第13章 ポンプ場の構造設計の基本 - maff.go.jp...551 第13章...

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550 第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本 13.1 一般 ポンプ場の構造物は、建築構造物(建屋)と土木構造物(吸込水槽、吐出し水槽、取付水路等) から成り、ポンプ形式等によっては吸込水槽を建屋内に入れることも多い。このようなポンプ場で は建屋と吸込水槽が一体構造物となるため、吸込水槽についても建築基準の適用を受けることがあ る。(例えば二床式の吸込水槽の場合で、一床目のポンプ据付床面への通行が容易な構造の場合、ポ ンプ据付床面についても建築基準法の適用を受ける)この場合は、吸込水槽についても建築の各種 関連法規、構造計算基準値等を満足するように設計を行う必要がある。 建築構造物と土木構造物の区分は、表-13.1 に示すポンプ場の標準的な型式と特徴に準拠する。 表-13.1 ポンプ場の標準的な型式と特徴(1/3) (押込み式:ドライエリアを設けない場合) 横軸渦巻ポンプで、以下の場合 に採用される。 ① キャビテーションに対して、 インペラを吸込水面下に設置 する必要がある場合。 ② 敷地がそれほど広くない場 合。 ③ 満水操作が不要なため、高度 な自動化が要求される場合。 ④ 中小規模の高揚程ポンプの 場合に多い。 ⑤ チューブラポンプ等の場合 に採用される。 ① ポンプ室が地下室である ので、吸上げ式に比べ点検は やや複雑である。 ② 場内排水ポンプが必要。 ③ 真空ポンプ等満水系統設 備が不要である。 ④ キャビテーションにとっ て有利である。 ⑤ 防湿を十分考慮した換気 設備が必要である。 ⑥ 吸込水槽と建屋の間にド ライエリアがないため、漏水 対策が必要である。 (押込み式:ドライエリアを設ける場合) 横軸渦巻ポンプで、以下の場合 に採用される。 ① キャビテーションに対して、 インペラを吸込水面下に設置 する必要がある場合。 ② 敷地が比較的広い場合。 ③ 満水操作が不要なため、高度 な自動化が要求される場合。 ④ 中~大規模な高揚程ポンプ の場合に多い。 ⑤ ポンプ室が比較的深く、地下 水位の高い場所に採用される。 ① ポンプ室が地下室である ので、吸上げ式に比べ点検は やや複雑である。 ② 場内排水ポンプが必要。 ③ 真空ポンプ等満水系統設 備が不要である。 ④ キャビテーションにとっ て有利である。 ⑤ 防湿を考慮した換気設備 が必要である。 ⑥ 漏水のおそれがないので、 機器に対する安全性が高い。 (吸上げ式) 横軸渦巻ポンプで、以下の場合 に採用される。 ① キャビテーションに対して、 インペラを吸込水面上に設置 して差し支えない場合。 ② 敷地が比較的広い場合。 ③ 小規模で揚程が比較的低い 場合に多い。 ① 機器の保守点検が容易で ある。 ② 建屋高さが低くとれる。 ③ 真空ポンプ等の補機設備 が必要である。 表中の概略図において、Ⓐ部は土木構造物、Ⓑ部は建築構造物とする。 建屋 G.L 吸込水槽 ドライエリア 建屋 G.L 吸込水槽 電気室 操作室 建屋 G.L 吸込水槽

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Page 1: 第13章 ポンプ場の構造設計の基本 - maff.go.jp...551 第13章 ポンプ場の構造設計の基本 表-13.1 ポンプ場の標準的な型式と特徴(2/3) 型 式

550

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

13.1 一般

ポンプ場の構造物は、建築構造物(建屋)と土木構造物(吸込水槽、吐出し水槽、取付水路等)

から成り、ポンプ形式等によっては吸込水槽を建屋内に入れることも多い。このようなポンプ場で

は建屋と吸込水槽が一体構造物となるため、吸込水槽についても建築基準の適用を受けることがあ

る。(例えば二床式の吸込水槽の場合で、一床目のポンプ据付床面への通行が容易な構造の場合、ポ

ンプ据付床面についても建築基準法の適用を受ける)この場合は、吸込水槽についても建築の各種

関連法規、構造計算基準値等を満足するように設計を行う必要がある。

建築構造物と土木構造物の区分は、表-13.1 に示すポンプ場の標準的な型式と特徴に準拠する。

表-13.1 ポンプ場の標準的な型式と特徴(1/3)

型 式 概 略 図 採 用 例 特 徴

一 床

(押込み式:ドライエリアを設けない場合)

横軸渦巻ポンプで、以下の場合

に採用される。 ① キャビテーションに対して、

インペラを吸込水面下に設置

する必要がある場合。 ② 敷地がそれほど広くない場

合。 ③ 満水操作が不要なため、高度

な自動化が要求される場合。 ④ 中小規模の高揚程ポンプの

場合に多い。 ⑤ チューブラポンプ等の場合

に採用される。

① ポンプ室が地下室である

ので、吸上げ式に比べ点検は

やや複雑である。

② 場内排水ポンプが必要。 ③ 真空ポンプ等満水系統設

備が不要である。 ④ キャビテーションにとっ

て有利である。 ⑤ 防湿を十分考慮した換気

設備が必要である。 ⑥ 吸込水槽と建屋の間にド

ライエリアがないため、漏水

対策が必要である。

(押込み式:ドライエリアを設ける場合)

横軸渦巻ポンプで、以下の場合

に採用される。 ① キャビテーションに対して、

インペラを吸込水面下に設置

する必要がある場合。 ② 敷地が比較的広い場合。

③ 満水操作が不要なため、高度

な自動化が要求される場合。 ④ 中~大規模な高揚程ポンプ

の場合に多い。 ⑤ ポンプ室が比較的深く、地下

水位の高い場所に採用される。

① ポンプ室が地下室である

ので、吸上げ式に比べ点検は

やや複雑である。

② 場内排水ポンプが必要。 ③ 真空ポンプ等満水系統設

備が不要である。 ④ キャビテーションにとっ

て有利である。 ⑤ 防湿を考慮した換気設備

が必要である。 ⑥ 漏水のおそれがないので、

機器に対する安全性が高い。

(吸上げ式)

横軸渦巻ポンプで、以下の場合

に採用される。 ① キャビテーションに対して、

インペラを吸込水面上に設置

して差し支えない場合。 ② 敷地が比較的広い場合。

③ 小規模で揚程が比較的低い

場合に多い。

① 機器の保守点検が容易で

ある。 ② 建屋高さが低くとれる。 ③ 真空ポンプ等の補機設備

が必要である。

表中の概略図において、Ⓐ部は土木構造物、Ⓑ部は建築構造物とする。

建屋

G.L

吸込水槽

Ⓐ Ⓑ

Ⓑ Ⓐ

ドライエリア

建屋 G.L

吸込水槽

Ⓐ Ⓑ

Ⓑ Ⓐ

電気室 操作室

建屋 G.L

Ⓐ Ⓑ

Ⓐ Ⓑ

吸込水槽

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

表-13.1 ポンプ場の標準的な型式と特徴(2/3)

