第4章 技能実習計画の認定 - mhlw...せん(法第8条第1項及び第12条)。 36 〇...

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第4章 技能実習計画の認定 ○ 実習実施者は、受け入れようとする技能実習生ごとに技能実習計画を作成(団体監 理型の場合には、監理団体の指導に基づいて作成)し、機構から認定を受ける必要が あります(法第8条及び第12条)。この認定申請は、法第9条の認定基準を満たすこと を証明する添付資料等を添えて、機構の地方事務所・支所の認定課に申請しなけれ ばなりません。 ○ 技能実習制度の適正な運用のため、技能実習計画の認定に当たっては、実習実施 者の欠格事由が設けられています(法第10条)。 ○ 実習実施者は、認定を受けた技能実習計画について、技能実習の目標の変更、職 種及び作業の変更など認定計画に従った技能実習の実施に実質的な影響を与える ものに変更が生じた場合には、改めて、技能実習計画の変更申請を行い、認定を受け なければなりません(法第11条)。 ○ 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のため、機構が実習実施者に対す る実地検査等を行うほか、主務大臣の職員による報告徴収等の権限も規定されてい ます(法第13条及び第14条)。 ○ さらに、技能実習計画の認定後においても、実習実施者が認定計画に従って技能 実習を行わせていないと認めるときや出入国・労働関係法令に違反しているときなど、 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のために必要があると認められるとき は、主務大臣が改善命令を行うことができることとされています(法第15条)。 また、主務大臣は、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと 認めるとき、出入国・労働関係法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき、改善 命令に違反したときなどにおいて実習認定を取り消すことができます(法第16条)。 ○ なお、技能実習計画の認定は、技能実習計画が認定基準等に照らして適当である か否かを確認する事実行為であり、認定自体による法的効果は存在しません(処分に 該当するものではありません。)。 ○ また、実習実施者は、初めて技能実習生を受け入れて実際に技能実習を行わせた 際には、遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしな ければなりません(法第17条)。 34

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第4章 技能実習計画の認定

○ 実習実施者は、受け入れようとする技能実習生ごとに技能実習計画を作成(団体監

理型の場合には、監理団体の指導に基づいて作成)し、機構から認定を受ける必要が

あります(法第8条及び第12条)。この認定申請は、法第9条の認定基準を満たすこと

を証明する添付資料等を添えて、機構の地方事務所・支所の認定課に申請しなけれ

ばなりません。

○ 技能実習制度の適正な運用のため、技能実習計画の認定に当たっては、実習実施

者の欠格事由が設けられています(法第10条)。

○ 実習実施者は、認定を受けた技能実習計画について、技能実習の目標の変更、職

種及び作業の変更など認定計画に従った技能実習の実施に実質的な影響を与える

ものに変更が生じた場合には、改めて、技能実習計画の変更申請を行い、認定を受け

なければなりません(法第11条)。

○ 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のため、機構が実習実施者に対す

る実地検査等を行うほか、主務大臣の職員による報告徴収等の権限も規定されてい

ます(法第13条及び第14条)。

○ さらに、技能実習計画の認定後においても、実習実施者が認定計画に従って技能

実習を行わせていないと認めるときや出入国・労働関係法令に違反しているときなど、

技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のために必要があると認められるとき

は、主務大臣が改善命令を行うことができることとされています(法第15条)。

また、主務大臣は、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと

認めるとき、出入国・労働関係法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき、改善

命令に違反したときなどにおいて実習認定を取り消すことができます(法第16条)。

○ なお、技能実習計画の認定は、技能実習計画が認定基準等に照らして適当である

か否かを確認する事実行為であり、認定自体による法的効果は存在しません(処分に

該当するものではありません。)。

○ また、実習実施者は、初めて技能実習生を受け入れて実際に技能実習を行わせた

際には、遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしな

ければなりません(法第17条)。

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○ 技能実習の実施が困難になった場合には、企業単独型実習実施者は機構の地方

事務所・支所の認定課に対し届出を行い、また、団体監理型実習実施者は監理団体

に対し通知を行わなければなりません(法第19条)。なお、通知を受けた監理団体は、

対象の実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に対し届

出をしなければなりません(法第33条)。

○ 実習実施者は、技能実習に関する帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなけれ

ばなりません(法第20条)。

○ 実習実施者は、毎年1回、技能実習の実施の状況に関する報告書を作成し、機構

の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません(法第21条)。

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第1節 技能実習計画の認定(技能実習法第8条)

