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年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
年代を超えたICT利活用の普及第2節ICT利活用は年代を超えて広がっている。2002年と2014年の年代別インターネット利用率を比較すると、
全ての年代で利用率が上昇しており、特に60代以上のシニア層での上昇率が大きい(図表2-2-1-1)。同じく2002年と2014年の世帯主年代別ネットショッピング利用率を比較すると、こちらも全ての年代で利用率が上昇しており、シニア世帯の利用率も大きく上昇している(図表2-2-1-2)。このように、ICT利活用の普及は全年代共通の現象であるが、利活用の実態を細かくみると、年代によって一定の傾向がみられる。本節では、アンケート結果*1の分析を通じて、年代に応じたICT利活用の特徴を探っていく。
図表2-2-1-1 インターネット利用率の向上(年代別)
2002年 2014年
52.6
88.2 89.8 84.974.9
53.1
26.0
8.11.0
71.6
97.8 99.2 97.8 96.6 91.3
75.2
50.2
21.2
0
20
40
60
80
100
6-12歳 13-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70-79歳 80歳以上
(%)
(出典)総務省「通信利用動向調査」より作成
図表2-2-1-2 世帯主年代別ネットショッピング利用率(二人以上の世帯、2002年・2014年)
9.3 9.1 11.0 11.8
8.9 7.4 6.2 5.4 3.8 2.5 1.8
30.0
38.7 43.5 44.2 41.4 38.7 37.0
32.3
22.1
15.8
9.4
0
10
20
30
40
50
~24歳 25~29歳
35~39歳
45~49歳
55~59歳
65~69歳
30~34歳
40~44歳
50~54歳
60~64歳
70歳~
(%)
集計世帯に占める割合(2002年) 集計世帯に占める割合(2014年)
(出典)総務省「家計消費状況調査結果」より作成
ICT端末の利用状況1まず、年代によって利用するICT端末にどのような違いがあるかをみてみよう。利用しているICT端末(過
去1ヶ月以内にプライベートで利用したことがあるICT端末)を尋ねたところ、年代での利用率の違いが大きいのは、スマートフォン*2、フィーチャーフォン*3、固定電話であった。これに対しテレビやPCの利用率には年代によってそれほど大きな違いはみられない。
スマートフォンは若い年代ほど利用率が高くなる傾向があり、20代以下のスマートフォン利用率が約8割に達するのに対し、60代以上では約2割にとどまる。これとは反対にフィーチャーフォンは年代が上がるほど利用率が高くなる傾向があり、60代以上では約5割がフィーチャーフォンを利用している。固定電話も年代が上がるほど利用率が高くなる傾向があり、60代以上での固定電話利用率が約8割を維持しているのに対し、20代以下と30代では3割を下回っている(図表2-2-1-3)。
*1 日本全国の消費者2,000人に対してウェブアンケートを実施。調査の設計に当たっては、東京大学大学院情報学環・橋元良明教授にご助言を頂いた。また、設問全般の検討に当たり「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(平成26年9月総務省情報通信政策研究所)を参考にしている。調査仕様の詳細は巻末の付注5を参照されたい。
*2 インターネット上のサイトをPCと同じように閲覧でき、PCと同じような機能を自由に追加できる携帯電話・PHS。アンケートの設問ではiPhone、Android、その他として例示している。
*3 スマートフォン以外の携帯電話・PHSを指す。
平成27年版 情報通信白書 第1部78
第2章
ICT利活用の進展
-
年代を超えた ICT利活用の普及 第 2節
図表2-2-1-3 利用しているICT端末(年代別)
全体(n=2,000) 20代以下(n=400) 30代(n=400) 40代(n=400) 50代(n=400) 60代以上(n=400)
77.8
32.3
70.0
2.8
92.5
16.5
50.5
20.5
61.8
21.5
68.0
5.5
88.0
20.8
42.544.0
59.3
19.5
69.5
18.3
85.8
24.3
37.8
54.0
29.0
11.0
60.3
22.0
76.8
22.530.0
63.3
27.5
6.5
58.8
30.5
76.3
17.019.3
78.5
51.1
18.2
65.3
15.8
83.9
20.2
36.0
52.1
0
20
40
60
80
100
固定電話FAXテレビゲーム機PCタブレットフィーチャーフォンスマートフォン
(%)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
スマートフォンとフィーチャーフォンの年代別利用状況について、もう少し詳しくみてみよう。携帯電話利用者に限定してみた場合、20代以下ではスマートフォン利用者が約8割(スマートフォンとフィーチャーフォンの併用者を除く。以下この段落で同じ)、フィーチャーフォン利用者が14.9%とスマートフォン利用者が圧倒的に多い。50代でもスマートフォン利用者が47.7%、フィーチャーフォン利用者が45.8%であり、スマートフォン利用者の方が多数を占めている。一方60代以上では、スマートフォン利用者が26.8%にとどまり、フィーチャーフォン利用者の70.3%を大きく下回っている (図表2-2-1-4)。
また、利用しているICT端末のうち最も利用頻度が高いものを尋ねたところ、20代以下ではスマートフォンが約6割となり、PCの約3割に大差をつけている。30代でもスマートフォンがPCを上回る。若い年代のインターネット利用はスマートフォンからのアクセスが一般的になっていることがうかがえる(図表2-2-1-5)。
