第1 章 先天性筋ジストロフィー(乳児~小児筋ジストロフィーの … ·...

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4 1 章 先天性筋ジストロフィー(乳児~小児筋ジストロフィーの病型診断を念頭に) 1-1. はじめに 先天性筋ジストロフィー(Congenital muscular dystrophyCMD)は,典型的には乳 児期早期から認める筋緊張低下(フロッピーインファント),運動発達遅滞,進行性筋力低 下を特徴とする遺伝性筋疾患である。病型や重症度によっては,乳児期ではなく,幼児期 から小児期にかけて,運動発達遅滞,筋力低下等から診断に至るものもある。欧米のガイ ドラインでは,「出生時に発症する稀な筋ジストロフィー。先天性ミオパチーと病理的に明 確に区別される。発症年齢は一般的に 2 歳未満,通常は 1 歳未満」とするものや,「早期発 症の筋疾患で,筋病理がジストロフィー変化を示し,他の神経筋疾患の組織学的特徴を伴 わない」とされているが 1)2) ,実際には病理上,ジストロフィー変化がないものもあれば, RYR1 SEPN1 遺伝子のように,CMD と先天性ミオパチーをまたぐ臨床スペクトラムを 示すものもある。下記に記すように,原因遺伝子とその遺伝子産物の機能によって,CMD は分類されるが,欧米と本邦とではその発症頻度が大きく異なる。欧米ではコラーゲン VI 関連ジストロフィー(ウルリッヒ型 CMD,ベスレムミオパチー),メロシン欠損型 CMDα-ジストログリカノパチーの順に多いが,本邦では α-ジストログリカノパチーの一つであ る福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama congenital muscular dystrophyFCMDの頻度が圧倒的に高く,続いてウルリッヒ型 CMD であり,メロシン欠損型 CMD は非常に 稀である。 この手引きの作成にあたり,小児慢性特定疾病の対象である FCMD,メロシン欠損型 CMD,ウルリッヒ型 CMD の主要な 3 つの CMD 3) に焦点をあて,病態,診断に関して詳細 に記した。メロシン欠損型 CMD やウルリッヒ型 CMD はまだ一般に浸透しておらず,特に ウルリッヒ型 CMD は未診断例が多く存在すると推測されるため,疾患啓発を行うことを企 図した。また,FCMD は本邦で頻度が高い病型であり,遺伝学的検査も保険適用とされて いるが,いまだに筋生検が行われている例も少なからずあり,その適切な診断手順を普及 させることも目標とした。 この手引きでは,CMD において最も多い主徴である,筋緊張低下,運動発達遅滞から, CMD への診断手順をフローチャートにして示している(図 1-1)。このフローチャート は,①不要な筋生検を避けるため,i) CMD と誤診されやすい中枢性筋緊張低下や脊髄性 筋萎縮症(spinal muscular atrophySMA)を鑑別し,ii) 遺伝学的検査にて診断可能な 疾患である先天性筋強直性ジストロフィーと FCMD を適切な手順で診断すること,②治 療可 能な疾患であるポンペ病を見逃さないことを目的として作成した。 1-2. 疾患概念 CMD は典型的には出生時,または乳児期早期から認める筋緊張低下(フロッピーインフ ァント),運動発達遅滞,進行性筋力低下を特徴とする遺伝性筋疾患であるが,臨床的,遺 伝学的かつ生化学的にも不均一である 1)2) 。筋病理所見は何らかの筋原性変化は示すが,必

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    第 1 章 先天性筋ジストロフィー(乳児~小児筋ジストロフィーの病型診断を念頭に)

