第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイreference image display...

48
© JSA 2007 標準化教育プログラム [個別技術分野編-電気電子分野] 2007年12月5日 (加筆)池田宏明 2006年9月13日 杉浦博明 (標準講義時間 90分) 本資料は,経済産業省委託事業である「平成18年度基準 認証研究開発事業(標準化に関する研修・教育プログラムの 開発)」の成果である。 第2章 拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイ

Upload: others

Post on 23-Dec-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

© JSA 2007

標準化教育プログラム [個別技術分野編-電気電子分野]

2007年12月5日(加筆)池田宏明

2006年9月13日杉浦博明

(標準講義時間 90分)

本資料は,経済産業省委託事業である「平成18年度基準認証研究開発事業(標準化に関する研修・教育プログラムの開発)」の成果である。

第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ

Page 2: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 2

1 「標準色空間」について,その意味や意義を理解する

2 「標準色空間」の概要と現場での運用状況を知る

3 従来の「標準色空間」の問題点と「拡張色空間」の必要性を理解する

4 「拡張色空間」の標準化動向を知る

5 各「拡張色空間」の概要を理解する

学習のねらい・・・・・第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ

Page 3: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 3

1 色空間(Color Space)の標準化

-色空間標準化の背景-

-カラーマネジメント手法-

-sRGB(IEC 61966-2-1)-

2 拡張色空間の標準化動向

-sRGBで再現できない色-

-bg-sRGB, sYCC-

-scRGB-

-DCFオプション色空間-

-xvYCC-

目次・・・・・第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ

p. 3

◆ 解 説

1 色空間の標準化

色空間標準化の背景

カラーマネジメント

それのひとつの解としてIECのほうから規格の発行

IEC 6196-2-1

sRGBの概要

について説明する

2 sRGBが出た後での問題点

sRGBで表現できない色があるが、それを表現できるような色空間などが提案されている。

それについて説明する

Page 4: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 4

色空間標準化の背景

自然画表示機会の増加各種ディスプレイにおける自然画(静止画,動画)表示機会の増加により,その色再現性(忠実な色再現,好ましい色再現)_が従来以上に重要に。

ディスプレイの色再現性明るさやコスト優先による不十分な色再現性。それぞれのタイプで異なる色再現性。→ユーザーの混乱

1 色空間(Color Space)の標準化

p. 4

◆ 解 説

<色空間標準化の背景>

近年,直視型CRTに加え,さまざまなタイプのカラーディスプレイが登場し,活用されている。

直視型では液晶,LED,PDP,プロジェクターでは液晶やDMDなどのタイプがあるが,これらのディスプレイの色再現性はまちまちなのが現状である。

自然画像を表示する機会が増加するのに伴い,その色再現性が従来以上に重要となってくるが,異なったタイプのディスプレイ間において表示される色が異なってしまうと,ユーザーに混乱をきたす。

パソコンのディスプレイでは色そのものの精度がよくなかった時代もあったが各種ディスプレイが静止画や動画で自然画像を表示する機会が増えその結果色再現性TVなどいろいろあるが従来以上に重要になっている

ただし、ディスプレイの重要な制度である明るさやコストの問題もあり,不十分な色再現、それぞれのタイプで異なる色再現がされている

例えばCRTと比べ液晶の青色はややシアン寄りであり青緑がかった青である。投射型のディスプレイはより外光に対して明るさをとらなければならないため緑がかった色をしている。

同じコンテンツであっても色が違い、ユーザーの混乱があった。

これらの問題を解消するために,次に挙げるような手法がとられる。

Page 5: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 5

1 プロファイルによる方法:色彩画像信号に加え,各々の機器の色彩特性を

色変換部に引き渡す。

・ ICCプロファイル

・ VESA EDID file

2 標準色空間による方法:伝送する色彩画像信号が準拠するべき色空間を一意に決める。

・ ITU-R BTの放送規格

・ ITU-T カラーファックスの規格

・ IEC sRGB

ICC: International Color Consortium, VESA: Video Electronics Standards Association,

EDID: Extended Display Identification Data, ITU: International Telecommunication Union,

IEC: International Electrotechnical Commission

カラーマネジメント手法

1 色空間(Color Space)の標準化

p. 5

◆ 解 説

<カラーマネジメント手法>

1.プロファイルによる方法:色彩画像信号に加え,各々の機器の色彩特性を色変換部に引き渡す手法。ICCプロファイルやVESA EDIDなど。

(カラーの画像RGBの信号などあるいは輝度信号などの画像信号に加え

各々の機器の色彩特性を色変換部によって計算して引き渡す手法)

2.標準色空間による方法:画像の送出側,伝送経路,受信側で統一した色空間を一意決める手法。規格に則って伝送された色彩情報はその規格で決められた色空間にあわせた表示をすればよい。例としてITU-R BTシリーズの放送規格,ITU-Tのカラーファックス規格,IEC sRGBなど。

(例えばTVの放送などRGBの色がどういう色か決めそれにもとづいて信号伝送する)

今回説明するsRGBの特徴として

画像信号以外の付加的な信号がいらない

ことが挙げられる。

Page 6: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 6

カラーマネジメント手法比較

-インターネットに好適な標準色空間-

1 色空間(Color Space)の標準化

理想状態からのずれている場合に,色が合わなくなる。

→ガイドラインが必要

伝送するデータのサイズを小さくできる。

各種画像入出力機器の設計目標が明らかになる。

標準色空間sRGB

による方法

(コンシューマー・インターネット用)

ネットワーク環境で用いるためには,負荷が重くなる。

プロファイルを規定した状態からユーザー調整によってずれてしまった場合効果が期待できない(モニタにおいては,コントラストブライト調整。sRGBモードの場合は,それらが固定)。

プロファイルのサイズを大きくすることにより,精度の高い色再現性を得ることが可能。ICCプロファイル

による方法

(印刷業界・プロ用)