型 式 概 略 図 採 用 例 特 徴

低揚程の軸流・斜流ポンプで以

下の場合に採用される。 ① 機場敷地が洪水位より高く

とれる場合。 ② 横軸形ポンプが採用可能な

場合で、敷地面積が十分とれ

る場合。 ③ 立軸一床式ポンプ採用の場

合で、主ポンプ吐出し口径 1,500mm 以下のポンプに多い。

また、原動機が立形ガスタービ

ンや減速機搭載形ポンプを採

用する場合で、主ポンプ吐出し

口径 2,000mm まで採用され

る。

① 土木構造が簡単である。 ② 横軸ポンプは建屋は低く

てすむが、面積が広くなる。 ③ 横軸ポンプは真空ポンプ

等の補機設備が必要である。

④ 横軸ポンプは機器の据付、

保守点検が容易である。

⑤ 立軸ポンプでは建屋は高

くなるが、面積が小さくてす

む。

⑥ 立軸ポンプでは、減速機、

主原動機の据付高さが高く

なるため、振動等に対する十

分な事前検討が必要である。

立軸ポンプで、以下の場合に採

用される。 ① 機場の敷地を狭くしたい場

合。 ② 小規模で揚程が比較的低い

場合に多い。 ③ 主ポンプ吐出し口径 1,500

mm 以下の場合で、原動機が電

動機などで、冷却水の貯留槽

が不要な場合。 ④ 高揚程立軸斜流の場合に多

く採用される。

① 土木工事が安価である。 ② 建屋の基礎が吸込水槽と

そうでない部分があるため、

建屋の基礎設計に留意する

必要がある。 ③ 立軸ポンプでは、減速機、

主原動機の据付高さが高く

なるため、振動等に対する十

分な事前検討が必要である。

渦巻ポンプで、以下の場合に採

用される。 ① 敷地面積が狭い場合。 ② 地盤より吸込水槽が低く、ポ

ンプ据付レベルを下げるため

主原動機を浸水から保護する

場合に採用する。

① 建屋構造が複雑である。 ② 吸込水槽と建屋の間にド

ライエリアを設けない場合

は漏水対策を検討する必要

がある。 ③ 主原動機が独立した床面

上のため、振動防止の面で有

利である。

低揚程の軸流、斜流ポンプで以

下の場合に採用される。 ① キャビテーションの関係か

ら立軸ポンプを採用する場

合。 ② 主ポンプ吐出し口径 1,500

mm 超の場合に多い。 ③ 敷地面積が狭い場合に多

い。 ④ 洪水位が高く、主原動機を浸

水から保護する場合。 ⑤ 吸込水位が地盤よりかなり

低い場合。

① 据付面積が少なくて済む

が、建屋高さが高くなる。 ② 分解が困難である。 ③ 土木構造は複雑である。

表中の概略図において、Ⓐ部は土木構造物、Ⓑ部は建築構造物とする。

建屋

吸込水槽

建屋

G.L

吸込水槽

建屋 G.L

吸込水槽

Ⓐ Ⓑ Ⓑ Ⓐ

建屋

G.L

電気室

操作室

吸込水槽

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技 術 書・ポ ン プ 場

表-13.1 ポンプ場の標準的な型式と特徴(3/3)

型 式 概 略 図 採 用 例 特 徴

半二床式

低揚程の軸流、斜流ポンプで以

下の場合に採用される。 ① キャビテーションの関係か

ら立軸ポンプを採用する場

合。 ② 主ポンプ吐出し口径 1,500

mm 以下の場合に多い。 ③ 敷地面積が狭い場合に多い。 ④ 主原動機を浸水から保護す

る場合。 ⑤ 吸込水位が地盤よりかなり

低い場合。

① 二床式に比べ土木構造が

簡単である。 ② 二床式に比べ建屋が低く

て済む。 ③ 減速機の据付高さが高く

なり振動の原因になりやす

いため、十分な事前検討が必

要である。

コンクリート

ケーシング

低揚程の大容量立軸ポンプの

場合に採用される。 ① 土木構造が極めて複雑で

規模も大きい。 ② 二床式が一般的でスラス

トが相殺されず床版荷重が

大きい。 ③ 主ポンプと土木構造物が

一体のため、振動伝播の防止

が困難である。

表中の概略図において、Ⓐ部は土木構造物、Ⓑ部は建築構造物とする。

13.2 荷重の種類

一般的なポンプ場の設計において考慮する荷重の種類には、次のものがある。

(1) 吸込水槽と建屋が分離構造の場合

① 吸込水槽

鉛直荷重:自重、管及び弁類荷重、載荷重、内水重、浮力又は揚圧力

水平荷重:土圧荷重、水圧荷重、地震荷重(慣性力、動水圧)

② 建屋

鉛直荷重:自重(固定荷重)、主ポンプ荷重、主原動機荷重、管及び弁類荷重、載荷重(床面

積載、積雪、特殊荷重等)、浮力又は揚圧力

水平荷重:土圧荷重、水圧荷重、風荷重、地震荷重(慣性力、動水圧)

(2) 吸込水槽と建屋が一体の場合

① 吸込水槽

鉛直荷重:自重、建屋荷重、主ポンプ荷重、主原動機荷重、管及び弁類荷重、載荷重、内水重、

浮力又は揚圧力

水平荷重:土圧荷重、水圧荷重、地震荷重(慣性力、動水圧)

② 建屋

鉛直荷重:自重(固定荷重)、管及び弁類荷重、載荷重(床面積載、積雪、特殊荷重等)

水平荷重:風荷重、地震荷重(慣性力)

吸込水槽

建屋

吸込水槽

G.L

吸込水槽

建屋 電気室

操作室

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

13.3 荷重の組合せ

ポンプ場の形式は、吸込水槽と建屋の分離・一体構造などのほか現場条件により、以下の 4つの

タイプ(表-13.2参照)に区分できる。このため、安定計算及び構造計算は、それぞれのタイプが持

つ特徴を考慮し、ポンプ場が最も安全となる方向で検討を行う必要がある。

また、安定計算と構造計算では検討する方向や考慮する荷重が異なることから、各ポンプ場タイ

プごとにそれぞれ適切な荷重の組合せにより設計を行う必要がある。

(1) ポンプ場タイプⅠ:吸込水槽と建屋が分離。

吸上げ式の横軸渦巻ポンプの場合に比較的多い構造タイプである。

(2) ポンプ場タイプⅡ:吸込水槽と建屋が分離。吸込水槽壁を建屋の壁と共有する場合と、しない

場合がある。

高揚程ポンプでは、押込み式の横軸渦巻ポンプや二床式の立軸渦巻ポンプ、また低揚程ではチュ

ーブラポンプの場合に比較的多い構造タイプである。

(3) ポンプ場タイプⅢ:吸込水槽と建屋が上下一体で、1方向のみ開放部あり。

高揚程ポンプでは立軸斜流ポンプや横軸渦巻ポンプ、また低揚程では一床式、二床式、半二床式、

コンクリートケーシングなどのポンプ場に比較的多い構造タイプである。

(4) ポンプ場タイプⅣ:吸込水槽と建屋が上下一体で、2方向に開放部あり。

自然排水兼用の排水ポンプ場で、ポンプ場に隣接して排水路を設置する場合や排水ポンプ場の周

りに遊水池を設置する場合に比較的多い構造タイプである。

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技 術 書・ポ ン プ 場

注) 吸込水槽の地震時安定性検討は、

X-X、←方向について行う。

注) 建屋及び吸込水槽の地震時安定性

検討は X―X、←方向にて検討を行う。

表-13.2 ポンプ場タイプと地震時の安定性検討方向(1/2)