    1-1. はじめに

    先天性筋ジストロフィー(Congenital muscular dystrophy,CMD)は,典型的には乳

    児期早期から認める筋緊張低下(フロッピーインファント),運動発達遅滞,進行性筋力低

    下を特徴とする遺伝性筋疾患である。病型や重症度によっては,乳児期ではなく,幼児期

    から小児期にかけて,運動発達遅滞,筋力低下等から診断に至るものもある。欧米のガイ

    ドラインでは,「出生時に発症する稀な筋ジストロフィー。先天性ミオパチーと病理的に明

    確に区別される。発症年齢は一般的に 2 歳未満,通常は 1 歳未満」とするものや,「早期発

    症の筋疾患で,筋病理がジストロフィー変化を示し,他の神経筋疾患の組織学的特徴を伴

    わない」とされているが 1)2),実際には病理上,ジストロフィー変化がないものもあれば,

    RYR1 や SEPN1 遺伝子のように,CMD と先天性ミオパチーをまたぐ臨床スペクトラムを

    示すものもある。下記に記すように,原因遺伝子とその遺伝子産物の機能によって,CMD

    は分類されるが,欧米と本邦とではその発症頻度が大きく異なる。欧米ではコラーゲン VI

    関連ジストロフィー(ウルリッヒ型 CMD,ベスレムミオパチー),メロシン欠損型 CMD,

    α-ジストログリカノパチーの順に多いが,本邦では α-ジストログリカノパチーの一つであ

    る福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama congenital muscular dystrophy,FCMD)

    の頻度が圧倒的に高く,続いてウルリッヒ型 CMD であり,メロシン欠損型 CMD は非常に

    稀である。

    この手引きの作成にあたり,小児慢性特定疾病の対象である FCMD,メロシン欠損型

    CMD,ウルリッヒ型 CMD の主要な 3 つの CMD3)に焦点をあて,病態,診断に関して詳細

    に記した。メロシン欠損型 CMD やウルリッヒ型 CMD はまだ一般に浸透しておらず,特に

    ウルリッヒ型 CMD は未診断例が多く存在すると推測されるため,疾患啓発を行うことを企

    図した。また,FCMD は本邦で頻度が高い病型であり,遺伝学的検査も保険適用とされて

    いるが,いまだに筋生検が行われている例も少なからずあり,その適切な診断手順を普及

    させることも目標とした。

    この手引きでは,CMD において最も多い主徴である,筋緊張低下,運動発達遅滞から,

    各 CMD への診断手順をフローチャートにして示している(図 1-1)。このフローチャートは,①不要な筋生検を避けるため,i) CMD と誤診されやすい中枢性筋緊張低下や脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy,SMA)を鑑別し,ii) 遺伝学的検査にて診断可能な疾患である先天性筋強直性ジストロフィーと FCMD を適切な手順で診断すること,②治療可能な疾患であるポンペ病を見逃さないことを目的として作成した。

    1-2. 疾患概念

    CMD は典型的には出生時,または乳児期早期から認める筋緊張低下(フロッピーインフ

    ァント),運動発達遅滞,進行性筋力低下を特徴とする遺伝性筋疾患であるが,臨床的,遺

    伝学的かつ生化学的にも不均一である 1)2)。筋病理所見は何らかの筋原性変化は示すが,必

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    ずしも壊死・再生といった筋ジストロフィー所見を伴うわけではない。各病型は,特徴的

    な臨床症状と免疫染色による固有の蛋白欠損の証明により分類されていたが,オーバーラ

    ップすることも多く,分類はより複雑化している。主に,原因遺伝子,蛋白の局在とその

    機能により,α-ジストログリカンの糖鎖修飾異常(フクチン等)と膜受容体欠損(インテグ

    リン α7),細胞外基質蛋白の異常(メロシン,コラーゲン VI),核膜蛋白の異常(ラミン),

    小胞体の異常(セレノプロテイン N)に分類できる。ここでは,小児慢性特定疾病の疾病

    名に従い,(1)FCMD と α-ジストログリカノパチー,(2)メロシン欠損型 CMD,(3)ウルリッ

    ヒ型 CMD,(4)その他の CMD に分けて述べる。

    1-2-1. FCMD と α-ジストログリカノパチー

    1960 年に福山らに報告された常染色体劣性遺伝性疾患で日本人に最も頻度が高く 4),重

    度の筋ジストロフィー,神経細胞遊走障害による脳奇形と高頻度の眼合併症が特徴である

    5)。

    1990 年代に 9 番染色体長腕上の遺伝子座(9q31-33)同定に引き続き,原因遺伝子 fukutin

    (FKTN)が報告された 6)。FKTN遺伝子産物はα-ジストログリカン(α-dystroglycan: α-DG)

