びました。抑制的政策の中の断種法という恐ろしい政策が各地で行われ

ていることを知りました。

そして、渡辺先生の授業についてですが、初めにクイズから始まりそのままずっと興味を持って

授業を受けることができました。生物分類の階級や、ダーウィンが生存競争・自然選択・適者生

存・進化という考えを持っていたことなどを学べました。

今井先生の授業は穴埋めが少ないこともありどうしても眠くなってしまうので、プリントの空欄

部分を増やして眠くならないよう私たちにもっと忙しくさせてほしいです。

そうですか。いろいろな受け止め方がありますね。時間の制約のなかで、受講生をせきたてたり、私が早口になり過ぎ

たりしてはいけない、という点に非常に気を使ったつもりでしたが。しかし、空欄を設けたのはたしかに君が理解している

趣旨からでしたが、そもそもプリントに空欄がないと、集中して聴いてもらえないのでしょうか?(いま)

優生学といえば、どうしてもナチの優生政策のことを思い浮かび、今となっては関係ないような

気もするが、資料を読んでそうではないと気付かされた。優生思想という考え方は、出生前診断

や遺伝子治療などにおいて大きくかかわりを持っていた。一見、偉大な医療技術の発展のように

思われるが、人間の命を選択することはあってはならないと考える。生物学的には人種という概

念は存在しないのだ。渡部先生の授業ででてきたように、科学の発達が悪用されると危険な場合

もある。倫理的問題からも、医療との付き合い方を考えなければならない。

この後の授業を通じて引き続き考察を深めていってください。ご健闘を。(いま)

今回は 2 つのテーマの講義がありました。

1 つ目は、先週と同じくナチ・ドイツと人種主義についてでした。昔ドイツでは遺伝までもが政

策に関わっていて、優生学の中で「優良なものはそのまま増殖され続けるが、劣等なものは排除

される」というものについて、人間の体調や性格などの健康さではなく、遺伝からも健康なドイ

ツ民族を目指していて徹底的にアーリア人種を育成していたことを知りました。

2 つ目は「人種分類の科学的背景」についてでした。「種分化」ついてですが、最初同じ生物でも

環境が違ってくることによって種類も違うものになり、別の生き物になることによって子供がで

きなくなることを知りました。同じ生き物を違うものにしてしまう環境の影響はとても大きいも

のだということを改めて感じました。

「性格などの健康さ」とは?(いま)

下線部、これだけでは生物は変化しません。突然変異により生物は変化するのです。(わた)

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今井先生の授業について

普段学校の授業で教えられるナチスの大量虐殺は、ユダヤ人が強制収容所でガスを用いて殺さ

れた、ぐらいにしか教わらないけれど、それは結果そうなったということで、当時の人が最初は

どう考えていたけれど、だんだんこういう考えに変わってきたといった過程が今までより詳しく

わかった。中学や高校で習ってきた歴史は表面上のことや結果がほとんどだけれど、すべての歴

史にはその出来事が起こるに至る過程があるということしっかりと意識して歴史を見ていきたい。

渡部先生の授業について

動物の交配は最近話題になっていて、僕もいくつかテレビで見たことがあった。自然界では考

えられない交配によって今までに見たことのない動物を目にすることはとても興味深い。一方で、

人間の興味によって生み出されたそれらの動物には生殖能力のないものもいるので、やはり無理

やり生み出すことには少し疑問が残る。

ご健闘を。(いま)

下線部、どんな疑問ですか?(わた)

聞蔵Ⅱビジュアルの資料を見て、福祉国家と言われている国が、昔に『強制不妊手術』をしてい

たことに驚いた。

いくら社会保障費を抑えるためとはいえ、強制的にするのは良くない。きっと、その女性たちの

中に、子どもを産みたかった人もいるに違いない。そのような人たちのことも考えずに行ったこ

の計画は、ひどいものである。

優秀:すぐれひいでていること(広辞苑)

優良:他のものにまさってよいこと(広辞苑)

「昔」といっても、それほど古い話ではないですね。

ことば調べは自分でしっかりやっておいてもらえればよいのですが、肝心なのは「優良」「優生」「優性」、この三つの異

同についてです。(いま)

今回の種についての授業で、僕は人間のなかでは遺伝子的に 0.1%しか違わないが、それを数にす

ると 300 万個も違うということを知った。

第一セクションの三好先生の授業で、数の大きさだけに惑わされてはいけないといわれたが、同

じ人間の間でということを考えると0.1%は大きい数字ではないだろうか。

人とサルを比べて 0.1%ならともかく、人と人なのに1000個に1つは DNA の塩基配列が違う

のは同じ種でもかなり違いがあるのではないか。

また、僕は優生学の目指すべきところに若干疑問を抱いた。

なぜなら、初めは精神病などの遺伝性の病気等を持った人を断種するとして、その人がいなくな

った、もしくはかなり少なくなったらどうするのだろうか、そこで断種は終わるのだろうか、き

っとその次にはいろいろと難癖をつけて別の人々が断種されるだろう、その次はまた・・・・と

おわりはない。

始めはいい遺伝子を残すためにおこなっていた優生政策の向かう先とはいったいなんなのでしょ

うか?

下線部、なぜそう思うのですか?他の生物種ではどのくらい DNA の塩基配列に違いがあるのか調べてみましょう。(わ

た)

断種をいくら繰り返しても、当時考えられていた目的の達成にはつながらないということ。(わた)先生の授業を通して理

解してもらえたでしょうか。(いま)

・今井先生

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今回の講義で断種法の歴史について知れた。世界初の断種法が成立したのはアメリカ合衆国であ

ること、カルフォルニア州では実施の例が多かったこと、ドイツのザクセン州では断種法の実施

が少なかったことなどを学べた。身体的障害者や、犯罪者、精神的障害者を排除し、こういった

弱い人間が生まれてこないように断種を行う行為はとても残虐だ。遺伝して生まれるといった確

信的な事例もないのに、人々はなぜ断種法に従わなければならなかったのかという疑問を持った。

・渡部先生

今回の講義で人種とは何か、ダーウィンの進化論について知れた。高校生の時に、生物の授業で

かるく DNA のことをならったから、A,G,T,C やヌクレオチドのワードを知っていた。遺伝の図

をみて、アフリカ系の人間がチンパンジーに近かった。チンパンジーのとアフリカ系の人は DNA

が似ているのかという疑問をもったから是非教えて欲しい。後、アシロマ会議についての参考書

で渡部先生のお勧めするものを教えて欲しい。

その当時として、精神障害などは遺伝性のものであると多数の科学者が主張していましたから… (いま)

図を良く見ると、チンパンジーとヒトがお互いの共通祖先から分岐したあとの年代(時間経)は長すぎて省略されている

ことが分かります。ですからアフリカ系のヒトがチンパンジーに近いというのは間違っています。アシロマ会議に関しては、

私は参考書等を持っていませんので、すみませんがお勧めするものはありません。興味があるのなら、図書館やインター

ネットで調べて見てください。(わた)

今井先生の授業へのコメント

1920 年から 1930 年代のドイツで「人種衛生学」は当時の最先端の科学とみなされていたという

話が多くの知識人や若い学生たちをひきつけたとありましたが、どうして学生をひきつけたので

しょうか。断種法とも深く関係しているので妊婦や若い夫婦のほうが人種衛生学に注意を向ける

のではないでしょうか。

渡部先生の授業へのコメント

DNAからヒトの系統樹では人種という概念は成立しないと分かったのにいまだに人種差別が残

っていることは政治的な駆け引きの影響でしょうか。

その時代において最先端の科学とされ、それによって犯罪や貧困などの社会問題の解決、民族・人種全体の質的向上

に貢献できるのだと信じられていたので、意欲や野心のある若い研究者や学生をひきつけたということでしょう。妊婦や若

い夫婦などは、その「研究成果」にもとづいて政策的に注意が喚起されたのです。 (いま)

駆け引きかどうかは分かりませんが、政治的な背景は大きいでしょう。7 月 13 日の吉岡先生の授業で、現代アメリカに

おける人種問題が取り上げられます。(わた)

前半は 6 月 8 日の続きで、人種主義の興隆と急進化というものだった。これを受けて、私は定

義というものが重要と考えた。ユダヤ人という定義が曖昧だったために、ナチ・ドイツで行われ

たような優生政策が行われた。もちろんユダヤ人という人種は存在しないが、そもそも人種とい

うのが存在しないという種の定義が理解されていればそのようなことは起こり得なかった。私は、

これから定義を正確に理解し科学を扱っていくつもりだ。

後半は、生物学的にみると人種というのは存在しないということだった。私としては、この生

物学的に見た人種という授業から行い、ユダヤ人の方の授業を行ってほしかった。人種というも

のが存在しないというのをはっきりさせてからユダヤ人の方の授業を行うことで、そのユダヤ人

を区別するおかしさがより理解できると考えられるからだ。参考にして頂きたい。

ユダヤ人迫害と優生政策とは、まずはっきり区別してください。

厳密な定義が重要というのは、そのとおりですが、しかし難しいのは、その「厳密な定義」なるものも、場合によっては政

治的に、つまりときの権力によって、いかようにも左右されることも起こり得るという点です。

授業の順序についての意見もわかりました。が、これも、どちらの方法もあり得る、と私は思っていますが。(いま)

現在では「生物学的」には人種は存在しないということが知られていますが、ナチス政権下ではどうだったでしょうか?

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当時の状況を理解した上で、現在の観点では~のように理解できる、と考えることも大切です。(わた)

今井先生の授業に対して

ナチスドイツが科学的手法でアーリア人種の優秀性を想定し、劣等種であるユダヤ人種を迫害し

たという話を聞いて、私はアインシュタインのことを思い出した。彼はユダヤ人であるが、ナチ

スドイツのユダヤ人迫害が始まる前に、すでに様々な理論や説を発表し、1921 年にはノーベル物

理学賞を受賞している。つまり、彼は世界的に優れた人物であるということが認められていたの

だ。他にもフロイトやボーアなど、当時から有名だった優れたユダヤ人はいた。それにも関わら

ずユダヤ人を劣等種とするのは明らかに間違いでありエセ科学であることがわかる。

渡部先生の授業に対して

当時の科学者がナチスの人種主義政策を支援したのは、ナチス、科学者の双方に利益があったか

らだと知って驚いた。脅され、強制されたからだと思っていたからだ。確かに、科学者が研究を

進めていくには国の支援が必要であるのは事実であるが、自然の真理を求める科学者たるもの偽

りの行いをすべきでない。しかし、自分が当時の科学者だあったとしても同じことをするかもし

れないという思いもある。人間が状況によって正しくない行動をしてしまうのは、仕方がないと

いうわけではないが、答えが出せない難しい問題である。

科学者にとってやむをえないという場合もあれば、進んで協力という場合もあったでしょう。しかしいずれ歴史の審判を

受けることになります。(わた)

前回の授業と引き続けきで考えるとナチスなどに関してのことは難しいなと感じました。後半の

人種の話はすごく身近に感じました。前半の講義の断種法を調べると、「人種に対する罪の一つ」

と書いてありました。

昔の人は差別がほんとにすごいです。そういう世界であったことが悲しくてなりません。断種法

は本人や家族の意思に反しても行われるというのも聞くだけで苦しいです。現代はやはり本人や

家族の意思が尊重されているので、それが当たり前ではないということを改めて感じさせられま

した。後半の講義のDNAに存在しているA,G,T,Cが何なのか分からなかったので調べてみると、

アデニン、グアニン、シトシン、チミンと書いてありました。また DNA が核酸であることもわ

かりました。A と DT、G と C が水素結合してできています。そんなものが生物の遺伝子の役割

をはたしているというのが驚きでした。

今回の授業を受けて

やっぱり自分は理系向きだとわかりました。笑

こちらから質問があるのですが、あなたにとって「昔」と「現代」の境目はいつごろですか? つまり「現代」では差別問題

は基本的に解決されているのでしょうか? 「本人や家族の意思が尊重されている」というのは、基本的にはそうだとしても、

必ずしも客観的な情報が十分与えられないなかで、「説得」という名の圧力がかけられるということも起こり得ますので、ご

注意。(いま)

なぜそう思うのですか?(わた)

6月15日の授業は、今井先生と渡部先生の授業でした。

まず、今井先生の授業についてコメントします。「ナチスドイツ」や「ユダヤ人」についてインタ

ーネットで調べていると、以下のページを見つけました。(①)このページの回答者によると、ナ

チスドイツの人々はユダヤ人やホモセクシャル、左利きを嫌っていた、とあります。ユダヤ人や

同性愛者の人に対する迫害、差別というのは授業で学んだり、インターネットで掲載されている

ものを見ました。(②)左利きの人が迫害されていたのか気になったので、インターネットで調べ

てみましたが、質問サイトの質問の回答でしか見つけられませんでした。参考URLも載ってい

なかったので、事実なのか分かりません。ナチスドイツの人々は本当に左利きの人を迫害してい

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たのでしょうか?また、本当に迫害していたのならどのような理由からなのでしょうか?

次に、渡部先生の授業に対してコメントします。ダーウィンの進化論を学んだときに、以前テ

レビ(『世界の果てまでイッテQ』)で見たガラパゴスゾウガメについて思い出しました。ガラパ

ゴスゾウガメは、ガラパゴス諸島のそれぞれの島に適応した進化を果たしました。そこで質問な

のですが、例えば、ガラパゴス諸島のうちのAという島で進化を果たしたガラパゴスゾウガメを

Bという島に移した場合、そのガラパゴスゾウガメはB島の環境に適した姿へとさらに進化する

のですか?

① http://okwave.jp/qa/q3740701.html

② http://blogs.yahoo.co.jp/deep8822/53319999.html

左利きについては―私もその一人ですが―これまで聞いたことがありません。私が見逃しているだけかも知れません

が。(いま)

B島には先住のカメがいないとして回答します。自由交配ができる十分な数のゾウガメをB島へ移動させ、ゾウガメに突

然変異が蓄積する十分な時間(数百万年以上?)経ち、その間に他の島のカメとの交配がなければ、B島に適応した姿に

なるかもしれません。(わた)

今回の授業では人種主義の考えから起こった断種法などの優生政策についてと、人種という考え

についてを学んだ。断種法のような法律が国民に受け入れられていたのは、人種主義が広まって

いただけでなく、上からの政策だというところが大きいと考えた。大きな機関や自分には遠い存

在のように感じる科学者が言うことにを、一般人が言っていることよりも信じてしまうことは

多々ある。テレビのニュース番組でよく大学教授が喋っているのを流すこともその一環である。

また、この法律に従うことで社会問題を生物学的、医学的に解決することにつながるというのは

断種法が広まった要因のひとつだ。しかし、この法律を施行して、「遺伝病」とされた人を手術す

るということによって、生命をコントロールし、福祉への支出を減らすことができたのか疑問だ。

ナチ・ドイツではこの徹底した人種主義政策が人々に疑う余地を与えなかったのだと改めて考え

た。

後半で、人種分類の背景について知ることによって人種主義が科学的に間違っているとはっきり

言える理由を知った。ここまで分かっていても現代に人種差別が残っているのは、優生政策とは

別の方向で、歴史的なことや他のことへ向かっているからだ。

人種主義政策を行っていた国がどのように正しい考えを広めたのかについても気になった。

断種を実施することが本当に福祉への支出を減らすことにつながったのかどうか、(わた)先生の授業もふまえて考察し

てもらえれば、と思います。

下線部、「歴史的なことや他のことへ向っている」は、わかりにくいですが。(いま)

7月 13日の吉岡先生の授業で、現代アメリカにおける人種問題が取り上げられます。(わた)