デメリットメリット

p. 6

◆ 解 説

<カラーマネジメント手法比較>

それぞれの手法に関するメリット及びデメリットを次に挙げる。

ここでは,インターネット伝送系において好適な標準色空間を前提に述べる。

・ICCプロファイルによる手法 メリットとしては,プロファイルのサイズを大きくすることにより,精度の高い色再現性を得ることが可能で,主に印刷業界,プロ用途として用いられる。プロファイルのサイズを大きくすると,ネットワーク環境で用いる場合に負荷が重くなる。また,プロファイルを規定した状態からずれてしまった場合,例えば,モニタのユーザー調整によってコントラストやブライトネスの調整を行った場合などは,忠実な色再現を行うといった効果が期待できなくなってしまう。

・標準色空間(sRGB)による手法データは画像のみで 機器ごとの情報を添付しなくて良いので,伝送するサイズのデータを小さくすることができ,コンシューマ・インターネット用途に適している。また,各種画像入出力機器の色に関する設計目標が明らかになるのもメリットといえる。しかし,規定された理想状態からずれてしまうと,色が合わなくなるので,どういった仕様に収まっていればよいかという製造上の誤差を含むガイドラインが必要となる。

Page 7: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 7

・ メーカー・機器毎に著しく異なっていた「色再現性・色空間」を統一しようという試み。

・ 1999年10月に国際標準(IEC 61966-2-1)として発行。

・ 現在,モニター,プロジェクター,プリンター,デジカメ,ソフトウェア(OS, Application),ファイルフォーマットに展開中。

・ Microsoft社が中心となり現実的許容度に基づくガイドラインを策定。

sRGBの概要

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 7

◆ 解 説

<sRGBの概要>

・メーカー機器毎に著しく異なっていた「色再現性・色空間」を統一しようという試み。

・1999年10月に国際標準(IEC 61966-2-1)として発行。

・TC100 マルチメディア機器システム等の標準分野

・TA2 カラーマネジメントマルティメディア機器の色彩特性、標準色空間

・現在,モニタ,プロジェクタ,プリンタ,デジカメ,ソフトウエア(OS, Application),ファイルフォーマットに展開中。

・Microsoft社が中心となり現実的許容度に基づく機器ごとのガイドラインを策定。

Page 8: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 8

IEC 61966-2-1

• Reference conditions

– Reference image display system characteristics

– Reference viewing conditions

– Reference observer

• Encoding transformation

– Transformation from RGB values to CIE 1931 XYZ values

– Transformation from CIE 1931 XYZ values to RGB values

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 8

◆ 解 説

<IEC 61966-2-1>

sRGBを規定したIEC 61966-2-1の記載事項について紹介する。

Reference conditions・・・標準状態

(標準となるディスプレイの特性をどういう環境で見るか)

Reference image display system characteristics・・・標準モニタ。輝度,白色点,ガンマなど。

Reference viewing conditions・・・視聴環境。画面周囲,周辺輝度・白色点など。

Reference observer・・・標準観測者

Encoding transformation・・・色変換式

Transformation from RGB values to CIE 1931 XYZ values

Transformation from CIE 1931 XYZ values to RGB values

RGBをどういった色か規定するために、CIE(国際照明委員会:色に関する原則的な部分の標準を発行)で,色に関する尺度であるXYZで決まった色の座標とsRGBの表現している値とを関連付ける変換、逆変換式を決めているものである。

その2つのことを同時に定義しているのがsRGBである。

Page 9: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 9

sRGBの定義の概要(1)

Reference image display system characteristics

・ 輝度レベル

80 cd/m2

・ 白色点

D65 (x=0.3127, y=0.3290)

・ RGB色度点

ITU-R BT. 709-3

x y

R 0.6400 0.3300

G 0.3000 0.6000

B 0.1500 0.0600

・ ガンマ特性

2.2

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 9

◆ 解 説

<sRGBの定義の概要(1)>

標準モニタの特性について次のとおり定義される。

・ 輝度レベル

80 cd/m2

sRGBが議論されたころのCRTの特性がベースになっているため、現在とは異なり、例えば現在ではノートPCでも250cd/m2程度ある。

・ 白色点

D65 (x=0.3127, y=0.3290)

D65はCIEにて発行された白さの青み加減・赤み加減の度合いである。

黒対放射の軌跡:低いほうが赤っぽい白、高いほうが青みがかるD-lightの6500、太陽光の6500度に近いようなそういった測定で65が規定されている 通常のTVに比べて少し赤みがかっている。

・ RGB色度点

ITU-R BT. 709-3(ハイビジョンの規格)

x y

R 0.6400 0.3300

G 0.3000 0.6000

B 0.1500 0.0600

RGBの色度点:ハイビジョンの色度点と同じものが選ばれている。

・ ガンマ特性(入ってきた信号に対してどの程度光らせるか)

2.2

Page 10: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 10

sRGBの定義の概要(2)

• Reference viewing conditions

*環境光の照度:64[lx]

*環境光の色温度:D50(x=0.3457, y=0.3585)

• Reference observer *CIE 1931 2度視野の標準観測者

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 10

◆ 解 説

<sRGBの定義の概要(2)>

標準視環境は次のとおり定義される。

*環境光の照度:64[lx]

*環境光の色温度:D50(x=0.3457, y=0.3585)

ディスプレイは周りの環境で見える色がまったく違って感じる。

これは,暗めのオフィス環境程度の明るさである。

通常の教室などは机上で300ルクス程度あるがそれよりも暗めの環境がディスプレイを見るには適している。これはディスプレイがさほど明るくないため周囲を暗くするということ。

標準観測者は次のとおり定義される。

*CIE 1931 2度視野の標準観測者

Reference observer:標準観測者はCIE(国際照明委員会)が1931年に決めた度視野(2度視野)というものとして定められた

Page 11: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 11

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

CIE 1931 XYZ値とsRGBにおけるRGB値を関係付けるマトリクス式,非線形変換特性

−−

−−=

ZYX

BGR

0057.10204.07055.05041.08875.19968.06498.02537.16240.3

sRGB

sRGB

sRGB

sRGBsRGB

sRGBsRGB

sRGBsRGB

92.1292.1292.12

BBGGRR

×=′×=′×=′

055.0055.1

055.0055.1

055.0055.1

1.0/2.4sRGBsRGB

1.0/2.4sRGBsRGB

1.0/2.4sRGBsRGB

−×=′

−×=′

−×=′

BBGGRR

・・・(1)