第1 技能実習計画の認定(技能実習法第8条第1項)

【関係規定】

(技能実習計画の認定)

法第8条 技能実習を行わせようとする本邦の個人又は法人(親会社(会社法(平成十七年法律

第八十六号)第二条第四号に規定する親会社をいう。)とその子会社(同条第三号に規定する

子会社をいう。)の関係その他主務省令で定める密接な関係を有する複数の法人が技能実習

を共同で行わせる場合はこれら複数の法人)は、主務省令で定めるところにより、技能実習生ご

とに、技能実習の実施に関する計画(以下「技能実習計画」という。)を作成し、これを主務大臣

に提出して、その技能実習計画が適当である旨の認定を受けることができる。

(密接な関係を有する複数の法人)

規則第3条 法第八条第一項の主務省令で定める密接な関係を有する複数の法人は、次の各号

のいずれかに該当するものとする。

一 同一の親会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第四号に規定する親会社を

いう。)をもつ複数の法人

二 前号に掲げるもののほか、その相互間に密接な関係を有する複数の法人として法務大臣及

び厚生労働大臣が認めるもの

(技能実習計画の認定の申請)

規則第4条 法第八条第一項の認定の申請は、別記様式第一号による申請書の正本一部及び

副本一部を提出して行わなければならない。

2 団体監理型技能実習に係る法第八条第一項の認定の申請にあっては、当該申請をしようとす

る者は、実習監理を受ける監理団体から同条第四項に規定する指導を受けたことについて、前

項の申請書に当該監理団体の証明を受けなければならない。

(技能実習計画の認定の通知)

規則第5条 法務大臣及び厚生労働大臣(法第十二条第一項の規定により外国人技能実習機構

(以下「機構」という。)に同項に規定する認定事務を行わせる場合にあっては機構。第十七条

第一項及び第十八条第二項において同じ。)は、法第八条第一項の認定をしたときは、その旨

を当該認定を受けようとする者(以下この節において「申請者」という。)に通知するものとする。

2 前項の通知は、別記様式第二号による認定通知書に前条第一項の申請書の副本を添えて行

うものとする。

○ 技能実習を行わせようとする個人又は法人は、技能実習生ごとに技能実習計画を

作成し、技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)を機構に提出しなければなりま

せん(法第8条第1項及び第12条)。

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〇 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号・第1面~第7面)は、申請に際して、正

本1通及び副本1通を提出する必要があります。

※ 申請書のほか、各様式の用紙の左肩に記載されたアルファベットについては、技

能実習の区分により、以下のとおり分類しているものです。申請する技能実習計画に

係る技能実習の区分に応じた書類を作成し、提出することが必要です。

A 第1号企業単独型技能実習

B 第2号企業単独型技能実習

C 第3号企業単独型技能実習

D 第1号団体監理型技能実習

E 第2号団体監理型技能実習

F 第3号団体監理型技能実習

○ 技能実習を行わせる主体は、本邦の個人又は法人ですが、法人が行う場合には、

複数の法人が技能実習を共同で行わせることも認めています。具体的には、

・ 親会社と子会社の関係にある複数の法人(法第8条第1項)

・ 同一の親会社をもつ複数の法人(規則第3条第1号)

・ その他その相互間に密接な関係があるかを判断して法務大臣及び厚生労働大臣

が個別に認めるもの(規則第3条第2号)

をいいます。

○ なお、複数の法人が技能実習を共同で行わせる場合には、技能実習計画認定申請

書(別記様式第 1 号第 1 面)の「申請者」欄及び技能実習計画(別記様式第 1 号第2

面)の「1 申請者」欄に連名で記載(記載困難な場合は、適宜別紙を用いる。)してく

ださい。この場合、技能実習計画認定通知書(別記様式第 2 号)「5 申請者」欄につ

いては、「別紙のとおり」とし、別紙として、参考様式第1-37 号に申請者の名称等が

記載されることになります。

○ その相互間に密接な関係を有する複数の法人の代表的な例としては、以下のような

事例が考えられます。

・ 日本の自動車メーカーX社が、資本関係のない複数のディーラーとの間で自動車

の販売委託契約(販売後の点検、整備を含む。)を締結しているところ、X社がこれ

らの複数のディーラーと共同で、A国から自動車整備の技能等に係る技能実習生

を受け入れて、自動車の基本構造をX社の製造工場で教えるとともに、ディーラー

の下で自動車販売後の点検、整備に関する技能等を修得させようとする事例。X社

は、自動車の点検、整備を行う体制を有していないところ、国内ディーラーに自動車

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の点検、整備に従事する技能実習を行わせることで国内に自ら技能実習のための