今井先生の授業を受けて私は断種法は人々の不満をぶつける為に広く浸透したと考えました。

世の人々が感じる不満や不条理の矛先の向けどころを事前につくっておかなければ政府に狙いが

向けられてしまう。その為に社会的少数者を根拠のない話で責める理由をつくって排斥しようと

した。つまり不満のガス抜きを合法化する為に断種法は人々の中に受け止められていったと考え

ます。

渡部先生の授業を受けて私は科学者と政治のつながりについて考えました。いま、科学は進歩

しヒトゲノムの解読が完了するなど人間の深いところまで解明することができるようになりまし

た。しかし、人間の深いところまで解明することで一般の人には到底理解できない、科学者のい

うことを鵜呑みにせざるを得ない状況を作っているようにも考えられます。そして、科学者の言

葉を鵜呑みにせざるを得ないことを政治に使えば思惑通り大衆を操れるでしょう。科学者の研究

には大量の資金が必要であることから科学者と為政者がつながることは十分考えられます。その

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ため科学者はアシロマ会議やパグウォッシュ会議のように自らの研究の持つ意味と責任、影響を

問い続ける必要があると私は考えるます。

あなたが前半部分に書いていることにも一理ありますが、それだけが理由や背景ではないでしょう。

それから、冒頭の文のなかの「人々の不満をぶつける為に」は文脈上、表現がうまくいっていません。次の行の「矛先の

向けどころ」はシンプルに「はけ口」ぐらいでどうでしょう。「ガス抜きを合法化する為に断種法は人々の中に受け止められ

ていった」も修正が必要ですね。考えてみてください。(いま)

下線部、まさにその通りですね。科学者が責任を持つと同時に、一般の人たちも科学リテラシーを身につけることが必

要でしょう。(わた)

今回の授業ではユダヤ人問題のような人種主義の問題が取り上げられた。人種を本来固定的・不

変なものと考え、それを精神的・文化的な特質と結びつけ、人種間に優劣が先天的に存在すると

いう考え方だ。現在においても宗教や文化の偏見、差別がまだまだ世界の中では見られる。私は

第二外国語でドイツ語を学んでいる。将来、ドイツ等ヨーロッパの国々に足を運びたい。そこで

現地の人々と本当に意思疎通をはかるためにも、言葉だけでなくナチスのユダヤ人問題のような

歴史や宗教、風土をもっと理解していく必要があると感じた。

言語、歴史、文化など、総合的に学習していってください。ご健闘を。(いま)

私の授業に対するコメントは?(わた)

今回の今井先生の授業について考えたことは、言葉の意味の違いです。優生学の「優生」と、優

良形質の「優良」は似たような言葉で漢字も似ていますが、優良とは、他のものにまさってよい

ことであり、優生は優良な生命、つまり他のものにまさってよい生命という意味です。

「ゆうせい」といっても優生、優勢、優性いろいろあるのでそれぞれの意味をきちんと知り、使

い方を間違わないようにしていきたいです。渡部先生の授業を受けて考えたことは人種と DNA

についてです。

生物学的には人種という、ヒトを外見的な特徴で分類する概念は成立しないといわれています。

つまり、黒人、白人、黄色人種といった分類は DNA によるものではないということです。今井

先生から配られた資料でニュルンベルク人種法によるユダヤ人というのがあったのですが、それ

は祖父母がユダヤ人かどうかで自分もユダヤ人かどうかが決まるというものでした。これは、

DNA による決定方法ではないかと私は思いました。

今回私が講義でとりあげた論点からして、「優生」の意味はあなたが書いていることではありません。講義内容を思い出

しつつ、さらに詳しく複数の日本語辞典を調べてください。

それから、私がとりあげた「ニュルンベルク人種法」におけるユダヤ人の定義が、どうして DNA による決定法だと考える

ことができるのですか? 理由を示してください。(いま)

ユダヤ人とそれ以外の人を DNAの違いにより見分けることはできません。(わた)

こんばんは。いつもお世話になっております。

私は、今回の「人種主義の興隆と急進化」についての講義を受け、抑制的優生政策のひとつと

して断種法という遺伝病をもつ子孫を予防するために遺伝性精神病や重度のアルコール依存症の

患者の人々を対象に手術を行っていたということを初めて聞き、その時は、そのような遺伝子に

異常が見られない人間を計画的につくっていくという考え方に否定的な考えでしたが、配布資料

3の『優生学と人間社会―生命科学の世紀はどこへ向かうのか―』を読んで、小人症の治療に身

長を伸ばす成長ホルモンを患者に投与することに関して、人種改良という優生学の実践になると

いう議論がなされているということを知り、私は、それまでの考えが少し変わりました。それは、

小人症の患者は今生きているのであってその人を助けるためならばホルモン投与は仕方ないので

はないかという考えが生まれたということです。しかし、一方で資料にも書かれていた通り、そ

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れを積極的に取り入れてしまうとそのホルモンを受精卵に入れれば代々背丈の大きい人を生み出

すことも可能であり、そうなるとクローンなどの機械的な人間を生み出すことにもなりえないと

考えるとどこまでが優生学の実践になるのかという境目が今日の問題であると考えました。

次に、「人類分類の科学的背景」の講義では、DNA によるヒトの系統樹からは、「人種」という

概念は成立せず、政治的につくられた疑いがあるということや、最近の政府の科学への干渉の例

として高病原性鳥インフルエンザウイルスの研究論文にアメリカ政府が干渉したという話を聞き、

私は、研究費の面から政治と科学は関係性が高いということは知っていましたが、このような政

治的干渉を行うという関係もあるということを知り、もしかしたら、政治的に都合の悪い科学的

事実も干渉により消される可能性もあるのではないかと考えました。

今回はありがとうございました。また、よろしくお願いいたします。

それぞれの文をもう少し簡潔明瞭に書くように注意してください。下線部、「断種法という」「クローンなどの」はその後の

部分とスムーズにつながっていません。削除したほうがよいかもしれません。読み直して、考えてみてください。(いま)

私もそう思います。実は小山先生は画期的な高温超伝導体を発見したけど、それを発表すると日本のある会社の特許

が売れなくなるので、その会社が学会に圧力をかけて小山先生の研究は発表できなくなった---というのはフィクションで

はないかもしれません。(わた)

優生学は優れた人間を増やそうという学問とあるが、優れているとか優れていないと判断する基

準はなんだったのですか?ナチスでもアーリア人種に属するドイツ民族は自ら健康でなければな

らないと考えられていたがその健康という基準もよくわからないし、優生政策というのはあいま

いなものだったのかなと思った。

しかし、優生学の優秀な人間とそうでない人間とに分ける方法として「種」に注目したことから

ダーウィンにより生物の進化のしくみが科学的に理論づけられ科学の発展にもなったので人間を

知るということではいい政策だったのだと思う。

たしかに基準は厳密ではなかったと言えるでしょうけど、ナチスが考えていた「優秀」「健康」がどういう状態を指すのか

は、断種法の対象となった人びとの範囲や授業中に見てもらった映像資料などから、おおよそのところは理解してもらえる

のでは。ただ、さらに信条や倫理観のようなことも基準にされたわけです。これもまた大きな問題ですね。(いま)

後半の内容は間違っています。授業をちゃんと聞いていましたか?文章も読み難いです。(わた)

・今井先生の講義について

優生学とは「優れた」人間を増やす為の学問であり、この為の手段として産児制限、人種改良や

遺伝子操作などが行われた。優生学を当時の有力者たちが指示したことは恐ろしいことである。

また、日本では終戦後、復員兵などによる人口増加や困窮状態下での産児制限を合法化する動き

が高まり、1948 年に優生保護法が施行された。日本とは無縁なものと考えていた為、日本でも優

生学が用いられたということに驚いた。また、障害者や社会的に少数派の人々を異質で劣ってい

る者と見なす考えは今現在の日本でも残っていると考えられる。

・渡部先生の講義について

今回の講義は、私は高校では生物を取っていたので少しは分かった。しかし、生物分類の階級な

どの話は初めて聞いた。生物学的にはヒトは同一種であり、「人種」というものは存在しないとい

うことが分かった。

生物的ダーウィニズムを人間社会に応用し、社会的に適応できた人間だけが勝ち残るべきだとい

う考え方を社会的ダーウィニズムというということを知った。これは、勝ち残るためなら何をし

てもいいということにも取れる。このような考え方がナチスによるユダヤ人大量虐殺を助長させ

たのだと考えられる。

遺伝子操作は、むしろ今日および今後の問題ですね。驚きから出発して、(わた)(や)両先生の講義などを通じて引続

き考察を深めていってください。(いま)

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授業の内容が簡潔にまとめられています。(わた)

今井先生の授業について

断種法は、ドイツが最初に制定したものと思っていた。アメリカをはじめとして世界各国で断

種法がつくられていったが、やはりどの国でもドイツのように有能な遺伝子を残していこうと考

えていたのだろうか。性犯罪者に対する厳しい処罰である断種によって、国内の治安を維持して

いくためだとも考えられる。ドイツ・ナチス体制に好ましくない人でも精神遅滞者として処分さ

れたことについて、結果として子供は親の影響を受けるので、政府批判をする人を減らそうとし

たのだと考えられる。国の安定を図るために作った法律が、本当に国を安定させたか不思議であ

る。

渡部先生の授業について

戦争中であったので仕方がないが科学者の成果が、人種選別の正当性を確立するものとして用

いられたのは残念だ。政治が科学に干渉することによって、技術は飛躍するだろうがその代わり

に兵器や思想に影響をあたえてしまう恐れがある。政治と科学の共生はバランスを崩すとドイ

ツ・ナチスのようなことを招く可能性がある。持ちつ持たれつの関係であるので単純には言えな

いが、極力干渉すべきではないと考える。

有能な遺伝子を残すためというより、少なくとも初めは犯罪や福祉にかかる財政支出を減らそうという動機のほうが強

かったのではないでしょうか。だからこその「抑制的」優生政策だったのだと考えられます。(いま)

私もそう思います。実は三好先生は非常に効果のある抗インフルエンザ薬を開発したけど、それを発表すると日本のあ

る会社の特許製品が売れなくなるので、その会社が学会に圧力をかけて三好先生の研究が発表できなくなった---という

のはフィクションではないかもしれません。(わた)

今井先生の授業では劣等形質の排除と優良形質の保護・育成が優生学の基本的概念であることが

分かりました。

また、断種法についてはアメリカやスイスやドイツだけでなく日本でも遺伝性疾患をもつ患者に

対する断種が行われたらしいです。

渡辺先生の授業では今まで白人、黒人、黄色人種というものは遺伝的に決まっているのだと自分

が勘違いしていたことに気づきました。授業では遺伝子レベルで「人種」を説明することは不可

能であり、生物学的には「人種」という概念は成立しないとしていましたが非生物学的には「人

種」という概念は成立し得るのでしょうか。

また、ヒトの遺伝的な差異は「人種」によらず、ほぼ 0.1%ということはその 0.1%に肌が白い黒

いとか目の色が違うなどの原因があるのでしょうか?

具体的な考察とコメントを!(いま)

政治的・社会的な考えとしては、現在も「人種」という概念は存在します。私たちの DNAは全部で 30億個のヌクレオチド

でできているので、0.1%は合計で約 300万個になります。この 300万の違いにより、個々のヒトの違いが生じます。(わた)

今回の授業は、前半は前回のナチ・ドイツについての続きで、後半は人種についてのお話でした。

前半の今井先生の授業は、収容所の映像が見ることができおもしろかったです。ナチ・ドイツの時

代にユダヤ人以外にドイツ人の中にでもナチズムの基準に合わない人は社会福祉がうけることが

できないかったということを初めて知りました。優れた人間を増やそうとする優生政策やユダヤ

人に対する差別は、ドイツ人は優秀な人種であることをドイツ人に信じさせるためのものであっ

たと考えます。

また、後半の渡部先生の授業では、元は同じだったものが地理的隔離によりその後交配できる

状況になっても子孫を残せないということの説明が図を使っていてわかりやすかったです。種に

ついても初めてきちんとした定義を知りました。環境に合わせるために体を変えるというところ

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から、生物の生き残ることへの一生懸命さがわかりました。

たしかにそういうことも言えますね。(いま)

「地理的隔離」と「突然変異の蓄積」の両方が種分化には重要です。(わた)

こんばんは。 今回の授業についての意見です。

今井先生の授業について、

人間を「役に立つ者」と「役に立たない者」に、「価値のある者」と「価値の無い者」に選別する

のは非人道的だと考えた。なぜなら骨格や宗教などその人の能力などにほとんど関係のない部分

で選別しているからだ。例えどんなに有能な人であっても骨格だけで無能だと考えられるのは不

公平だ。

渡辺先生の授業について、

こちらは質問です。ヒトの DNA の差異は 0.1%とおっしゃってましたが、双子や親子だとそうい

った差異はより小さいのですか?ぜひお答えいただきたいです。

そのとおりですね。(いま)

血縁関係があれば、DNAの差異はもっと小さいです。さらに一卵性双生児であれば(ほぼ)同一です。(わた)

今回の授業では、おもに優生学の成立と人種について学びました。優生学は、弱い立場の人間に

対して危険な措置をとることを推奨する要素となるものだと理解しました。人種の定義の仕方は、

ただ外見的特徴だけで決めたものだとわかり、科学的な分類との違いを学ぶことができまました。

分類とは、分類の仕方によっては弱い立場にあるものが容易に明らかにされてしまう危険性を含

んでいるため気を付けなければいけない行為であると感じました。

下線部、そのように感じた理由は何ですか?(わた)

こんにちは。

今回の授業で渡部先生は「種」とは何かを説明してくださいましたが、私は今回の授業を受ける

まで、「種」というものがどういうものなのかはっきりと知りませんでしたし、深く考えたことも

ありませんでした。しかし、正しい情報をきちんと知らないことが差別の第一歩になってしまう

ということを、私は今井先生の講義を通して実感しました。

実際には、人間には「人種」といえるものはないのに、ヨーロッパでは「優れた」人間と「劣っ

た」人間を勝手に区別して、「人種の優劣は遺伝に由来する」という考え方が信じられていました。

そのために断種法という法律すら成立してしまいました。これは、正しい情報を知らないままに、

周りに言われたことを深く考えずに信じてしまう人が多かったから起こったといえるのではない

でしょうか。「そんな考えはおかしい」とはっきり言い切れる人が大半を占めていたら、このよう

な差別は起こらず、断種法も成立しなかったはずです。

今井先生の人種主義についての講義の後で、渡部先生の「種」や遺伝子についての講義をしてい

ただけたことで、正しい情報をきちんと知っておくことの大切さを実感することができました。

あなたの意見というか気持ちはよくわかりますが、当時人種論や優生思想は、通俗的な一般向けのパンフレットやラジ

オ放送、ニュース映画などを通じて広められていて、その内容は多数の科学者によって正当化されていたということを考

えると、一般の人たちが「そんな考えはおかしい」とはっきり言い切るのは、容易なことだったでしょうか?