    の 糖 鎖 修 飾 に 関 与 す る 酵 素 と 考 え ら れ 7) , α- ジ ス ト ロ グ リ カ ノ パ チ ー

    (α-dystroglycanopathy)と呼ばれる筋ジストロフィーの一群に属する 8)。FCMD では,

    FKTN 蛋白の機能喪失型の変異により,ジストロフィン関連糖蛋白複合体である α-DG の

    糖鎖修飾に異常を来たす。そのため,基底膜成分であるラミニンとの結合能が低下し,基

    底膜と細胞骨格の関係が破綻し,筋ジストロフィーを発症する。類縁疾患の筋眼脳病

    (muscle-eye-brain disease,MEB),ウォーカー・ワールブルク症候群(Walker-Warburg

    syndrome,WWS)でも同様の機序により CMD を発症することがわかり,これらの疾患

    群は総称して「α-ジストログリカノパチー」と呼ばれるようになった。α-DG の糖鎖が低下

    する MEB,WWS や肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)は日本だけでなく世界中に患者が

    存在し,現時点において α-ジストログリカノパチーの原因となる遺伝子は 18 種類もみつか

    っている(表 1-1)9)。その遺伝子は α-DG の糖鎖構造の骨格を作る転移酵素であったり,

    その基質であったりすることが明らかにされた。それぞれの原因遺伝子の変異がもたらす

    α-DG の糖鎖修飾の障害の程度,変異した蛋白の細胞内局在の変化,糖転移酵素活性の変化

    の程度等の様々な要因から,α-ジストログリカノパチーの臨床症状には先天性の重度の筋ジ

    ストロフィーから,成人発症の比較的軽症の LGMD まで,幅広い表現型があることが近年

    わかってきている。その重症度は幅が広く,genotype-phenotype correlation は証明でき

    ないといわれている。

    1-2-2. メロシン欠損型 CMD

    メロシン欠損型 CMD は 1994 年に Tomé らにより報告され 10),欧米に頻度が高く日本で

    は稀である。ラミニン α2 鎖をコードする LAMA2 遺伝子により,ラミニン 211(メロシン)

    の完全または部分欠損により生じる 11)。非福山型 CMD に分類され,脳 MRI で白質異常信

    号を示すものの,知能は多くは正常から境界域である 12)。

    1-2-3. ウルリッヒ型 CMD

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    筋力低下に加えて,手指等の遠位関節が柔らかく過度に伸展し,脊柱や頸部等の近位関

    節が拘縮するという特徴をもつ疾患である 13)14)。1930 年に Ullrich が congenital

    atonic-sclerotic muscular dystrophy として初めて報告した。日本では FCMD の次に頻度

    が高い CMD である。原因は細胞外蛋白である VI 型コラーゲンの異常による。VI 型コラー

    ゲンは α1,α2,α3の 3種の α鎖が複合体を形成しており,各α鎖は 21番染色体上のCOL6A1

    と COL6A2,2 番染色体上の COL6A3 遺伝子によってコードされている。3 種の α 鎖のい

    ずれの遺伝子変化によっても生じうる 13)。ウルリッヒ型 CMD より進行が緩徐なベスレム

    ミオパチーも同様に 3 種の α 鎖のいずれかの遺伝子変異が原因であり,両者を合わせてよ

    り広い疾患概念である VI 型コラーゲン関連ミオパチーと分類されている。

    1-2-4. その他の CMD

    いずれも稀な疾患ではあるが,下記のような合併症や特徴があるため,鑑別に注意すべ

    き CMD である。特に,ラミン関連 CMD に関しては,本邦においても報告が増えている。

    1-2-4-1. ラミン関連 CMD15)

    エメリー・ドレイフス型筋ジストロフィー2 型(EDMD2,常染色体優性遺伝)および同

    3 型(EDMD3,常染色体劣性遺伝)の原因遺伝子である,A 型ラミン遺伝子(LMNA)変

    異により生じる CMD である。1 歳未満に体幹の強い筋力低下,特に選択的な頸部筋の萎縮

    と筋力低下のため頭部下垂(dropped head)を来すことが特徴であるが,より重症型も存

    在する。血清クレアチンキナーゼ(creatine kinase,CK)値は例外なく上昇する。幼児期

    に急激に呼吸障害が進む例があり,注意を要する。経過とともにエメリー・ドレイフス型

    としての特徴を呈するようになり関節拘縮や心伝導障害などの心合併症を呈する場合があ

    るので,特に心伝導障害に対し慎重な経過観察が必要である。

    1-2-4-2. セレノプロテイン N 関連 CMD16)

