第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年...

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第1 動向編

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第1 動向編

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- 1 -

Ⅰ 米の消費に関する動向

1 食生活の変化と米消費

(1)米の消費量の変化

米の1人当たり消費量は、長期的には昭和37年度をピークにし

て、その後、一貫して減少しています(図Ⅰ-1 。)

具体的には、昭和37年度には1人当たり年間118.3キログラムの

米を消費していたのが、平成17年度には、その半分近くの61.4キ

ログラムにまで減少しています。

最近の動きを見ると、米の1人1ヶ月当たりの消費量が対前年同

月を上回る月もありましたが、平成18年7月以降再び対前年同月

比で減少となっています。

、 、また 大宗を占める消費世帯について前年同月と比べてみると

増加も見られますが、引き続きその動向を注視していく必要があ

ります(表Ⅰ-1 。)

○ 米の消費量は、長期的には一貫して減少

○ 食生活が変化し、主食的食料全体が減少

○ 主食的食料に占める米の割合が低下

○ 日本型食生活の普及・啓発の推進

図Ⅰ-1 米の消費量の推移(1人1年当たり)

資料:農林水産省「食料需給表」

注:1)1人当たり供給純食料の値である。

2)17年度の値は概算値である。

表Ⅰ-1 米の1人1ヶ月当たり消費量(単位:精米グラム・%)

資料:農林水産省「米の消費動向等調査」

注:1)全国8,340の無作為抽出した調査客体による標本調査で、毎月の自計申告による

値である。

2)18年4月~9月の値は、平成18年4月~9月における各月の値の単純平均値である。

118.3

64.6

67.870.0

74.6

78.9

88.0

95.1

111.7

40

50

60

70

80

90

100

110

120

40  45 50 55 60 2 7 12 17

kg

平成

▲2.2kg/年 ▲1.3kg/年 ▲0.8kg/年 ▲0.6kg/年(昭和40年代) (昭和50年代) (昭和60~平成6年度) (平成7~16年度)(年平均減少量)

0

61.4

対前年比 対前年比 対前年比

15 年度   4,961 ▲ 0.9 4,850 ▲ 0.9 6,283 ▲ 0.2

16 年度   4,913 ▲ 1.0 4,814 ▲ 0.7 6,158 ▲ 2.0

17 年度   4,877 ▲ 0.7 4,772 ▲ 0.9 6,232 1.2

18年4月~9月 4,819 ▲ 0.1 4,727 0.1 6,081 ▲ 0.9

17年10月 4,940 ▲ 0.5 4,840 ▲ 0.6 6,237 1.911月 4,874 ▲ 0.7 4,779 ▲ 0.7 6,105 0.812月 5,054 ▲ 0.9 4,923 ▲ 1.1 6,743 1.1

18年1月 5,138 ▲ 1.2 5,018 ▲ 1.4 6,678 0.5 2月 4,647 ▲ 0.7 4,546 ▲ 0.9 5,944 1.1 3月 4,938 ▲ 0.8 4,835 ▲ 0.9 6,278 1.94月 4,921 ▲ 0.0 4,831 0.1 6,144 ▲ 1.05月 4,995 0.4 4,901 0.6 6,278 0.16月 4,750 0.2 4,657 0.4 6,015 ▲ 0.47月 4,701 ▲ 0.3 4,611 0.0 5,932 ▲ 2.08月 4,816 ▲ 0.7 4,723 ▲ 0.5 6,085 ▲ 0.79月 4,733 ▲ 0.1 4,638 0.1 6,029 ▲ 1.2

全世帯 消費世帯 生産世帯

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- 2 -

(2)食生活の変化

日本の食料消費は、近年、量的(供給熱量ベース)にはほぼ飽

、 、 、和水準に達していますが その内訳を見ると 生活水準の向上や

消費者の選択の拡大等を背景に、米の消費量が一貫して減少して

います(図Ⅰ-2 。)

食料消費の品目構成を見ると、主に主食として食べられている

米、小麦等(以下「主食的食料」という )の合計は米の消費の。

減少に伴い、継続して減少しており、また、主に副食(おかず)

として食べられている畜産物、油脂類、魚介類等(以下「副食的

食料」という )の合計は増加傾向で推移していることから、主。

食的食料と副食的食料の消費量の差は拡大してきました。

このような食品群間での代替の結果に対し、日本の食料消費に

おけるたんぱく質、脂質、炭水化物のバランスは、理想的であっ

た昭和50年代に比べ栄養バランスの面で脂質が多すぎる等の問題

が指摘されているところです。

新しい「食料・農業・農村基本計画」では、対象者を明確にし

た食生活全体の改善に重点をおいた取組を行うことにより、食料

消費に関する課題が解決された場合の平成27年度における「望ま

しい食料消費の姿」を目指しています(図Ⅰ-3 。)

図Ⅰ-2 供給熱量の構成の推移(1人1日当たり)

資料:農林水産省「食料需給表」注:1)「その他穀類」は、大麦、裸麦、その他の雑穀等の合計である。

2)「その他食料」は、豆類、野菜、海藻類等の合計である。

図Ⅰ-3 PFC供給熱量比率の推移

資料:農林水産省「食料需給表 、FAO「Food Balannce Sheets」を基に農林水産省で試算」注:1) 日本は昭和35、55、平成12、14年度、17年度(概算値)、他は13年の値である。

2) グラフ右の()内の数値は、1人1日当たり供給熱量(kcal)である。3) 「望ましい食料消費の姿(平成27年 」は、新しい「食料・農業・農村基本計画 (17) 」年3月25日閣議決定)による。