さて、私たちは今日、どうしたらよいでしょう? 「賢明な市民」を目指して、言うは易く実行は容易ではない地道な努力を

重ねるしかないですね。(いま)

この授業を通じて得た知識をもとにして、自分でいろいろなことを調べ、考えてみてください。(わた)

2 度目の今井先生の講義では、今井先生自身が撮影された映像がとても衝撃でした。今までは、

写真でしか見たことがなかった強制収容所の様子を映像で見られることができたからです。この

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中で残虐な行為がなされていたと考えると身の毛がよだちます。人類は二度とこのような行為を

繰り返してはいけないと感じます。渡部先生の講義では種について学びました。高校時代に生物

専攻ではなかったのですが、とてもわかりやすかったと思います。特に、ヒトとヒガシゴリラの

違いは分かりやすかったです。なぜなら、山口先生を使っていたので、面白く頭に入ってきたか

らです。

授業の直前まで、二つの写真を入れ替えていたことに気がついていませんでした。(わた)

【今井先生】

断種法の話を聞いて僕は確かにそうだなと思った。身体能力の高い親は身体能力の高い子供を比

較的高い確率で産むし、頭のいい子供は頭のいい親を持っている。蛙の子は蛙とはよく言ったも

のだと感じる。これから強い子孫を残していこうとする中でそういうことをやるのはもっともだ

と感じる。しかしユダヤ人を劣った人種と判断したのは解せない。この頃はユダヤ人のほうが知

的職業にたくさん就いていたし、お金持ちもユダヤ人はおおかった。そう考えるなら残すべきは

アーリア人ではなくユダヤ人ではないかと思った。

【渡部先生】

遺伝子の塩基配列は今まで人種でとてもことなると思っていた。カエルと名の付くものはすべて

交配できると思っていたが、同じ種でないと出来ないというのがよくわからなかった。

あなたのいう「強い子孫」とはどのような人のことですか? また、断種という方法が、そういう人を残すのに有効だとい

えるのかどうか、その後の授業などを通じて考えてもらえれたら、と思います。(いま)

授業で理由を述べたはずです。HPで復習してください。(わた)

今回の授業の前半部分は前回の授業の続きでした。ナチスはユダヤ人に対して非情な迫害や虐

殺を行ってきました。アーリア人種が他人種を支配する宿命を持つと考えていたことによってア

ーリア人ではないのでユダヤ人を迫害、虐殺するという考えであったはずです。しかし、そのユ

ダヤ人としてを判断する方法が曖昧なものであるというのは納得がいかない。そもそもユダヤ人

という人種は存在しないし、ユダヤ人と呼ばれている人々は身体的特徴が顕著ではない。それに

もかかわらずユダヤ人という人種を祖父母がユダヤ教徒共同体に所属していたかどうかで決定す

る。つまり、宗教という文化的・社会的要素を「人種」の定義に使用している。

「科学的」人種主義を装っていたナチスの反ユダヤ主義とは矛盾している。明らかにナチスが行

っていることがおかしいと分かる。

今ではあまり考えられないことではあるが、優生政策として結核、性病、精神病、アルコール・

薬物中毒の患者との結婚は健康を損ない、病気や障害のある子供が生まれ社会に大きな負担をか

けると考えられていた。このことは優生政策の基では考えられないことではない。しかし、精神

患者や「生来性犯罪者」に対しての断種手術や遺伝性精神病、遺伝性癲癇、その他の遺伝病患者

に対しての断種手術は非人道的すぎる。また、その理由が身体・精神障害者に対するお金がない

というものなので本当に考えられないことである。ナチスが行ったことはその時代ではしょうが

ないことであると少しは考えていたが、やはり人としての最低限のことは守るべきである。

後半は人種分類の科学的背景についてでした。ヨーロッパの人々の間に同じ人類である植民地

の住人を奴隷化したり収奪の対象とすることを正当化するために、黒人や黄色人種は白人とは異

なる劣った人種(場合によっては同じ人間とさえみなさない)であり、対等に扱う必要がないと

考える白人優越思想が広まった。ダーウィンの進化論や社会ダーウィン主義によって生物学や人

種研究が飛躍的な進化を遂げたが、その研究は現在に比べて欠陥が多く見られた。研究者たちが

ヨーロッパ人で占められていたことも人種研究に公平さを欠く原因となった。また、ナチスの政

権下では科学者とナチスの間で共生の関係にあったことで研究に公平さを書いた欠いたのであろ

うと考えられる。

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「政策として」…「と考えられていた」というのは、文表記として変です。修正を。

また、「本当に考えられないこと」という気持ちはわかりますが、そしてナチスの行ったことはたしかに凄まじいですが、

今日でも、財政難を理由に、福祉を受ける対象者の選別が行われていないと言えるでしょうか?(いま)

授業の内容を簡潔に分かりやすくまとめています。(わた)

渡辺稔先生

進化論とは、生物が進化したものだとする提唱、あるいは進化に関する様々な研究や議論のこと

である。ダーウィンの進化論では、生物は不変のものではなく長期間かけて次第に変化してきた、

という考えに基づいて、現在みられる様々な生物はすべてその過程のなかで生まれてきたとする

説明や理論群である。一般に生物学での「evolution」は、元々は「展開」といった程度の意味で、

「進歩する」「前進する」「より良くなる」などの意味はなかった。しかしラマルクの進化論では、

生物器官は使用・不使用によって発達もしくは退化すると考えられた。その意味は、非常に長い

年月が経てば生物の構造は変化するつまり進化するという意味であった。このことから、ラマル

クの考えは生物学的考えとは少し異なることがわかる。

参考 ウィキペディア(進化論)

これはウィキペディアのコピペです。(わた)

今井先生

優生学とは、生物の遺伝構造を改良することで人類の進歩を促そうとする科学的社会改良運動で

ある。一般に優生学の目的とは、「知的に優秀な人間を創造すること」、「社会的な人的資源を保護

すること」、「人間の苦しみや健康上の問題を軽減することなどである。その目標の達成には産児

制限・人種改良・遺伝子操作など手段を選ばないものが行われた。しかしこういった優生学の考

えは後に人権上の問題として取り上げられるようになり次第に問題視されるようになった。この

ことから優生学という考え方は、人を生まれながらに差別するという考え方でありとても平等性

があるとはいえない概念だったことがわかる。

参考 ウィキペディア(優生学)

レポート作成の際には、ウィキペディアを入口として利用する場合でも、他の複数の文献などを参照し、自分で考察を深

め、論理明晰な文章を書いて提出してください。(いま)

○今井先生の授業について

今回の授業で一番印象に残ったのは"断種法"についてです。断種法とは"遺伝病をもつ子孫を予防

するための法律"ということでしたが、私はこの法律は人として認めてはいけないものだと思いま

した。

ナチ体制にとって好ましくない人々も「精神薄弱」であると「診断」され対象になるという部分

や本人や家族の意思に反しても手術をする点など、不合理だと感じる点がいくつかありました。

また、生まれてくる子供には何の罪もなく、抵抗できない子の命を奪う、中絶という行為にも怒

りを感じました。最後に、遺伝的に健康な人々が国民の中に占める割合を高めようという考えが

多くの人々を引き付けたとありましたが、障害がないことが本当の健康ではありません。断種法

が制定された時点で、その国は健全ではないと私は考えます。

○渡部先生の授業について

ナチス政権下での科学者とナチスの共生の関係を知り、悲しくなりました。確かに科学者にとっ

て権力や研究費、研究環境は大切ですが、その代わりに人種差別を正当化するという行為は決し

て認めてはならない行為だからです。また、授業で DNA の類縁関係の話を聞いたとき、イルカ

の DNA に最も似ている陸上生物はカバであると昔テレビで見たことを思い出しました。高校の

とき生物を選択していない私でも分かりやすい授業でした。

あなたの意見はもっともだと思いますが、では今日の遺伝子医療技術によって可能になっている診断や操作に対して、

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あなた自身、そして私たちの社会はどのように対応したらよいのか、引続き授業などを通じて考察してください。(いま)

下線部は形態学的に長い論争があったのですが、遺伝子の分析でイルカ(クジラ)にもっとも近い陸上動物はカバであ

ることで決着しました。(わた)

鳥インフルエンザの研究論文がテロに悪用される恐れがあるとして、一部内容掲載の削除を訴

えられていたことについて、こういったものの研究は大変意義があるのと同時に危険をはらんで

いる。未知だったものを解明するということは、原子力爆弾にもいえるように様々な可能性を生

み出してしまう。

しかし、科学者にとっては研究の発表というのはテーマであり目標であるはずだ。したがって、

科学者に研究の発表内容の規制を設けるのではなく周りの機関が対策に努めるべきである。

最初の段落の2文は表記上、必ずしも明快になっていません。よく見直してみてください。(いま)

科学者以外の視点にたったらどうでしょう?(わた)

今井先生

優生政策として断種をするのは全く正当性が無く(犯罪者以外では本人に過失が無いことが多い

ため)反対ですが、性犯罪の再犯者には刑罰として断種を行うべきであると思います。性犯罪の

再犯率は他の犯罪と比べても多く、一度被害にあった人(主に女性)は一生心身に傷を負って生

きていくことになります。また、犯罪者自身も自らの狂気を抑えることは難しいのです。刑罰と

して断種を置いておくことは性犯罪への抑止力として有効な手立てであるとかんがえます。

渡辺部先生

DNAの塩基配列を調べれば生物の類似性がわかるとのことでしたが、人間に最も近いのがチン

パンジーであると、最も遠い生物は何なんでしょうか?

どのくらいの範囲(霊長類?脊椎動物?動物?生物全体?)で聞いているのか分からないので、答えようがありません。

(わた)

「科学と人間」の授業をされる先生方へ

こんばんは。今回の授業は前半 60 分は今井先生による前回の続きと、後半 30 分は渡辺先生の

人種分類の科学的背景という内容でした。

今井先生の授業では優生学についての歴史や拡大が主でした。優生学について感じたことは、

自分が感じていたより歴史が浅いということです。今から百年ほど前から拡大したということで

した。また、その時期は優生思想がより良い人種を繁栄していくのだから良いものとみなされ、

後の 50 年くらいに優生政策について批判されるようになったそうです。加えて、ナチスが行った

優生政策としての断種法はそれより前に他の国からはじまり実施されていたということに驚きま

した。それほど社会的にあまり良くない思想だとは考えられなかったのだと感じました。

中国の歴史で女の人に仕える男の役人が妊娠させられないように去勢されていたという話は聞

いたことがありました。しかし、断種法としてと去勢が行われていたことは改めて分かったこと

でした。デンマークで、性犯罪の恐れのある者に去勢がされたのは分かりますが、同性愛者に対

しても法律として合法化されたのには、少し疑問に思いました。この時代より前にはデンマーク

の文化に同性愛があまり認められていなかったように感じました。

積極的優生政策としては、ナチ・ドイツによって「健康な」女性の妊娠中絶が禁止されていた

ことを知りました。

また、現在優生政策はシンガポール、インドで行われているそうです。シンガポールではポジ

ティブな優生政策として、大卒女性の出産を推奨していて、これは多くの左翼知識人の支持を得

ているそうです。インドでもカースト制度最上級層のアーリア系に優生政策が行われているそう

です。このことからも、アーリア人という人種が優秀な人種であることを感じました。

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今井先生の配られた資料を読んで感じたことは現代社会における優生思想について考えていく

必要があるということでした。現代は遺伝操作技術が発展し、人へも応用されています。遺伝子

を組み替えたりすることも優生思想につながっています。中絶については出生前診断が行われた

り、90 年代では胎児の段階よりもっと早く八細胞期くらいの受精卵の段階で、一つの細胞から染

色体や遺伝子を調べる技術が開発されて「着床前診断」と呼ばれ世界でも実施例は少ないらしい

のですが、日本で鹿児島大学が行おうとしたとき、障害者団体などの激しいクレームにより、優

生思想に基づく障害者差別につながるものと非難されたそうです。このことについては、中絶を

することを考えたら、目に見える形としての胎児を殺すことよりは良いようにも考えられますが、

結局は優生思想に基づく遺伝的に「優れた」人間を選んでいるのだから差別につながるもので簡

単に賛同することわけにもいかない問題です。遺伝子治療に関しても多くの利点はありますが、

結局は優生思想を導くことになります。社会が特定の遺伝子を持つ人々の出生を許さずその人の

価値を他の人たちより低いものとみなしてしまうことになります。本当に容易な判断は出来ない

考えさせられるテーマであります。

このように優生学について考えられたのも、ほんの少しではありますが、歴史を知ったからだ

と感じています。より深い議論や優生学についての見解を持つのには自分でも調べ過去を知る必

要があります。浅はかな考えを持つのは簡単ですがきちんと議論するためには知識が必要です。

知識の幅を広げていきたいです。また、専門的に学びたいと思ったことは歴史を知ることが重要

になるのではないかと考えさせられています。

参考資料

wikipedia

今井先生プリント,米本昌平/松原洋子/橳島次郎/市野川容考孝(2000)『優生学と人間社会―生

命科学の世紀はどこへ向かうのか』講談社現代新書

渡辺部先生の授業では人種について学びました。種についての今までの認識も偏ったもので異

所的種文化分化についても理解しました。また、人については亜種は存在しなく外見によった特

徴で「人種」の分類があるそうです。ミトコンドリア DNA による人の系統樹での分類は興味深

いものでした。人種の色による分類でなくアフリカ人とその他の人という主な分類でした。アフ

リカの民族には原始的な民族があるというようにも聞きました。よりチンパンジーのような昔か

らの血が強い民族がいるようです。

科学者については、ナチスの時代にも共生の関係にいて重要視されていたように感じました。

現代においても科学の発展は科学者によるもので、政治が科学に関連するようなことが起こって

いるようでした。科学は本当に広く関わっているものです。

今回の講義では省略しましたが、ナチ・ドイツでも同性愛者は「反社会的分子」とされていました。道徳に反するとみなさ

れていただけでなく、そういう連中がいる分だけ民族・人種国家の未来にとって死活問題となる出生率にもダメージを与え

ると考えられていました。同性愛をめぐっては、今日でも各国で論議を呼んでいますね。

「アーリア人という人種が優秀な人種である」と君自身が感じているのですか?

コメントの後半は、今日の問題について論点をうまく整理してくれています。引続き授業などを通じて考察を深めていっ

てください。ご健闘を。(いま)

授業では下線部のようなことは言っておりません。(わた)

今井先生の授業へのコメント

優生学がユダヤ人を支配する理由として使われていたことを知った。人間は等しい権利を保障さ

れなければならないので、優生学という概念から間違えている。精神障害を持っている人は断種

を迫られたとあったが、身体障害者やその家族は断種を迫られたのだろうか。

渡辺部先生の授業へのコメント

最初は人種は亜種だと思っていたが、ヒトの DNA の塩基配列の違いは「人種」によらずほぼ 0.1%

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であり、生物学的には「人種」という概念は成立しないことを学んだ。しかし、それでは何故肌

の色や目の色は違うのですか。また、「政治」と「科学」が利害関係が一致すると共生できること

を知った。

優生学とユダヤ人迫害とは、まずははっきり区別して考えてください。

配付資料にも記したように、先天性の盲目や聾唖者、重度身体奇形とされた人たちも断種の対象とされました。(いま)

0.1%の違いが、ヒト同士の違いを生んでいます。(わた)

ご講義ありがとうございました。「ナチスにとってドイツ民族は、最も優秀で支配的地位にあるべ

きアーリア人種に属するが自ら健康でなければならない」とあるのですが、ナチスの言う健康は

精神病や遺伝病等にかかってないという意味だと講義を聞いて理解したのですが、単なる風邪や、

その他の少し重い病気などはどの様に考えられていたのか、それは断種法の対象になったのかが

疑問に思いました。また、私は今まで人間の DNA の構造は人によって大きな違いがあると考え

ていたのですが、たった10.1%しか変わらないことを知って驚きました。とても小さい差異で全

然違う人が出来ることはとても不思議でした。何年か前にミックス犬というものが流行り、チワ

ワとパピヨンのミックスやブルドクドッグとッパグのミックスなど今までは雑種と言われてきた

ものが、名前が変わって続出した事があります。犬はどの種類でも子をつくることが可能なので

しょうか。

「風邪や、その他の少し重い病気など」では、さすがに断種はされませんでしたが、ナチ社会はきわめて「健康」に敏感

な社会で、身体的鍛錬や禁煙、有機農法なども重視されていました。(いま)

イヌはすべて同一種ですから子供を作ることが可能です。しかし形態が著しく異なる「品種」がたくさん作られており、そ

の形態は同品種内で遺伝的に固定されています。そこでそのような品種間で雑種を作った場合、奇形等の障害が出るこ

とがあります。(わた)