(1)

(2)

ポ ン プ 場 概 略 図

平面図

吸込水槽

平面図

Y1

P

P FLOW

GL

WL

P PGL

ポンプ室

独立フーチング

P

WL FLOW

建 屋

ポンプ室

独立フーチング

P

P FLOW

P P

ポンプ室 WL

FLOW

ポンプ室

独立フーチング

GL

GL

WL

GL

GL

GL GL

GL GL

WL

WL

Y1 Y1 ―

Y2 Y2 ―

Y2

Y1

Y2

建 屋

吸込水槽

X X ―

Y2 Y1

X

X X

Y2

Y1

X

P 吸込水槽

建 屋

X X ―

建 屋

Y2 Y2 ―

Y1 Y1 ―

吸込水槽

地震力

地震力

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

注)吸込水槽の地震時安定性検討は

X-X、←方向について行う。

吸込水槽

吸込水槽

吸込水槽

吸込水槽

表 13.2 ポンプ場タイプと地震時の安定性検討方向(2/2)

注)吸込水槽の地震時安定性検討は、X-

X、←方向、又はY-Yの↑方向について

行う。

(側水路がない場合)

(側水路がある場合)

(3)

(4) ポ

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技 術 書・ポ ン プ 場

13.3.1 安定計算における荷重の組合せ

吸込水槽の安定計算は、原則として流水方向と流水直角方向の 2方向について検討を行う必要が

ある。ただし、地震時の場合は、一般に流水方向のみの検討としてよいが、ポンプ場タイプⅣの場

合は流水直角方向の検討も併せて行う。

(1) 常時

常時の安定計算における荷重の組合せは、表-13.3を標準とする。

表-13.3 常時の安定計算における荷重の組合せ

ポンプ場タイプ 吸込水槽に作用する荷重 建屋に作用する荷重 備 考

タイプ I、Ⅱ ①+④+⑤+⑥+⑦+⑧+⑨ ①+②+③+④+⑤+⑦+⑧+⑨ 図-13.1参照

タイプ Ⅲ、Ⅳ ①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+

⑧+⑨+⑩

①+④+⑤ 図-13.2参照

①自重 ②主ポンプ荷重 ③主原動機荷重 ④管及び弁類荷重 ⑤載荷重(群集荷重等) ⑥内水重 ⑦浮力 ⑧土圧荷

重(主働土圧)⑨水圧荷重 ⑩建屋荷重(建屋荷重の組合せ詳細は、別途「13.5.3 建屋」〔参考〕参照)

図-13.1 常時の安定計算における荷重(ポンプ場タイプI、Ⅱ)

図-13.2 常時の安定計算における荷重(ポンプ場タイプⅢ、Ⅳ)

注1) 流水方向及びタイプⅣの流水直角方向の土圧及び外部水圧は,一般に,偏土圧及び偏水圧となる。

2) 内水位は,一般に最低水位と最高水位の 2ケースについて行う。

注1) 流水方向の土圧及び外部水圧は、一

般に,偏土圧及び偏水圧となる。

2) 内水位は、一般に最低水位と最高水

位の 2ケースについて行う。

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

(2) 地震時

地震時の安定計算における荷重の組合せは、表-13.4を標準とする。

表-13.4 地震時の安定計算における荷重の組合せ

ポンプ場タイプ 吸込水槽に作用する荷重 建屋に作用する荷重 備 考

タイプ I、Ⅱ ①+④+⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+

⑪+⑬

①+②+③+④+⑤+⑦+⑧+⑨

+⑪+⑬ 図-13.3参照

タイプ Ⅲ、Ⅳ ①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+

⑧+⑨+⑩+⑪+⑫+⑬

①+④+⑤+⑪+⑬ 図-13.4参照

①自重 ②主ポンプ荷重 ③主原動機荷重 ④管及ぴ弁類荷重 ⑤載荷重(機器荷重等) ⑥内水重 ⑦浮力 ⑧土圧荷

重(地震時主働土圧) ⑨水圧荷重(内水は静水圧±動水圧、地下水は静水圧) ⑩建屋荷重 ⑪自重による慣性力 ⑫

建屋荷重による慣性力 ⑬機器、載荷重による慣性力(建屋荷重の組合せ詳細は、別途「13.5.3 建屋」〔参考〕参照)

図-13.3 地震時の安定計算における荷重(ポンプ場タイプI、Ⅱ)

図-13.4 地震時の安定計算における荷重(ポンプ場タイプⅢ、Ⅳ)

注1) 流水方向及びタイプⅣの流水直角方向の土圧及び外部水圧は、一般に、偏土圧及び偏水圧となる。

2) 内水位は、一般に平常水位とする。

3) 基礎形式が杭基礎の場合は、地震力に抵抗する側の根入れ部外壁に、地震時慣性力に起因する土圧の増

分を等分布で作用させる。

注1) 流水方向の土圧及び外部水圧は、

一般に、偏土圧及び偏水圧となる。

2) 内水位は、一般に平常水位とする。

3) 基礎形式が杭基礎の場合は、地震

力に抵抗する側の根入れ部外壁に、

地震時慣性力に起因する土圧の増分

を等分布で作用させる。

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技 術 書・ポ ン プ 場

(3) 根入れ効果による土圧の増分

地震時慣性力に起因する土圧の増分は、杭の水平変位に伴う受働抵抗に相当するもので、基礎形

式が杭基礎の場合のみ適用するものとする。一方、直接基礎の場合においても水平力の合力が摩擦

抵抗力を上回る場合は、受働抵抗が発生してくるため、受働土圧の範囲内で土圧が増大する。この

ため、滑動に対する安定計算を行う際には、受働土圧の範囲内で土圧の増分を見込んでよいが、こ

の場合の滑動に対する安全率は、常時で 1.5、地震時で 1.2 以上を確保する必要がある。

基礎形式が杭基礎の場合、地震時における根入れ効果による土圧の増分は、地震時慣性力(土圧、

水圧は含まない)に水平力分担率を乗じた値とし、根入れ部分に等分布で作用させる。杭には、

(1-)を乗じた値を作用させる。

水平力分担率は、式(13.1)により算定する。

40.2-1=

fD

h ........................................................... (13.1)

ここに、 :根入れ部分の水平力分担率(≦0.7)

h :地上部分の高さ(m)

Df :構造物の平均根入れ深さ(m)

この場合、地震力に抵抗する側の地盤による反力(地震時主働土圧+根入れ効果による土圧の増

分)は、受働土圧として計算される値を超えないように留意する必要がある注)。(図-13.5参照)