・・・(2)

・・・(3)

Encoding transformationTransformation from CIE 1931 XYZ values to RGB values (1)

p. 11

◆ 解 説

<色空間変換式>

CIE 1931 XYZ 色空間からsRGB色空間への変換式は次のとおり。

(1)式はCIE 1931 XYZ 色空間のXYZ値からsRGB色空間のRGB値に変換するマトリクス式である。変換されたRGB値は

CRTの特性に合わせるため線形変換をしており、

線形特性であるので,次式(2)及び(3)で非線形特性に変換する。

(2)式はRGB値が0.0031308以下の暗部領域に適用され,それより大きい領域では(3)式を適用する

Page 12: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 12

次式により8ビットにまるめる。

( )( )( )RGB)8(sRGB

RGB)8(sRGB

RGB)8(sRGB

255round

255round

255round

s

s

s

BB

GG

RR

′×=

′×=

′×=

・・・(4)

Encoding transformationTransformation from CIE 1931 XYZ values to RGB values (2)

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 12

◆ 解 説

<色空間変換式>

(3)式により求められた非線形RGB値は(4)式により8ビットに丸められる。

Page 13: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 13

〔出所:http://www.microsoft.com/japan/whdc/device/display/color/ColorT est.mspx〕

WinColor Spec. (sRGB仕様) の例

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 13

◆ 解 説

<WinColor Spec. (sRGB仕様)の例>

先に述べた現実的許容度に基づくガイドラインの例としてMicrosoftがリリースしているホワイトペーパの例を以下に示す。

LCDや,フロントプロジェクターといった機器ごとに発行されており,それぞれに関連するメーカーと共同で策定したものである。

Page 14: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 14

sRGBに関するマイクロソフト社との

仕様(ガイドライン)策定パートナー

CRTモニターSONY

(00.04.26

WinHEC2000にて発表)

プリンター HP(プレスリリース済)

液晶モニター(00.04.25 プレスリリース済)

NMビジュアル/三菱電機

プロジェクター エプソン/三菱電機

(01.03.26 プレスリリース済)

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 14

◆ 解 説

<WinColor Spec. (sRGB仕様)の例>

それぞれの機器に対応する策定パートナーは以下のとおりである。

CRTモニタ・・・SONY

プリンタ・・・HP

液晶モニタ・・・NMビジュアル(当時)/三菱電機

プロジェクタ・・・エプソン/三菱電機

Page 15: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 15

参考∆E94 spreadsheet calculator

delt a E*CI E9 44.09 1 -(19 2,80 ,8 0)6.26 2 -(19 2,19 2,80 )6.21 3 -(96 ,1 92 ,9 6)

1 4 .1 9 4 -(96 ,1 92 ,1 92 )5.23 5 -(12 8,12 8,19 2)6.15 6 -(19 2,12 8,19 2)

1 9 .4 5 7 -(25 5, 25 5, 2 55 )

datesam p le: stand al one sam pleReference stand al one ref

Ab solut e t oTest d isp lay Raw Raw RawFirst Test Patch es Test Test TestStand Alone LCDs disp lay disp lay di sp lay

X Y Z1 -(19 2,80 ,8 0 ) 4 1.25 26 .6 05 1 7.592 -(19 2,19 2 ,8 0) 61 .4 35 6 6.98 75 24 .9 453 -(96 ,1 92 ,9 6 ) 3 6.02 75 5 4.02 3 1.964 -(96 ,1 92 ,1 9 2) 50 .2 65 6 1.77 75 11 0.655 -(12 8,12 8 ,1 92 ) 4 4.52 25 3 9.27 25 1 06 .1 756 -(19 2,12 8 ,1 92 ) 6 3.98 25 4 9.28 25 1 07 .0 257 -(25 5, 25 5, 25 5) 1 50 .8 1 50 .7 21 0.85

Resul ts for In Gam u t Colors:CIE 19 94 Delt a E* 8.80 PASSM axim um Delt a E* 19 .5 FAIL

〔出所:http://www.microsoft.com/japan/whdc/device/display/color/ColorT est.mspx〕

1 色空間(Color Space)の標準化 – sRGB (IEC 61966-2-1) -

p. 15

◆ 解 説

<WinColor Spec. (sRGB仕様)の例>

このガイドラインに記載されている事項の一つとして先に述べた現実的許容度があるが,これは機器の色彩表示を計測した結果から求められ,その計測方法や算出ツールも提供されている。

以下の例では,具体的に,特定のカラーパッチの表示状態を計測(三刺激値)し,sRGB基準値との差異をCIE94色差式を用いて⊿E*94色差を算出,さらにその平均値および最大値によりsRGB準拠の可否を判定する。

Page 16: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 16

sRGBに対する不満

• 標準色空間としてsRGBが規定されることにより,各種カラー画像機器の色再現目標が明確になった。また,PC (Personal Computer)の接続を前提としないため,各種カラー画像機器の直接接続が可能となるなどのメリットがある。

• その反面,sRGBの色再現域はカラーCRTディスプレイ特性に準じているため,銀塩写真や印刷など他のカラー画像機器において可能な色を再現することができない 。

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 16

◆ 解 説

<sRGBに対する不満>

・標準色空間としてsRGBが規定されることにより,各種カラー画像機器の色再現目標が明確になった。また,PC (Personal Computer)の接続を前提としないため,各種カラー画像機器の直接接続が可能となるなどのメリットがある。

例えばデジタルカメラデータを直接プリンタに入れることが可能となる。

・その反面,sRGBの色再現域はカラーCRTディスプレイ特性に準じているため,銀塩写真や印刷など他のカラー画像機器において可能な色を再現することができない といった問題がある。