4) アルコール類は含まない。

1106 1090927 856

770 727 683 660 630 599

251 292

310317

325320

320 330 328 320

83 40

2318

1716

17 14 1415

90 164

227257

309318 366 400 407

397

105159

227 275 320 354 360 368 383368

142

131115 110

152 181 204 200 21921887

99102 119

133 136143 148 136

136242

249261 245

238256

258 247 248241157

196 283 262245

231229 222 212

210

29

3953 58

5457

60 66 6670

0

500

1000

1500

2000

2500

35年度

昭和

40 45 50 55 60 2

平成

7 12 17

(概算値 )

kcal

主食的食料

その他食料

砂糖類

魚介類

いも類・でんぷん

油脂類

畜産物

小麦

副食的食料

その他穀類

果実

13.0

12.2

13.0

13.1

13.1

12.6

12.5

13.6

27.0

11.4

25.5

28.7

28.9

38.0

40.0

43.8

60.0

76.4

61.5

58.2

58.0

49.4

47.5

42.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

望ましい食料消費の姿(平成27年)

(35年度)

(昭和55年度)

(12年度)

日本(平成17年度)

米  国

イギリス

フランス (3,457)

(2,291)

(2,562)

(2,642)

(2,573)

(3,613)

(3,185)

P:たんぱく質 C:炭水化物F:脂質

(2,480)

%

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- 3 -

(3)主食的食料の内訳の変化

家計における主食的食料の購入数量の推移を品目別に見ると、

米類が大きく減少する一方で、パン、めん類は堅調に推移してい

ます(図Ⅰ-4 。)

また、家計に占める主食的食料費の構成割合においても、米類

の占める割合が低下する一方で、パン、めん類の占める割合が増

加しています(図Ⅰ-5 。)

このように、長期的には、主食的食料の食料消費に占める地位

、 、が低下する中で 主食的食料に占める米類の割合が低下する一方

パン、めん類、その他の主食的食料の割合が相対的に高くなって

いることがうかがわれます。

図Ⅰ-4 家計における主食的食料の購入数量の推移

(1人1年当たり)

資料:総務省「家計調査 (品目分類)」

注:1) 農林漁家世帯を除く2人以上の世帯の世帯員1人当たりの値である。

2) 平成14年から食料の数量調査が、調査世帯の6分の1の世帯のみに変更されているた

め、13年以前の調査手法とは異なる。

図Ⅰ-5

家計における主食的食料費(実質)の構成割合の推移

資料:総務省「家計調査 (品目分類 、消費者物価指数(平成12年基準)を基に農林水産省で推」 )

注:農林漁家世帯を除く2人以上の世帯の世帯員1人当たりの値である。

28.8

14.2

11.5

2 .8

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

56 57 58 59 60 61 62 63 元平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

kg

めん類他の穀類

パン

米類

57.0

41.2

21.4

30.132.2

17.1 20.5 20.7

4.4 4.7 5.8

44.7

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

昭和60年 平成12年 平成17年

米類

パン

めん類

他の穀類

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- 4 -

(4)米の購入数量の変化

家庭での米の購入数量の変化を見ると、世帯主の年齢階層の若

い方が、購入数量が少なくなっています(図Ⅰ-6 。)

また、米の購入数量の世帯主の年齢階層別の増減率を、平成7

年と17年を比較してみると、いずれの年齢階層でも購入数量が減

少していますが、60歳以上層に比べて、それより若い年齢階層で

の減少率が高くなっています。

なお、この世帯主の年齢階層別の米購入数量について、同一世

代の10年間の米購入数量の変化を見ると、各世代ともほとんど大

きな変化がないことから、一度形成された食習慣や購入スタイル

は、そう大きく変わらないことがうかがわれます。

このようなことから、世代交代が進み、ごはん食志向の強い戦

前生まれの世代に代わって、ごはん食志向の弱い世代が増加した

ことにより、米の家庭での購入数量の減少が加速したことがうか

がわれます。

図Ⅰ-6 世帯主の年齢階層別にみた米購入数量の推移

(1人1年当たり)

(参考)世帯主の世代別にみた米購入数量10年の変化

(1人1年当たり)

資料:総務省「家計調査 (品目分類)を基に農林水産省において作成」

注:1) 農林漁家世帯を除く2人以上の世帯の世帯員1人当たりの値である。

2) 当該年を最終年とする3ヶ年単純平均の値である。

3) 60~69歳層を60歳以上層とした。

-20.2-16.6

-28.4-23.1

-3.5

-11.4

-40

-30

-20

-10

0

~29歳

平成7-17(減少率)

~29歳 60歳~40~49歳30~39歳 50~59歳 全世帯平均

17.319.3

30.6

39.443.0

32.4

13.8

41.5

30.328.7

21.9

16.1

0

10

20

30

40

50

kg

平成17年

平成7年

19.3

30.6

39.443.0

32.4

16.1

21.9

30.3

41.5

28.7

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

昭和41~50年生まれ

(平成17年:30~39歳)

昭和31~40年生まれ

(平成17年:40~49歳)

昭和21~30年生まれ

(平成17年:50~59歳)

昭和11~20年生まれ

(平成17年:60~69歳)