なお、地表付近は地盤の抵抗要素として不安定要因が大きく影響すると考えられるので、根入れ

深さの適用範囲を Df≧2m とする。ただし、Df<2m の部分についても、適切なライニング等を施

工し、地表面が洗掘や圧密沈下などによる変形のおそれがない場合は、Df≧2m の場合と同様に根

入れ部分の水平力分担率を考慮できる。また、根入れ深さが一様でない場合は、図-13.6 及び図-

13.7に示すように、根入れ部分の面積を加重平均した平均根入れ Dfを使用してよい。

注) 式(13.1)は、基礎スラブ根入れ部分の受働抵抗を弾性バネと仮定し、側面における摩擦抵抗を考慮した試算に基づい

て算定されたものであるが、設計実務上、すべてを土圧増分として抵抗側に作用させることから、「地震時主働土圧+根入

れ効果による土圧の増分」は受働土圧の範囲内に制限することとした。

図-13.5 地震時における土圧などの概念図

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

図-13.6 周辺地盤高が異なる場合

図-13.7 地盤面一定で構造物が変化する場合

13.3.2 構造計算における荷重の組合せ

吸込水槽の構造計算は、一般に流水直角方向で検討を行ってよいが、構造部材の拘束状態が変化

する場合は、必要に応じ流水方向についても検討を行う。

なお、建屋の構造計算は、流水方向及び流水直角方向で検討を行う。

(1) 常時

常時の構造計算における荷重の組合せは、表-13.5を標準とする。

表-13.5 常時の構造計算における荷重の組合せ

ポンプ場タイプ 吸込水槽に作用する荷重 建屋に作用する荷重 備 考

タイプⅠ、Ⅱ ①+④+⑤+⑥+⑦+⑧+

⑨+⑪

①+②+③+④+⑤+⑦+

⑧+⑨+⑪ 図-13.8参照

タイプⅢ、Ⅳ ①+②+③+④+⑤+⑥+

⑦+⑧+⑨+⑩+⑪

①+④+⑤ 図-13.9参照

①自重 ②主ポンプ荷重 ③主原動機荷重 ④管及ぴ弁類荷重 ⑤載荷重(群集荷重等) ⑥内水重 ⑦揚圧力 ⑧土圧

荷重(静止土圧) ⑨水圧荷重 ⑩建屋荷重 ⑪地盤反力又は杭反力(建屋荷重の組合せ詳細は、別途「13.5.3 建屋」

〔参考〕参照)

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技 術 書・ポ ン プ 場

図-13.8 常時の構造計算における荷重(ポンプ場タイプⅠ、Ⅱ)

図-13.9 常時の構造計算における荷重(ポンプ場タイプⅢ、Ⅳ)

(2) 地震時

地震時の構造計算における荷重の組合せは、表-13.6を標準とする。

表-13.6 地震時の構造計算における荷重の組合せ

ポンプ場タイプ 吸込水槽に作用する荷重 建屋に作用する荷重 備 考

タイプⅠ、Ⅱ ①+④+⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+

⑪+⑬+⑭

①+②+③+④+⑤+⑦+

⑧+⑨+⑪+⑬+⑭ 図-13.10参照

タイプⅢ、Ⅳ ①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+

⑧+⑨+⑩+⑪+⑫+⑬+⑭

①+④+⑤+⑪+⑬ 図-13.11参照

①自重 ②主ポンプ荷重 ③主原動機荷重 ④管及ぴ弁類荷重 ⑤載荷重(機器荷重等) ⑥内水重 ⑦揚圧力 ⑧土圧

荷重(地震時主働土圧、0.5を下回らないものとする) ⑨水圧荷重(内水は静水圧±動水圧、地下水は静水圧) ⑩建

屋荷重 ⑪自重による慣性力 ⑫建屋荷重による慣性力 ⑬機器、載荷重による慣性力 ⑭地盤反力又は杭反力(建屋荷

重の組合せ詳細は、別途「13.5.3 建屋」〔参考〕参照)

注1) 両面が内水に接する壁に作用する静水

圧は、相殺されるため図示していない。

2) 内水位は、一般に最低水位と最高水位

の 2 ケースについて行う。

3) 基礎形式が杭基礎の場合は、⑪は杭反

力を作用させるものとする。

注1) タイプIVは偏土圧が生じるが、この場合

も静止土圧で計算する。

2) 両面が内水に接する壁に作用する静水圧

は、相殺されるため図示していない。

3) 内水位は、一般に最低水位と最高水位の

2 ケースについて行う。

4) 基礎形式が杭基礎の場合は、⑪は杭反力

を作用させるものとする。

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第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

図-13.10 地震時の構造計算における荷重(ポンプ場タイプⅠ、Ⅱ)

図-13.11 地震時の構造計算における荷重(ポンプ場タイプⅢ、Ⅳ)

注1) 内水位は、一般に平常水位とする。

2) 壁の両面が内水に接する場合の水圧荷重は、静水圧が相殺されるため地震時動水

圧(⑨')分のみを示す。

3) 基礎形式が杭基礎の場合は、地震力に抵抗する側の根入れ部外壁には、地震時慣

性力に起因する土圧の増分を等分布で作用させる。また、⑭は杭反力を作用させる

ものとする。

注1) タイプⅣの土圧及び外部水圧は、一般に、偏土圧及び偏水圧となる。

2) 内水位は、一般に平常水位とする。

3) 壁の両面が内水に接する場合の水圧荷重は、静水圧が相殺されるため地震時動水

圧(⑨')分のみを示す。

4) 基礎形式が杭基礎の場合は、地震力に抵抗する側の根入れ部外壁には、地震時慣

性力に起因する土圧の増分を等分布で作用させる。また、⑭は杭反力を作用させ

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562

技 術 書・ポ ン プ 場

13.4 荷重の算定

(1) ポンプ場の安定・構造設計に用いる荷重は、自重及び載荷重のほかに、①主ポンプ荷重、②土

圧、③静水圧、④浮力又は揚圧力、⑤地震力などがある。これらの荷重は、以下に示す方法によ

り算定する。なお、地震力の算定方法については、「13.5 耐震設計」によるものとする。

(2) 基礎の設計には支持力(強度)に対する安全性と、沈下(変形)に対する制限についての検討

が必要であるが、両者に関係する荷重はやや性質を異にする。すなわち、地盤や杭の支持力の計

算には予想される荷重の最大値を採るのに対し、圧密沈下の計算には常時実際に加わっている荷

重を採ればよい。

(3) 機器を搬入あるいは搬出する場合、ポンプ室内に一旦仮置きの上、搬入・搬出するが、その時

の仮置き部には搬入車両の荷重も見込み、機器の最大荷重のものを考慮する必要がある。

13.4.1 ポンプ荷重

ポンプ室に設置される機器の荷重には、自重による荷重と運転時の荷重(大きさと作用方向を考

慮した荷重)とがある。前者を静荷重、後者を動荷重という。動荷重は自重と運転状態(水の流れ

による力、機器回転運動による力、機器往復運動による力等)を考慮して算定される。一般に荷重

といえばこの動荷重をいう。 なお、動荷重は床版荷重又は基礎荷重ともいう。

本項でいうポンプ荷重とは、設置された機器の動荷重を総称したものである。

ポンプ室の床版強度を決定するための床版荷重とその大きさの算定方法を以下に示す(荷重 W は

kN、機器の質量は kg 単位)。

(1) 床版荷重

① 高揚程横軸両吸込渦巻ポンプの床版荷重

図-13.12 高揚程横軸両吸込渦巻ポンプの床版荷重(単段、多段とも)