図表2-2-1-5 最も利用頻度が高いICT端末(年代別)
63.7
1.8
5.8
7.8
63.5
3.0
5.8
18.1
56.5
1.8
5.8
28.6
39.9
3.3
4.0
46.0
32.9
2.6
2.8
59.9
51.3
2.5
4.9
32.0
0 20 40 60 80 100
PC
タブレット
フィーチャーフォン
スマートフォン
全体(n=1,979) 20代以下(n=392) 30代(n=396)40代(n=395) 50代(n=397) 60代以上(n=399)
(%)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
図表2-2-1-4 スマートフォンとフィーチャーフォンの利用状況(年代別)
56.6 56.6
79.1 79.1
66.0 66.0
54.9 54.9
47.7 47.7
26.8 26.8
37.2 37.2
14.9 14.9
28.3 28.3
35.5 35.5
45.8 45.8
70.3 70.3
6.2 6.2
6.0 6.0
5.7 5.7
9.6 9.6
6.5 6.5
2.9 2.9
0 20 40 60 80 100
全体 (n=1,658)
20 代以下 (n=369)
30 代 (n=353)
40 代 (n=335)
50 代 (n=325)
60 代以上 (n=276)
(%)
スマートフォンのみ利用 フィーチャーフォンのみ利用スマートフォン+フィーチャーフォン併用
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部 79
ICT利活用の進展
第2章
-
年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
ICTサービスの利用状況2次に、年代によって利用しているICTサービスにどのような違いがあるかをみてみよう。20代以下では、「動
画投稿・共有サイト(YouTube、ニコニコ動画等)や生中継サイト(ツイキャス等)の閲覧や投稿」の利用率が67.5%、「SNS(Facebook、Twitter等)の閲覧や投稿、他人の投稿の拡散」の利用率が55.0%、「メッセージングアプリ」の利用率が48.1%、「無料通話アプリを利用した通話」の利用率が47.1%となっており、いずれも他の年代に比べて利用率が高くなっている。この4つのサービスは年代が上がるほど利用率が下がっており、20代以下と60代以上とではその差が大きい。一方、60代以上では、「地図情報提供サービス」の利用率が62.8%、「金融取引」の利用率が47.8%となっており、いずれも20代以下よりも約20ポイント高くなっている。なお、「ホームページ(ウェブ)の閲覧」、「電子メールの送受信」、「ネットショッピングの利用」、「電話回線を利用した通話」については、全年代を通じて利用率が6割を超えている(図表2-2-2-1)。図表2-2-2-1 利用しているICTサービス(年代別)
00 20 40 60 8075.477.0
81.882.4
81.074.4
68.869.2
75.478.8
73.467.0
67.554.348.9
50.438.7
55.043.9
34.432.2
23.551.4
49.249.639.0
34.248.1
47.1
43.0
38.1
31.7
25.830.3
35.432.2
24.326.1
22.216.5
14.610.4
24.822.0
17.018.1
13.223.824.0
21.325.7
20.521.722.0
23.719.520.519.7
17.217.6
13.97.27.1
14.19.6
21.3
40.448.9
46.947.8
32.330.1
23.917.0
46.759.2
62.8
48.9
37.130.6
25.914.7
35.931.6
10.6
65.7
62.262.0
78.086.888.491.4
100
ホームページ(ウェブ)の閲覧
電子メールの送受信
ネットショッピングの利用
電話回線を利用した通話
動画投稿・共有サイト(YouTube、ニコニコ動画等)や生中継サイト(ツイキャス等)の閲覧や投稿
SNS(Facebook、Twitter 等)の閲覧や投稿、他人の投稿の拡散
ブログの閲覧や投稿
メッセージングアプリ
無料通話アプリを利用した通話
地図情報提供サービス
オンライン掲示板(2ちゃんねる等)の閲覧や投稿
金融取引
ネットオークションの利用
オンラインゲーム
デジタルコンテンツ(音楽・音声、映像、ゲームソフト、LINE スタンプ等)の購入
ラジオやテレビ番組等のインターネット配信サービスの利用
デジタルコンテンツの入手・聴取(無料のもの)
パーソナルクラウドサービス
IP 電話を利用した通話
(%)
64.6
20代以下(n=391) 30代(n=396) 40代(n=395) 50代(n=397) 60代以上(n=395)
23.7
14.4
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部80
第2章
ICT利活用の進展
-
年代を超えた ICT利活用の普及 第 2節
目的別の利用メディア3私たちが日常生活の中で何かを調べようとする場合、インターネットの検索サイトを使うこともできれば、本
や雑誌で調べることもできるし、詳しい人に直接聞くこともできる。あるいは、友人や知人に何か伝えたいことがある場合、電子メールやLINEで伝えることもできれば、電話で伝えることもできるし、直接会って伝えることもできる。このように、ある目的を達成しようとする場合、どのように実現するかについては、ICTサービスの利用を含めた複数の手段(メディア)がある。ここでは、こうした目的別の利用手段の傾向を年代別に比較してみよう。
1 情報収集