昭和1~10年生まれ

平均

kg

30~39歳

40~49歳

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60~69歳50~59歳

60~69歳

平成17年

平成7年

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- 5 -

(5)日本型食生活の普及・啓発

① 家庭でのごはん食が減った理由

家庭でのごはん食が減った理由として 「パン、めん類などが、

増えたから 「食事を共にする人数が減ったから」等が上位を占」

めており、食生活の変化や社会構造の変化等を背景に米の消費量

が減少していますが 「ダイエット等のためごはんを食べないよ、

うにしている」といった回答も見られるように、ごはん食に対す

る誤解等により、米の消費減を招いている面もあります(図Ⅰ-

7 。)

しかし、ごはんは、腹もちがよいだけでなく、他の糖質食品に

比べ食後のインスリン(体脂肪の合成・蓄積を促すホルモン)の

、 、 、分泌が少なく また パンより食後の血中中性脂肪値が低いなど

肥満の予防に効果的ともいわれています(図Ⅰ-8 。)

図Ⅰ-7 家庭でのごはん食が減った理由

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:食料品消費モニター(全国主要都市に在住する一般消費者)として委嘱した1,021名を対

象とするアンケート調査である。

図Ⅰ-8 肥満の予防に効果的なごはん(糖質食品摂取後の血中インスリン反応 (糖質食品摂取後の血中中性脂肪反応))

資料:(社)米穀安定供給確保支援機構「ごはんで作る健康な体」

0

20

40

60

80

100

120

140

30 60 90食後経過時間

インスリン

μu/ml

ごはん

じゃがいも

パン

シリアル

7

2

9

18

35

58

60

16

32

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65

食事を共にする人数が減ったから

ごはんが余らないように炊飯する量を控え目にしているから

パン、めん類などが増えたから

ダイエット等のためごはんを食べないようにしているから

米を研ぐなど炊飯することが面倒になったから

外食をしたり、持ち帰り弁当を利用することが増えたから

米の値段が高くてあまり購入しなくなったから

弁当を作らなくなったから

その他

90

100

110

120

130

60 120 180

食後経過時間

血中脂肪

じゃがいも

シリアル

ごはん

パン

0 分

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② 米飯学校給食の現状

米飯学校給食は、次世代を担う子ども達に米を中心とした「日

本型食生活」の普及・定着を図る上で重要な役割を果たしていま

す(図Ⅰ-9 。)

このため、昭和51年から支援策を講じてきた結果、平成16年度

米飯給食の週当たり実施回数は2.9回(昭和51年度0.6回)、米飯給

食実施校は99.4%(導入当初の昭和51年度は36%)となっていま

す(図Ⅰ-10 。)

しかしながら、都市部を中心に実施回数が少ない地域があるこ

とから、こうした地域に重点をおいて米飯学校給食の普及に努め

ています(表Ⅰ-2 。)

図Ⅰ-9 米飯学校給食の役割

○米飯給食の推進は、子どもの食習慣の乱れを改善するのに効果的か

○米飯給食の回数を増やすことについてどのように考えるか

資料:平成17年度「ごはんで給食フォーラム」アンケート結果

調査対象:学校給食に関連する栄養士、栄養教諭と保護者(約800名)

効果的である44.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

無回答8.6

とても効果的43.1

効果的でない 3.8

増やすべき 89.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100%

現状維持でよい 7.0 減らすべき0.0

無回答4.0

図Ⅰ-10 米飯給食の実施状況の推移

資料:文部科学省「米飯給食実施状況調査 (各年5月現在)」

表Ⅰ-2 米飯学校給食の実施状況(都道府県別)

回数/週 都道府県名3.6 高知3.5 福井3.4 山形3.3 岩手、新潟、石川、京都、島根3.2 富山、佐賀3.1 宮城、秋田、千葉、岐阜、滋賀、岡山、大分、 宮崎、

鹿児島、沖縄3.0 栃木、長野、愛知、和歌山、鳥取、熊本2.9 北海道、青森、福島、茨城、三重、香川、愛媛、長崎2.8 群馬、山梨、静岡、奈良、徳島、福岡2.7 埼玉2.6 広島、山口2.5 東京、兵庫2.4 大阪2.3 -2.2 -2.1 神奈川

資料:文部科学省「米飯給食実施状況調査(平成16年度 」)

0

20

40

60

80

100

120

51年昭和52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元

平成2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

% 回米飯給食実施比率

週当たり平均実施回数(右目盛)