W1 :図の A の部分に相当する管の荷重(管の荷重は、表-13.18 参照)

W2 :弁荷重+図の B に相当する管の荷重(弁の荷重は、表-13.16 参照)

W3 :主ポンプの基礎荷重+図の C に相当する管の荷重

(主ポンプの基礎荷重は、表-13.7 参照)

W4 :電動機質量×(9.8/1,000)× 1.2(電動機の質量は、図-13.21(b)~図-13.25(b)参照)

W5 :弁荷重+ 図の D に相当する管の荷重

W6 :弁荷重+ 図の E に相当する管の荷重

W7 :図の F の部分に相当する管の荷重

W8 :逆止め弁の衝撃荷重=吐出し口断面積 ( m2)×最大実揚程 ( m)× 9.8 ( k N/m3)× 2 注) W8 は逆止め弁の衝撃圧であって、合流送水しているものは、実揚程の代わりに全揚程とする。また、逆止め弁が緩閉

式の場合は、送水圧を 2 倍にする必要はないが、水撃による昇圧を考慮する必要がある。

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563

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

② 高揚程立軸片吸込渦巻ポンプの床版荷重

図-13.13 高揚程立軸片吸込渦巻ポンプの床版荷重

W1 :図の A の部分に相当する荷重(管の荷重は、表-13.18 参照)

W2 :弁荷重+ 図の B に相当する管の荷重(弁荷重は、表-13.16 参照)

W3 :主ポンプの基礎荷重+ 図の C の部分に相当する管の荷重

(主ポンプの基礎荷重は、表-13.7 参照)

W4 :弁荷重+図の D の部分に相当する管の荷重

W5 :弁荷重+ 図の E の部分に相当する管の荷重

W6 :図の F の部分に相当する管の荷重

W7 :(主電動機の質量+架台の質量)×(9.8/1,000)× 1.2 +主ポンプのスラスト荷重

(主電動機の質量は図-13.26(b)~13.30(b)、架台の質量は表-13.15、スラスト荷重は

図-13.32 を参照のこと)

W8 :高揚程横軸両吸込渦巻ポンプに同じ。

注 1) 主ポンプのスラスト荷重は、図-13.31 でスラスト荷重を主ポンプで支持する範囲に入れば加算しない。主ポンプの

スラスト荷重を主ポンプ本体で受持つ範囲を図-13.31 に示す。本図を超える範囲は主電動機側にて支持する。

なお、このスラスト荷重は設計点の値を示したもので最高使用点が弁のしぼり運転によりこの設計点と異なる場合

には Hmax /HT 倍に修正して使用する。(Hmax は最高使用点(m)、HT は設計点(m))また、主ポンプの始動時又は停止時に

吐出し側の弁が閉鎖される場合には、図-13.32 のスラスト荷重を 1.5 倍に修正して使用する。しかし、この時のスラス

ト荷重は主ポンプの始動時又は停止時にのみ発生するもので、床版荷重としては短期荷重となる。

2) W8 は図-13.12 の注)を参照。

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564

技 術 書・ポ ン プ 場

③ 低揚程ポンプの床版荷重

( i ) 横軸ポンプの床版荷重

図-13.14 横軸ポンプ床版荷重

W1 :(ディーゼル機関の場合)

W1 = ディーゼル機関ウェット質量(ベース及び潤滑油含む)×(9.8/1,000)×1.3

(ガスタービンの場合)

W1 = ガスタービンのウェット質量(ベース及び潤滑油含む)×(9.8/1,000)×1.2

(電動機の場合)

W1 = 電動機の質量×(9.8/1,000)× 1.2

W3 :歯車減速機のウェット質量(潤滑油含む)×( 9.8/1,000)× 1.2(歯車減速機の質量

は、表-7.4~表-7.13 参照)

W4 :主ポンプの基礎荷重=(主ポンプ質量+吸込管質量+水質量)×(9.8/1,000)×1.2

(主ポンプの基礎荷重は、表-13.9 参照)

W5 :弁荷重+図の A の部分に相当する管の荷重(弁荷重は、表-13.16 参照)

W6 :図の B の部分に相当する管の荷重(管の荷重は、表-13.18 参照)

W7 :図の C の部分に相当する管の荷重(フラップ弁が付く場合は加算する。フラップ弁

の荷重は、表-13.17参照)

W8 :プラップ弁の衝撃荷重=吐出し端断面積(m2)×最大実揚程(m)×9.8(k N/m3)×2

注 1) W1 にはコンクリート基礎の質量については含まれていないので別途考慮する。主ポンプと吐出し弁間に管内

クーラが付く場合は、表-10.3の管内クーラ荷重を W5 に加算する。

2) W8 はフラップ弁の衝撃荷重である。

[例]吐出し量 150 超~200m3/min 以下の横軸斜流ポンプ(Ⅰ型)、吸込管長 6m の場合

表-13.9 から

床版荷重は、211 kN

吸込管 1 m 当たり荷重 22.6kN

したがって W4 は

211+{ 22.6 ×(6-4)}= 256

∴ 256kN となる。

たわみ管継手

W8

AB

W7

W6W5W4W3W1

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565

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

(ii) 立軸ポンプ(一床式)の床版荷重

図-13.15 立軸ポンプ(一床式)床版荷重

W1、W3、W5、W6、W7、W8:横軸ポンプに同じ。

W4 :傘歯車減速機を採用する場合 W3+W4

※減速機搭載型を採用する場合は、表-13.11 参照

W3 :歯車減速機のウェット質量(潤滑油含む)×(9.8/1,000)×1.2(歯車減速機の質

量は、表-7.4~表-7.13 参照)

W4 :主ポンプ床版荷重(主ポンプの基礎荷重は、表-13.10 参照) 注) W1 にはコンクリート基礎の質量については含まれていないので別途考慮する。主ポンプと吐出し弁間に管内クー

ラが付く場合は表-10.3の管内クーラの床版荷重を W5 に加算する。

(iii) 立軸ポンプ(二床式)の床版荷重

図-13.16 立軸ポンプ(二床式)床版荷重

W1、W5、W6、W7、W8:横軸ポンプに同じ。

W3 :(歯車減速機の質量+歯車減速機の架台質量)×(9.8/1,000)×1.2 +スラスト荷重

歯車減速機の質量は表-7.4~表-7.13、歯車減速機の架台質量は表-13.14 を参照の

こと。スラスト荷重は主ポンプスラスト荷重選定図(図-13.33)から得た荷重に対し

下記の係数を乗算すること。

なお、スラスト軸受を主ポンプに設ける場合は、W3 にスラスト荷重は見込まなくて

よい。また、立形電動機の場合は、立形電動機の質量に表-13.15 電動機架台質量を加

算して求める。 斜流ポンプの場合の係数 1.2

軸流ポンプの場合の係数 1.1

注) この係数は計画点より高い揚程(最大全揚程)で運転されることを考慮したものである。

1W

BA

たわみ管継手

4W 5W6W

8W

7W

3W

たわみ管継手

W8

W7

W6W5W4

W3

W1

たわみ管継手

AB

W3

W4 W5

W6

W8

W7

(減速機搭載型の場合)