まず、何かを自発的に調べようとする際、どのような手段を最も頻繁に利用するかを尋ねた。「仕事や研究、勉強について調べたいことがある場合」、「商品やサービスの内容や評判について調べたいことがある場合」など、具体的な場面を提示してそれぞれ尋ねたが、いずれの場面についても「インターネットの検索サイト
(Google やYahoo!等)で検索する」との回答が圧倒的多数(約7割)を占めた。年代による大きな傾向の差はみられなかった。何かを調べる際の最も一般的な手段として、年代を問わずインターネットが広く浸透していることがわかる*4 (図表2-2-3-1)。図表2-2-3-1 情報収集を行う際の手段(年代別)
72.6
68.3
71.0
76.8
78.3
68.5
5.9
5.0
5.8
5.5
6.8
6.5
7.7
10.0
8.5
5.8
6.8
7.5
2.8
0.1 0.2
0.3
0.5
0.2
0.3
0.5
0.1
0.3
0.1
0.3
0.3
0.5
3.3
3.0
2.3
2.5
3.0
1.1
1.0
1.8
1.0
0.5
1.0
9.9
12.5
10.0
8.8
5.3
13.0
0 20 40 60 80 100
全体 2,000
400
400
400
400
400
20 代以下
30 代
40 代
50 代
60 代以上
全体
20 代以下
30 代
40 代
50 代
60 代以上
全体
20 代以下
30 代
40 代
50 代
60 代以上
(%) 0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%)
(n)
0 20 40 60 80 100
全体 2,000
400
400
400
400
400
20 代以下
30 代
40 代
50 代
60 代以上
(%)
(n)
0 20 40 60 80 100
全体 2,000
400
400
400
400
400
20 代以下
30 代
40 代
50 代
60 代以上
(%)
(n)
2,000
400
400
400
400
400
(n)2,000
400
400
400
400
400
(n)<仕事や研究、勉強について調べたいことがある場合>
75.2
69.3
73.3
79.8
80.3
73.3
8.2
8.5
8.8
6.0
9.8
8.0
4.6
6.5
6.0
2.8
2.8
5.0
3.4
3.8
3.8
4.0
2.3
3.3
2.3
1.0
1.5
2.3
1.8
5.0
6.2
11.0
6.8
5.0
3.3
5.0
<健康や医療について調べたいことがある場合>
79.3
76.5
77.0
84.3
84.0
74.8
7.6
7.0
8.3
6.3
8.3
8.3
3.0
5.5
4.0
1.5
1.8
2.0
3.8
2.8
4.3
2.8
3.3
5.8
0.5
0.3
0.8
0.8
0.0
0.8
5.8
8.0
5.8
4.3
2.8
8.0
<商品やサービスの内容や評判について調べたいことがある場合>
78.4
75.0
76.8
84.8
81.3
74.3
7.5
9.3
8.0
5.0
7.8
7.3
4.7
4.0
4.0
3.5
4.8
7.3
3.3
3.3
4.3
1.8
3.0
4.3
0.7
1.0
1.0
0.5
0.5
0.3
5.5
7.5
6.0
4.5
2.5
6.8
<個人的な趣味や娯楽について調べたいことがある場合>
75.5
75.0
74.3
81.8
77.3
69.3
7.4
8.3
8.8
5.5
7.5
7.0
3.4
4.3
4.5
2.3
3.0
3.0
2.2
2.5
2.0
2.0
1.3
3.3
0.5
0.8
1.0
0.3
0.3
0.0
11.0
9.3
9.5
8.3
10.5
17.3
<特に目的のない暇つぶし的な調べたいことがある場合>
インターネットの検索サイト(Google や Yahoo! 等)で検索する(Twitter のツイート等をする場合を含む)インターネットの質問サイト
(Yahoo! 知恵袋や LINE Q 等)で質問する本や雑誌等で調べる家族や知人に聞く専門家に聞くそうしたことについて調べる習慣がないその他
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
次に、ニュースを視聴する手段として、どのような手段を最も頻繁に利用しているかを尋ねた。その結果、全年代で「テレビを見る」との回答が5割を超え、年代を問わずテレビがニュース視聴の最も一般的な手段となっていることが改めて確認された。年代で大きく差が付いたのが「新聞を読む」との回答であり、60代以上では2割を超えるが20代以下では5%を下回る。「インター
*4 ただし、本調査はオンラインモニターへのアンケート結果であるため、回答者がインターネット利用者に限られている点に留意する必要がある。
図表2-2-3-2 ニュースを視聴する際の手段(年代別)
テレビを見る 新聞を読む ラジオを聴くテレビ局や新聞社等報道機関の Web サイトを見る
インターネットのニュースサービス
(Google ニュースやYahoo!ニュース等)を Web ブラウザ
で見る
スマートフォン等のニュースアプリ(Gunosy、LINE NEWS、
Smart News 等)で見る
20 代以下(n=400) 57.8 3.8 1.0 0.5 21.5 5.030 代(n=400) 50.8 7.3 3.8 1.0 30.0 3.540 代(n=400) 54.3 9.0 3.3 1.3 27.3 2.050 代(n=400) 54.5 12.3 2.8 1.5 25.0 3.560 代以上(n=400) 51.8 21.8 3.0 2.3 19.0 0.5
0
20
40
60
80(%)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部 81
ICT利活用の進展
第2章
-