1615

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③ 「日本型食生活」の実践を促進するための取組

米の消費拡大に向けて、食育の取組と一体的に米を中心とし

た「日本型食生活」の実践を促進しています。

具体的には、

・中食や外食の食品事業者と連携した朝食欠食改善等に焦点を

当てた情報提供

・都市部の児童・生徒等による稲作体験学習

・生活習慣病予防等を目的とした医師向けシンポジウムの開催

支援

等の取組を行っているところです。

○ 食料自給率向上につながる「日本型食生活」の実践に向

けた、世代別の消費動向等を踏まえた主な取組

① 中食・外食事業者と連携して、普及資材(リーフレッ

ト)を配布すること等により、若年層の朝食欠食改善や

生活習慣病予防を図るためのキャンペーンを実施

② 公募形式でモデル地域を選定し、民間企業のノウハウ

を活用した「日本型食生活」の実践を促進する様々な取

組の実施とその検証を通じ、「日本型食生活」の全国的

な普及を促進

③ 都市部の児童・生徒を対象とした体験学習による次世

代のごはん食推進

④ お米マイスター(米の幅広い知識を持つ米穀小売業

者)が小中学校に出向き、「食事バランスガイド」等を

活用してお米・ごはん食に関する出前授業を実施

⑤ テレビ番組「小倉智昭・柴田理恵のいまどき!ごは

ん」の全国放送を通じ、ごはんを大切にする心の醸成や

栄養バランスのとれた食事を普及

⑥ 日本医師会との連携による「日本型食生活」の推進や

中高年の生活習慣病予防をテーマにしたシンポジウム

「食育健康サミット」の開催

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(コラム)ごはんミュージアムの開設

平成18年10月に 「ごはんミュージアム」が、東京丸の内・、

東京国際フォーラムに開設されました。

「ごはんミュージアム」は、食育について五感を通して楽し

む中から、わかりやすく学べる場所となっています。

ここでは、

① 屋内で1年を通じて本物の稲を栽培し、展示する「実り

の水田」

② 映像と音、香り、風によって田園風景を再現する癒しの

球体空間「メディアボール」

③ カリスマ料理人の料理教室や著名人によるごはんトーク

ショーを開催する「イベントスペース」

があります。

これに加え、こだわりのごはん食レストラン「GOHAN

CAFE」などもあり、四季を活かしたごはんや日本酒が提供

されています。

また、ごはんミュージアムでは、米を原料とした化粧品を使

用できるセルフエステコーナー「お米ビューティ」や手軽で便

利な米加工品、お米のある生活を演出するグッズが展示販売さ

れています。

○「実りの水田」

○「イベントスペース」

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- 9 -

2 消費者の米に対する志向の変化

(1)米購入時における判断基準

、 、米購入時における消費者の判断基準の動向を見ると 産地品種

、 、 、価格 食味が大部分を占めており 消費者は米購入時に産地品種

、 ( )。価格 食味の3点を重視していることがうかがえます 表Ⅰ-3

これを、年代別に見ると、全体の動向とは異なり、若年層では

価格が一番重視されているのに対して、高齢層では産地品種が一

番重視されている等、年代間で差が見られます。

○ 購入に際し、産地品種・価格・食味を重視

○ 依然としてコシヒカリ等の銘柄米志向が根強い

○ 一方、近年ブレンド米等の選択も定着化

表Ⅰ-3 米購入時における消費者の判断基準(年代別)(単位:%)

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:1)図Ⅰ-7の注と同じ。

2)複数回答(上位2項目)の調査結果である。

産地品種

価格

食味

安全性

精米年月日

栽培方法

その他

販売店

無回答

全体 46.7 41.0 33.6 28.5 14.5 7.4 5.4 3.5 1.0

20歳代 38.4 45.3 41.9 27.9 14.0 5.8 3.5 3.5 0.0

30歳代 38.6 47.9 31.2 32.6 13.5 7.0 6.0 1.9 0.5

40歳代 43.3 42.3 30.7 33.0 15.3 5.6 8.4 2.8 0.9

50歳代 49.1 36.8 36.4 28.6 15.9 8.2 4.1 3.6 1.4

60歳代 58.2 35.3 31.5 23.9 13.0 9.2 4.3 6.0 1.1

70歳代以上 53.8 38.5 35.9 15.4 15.4 9 3.8 3.8 2.6

Page 11: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 10 -

購入(入手)した米の様態についてみると 「単一銘柄米(産、

地・品種・年産が単一のもの 」が71%と最も多く 「単一銘柄米) 、

で有機栽培米、特別栽培米又は無洗米等の付加価値のついた米」

が17% 「ブレンド米」が11%となっています(図Ⅰ-11 。、 )

、 、消費者の購入志向は依然として単一銘柄米が強いものの 近年

付加価値のついた米やブレンド米を選択する消費者も増え、ニー

ズが多様化している様子がうかがえます。

消費者の入手する米の様態について、依然として単一銘柄米が

高い割合を占めている背景には、消費者の間に銘柄志向が根強く

あることが挙げられます。

米の銘柄を決めて入手している消費者の銘柄ごとの内訳を見る

と、強力なブランド力を背景に「コシヒカリ」の割合が突出して

おり 過半を占める状況が続いているほか あきたこまち ヒ、 、「 」、「

ノヒカリ 「ひとめぼれ」も安定的に一定の割合を占めており、」、

平成17年度では、これら上位4品種で8割以上を占めています

(図Ⅰ-12 。)

図Ⅰ-11 消費者の入手した米の様態

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿 「食糧モニター調査」」 )、

注:1) 図Ⅰ-7の注と同じ 「食糧モニター調査」は、食糧モニターとして委嘱した1,292人及。

びその家族を対象とするアンケートである。

2) 付加価値米とは、消費者ニーズに対応した付加価値を付けた米であり、安全・安心志

向、健康志向に対応し、一定の条件のもとに栽培した「特別栽培米 、栄養面を強化し」

た「発芽玄米 「胚芽精米 「栄養強化米 、簡便化志向に対応し、米を洗わなくてす」、 」 」

むようにした「無洗米」等がある。

3) 最近1回の購入様態の値である。

図Ⅰ-12 消費者が入手することに決めている単品米

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿 「食糧モニター調査」」 )、

注:図Ⅰ-7の注と同じ。

79

78

64

69

71

12

11

15

18

17

7

9

16

11

11

2

2

5

2

1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

13年度

14年度

15年度

平成16年度

平成17年度

(参考)

単一銘柄米のうち付加価値米

ブレンド米単一銘柄米 その他

57

61

53

54

59

6

7

7

8

9

13

16

10

9

8

6

4

6

6

7

18

12

24

23

17

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

13年度

14年度

15年度

平成16年度

平成17年度

(参考)