今井先生の授業のコメント;昔はさまざまなことをして当時の人類の優劣を決めていた。今回

テーマになっていたのは「優生学」と「断種法」であった。優生学で人種を優れたものと劣った

ものとに分けて、断種法で劣ったとみなした者の子孫を残させないとしようとにした。当時は我々

の考えられないような不条理な法律があった。たしかに我々も店で商品を買うときは優劣を決め

て物を選んでいるが、一人一人の人間には人種の壁を越えて様々な可能性を秘めているのだ。そ

れを優れているとか劣っているとか勝手に決めつけるのはとても愚かである。

渡部先生の授業のコメント;今まで何度も聞いたことのある「種」は自然条件や突然変異で分

けられたり、「人種」はヒトを外見的な特徴で分類するものである。昔はダーウィンの進化論から

派生して社会ダーウィン主義というものがあり人間を強者と弱者に分けていた。人種差別に対し

科学的なものを追及?しようとするなんて今では考えられないことである。

優生思想や断種は「昔」や「当時」だけの問題なのかどうか、その後の授業などを通して考えてもらえたら、と思います。

(いま)

下線部を含め、全体的に意味が不明な文章になっています。自分で何度も読み直してから提出してください。(わた)

人種と優生学の西洋史について

人種の優劣を研究する優生学が世界各地で研究され、人々が差別されてきたのは大変つらいこ

とである。ドイツでは、個人の価値を人種の未来への貢献度によって決めていたというのは、ま

ず、ユダヤ人の定義の仕方が非科学的であり、科学的人種主義を掲げていたナチスに矛盾が生じ

ているのはまさにエセ科学だと思った。

人種分類の科学的背景について

こちらはナチスなどに対して科学的な定義がなされていた。このように定義できるようになっ

たのはダーウィンが進化論を唱えたあたりであり、しっかりとした定義の土台が既に存在してい

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たのにこれらを無視して自分たちの都合のいいようにドイツはユダヤ人を迫害するためにそのポ

リシーを曲げるのは何とも非現実的だと思った。

優生学は、そもそも人種間の優劣を研究したのではありません。人種主義と結びついていきましたが、その場合にも、

同じ人種のなかにも「劣等な」遺伝子保持者がいるので問題だと考えて、それが差別的な諸施策へとつながっていったの

です。

二つめの文は非常に明快さに欠けます。よく見直して修正してください。二つのことがらが一文のなかに詰め込まれて

います。ユダヤ人迫害の問題と優生学とは、はっきり区別してください。(いま)

下線部を含め、全体的に読み難く、意味がよくわからない文章です。読点を入れるなどして、もっと読みやすい文章にし

てください。(わた)

■前半、今井先生の講義の内容について

前回の続きの内容という位置づけでした。人種主義の内容についてさらに深める内容で、これ

までの「科学と人間」の授業で学んだ視点からの考察は非常に興味深かったです。似非科学に基

づいて行われた、いわば人種の「区別」が当時のドイツの基本理念となっていった様子がよく分

かりました。

確かにヒトラーの政策はもともとは似非科学に基づいていましたが、次第にヒトラーが身勝手

な差別の手段を、権力を行使してエスカレートさせていっただけでした。その内容は、事実とし

て知ることはできましたが、それらの事実と「科学と人間」的視点とを自分の中で結びつけるこ

とが出来なかったのが残念です。

■後半、渡辺部先生の講義の内容について

遺伝の話を生物学的に見るという内容でした。子孫が出来る条件は同じ種の生物間のみだとい

うことを学びました。

人種という表現は種の違いではないので関係ないということを科学的に知ることが出来ました。

ナチス時代の一般常識との違いがわかり、補足説明として非常に有意義な講義でした。

「人種の『区別』が」…「理念となっていった」という表記、「差別の手段を」…「エスカレートさせていった」という表記は、

不明瞭です。(いま)

下線部の意味が不明です。(わた)

〇今井先生の講義について

ナチ・ドイツの優生政策に興味を持ち調べました。そのなかでも、安楽死計画に参加した医師

の一人のヴィクトア・フォン・ワイツゼッカー博士の言葉に驚きました。その内容は以下のもの

です。

「生命全体を救済するために、ヤケドを負った下肢だけを切断する場合があるのと同様に、民族

全体を救うためには、一部の病んだ人間を抹殺することが必要な場合もある。どちらの場合も犠

牲は正当であり、医療行為として必要性と意味を持つものといえるだろう。このような考え方に

賛成のできない者は、〈中略〉人間性や人権にとらわれるあまり、医師の責務を〈個人〉の治療だ

けに限定して〈集団〉の治療をおろそかにする可能性すらある。」

この言葉には怒りを覚えました。なぜかというと、人間を殺していることにかわりはないのに、

その行為を「民族全体のための犠牲」という言葉で、自身の行いをごまかしているからです。人

の命に係わる犠牲はあってはならないものです。

〇渡部先生の授業について

種分化について興味持ち、調べました。種分化には4つありました。「異所的種分化」「周辺種

分化」「側所的種分化」「同所的種分化」の4つです。授業では「異所的種分化」が説明され、地

形が変わるだけで「種」が変わるという点に驚いたのですが、「同所的種分化」にあるように、同

じ場所でも「種」が変わるということを知り驚きました。

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参考:ナチス・ドイツの「優生政策」の実態~安楽死計画「 T4 作戦」など~

http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hb/a6fhb700.html#01

種分化-Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E5%88%86%E5%8C%96

よく調べてくれたと思いますが、「安楽死」と優生学とは、分けて考えたほうがよいと思います。現に生きている人まで殺

してしまえば、そもそも生殖に働きかける断種などの優生政策は無意味になってしまうからです。(いま)

もっと他のことも調べてみてください。(わた)

今回の講義では、優生学のことについて学んだ。すぐれた人間を残すからといって、この考えは

おかしいと思う。人の遺伝的な差異が 0.1 パーセントというのは驚きだ。

優生学のどの点がおかしいのか、具体的に書いてください。(いま)

Too short! (わた)

今井先生へ

私は優生学について考えました。まず、優生学とは人類の遺伝的素質を改善することを目的とし、

悪質の遺伝形質を淘汰し、優良なものを保存する事を研究する学問のことである。

人を遺伝的素質で判断することはいいことではないと思います。しかし、染色体異常などで障害

をもつことが生まれる前に分かっていてそれを理由に中絶する事に対して、その子が将来一人で

生きていかなければならない事の大変さを考えると、これに賛成です。

渡部先生へ

ダーウィンの進化論によると、生物は自然淘汰、生存競争、適者生存により変化した。これには

長い歴史があり、それが今でも続いているのだと考えると面白いと思いました。

この後の授業などを通して、引続き考えていってください。(いま)

なぜ面白いのですか?(わた)

今回の授業でドイツだけでは無く、世界で人種による差別だけでなく精神病によるを理由にした

差別も起こっていたのだと知ることが出来た。そのような差別は国民すべてを健康に保ち国力増

強を目指したものだと考えられる。精神病などは治安などの改善を視野に入れたものであろう。

その理由に(?)犯罪者なども精神病患者と同等に扱われている。健康な人間であれば生産力となり

国力を増強させるのに役立つとともに、精神的な健やかさがあれば政治をしていく上で好都合で

あるゆえにこのような政策は世界的になされていったのであろう。確かに親の性格などにより気

質が多少なりとも似通っては来るが、しかしこのような政策が許されるのだろうか。政府にはむ

かう者も精神薄弱と診断され、精神病患者と同等に扱われる。健康であることを強いられて政府

にはむかうことも許されないのであれば、中にはそのことに圧力を感じ精神的に健康を損なわれ

てしまう可能性もある。健康な国民を目指すためであってもこれでは逆効果である。そしてこの

ように精神病患者などと扱われた人間にからは子孫を残す手立てを奪う。現在であれば人権問題

である。このように昔では劣った部分が遺伝するものだと信じられていたようだ。しかしダーウ

ィンの進化論においては環境により適したものが進化してきたとされている。そうなると遺伝は

劣性的なものなのだろうか?ダーウィンの進化論が強者がの弱者に対する搾取を弁護するための

理論として用いられたと言われているが、ダーウィンの進化論においては優れた遺伝子が継承さ

れていくものであると考えられる。つまりダーウィンの進化論では本来優生学を推奨することは

出来ないと私は考えた。

「差別は」…「を目指したものだと考えられる」は、一つの文として意味が通っていません。その次の「精神病などは」…

「視野に入れたものであろう」もです。文の書き出しと文末の係り受けについて、もっと注意を払ってください。

「そうなると遺伝は劣性的なものなのだろうか」とはどういう意味ですか?(いま)

微妙に誤解しているようですが、ナチスは劣悪(と考えられる)な遺伝子を社会から抹殺するために人種主義政策をとっ

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たのです。ダーウィン進化論では「自然淘汰」が行われると考えましたが、優生学では「人為淘汰」を行ったわけです。(わ

た)

今井先生へのコメント

優生政策について考えてみた。まず、優生政策を実施することにおいてのメリットとして「優良

な」遺伝形質の増殖によって、優秀な人材を生み出し、経済成長を促せる。ここでの「優良な」

人材というのは定義がよく分からなかったが、「社会経済に大いに貢献する人」というふうに自分

はとらえた。実際にシンガポールでは大卒女性の出産を推奨するといったような政策が限定的で

はあるが 1960 年代に優生政策が行われていた。また、遺伝する病気など先天的な病気の予防が

できることだ。そうすることで人間の病気からの苦しみが軽減されるのではないか。

渡部先生へのコメント

科学に政治が干渉することのについて私は中世や近代において科学に政治が干渉する理由と現代

において科学に政治が干渉する理由に変化が見られるのではないかと考えた.中世や近代ではナ

チスの人種政策のように製作政策の正当性をしめすための根拠として科学が使われている印象が

強い。しかし、現代では遺伝子組み換え、クローンなどの人間の尊厳や,倫理的問題が生じる場

合や、バイオテロなど科学が悪用される場合政治が干渉する印象がある。このような変化が生じ

た理由は世界が人権について考え始めたり,、擬似科学に近いとされていた優生学が遺伝子につい

ての詳細が明確になり、発展することにより、立派な科学として確立し、認識されるようになっ

たりすることにより、起こった変化なのではないかと考えた。

優生政策によって、先天的に発症する遺伝性の病気を、実際にどの程度予防することができるのか、その後の授業を

手ががりとして、自分でも調べて考えてみてください。

「人間の尊厳や倫理的問題が生じる」という表記は、修正が必要ですね。

ところで、優生学は発展して「立派な科学」になったのでしょうか?(いま)

なぜそのように考えたのか、理由を述べてください。(わた)

今井

映像や写真を見る中で、今では考えられないような差別や人権を無視した行為が20世紀に入っ

てからも行われていたということに改めて衝撃を受けた。人種に優劣をつけてそれを信じ、ユダ

ヤ人を虐殺していたかと思うとゾッとする。また当時、アメリカでも黒人と白人によって飲み水

の場所やバスの座席などが分けられていたという。今では人種に対する考え方や意識もだいぶ改

善されてきてはいるが、やはりまだアメリカやヨーロッパ、日本にも残っている。そして本当の

意味でそうしたことを解決し、互いに理解していくためには文章ではなく、直接会って話してみ

るのが一番だと思う。

渡部

“人種”という概念は存在せず、おそらく政治的に作られた言葉であるというのには驚いた。ま

たダーウィンの進化論がナチスなどの人種差別の肯定に使われてしまったのは、大変皮肉であり

卑劣だなと思った。また最近のアメリカ政府による鳥インフルエンザの研究論文に対する干渉が

話題になっていたが、アシロマ会議における”生物学的封じ込め”のような危険な研究はしない

ということが今の平和を守ることに繋がっていると思う。

誰に「直接会って話してみる」とよいのでしょうか? また、どういうことを話せばよいと考えますか?(いま)

現在では「遺伝子組換え実験」の危険性は、アシロマ会議時に危惧されたものより低いことが理解されています。(わ

た)

今井先生

優れた人種の遺伝子を残し障害者などの問題のある遺伝子は断絶する。

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アニメや小説にしかないと思っていたことが現実でも行われていたという事実は衝撃的だった。

それは確かに、利益だけを考えればそれでも良いのかもしれないが、人を平気で切り捨てていく

考えは倫理的、道徳的に問題がある。このような人類だけが残っていくことは、遠い未来でとん

でもない争いごとを招く危険性があると考える。

渡部先生

種を単位にすればどの人間も同じ人間であるのにその中で優劣をつけるのはおかしいと考える。

A という人にできて B という人にはできないことがあっても、同じように逆も言えるのではない

か。そうすると、遺伝的に弱者である人と決め付け虐げた者よりも虐げられた人の方が優れてい

ることもあるのではないか。こう考えると誰が優れているなど一概には言えないはずである。

下線部、何についての優劣ですか?(わた)

断種法というようなものがあったことは知らなかった。しかもそれがドイツではなく最初にア

メリカで行われたということはさらに意外だった。断種法について調べてみると、日本では19

41年ごろに制定されており初めのうちはハンセン病などの遺伝性疾患を持っている人だけだっ

たのがしだいに遺伝性疾患以外にも精神薄弱を疑われる人にまで広がっていてドイツと似たよう

なことをしていることが分かった。

人種というものは人間が人間を外見的特徴で判断するものであるので、そこになんだらかの意

思が入り込むと普通の人を差別し迫害できるようになってしまうのが恐ろしいことだと考えまし

た。

読点を使ってもう少し読みやすい文章にしてください。(わた)

・今井先生の授業に関するコメント

まず私は今まで何の疑問も抱かず、「ユダヤ人」は人種であり特定する何かがあったと考えてい

ました。しかし、ユダヤ人とを定義する基準はユダヤ教に属していたかなどあいまいなものだった

と知り驚きました。中学校の授業では「ユダヤ人はドイツ人より頭がよく、そのことに嫉妬した

ヒトラーが虐殺を始めた」(うろ覚えなので少し文章が自分よりになってしまいました)と習いま

した。ですので、私はユダヤ人は知能指数が高かったから虐殺されたと考えていました。ですが、

今回の授業の優生学を聞くとむしろ頭のいい人は尊重され、次の世代を残せという感じがしまし

た。つまり、結局のところユダヤ教であることがヒトラーにとっていけなかったのでしょうか。

やはりナチについての優生学について気になったので調べてみました。すると、「実際にどれだ

け多くの人々が「強制断種」の犠牲となったのか,正確なデータの集計がなされてはいないが,

40 万の断種が実施され,またその手術は保健衛生当局により危険のない手術だと説明されてはい

たが,少なくとも 5 千人(その内の 90%は女性)が,手術の結果亡くなったと言われている。」

とのことでした。また、1939 年初頭、生まれつき重度の障害のある子供が両親の懇願により「安

楽死」させられました。このことが引き金となりユダヤ人の虐殺が行われたとも考えられている

ようです。断種法がユダヤ人虐殺よりも先に行われ引き金となってるのではということには驚き

ました。また、断種手術で人が亡くなっていることには疑問をもちました。医師の手術ミスや看

護婦の手による手術があったのではないでしょうか。

参考「http://www.ritsbagakkai.jp/pdf/486_01.pdf#search='」

・渡部先生の授業に関するコメント

人の遺伝的な差異は 0.1%であり、「人種」という概念は成立しないとのことには大変驚きまし

た。なぜなら、私は勝手に黒人や白人、黄色人種、また、クルド人なども人種の一つだと考えて

いたためです。そして、「人種差別」という言葉があったためさらに人種は存在すると考えていま

した。人種というくくりがないのであれば日本でいう部落差別と同じようなものということなの

ではないでしょうか。部落差別は住んでいる地域によるものだとされていました。黒人や白人も

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肌の色は祖先がどこに住んでいるかに由来するものと考えられるため、結局は地域による問題だ

ったのではないかと感じました。黒人について調べてみたところ黒人の肌の黒さは表皮と真皮の

接合部を中心にメラニン色素が沈着するからであるとのことでした。なのでやはり人種問題とい

うのはいわゆる地域問題であったのではないでしょうか。

参 考

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%8D%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%