Page 17: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 17

プリンタとディスプレイの色再現域

• プリンタの色再現域の一部は,ディスプレイ(sRGB)の色再現域の外側にある。

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

x

y

sRGB

プリンタ

xy色度図上での表現

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 17

◆ 解 説

<プリンタとディスプレイの色再現域>

具体的に一般的なプリンタの色再現域をsRGB色空間と比較した図を示す。

CIELAB空間,RGB空間いずれの場合においても,プリンタの色再現域がsRGBの色再現域の外側にあることがわかる。これはプリンタで表現できる色をsRGBの色空間で,例えばモニタで,確認しようとしてもできない場合が発生するということである。

RGB色空間での表現の図におけるシアンの色の濃いところや黄色からオレンジの色の濃いところはプリンタで再現できるがディスプレイで再現できないなど、sRGBは図の立方体の部分、CRTをベースとしているためそれ以外に表現できない部分があるという問題があった。

Page 18: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 18

拡張色空間の標準化

• IEC 61966-2-1 Amd1: sYCC 2003. 1

– JEITA Exif 2.2 “Exif Print” 2002. 4

• IEC 61966-2-1 Amd1: bg-sRGB 2003. 1

• IEC 61966-2-2: scRGB 2003. 1

• DCF option color space

– JEITA DCF 2.0, Exif 2.21 2003. 9

• IEC 61966-2-4 xvYCC 2006. 1

• IEC 61966-2-5 opRGB CD 2005. 6

IEC: International Electrotechnical CommissionJEITA: Japan Electronics and Information Technology Industries AssociationExif: Exchangeable image file format for digital still camerasDCF: Design rule for Camera File system

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 18

◆ 解 説

<拡張色空間の標準化>

このようなsRGB色空間に対する不満を受けて,拡張色空間の標準化作業が各所で進んでいる。

IEC 61966-2-1 Amd1: sYCC 2003. 1

sYCC:RGBで表現するよりも輝度と色差、マトリクス変換した式のほうが色のほうがより広い範囲で表現できるためsRGBと整合性を保った上での拡張色空間である。

・・・・61966-2-1(sRGB)の補遺,sRGBと互換

-JEITA Exif 2.2 “Exif Print” 2002. 4

・・・・ディジタルカメラの記録フォーマット。sYCC正式リリース前に採択。携帯電話ディスプレイなどで広く活用されている色空間

IEC 61966-2-1 Amd1: bg-sRGB 2003. 1

・・・・ 61966-2-1(sRGB)の補遺,RGB負値を認めて色域拡大

IEC 61966-2-2: scRGB 2003. 1

・・・・入力系により定義された標準色空間,特にシーンに関連した色空間

DCF option color space -JEITA DCF 2.0, Exif 2.21 2003. 9

・・・・デジタルカメラのカラーフォーマット

・・・・AdobeRGB

IEC 61966-2-4 xvYCC 2006. 1

・・・・動画像に関する拡張色空間。BT709色域内は互換性がある

IEC 61966-2-5 opRGB CD 2005. 6

・・・・AdobeRGBと互換

Page 19: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 19

sRGBでカバー出来ない色の例

[デジカメの撮影画像]

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 19

◆ 解 説

<sRGBでカバー出来ない色の例>

次にsRGBでカバー出来ないケースについて例を示す。

写真は,標準光源(D65)の観測ブース内に置かれた毛糸を,市販のデジタルカメラで撮影したものである。

Page 20: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 20

sRGBでカバー出来ない色の例

(Photoshop ® の色域外警告表示)

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 20

◆ 解 説

<sRGBでカバー出来ない色の例>

これをPhotoshopで作業空間をsRGBにした場合,画像上のグレーアウトされた部分が色域外,つまり,表示状態では目的の色以外(sRGB内の)の色に置き換えられて表示されていることになる。

Page 21: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 21

sRGB色域外の色を含む画像撮影/データ測定

場所: 拡張色空間データを含む地域

→南国の海,花など

→仏領ポリネシア(タヒチ島など)

機材: (撮影)高解像度,高ダイナミックレンジ

ディジタルカメラシステム

(測定)分光放射輝度計 ミノルタCS-1000

→撮影画像の中心位置を狙って測定する

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 21

◆ 解 説

<sRGB色域外の色を含む画像撮影/データ測定>

拡張色空間の標準化を進めるにあたり必要になってくるのが,sRGB色域外の色を含む画像の作成である。

実際に撮影を行った例を紹介する。

場所:拡張色空間データを含む地域で,太陽光の照射状態や自然環境を考慮した地域を選択した。結果として仏領ポリネシア(タヒチ島など)において,南国の海,花などを撮影・測定をすることとなった。

機材:(撮影)高解像度,高ダイナミックレンジディジタルカメラシステム

(測定)分光放射輝度計 ミノルタCS-1000

→撮影画像の中心位置を狙って測定する

撮影した画像に関し,sRGB色域外の色を含む根拠となるデータも必要となることから,撮影領域の色彩測定も同時に行う。

Page 22: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 22

データ測定システム

撮影エリア記録用デジカメ

CS1000

測定用ファインダー 計測ポイント記録用CCDカメラ

RS232C

USB

USB USB

Composite Video

Composite Video

USB-RS232C変換アダプタ

USB-ビデオキャプチャユ

ニット

ビデオ信号分配器

CCDカメラ用モニタ

Composite Video

光軸を合わせる

測定コントロール及びデータ処理アプリケーション

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 22

◆ 解 説

<データ測定システム>

実際に使用したデータ測定システムを次に示す。測定器は分光放射輝度計(ミノルタCS1000)を使用,これを中心にシステムを構成する。

必要なデータは

(1)撮影エリア

(2)撮影エリア内の計測ポイント

(3)測定データ

これらすべてのデータはデータ処理用PCに入力される。

(1)は本来,画像撮影を行うカメラそのものであることが望ましいが,装置が大きくとり回しが困難であるので,画像撮影カメラと同様の領域を撮影できる別のカメラを用意する。

(2)は測定器のファインダーに取り付けたCCDカメラをUSB経由でPCに取り込む。CCDカメラの画像は分岐して確認用モニタにも表示する。実施の測定ポイントの探索は測定器に別途取り付けた光学ファインダーで行う。

(3)測定データはUSB経由でPCに送られる。測定器のコントロールもPCで行い,PC上のコントロールソフトですべての機器の操作および画像・データの取り込みが行える。