1W

BA

たわみ管継手

4W 5W6W

8W

7W

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566

技 術 書・ポ ン プ 場

W4 :主ポンプ床版荷重(主ポンプ基礎荷重は、表-13.10 参照) 注)立軸斜流ポンプで始動時又は停止時に吐出し弁が閉鎖される場合には図-13.33 のスラスト荷重を 1.5 倍に修正し

て使用する。しかし、この時のスラスト荷重は始動時又は停止時のみ発生するので短期荷重となる。主ポンプと吐

出し弁間に管内クーラが付く場合は、表-10.3 の管内クーラの床荷重を W5 に加算する。

[例]吐出し量 90 超 115m3/min 以下の基礎荷重の立軸一床式斜流ポンプ(Ⅰ型)で、コラム長 5 m の場合の基礎荷重

は、表-13.10 から、

142+15.8×(5-4)=157.8 kN となる。

④チューブラポンプの床版荷重

( i ) 軸流形チューブラポンプ

図-13.17 軸流形チューブラポンプ床版荷重

W1 :図の A の部分に相当する管の荷重(管の荷重は、表-13.18 参照)

W2 :弁荷重+図の B の部分に相当する管の荷重(弁の荷重は表-13.16、管の荷重は

表-13.18参照)

W3 :主ポンプ基礎荷重+図の C の部分に相当する管の荷重

(主ポンプの基礎荷重は表-13.12、管の荷重は表-13.18参照)

W4 :弁荷重+図の D の部分に相当する管の荷重(弁の荷重は表-13.16、管の荷重は

表-13.18参照)

W5 :図の E の部分に相当する管の荷重(管の荷重は、表-13.18 参照)

W8 :横軸ポンプに同じ

(ii) 斜流形チューブラポンプ

図-13.18 斜流形チューブラポンプ床版荷重

W1、W2、W4、W5:軸流形チューブラポンプの場合と同じ。

W3 :主ポンプ基礎荷重+図の C 部に相当する管の荷重

(主ポンプの基礎荷重は表-13.13、管の荷重は表-13.18 参照)

W8 :横軸ポンプに同じ

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567

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

基礎荷重(kN)

全揚程(m)

5 10 20 30 40 50 60 80 100

0.5

0.4

1.00.90.80.70.6

2.0

3.0

4.0

5.0

A-150

A-125

A-100

A-80

A-65

A-50

B-150

B-125

B-80B-10

0

B-65

B-50

(2) 基礎荷重及び機器質量

① 高揚程ポンプの基礎荷重

( i ) 横軸片吸込単段及び多段ポンプの基礎荷重

注1) 基礎荷重は、(主ポンプ質量+主ポンプ内水質量+共通ベッド質量)× 1.2×9.8/1,000 として算出したものである。 2) 全体基礎荷重は、これに主電動機荷重(主電動機質量× 1.2×9.8/1,000)を加えればよい。(主電動機の質量は、図

-13.21(b)~図-13.25(b)参照)

3) A-○○○、B-○○○の数字は主ポンプの吸込口径( mm )を示す。

A:高揚程渦巻ポンプ適用線図の A ゾーンの横軸片吸込単段渦巻ポンプを示す。

B:高揚程渦巻ポンプ適用線図の B ゾーンの横軸片吸込多段渦巻ポンプを示す。

図-13.19 横軸片吸込単段及び多段ポンプ基礎荷重

(ii) 横軸両吸込渦巻、立軸片吸込渦巻及び横軸片吸込渦巻ポンプの基礎荷重

表-13.7 横軸両吸込、立軸片吸込、横軸片吸込渦巻ポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

両吸込単段渦巻ポンプ (Cゾーン)

立軸片吸込渦巻ポンプ (Cゾーン)

両吸込多段渦巻ポンプ (Dゾーン)

片吸込多段渦巻ポンプ (Eゾーン)

全揚程 50m 全揚程 50m 全揚程 100m 全揚程 100m

極 数 基礎荷重

( k N ) 極 数 基礎荷重

( k N ) 極 数 基礎荷重

( k N ) 極 数 基礎荷重

( k N )

3 超~ 5 以下 5 超~ 8 以下 8 超~ 12 以下 12 超~ 18 以下 18 超~ 23 以下 23 超~ 28 以下 28 超~ 36 以下 36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下 115 超~150 以下 150 超~200 以下

4 4 4 6 6 6 6 6 8 10 12 14 16

15 17 21 32 41 51 61 80 133 195 266 330 450

4 6 6 6 8 8 10 10 12 14 16

30 34 42 52 71 100 130 171 226 301 485

4 6 6 6 6 6 8

55 74 94 117 141 186 310

4 4

28 37

注1) 基礎荷重表は、主ポンプ吐出し量、極数及び基準揚程に対するものである。

基準揚程は、両吸込単段渦巻ポンプ C ゾーンを 50m 、両吸込多段渦巻ポンプ D ゾーン及び片吸込多段ポンプ E ゾー

ンを 100m としてあるので、その場合以外のポンプについては、図-13.20 により基礎荷重を補正する。

2) 基礎荷重は、(主ポンプ質量+主ポンプ内水質量+共通ベッド質量)× 1.2 ×9.8/1,000 として算出したものである。

3) 共通ベッドなしの場合は 20% 減とする。

全揚程(m)

基礎荷重(

kN)

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568

技 術 書・ポ ン プ 場

2.5

2.0

1.5

1.0

0.8

0.6

0.5

15 20 30 40 50 60 70 80 90 100 150 200 250 300

図-13.20 基礎荷重比線図

注1) 全体基礎荷重は、これに電動機荷重(電動機質量×1.2×9.8/1,000)を加える。(電動機質量は、図-13.21(b)~

図-13.30(b)参照)

2) 吸込条件等により、電動機の極数が変わる場合は極数変更による補正係数(次表)を乗じて求める。

極数変更による補正係数

変更極数 補正係数 変更極数 補正係数

4P → 6P

6 → 8

8 →10

10 →12

12 →14

14 →16

1.3

1.2

1.15

1.11

1.08

1.07

6P → 4P

8 → 6

10 → 8

12 →10

14 →12

16 →14

0.83

0.865

0.88

0.90

0.915

0.92

3) 横軸両吸込単段渦巻ポンプの吐出し量 28m3/min を超えるものは共通ベットを含まない。

〔例〕両吸込単段渦巻ポンプの吐出し量 50 超~70m3/min 以下、8 極、全揚程 65m の場合、基準基礎荷重は 133

kN(表-13.7)、基礎荷重比は、全揚程 65m の場合 1.18(図-13.20)

133 kN × 1.18 = 157 kN となる。

極数を 10 とした場合は、157× 1.15 = 180.6 kN となる。

極数を 6 とした場合は、157× 0.865 = 135.8 kN となる。

(iii) 高揚程立軸斜流ポンプの基礎荷重

表-13.8 高揚程立軸斜流ポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基礎荷重

(kN) 揚水管荷重 (kN/m)

吐 出 し 量 (m3/min)

基礎荷重 (kN)

揚水管荷重 (kN/m)