89/

ナチスは、「人種」としてのユダヤ人を憎悪し、迫害したのですが、ユダヤ教という宗教については、実はそれほど攻撃

の対象にはしていませんでした。ゲットーや強制収容所のなかでさえユダヤ教の礼拝が許されていた場合もありました。

また、断種法と「安楽死」とは、ナチスにおいては延長線上にあったのでしょうが、考察する際にははっきり区別して考え

てください。それから、「安楽死」が「ユダヤ人虐殺よりも先に行われ引き金となってる」というのは、殺害方法などに関して

です。改造トラックのなかで一酸化炭素ガスによって精神障害者を殺害し、遺体処理の段階で金歯を抜き取るなどのこと

が行われましたし、初のガス室はドイツ国内の精神病院に設置されました。こうした手法が、1941 年から強制・絶滅収容

所でのホロコーストに応用されたのは事実です。(いま)

「人種問題」は主に政治的な問題で、そういった意味ではここで述べられているように「地域問題」としてとらえる事がで

きるかもしれません。(わた)

部落差別に似た差別は中世・近世ヨーロッパにもありましたが、その場合「地域」というより「職業」がポイントでした。とも

あれ、さまざまの「驚き」から出発して、あれこれと勉強を進めていってください。ご健闘を。(いま)

ユダヤ人に対する迫害は差別的でとても許せないことであるけど、今回の授業を受けて、そもそ

もユダヤ人とは、”祖父母が何人ユダヤ人であるか”や、”ユダヤ教信徒共同体に属していたかど

うか”などで決まるということを知り、ユダヤ人迫害の明確な根拠がないことに改めて気づき、

はっきりした根拠もないのになぜそこまでしてユダヤ人を迫害したのか、なぜユダヤ人でなけれ

ばならなかったのか、など疑問でいっぱいになった。

今井先生の授業の中で出てきた、「劣等分子の重荷」という図で、遺伝病患者は健康な家族が一日

暮らすことができるぶんのお金を一日で国家に負担をかけているというということを呼びかけて

いたことを知って、明らかにその内容は偏見であるけれど、当時の人々がこの内容を鵜呑みにし

てしまったことがとても信じられない。でもそれだけ、当時のドイツは経済的にも政治的にも混

乱していたことがわかる。渡辺部先生の授業では、遺伝について新しい知識が増えたけどかなり

進行が速くてついていけなかったので復習したい。

あれこれの「疑問」から出発して、勉強を進めていってください。ご健闘を。(いま)

はい、キチンと復習してください。(わた)

初めの授業では,断種法という法律により,遺伝的病気をもつ子孫を予防するとして,その対象

とされた人々の遺伝性の病気をもつなどとしてみなされた人々は当時のその状況にどう反応ある

いは足掻いた(?)のだろうか.生まれてくる子どもはは遺伝病をもつ,その考えに対し私なら命を

懸けてでも断種法に反対する.この法律では大切にされていない人権を付属品のようにしか扱っ

ていない当時をしり私は嫌悪した.

後半の授業では,カエルと別のカエルは今まで掛け合わせて交配できる戸を持と思っていたが種

類が違うため掛け合わせが出来ないと初めて知った.また,近縁な生物の遺伝子 DNA は塩基配

列が類似することからチンパンジーといった霊長類がどうして人間と同じくらい賢いかというこ

とを知った.

自分の身に起ころうとしていることがよく理解できないまま手術されてしまった人、うまく言いくるめられてしまった人、抵

抗したがまさに強制的に執行されてしまった人、とさまざまだったでしょうけど、当時この法に反対するには、まさに命を懸

けなければならなかったでしょう。独裁体制ができあがる前に何とかしなければならないですね。(いま)

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下線部のようなことは授業では話していません。(わた)

先日は講義ありがとうございました。今井先生の講義を聞いて、資料を読み深めて自分なりに辿

り着いた意見は人間はやはり全員平等に扱われ、差別は絶対に行われてはいけないと言ういうこ

とです。ありがちな意見ではありますが、再確認できてよかったです。渡部先生の方の授業は高

校時代生物を履修していたのでサクサク内容が頭に入りました。次回からさらに深いとこに入っ

ていくと思うので、楽しみにしてます。次回もよろしくお願いします。

同感ですが、差別のない社会にするために、具体的にはどういうことが有効あるいは必要だと考えますか?(いま)

授業に対する感想ではなく、コメントをお願いします。(わた)

今回の講義を受けて、今井先生の方では断種法への理解を深めることができました。そんな中で

僕が考えたことは、断種法の結婚についての規定内容が曖昧であることです。「結婚しようとして

いるカップルで遺伝病や結核の人なら認めない」これは具体的な病名が示されているので問題は

ありません。しかし「人権人種的に価値の劣る者との結婚禁止」というのは、あまりにも曖昧す

ぎます。人権人種的に価値の劣る者とはどのような定義なのかとういこと。もしそれが暗黙の了

解のようなことであってもその人を愛している人にとっては必ず価値がある者であると感じるで

しょう。したがって、人権人種的に価値の劣る者の定義や規定内容をより具体化することが必要

です。

渡部先生の方では生物分類を理解することができました。

生物分類には階級があることについては僕たち人間がいくつものに分類された結果であることが

わかった。類似した種の生物はその上の階級で同一の生物であること。他にも、DNAの仕組み

についても理解できました。このような理論が発展していって今日の遺伝子組み換えが行われる

ようになっていると考えました。

政治的には、とくにナチスの政治にとっては、まさに規定が曖昧であることが好都合だったのではないでしょうか。「人

種」概念自体がそうですね。曖昧だからこそ、政治的に・恣意的に操作されやすいのです。(いま)

どうも授業の内容を誤解しているようです(下線部)。(わた)

今井先生に対するコメント

先日はご講義ありがとうございました。エセ科学と政治が協力すると、国民がよくわからないま

まエセ科学を信用してしまうことがよくわかったので、国民(現代の私たちを含め)は今信用さ

れているとされる科学でも常に疑いのまなざしをもち正しいかどうかを判断することが大切だと

わかった。

渡辺部先生に対するコメント

自分は生物を選考専攻していなかったのですが、わからない自分でも非常によくわかりやすかっ

たです。同じ種でも何らかの要因で自然環境が分断され変化した場合、また出会ったとしても交

配できないと渡辺部先生はおっしゃっていましたが、具体的には何年、または何世代にわたって

離れていると交配ができなくなるのでしょうか?

君が書いていることはその通りだと思いますが、そのためには科学のことも専門家任せにせず、たいへん難しい道のり

ですが、「賢明な市民」を目指して懸命に学習していくしかないですね。(いま)

地理的に分断されてから、どのくらいの頻度で突然変異がその生物に蓄積されるかによります。また世代交代のスピー

ドによっても変わってきます(例えばヒト:20年、マウス:2週間)ので、一概には言えませんが、ガラパゴス諸島の生物の例

を考えると少なくとも数百万年以上は必要でしょう。(わた)

前半の内容に対するコメント

ナチ・ドイツによる対策は残酷すぎる。「遺伝病をもつ子孫を予防するための法律」と称した法律

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を作ること自体、何かおかしいきがする。遺伝病と分かっている胎児は強制的に中絶するのは今

の日本の生活では考えられない。第二次世界大戦での各国々での悲劇は知っていたけど、断酒断

種政策は知らなかった。

後半の内容に対するコメント

人種に対するいろいろな意見があるんだと知れた。ドイツ優生学については昔学んだことがあっ

たので、興味を持って内容を理解できた。さまざまな国でさまざまな人種差別があるのは、意外

な事実だった。

ただ「何かおかしいきがする」だけではなく、この後の授業などを通して、より多面的に、そして深く学習してください。重

度の病気である可能性が高いとわかった胎児を、強制的にではないが、親の判断で中絶することは、「今の日本」で頻繁

に行われています。(いま)

下線部、どこが意外なのですか?(わた)

今回議題主題となった人種という言葉だが、今も人種差別は問題になっている。代表例はとして

オーストラリアの白豪主義が挙げられる。優生学がアメリカやイギリスなどの国で発展していっ

たのはその時代で彼らが世界的に大きな国でトップに位置していたから生まれた考え方ではない

か。今は遺伝子による優良な人間、劣等な人間のという考え方は無くなってきたが、遺伝子その

ものの信頼性は現代になりより強くなっている。原因は遺伝子がある程度解明されてきたからだ

ろう。だがそのせいで私はまた優劣の考え方が強まる可能性が高いと感じている。例えばある特

定の遺伝子がアルツハイマー病になるを引き起こす可能性があるとここ最近判明したらしい。も

しこれが本当ならその遺伝子を持つ人たちは劣等な人間と見られてしまうのではないか。このよ

うに遺伝による優劣の考え方はまだなくなることはないだろう。そもそも遺伝的に差異がなかっ

たとしても何らかの異なった個所を見つけて分け、優劣を人間はつけると思われる。例を挙げる

なら講義でも話された人種というものだ。人間は同じ種であるのにもかかわらず見た目を使い、

分けられている。よく白人が最上だと、人種的に優れているのだと言う白人がいるが、私からす

れば人類初めの人間は黒人だったと言われているのを聞いたことがあるため、人種で区別すると

いうのなら黒人こそ人種的に優れているのではないかと言いたくなる。この二つのことから遺伝

子や外見はたまたま優劣の材料とされたものであるだけであって、たとえこの二つがなくともま

た別の差異を見つけ区別される。人間は他人と比べなければ自分の価値を確かめられないことか

らも差別は永遠に無くなることはないと考えた。

「世界的に大きな国でトップに位置」するということと、優生学が発展することのあいだには、どのような因果関係がある

のですか? また、「人類初めの人間」は「人種的に優れているのではないか」と考える根拠は何ですか?

全体的に自分の書いた文章をもっとよく推敲してください!(いま)

下線部のように考える理由は何ですか。(わた)

今回の授業を受けて特に考えたことは、科学的に調査されるようになる前の遺伝に対する考えが

恐ろしいということだ。優生学によると、人間の病気や障害等は遺伝する、だから断種法を実行

するのだ、ということだが、必ずしもそうではない。もちろん、このことは科学的に証明されて

はいるはずなのだが、私の体験からいうと、小学生の時にお話をううかがった体の不自由な方は、

「私と妻は体が不自由だが、子供には障害が全くない」とおっしゃっていた。それに、健常者で

も、高齢出産をすれば障害や病気を持った子が生まれるリスクが高まるなど、親の遺伝子だけで

はそう言えないのである。

また、ダーウィンの進化論でも「適者生存」などと考えて、強者が弱者を淘汰することを促進す

ることにつながっており、進化論については詳しく知らなかったが、少し残念である。同じ人間

なのに「人種」という概念があること自体がおかしいのだが、人間に優劣をつけるなど、もって

のほかである。なぜ人間同士でそのような優劣関係をつけたがる輩がいるのか、甚だ疑問である。

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「人種」問題には歴史的な問題も絡んでくるので、すぐに解決するのは難しい問題だろうが、早

くこんな概念がなくなってほしい。まずは、皆が‘正しい情報を知る‘ことから始めるべきであ

る。

「残念」や「甚だ疑問」から出発して、幅広く学習を進めていってください。(いま)

「政治的」な問題も絡んできます。みんなが正しい情報を得ただけで、果たして「人種問題」が解決するでしょうか?(わ

た)

今井先生の授業へのコメント

優生学の成立はナチスドイツが創始したものではなく、イギリスが成立させアメリカが断種法を

最初に制定したことをしり、ナチスだけではなくというよりむしろナチスがその規模をもって際

立っただけであり、その他の国も大いに優生学を研究していたことは意外であった。根底にある

のは経済状況を反映した社会保障費の抑制であった。

頂いた資料によると、あの福祉大国で名高いスウェーデンも6万人に対し不妊手術をするという

暗い過去があったことを知った。そして我らが日本も規模は小さいにしろ[国民優生法]でハンセン

病患者、精神病患者に対し強制手術が行われていた事実を知った。弱者を守るための福祉であり

ながら弱者を切るという行為は愚かでありかつ矛盾していると考える。しかしながらこの問題は

もっと根深い。現在の日本においても人口減少、少子高齢化、円高による輸出企業の不振などに

より GDP に占める生活保護などを含む社会保障費が増大している。そのため政府は生活保護の

支給見直しや削減を検討している。もちろん社会保障費は少ないほうがいいが本当に困っている

人に対して支援ができなければ見殺しにするのと同じと考える。そのためには、弱者の意見をし

っかり届け、健全な人たちは一所懸命働き財政的に支え。、行政は適正にそれが行き渡るようにし

なければいけないと考える。

渡辺部先生の授業へのコメント

ありきたりかもしれないですが「種」という言葉を知っていたつもりでしたが全然わかっていな

かった自分の無知を感じました。社会では普通に黄色人種や黒人などと呼び分けていますが系統

樹からは人種という概念が存在しないということで今まで培ってきたものが根底から揺さぶられ

ました。それを知るとナチスのユダヤ人迫害やアパルトヘイトなどの忌まわしい差別をはじめ世

界中のあらゆる差別は本当に一部の人間の他を排斥したいというエゴの塊であり実に根拠のない

愚かな行為である。

「社会保障費の抑制」という点だけではなく、20 世紀前半の各国では、優生学によって犯罪や貧困の問題も解決できる

のではないかと考えて、それで研究者は意欲を燃やし、政府も後押しをしたのです。

この後の授業などを通して、「国民優生法」だけでなく「優生保護法」の問題も考えてください。

また、「あらゆる差別は本当に一部の人間の」エゴによるものとのことですが、その他大勢の人たちの心のなかにありう

る差別意識のことは問題にならないでしょうか? (いま)

後半部、同感です。なお、常体と敬体はどちらかに統一しましょう。(わた)

今井先生の授業について

ユダヤ人は遺伝的に劣等であるというエセ科学が罷り通るのは、国の危機や、生活の困窮から

自分より下の身分のものをつくり、所謂ガス抜きに使用しているといえるだろう。

しかし、ニュルンベルク人種法においてもユダヤ人の定義は曖昧です。ヒトラーは、ユダヤ人

差別をどこまで本気で行っていたのですか?

心からユダヤ人を蔑視して無理やり差別していったのか、論理が破綻していると気付きながら

も政策を強行するために差別していったのですか?

渡部先生の授業について

ダーウィンの進化論が、自然淘汰や適者生存という点から、強者の弱者に対する搾取を弁護する

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理論に使用されたとありましたが、それはナチスにも当てはまりますか?

つまり、アーリア人種はすぐれているのでユダヤ人を淘汰し生き残る。という考えに至ったの

でしょうか?