指導者を新たに確保する必要がなく技能実習を行うことが可能になり、また、技能

実習によってA国内での自動車の整備、点検の技術が向上することによって自動車

販売において顧客の確保につながり、他方、国内ディーラーにとってはX社との取引

強化となることから、X社と国内ディーラーにとって事業上のメリットがあるもの。

○ その相互間に密接な関係があるかを判断して法務大臣及び厚生労働大臣が個別に

認めるもの(規則第3条第2号)の適用を受けようとする場合には、技能実習計画の認

定申請に際して必要書類を提出していただき、密接な関係を有することを立証してい

ただく必要があります。判断に悩む場合には、事前に機構の地方事務所・支所の認定

課に御相談ください。

なお、当該密接な関係を有する複数の法人として認められる有効期間は、技能実

習計画が認定された日から3年間とし、当該期間が経過した場合には、再度その該当

性について、必要書類を提出していただくこととなります。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 理由書(参考様式第 1-26号)及び規則第3条第2号の基準への適合性を立証する資料

* 規則第3条第2号の適用を受けようとする場合

・ 申請者の概要書(参考様式第 1-1号)

* 複数の法人が共同で技能実習を行わせる場合には、各法人ごとに1枚ずつ必要。

・ 登記事項証明書

* 法人の場合

* 複数の法人が共同で技能実習を行わせる場合には、各法人ごとに1枚ずつ必要。

・ 住民票の写し

* 個人事業主の場合

【留意事項】

○ 複数の法人が共同で技能実習を行う場合

・ 共同で技能実習を「行わせる」とは、当該複数の法人が一体となって技能実習を行わせる

ことであり、当該複数の法人がいずれも技能実習生に修得等させようとする技能等に係る

業務を行っていることが必要となります。したがって、例えば2つの法人が共同で技能実習

を行うとする場合、どちらか一方のみで技能実習を実施するといった計画は認められず、

他方の法人においても少なくとも、技能実習の予定時間全体の12分の1以上、技能実習

を実施する等、共同での技能実習の実体があることが求められます。

・ また、技能実習を行う法人は、技能実習生に対し、雇用関係に基づき指揮命令し、当該

法人の業務に従事させることで技能等の修得等をさせるものですから、複数の法人が共同

で技能実習を行う場合にあっても、当該複数の法人と対象となる技能実習生との間には雇

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用関係が締結されていることが前提となります。ただし、この雇用関係については、一般的

な雇用契約のみならず、在籍出向による契約(出向先と雇用契約を締結する場合だけで

なく、出向元と出向先との出向契約のみで出向先が当該出向者を指揮命令できる場合を

含む。)も含まれます。

第2 技能実習計画の記載事項(技能実習法第8条第2項)

【関係規定】

(技能実習計画の記載事項)

法第8条 (略)

2 技能実習計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 前項に規定する本邦の個人又は法人(以下この条、次条及び第十二条第五項において

「申請者」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

二 法人にあっては、その役員の氏名及び住所

三 技能実習を行わせる事業所の名称及び所在地

四 技能実習生の氏名及び国籍

五 技能実習の区分(第一号企業単独型技能実習、第二号企業単独型技能実習若しくは第

三号企業単独型技能実習又は第一号団体監理型技能実習、第二号団体監理型技能実習

若しくは第三号団体監理型技能実習の区分をいう。次条第二号において同じ。)