8 超~12 以下 12 超~18 以下 18 超~23 以下 23 超~28 以下 28 超~36 以下

40

46

53

60

69

5.2 6.1 6.8 7.9

8.6

36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下

83

108

138 175

10.5 13.1 16.1 20.2

注 1) 基礎荷重は、吸込ベル部から主ポンプ据付床面までの長さ 4m として算出したものである。

2) 基礎荷重は、( 主ポンプ質量+主ポンプ内水質量 )×1.2×9.8/1,000 として算出したものである。

3)揚水管荷重とは、水中のインペラケーシング部と床上の吐出しケーシング部をつなぐ揚水管部の荷重である。

4)吸込ベル部から主ポンプ据付床面までの長さが 4 m 以外の基礎荷重は、下記要領にて算出する。

〔例〕吐出し量 50 超~ 70 m3/min 以下の高揚程 立軸斜流ポンプで主ポンプ据付床面から吸込ベル部まで 5m の

場合の基礎荷重はいくらか。

(1)吐出し量 50 超~ 70 m3/min 以下の基礎荷重 108 kN(表-13.8)

(2)吐出し量 50 超~ 70 m3/min 以下の 1m 当たり揚水管荷重 13.1 kN(表-13.8)

基礎荷重は、108+(5-4)×13.1=121.1 kN となる。

ポンプ基礎荷重比

全揚程(m)

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569

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

② 低揚程ポンプの基礎荷重

( i ) 横軸ポンプの基礎荷重

表-13.9 横軸ポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重(kN) 吸込管荷重

( 吸込管 1m 当たりkN)

Ⅰ 型 Ⅱ 型

軸 流 斜 流 軸 流 斜 流

12 超~ 23 以下 23 超~ 36 以下 36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下 115 超~150 以下 150 超~200 以下 200 超~255 以下 255 超~325 以下 325 超~400 以下 400 超~480 以下 480 超~600 以下

21.5 31.5

44 58 76 96 118 166 211 271 337 410 515

22 35 50 68 89 113 143 211 278 354 445 535 670

21 31

43.5 57 75 95 117 164 209 268 334 406 510

21.5 34.5 49.5

67 88 112 142 209 275 351 441 530 663

3.1 4.6 6.6 8.6 10.9 13.5 16.2 22.6 28.3 34.5 41.9 49.4 60.3

注1) 基礎荷重は、ベルマウス入口から据付床面までの長さを 4 m として、(主ポンプ質量+吸込管部の質量+水質量)×1.2×9.8/1,000 で算出したものである。

2) 吸込管荷重は、ベルマウス入口から据付床面までの寸法が 4 m を外れた時の加減用として、1 m 当たりの(吸込管質量+水質量)×1.2×9.8/1,000 で算出したものである。

3) 低揚程分(斜流:3.2 m 以下、軸流:2.5 m 以下)は、「5.4.4.1〔参考〕ポンプ選定上の注意」を参照の上、適用する。

(ii) 立軸ポンプの基礎荷重

表-13.10 立軸ポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重(kN) 揚水管荷重 (揚水管 1m 当たり kN)

Ⅰ 型 Ⅱ 型

一 床 式 二 床 式 一 床 式 二 床 式

軸 流 斜 流 軸 流 斜 流 軸 流 斜 流 軸 流 斜 流

12 超~ 23 以下 23 超~ 36 以下 36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下 115 超~150 以下 150 超~200 以下 200 超~255 以下 255 超~325 以下 325 超~400 以下 400 超~480 以下 480 超~600 以下

33 47 65 82 104 127 152 208 252 306 410 525 650

35 53 70 92 114 142 173 235 287 344 460 565 720

32 43 60 76 96 116 138 185 227 275 327 387 467

34 50 66 84 104 131 158 220 271 327 389 461 560

29 41 57 73 92 114 134 179 222 270 360 463 572

30 47 62 81 101 127 154 205 256 307 410 503 641

28 37 53 67 85 104 122 158 200 242 292 345 416

29 43 58 76 95 118 140 190 242 292 347 411 504

3.8 5.5 7.7 10.1 12.6 15.8 19.3 25.7 31.9 38.5 45.9 54.3 64.8

注1) 基礎荷重は、吸込ベル部から主ポンプ据付床面までの長さを 4 m で算出したものである。 ただし、吐出し量 400 超~480 m3/min 以下はポンプ長さ 4.1 m、吐出し量 480 超~600以下 m3/min はポンプ長さ 4.5 m である。

2) 基礎荷重は( 主ポンプ質量+主ポンプ内水質量 )×1.2 ×9.8/1,000 として算出したものである。 3) 揚水管荷重とは、水中のインペラケーシング部と床上の吐出しケーシング部をつなぐ揚水管部の荷重であり、注1)を外れた場合の加減用として、1 m 当たりの(吸込管質量+水質量)×1.2×9.8/1,000 で算出したものである。

4) 低揚程分(斜流:3.2 m 以下、軸流:2.5 m 以下)は、「5.4.4.1〔参考〕ポンプ選定上の注意」を参照の上、適用する。 5) Ⅲ型の場合は、Ⅰ型の 0.9 倍とする。

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570

技 術 書・ポ ン プ 場

(iii) 減速機搭載型立軸ポンプの基礎荷重

表-13.11 減速機搭載型立軸ポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重(kN) 揚水管荷重 (揚水管 1m 当たり kN)

Ⅰ 型 Ⅱ 型

クラッチ無 クラッチ有 クラッチ無 クラッチ有

軸 流 斜 流 軸 流 斜 流 軸 流 斜 流 軸 流 斜 流 36 超~ 50 以下

50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下 115 超~150 以下 150 超~200 以下 200 超~255 以下 255 超~325 以下 325 超~400 以下 400 超~480 以下 480 超~600 以下

82 100

124 152 193 270 320 382 506 655 808

87 110 134 167 214 297 355 420 556 695 878

83 101 125 153 194 271 322 384 508 658 811

88 111 135 168 215 298 357 422 558 698 881

- 91 112 139 175 241

290 346 456 593 730

- 99 121 152 195 267 324 383 506 633 799

- 92 113 140 176 242 292 348 458 596 733

- 100 122 153 196 268 326 385 508 636 802

7.7 10.1 12.6 15.8 19.3 25.7 31.9 38.5 45.9 54.3 64.8

注1) 基礎荷重は、吸込ベル部から主ポンプ据付床面までの長さを 4 m で算出したものである。

ただし、吐出し量 400 超~480 m3/min 以下はポンプ長さ 4.1 m、吐出し量 480 超~600 m3/min 以下はポンプ長さ 4.5 m である。

2) 基礎荷重は( 主ポンプ質量+主ポンプ内水質量 )×1.2 ×9.8/1,000 として算出したものである。

3) 揚水管荷重とは、水中のインペラケーシング部と床上の吐出しケーシング部をつなぐ揚水管部の荷重であり、注 1)を外れ

た場合の加減用として 1 m 当たりの(吸込管質量+水質量)×1.2×9.8/1,000 で算出したものである。

4) クラッチ有の場合は、油圧クラッチ内蔵型を示す。

5) 低揚程分(斜流:3.2 m 以下、軸流:2.5 m 以下)は、「5.4.4.1〔参考〕ポンプ選定上の注意」を参照の上、適用する。 6) Ⅲ型の場合は、Ⅰ型の 0.9 倍とする。