重要なのは,測定器と,測定用ファインダーと,撮影エリア記録用デジカメの光軸を合わせることで,さらに実際の画像撮影用カメラとも一致する必要がある。

Page 23: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 23

測定器コントロール/データ処理アプリケーション

CCDカメラキャプチャウィンドウ

ファイルパラメータ

データ表示部

測定コントロール部

色空間プロット

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p.23

◆ 解 説

<測定コントロール/データ処理アプリケーション>

コントロールソフトの画面を示す。

測定器のファインダー画像はCCDカメラキャプチャウィンドウに表示され,確認できる。

測定データはデータ表示部に表示されるとともに,色空間プロット部にxy色度座標が表示される。

Page 24: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 24

データ測定システム外観

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 24

◆ 解 説

<データ測定システム外観>

データ測定システムの外観を示す。

測定器と撮影エリア記録用デジカメ,測定機用光学ファインダーは光軸が合うように一体に固定されている。

Page 25: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 25

撮影/データ測定の様子(ヘリから撮影・測定)

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 25

◆ 解 説

<撮影/データ測定の様子>

上空から,海の画像を撮影するため,ヘリに前述の機材を設置し,撮影・測定を行う。

Page 26: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 26

撮影/データ測定の様子(船上及び陸上から撮影・測定)

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 26

◆ 解 説

<撮影/データ測定の様子>

海上,陸上での様子。

上空から海を撮ると鮮やかな色を撮影できる。

Page 27: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 27

測定結果 - xy色度図上プロット -

sRGB

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 27

◆ 解 説

<測定結果>

前述の測定システムを用いて測定した結果をxy色度図上にプロットしたものを次に示す。

実線の三角形はsRGBの色域を示し,赤及び青丸は測定値を示す。青はsRGB色域内だが,赤丸は色域外を表す。

図より青~シアンの領域にsRGB色域外の点が多数存在する。

Page 28: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 28

撮影画像・測定結果<例>

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

x

y

sRGB色域外データ(測定エリア①)

sRGB色域外データ(測定エリア②)

色域内データ

sRGB

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 28

◆ 解 説

<撮影画像・測定結果(例)>

測定結果と撮影画像との対応例を示す。

色度図上の青の領域近くの色域外データは,撮影画像内測定エリア①の測定値であり,深い海の色に多い。

色度図上のシアンの領域近くの色域外データは,撮影画像内測定エリア②の測定値であり,浅い海の色に多い。

このように,撮影画像の中に色域外データを含むことが,今回の測定で確認することができた。

これらを表現できる色空間やディスプレイ開発に関連した基礎データとなる。

Page 29: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 29

分光データ

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

380 430 480 530 580 630 680 730 780

WaveLength (nm)

色域外No.1

色域外No.2

色域内

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 29

◆ 解 説

<分光データ>

グラフは前述の測定データの分光特性を示したものである。

色域外データはともに特定の波長帯域以外に成分を持たないことで彩度が高いデータになっていることがわかる。

反対に色域内データは彩度が低くなる分光特性になっているのがわかる。

Page 30: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 30

sRGBのメンテナンス

1 IEC 61966-2-1のメンテナンスサイクル(発行から3年後)に対応して,その補遺が,MT (Maintenance Team 61966-2-1) において審議された。

2 その主な内容は,-50%から+150%までの信号を表現できるbg-sRGB (big gamut -sRGB)である。

3 上記MTにおいては,標準色空間sYCCも同時に審議された。

2 拡張色空間の標準化動向 – sRGBで再現できない色 -

p. 30

◆ 解 説

<sRGBのメンテナンス>

1IEC 61966-2-1のメンテナンスサイクル(発行から3年後)に対応して,その補遺が,MT (Maintenance Team 61966-2-1 において審議された。

2 その主な内容は,RGBの信号は通常0%から100%だがそれに対し

-50%から+150%までの信号を表現できるbg-sRGB

(big gamut -sRGB)である。

3 上記MTにおいては,標準色空間sYCC(輝度信号とCC、RGBではなく座標変換している表現)も同時に審議された。

Page 31: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 31

sRGBの補遺 - bg-sRGB -

• RGBの負値を認めることにより,三原色で囲まれた外側の色も表現することが可能となる。

注) 式(2)のsRGB(8)の値は,0-255に制限される。

( )( )( ) 3842

3842

3842

(8)(10)

(8)(10)

(8)(10)

sRGBsRGB-bg

sRGBsRGB-bg

sRGBsRGB-bg

+×=

+×=

+×=

BB

GG

RR

( )( )( ) 2384

2384

2384

(10)(8)

(10)(8)

(10)(8)

sRGB-bgsRGB

sRGB-bgsRGB

sRGB-bgsRGB

÷−=

÷−=

÷−=

BB

GG

RR

・・・・(5)

・・・・(6)

2 拡張色空間の標準化動向 – bg-sRGB, sYCC -

p. 31

◆ 解 説

<sRGBの補遺 – bg-sRGB->

•0~100%に制限されているRGBに負値を認めることにより,三原色で囲まれた外側の色も表現することが可能となる。

例えばマイナスの赤を認めると前述で表現できなかった浅い海のようなエメラルドグリーンなどの色も表現することが可能となる。

•bg-RGBが10ビットのデータ幅を持つ場合,8ビットsRGBとbg-RGBの関係式は(5)及び(6)式のとおりとなる。

Page 32: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 32

sRGBの補遺 - sYCC - (1)

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

-0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

階調変換特性

−−

=

Z

Y

X

. . .

. . .

. . .

B

G

R

005710204070550

504108875199680

649802537162403

sRGB

sRGB

sRGB

• CIE XYZからsRGBへの変換式

・・・・(7)

2 拡張色空間の標準化動向 – bg-sRGB, sYCC -

p. 32

◆ 解 説

<sRGBの補遺 -sYCC ->

bg-RGBと同様,RGB値に負値を認めることにより,色域が拡大する。これに伴うRGB<0,1<RGBの非線形変換特性もこのように定義する。

Page 33: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 33

sRGBの補遺 - sYCC - (2)

RGBからYCCへの変換マトリクスとしては,ITU-R BT601-5で規定された変換式を使う。

( )( )[ ]( )[ ]01280255round

01280255round

0255round

sYCCsYCC

sYCCsYCC

sYCCsYCC

(8)

(8)

(8)

.rC.Cr

.bC.Cb

Y.Y

+′×=

+′×=

′×=

・・・・(8)

・・・・(9)

−−

−−=

sRGB

sRGB

sRGB

sYCC

sYCC

sYCC

308107418005000

050002331071680

011400587002990

B

G

R

...