六 技能実習の目標(技能実習を修了するまでに職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第

六十四号)第四十四条第一項の技能検定(次条において「技能検定」という。)又は主務省令

で指定する試験(次条及び第五十二条において「技能実習評価試験」という。)に合格するこ

とその他の目標をいう。次条において同じ。)、内容及び期間

七 技能実習を行わせる事業所ごとの技能実習の実施に関する責任者の氏名

八 団体監理型技能実習に係るものである場合は、実習監理を受ける監理団体の名称及び住

所並びに代表者の氏名

九 報酬、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、技能実習生が負担する食費及び居住費その他

の技能実習生の待遇

十 その他主務省令で定める事項

(技能実習評価試験)

規則第6条 法第八条第二項第六号の主務省令で指定する試験は、別表第一のとおりとする。

(技能実習計画の記載事項)

規則第7条 法第八条第二項第十号の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 申請者が既に法第十七条の規定による届出を行っている場合は、当該届出に係る実習実

施者届出受理番号

二 法人にあっては、その役員の役職名及び法人番号(行政手続における特定の個人を識別す

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るための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第十五項に規

定する法人番号をいう。第二十六条第一号において同じ。)

三 申請者の業種

四 技能実習責任者(法第八条第二項第七号に規定する技能実習の実施に関する責任者を

いう。以下同じ。)の役職名

五 技能実習指導員(第十二条第一項第二号の規定により選任された技能実習指導員をい

う。以下同じ。)及び生活指導員(同項第三号の規定により選任された生活指導員をいう。以

下同じ。)の氏名及び役職名

六 技能実習生の生年月日、年齢及び性別

七 第三号技能実習に係るものである場合は、第二号技能実習の終了後第三号技能実習の

開始までの間における本国への帰国期間

八 第二号技能実習に係るものである場合は第一号技能実習に係る技能実習計画、第三号技

能実習に係るものである場合は第二号技能実習に係る技能実習計画において定めた目標の

達成状況

九 団体監理型技能実習に係るものである場合は、監理団体の許可番号、許可の別、監理責

任者(法第四十条第一項に規定する監理責任者をいう。以下同じ。)の氏名、担当事業所の

名称及び所在地並びに技能実習計画の作成の指導を担当する者の氏名

十 団体監理型技能実習であって取次送出機関があるものに係る場合は、当該取次送出機関

の氏名又は名称

○ 技能実習を行わせようとする者は、法第8条第2項各号に定められている事項(技能

実習計画認定申請書(省令様式第1号)第2面の技能実習計画)を記載しなければな

りません。

○ また、法第8条第2項第6号の主務省令で指定する試験(技能実習評価試験)につ

いては、規則第6条に基づき、規則別表第1に、職種、作業、試験及び試験実施者が

定められています。

第3 技能実習計画の添付書類(技能実習法第8条第3項)

【関係規定】

(技能実習計画の認定)

法第8条

3 技能実習計画には、次条各号に掲げる事項を証する書面その他主務省令で定める書類を添

付しなければならない。

(技能実習計画の添付書類)

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規則第8条 法第八条第三項の主務省令で定める書類は、次のとおりとする。