コシヒカリあきたこまち

ヒノヒカリ ひとめぼれ その他

Page 12: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 11 -

また、消費者の入手している単一銘柄米のうち付加価値米の内

訳を見ると 「無洗米」及び「有機栽培米」の割合が高くなって、

ます(図Ⅰ-13 。)

こうした付加価値米を入手する理由を見ると 「健康を維持す、

るために効果がありそうだから 「栽培方法、品質等で安心感が」、

あるから」との回答がそれぞれ約半数あり、後者については、年

代が高くなるほど割合が高くなる傾向にあります(図Ⅰ-14 。)

図Ⅰ-13 消費者の入手している付加価値米

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:1) 図Ⅰ-7の注と同じ。

2) 平成13、14年度、17年度では複数回答の調査であったため100%に換算している。

3 「無農薬栽培米 「減農薬栽培米」は「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」改正) 」、

前の名称であり、16年4月以降生産のものについては「特別栽培米」に名称が統一されて

いる。

28

31

29

31

19

14

15

15

28

9

8

7

24

19

27

15

16

15

15

6

6

4

8

6

5

2

3

27 10 24

9

13 5 3 3

1

1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

平成13年度

平成14年度

平成15年度

平成16年度

平成17年度

(参考)

無洗米

減農薬栽培米

有機栽培米胚芽精米

発芽玄米

栄養強化米

その他無農薬栽培米

特別栽培米

図Ⅰ-14 付加価値米を入手する理由(年代別)

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:図Ⅰ-7の注と同じ。

30

17

26 27 30

38

46

15

21

12 14 13 15

24

40

19

28

4144

47

64

43

29

39

4944 44 42

24

38

26 24 22 25

3

19

12

2125

2117

612

2118

10 107 97

10 104

84 35 7 7

4 5 3 3

0

10

20

30

40

50

60

70

全体 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上おいしいから 付加価値がついている割に安いから栽培方法、品質等で安心感があるから 健康維持に効果がありそうだから簡便性があるから 環境に優しいから興味があるから その他無回答

(単位:%)

Page 13: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 12 -

(2)ブレンド米に対する意識

近年、購入の比率が増加し、定着しつつあるブレンド米につい

て、その選択理由として 「食味の割に価格が安いから」との回、

答が83%を占めています(図Ⅰ-15 。)

また、ブレンド米の価格と購入意欲について、平成16年度と17

年度の調査結果を比較すると 「購入しない」との回答が34%か、

ら27%に減少し、購入価格も 「3,500円/10kg円未満であれば購、

入する」との回答が、47%から53%に増加し、過半数を占めるよ

うになっています。

このことは、ブレンド米に対する意識変化の表れであるという

ことがうかがえます(図Ⅰ-16 。)

図Ⅰ-15 ブレンド米を購入する理由

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:1)図Ⅰ-7の注と同じ。

2)複数回答、該当事項すべてを選択する調査である。

図Ⅰ-16 ブレンド米の価格と購入意欲

資料:農林水産省「食料品消費モニター調査 (平成18年3月調査未定稿)」

注:1)図Ⅰ-7の注と同じ。

2)この調査は16年度調査より導入されたものである。

16

28

20

19

17

10

10

2

4

2

3

1

1

0

0

0

0

34

27

3

1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

16年度調査

17年度調査

~2,500円 2,500~3,000円

3,500~4,000円

4,000~4,500円

4,500~5,000円

5,000~5,500円

購入しない

無回答5,500~6,000円

53%

47%

3,000~3,500円

6

2

2

5

6

24

83

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

無回答

食味の割に価格が安い

年間を通じて安定した食味が期待できる

単一銘柄米より食味がよい

調理の用途に応じて米の選択が可能

購入店に進められた

その他

無回答

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- 13 -

3 米消費の外部化の進展

(1)米消費の外部化の状況

家計における米の消費は、米の総消費量の減少率を大幅に上回

る減少率で推移し、外食・中食等の消費割合は増加傾向で推移し

ています(図Ⅰ-17 。)

○ 中長期的には米消費の外部化が進展

○ 外食・中食ニーズへの対応が重要

図Ⅰ-17 米の消費量に占める家計消費、外食・中食等消費の割

合の推移(1人1年当たり)

資料: 食料需給表 「家計調査 「生産者の米穀現在高等調査」を基に農林水産省で推計「 」、 」、

) ( ( ) )注:1 外食・中食等の値は供給量 食料需給表の供給純食料 主食用 を玄米換算した値

から、家計消費量、農家自家消費量、無償譲渡数量を差し引いた量の全体に対する割

合であり、加工米飯等に使用される米も含まれる。

2)家計消費量の値は、世帯当たり購入数量を世帯人数で除し、日本人口で引き伸ばし

た値である。

3)自家消費・無償譲渡の値は 「生産者の米穀現在高等調査」のうるち・もちの合計値、

である。

4)ラウンドの関係で計と内訳が一致しない場合がある。

2116 17 17 20

26 25 25 27 28 2632 31 32 33 33 33 33 33 35

35 37 37

5459 58 58

5650 52 52 51

50 5446 48 48

47 49 49 49 50 4849 48 48

20 19 18 18 18 17 16 15 15 14 13 13 1312 11 11 11 10 10 9 9 9 8

5 6 6 7 7 7 7 7 7 8 7 9 8 8 8 7 7 8 8 8 7 7 7

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

59 60 61 62 63 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

%

外食・中食等

消費

家計消費

農家自家消費

無償譲渡

元年

平成58年

昭和

Page 15: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 14 -

また、家計の外食、米飯調理食品の消費支出の推移を見ると、

外食が、近年の経済情勢を反映して、横ばいに転じる一方で、弁

当、おにぎり等の米飯を使用した調理食品は、依然として増加し

ています(図Ⅰ-18 。)