    筋の発達段階で筋細胞増殖や再生に関与する,セレン含有の小胞体糖蛋白セレノプロテ

    イン N(selenoprotein N)をコードしている SEPN1 遺伝子の変異により生じる。臨床症

    状は新生児期より始まる顔面,頸部,体幹の筋力低下,脊椎や胸郭の拘縮を特徴とする。

    乳児期には側彎の進行と横隔膜筋力低下から時に人工呼吸管理を必要とする。運動発達遅

    滞は明らかだが,最終的には独歩に至る例が多いのも特徴である。血清 CK 値はほぼ正常

    である。

    1-3. 臨床的特徴

    1-3-1. 筋力低下の評価:中枢性筋緊張低下や全身性疾患の鑑別

    全身性筋緊張低下(フロッピーインファント)を呈する患児は,筋力低下を伴うか否か

    で鑑別が異なる。筋力低下を伴うフロッピーインファントは、いわゆる狭義のフロッピー

    インファントと定義され、その主体は神経筋疾患である。一方で,筋力低下に乏しいフロ

    ッピーインファントの場合,染色体異常,中枢性筋緊張低下や良性筋緊張低下,内分泌疾

    患や結合織疾患といった全身性疾患,先天性心疾患のような神経・筋以外の臓器の疾患を

    考えなくてはならない。乳児において,筋力低下の有無を評価することは難しいが,臥位

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    での四肢,頸部の抗重力運動,処置や診察など嫌なことをした場合の逃避,拒否する動き

    の力強さ,泣き声の大きさ,または哺乳力などで判断をする。ただし,染色体異常症の一

    種であるプラダー・ウィリー症候群では筋力低下を伴う場合が多く,かつ腱反射も減弱か

    ら消失することから,時に判断は難しい。

    1-3-2. 筋疾患としての特徴:類似病態をとる神経原性筋萎縮との鑑別

    CMD は典型的には,乳児期から認める筋緊張低下,運動発達遅滞,筋力低下を主症状と

    する。しかし,軽症例では乳児期に異常に気付かれず,幼児期にかけて独歩の軽度の遅れ,

    易転倒性,階段昇降不得手,走行不可といった異常に気付かれることがある 1)2)。先天性ミ

    オパチーや先天性筋強直性ジストロフィーと異なり,周産期に呼吸障害などの異常を伴うこ

    とは,むしろ非典型的であることに留意する。重症例では乳児期早期からの哺乳不良,体重

    増加不良が受診の契機となることがある。一方で,感染症等の際に行った血液検査で偶然に

    高 CK 血症に気付かれることもある。一般的には,乳幼児健診で頸定の遅れ,もしくは坐位

    の遅れとともに,フロッピーインファントであることを指摘され,医療機関への受診に至る。

    同様に運動発達遅滞,フロッピーインファントを来す神経原性疾患として遺伝性ニューロパ

    チーや SMA があげられる。鑑別点として,CMD の腱反射は減弱するものの完全に消失す

    る例は少ないのに対し,これらの神経原性疾患では受診時に腱反射が消失している例が多い。

    また,遺伝性ニューロパチーでは遠位の筋力低下が主体であるが,CMD では近位筋力より

    低下する。SMA は神経原性でありながら,近位筋優位の筋力低下を示すが,舌線維束攣縮,

    特異な肢位(手の尺側偏位,垂れ手),奇異性呼吸等の特徴的な所見があれば鑑別は難しく

    ない。

    1-3-3. 筋ジストロフィーとしての特徴

    1-3-3-1. FCMD と α-ジストログリカノパチー4)