一 申請者が法人の場合にあっては申請者の登記事項証明書、直近の二事業年度に係る貸

借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びにその役員の住民票の写し(営業に関し成

年者と同一の行為能力を有しない未成年者である役員については、当該役員及びその法定

代理人の住民票の写し(法定代理人が法人である場合は、当該法人の登記事項証明書及び

定款又は寄附行為並びにその役員の住民票の写し))、法人でない場合にあっては申請者の

住民票の写し及び納税申告書の写し

二 申請者の概要書

三 技能実習生に技能実習を行わせることに係る申請者の誓約書

四 技能実習生の旅券その他の身分を証する書類の写し及び履歴書

五 技能実習責任者の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し

六 技能実習指導員の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し

七 生活指導員の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し

八 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、当該技能実習計画に基づく団体監

理型技能実習に係る取次送出機関の誓約書

九 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、監理団体と申請者の間の実習監

理に係る契約の契約書又はこれに代わる書類の写し

十 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、団体監理型技能実習生と取次送

出機関の間に締結された団体監理型技能実習に係る契約の契約書の写し

十一 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては、申請者と企業単独型技能実習

生となろうとする者が本国において所属する機関の関係を明らかにする書類及び当該機関が

作成した企業単独型技能実習生の派遣に係る証明書

十二 外国の準備機関がある場合にあっては、当該外国の準備機関の概要書及び誓約書

十三 技能実習生との間で締結した雇用契約の契約書及び雇用条件書の写し

十四 技能実習生に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であるこ

とを説明する書類

十五 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習

に係るものである場合にあっては監理団体が、宿泊施設が適正であることを確認したことを明

らかにする書類

十六 食費、居住費その他名目のいかんを問わず技能実習生が定期に負担する費用の内訳

及び当該費用が適正であることを説明する書類

十七 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者又は第二条の外国の公私

の機関が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者、監理団体又は取

次送出機関が、技能実習の期間中の待遇について技能実習生に説明し、かつ、技能実習生

がこれを十分に理解したことを明らかにする書類

十八 開発途上地域等への技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の移転による国際協

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力の推進という技能実習の制度の趣旨(以下単に「制度の趣旨」という。)を理解したこと並び

に第十条第二項第三号ハ及び第六号イに該当することを明らかにする技能実習生の作成に

係る書類

十九 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、団体監理型技能実習の申込み

の取次ぎ又は外国における団体監理型技能実習の準備に関し団体監理型技能実習生が取

次送出機関又は外国の準備機関に支払った費用の額及び内訳並びに団体監理型技能実

習生がこれを十分に理解したことを明らかにした書類

二十 技能実習を行わせる理由を記載した書類

二十一 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、第十条第二項第三号ヘに規

定する推薦に係る推薦状

二十二 第二号技能実習に係るものである場合にあっては、基礎級の技能検定(職業能力開

発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第四十四条第一項の技能検定をいう。以下同

じ。)又はこれに相当する技能実習評価試験(法第八条第二項第六号に規定する技能実習

評価試験をいう。以下同じ。)に合格したことを技能検定又は技能実習評価試験の実施者が

証明する書面の写し

二十三 第三号技能実習に係るものである場合にあっては、三級の技能検定又はこれに相当

する技能実習評価試験の実技試験に合格したことを技能検定又は技能実習評価試験の実

施者が証明する書面の写し

二十四 第三号技能実習に係るものである場合又は第十六条第二項の規定の適用を受ける必

要がある場合にあっては、第十五条の基準を満たすことを明らかにする書類

二十五 申請者が法第八条第一項の認定を受けている技能実習計画に係る技能実習生の名

簿

二十六 その他必要な書類

○ 技能実習計画の認定申請に際しては、認定基準を満たしていることを証明する書類

その他必要な書類を提出しなければなりません。具体的な書類については、別紙②に

おいて一覧表として示しています。また、必要な添付書類の詳細については、別途機

構HPでお知らせしますので、併せて御参照ください。

○ なお、申請書の添付書類については、申請書の正本1通に添付することが必要であ

り、副本1通には添付する必要はありません。

【留意事項】

○ 提出書類等の言語について

技能実習法令の規定により法務大臣及び厚生労働大臣又は機構に提出する資料が外国

語により作成されているときは、その資料に日本語の翻訳文を添付しなければなりません(規

則第68条第1項)。また、技能実習法令の規定により法務大臣及び厚生労働大臣又は機構

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に提出し、又は事業所に備えて置く日本語の書類に、技能実習生の署名を求める場合には、

技能実習生が十分に理解できる言語も併記の上、署名を求めなければなりません(規則第6

8条第2項)。

第4 監理団体の指導(技能実習法第8条第4項)

【関係規定】

(技能実習計画の認定)

法第8条 (略)

4 団体監理型技能実習を行わせようとする申請者は、実習監理を受ける監理団体(その技能実

習計画が第三号団体監理型技能実習に係るものである場合は、監理許可(第二十三条第一項

第一号に規定する一般監理事業に係るものに限る。)を受けた者に限る。)の指導に基づき、技

能実習計画を作成しなければならない。

○ 団体監理型技能実習において、実習実施者は、技能実習生に修得等をさせようと

する技能等について一定の知識又は経験を有する監理団体の役職員の指導の下で、

十分に監理団体と意思疎通を図って技能実習計画を策定することが求められます

(法第8条第4項)。(監理団体における技能実習計画の作成指導者の要件について

は、規則第52条第8号を参照。)

○ そのため、実習実施者が技能実習生に修得等をさせようとする技能等については、

実習監理を受けようとする監理団体の取扱職種の範囲内であることが必要となりま

す。

第5 技能実習計画の認定手数料(技能実習法第8条第5項)