...

...

rC

bC

Y

2 拡張色空間の標準化動向 – bg-sRGB, sYCC -

p. 33

◆ 解 説

<sRGBの補遺 -sYCC ->

前述の非線形変換特性により非線形化されたRGB値からYCC値への変換マトリクス式を(8)式に示す。これは放送規格であるITU-R BT.601-5で規定されているものと同一である。変換されたYCC値は(9)式により8ビットに丸められる。

Page 34: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 34

bg-sRGB, sYCCの特徴

• RGBに関して,0未満,1より大きい範囲の色を表現することができる。

• sRGBと1対1で定義され,sRGBとの互換性を確保。

• sRGBと同じreference viewing conditionのもとで,「色の見え」を定義。

• sYCCは,JEITA ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.2 (通称;Exif Print, 2002. 4) において参照されている。

• sYCCは,静止画用であるが,この考え方は,動画用のxvYCCにも適用されている。

2 拡張色空間の標準化動向 – bg-sRGB, sYCC -

p. 34

◆ 解 説

<bg-RGB,sYCCの特徴>

以上により求めた,bg-RGB及びsYCCの特徴をまとめる。

RGBに関して,0未満,1より大きい範囲の色を表現することができる。

sRGBと1対1で定義され,sRGBとの互換性を確保。

sRGBと同じreference viewing conditionのもとで,「色の見え」を定義。

sYCCは,JEITA ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.2 (通称;Exif Print, 2002. 4) において参照されている。

sYCCは,静止画用であるが,この考え方は,動画用のxvYCCにも適用されている。

Page 35: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 35

scRGBについて

• 色規格の対象目標色は,「入力系による定義」と「観察系による定義」に分けることができる。

• その観点からすると標準ディスプレイに表示された画像が標準観察環境下で正しく見えるように定義されたsRGBは,観察系により定義された色空間であるといえる。

• 入力系により定義された標準色空間,特にシーンに関連した色空間であるscRGB(relative scene RGB color space)が,IEC 61966-2-2として標準化された。

2 拡張色空間の標準化動向 – scRGB -

p. 35

◆ 解 説

<scRGBについて>

・色規格の対象目標色は,「入力系による定義」と「観察系による定義」に分けることができる。

・その観点からすると標準ディスプレイに表示された画像が標準観察環境下で正しく見えるように定義されたsRGBは,

観察系により定義された色空間であるといえる。

・入力系により定義された標準色空間,特にシーンに関連した色空間であるscRGB (relative scene RGBcolor space)が,

IEC 61966-2-2として標準化された。

Page 36: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 36

scRGBと三刺激値X,Y,Zとの関係

• 16ビットscRGB(16)デジタル値とCIE 1931表色系における三刺激値X,Y,Zとの関係は,以下のように表される。

・・・・(10)

・・・・(11)

−−

−−=

ZYX

BGR

056996.1021204.0710055.0518041.0756875.1931968.0629498.0208537.1625240.3

scRGB

scRGB

scRGB

2 拡張色空間の標準化動向 –scRGB -

( )( )[ ]

( )( )[ ]

( )( )[ ]096401928round

096401928round

096401928round

scRGBscRGB

scRGBscRGB

scRGBscRGB

16

16

16

+×=

+×=

+×=

.BB

.GG

.RR

p. 36

◆ 解 説

< scRGBと三刺激値X,Y,Zとの関係>

sRGBの場合は非線形の特性があるがそれがなく、線形である。

16ビットscRGB(16)デジタル値とCIE 1931表色系における三刺激値X,Y,Zとの関係は,上のように表される。

(10)式は三刺激値XYZからscRGBに変換するマトリクス式,(11)式は16ビットデータに丸める式である。

Page 37: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 37

scRGBの特徴

• sRGBとの整合性– scRGBの3原色および,白色点は,sRGBと同じである。

• 測光量に対して線形

– X,Y,Zは,測光量に対して線形であるので,それらを線形変換した後,量子化して得られる16ビットscRGB(16)デジタル値も測光量に対して線形であるといえる。

– トランスペァレンシ ブレンディング,アンチ エイリアシング,コンボリュージョン,ライト レンダリング等の線形加工に基づく処理にscRGBは適している。

– この特徴によりscRGBは,CG,バーチャルリアリティ,ゲームなどの産業界のニーズに合致しているといえる。

• ワイドダイナミックレンジ– scRGBは,-50%から+750%までの信号を16ビットでエンコードするもので

ある。0から16,383までのscRGB(16)デジタル値には,全ての可視表面色が含まれ,12,288から65,535までの範囲には,スペキュラーなど,100%を超える成分が含まれる。

• 次世代Windows OSに採用予定

2 拡張色空間の標準化動向 – scRGB -

p. 37

◆ 解 説

<scRGBの特徴>

・sRGBとの整合性

scRGBの3原色および,白色点は,sRGBと同じである。

・測光量に対して線形

X,Y,Zは,測光量に対して線形であるので,それらを線形変換した後,量子化して得られる16ビットscRGB(16)デジタル値も測光量に対して線形であるといえる。

トランスペァレンシ ブレンディング,アンチ エイリアシング,コンボリュージョン,ライト レンダリング等の線形加工に基づく処理にscRGBは適している。

この特徴によりscRGBは,CG,バーチャルリアリティ,ゲームなどの産業界のニーズに合致しているといえる。

・ワイドダイナミックレンジ

scRGBは,-50%から+750%までの信号を16ビットでエンコードするものである。0から16,383までのscRGB(16)デジタル値には,全ての可視表面色が含まれ,12,288から65,535までの範囲には,スペキュラーなど,100%を超える成分が含まれる。