年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
ネットのニュースサービス(GoogleニュースやYahoo!ニュース等)をWebブラウザで見る」との回答は2~3割程度であり、60代以上を除いて「新聞を読む」との回答を上回っている(60代以上では「報道機関のWebサイトを読む」と併せると「新聞を読む」とほぼ同じ)。「スマートフォン等のニュースアプリ(Gunosy、LINE NEWS、SmartNews等)」を最も頻繁に利用するニュース視聴手段として挙げた人も、20代以下では5%に達している。総じて、インターネットがテレビに次ぐニュース視聴の一般的手段として年代を超えて定着しつつあることがわかる*5。
2 コンテンツ視聴
続いて、日常生活の中で娯楽目的で動画を視聴する際に、どのような手段を最も長い時間利用しているかを尋ねた。全年代共通で最も多かった回答は「テレビ放送(リアルタイム視聴)」であり、20代以下で4割強、60代以上で6割弱に達した。
「テレビ放送(録画視聴)」も併せると、20代以下で6割半、60代以上で8割弱の人がテレビを娯楽目的での動画視聴の最も一般的な手段としている。「インターネットでの無料動画配信サービス(YouTube、ニコニコ動画等)」を娯楽目的での動画視聴の最も一般的手段としている人は若い年代ほど多く、20代以下では2割強に達している(図表2-2-3-3)。
3 コミュニケーション
続いて、身近な友人や知人と1対1のコミュニケーションを行う際、どのような手段を最も頻繁に利用しているかを尋ねた。「日常的なおしゃべり」、「重大な事柄の報告」など、具体的な場面を提示してそれぞれ尋ねたところ、いずれの場面についても最も多かったのが「対面での会話」であり、全年代平均で6~7割台となった。電子メールやメッセージングアプリ等のICTサービスが普及しても、やはり対面での会話が身近な友人・知人との最も一般的なコミュニケーション手段であることがわかる(図表2-2-3-4)。
これに対し、「電話」を最も頻繁に利用する人は1割前後、「電子メール」、「メッセージングアプリ」、「SNS」を合計した電子的なテキストのやりとりを最も頻繁に利用する人は2~3割台である。「対面での会話」よりは低いが、想定しているのが身近な友人や知人とのコミュニケーションであることを考えると、これらの数字を「高い」と評価することもできるだろう。
場面別にみると、「対面での会話」の比率が少ないのは「日常的なおしゃべり」(57.1%)であり、反対に「対
*5 ただし、インターネットのニュースサービスやスマートフォン等のニュースアプリは、新聞社等と契約した上でそのニュースを転載している場合が多い点に留意が必要である。
図表2-2-3-3 娯楽目的で動画を視聴する際の手段(年代別)
テレビ放送(リアルタイム視聴)
テレビ放送(録画視聴) DVD、ブルーレイ等
インターネットでの有料動画配信サービス(NHKオンデマンド、Hulu 等)
インターネットでの無料動画配信サービス(YouTube、ニコニコ動画等)
20代以下(n=400) 42.5 22.3 3.8 1.0 22.830代(n=400) 47.5 24.8 4.0 0.8 15.340代(n=400) 47.5 30.5 2.3 0.8 11.050代(n=400) 56.5 24.3 4.5 0.8 10.060代以上(n=400) 58.5 19.0 2.0 0.8 10.8
0
20
40
60
80(%)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
図表2-2-3-4 身近な友人や知人とのコミュニケーション手段(目的別)
16.2
15.9
16.6
16.2
13.6
10.6
11.9
13.9
8.0
5.7
9.1
5.4
7.4
5.9
2.9
2.3
2.3
1.7
1.7
2.1
1.9
9.3
9.1
10.9
11.2
10.7
8.6
8.1
0.3
5.3
2.7
1.0
2.4
1.0
2.7
57.1
59.2
59.4
60.4
65.9
68.4
68.7
0.4
0.3
2.5
0.5
0.5
2.1
0.9
0 20 40 60 80 100
日常的なおしゃべりをする 2,000
感謝の気持ちを伝える
抗議する
頼みごとをする
重大な事柄を報告する
悩みを打ち明ける
謝罪する
2,000
2,000
2,000
2,000
2,000
2,000
(%)
(n)
電子メールLINE 等のメッセージングアプリでのテキストのやりとりFacebook や Twitter 等の SNSでのテキストのやりとり電話(LINE や Skype 等の無料通話アプリの利用を含む)手紙対面での会話その他
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部82
第2章
ICT利活用の進展
-
年代を超えた ICT利活用の普及 第 2節
面での会話」の比率が高いのは「悩みを打ち明ける」(68.4%)、「謝罪する」(68.7%)である。深刻な場面では、対面でのコミュニケーションを選択する人の割合が高いことがわかる。「手紙」を最も頻繁な手段として回答した人は大半の場面で3%未満となっているが、「感謝の気持ちを伝える」
場合には例外的に5.3%とやや高くなっている。以上のように、身近な友人や知人とのコミュニケーション手段として「対面での会話」が最も頻繁に利用され
ていることは全年代共通だが、「対面での会話」以外のコミュニケーション手段の利用状況に着目すると、年代によって一定の差が見られる。図表2-2-3-4の集計結果から、「対面での会話」と回答した人を除いた上で、それ以外のコミュニケーション手段を最も頻繁に利用すると回答した人の内訳を算出した。
全年代を通じて「電子メール」を最も頻繁に利用する人の割合が大きいが、20代以下の場合、「抗議する」場面以外では、「メッセージングアプリ」が最も頻繁に利用される手段となっており、特に「日常的なおしゃべりをする」場面では5割強となって、他のどの場面よりも高くなる。「電子メール」、「メッセージングアプリ」、