③ チューブラポンプの基礎荷重

表-13.12 軸流形チューブラポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重

( kN ) 吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重

( kN )

36 超~ 50 以下 72 200 超~255 以下 300

50 超~ 70 以下 86 255 超~325 以下 370

70 超~ 90 以下 102 325 超~400 以下 560

90 超~115 以下 136 400 超~480 以下 670

115 超~150 以下 169 480 超~600 以下 790

150 超~200 以下 220

注1) 基礎荷重は(主ポンプ質量+主ポンプ内水質量 )×1.2×9.8/1,000 として算出したものである。

2) Ⅰ型、Ⅱ型は同じとする。

表-13.13 斜流形チューブラポンプの基礎荷重表

吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重

( kN ) 吐 出 し 量 (m3/min)

基 礎 荷 重

( kN )

36 超~ 50 以下 95 200 超~255 以下 380

50 超~ 70 以下 119 255 超~325 以下 510

70 超~ 90 以下 153 325 超~400 以下 730

90 超~115 以下 192 400 超~480 以下 876

115 超~150 以下 230 480 超~600 以下 1,020

150 超~200 以下 300

注1) 基礎荷重は(主ポンプ質量+主ポンプ内水質量 )×1.2×9.8/1,000 として算出したものである。

2) Ⅰ型、Ⅱ型は同じとする。

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571

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

④ 機器の質量及び荷重

主ポンプ以外の諸機器に関する質量及び荷重は、下記によるものとする。

( i ) 歯車減速機の質量は、7.2 減速機〔参考〕2.に示す歯車減速機(表-7.4~表-7.13)によ

る。

(ii) 歯車減速機及び電動機の架台

表-13.14 歯車減速機の架台質量表

吐 出 し 量 (m3/min)

歯車減速機架台質量( kg ) 吐 出 し 量 (m3/min)

歯車減速機架台質量( kg )

軸流ポンプ 斜流ポンプ 軸流ポンプ 斜流ポンプ

12 超~ 23 以下 23 超~ 36 以下 36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下 115 超~150 以下

500

700 850 1,200 1,400 1,800 2,100

600

750 900 1,300 1,600 2,000 2,400

150 超~200 以下 200 超~255 以下 255 超~325 以下 325 超~400 以下 400 超~480 以下 480 超~600 以下

2,600

3,200 3,850 4,550 5,600 7,000

3,300

4,100 4,900 5,700 6,900 8,700

注1) 本表は、スラスト荷重を主ポンプ支持とする場合の架台質量を示す( セラミックス軸受採用の場合

は、原則としてスラスト荷重は主ポンプ支持とする )。

2) セラミックス軸受以外の軸受を採用し、スラスト荷重を減速機支持とする場合の架台質量は上記

の概略 1.3 倍とする。

3) 複合減速機( 流体継手内蔵形直交軸傘歯車減速機 )の架台質量は、上記の概略 1.5 倍とする。

4) 低揚程分(斜流:3.2 m 以下、軸流:2.5 m 以下)については、「5.4.4.1〔参考〕ポンプ選定上の注

意」を参照の上、適用する。

表-13.15 電動機の架台質量表

吐 出 し 量 (m3/min)

架 台 質 量

( kg ) 吐 出 し 量 (m3/min)

架 台 質 量

( kg ) 吐 出 し 量 (m3/min)

架 台 質 量

( kg )

8 超~12 以下 12 超~18 以下 18 超~23 以下 23 超~36 以下

900

1,100 1,300 1,600

36 超~ 50 以下 50 超~ 70 以下 70 超~ 90 以下 90 超~115 以下

1,800

2,000 2,300 2,500

115 超~150 以下 150 超~200 以下 200 超~255 以下

2,800

3,200 4,000

注1) スラスト荷重を電動機支持とする場合の架台質量を示す。

2) 低揚程分(斜流:3.2 m 以下、軸流:2.5 m 以下)については、「5.4.4.1〔参考〕ポンプ選定上の注意」を

参照の上、適用する。

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572

技 術 書・ポ ン プ 場

(iii) 電動機の寸法及び質量は、図-13.21(a)、(b)~13.30(a)、(b)による。

図-13.21(a) 横軸かご形電動機概略長さ寸法(200V、400V 級トップランナー電動機を含む)

図-13.21(b) 横軸かご形電動機概略質量(200V、400V 級トップランナー電動機を含む)

1 2200

300

400

500

1,000

2,000

1043 5 20 30 5040 100 200 300

12P10P

8P6P

4P2P

電動機出力(kW)

M寸

法(m

m)

M

寸法

(m

m)

M

寸法(

mm)

電動機出力(kW)

12P 10P

8P 6P

2P 4P

MM

電動機出力(kW)

10 10 1 2 3 4 5 20 30 40 50 100

20

30 40 50

100

200

300 400 500

1,000

200 300

量(

kg)

2,000

2P

4P

6P

8P

10P 12P

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573

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000 50 100 200 500 1,000 2,000

4P6P8P

10P12P

図-13.22(a) 横軸巻線形電動機概略長さ寸法(3kV 級)

図-13.22(b) 横軸巻線形電動機概略質量(3kV 級)

電動機出力(kW)

M

寸法(

mm)

20,000

5,000

4P

6P

8P10P

12P

10,000

2,000

1,000

500 50

電動機出力(kW) 電動機出力(kW)

100 200 500 1,000 2,000

質 量(

kg)

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574

技 術 書・ポ ン プ 場

1,000 100 200 500 1,000 2,000

4P6P

8P10P

12P

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

3,150

図-13.23(a) 横軸巻線形電動機概略長さ寸法(6kV 級)

20,000

5,000

200 500 1,000 2,000

4P

6P

8P 10P 12P

10,000

2,000

1,000 3,150 100

図-13.23(b) 横軸巻線形電動機概略質量(6kV 級)

M寸法(

mm)

電動機出力(kW)

電動機出力(kW)

質 量(

kg)

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575

第 13 章 ポンプ場の構造設計の基本

3,000

100 200 500 1,000 2,000

4P 6P 8P

10P 12P

2,000

1,000

50

4,000

図-13.24(a) 横軸かご形電動機概略長さ寸法(3kV 級)

5,000

100 200 500 1,000 2,000

4P

6P

8P

10P

12P 10,000

2,000

1,000

500 50

図-13.24(b) 横軸かご形電動機概略質量(3kV 級)

M

寸法(

mm)

電動機出力(kW)

電動機出力(kW)

質 量(

kg)

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576

技 術 書・ポ ン プ 場

図-13.25(a) 横軸かご形電動機概略長さ寸法(6kV 級)

図-13.25(b) 横軸かご形電動機概略質量(6kV 級)

4,000

100 200 500 1,000 2,000

4P

6P 8P

10P 12P

2,000

1,000 3,150

3,000

20,000

5,000

100 200 500 1,000 2,000

4P 6P 8P

10P 12P

10,000

2,000

1,000 3,150

量(

kg)

M寸法(

mm)

電動機出力(kW)

電動機出力(kW)