「心からユダヤ人を蔑視して無理やり差別していったのか、論理が破綻していると気付きながらも政策を強行するため

に差別していったの」かということについては、その両方でしょう。だから単なる「ガス抜き」だとは考えられません。

ところで、文章に改行が多過ぎます。段落を改めるのにもそれなりの理由が必要となります。(いま)

今井先生の授業で、説明があったと思います。おっしゃる通り、ナチスも社会ダーウィン主義の影響を受けました。(わ

た)

ヴァイマル共和国期の優生政策の動向の箇所で登場した世界大恐慌は社会福祉の対象者の選別、

つまり「役にたたないもの」と「価値のないもの」の排除の背景となったというのは高校でならっ

た世界恐慌とはイメージがまったく違うものだったので衝撃的だった。

ダーウィンが考えた「生物は共通な祖先から進化して現在の多様な姿になった」という考え方は

どうしてそう思ったのかくわしく知りたくなった。

どのように「イメージがまったく違うものだった」のかが書かれていないので、君の受けた「衝撃」の中身がわからないの

ですが。(いま)

下線部、知りたくなったのなら自分で調べてみましょう。(わた)

今井先生へ

私は、優生学を基とした考えは戦前のドイツだけと事のことかと思っていましたが実際は世界中

でそのような考えがあったことに驚きました。そこで疑問なのですが、いったん世界各地で行わ

れた断種法等が何を契機にどのように縮小していったのか気になりました。

渡部先生へ

初め同じだった生物が距離的に分かれて突然変異が起きると、もう交配はできないと知って驚き

ました。離れ小島に暮らしていて外部とかかわらない人々が、ほかの地域の人と交配可能なのは、

まだ人類の歴史が浅いからなのでしょうか。ずっと孤立していたら人間も別の種になったりする

のでしょうか。

国によって事情は異なりますから、一つ一つ検証するしかありません。(いま)

ヒトは世代交代に時間がかかりますから、最低でも数百万年は必要でしょう。その間、外部との交配はないと仮定して

いるわけですから、実際には地球上でヒトが隔離されて突然変異が蓄積して種分化が起こるということは起こりえないでし

ょう。(わた)

今井先生への授業コメント

人種主義の興隆を考えるために、優生学の西洋史について学んだ。優生学とは遺伝的に「優れ

た」人間を増やすために、劣等形質の排除と優生形質の保護・育成が不可欠だとする考えにもと

づく。その優生学が政治的に初めて用いられたのはアメリカ合衆国の断種法であった。その後、

西欧の多くの国で断種法が制定・施行されるようになった。優生学の政治的関与について考える

とき、ナチ・ドイツが行った人種主義政策にばかり目がいってしまうが、西欧の多くでは国家・

地方の財政危機により、病気や障害のある子どもが生まれることによる社会的負担を減らすとい

う社会福祉の対象者の選別をすることが求められるようになり、優生学が正当化されてきたとい

える。しかし、本来社会福祉とは、社会的に弱い立場の人を助けるためのものではないのか。現

在、日本でも生活保護の制度をより厳しくしようという取り組みが行われている。確かに不正受

給を防ぎ、国民の負担を減らすことは望ましいが、それにより、本来受給されるべき人まで受け

取れなくなれば本末転倒だ。社会福祉は国家の財政によって左右されるものであってはならない。

大衆の生活の質の保護を重視するという面においては、ヴァイマル共和国期の考え方と現在の日

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本では大差ないのではないか。

渡部先生への授業コメント

種とは自然条件化下で交配し子孫を残すことができる生物学上の基本単位をいう。現存のヒト

は全て交配可能であるため、生物学的には単一種であるといえる。また、DNA の観点から見ても、

ヒトの系統樹からは人種という概念は成立しない。つまり、人種というのは、ヒトを外見的な特

徴で分類する概念であるとわかる。しかし、科学的ではなく、単純に「見た目」で判断した人種

という曖昧な概念に、人はとらわれている。歴史的・宗教的対立といった背景による人種という

概念は、科学的に見れば存在しないものであるということだ。

授業内容が簡潔にまとめられています。自分の考えを書き加えても良いでしょう。(わた)

同感です。ところで、「社会福祉は国家の財政によって左右されるものであってはならない」ということを具体的にどのよ

うに実現しますか?(いま)

今井先生の講義について

優生学を支持することが正しいという考えはいつの時代もある。社会的負担が大きい人たちをわ

ざわざ養う理由はあまりないからである。しかし、人間が完璧な存在になどなれない以上その存

在はなくなるはずはない。今の時代はそういった知識があるからそうならないだけであって昔と

変わらなかったかもしれないと考えると恐ろしい。

渡部先生の講義について

人間は全て同じ種であるということから、種の分離までには途方もない時間がかかることが考え

られる。ただ、種が分離するあたりの微妙なところはどうなのかということは気になる。

「社会的負担が大きい人たちをわざわざ養う理由はあまりない」という場合の根拠は何ですか?

「今の時代は」以下の文意は明瞭ではありません。それから「今の時代」は優生学的発想から自由になっていると言い

切れるでしょうか?(いま)

下線部、具体的にはどういうことですか?(わた)

今回の前半の授業を聞いて断種法自体は優生政策として適していると思いますが、ナチ・ドイ

ツにとって好ましくない人々も精神薄弱と診断されるナチ・ドイツの体制は酷いと思います。

後半の授業でも同様にナチ・ドイツの酷さを感じました。ナチス政権下で科学者はナチスから

権力や研究費、研究環境を得て、ナチスは科学者から人種差別の正当性を得るという政治と科学

の共生体制は汚いと思います。このような差別を生み出すより世の中をもっと良い方向に導く政

治と科学の共生のほうが価値があると思いました。

その後の渡部先生の講義を通して「断種法自体は優生政策として適している」と言えないということを理解してもらえた

なら幸いです。(いま)

下線部、具体的にはどのような「共生」があるでしょうか?(わた)

今回の授業で今井先生の話しを聞いて、なぜ当時のドイツで人種差別がおこったのかと深く考

えるようになりました。僕が思うに、子供が成長期に突入し、心と体の急激な変化にストレスを

感じた子供がストレス発散のため誰かを差別して優越感を持とうとするように、ドイツ人も第一

次世界大戦で負けた喪失感からぬけだすためにアーリア人として他の民族(特にユダヤ人)を差別

し、誇りを取り戻そうとしたんじゃないかな、と考えました。

また、渡辺部先生では、種という概念から人種に関する授業に持っていく巧みなテクニックに

大きく関心感心しました。ただ、授業の進み方に少し不満があります。プリントに沿って授業を

進めてもらえないとレジェメの穴埋めをきちんとできません。また、授業自体のスピードも早い

速いため、レジェメに写しきれません。改善をよろしくお願いします。

たしかに君が書いていることにも一理はありますが、ナチ・ドイツのユダヤ人やスラブ民族に対する差別・虐殺をそれだ

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けですべて説明しきるのは無理ですね。これからも、より幅広く学習しながら深く考えていってください。(いま)

穴埋めは、必ずしもスライドの通りにはしておりませんが、少し考えれば穴埋めの語句・文章はわかるはずです。授業

中にメモできなかった部分は、HPで復習してください。また、25分の授業で 21枚のスライドですからそんなに早くはないと

思うのですが、次(6月 29日)の授業はもう少しゆっくりと行います。(わた)

今井先生のお話では、人種の話を聞いて,人種差別がなぜにおこるのかについて知ることができ

ました。ナチ・ドイツの人権主義政策の優生政策は、非科学なもので、ユダヤ人が苦しめられて

いたのは、大変だと思いました。

渡部先生の話は、カエルなどの生殖の特徴を聞けて、新鮮味があって面白かったです。ペルシャ

猫とシャムネコなら生殖できて、日本アマガエルと赤ガエルが生殖できないのは不思議でした。

それは、遠い種同士を交配させるのが森無理?があるからだと分かり納得しました。ニュルンベ

ルク人種法は,家族の中のユダヤ人の数で、自分がユダヤ人かどうか決めるやり方は、非常にあ

いまいで非科学的だと思います。

単に「大変だと思いました」だけでなく、さらに考察を深めてください。(いま)

遠い近いに関係なく、「種」が違えば交配できません。(わた)

今井先生へ

今回はきめ細やかな講義をしていただきありがとうございました。

渡辺部先生へ

いろいろためになりましたありごとう(?)ございます。

何か具体的なポイントについても書いてくれないと、さびしいやんか!(いま)

Too short!! (わた)

今回の今井先生の講義を受けて、優生学と人種主義は結合しており、その事実こそがヒットラー

率いるナチ党にユダヤ人大虐殺を肯定的に捉えさせた原因であり、根拠であることを知り素直に

驚いたし学問や科学や人々の心に強く影響を与えることを知って少し恐怖を覚えた。それだけ学

問や科学は力を持っているということなので、これから私も学問的、科学的な知識を身に着けて

いきたい。

今回渡部先生の講義を受けて、種ということについて詳しく学ぶことができた。これまで私は勝

手に自分を人種であると思っていたが実はDNAによるヒトの系統樹からは人種という概念が成

立しないことを知り今までの自分は外見的な特徴だけで物事を捉えていたのだということを思

い知らされた。今回の講義を生かしこれから物事の内面的要素までしっかりと捉えていきたい。

優生学とユダヤ人大虐殺とは、まずはっきり区別して考えてください。

下線部「学問や科学や人々の心に強く影響を与える」の主語は何ですか?(いま)

下線部、なぜそう思っていたのですか? (わた)

今回の講義についてのコメント

今回のパネルディスカッションを聞いて、「パネルディスカッション」は「パネル」(画面)を

通して「ディスカッション」(討論)する(?)ことだということがわかりました。

また、先生方の質疑応答を聞いて、あるテーマでも、複数かつ多方面の視点が必要であること

がよくわかりました。特に、原発問題に関しては、電力の問題、安全性の問題、除染技術の的確

さの問題、マスコミを通した一般の人たちへの伝え方の問題等があり、できるだけ多くのことに

触れ、方向性を決めていかなければならないことが求められている。私たちは事実から逃げては

いけない。そのためにもこういったディスカッションの必要性、視野の拡大は必須であると僕は

考えます。以上です。

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また 1通、ずいぶん前の回についてのコメントが混入していました。(いま)

人種分類の科学的背景について学んだ。DNA によるヒトの系統樹からは「人種」という概念は

成立しないとのことだった。ヒトの遺伝的な差異は人種によらずほぼ 0.1%であるといった科学的

事実がある。DNA については当時わかっていなかったとはいえ、実験環境が整うなどの理由で差

別を進める政策に科学者が加担したことは悲しい過去である。

しかし今日もエセ科学は存在する。原発事故の影響についてよくわかっていない人々が被害地

区の人々を差別しているという問題はナチスの進めた差別に似ていると考える。どちらも対象に

なる人は見た目にふつうであるが、人種概念や化学物質への不安という見えないものによって差

別されているからだ。

見た目にばかり頼ることもできない。人種は肌や髪の色で判断される場合が多い。差別は可視、

不可視に関わらず存在する。きちんと自分で調べなければ、巷で流れていることを鵜呑みにして

差別する側になりかねないと感じた。

下線部のような例はたくさんあります。調べてみてください。(わた)

「きちんと自分で調べ」る習慣をつけて、賢明な市民に成長していってください。(いま)

(今井先生の講義について)

遺伝的に優れた人間を増やそうとする優生学という学問があり,優れた人間集団の維持,育成に

は必要不可欠だとされていたが,「優れた人間」というのは遺伝のみで決まるのではない。人間の

形質は遺伝のみならず,その人が育った環境にも関連する。つまり,いくら遺伝的に優れた人間

と判断されても,育った環境が劣悪であれば優れた形質を持っているとは言えないし,また逆も

同じである。人間を遺伝や見た目で優劣をつけるという考え方は正しいとは言えない。なぜなら,

偶然にも「優れているとされている見た目」を持って生まれた人間もいるからである。だから,

このように優れているとされている人間を集めた集団が本当に優れていたのかどうかはわからな

いし,むしろ劣っているとされた人間の方が良い集団を形成できたかもしれない。人間の見た目

には惹きつけられる部分もあるが,それ以上に内面を重視するべきだ。また,優劣をつけたとし

ても劣っているとされている人間に不利益なことを課すのはおかしい。なぜなら,優劣の前に人

間であることは確かで優れている人間に利益を与えるのは「優れているもの」を獲得するために

努力をしたから与えられるべきで,劣っているとされている人間は何も努力して劣っている人間

になったわけではないからである。

(渡部先生の講義について)

人為的に遺伝子を改変させた動物がいるということに関して,人間にとって利益があるのかもし

れない。しかし,遺伝子を改変された動物によって生態系に影響を与える可能性がある。①その

ようなことを考えるとわざわざ遺伝子を改変させる必要があるのかと考えてしまう。動物には自

然に生まれて,競争をし生き残るという体系があるのに遺伝子組み換えによってそれを壊す必要

などない。②もし研究のために必要なのであれば,生態系に影響がでないよう十分に考慮し行う

べきである。

あなたが書いていることは、そのとおりだと思います。最後の下線部は、文としてちょっとわかりにくいです。

下線部①、遺伝子組換え生物を作るメリットは何でしょう?メリットがないのにこのような実験を行ったりしません。調べ

てみてください。下線部②、アシロマ会議で最初に話し合われたように、遺伝子組換え生物の管理は厳重に行われていま

す。(わた)

今回の授業は2部構成なのでそれぞれにコメントをします。

「人種主義の擬似科学性と恣意性」

人種差別とは本来あってはならない概念であり、ましてやそこに科学を絡めてさも信憑性を高

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めることはなんとも痛ましいことだ。優生学といって、優れた人間集団を残すために劣性劣等形

質を排除し、優性優良な形質を保護・育成しようとする考えがある。

遺伝学や人体計測学、骨相学などで擬似科学的に人種の優秀性を定めて、遺伝的に病気だと判

断されると断種法などに基づき激しく差別を受けるのだ。

なぜこのような差別概念は出現したのだろうか。このような考え方は突如現れるものではんな

く時代の背景の流れによって断続的に続くと、社会学の授業で習ったが、ほんとうにそうなのだ

ろうか。

「人種とは。進化論と人種主義」

種とは生物分類学上の基本単位であり、種分化では地域が分断されることで生物に突然変異が

起こるとされている。

またダーウィンの進化論は生存競争・自然選択・適者生存により生物は変化した、という考え

であり、共通の祖先から進化して現在の多様な姿になったという。

ナチス政権下、科学者はナチスから「権力・研究員?・研究環境」を与えられ、またナチスは

科学者から「人種差別に対する正当性」を与えられるといった共生の関係にあった。

このように信頼されるはずの科学が人種差別というあってはならない概念に拍車をかけていた

とは実に科学の信憑性を疑う。つまり、「科学っぽい」からといって、なんでもかんでも情報に流

されてはいけないのだ。

差別を生むような考え方は、たしかに突然現れるものではないでしょうが、一定の背景の下、ある人々が意図的に急進

的に差別を煽るような主張をすると、急激に広まる場合もあります。(いま)

授業の内容が簡潔にまとめられ、自分の意見も書かれています。(わた)

資料の毎日新聞の1つ目の記事(1997 年 8 月 26 日発行)を読んでみました。現在では福祉サ

ービスが充実しているスウェーデンであるのに、数十年前には、6 万人もの人々に不妊手術を行

っていたことは驚愕でした。そんなスウェーデンも改心したのか、今では世界の模範となる福祉

政策を実施しています。しかし、福祉サービスは多大な費用を要するのにも関わらず税金を財源

とするために、その福祉事業を民営化しているといいます(新潮f45、6 月号)。

話がは戻りますが。以前は、遺伝子の研究もあまり進んでおらず、勝手に「劣等な人」、「優秀

な人」を選別していましたが、今後さらに遺伝子学が発達して正しい知識が発見・普及すれば、

新聞記事のような問題はなくなると考えます。

本当にそうであればよいのですが、知識が普及した今日では、個々人が「自由選択」の機会に直面する場面が増えて

きています。そういう新たな問題について、引続きこのセクションの講義などを通して考えていってください。(いま)

今井先生

優生政策について

現在国内の病院でも行われている精神病患者などの隔離や障碍者学校の設立は、障碍者に居場所

を提供する反面、彼らをその場所に集めて、他の健康な人間とかかわりを持たせないようにして

いる側面もあります。こうした場合、法律や政策によって遺伝的な病気を持った人たちから結婚、

出産などの自由を奪い、社会から「劣等形質」をなくそうとしていると言えますが、これが優生

学の考え方だと言われないのはどうしてでしょうか?