図Ⅰ-18 米飯使用調理食品、外食の消費支出(実質)の推移

(1人1年当たり)

資料:総務省「家計調査 (品目分類 「消費者物価指数 (平成12年基準)を基に農林水産省で」 )、 」

作成

注:1) 農林漁家世帯を除く2人以上の世帯の世帯員1人当たり支出である。

2) 「米飯使用調理食品」とは、主食的調理食品のうち 「弁当 「すし(弁当 「おに、 」、 )」、

ぎり・その他」の合計である。

) 「 」 「 ( )」3 昭和55年から平成7年における 米飯使用調理食品 及び12年以降の すし 弁当

の消費支出は 消費者物価指数 において該当する項目がないことから それぞれ 調、「 」 、 「

理食品」及び「弁当」で近似的に実質化している。

970 1,226

6,468

5,302

3,537

2,6163,708

3,927

3,6203,870

52,474 52,67253,847

51,452

44,855

47,374

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

55年昭和

60 2平成

7 12 17

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000円

8,298

9,023

米飯使用調理食品

おにぎり

すし(弁当)

弁当

外食

.

Page 16: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 15 -

(2)外食等における米の使用量

前述のような社会構造の変化、食の外部化、消費者の簡便化志

、 、向の強まり等を背景に 米の総消費量が一貫して減少する一方で

外食・中食等に使用されている米は安定的に推移しており、平

( )。成17年で307万トンと主食用米の37%を占めています 図Ⅰ-19

図Ⅰ-19 主食用米の需要量と外食・中食等への米の使用量

資料: 食料需給表 「家計調査 「生産者の米穀現在高等調査」を基に農林水産省で推計「 」、 」、

注:図Ⅰ-17の注と同じ。

204161 166 167

188

245 231 235 254 261236

288 283 287 300 289 293 288 282 296 297 308 307

530570 564 554 525

464 484 483471 469

494 405 434 438 427 433 432 432 430 414 412 397 404

192 186 179174

165 157 146 139 135 128 124

119118 108 102 97 94 89 84 80 76 73 70

49 58 6364

6464 65 67 66 71 66

7677 72 71

65 64 6666 65 59 58 58

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

万トン

元年

平成

58年

昭和

無償譲渡

農家自家消費

家計消費

外食・中食等

消費

Page 17: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 16 -

(3)米に対する外食事業者等のニーズ

① 外食事業者等における米を仕入れる際の判断基準

前述のような米に対する消費者ニーズの動向は、外食事業者等

のニーズにも影響しているものと思われます。

外食事業者等における米を仕入れる際の判断基準(重要視して

いる順に3項目)を見ると 「品質・食味がいいこと」という回、

答が一番多くなっており、判断基準の順位別の内訳でも、1位の

割合が群を抜いて高くなっています(図Ⅰ-20 。)

これに対して 判断基準の2 3位では 一定量の確保 仕、 、 、「 」、「

入価格の安さ」の割合が比較的高くなっています。

これらのことから、外食事業者等は、仕入れに関して、良質・

、 、 、定質の米の確保を最優先課題とし こうした米を 低廉な価格で

年間を通じて安定的に仕入れようとしていることがうかがわれま

す。

このほか、外食事業者等の判断基準としては 「安全性 「特、 」、

定の産地・品種」も比較的高い割合を占めており、消費者の安全

・安心志向や、産地銘柄志向に対応した仕入れも行われているこ

とがうかがわれます。

なお、すし店の判断基準についてみると、全体の調査結果と比

べて 「品質・食味がいいこと」及び「特定の産地・品種」に重、

点を置く傾向が強く、また 「販売様態(商品)に適合した特性が、

あること」については他の業種に比べこだわりがあることがうか

がえます。

図Ⅰ-20 外食事業者等における米を仕入れる際の判断基準

(上位3項目/全体)

(上位3項目/すし店)

資料:農林水産省「外食事業者等に対する米の仕入動向等アンケート調査結果 (平成18年5月調査)」

注: 外食事業者等(外食事業者、中食製造業者及び炊飯事業者)484業者を対象とするアンケ

ート調査である。

17.6

5.9

11.8

5.9

58.8

23.5

5.9

23.5

35.3

11.8

11.8

29.4

35.3

5.9

5.9

5.9

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

産年

安全性が確立されていること

販売様態(商品)に適合した特性があること

仕入価格が安いこと

特定の産地・品種

安定的に一定量が確保できること

品質・食味がいいこと

合計94.1

64.7

11.8

41.2

47.1

5.9

1位 2位

3位

29.4

2.0

2.3

2.3

7.4

13.1

9.0

9.2

50.5

8.8

8.6

21.6

20.5

27.3

1.8

3.8

14.4

10.4

21.6

28.8

8.1

5.6

0.9

2.5

5.9

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

付加価値米であること

販売様態(商品)に適合した特性があること

産年

安全性が確立されていること

特定の産地・品種

仕入価格が安いこと

安定的に一定量が確保できること

品質・食味がいいこと

合計85.9

58.5

8.6

13.8

30.6

32.1

52.2

4.7

1位 3位2位

Page 18: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 17 -

② 外食事業者等が仕入れている米の様態

外食事業者等が仕入れている米を様態別に見ると、良質・定質

の米を低廉な価格で安定的に確保しようとする傾向が強いこと等

から、ブレンド米を仕入れている業者の割合が高くなっており、

単品米も併せて仕入れている業者も含めれば、約7割を占めてい

ます(図Ⅰ-21 。)