【関係規定】

(技能実習計画の認定)

法第8条 (略)

5 申請者は、実費を勘案して主務省令で定める額の手数料を納付しなければならない。

(技能実習計画の認定の手数料)

規則第9条 法第八条第五項(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で

定める額は、一件につき三千九百円とする。

(手数料の納付方法等)

規則第66条

2 法第八条第五項(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)又は法第二十四条第

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五項(法第三十一条第五項及び第三十二条第二項において準用する場合を含む。)に規定す

る手数料は、金融機関に設けられた機構の口座に払い込むことによって納付しなければならな

い。

3 前二項の規定により納付した手数料は、返還しない。

○ 申請者は技能実習計画の認定手数料として、技能実習計画1件につき3,900円を

機構に対し、口座振込みで納付しなければなりません(規則第9条、第66条第2項)。

○ 具体的な口座振込みの方法等については、別途、機構のHP等でお知らせしておりま

すので、御参照ください。

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第2節 技能実習計画の認定基準(技能実習法第9条)

技能実習計画の認定基準は、法第9条及びその関係規則に定められています。以

下に示す基準のいずれにも適合し、かつ後記第3節に規定する認定の欠格事由に該

当しないものが、技能実習計画として認定されることとなります。

第1 技能実習生の本国において修得等が困難であること

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

一 修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること。

○ 技能実習生の受入れは、我が国から技能実習生の本国への技能等の移転を図るこ

とを目的とするものであることから、修得等をさせる技能等が技能実習生の本国におい

て修得等が可能であれば、我が国において技能実習を行う必要性は認められないこと

になるため、技能実習生の本国において修得等が困難であるという要件が設けられて

います。

【確認対象の書類】

・ 技能実習生の申告書(参考様式第 1-20 号)

・ 技能実習を行わせる理由書(参考様式第 1-22 号)

第2 技能実習の目標に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

二 技能実習の目標及び内容が、技能実習の区分に応じて主務省令で定める基準に適合して

いること。

(技能実習の目標及び内容の基準)

規則第10条 法第九条第二号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習の目標に係るものは、次の各号に掲げる技能実習の区分に応じ、

当該各号に定めるとおりとする。

一 第一号技能実習 次のいずれかを掲げるものであること。

45

イ 修得をさせる技能等に係る基礎級の技能検定又はこれに相当する技能実習評価試験の

実技試験及び学科試験の合格

ロ 修得をさせる技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関す

る知識の修得を内容とするもの(技能実習の期間に照らし適切なものに限る。)

二 第二号技能実習 習熟をさせる技能等に係る三級の技能検定又はこれに相当する技能実

習評価試験の実技試験の合格を掲げるものであること。

三 第三号技能実習 熟達をさせる技能等に係る二級の技能検定又はこれに相当する技能実

習評価試験の実技試験の合格を掲げるものであること。

○ 技能実習が修了したときに到達すべき技能等の水準として、第1号技能実習から第

3号技能実習の各段階において目標を定めなければなりません。

○ 第1号技能実習の修了時においては、第2号技能実習に移行する予定がある場合

には、技能検定又は技能実習評価試験(以下「技能検定等」という。)の実技試験と学

科試験の受検が必須とされ、基礎級への合格を目標としなければなりません。

第2号技能実習に移行する予定がない場合には、基礎級への合格を目標としなけ

ればならないわけではなく、修得をさせる技能等を要する具体的な業務ができるように

なること及び当該技能等に関する知識の修得を内容とするものであって、かつ技能実

習の期間に照らし適切な目標を定めることも可能です。

○ 第2号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、

3級の実技試験への合格を目標としなければなりません。

○ 第3号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、

2級の実技試験への合格を目標としなければなりません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

【留意事項】

第2号又は第3号技能実習の修了時においては、学科試験の受検は義務ではありません

が、受検することが勧奨されます。

【用語の解説】

○ 技能検定

職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣が省令で定める職種ごとに、厚生労働省

令で定める等級に区分して、実技試験及び学科試験を行うこととされています(同法第44条

第1項及び第3項)。なお、各等級の合格に必要な技能・知識の程度は以下のとおりです(同

法施行規則第62条)。

46

・ 特級 管理者又は監督者が通常有すべき技能・知識

・ 1級 上級の技能労働者が通常有すべき技能・知識

・ 2級 中級の技能労働者が通常有すべき技能・知識

・ 3級 初級の技能労働者が通常有すべき技能・知識

・ 基礎級 基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能・知識

○ 技能実習評価試験

技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議による確認の上、技能検定に相当する

検定試験として、厚生労働省人材開発統括官が認定したものです。

第3 技能実習の内容に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

二 技能実習の目標及び内容が、技能実習の区分に応じて主務省令で定める基準に適合して

いること。

(技能実習の目標及び内容の基準)