「SNS」は電子的なテキストのやりとりという点では共通するが、「電子メール」と「メッセージングアプリ」のどちらを頻繁に利用するかについては年代によって違いが見られた。一方、「電話」を最も頻繁に利用する人は、20代以下ではどの場面でも1~2割台だったが、60代以上では、「感謝の気持ちを伝える」場面を除くと3割を超える。特に「重大な事柄を報告する」場面では4割強となり、「電子メール」の4割弱を上回る。「手紙」を最も頻繁に利用する人の割合は、「感謝の気持ちを伝える」場面において例外的に高く、年代が上がるほど数値が上がる。60代以上では27.3%となり、「電話」の28.0%と同程度になった。
図表2-2-3-5 身近な友人や知人とのコミュニケーション手段(対面での会話を除く)
52.0
43.6
29.1
22.8
3.3
23.5
32.6
44.6
38.6
57.3
8.6
7.2
8.8
7.0
1.3
13.6
16.0
16.2
30.4
36.0
1.4
0.6
0.7
0.6
0.9
0.7
0.6
2.0
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
221(n)
181
148
158
150
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
187(n)
140
107
97
105
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
191(n)
159
145
151
166
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
199(n)
164
148
144
161
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
165(n)
132
110
105
114
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
215(n)
169
143
127
139
(%)
0 20 40 60 80 100
20 代以下
30代
40代
50代
60代以上
176(n)
139
122
114
131
(%)
<日常的なおしゃべりをする>
34.1
20.1
11.5
4.4
0.8
30.1
39.6
48.4
45.6
39.7
9.7
5.8
5.7
0.9
21.6
28.1
28.7
41.2
41.2
3.4
5.0
4.9
6.1
16.0
1.1
1.4
0.8
1.8
1.5
<重大な事柄を報告する>
40.1
29.3
15.9
14.9
1.0
20.9
33.6
45.8
36.2
41.0
10.2
7.9
8.4
2.1
0.0
23.0
23.6
23.4
33.0
37.1
2.1
2.9
0.9
2.1
7.6
3.7
2.9
5.6
11.7
13.3
<悩みを打ち明ける>
42.3
27.2
14.0
15.7
2.9
26.5
39.1
52.4
46.5
48.2
7.4
5.3
3.5
3.1
0.0
20.9
26.6
28.7
31.5
38.1
1.4
1.2
0.7
2.4
7.9
1.4
0.6
0.7
0.8
2.9
<頼みごとをする>
29.3
22.6
8.3
5.3
0.6
32.5
36.5
53.8
45.7
39.2
11.5
6.9
2.8
4.0
1.8
20.9
26.4
24.8
31.8
31.3
2.1
3.8
4.8
7.3
15.1
3.7
3.8
5.5
6.0
12.0
<抗議する>34.5
24.2
10.9
15.2
0.9
30.9
31.8
43.6
52.4
36.8
9.7
6.8
7.3
3.8
0.0
20.6
27.3
29.1
18.1
36.0
2.4
7.6
5.5
8.6
21.1
1.8
2.3
3.6
1.9
5.3
<謝罪する>
37.2
27.4
12.8
14.6
0.6
27.1
33.5
48.6
46.5
42.9
11.6
6.1
5.4
2.8
0.6
17.6
23.8
21.6
21.5
28.0
5.0
9.1
10.1
14.6
27.3
1.5
1.4
0.6
<感謝の気持ちを伝える>
0.8
LINE 等のメッセージングアプリでのテキストのやりとり電子メールFacebook や Twitter 等の SNSでのテキストのやりとり電話(LINE や Skype 等の無料通話アプリの利用を含む)手紙その他
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部 83
ICT利活用の進展
第2章
-
年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
インターネットショッピングの利用状況4本節の冒頭でみたように、ネットショッピングの世帯
利用率は過去約10年間で全年代的に上昇した。今回のウェブアンケート調査の結果をみると、ネットショッピングの個人利用率は全年代平均で7割を超えている。年代別にみると、60代以上の利用率は30代や20代以下の利用率をやや上回っており、少なくともインターネット利用者に限定する限り、シニア層のインターネット利用者が他の年代のインターネット利用者に比べてネットショッピング利用に消極的という事実は見られない (図表2-2-4-1)。「ネットショッピングを利用する」と回答した人にその理由を尋ねたところ、年代によって若干の差が見られ