    FCMD 典型例では乳児期に全身性の筋力低下と,哺乳力低下,体重増加不良,発達遅延

    等により約 8 か月までに気付かれる。典型例では平均的な頸定は 6 か月,座位保持は 1 歳

    半,ずり這い移動は 3 歳,運動機能のピークは 5~6 歳とされ,それ以降は緩徐に進行し,

    10 歳代で寝たきりとなるとされる。歩行可能な例は約 5~15%とされるが,やはり運動機

    能のピークを過ぎると,全例が歩行不能となる。筋力低下は全身性であり近位筋優位であ

    る,偽性筋肥大が腓腹筋や前腕でみられる例もある。上肢の筋力は弱く,上肢は肩より上

    に挙げられない。顔面筋罹患も特徴的であり,1 歳以降で頬がふっくらしたミオパチー顔貌

    を呈し,口輪筋の筋力低下により開口している。舌肥大も徐々に見られる。顔面筋罹患は 6

    歳以降では筋萎縮により顎の尖った細長い顔が次第に特徴的となる。FCMD ではさらに,

    膝関節と足関節に早期から拘縮がみられることも特徴である。診断時にすでに膝関節の拘

    縮が見られるケースが多い。拘縮は足・膝関節だけでなく股関節,上肢,指と全身に及ぶ。

    股関節の亜脱臼もしばしば見られるため股関節の評価も重要である。脊柱側彎症や胸郭変

    形も体幹筋の筋力低下が原因でしばしばみられ,適切な時期に装具や手術による矯正が必

    要となる。FCMD 患者では手指の運動機能は比較的保たれるため,電動車椅子走行を自身

    で行うことができる患者がしばしばみられる。典型例では 15 歳までに支持なしでの座位が

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    不能となり,完全臥床となる。合併症である呼吸機能低下,誤嚥性肺炎,窒息,心不全等

    により死亡する。平均寿命は 17.6 歳とされるが,最近では,鼻マスク式人工呼吸の早期導

    入やカフアシストの導入,脊椎側彎症のコントロール,胃瘻造設による栄養管理等により,

    寿命は延びているのではないかと考えられる。

    臨床症状としての典型例は全体の約 75%,歩行可能の軽症型は 15%,頸定不能例の重症

    例は約 10%とされる。典型例や軽症型はホモ型に多い。しかし個人差も大きい。FCMD の

    うち,挿入変異をホモ接合体(両方のアリル)にもつ患者が約 85%を占めている。片アリ

    ルが挿入変異で,もう片アリルが点変異である複合ヘテロ接合体といわれる患者が残りの

    15%である。挿入変異でないほうのアリルの FKTN 遺伝子上での変異の内容により,水頭

    症や重い眼病変を合併する WWS を呈する重症型や,歩行可能で知的にもほぼ正常で心筋

    症のみの軽症例も存在する。挿入変異を持たない複合ヘテロ型の FCMD は現時点では日本

    では数例の報告しかないが,その場合は重症型となり WWS の臨床症状を呈する。

    α-ジストログリカノパチーの中で,WWS は一般的には 1 歳までに合併症等で他界するこ

    とが多いとされる最重症型であり,MEB は FCMD の最重症型と類似する症状をもつ。α

    ジストログリカノパチーで LGMD タイプは成人発症で,中には心筋症のみを呈する軽症患

    者も存在する。

    眼病変を半数以上に認め,屈折異常(近遠視),異常眼球運動(斜視)を伴う。異形成,

    網膜剥離など網膜病変もよく認める。脳奇形の合併が特徴で,中等度以上の知能障害が多

    い。けいれんは 50%以上の症例で合併し,発熱に伴うけいれんを 2~4 歳頃に発症し,頻回

    に繰り返す。10 歳を過ぎてからてんかん発作を発症する例も多く,発作型では部分発作が

    多い。脳 MRI(図 1-2)は診断において非常に重要で,特異的な所見として,側頭から後

    頭にかけての丸石様皮質異形成(旧滑脳症 II 型),前頭葉優位の多小脳回,厚脳回(図 1-2a),

    小脳嚢胞様所見(図 1-2b)があり,平坦な脳幹(図 1-2c),透明中隔嚢胞も参考所見として

    有用である。低年齢では T2 強調・FLAIR 画像で白質に高信号を認めるが(図 1-2d),発達

    に伴い軽減することから,髄鞘化遅延を反映していると考えられている。

    1-3-3-2. メロシン欠損型 CMD10)

    完全欠損型の臨床症状は重症で,出生時よりの哺乳困難,啼泣微弱,著明な筋緊張低下,

    筋力低下,顔面筋罹患,多関節拘縮を認める。出生時より呼吸障害を呈することがあるが,

    換気補助を必要とするほどの呼吸障害は乳幼児期に発症する。最高運動到達は通常独坐か

    支え立位で,歩行可能例は少ない。進行性に関節変形,拘縮,側弯が生じる。腱反射は比

    較的早期に消失する。部分欠損例は発症が遅く,LGMD に類似した緩徐進行性の筋力低下

    を示す。心合併症は非常に稀である。脳 MRI では,白質の高信号が特徴であり,診断の一

    助となる。約 30%にてんかんの発症を認め,知能は多くは正常から境界域である。

    1-3-3-3. ウルリッヒ型 CMD13)14)