渡部先生

人種について

ナチスについては、政治が科学に干渉したというより、政治が科学を利用したという感じが強い

のではないでしょうか。いくらナチスが進化論を人種政策に使おうとしたところで、人類の分類

という認識が広くいきわたってなければ、うまく利用できなかったでしょう。また、ダーウィン

の進化論における適者生存は種の優劣を意味してはおらず、これを「人種には優劣がある」優生

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政策に利用されたとしても、進化論自体は人種主義に加担したとは言い難いです。

日本でも長い間、精神病患者は隔離、それも長期にわたって隔離されるということが、広く行われてきましたが、最近は

医学的にも、なるべく長期入院を避ける方向で、より多様な対応が試みられるようになってきています。「他の健康な」人た

ちとも交流できるような「居場所」がそこここに増えるよう、社会の理解が問われるところでしょう。障がい者学校についても

同様で、修学上の配慮から若い時分の一時期を、似たような状態にある人たちとともに学ぶという趣旨でしょうけども、卒

業後のことについては、同様だと思います。「健康」「不健康」にかかわらず、他の多様な人たちと関わり、何らかの意味で

社会に貢献しながら自己実現を図れるような「居場所」を見出していく。あるいはその確保に向けて社会がサポートする。

そういうような意味では君たちや私たちも,つまり皆同じではないでしょうか。(いま)

ナチスが利用したのはダーウィンが提唱した進化論ではなく、それを人間社会に応用したスペンサーの「社会ダーウィ

ン主義」です。(わた)

今回の授業では、前回に続きナチスの行動についてだけではなく、人種分類の科学的背景も学

習することができました。

ナチスの人種主義について前の授業以上に詳しく知ることができました。そして初めて優性優生

政策のことについても学びました。日本では、三十五歳以上の女性が妊娠した場合高齢出産とい

うことで、胎児がダウン症ではないかを調べる羊水検査を推奨しているということはどこかの本

(どんな本かは忘れてしまいました、すいません)で読んで知っていたのですが、それがある意

味優性優生学の影響があって行っているということは初めて知り、頭の片隅にあったちょっとし

た知識が講義と意外なところでつながって驚きました。この羊水検査ですが、日本の場合本人の

意思で断ることができますが、中国の場合は義務付けられているそうです。しかも異常があった

時には日本人と違い迷わず堕胎するらしいです。[羊水検査‐Wikipediaより]これも一種

の断種法なのでしょうか。

人種分類の科学的背景の講義では、高校時代生物を学んでいた自分的にはとても面白い話だっ

た。生物の資料集でドブラ(ロバとシマウマの交配によって生まれた)を見たことがあったのです

が、そのときは「なぜこの品種が繁栄したりしないのだろうか」と疑問に思っていました。です

が、今回の授業で「種」について学び、別種であるため生殖能力がないということを知ることが

でき、今までの疑問が解消されました。また後半のほうでは、ナチス政権と科学者の話が出てき

て、全然つながっていない話題をしていると思っていたので、ここで話が繋がるのか、と納得し

ました。それでは、次回の講義もよろしくお願いします。

日本でも、出生前診断で胎児の異常がわかったことを理由にした中絶が 2005-09年の5年間で少なくとも 6,000件と推

定され、この数字は 1995-99 年の期間より倍増していることがわかった、という記事が今年の4月5日に報じられていま

す。1985-89 年には 1,000 件未満でした。つまり生殖医療技術の発展に伴い、個々人が「自由選択」の機会に直面する場

面が増えてきています。そういう新たな問題について、引続きこのセクションの講義などを通して考えていってください。(い

ま)

ドブラ、知りませんでした。インターネットで調べましたが、かわいいですね。(わた)

今井

今回の授業テーマであった優生学による優生政策は非常に難しい話です。なぜなら、それを否

定しきれないからです。この当時の国家の考えをまとめると社会福祉を充実させたいが、お金が

足りない。だからお金のかかる人々を増やさないようにしました。この考え方はとても筋道が通

っています。福祉を重んじれば重んじるほどにお金の問題は大きな課題になってきます。そのた

めに手っ取り早かったのが断種法の施行でした。ただし、これはあまりにも非人道的です。本人

の人権を無視したり、誤診によって手術が行われたり、対象とするを規定する基準がかなり杜撰

なものだったりと内容としては最悪でした。さらにこれが政治的思想と深く関連を持つようにな

り初志とは異なった施行例(ナチ・ドイツ等)も多々あります。つまり、この優生政策は考え方

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は納得できるが、その行い方が非常によくなかった。だから全面的に優生学そのものが悪だとは

私は思いません。

その後の渡部先生の講義によって、福祉予算軽減のための施策として断種はほぼ無効であることを理解してもらえた

なら幸いです。ただ、あなたが指摘するように、財政状況と福祉施策の優先順位および福祉の受給者の選別という論点

は、今日的にもきわめて大きな問題点であることはたしかですね。(いま)

重要な点がわかりやすく素晴らしい授業です。今後の授業全てをあなたに行っていただきたいぐ

らいです。参考資料はとても興味深くかなりその内容について考えさせられるものでした。

ありがとうございます。しかし、あたしはスーパーマンではありませんし、「人種」「優生学」「生殖技術」セクションでは各

担当者の専門性を生かしながら、よい連携ができつつあると思っていますが。我々の役割として何より重要なことは、皆さ

んの知的好奇心や問題意識を刺激して、考察を深めてもらうためのきっかけ・素材を提供することだと思っています。(い

ま)

渡部

政治と科学は常に互いに干渉しあう。これはいつの時代もそうではないでしょうか。科学者は

研究をよりよい環境で行うために国を頼り、国はその成果で国力を増強しようとする。国家にな

とって脅威になる場合は、それを抑制や禁止にしたりしようとする。このような関係は戦争や権

威の誇示、民の煽動といった場面で紀元前よりよく見受けられます。この二つは持ちつ持たれつ

な関係だと私は考えます。

パワーポインタの文字が大事なところがカラフルになっていたので見やすかったです。次回の講

義を楽しみにしています。

下線部、持ちつ持たれつという関係だけでは、かつての忌まわしい歴史が繰り返します。科学が政治から完全に独立

することは現実的には不可能ですが、政治からの干渉を排除できるシステムは必要でしょう。(わた)

ナチ・ドイツによる優生政策で当時の人たちがどのくらい苦しんでいたのかを考えさせられまし

た。生物分類の定義をほとんど知らなかったので少し知れてよかったです。

Too Short!! (わた) ほんまに。(いま)

渡部教授の講義について

今日の講義では、政治が科学に干渉した例として病原性鳥インフルエンザウイルスの研究論文に

対するアメリカ正負政府の干渉が挙げられた。そこで私が考えたのは、昨年に起こった東日本大

震災に伴って発声発生した原子力発電所事故も政治が科学に干渉した例ではないかと考えた。事

故が起きた時には、最終決定権は東電にあったものの、政府関係者が東電に指示をしていたこと

は分かっている。この事故の責任は一体誰にあるのか?私は政府の想定の甘さに責任はあると思

う。したがって、私は政治が科学に干渉している例として、原発事故もあるのでは?と考えた。

http://webronza.asahi.com/synodos/2011050200001.html

同感です。朝日新聞に連載中の「プロメテウスの罠」にも詳しく述べられています。(わた)

政治の科学への干渉という視点も重要ですが、原子力発電の普及と安全性軽視については、1950 年代から、政治家・

行政府・産業界・学者の強固な連携によって進行してきたという歴史的・構造的考察も必要でしょう。(いま)

今井教授の講義について

1920~1930年代のドイツでは人種衛生学が最先端の科学と見なされていたことに驚くと同時に、

時代背景が反映されていると感じた。人種差別解消に向かっている現代の状況は、過去の失敗が

活かされつつあるのだろう。個々の存在を尊重している日本の憲法が理想形であるとも感じた。

下線部、ここにいう「時代背景」を君はどのように理解していますか? 自分なりに説明できますか?

また、個人の不可侵の尊厳の尊重は、今日のほとんどの国の憲法に謳われていますが、そういうなかなおなくならない

差別の問題をどのように考えていったらよいでしょう?(いま)

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香川(??)先生:

前回の続きのところでは、今回も自分の知らないことを多く学ぶことができよかった。今回の授

業で、優生学のところでは、ナチスの時代では、ドイツ民族は最も優秀であり、「健康」であり続

けなければならないといわれていたことを初めて知った。また、断種法では、遺伝的病気を持つ

かどうかとても重要であるかが、それしだいで結婚など多くのことにかかわってくるとは、知ら

なかった。

渡部先生:

人種分類の科学について学んだ。この授業はとても生物っぽくて、初めからわからないことばか

りであったが遺伝子の仕組みや、ダーウィンの述べた進化論生物?は「生存競争」「自然選択」「適

者生存」により変化した生物は共通な祖先から進化して現在の多様な姿になったなど興味深いこ

とも多く知ることができた。授業の反省では(?)特になくスピードもちょうどよかって聞きやすか

ったのでよかった。

いろいろなことを知ったうえで、どのように考えましたか?(いま)

文章が読みにくいです。読点や助詞の使い方を考えてください。(わた)

今井先生の講義について考えたこと:

ドイツの優生政策の歴史について学んだが、これに似たことはほかの国にも当てはまるのでは

ないでしょうか。 たとえば、家柄について考えると、貴族の名門の家系はそれら同士で結婚する

し、大地主の家は同じ大地主の家と結婚する。まさか貴族と農民が結婚することはめったになか

ったでしょう。これは現在でも同じで家柄を気にする家系は、どこの馬の骨かわからない家系と

は結婚したがらない。きっとこれも優秀のな子孫を残すために行なっていたことだ。こんなこと

を国を挙げてしかも断種法まで作っていたのはあの時代においてドイツの状況や財政を考えれば

ひどいことだけど、驚くほどのことでもないと考えました。

渡部先生の講義について考えたこと:

ダーウィンの進化論と人種主義との関わりについて学んだ。ダーウィンの進化論が都合にいい

ように強者の弱者に対する搾取を弁護するするための理論として使われ利用されたのはとても政

治と科学の合体は恐ろしいことを引き起こしてしまうと思った。

身分制社会において「名門家系」同士が婚を通じて自らの地位を強化しようとするのと、優生学にいう「優秀な」遺伝形

質をより多く残そうという話とは、同列に扱うわけにはいかないでしょう。優生学者と一口にいってもその意見は多様です

が、20 世紀前半ドイツのある有力な優生学者は、屈強な労働者が貧しさゆえに結婚もできず、若くして消耗しきってしまう

のに対し、資本家・資産家の息子は虚弱であってもぬくぬくと生き延び、虚弱な子をなしている、というので資本主義経済

社会を厳しく批判する人もいました。(いま)

文章が読みにくいです。読点や助詞の使い方を考えてください。(わた) 同感。自分の書いたものをよく見直して、整理

するように。(いま)

断種法についてだがそれが倫理的に許されるかどうかはともかく、悪い遺伝子を子孫に残さない

ために悪い遺伝子を持っている人に不妊手術を行うという発想は理解できるが、同性愛者に対す

る去勢手術というのはどうにも納得がいかない。同性愛が遺伝によるものだと考えていたにして

も普通同性愛者が子孫を残すことはないだろうし、不妊手術はするだけ無駄だと思うのだが……。

断種法は抑制的優生政策というだけでなく、健康でない人間から人間としての尊厳を奪うという

側面もあったのではないだろうか。

生物は共通の祖先から進化して現在の多様な姿になったというダーウィンの進化論から多様性を

否定する社会ダーウィン主義が生まれたのは滑稽だなと感じた。

今回、今井先生のプリントを取った後に渡部先生のプリントが入り口付近に置かれたようで、そ

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れを取り忘れてしまった。クリッカーは後から来た人が持っていたので気づいたがプリントの枚

数が一枚多いことには気づけなかった。私の注意力がないのは認めるが一言声掛けをしてもらえ

ると助かる。

その後の渡部先生の講義を通して、不妊手術をいくら行っても、「悪い遺伝子を子孫に残さない」ことにはならないという

ことを理解してもらえたなら幸いです。君が書いている通り「人間としての尊厳を奪うという」側面がきわめて大きかったと

言えましょう。(いま)

下線部、まったくその通りですね。(わた)

・今井先生の講義へのコメント

欧米諸国の人種主義は外に向けた政策だけではなかった。例えば、ナチスドイツは骨相学を用い

てアーリア人種の優秀性を証明しようとした。しかし、骨相学は科学技術的には未熟だったため、

「ニュルンベルク人種法」においては祖父母がユダヤ教徒共同体に所属していたかどうかで判断

された。もし、当時にDNA鑑定のような科学技術が存在すれば、さらに多くのユダヤ人と判定

される人々がいたはずである。なぜなら、その鑑定があっているかにかかわらず、でっちあげた

証拠をもとにユダヤ人であると判定されるからである。

・渡辺部先生の講義へのコメント

ナチス政権下において科学者は、研究費等を得るかわりに人種差別を正当化する根拠をあたえて

いた。このように政府や権力と科学者が密接に結びつくと科学が社会的には間違った方向へと進

む危険性がある。では、現在はこのような事態が起きることはないのだろうか。研究者は、研究

をするために政府や企業から研究費をもらわなければいけない。したがって、政府や企業の意図

をうけた方向に研究を進めていく危険性がある。しかし、アシロマ会議のように研究者達自ら研

究を規制した事例もある。つまり、研究者たちが研究の成果を追い求めるだけではなく、社会的

に適切かどうか判断することも重要であると言える。

私が今回、「外」に向けた人種主義政策といったのは、他の「人種」ないし民族をターゲットとした政策のことでした。した

がって、骨相学や「ニュルンベルク人種法」の規定は、その「外」に向けた政策の根拠とされたことになります。(いま)

下線部、同感です。(わた)

1.授業内容を受けて考えたこと

A.今井先生の授業

法的に定められた優生政策が、ドイツに限らず、世界各国で定められていた事に驚いた。又、

日本の「らい予防法」に関連する各政策は、改めて考えれば、プリントで指摘されている通り、

これも又、強制的な断種を強いていたのだと気づき、これまでよりも断種政策をより身近な問題

として認識するに至った。

そ し て 上 述 の 内 容 を 考 え る に あ た っ て 、「 ら い 予 防 法 」 の 条 文 を 読 ん だ

(http://law.leh.kagoshima-u.ac.jp/STAFF/uneme/ls28.htm)。精読まではできていないが、ざっく

りと条文を読んだとき、果たしてなるほどこれはハンセン病患者の諸権利をみだらに害する物だ

とは、法律成立当時のハンセン病に関する状況を勘案すれば、安易に断じる事がしづらいのでは

ないか、と考えた(勿論、これまでに指摘されている通り、ハンセン病について正確な知識が得ら

れてからもこの法律が存在していた点は問題であるが)。日本国憲法制定後に成立しただけあって、

患者やその家族への補償も行われ、公衆衛生等への配慮もされており、尚且つ、当時のハンセン

病の状況に即した対策を採れているように思われる。

話を本題のナチ・ドイツの「遺伝病を持つ子孫を予防するための法律(断種法)」に戻すと、残念

ながらドイツの法文法律の条文を読む力も無く、和訳された同法も見つけ出す事は叶わなかった。

しかしながら、プリント資料や文献等を参照すると、少なくとも、きちっと法律として成立した

物が根拠として、断種政策が行われていたようだ。

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しかしながら、両者とも運用の段階で、かなり問題点を孕んでいた。「らい予防法」に関しては、

多くの本や元ハンセン病患者が語るように、外出許可など降りた事がなかったようだ。「遺伝病を

持つ子孫を予防するための法律」も、ナチ体制にとって好ましくない人間まで断種の対象として

診断していた。

つまり、いくら法の下で動いていても、それが必ずしも正しいとは全く限らないわけである(こ

れはこの問題に限らず、多くの事例に当てはまる事だが)。であればやはり、我々主権者である国

民が、国の行動に対して、常に意識を持って見る必要があるのではないかと考えた(ありきたりの

結論であるが)。

B.渡部先生の授業

界・門・網・目・科・属・種の分別を初めて詳しく知った。特に、恥ずかしながら種の分別方

は初めて知る事であった(流石に頭の問題は正解したが)。

生物分類的見地から見ても、やはり「人種」というものの曖昧さを知ることができた。

しかしながら、未だ一部では創造説が信じられているのは、やはり信じられない。アメリカの

熱心なキリスト教徒を中心として創造説が厚く信じられているのは知っていたが、今回の授業を

受けて、より何故創造説がそこまで信じられているのかが理解し難くなった。勿論、信仰からく

るのだろうが、その心内を知りたく思う。

自分で法律の条文に目を通して考察している点は評価できます。(いま)

下線部、私にも理解しがたいです。(わた)