図Ⅰ-21 外食事業者等が仕入れている米の様態

資料:農林水産省「外食事業者等に対する米の仕入動向アンケート結果 (平成18年5月調査)」

注:図Ⅰ-20の注と同じ。

17.9

36.9

34.6

31.8

67.4

34

26

37.4

14.7

29.1

39.4

30.9

0 20 40 60 80 100

炊飯事業者

中食事業者

外食事業者

全体

ブレンド米 単品米、ブレンド米の両方 単品米

Page 19: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

- 18 -

、 、 、さらに 仕入れている米の品種別の内訳を見ると 単一銘柄米ブレンド米共に 「コシヒカリ 「ひとめぼれ 「ヒノヒカリ 、、 」、 」、 」「あきたこまち」等の消費者ニーズの高い銘柄米が中心となっています(図Ⅰ-22 。)

米消費の外部化が進展していることを踏まえれば、こうした外

食事業者等のニーズに対して的確に応えていくことも重要となっ

ています。

図Ⅰ-22 外食事業者等が仕入れた主な品種銘柄○単一銘柄米

○ブレンド米

資料:農林水産省「外食事業者等に対する米の仕入動向アンケート結果 (平成18年5月調査)」

注:図Ⅰ-20の注と同じ。

3.3

3.5

4.8

6.0

8.7

13.7

38.4

0 5 10 15 20 25 30 35 40

きらら397

キヌヒカリ

はえぬき

ヒノヒカリ

あきたこまち

ひとめぼれ

コシヒカリ

3.6

3.9

4.3

5.0

8.1

13.9

24.6

0 5 10 15 20 25 30 35 40

はえぬき

キヌヒカリ

きらら397

あきたこまち

ヒノヒカリ

ひとめぼれ

コシヒカリ

Page 20: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

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(4) 米加工品における米の使用量

① 加工原材料用米の需要酒造用、加工米飯用、味噌用、米菓用、米穀粉用等の米加工品

向けに供給される加工原材料用米は、近年、減少傾向で推移して

います。これは、食の多様化の影響等により、米加工品の消費量

が全体として、減少したことが大きな原因と考えられています

(図Ⅰ-23 。)

この加工原材料用米の需要量を用途別に見ると、清酒用、味噌

用、米穀粉用等への原料米の使用量の減少が続いており、特に最

大の供給先である清酒用の減少が大きく、これが加工原材料用米

の需要量の減少の大きな要因となっています(図Ⅰ-24 。)

他方、芋焼酎ブームを追い風に堅調に生産量を伸ばしている焼

酎や、消費者の簡便化志向や食の外部化に対応した加工米飯への

原料米の需要量は中長期的には増加傾向にあり、こうした需要へ

的確に応えていくことも重要になっています。

★ 解説「加工用米」

加工用米とは、主食用等では対応し難い低価格帯需要の加工用

途向けに供給することを目的に生産されている米穀のことです。

また、加工用米は、米穀の生産調整の扱い(生産数量目標の確

定値の外数の扱い)がされ、主食用等の生産量に含まれない米穀

です。

したがって、単に「加工用途に供される米(加工原材料用米 」)

とは異なることに注意する必要があります。

図Ⅰ-23 加工原材料用米の需要量の推移(制度別)

資料:農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」等を基に農林水産省で推計

注:1)平成17年は速報値である。

2) その他は、くず米、輸入米粉調製品等である。

3) ラウンドの関係で合計と内訳が一致しないことがある。

図Ⅰ-24 加工原材料用米の需要量の推移(用途別)

資料:日本酒造組合中央会調べ、農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」等を基に農林水

産省で推計

24

3634

32

2731

2321

1918

4147

4949

47

21 253427

12

0

50

100

150

13 14 15 16 17

万トン

政府米

旧自主流通米

加工用米

その他

合計

128125

121128

116

3827

8

11

21

21

15

16

1412

12

11

5

5

15

12

0

20

40

60

80

100

120

140

平成13年 平成17年

万トン

その他

焼酎

米菓

味噌

米穀粉

加工米飯

包装もち

清酒

Page 21: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

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② 加工米飯

加工原材料用米の需要のうち、加工米飯の生産量の推移を見ると、消費者の簡便化志向等の強まりから、家庭内の食事についても調理を簡略化する傾向が強まったことを反映し、増加傾向で推移しています(図Ⅰ-25 。)米飯種類別に見ると、大半を占める冷凍米飯は 「そばめし」、

等ヒット商品による増加があったものの、近年は新たなヒット商品が登場していないことにより、横ばい傾向で推移しています。また、無菌包装米飯は、常温保存が可能であるという利便性、

品質の向上、商品の多様化(白飯とレトルト具材を組み合わせたセット米飯商品)で需要を伸ばしてきたものの、市場の浸透が一巡したことから、最近は緩やかな増加となっています。加工米飯への原料米使用量については、製品全体の生産量の推

移を反映し、緩やかな増加になっています(図Ⅰ-26 。)

○加工米飯の解説(種類別)