た。「買いたいものが検索機能等ですぐに探し出すことができ、時間の節約になるから」や「自宅に持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買えるから」を理由として挙げる人の割合は、年代が上がるにつれて上昇する傾向にある。「実店舗に出向かなくても買い物ができるから」を理由に挙げる人の割合も、60代以上が最も高い。これに対し、「実店舗よりも安く買えるから」や「実店舗よりも品揃えが豊富だから」を理由に挙げる人の割合は、60代以上では他の年代に比べて低くなっている
(図表2-2-4-2)。総じて、商品の安さや豊富な品揃えを求めてネットショッピングを利用する人は若い年代に特に多く、実店舗で商品を購入する時間や労力を省くためにネットショッピングを利用する人はシニア層に特に多いことがわかる。「ネットショッピングを利用しな
い」と回答した人にその理由を尋ねたところ、やはり年代によって差が見られた。60代以上では、「決済手段のセキュリティに不安があるから」、「ネットショッピング事業者の信頼性が低いから」、「実店舗で実物を見たり触ったりして購入したいから」を理由として挙げる人の割合が、他の年代に比べて顕著に高い。アンケートで「利用しない理由」の候補として提示した15項目中の10項目で、60代以上のポイントが最も高くなっている。図表2-2-4-1でみたように、インターネット利用者に回答者が限定される今回のウェブアンケート調査におい
て、ネットショッピングを利用しない人の割合は全年代平均で約25%にとどまるが、これらのネットショッピング非利用者のうち、特にシニア層は、具体的な理由に基づいてあえてネットショッピングを利用していないことがうかがえる(図表2-2-4-3)。
図表2-2-4-1 ネットショッピングの利用率
72.2
67.3 68.5
74.5 78.3
72.5
27.8
32.8 31.5
25.5 21.8
27.5
0 20 40 60 80 100全体 (n=2,000)
20 代以下 (n=400)30 代(n=400)40 代(n=400)50 代(n=400)
60 代以上(n=400)
(%)
利用する 利用しない
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
図表2-2-4-2 ネットショッピングを利用する理由(年代別)
31.4
44.8
7.2
30.0
5.5
53.8
12.8
37.9
48.6
65.9
76.2
31.6
39.3
6.1
29.1
8.3
44.1
15.7
40.6
66.5
68.7
71.6
29.5
33.6
4.7
28.2
8.1
44.0
23.2
45.0
64.4
69.1
74.5
28.8
29.9
2.9
24.8
9.5
32.5
16.8
44.9
65.0
66.8
75.9
22.7
28.3
4.1
24.2
12.3
30.1
16.4
44.6
63.9
62.8
70.3
0 20 40 60 80 100
購入・取引時に付与されるポイントの対象商品が多いから
自宅に持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買えるから
ショッピングサイトでの過去の購入履歴を参考にして、今欲しいと思わせるものをサイト側から
提示してくれるから
ショッピングサイトに掲載された商品へのレビューを参照して購入できるから
対面の接客を受けるのが苦手だから
買いたいものが検索機能等ですぐに探し出すことができ、時間の節約になるから
実店舗に行く時間がないから
実店舗よりも品揃えが豊富だから
実店舗よりも安く買えるから
24時間いつでも買物ができるから
実店舗に出向かなくても買物ができるから
20代以下(n=269) 30代(n=274) 40代(n=298)50代(n=313) 60代以上(n=290)
(%)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部84
第2章
ICT利活用の進展
-
年代を超えた ICT利活用の普及 第 2節
図表2-2-4-3 ネットショッピングを利用しない理由(年代別)
1.0
1.9
1.9
3.8
5.7
8.6
8.6
9.5
9.5
14.3
18.1
30.5
36.2
36.2
40.0
2.4
0.0
2.4
3.6
7.1
6.0
10.7
2.4
3.6
7.1
8.3
29.8
23.8
17.9
19.0
4.1
0.0
1.0
4.1
4.1
7.2
9.3
2.1
3.1
10.3
5.2
26.8
12.4
23.7
28.9
4.9
0.0
3.3
3.3
5.7
4.1
16.4
1.6
5.7
5.7
9.0
27.0
14.8
18.0
18.0
7.4
0.8
3.3
6.6
6.6
4.1
14.8
1.6
7.4
9.8
3.3
28.7
6.6
19.7
9.0
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45
ネットショッピングの仕組みがよくわからないから
店員側から顧客のニーズを聞いて引き出してくれる御用聞き的なサービスを受けたいから
ネットショッピングでは自分の欲しいものを扱っていないから
ネットショッピングでは商品を買いすぎてしまう心配があるから
ネットショッピングでは店舗や街を歩く楽しみが得られないから
商品や販売者が多すぎてどれを選んでよいかわからないから
ショッピングサイトへの登録が面倒だから
ネットショッピングでは店員から情報を得ることができないから
クレジットカードを持っていないから
なじみの店舗の方が買いやすいから
いますぐ欲しい商品の購入には実店舗の方が便利だから
今までネットショッピングを利用しなくても特に困らなかったから
実店舗で実物を見たり触ったりして購入したいから
ネットショッピング事業者の信頼性が低いから
決済手段のセキュリティに不安があるから
(%)
20代以下(n=122) 30代(n=122) 40代(n=97) 50代(n=84) 60代以上(n=105)
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