<コメント1>

今回の授業で、優生学という学問を初めて知った。第二次世界大戦後も、優生学の考え方は、

「民族衛生」や「絶滅政策」などのナチスによる行為と結びつけて考えられていた。また、日本

でもハンセン病患者に対する強制隔離政策も、この考え方にもとづいているのだと分かった。こ

のような優生学のような人種改良の考え方は、古代ギリシアの時代から存在していた。その中で

もプラトンは、人間の生殖活動は国家によって管理されるべきだと考えていた。このような人種

改良の考え方は、20世紀まで存在していたということを知った。

<コメント2>

ミトコンドリア DNA によるヒトの系統樹の部分で、人は白人、黒人、黄色人種という分類で

はなく、①アジアやオセアニアなど、4系統にわかれるのだと知った。 また、社会ダーウィン主

義のところで、ダーウィンが提唱した進化論の「自然淘汰」、「生存競争」、「適者生存」という考

え方が、帝国主義の植民地支配や、奴隷制度などを正当化させる考えとして利用されたとあった

が、調べてみると ダーウィン自身は人種間の差異は小さいとし、奴隷制度や植民地住民たちの差

別については反対していたのだということも分かった。 また、日本において人種についてのはじ

めての学説は、福沢諭吉の『掌中万国一覧』で提唱されており、先に述べた地域による分け方の

他に、皮膚の色によって 人種をわけている説もあった。しかし、皮膚の色による分類の遺伝子学

的な根拠はなく、②人種はどのようにわけられるのか、まだ確立されてはいない。③人種に対す

る誤った認識もあり、「民族」と混同しないように気をつけなければならない。

あなたが上に書いているようなことを知ったうえで、どのように考えますか?(いま)

下線部①、4 系統に分かれるのですが、その系統がアジア、オセアニアなどに対応しているわけではありません。下線

部②、少なくとも生物学的には「人種」という分類ができない、ということが授業の趣旨です。下線部③、「人種」と「民族」は

異なる概念です。(わた)

今井教授の授業を受けて。

西洋学(?)の考え方は私たちが今考える方針と違っていると感じました。人種の優劣を考えること

は普段はないので、そのような考えをしていることに驚き、今の考えでは差別になるのではない

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か、と考えてしまいました。

ナチスにとってドイツ民族は、最も優秀で支配的地位にあるべき「アーリア人種」に属するが、

自ら「健康」でなければならず、ドイツ人でも、子孫に悪い影響をもたらすもの、ナチズムの基

準に合わないものは排除されねばならぬ、という考えに驚きました。私は今まで学習してきた道

徳教育から、同じ民族のなかで排除しあう考えを理解することができませんでした。

渡部教授の授業を受けて。

カエルでも種類が違えば子供ができないことを知ることができました。私は犬を飼っていたの

で、雑種やミックス犬などが居ることを知っていたので、またそれとは違い種が違うことによっ

てこのような結果になるのを知ることができました。

また、ダーウィンという人物の名前は聞いたことがあったのですが、どのようなことをした人

物なのかは知りませんでした。生物の仕組みを初めて科学的に理論づけたということを今回初め

て知りました。生物は共通の祖先から進化して現在の多様な姿になったと今では普通に考えられ

ていますが、その当時このように非難されてもこのように考えるのはすごいと感じました。

残念ながら日本を含めて今日の社会にも、障がい、ジェンダー、貧困などをめぐる排除や差別の問題がたくさんありま

すが、そういうことについて見聞きすることはないでしょうか?(いま)

「それ」、「この」が多すぎます。もう少し具体的に書きましょう。(わた)

高校生の時に生物を勉強していなくて遺伝の内容が全くわからなかったので、遺伝について勉強

しようと思いました。以前、世界史の授業で断種について少し勉強したけど、ナチ・ドイツの断

種法では本人や家族の意思を無視して断種を決定されるしていたのは知らなかったので驚きまし

た。

最近では、DNA 鑑定など一人の人物を確定できるまでになっているけど、正直何が DNA で何が

わかれば一致させることができるのかわからないので、調べて理解したいです。

下線部、アメリカの大学では「生物学」がすべての学生に必須になったところもあります。また現代の日本の社会でも、

遺伝子とか DNAについてのある程度の知識は常識になっています。頑張って勉強してください。(わた)

今井先生の授業について

前半のビデオを見て、文章だけでは伝わりにくいナチスの行った政策の残酷さが伝わった。資

料の「劣等分子の重荷」にあるように、ナチスは学校教育に巧妙にユダヤ人差別の意識をすりこ

ませたのだとわかった。素朴ではあるが、今もドイツにはユダヤ人差別の考えは残っているのだ

ろうかという疑問が浮かんだ。

渡辺部先生の授業について

科学者はナチスから権力・研究費・研究環境を得て、ナチスは科学者から人種差別に対する正

当性を得たということだが、そのような「政治」と「科学」の共生がおこると、人種が劣ってい

るとされて実際に被害にあっていた人々はどうしようもなかったのではないだろうか。当時の有

力者の偏った考えのせいで、世間もゆがめられていたように考えられる。

残念ながら、ドイツに限らず世界中に人種差別や外国人差別は根強く存在します。(いま)

人種差別の原因は、科学と政治の共生だけではありません。今井先生の授業を HPで復習しましょう。(わた)

今井先生の授業について

今回もなかなかえぐい部分の授業でした。人間というのは恐ろしいもので、妄信的になると何

を始めるかわからないなと感じました。優れた人だけを残していこうとする優生政策。そのため

に、たとえばスウェーデンでは35~76年まで6万人に強制不妊手術が施されていたというで

はありませんか。

実際には優生学の観点からだけでなく、社会保障などの経済的理由からも劣った人を排除しよう

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としていたらしいですがこのような行為がまかり通る国家が出てきてしまうような社会情勢にな

らないようにするのがまず第一だと思いました。

渡部先生の授業について

優生学の基本ともなる「人種分類」についてでした。DNA によるヒトの系統樹からは、「人種」

という概念が成立しないことがわかり、根底から覆されたように感じました。それと同時に、ナ

チスをはじめとする世界中の人種差別は本当に根拠も意味もないものだと再確認しました。当時

の社会情勢を考えるとマインドコントロールされるのも無理もない話かもしれませんが、むごい

ことが行われてきた歴史を繰り返すことのないようにまずは自分から広い視野を身につけていき

たいです。 お二人のリレー方式で授業が進みましたが、テンポよく、つなぎも滑らかだったの

で、とても受けやすい授業でした。ありがとうございました。

下線部「このような行為がまかり通る国家が出てきてしまうような社会情勢にならないようにする」ためにどういうことが必

要だと考えますか?(いま)

下線部のように言っていただけると素直に嬉しいです。今井先生とはいろいろ打ち合わせをして、授業の内容のすりあわ

せを行ってきました。(わた) 同感です。ありやとやした。ところで、「優生学の基本」と「人種分類」とは、もともとは全く別

のことでした。(いま)

人間の劣っている種類を除外することは優秀な人間を多く残すことはに繋がる。しかし、考え方

が極端すぎる。教育の強化をはかるなどの考えはなかったのか。

人が DNA でできているとは常識のように皆考えているが、実際そう理解される前では想像もつ

かぬことだったのだろう。DNA をつかうなら医療の進歩を無限に進めることも可能かもしれない。

その後の渡部先生の講義を通して劣っている種類を除外することは優秀な人間を多く残すことは繋がる」とは言えない

ことを理解してもらえたでしょうか?(いま)

下線部、間違っています。何が間違っているかわかりますか?(わた)

今井先生の授業について

第二次大戦前~戦中の世界(とりわけドイツ)においてはユダヤ人を排除することは国を発展さ

せる方法として間違いとされてはいなかったということを学びました。前回も書いたことですが、

やはり、ヒトラーのカリスマ性というか、リーダーシップには関心感心せざるえません。特定の

敵を作りそれを攻撃することで国民を団結させ、一方では支配地位にあるべき人種としての態度

を身に着けさせる。これほどの技量があったのだから発展の方法と方向を誤りさえしなければよ

い指導者になったのでしょう。べつにヒトラーを賛美するわけでも一党独裁がいいというわけで

もないですが。

また、いまの日本において(悪い点においても、リーダーシップがあるという良い点においても)

似たような傾向がある人物として大阪市長の橋下氏が挙げられるのではないでしょうか。特に突

拍子のないことをいっているわけでもなく、現実を見て相応の正論で政策を語り、また、ヒトラ

ーのように変に倫理観がゆがんでいるというわけでもなさそうなので、僕自身はおおむね橋下さ

んの支持者ですが、「これはちょっと・・・」となるようなことがいくつかありました。しかし、

ネット上やマスコミなどでは好意的に取り上げられていることもあり、自分の考えとのギャップ

を感じたことがあります。授業中に見た DVD で世間とのギャップを感じたという老人の話が出

てきましたが、似たようなものなのでしょうか。

自分の考えがおかしいのなら修正したいのですが、そうでもないのなら雰囲気に流されないよう

にしつつ、冷静に物事を見られるようにしたいです。

渡部先生の授業について

僕は生物をとっていなかったので、生物分類の階級や DNA の系統樹の話などちょっとした雑学

的な側面もあり聞いていて楽しかったです。

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科学者が研究を自主規制した例としてアシロマ会議というのが挙げられていましたが、僕も BS

世界のドキュメンタリーで、原爆を開発したオッペンハイマーが広島・長崎の惨状をみて反核主

義になり、水爆の開発にも反対したというのを見たことがあります。

この授業のイントロダクションでも、①科学はそれ自体の善悪を判断できないという話がありま

したが、純粋に世界のことを探求する科学者でも研究するからにはその行為に責任もたなければ

ならないということでしょうか?

しかし、その責任のせいで科学者が良心の呵責に悩まされ研究をやめてしまうようでは科学の発

展が阻害されてしまいませんか?科学それ自体は良くも悪くもなく、問題は使う側だということ

を忘れてはならないでしょう。

②科学者自身が予防線を張ってしまい、科学の探求が停滞してしまうのは仕方のないことなので

しょうか?

橋下であれ誰であれ、指導層のことは「雰囲気に流されないようにしつつ、冷静に」ウォッチしていきましょう。(いま)

下線部①、現在では科学者も自分の研究に対する社会的な責任を考えなければなりません。下線部②は難しい考えで

すが、実際には科学者が予防線を張る例(アシロマ会議のように)はあまりなく、研究を計画した段階で社会から厳しい監

視を受けるのが現実です。例えば「遺伝子組換え作物」、「体細胞クローンの研究」、「生殖補助技術」などは、社会からの

監視と理解を得ながら研究が進んでいます。(わた)

→渡辺部先生

ダーウィンの考えた進化論は画期的な発見であった。そもそも、生き物というのはすべて神によ

って創造されたと考えられていた。それが進化の過程で多様な生物が誕生したとするダーウィン

の発見は大きな衝撃を与えた(ソフィーの世界)。しかし、それがナチスによる大量虐殺の契機と

なってしまった。それはスペンサーによるダーウィン進化論の人間社会への適応を、ナチスにう

まく利用されてしまったから起こったのだ。では、その社会ダーウィン主義は本質的に間違って

いるであろうか。たとえばスポーツについて考えてみる。サッカーは1チーム11人、バスケッ

トなら1チーム5人と出場できる人は限られている。その枠に入るべく、部員は切磋琢磨しなが

ら練習に励み、仲間との絆や精神力を養うことができる。これは社会ダーウィン主義発想である。

なぜなら、練習することでスタメンへの生き残りをかけ、その中で残念ながら実力がともなわな

かったものが自然淘汰されベンチに座る。そのおかげでチームはよいパフォーマンスをすること

ができる。つまり、社会ダーウィン主義とは適応適用の仕方を考えれば社会に競争を生み、生産

性を高めているといえる。ただ、人種差別などに利用されてしまうと非常にマイナスに作用しか

ねない。どういう風に社会ダーウィン主義がこの世の中で働いているのか、またそれは正負どち

らの効果を生み出しているのかを意識するといい。

「社会ダーウィン主義」を誤解しています。ダーウィンの提唱した進化論を、人間社会や社会構造に適用しようとしたの

が「社会ダーウィン主義」です。↑で述べられているのは、ダーウィン進化論の「生存競争」や「適者生存」をスポーツに適

用した、いわば「スポーツダーウィン主義」です。(わた)

参考資料:ソフィーの世界

→今井先生

ナチスドイツにおいて、優生学が大きな影響を与えた。彼らは社会の未来のために優秀な遺伝子

は残し、劣等な遺伝子は取り除くべきだとした。彼らはこの考え方を基本とし、断種、つまり劣

等とされた人々の遺伝子が次の世代にその人々の遺伝子が伝わらないようにする手術を、断種法

のが成立がすると30万に及ぶ人々に行った。私がここで疑問に感じるのは、当時のドイツは自

然淘汰によって優良な遺伝子だけが残るのだから、それは自然淘汰であり全く問題ないとしてい

ることに対してである。つまり、ここでは全くその時点での弱者に対して全く配慮がなされてい

ないのだ。弱者に対して社会が配慮しなくてはならないということはルソーなども言っている。

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人種主義はそれまで作り上げてきた思想をも凌駕するほどの非常に巨大な力を持ち合わせていた

ことがうかがえる。しかし、道徳的にまちがっているものもいずれは消えていく。ナチスはもち

ろん。オウム真理教やリビアのカダフィー政権崩壊などがそれを物語っている。いくら間違った

方向に進んでも、なんとか道徳的な方向に軌道修正をすることができることが本当の人類の進化

なのかもしれない。

参考資料:ソフィーの世界(NHK出版)

まずは、今井先生の授業についてです。授業以外にも資料などを拝見させていただきました。そ

こには、身体機能または精神機能に障害をもつだけで断種させられた人々の話が載っていました。

断種するということは、子供を授かる権利を放棄するということだ。それを本人の同意無しに強

制したり、無理矢理同意させたりすることなどあってはならない話であり、人権侵害である。さ

らに日本では、ハンセン病患者などを伝染する確率は非常に低いことが科学的に証明されている

にも関わらず、ごく最近まで彼らを強制隔離してきたのだ。そして、彼らにも断種を強要した。

そのことは、非常に彼らを苦しめてきた。そんな記事を読んでいると怒りさえ覚えました。しか

し、これはあくまで他人のことであり、自分とは関係ないところで起きていることだからこそ、

そんなことを思えるのでしょう。もし、自分が彼らの前に立たされたとき、自分はそんな差別を

しないということを断言することはできません。やはり、自分とは一見異質な身体をもつ人を見

たとき、中身は同じ人間であると理解していても自分は身じろぎひとつせず堂々としていられる

とはいられ言え(?)ないでしょう。本当に人種や障害者差別をなくしたいのであれば、私のように

自覚していない差別心をもつ人々にそのことを自覚させることが必要だ。月並みな言葉ではある

が、心のバリアフリー化を目指していかなければならない。本当に大切なのは、残虐なニュース

を見て心を痛ませることではない。自分がその状況に立たされた時、どのようにしてその問題を

解決するかを常に考えていることだ。

次に、渡部先生の授業についてです。

人種というのはやはり、科学的根拠のない思想であると再認識しました。そして、人種差別が起

きてしまうのは、白人の黒人や我々有色人種に対する理由なき優越感や、其々の国の歴史的背景

などが根本的な原因となる。そもそも、現在の世界は戦後に白人が主体となって世界を構築した

ため白人にとって有利な構造となっている。安保理などがいい例だ。それゆえに、この根の深い

問題を解決するには、まずは白人有利となっているこの世界を再構築し、人種という言葉が存在

しない、真にグローバル社会を実現しなければならない。現在、世界は世界恐慌やユーロ危機な

どで混乱期にある。世界を変えるなら今しかないだろう。

文章は敬体か常体かで統一しましょう。あなたが書いていることは、そのとおりだと思います。引き続きご健闘を。ただし

現在の世界経済の状態を「世界恐慌」とまでは、まだ言えないでしょう。(いま)

非常に明快に自分の主張が展開されていて、説得力のある文章になっています。ところで下線部に関して、何か具体

的なアイデアはありますか?(わた)