    筋力低下は生後早期から運動発達の遅れとして気づかれる。症状に気づかれる平均は 1

    歳前後である。半数は歩行可能である。その後,平均 11 歳で車椅子移動となる。換気不全

    が 10 歳過ぎから顕著になる場合があり注意が必要である。心筋障害は少ない。精神発達に

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    は問題はない。

    ウルリッヒ型 CMD では筋力低下以外に,関節と皮膚の症状が特徴的である。関節所見と

    しては,指関節等の遠位関節が柔らかく過伸展する。逆に肘等の近位関節が拘縮する。そ

    の他に斜頸,踵骨の突出,股関節脱臼,強直脊椎がみられることもある。皮膚は創傷治癒

    に時間がかかり,ケロイド形成する傾向にある。このような関節症状や皮膚症状の合併は

    他の筋ジストロフィーでは少なく,この病型に特徴的である。

    ウルリッヒ型 CMD では大腿 MRI において,外側広筋の中心部の障害の程度が軽く,辺

    縁部が強い(tigroid sign)と大腿直筋の中心部の高信号(central shadow,concentric

    shadow rectus)が特徴的であり(図 1-3a)17),診断に有用である。下腿では,腓腹筋とヒ

    ラメ筋が接する側の辺縁が強く障害されると報告されている(図 1-3b)。また,骨格筋 CT

    画像では,早期から大腿屈筋や大腿四頭筋に萎縮や脂肪置換の所見を認める一方,薄筋,

    縫工筋,大内転筋は比較的保たれる。

    1-3-4. 鑑別が難しい筋疾患(CMD や LGMD であれば筋炎やポンペ病,筋強直性ジストロ

    フィーであればミオキミア,等)

    CMD の鑑別は,(i) 数千~数万 U/L の CK 高値を伴うか,(ii) 数百~二千 U/L 程度,

    (iii)正常~数百 U/L 程度の上昇で異なる。(i)では,運動発達遅滞やフロッピーインファン

    トを伴わず,偶然見つかった高 CK 血症の場合はデュシェンヌ型およびベッカー型筋ジス

    トロフィー(ジストロフィン症)を考慮する。特に,デュシェンヌ型筋ジストロフィーで

    は数千~数万 U/L と高値である傾向にあるが,CMD で数万 U/L ほどの上昇を示すこと

    は少ない。(ii)での鑑別で重要になるのは,自己免疫性筋疾患とポンペ病である。重症例で

    は時に二千 U/L 以上になることもあるが,数百から数千程度が多い。自己免疫性筋疾患(壊

    死性ミオパチー,筋炎等)は非常に稀であるが,副腎皮質ステロイド等の免疫修飾療法が

    奏功するので,その鑑別が重要である。詳細は本書 2-4-2 節を参照のこと。ポンペ病の最重

    症型である乳児型は早期診断,早期治療として酵素補充療法を始めない限り,乳児期に死

    亡するため,鑑別として非常に重要である 18)。現在では濾紙血の酵素活性測定を行うこと

    で容易に診断に至ることができる。乳児期の筋炎は非常に稀である。(iii)は,先天性ミオパ

    チー,先天性筋無力症候群等が対象となる。SMA III 型では軽度の CK 値上昇を認めること

    がある。

    1-4. 検査

    1-4-1. 生化学的検査:クレアチンキナーゼ

    1-4-1-1. FCMD と α-ジストログリカノパチー

    CK 値は著明に上昇する(数千~数万 U/L)が,完全臥床となると下降傾向となり,10

    代後半では正常化することもある。福山型に特有とされる咽頭炎後の横紋筋融解症では,

    通常の値の 10 倍以上に上昇する。

    1-4-1-2. メロシン欠損型 CMD

    CK 値は著明に上昇する(通常の 10~150 倍)。

  • 10

    1-4-1-3. ウルリッヒ型 CMD

    CK 値は正常か軽度上昇する。

    1-4-1-4. その他の CMD

    正常から上昇するものまで様々である。

    1-4-2. 電気生理学的検査(筋強直性ジストロフィーでは重要)