例:ガラスのコップの端の光る明るい部分の質感等に有効である。

・次世代Windows OSに採用予定

Page 38: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 38

DCFオプション色空間(AdobeRGB)

• JEITAカメラファイルシステム規格 DCF 2.0 (2003. 9)で規定された。

• JEITA ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.21 (2003. 9)において引用されている。

• DCFオプション色空間の特性値は,次のとおり。

– 再生階調カーブ特性: γ=2.2– 白色点の色度座標: x=0.313 y=0.329 (D65)– 原色の色度座標: x y

R 0.64 0.33G 0.21 0.71B 0.15 0.06

注) いわゆるAdobeRGBと呼ばれる色空間と同等。

• DCFオプション色空間の仕様を明確にし,国際標準化するために,JEITAにて原案を作成し,IECに提案済み。現在,IEC TC 100/TA 2/PT 61966-2-5において,通称opRGBとして,審議中。

2 拡張色空間の標準化動向 – DCFオプション色空間 -

p. 38

◆ 解 説

<DCFオプション色空間(AdobeRGB)>

・JEITAカメラファイルシステム規格 DCF 2.0 (2003. 9)で規定された。

・JEITA ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.21 (2003. 9)において引用されている。

・DCFオプション色空間の特性値は,次のとおり。

再生階調カーブ特性: γ=2.2

白色点の色度座標: x=0.313 y=0.329 (D65)

原色の色度座標:

x y

R 0.64 0.33

G 0.21 0.71

B 0.15 0.06

注) いわゆるAdobeRGBと呼ばれる色空間と同等。

・DCFオプション色空間の仕様を明確にし,国際標準化するために,JEITAにて原案を作成し,IECに提案済み。現在,IEC TC 100/TA 2/PT 61966-2-5において,通称opRGBとして,審議中。

Page 39: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 39

色域比較(2次元)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0x

y

opRGBsRGB

2 拡張色空間の標準化動向 – DCFオプション色空間 -

p. 39

◆ 解 説

<色域比較(2次元)>

sRGBとopRGBを比較した図を示す。

黒の破線がsRGBでピンクの実線がopRGBである。

赤と青は同じ色度点であるが,緑に関して色域が広がる方向に位置している。

このopRGBの色域はオフセット印刷で表現できる色の範囲をカバーしている。

Page 40: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 40

opRGBsRGB

色域比較(3次元)

2 拡張色空間の標準化動向 – DCFオプション色空間 -

p. 40

◆ 解 説

<色域比較(3次元)>

明度情報を含んだ均等色空間であるL*a*b*色空間で比較すると次の図のようになる。

opRGB囲まれる立体の中にsRGBの立体がほとんど含まれているのがわかる。 (縦軸が明るさにあたる)

Gを鮮やかにした結果、青、赤も強くしなければいけないため、この辺りの領域も広くカバーできるようにした色空間がopRGBである。

Page 41: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 41

動画用拡張色空間 - xvYCC

• 動画用拡張色空間として,Extended-gamut YCC colour space for video applications – xvYCC (IEC 61966-2-4)が2006年1月に発行された

• RGBに関して,0未満,1より大きい範囲の色を表現することにより表示できる色の範囲を拡大

• 従来規格(ITU-R BT.709-5)と互換性を確保(色度点,白色点,YCC-RGB変換式*1,量子化定義*2)

• 従来範囲外(0未満1より大)の光電変換特性を定義

• 物体色のほとんどを表示可能*1 HDはITU-R BT.709-5,SDはITU-R BT.601-5による

*2 8ビット以上も定義

2 拡張色空間の標準化動向 – xvYCC -

p. 41

◆ 解 説

<動画用拡張色空間 - xvYCC>

・動画用拡張色空間として,Extended-gamut YCC colour space for video applications – xvYCC (IEC 61966-2-4)が2006年1月に発行された

・RGBに関して,0未満,1より大きい範囲の色を表現することにより表示できる色の範囲を拡大

・従来規格(ITU-R BT.709-5)と互換性を確保(色度点,白色点,YCC-RGB変換式*1,量子化定義*2)

・従来範囲外(0未満1より大)の光電変換特性を定義

・物体色のほとんどを表示可能*1 HDはITU-R BT.709-5,SDはITU-R BT.601-5による

*2 8ビット以上も定義

Page 42: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 42

従来規格との互換性を確保

−−−−=

'''

0458.04542.05000.05000.03854.01146.00722.07152.02126.0

BGR

Cr'Cb'Y'

• RGBからYCbCrへの変換式

−−−−=

'''

0458.04542.05000.05000.03854.01146.00722.07152.02126.0

BGR

Cr'Cb'Y'

HD (ITU-R BT.709-5)

SD (ITU-R BT.601-5)

• 量子化(8ビットの場合)

2 拡張色空間の標準化動向 – xvYCC -

[ ][ ][ ]128'224round

128'224round16'219round

xvYCC(8)

xvYCC(8)

xvYCC(8)

+×=+×=

+×=

CrCrCbCbYY

・・・・(12)

・・・・(13)

・・・・(14)

p. 42

◆ 解 説

<従来規格との互換性を確保>

xvYCCで定義されるRGBからYCbCrへの変換マトリクスを式(12),式(13)に示す。

式(12)はHD信号用,式(13)はSD信号用の変換マトリクスで,それぞれITU BT.709-5,BT.601-5で定義されているものと同等である。

RGBは非線形データで負値及び0より大きい値も含まれる。

変換されたYCCデータは式(14)によって量子化される。こちらも従来のものと同等である。

このほか,RGB色度点,白色点も従来規格と同等である。

Page 43: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 43

xvYCCとBT.709の比較

xvYCCで拡張された領域

Y-Cr平面

2 拡張色空間の標準化動向 – xvYCC -

p. 43

◆ 解 説

V<xvYCCとITU-R BT.709の比較>

xvYCCについて定義される信号領域について図に示す。

前述の式(12)~(14)で量子化されたYCCデータは,図中の赤線で囲まれた領域で表される。

RGB値が0未満または1より大きい場合に,ITU-R BT.709で表される領域外となる。

Page 44: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 44

xvYCCの光電変換特性

2 拡張色空間の標準化動向 – xvYCC -

( )( )( ) 099.0099.1

099.0099.1099.0099.1

45.0

45.0

45.0

+−×−=′+−×−=′+−×−=′

BBGGRR

・・・・(15)