種類 説明 主要な製品例

無菌包装米飯気密性のある包装容器又は成形袋に入れて密封したもの(製造工程の無菌室で包装)

白飯

冷凍米飯 マイナス40℃以下で急速に冷凍したもの チャーハン

レトルト米飯気密性のある包装容器又は成形袋に入れて密封した後、100℃以上で殺菌したもの

おかゆ

チルド米飯 包装後冷蔵したもの 混ぜご飯(主に業務用)

缶詰米飯 缶に詰め、密封した後100℃以上で殺菌したもの 混ぜご飯

乾燥米飯 急速熱風乾燥、凍結乾燥あるいは蒸した後、膨化したもの 白飯

図Ⅰ-25 加工米飯の生産量の推移(種類別)

資料:農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」

注 :ラウンドの関係で合計と内訳が一致しないことがある。

図Ⅰ-26 加工米飯への原料米使用量の推移

資料:農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」等を基に農林水産省で推計

13年平成

14 15 16 17

14.7 14.7 14.815.7 16.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

万トン

16.114.6 13.5 14.4 14.9

5.86.6 7.9

8.8 8.9

2.32.2 1.9

1.8 1.81.00.7 0.7

0.70.7

0.50.5 0.6

0.60.6

0.20.2 0.2

0.20.2

0

5

10

15

20

25

30

13年平成

14 15 16 17

万トン合計

25.9 24.924.8

無菌包装米飯

レトルト米飯

冷凍米飯

缶詰米飯

乾燥米飯チルド米飯

26.527.0

Page 22: 第1 動向編 - maff.go.jp80 90 100 110 120 40 45 50 55 60 2 7 12 17 kg 平成 2.2kg/年 1.3kg/年 0.8kg/年 0.6kg/年 (年平均減少量) (昭和40年代) (昭和50年代)

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③ その他の米加工食品

その他の米加工食品について種類別の製造量の推移を見ると、

米穀粉については、平成11年のだんごブームで一時的に上新粉の

使用量が増加しましたが、その後、徐々に減少しています。

また、味噌についても、減少傾向にありますが、これは、近年

の食生活の多様化等によるごはん食の減少に伴い、併せて食され

ていたみそ汁の消費が減少していることによると考えられます。

一方、米菓については、ほぼ横ばいで推移しており、また、も

ちについては、従来、正月を中心として消費される季節商品でし

たが 「スライスもち」や「シングルパックもち」等の食の簡便、

化に応じた商品の開発等により、年間を通じて消費されるように

なったことから、ほぼ横ばいで推移しています(図Ⅰ-27 。)

また、近年、米粉パンが注目されていますが、大手パンメーカ

ーにおいても、米を原料とするパンが製品化されています。

その他の米加工食品への原材料米使用量については、米穀粉及

び味噌の生産量の減少を反映して、緩やかな減少傾向となってい

ます(図Ⅰ-28 。)

○大手パンメーカーによる米粉を原料とするパンの製造について

A社 国内産米の米粉を使用したロールパン、あんパン

B社 国内産米の米粉を使用した食パン

C社 生地におかゆを練りこんだコッペパン

図Ⅰ-27 米加工食品の製造量の推移

資料:農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」

図Ⅰ-28 米加工食品の原材料米使用量の推移

資料:農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」等を基に農林水産省で推計

万 トン

1 2 1 2 1 2 1 2 1 1

1 4 1 3 1 2 1 31 2

2 12 1

55 5

55

2 12 1

2 1

0

1 0

2 0

3 0

4 0

5 0

6 0

1 3年平 成

1 4年 1 5年 1 6年 1 7年

米 菓

米 穀 粉

味 噌

もち

万トン

53 52 51 51 50

12 1111 12

10

2121

21 2121

66

6 55

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

13年

平成

14年 15年 16年 17年

米菓

味噌

米穀粉

もち

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④ 酒類

酒類全体の製成数量は、近年概ね900万キロリットル程度で推

移しています(図Ⅰ-29 。)

ブームの追い風に乗って堅調に推移している焼酎や、缶酎ハイ

等の「ライト」な酒類の消費が増加している反面、清酒の消費量

は年々減少しており、酒類製成数量全体に占める清酒の割合も、

平成16年度には6%程度まで減少しています。

また、酒税の負担率が低く順調に消費量を伸ばしていた発泡酒

については、酒税の見直しによる負担増や、第三のビールと呼ば

れる更なる低価格帯のビール風飲料の出現により、近年その生産

量は減少傾向に転じています。

酒類の原料米使用量については、近年の芋焼酎ブームにより、

焼酎については、原料の一部である米の消費量も増加傾向にある

ものの、原料の大半を米で占める清酒の消費が減少していること

から、全体として原料米の使用も減少傾向が続いています

(図Ⅰ-30 。)

図Ⅰ-29 酒類製成数量の推移

資料:国税庁「酒のしおり」

注: その他」とは、果実酒類、リキュール類等である。「

図Ⅰ-30 酒類の原料米需要量の推移

資料:日本酒造組合中央会調べ等を基に農林水産省で推計

720 680 633 601 524

757 804 827 923 1,043

5,4644,813

4,300 3,959 3,844

1,7152,374

2,6242,503

2,282

7280

89112136

1,282908841

735632

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12年平成

13 14 15 16

千キロリットル

清酒

焼酎

ウイスキー類

ビール

発泡酒

その他

万トン

38 3633 32

27

88

9 11

11

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

13年平成

14 15 16 17

焼酎

清酒