    1-4-2-1. FCMD における電気生理学的検査所見の基本

    筋電図は筋原性変化を呈する。末梢神経伝導速度は遅延しない。

    1-4-2-2. メロシン欠損型 CMD

    脱髄性の末梢神経障害を生じ,運動神経優位だが感覚神経も障害され,生後 6 か月以後

    に末梢神経伝導速度遅延が認められることが多い 19)。視覚誘発電位や体性感覚誘発電位の

    遅延も認める。

    1-4-2-3. ウルリッヒ型 CMD

    筋電図検査では筋原性変化を認める。 視覚誘発電位や体性感覚誘発電位は正常である。

    1-4-3. 筋病理検査(CMD と LGMD では重要)

    1-4-3-1. CMD における筋病理所見の基本

    乳幼児早期から高度の筋ジストロフィー所見に加え,間質の結合組織増生,脂肪置換が

    みられる。筋線維は円形で極小であり,幼弱なタイプ 2C 線維が多い。免疫染色では αDG

    の糖鎖を染色する抗体に対する反応性が著しく低下する。

    1-4-3-2. メロシン欠損型 CMD

    筋ジストロフィー所見に加えて,強い結合組織増生を呈し,免疫組織化学染色でメロシ

    ン(ラミニン α2)の欠損あるいは著減を認める。皮膚生検にて,基底膜の免疫組織化学染

    色でメロシン(ラミニン α2)の欠損を認めることも診断根拠となる。

    1-4-3-3. ウルリッヒ型 CMD

    筋線維の大小不同,間質の結合組織増生,脂肪組織の増加がみられる。壊死線維や再生

    線維は認めるが少ない。免疫組織化学染色で VI 型コラーゲンの完全欠損(筋組織内で完全

    に欠損している)または筋鞘膜特異的欠損(筋鞘膜に特異的に欠損している)を認める。

    1-5. 遺伝学的解析

    確定診断目的の遺伝学的解析の実施にあたっては,遺伝情報及び遺伝子診断の持つ意義

    や留意点等を十分理解した上で,適切な説明ないし遺伝カウンセリングをおこなうことが

    必要である 20)。

    1-5-1. 現在,健康保険適用で受託検査会社がある遺伝子検査

    2018 年現在,健康保険適用の CMD 遺伝子検査は,FCMD の FKTN 遺伝子 3kb SVA 型

    レトロトランスポゾン挿入に係る解析のみである。FCMD の可能性があれば,まず実施す

    る。

    1-5-2. 健康保険適用がない遺伝子検査

    1-5-2-1. FCMD

  • 11

    3kb 挿入変異以外(1 塩基置換等の微小変異)の FKTN 遺伝子解析は,自費あるいは研

    究ベースとなる。

    1-5-2-2. メロシン欠損型 CMD,ウルリッヒ型 CMD

    いずれも,遺伝学的検査は健康保険適用ではなく,研究ベースとなる。

    1-5-3. 次世代シークエンサーで何ができるか

    1-5-3-1. FCMD 及び α-ジストログリカノパチー

    遺伝子検査で挿入変異が見つからなかった場合,他の α-ジストログリカノパチーである

    可能性があり,エクソーム解析で診断に至ることもある。しかしその際は,骨格筋免疫組

    織化学染色等で α-DG の糖鎖認識抗体の反応性が低下していることを確認する必要がある。

    1-5-3-2. メロシン欠損型 CMD

    LAMA2 遺伝子は 64 のエクソンを有し,明らかなホットスポットもないことから,遺伝

    子変異の検索は時に難しく,とくに部分欠失では困難である。

    1-5-3-3. ウルリッヒ型 CMD

    COL6A1,COL6A2,COL6A3 の 3 遺伝子を検査する必要がある。

    文献

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    summary: evaluation, diagnosis, and management of congenital muscular

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    20) 「神経疾患の遺伝子診断ガイドライン」作成委員会(編).神経疾患の遺伝子診断ガイド

    ライン 2009.

  • 13

    図 1-1 先天性筋ジストロフィー(CMD)を疑う患者の病型診断を進める際のフローチャー

    ト.

    CK:クレアチンキナーゼ,GAA:酸性 α グルコシダーゼ,DM1:筋強直性ジスト

    ロフィー1 型,FCMD:福山型先天性筋ジストロフィー.

  • 14

    図 1-2 福山型先天性筋ジストロフィー 6 か月女児の脳 MRI 画像.

  • 15

    図 1-3 ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー 10 歳男児の大腿 MRI 画像.