BBGGRR

×=′×=′×=′

5.45.45.4

・・・・(16)

( )( )( ) 099.0099.1

099.0099.1099.0099.1

45.0

45.0

45.0

−×=′−×=′−×=′

BBGGRR

・・・・(17)

018.0,, −≤BGR

018.0,,018.0 <<− BGR

018.0,, ≥BGR

p. 44

◆ 解 説

<xvYCCの光電変換特性>

xvYCCにおけるRGBデータの光電変換特性を示す。

従来定義された範囲外である0未満,1より大きい範囲に関して新たに定義された。

Page 45: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 45

物体色のほとんどをカバー

Munsell Color Cascade(769色)

sRGBの包含率:52.7%色域外

sRGB

xvYCC xvYCCの包含率:100%

Munsell Color Cascadeのデータは,英国The National Physical Laboratoryにおいて測定されたものをMichael R. Pointer博士からご提供いただきました。

2 拡張色空間の標準化動向 – xvYCC -

p. 45

◆ 解 説

<物体色のほとんどをカバー>

Munsell Color Cascadeによる包含率の比較を示す。

Munsell Color Cascadeは自然界に存在する物体色を規定した769色の色表集であるが,従来のsRGBではそのうちの52.7 %しか表示できない。

一方,xvYCCでは100 %表示することができる。これより,レーザ光など,人工的に作った特殊な色でない限り自然界の色をほとんど表示することが可能であるといえる。

今後TV等に広く普及していくのではないかと考えられる。尚,現在一部製品化されている。

Page 46: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 46

(1)次のカッコ内の文字を下の語句から選び埋めよ

( )はメーカー・機器ごとに著しく異なっていた「( )・色空間」を統一しようと,1999年10月に国際標準(IEC 61966-2-1)として発行。標準状態として以下の数値が規定されている・( )レベル・・・80 cd/m2

・白色点・・・( )(x=0.3127,y=0.3290)・RGB色度点・・・Red(x=0.6400,y=0.3300), Green(x=0.3000,y=0.6000)

Blue(x=0.1500,y=0.0600) *( )BT709.3と同じ・ガンマ特性・・・( )

色数 sRGB 周囲光 2.2 opRGB D50 ISO 輝度 D65ITU-R 1.8 色再現性 視環境 ICCプロファイル

演習問題A ・・・・・第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ

p. 46

◆ 解 説

【解答】(sRGB )はメーカー・機器ごとに著しく異なっていた「(色再現性 )・色空間」を統一しようと,1999年10月に国際標準(IEC 61966-2-1)として発行。標準状態として以下の数値が規定されている・(輝度 )レベル・・・80 cd/m2

・白色点・・・(D65 )(x=0.3127,y=0.3290)・RGB色度点・・・Red(x=0.6400,y=0.3300), Green(x=0.3000,y=0.6000)

Blue(x=0.1500,y=0.0600) *(ITU-R )BT.709.3と同じ・ガンマ特性・・・(2.2 )

Page 47: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 47

(1)カラーマネジメントに関する2つの手法,ICCプロファイルを用いる手法と標準色空間sRGBを用いる手法について,それぞれメリット及びデメリットを述べよ

(2)sRGBにおけるWinColorSpec.のような実運用上のガイドラインに対し,拡張色空間でも普及のためのガイドラインは必要か?どのような形態で提供すべきか議論せよ

演習問題B ・・・・・第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ

p. 47

◆ 解 説

<解答例(1のみ)>

・ICCプロファイルによる手法 メリットとしては,プロファイルのサイズを大きくすることにより,精度の高い色再現性を得ることが可能で,主に印刷業界,プロ用途として用いられる。プロファイルのサイズを大きくすると,ネットワーク環境で用いる場合に負荷が重くなる。また,プロファイルを規定した状態からずれてしまった場合,例えば,モニタのユーザー調整によってコントラストやブライトネスの調整を行った場合などは,忠実な色再現を行うといった効果が期待できなくなってしまう。

・標準色空間(sRGB)による手法 機器ごとの情報を添付しなくて良いので,伝送するサイズのデータを小さくすることができ,コンシューマ・インターネット用途に適している。また,各種画像入出力機器の色に関する設計目標が明らかになるのもメリットといえる。しかし,規定された理想状態からずれてしまうと,色が合わなくなるので,製造上の誤差を含むガイドラインが必要となる。

Page 48: 第2章拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイReference image display system characteristics ・輝度レベル 80 cd/m2 ・白色点 D65 (x=0.3127,

拡張色空間の国際標準化動向 48

規 格1) IEC 61966-2-1, Multimedia systems and equipment - Colour measurement and

management - Part 2-1: Colour management - Default RGB colour space – sRGB(1999)

2) IEC 61966-2-1 Amendment 1 (2003)3) IEC 61966-2-2, Multimedia systems and equipment - Colour measurement and

management - Part 2-2: Colour management - Extended RGB colour space – sRGB(2003)

4) IEC 61966-2-4, Colour management - Extended-gamut YCC colour space for video applications – xvYCC (2006)

5) ITU-R Recommendation BT.709-5:2002 Parameter values for the HDTV standards for production and international programme exchange (2002)

6) ITU-R BT.601-5, Studio encoding parameters of digital television for standard 4:3 and wide-screen 16:9 aspect ratios (1995)

7) JEITA CP-3451 ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.2 (2002)8) JEITA CP-3461 カメラファイルシステム規格 DCF 2.0 (2003)9) JEITA CP-3451-1ディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.21 (2003)文 献10) WinColorKit: デバイス OEM 用 Windows Color Quality Test Kit, Microsoft社ウェブサイト

(2001)

参考資料・・・・・第2章 拡張色空間の国際標準化動向と広色域ディスプレイ