若者層とシニア層のICT利活用の特徴5以上、各年代のICT利活用の在り方をみてきたが、最後に総括として、20代以下の若者層と60代以上のシニ
ア層のICT利活用の特徴を整理することにしたい。冒頭述べたとおり、インターネット利用率や世帯ネットショッピング利用率の点では、若者層とシニア層の違
いは過去約10年間の間に小さくなってきており、今回実施したウェブアンケート調査でも、ネットショッピングの利用率については大きな年代差は見られなかった。また、年代に関わらずインターネットは何かを調べよう
平成27年版 情報通信白書 第1部 85
ICT利活用の進展
第2章
-
年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
とする際の最も一般的なツールとなっており、テレビに次ぐニュース視聴の一般的手段としても定着しつつある。
その一方で大きな差がついたものもある。若者層とシニア層との差がまず顕著なのは、スマートフォンの利用率である。若者層では約8割に達するスマートフォン利用率は、シニア層では約2割にとどまる。若者層では、インターネットへのアクセスにはPCではなくスマートフォンを利用することが既に一般的になっている。
ICTサービスの利用状況をみても、若者層では、動画投稿・共有サイト、SNS、メッセージングアプリ、無料通話アプリといった、比較的新しいサービスの利用が盛んだが、シニア層での利用はそれほど盛んではない。特に近年普及が進んだメッセージングアプリでは大きく差がついた。その結果、たとえば、「日常的なおしゃべりをする」場合、若者層ではLINE等のメッセージングアプリが対面での会話に次いで最も頻繁に利用されるコミュニケーション手段となっているが、シニア層ではほとんど利用されていない。
以上のように、若者層とシニア層とではICT端末やICTサービスの利用について様々な違いが見られるが、こうした違いが過渡的なものか継続的なものかは今後更に検証が必要である。インターネットの世代別利用率の差が過去約10年間で縮小したように、今回観察されたような年代間の違いも長期的には縮小していく可能性は十分にあるだろう。
本文でみたように、20代以下のICT端末利用には、スマートフォン利用率の高さをはじめとした顕著な特徴があった。それでは、更に下の年代のICT端末利用状況はどうなっているのだろうか。
総務省情報通信政策研究所では、2015年3月、未就学児から小学生までの子どもを持つ保護者を対象に、ICT端末の利用状況等に関するアンケートを実施した*6。調査対象としたICT端末は、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPC、通信機能のあるゲーム機(ニンテンドー3DS、PSP等)、通信機能のある音楽プレーヤー(iPod Touch、通信機能付Walkman等)の7種類である*7。なお、子どもが自分でICT端末を利用している場合だけでなく、保護者がICT端末を子どもに見せたり、使わせたりしている場合も含めて利用状況を調査した。
調査はスクリーニング調査と本調査の2段階で行われた。まず、スクリーニング調査では、対象年齢の子どもを持つ保護者に対して、上記のICT端末のいずれか1つ以上を子どもが利用しているかどうか(保護者がICT端末を子どもに見せている場合も含む)を尋ねた(ゲーム機と音楽プレーヤーを除く)。その結果、全体に年齢が上がるほど「利用率」(あるいは保護者がICT端末を子どもにみせた結果としての「接触率」)が高くなることがわかった(図表1)。
図表1 子どもがICT端末を利用している件数と出現率(保護者が見せているものも含む)スクリーニング調査の回収数と該当数 スクリーニング調査の利用率(出現率)【全体率】
10.516.6
31.4 35.441.4 41.5 43.9
51.8
68.7
0
20
40
60
80(%)
0歳児1歳児2歳児3歳児4歳児5歳児6歳児
小学 1~ 3年生小学 4~ 6年生
1,5992,1531,8051,7019781,2478362,8202,667
1683585676034055173671,4601,833
10.516.631.435.441.441.543.951.868.7
出現率(条件該当数/回収数)条件該当数回収数子どもの年齢
※対象年齢のお子様をお持ちの保護者にお子様がどの情報通信端末を使っているかについての調査を実施し、回答を収集した(回収数参照)。うち、本調査で定めた情報通信端末を利用していた保護者の数が、条件該当数に当たる。出現率は、条件該当数/回収数で算出した。
0歳児
1歳児
2歳児
3歳児
4歳児
5歳児
6歳児
小学1~3年生
小学4~6年生
(出典)総務省情報通信政策研究所「未就学児のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査研究」(平成27年)
*6 我が国の未就学児~小学生までの子どもを持つ保護者を対象に総務省情報通信政策研究所がウェブアンケートを実施。アンケート調査会社が保有するモニターからの抽出方法は次のとおり。
0歳児~6歳児の各年齢の子供の保護者では、0歳:150サンプル、1~6歳児:200サンプル×6セグメント=1,350(各100サンプル:第一子、第二子以降)。
小学1~3年生・小学4~6年生の子供の保護者(未就学児との比較)では、200サンプル×2セグメント=400(各100サンプル・第一子・第二子以降)。サンプル合計は1,750。
*7 ゲーム機のような専用端末の場合は、インターネット接続機能を持っていても、端末の利用率がインターネット接続率や、専用サイト以外のサイト全般の利用率に直結しない点に留意する必要がある。この点については経済産業省「平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(青少年インターネット利用環境整備に係る調査)インターネット利用状況調査報告書」を参照のこと。
子どもの ICT端末利用状況