  • 16

    MDDG/CDG

    types 遺伝子名 OMIM 番号 機能

    MDDG1 POMT1 607423 POMT2 と共に O マンノースの転移酵素

    MDDG2 POMT2 607439 POMT1 と共に O マンノースの転移酵素

    MDDG3 POMGnT1 606822 N-Acetylglucosaminil 転移酵素

    MDDG4 FKTN 607440 Rbo5P 転移酵素

    MDDG5 FKRP 606596 Rbo5P 転移酵素

    MDDG6 LARGE 603590 Xylosyl and glucuronyl 転移酵素

    MDDG7 ISPD 614631 a cytidine diphosphate ribitol 合成酵素

    MDDG8 POMGNT2 614828 N-Acetylglucosaminil 転移酵素, POMK 関連のリン酸化促進

    MDDG9 DAG1 128239 αジストログリカン蛋白

    MDDG10 TMEM5 605862 キシロース転移酵素

    MDDG11 B3GALNT2 610194 N-Acetylglucosaminil 転移酵素, POMK 関連のリン酸化促進

    MDDG12 POMK 615247 O-mannnosyl glycan リン酸化酵素

    MDDG13 B3GNT1 605517 N-Acetylglucosaminil 転移酵素

    MDDG14 GMPPB 615320 GDP-Mannnose 生合成

    CDG1E DPM1 603503 Dolichol phosphate mannnose 生合成

    CDG1U DPM2 603564 Dolichol phosphate mannnose 生合成

    CDG1O DPM3 605951 Dolichol phosphate mannnose 生合成

    CDG1M DOLK 610746 Dolichol phosphate 生合成

    表 1-1 α-ジストログリカノパチーの原因遺伝子.

    第1章 先天性筋ジストロフィー(乳児~小児筋ジストロフィーの病型診断を念頭に)1-1. はじめに1-2. 疾患概念1-2-1. FCMDと α-ジストログリカノパチー1-2-2. メロシン欠損型 CMD1-2-3. ウルリッヒ型CMD1-2-4. その他のCMD1-2-4-1. ラミン関連CMD1-2-4-2. セレノプロテインN関連CMD

    1-3. 臨床的特徴 1-3-1. 筋力低下の評価:中枢性緊張や全身疾患鑑別1-3-2. 筋疾患としての特徴:類似病態をとる神経原性萎縮鑑別1-3-3. 筋ジストロフィーとしての特徴 1-3-3-1. FCMDとα-ジストログリカノパチー1-3-3-2. メロシン欠損型CMD1-3-3-3. ウルリッヒ型CMD

    1-3-4. 鑑別が難しい筋疾患(CMDや LGMDであれば筋炎やポンペ病,筋強直性ジストロフィーであればミオキミア,等)

    1-4. 検査1-4-1. 生化学的検査:クレアチンキナーゼ 1-4-1-1. FCMDとα-ジストログリカノパチー1-4-1-2. メロシン欠損型CMD1-4-1-3. ウルリッヒ型CMD1-4-1-4. その 他のCMD

    1-4-2. 電気生理学的検査(筋強直性ジストロフィーでは重要)1-4-2-1. FCMDにおける電気生理学的検査所見の基本1-4-2-2. メロシン欠損型CMD1-4-2-3. ウルリッヒ型CMD

    1-4-3. 筋病理検査( CMDとLGMDでは重要)1-4-3-1. CMDにおける筋病理所見の基本1-4-3-2. メロシン欠損型CMD1-4-3-3. ウルリッヒ型CMD

    1-5. 遺伝学的解析1-5-1. 現在,健康保険適用で受託検査会社がある遺伝子検査1-5-2. 健康保険適用がない遺伝子検査1-5-2-1. FCMD1-5-2-2. メロシン欠損型CMD,ウルリッヒ型CMD

    1-5-3. 次世代シークエ ンサーで何がきるか1-5-3-1. FCMD及び α-ジストログリカノパチー1-5-3-2. メロシン欠損型CMD1-5-3-3. ウルリッヒ型CMD

    文献図1-1 先天性筋ジストロフィー(CMD)を疑う患者の病型診断を進める際のフローチャート図1-2福山型先天性筋ジストロフィー 6か月女児の脳MRI画像図1-3 ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー 10歳男児の大腿MRI画像表1-1 α-ジストログリカノパチーの原因遺伝子