平成27年版 情報通信白書 第1部86
第2章
ICT利活用の進展
-
年代を超えた ICT利活用の普及 第 2節
次に、子どもが上記7種類のいずれかのICT端末を利用していると回答した保護者を対象に、本調査を実施した。本調査におけるICT端末の利用状況をみると、年齢が低いほどスマートフォンの利用が多く、年齢が上がるほどフィーチャーフォンやゲーム端末の利用が増加する。0~3歳児については、7割 (68.5%)がスマートフォンを利用している(保護者が見せている場合も含む)。一方、小学4~6年生では、7割(67.5%)がゲーム端末を利用している(図表2)。
図表2 子どもが利用しているICT端末全て(保護者が見せているものも含む)
68.5
51.5
41.5
31.0
37.7
42.5
38.5
34.5
27.3
37.8
40.5
49.5
13.5
21.2
26.0
33.0
8.9
13.2
27.0
25.0
22.4
39.8
65.0
67.5
4.50.4
5.80.2
6.5
13.0
0 20 40 60 80(%)
0~3歳児
4~6歳児
小学1~3年生
小学4~6年生
スマートフォンタブレット型端末(iPadなど)ノートパソコンデスクトップパソコンフィーチャーフォン通信機能のあるゲーム端末(ニンテンドー3DS、PSP など)通信機能のある音楽プレーヤー(iPodtouch、通信機能付きWalkman等)その他
(出典)総務省情報通信政策研究所「未就学児のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査研究」(平成27年)
本調査では、保護者に対して、子どもにICT端末を利用させる理由も尋ねている。その結果をみると、未就学児については、上位3位の理由は「保護者の手を離れる(保護者の手を煩わせない)時間ができるから(静かになる、ひとりで遊ぶ)」、「子どもの機嫌が良くなるから(泣き止む、笑顔になる)」、「学習ができるから(文字、数字、英語、歌、しつけ等)」となった。また、小学生の上位3位の理由は、「特に理由は無い」を除くと、
「学習ができるから(文字、数字、英語、歌、しつけ等)」、「スマートフォンやタブレット端末の操作を覚えるから」、「保護者の手を離れる(保護者の手を煩わせない)時間ができるから(静かになる、ひとりで遊ぶ)」となっている(図表3)。
図表3 子どもにICT端末を利用させる理由
49.3
43.8
27.5
18.0
6.4
14.4
13.9
2.0
5.2
3.0
0.9
10.1
21.3
8.5
28.8
16.8
9.0
28.5
11.3
9.5
2.0
5.0
3.3
25.8
0 20 40 60
保護者の手を離れる(保護者の手を煩わせない)時間ができるから(静かになる、ひとりで遊ぶ)
お子様の機嫌が良くなるから(泣き止む、笑顔になる)
学習ができるから(文字、数字、英語、歌、しつけ等)
アプリで取り扱っている対象(文字、数字、英語、歌等)へ興味/関心が高まるから
利用をきっかけに保護者・兄弟姉妹で会話が増えるから(感想を話す、内容を説明する )
スマートフォン、タブレット端末等の操作を覚えるから
スマートフォン、タブレット端末等に触りたがるから
お友達が情報通信端末をもっているから
小学校に入る前に情報通信端末の操作について学ばせたいから情報通信端末を使わせていると
論理的な思考が身につきそうだから
その他
特に理由は無い
未就学児(N=1,350) 小学生(N=400)
(%)
(出典)総務省情報通信政策研究所「未就学児のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部 87
ICT利活用の進展
第2章
-
年代を超えた ICT利活用の普及第 2節
本文でみたように、60代以上のシニア層のスマートフォン普及率は他の年代と比べて低く、2割程度にとどまる。普及が進まない理由としては、スマートフォンがシニアにとって操作しにくいことや、スマートフォンの利用料金がフィーチャーフォンに比べて高額であることが考えられる。そこで、シニア層等が使いやすいよう画面表示を見やすくしたり、操作方法をシンプルにしたり、誤操作を防ぐ仕組みを取り入れたスマートフォン(いわゆる「シンプルスマホ」)と、月々の通信料金を通常のスマートフォンよりも低く設定してある反面、高速通信の利用可能な範囲等に制限のあるスマートフォン(いわゆる「格安スマホ」)へのシニア層の利用意向を尋ねてみた。
まず、いわゆる「シンプルスマホ」についてシニア層の利用意向を尋ねたところ、「利用意向あり(利用したい+内容次第では利用を検討したい)」は4割程度であり、「利用意向なし(利用したくない+あまり利用したくない)」や「必要性を感じない」を上回った (図表4)。
次に、いわゆる「格安スマホ」についてシニア層の利用意向を尋ねたところ、こちらも「利用意向あり」は4割程度であり、「利用意向なし」や「必要性を感じない」を上回った(図表5)。
以上のように、「シンプルスマホ」や「格安スマホ」へのシニア層の期待は総じて高く、こうしたスマートフォンが充実すれば、シニア層のスマートフォン利用率向上に貢献する可能性がある。
いわゆる「シンプルスマホ」「格安スマホ」へのシニア層の利用意向
図表4 いわゆる「シンプルスマホ」へのシニア層のニーズ 図表5いわゆる「格安スマホ」へのシニア層のニーズ
5.5
33.3
23.08.5
29.8
n=400
<60代以上>
利用したい 内容次第では利用を検討したいあまり利用したくない 利用したくない必要性を感じない
9.0
29.5
21.8
9.3
30.5
n=400
<60代以上>
利用したい 内容次第では利用を検討したいあまり利用したくない 利用したくない必要性を感じない
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人 の々意識に関する調査研究」(平成27年)
平成27年版 情報通信白書 第1部88
第2章
ICT利活用の進展