規則第10条

2 法第九条第二号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める基

準のうち技能実習の内容に係るものは、次のとおりとする。

一~八 (後述)

(1) 修得等をさせる技能等の基準に関するもの

【関係の省令の規定】

一 修得、習熟又は熟達(以下「修得等」という。)をさせる技能等が次のいずれにも該当するも

のであること。

イ 同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと。

ロ 第二号技能実習及び第三号技能実習にあっては、別表第二に掲げる職種及び作業(以

下「移行対象職種・作業」という。)に係るものであること。

○ 技能実習制度は、我が国から技能実習生の本国への技能等の移転を図るものであ

ることから、同一の作業の反復によって修得等ができる程度のものである場合には、移

転すべき技能等として認められないこととなります。

47

○ また、第2号又は第3号技能実習へ移行し、3年ないし5年の技能実習を行わせるに

当たっては、技能実習生が修得等をした技能等について技能検定等により客観的か

つ公正に評価を行うことが求められます。その上で、それぞれ第1号又は第2号の各

段階を修了した際に、技能実習生が目標として定めた技能検定等に合格していなけ

れば、次の段階の技能実習に進めないという仕組みとされています。

○ このため、第2号又は第3号技能実習については、公的評価システムとして技能検

定等が整備されている「移行対象職種・作業」であることが要件として設けられていま

す。

移行対象職種・作業については、規則第10条第2項第1号ロに基づき、規則別表

第2に、職種及び作業が定められています。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 修得等をさせる技能等についての写真付きの工程表(フローチャート)

* 移行対象職種・作業でない場合

【用語の解説】

○ 同一の作業の反復のみによって修得等できるもの

同じ作業を繰り返し行い、特段のレベルアップが期待できない作業に従事するものをいい、

必ずしも作業が一つであることを意味するものではありませんが、同種の業務に係る一連の作

業を行うことを反復する場合であっても、その内容が単に手足等を動かすことにより完結する

ものである場合は、この要件に合致しません。このような作業は、通常、我が国において修得

等する必要性は低く、技能実習制度の目的とする発展途上国等への技能移転や経済発展

に寄与するものではありません。

○ 移行対象職種・作業

技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議による確認の上、第2号又は第3号技

能実習への移行に係る技能実習において技能実習生が修得等をした技能等の評価を客観

的かつ公正に行うことができる公的評価システムとして整備された技能検定等を有する職

種・作業の総称をいいます。

公的評価システムの整備や「移行対象職種・作業」への追加に関することは、「技能実習

制度における移行対象職種・作業の追加等に係る事務取扱要領」(厚生労働省人材開発統

括官)に定められています。

(2) 従事させる業務の基準に関するもの

48

【関係の省令の規定】

二 従事させる業務について、次のいずれにも該当するものであること。

イ 当該業務の性質及び当該業務に従事させるに当たっての実習環境その他の環境に照ら

し、外国人に技能実習として行わせることが適当でないと認められるものでないこと。

ロ 技能実習を行わせる事業所において通常行われている業務であり、当該事業所に備えら

れた技能等の修得等に必要な素材、材料等を用いるものであること。

ハ 移行対象職種・作業に係るものにあっては、次に掲げる業務の区分に応じ、当該業務に

従事させる時間が、それぞれ次に掲げる条件に適合すること。

(1) 必須業務(技能実習生が修得等をしようとする技能等に係る技能検定又はこれに相

当する技能実習評価試験の試験範囲に基づき、技能等を修得等するために必ず行わ

なければならない業務をいう。以下このハにおいて同じ。) 業務に従事させる時間全体

の二分の一以上であること。

(2) 関連業務(必須業務に従事する者により当該必須業務に関連して行われることのある

業務であって、修得等をさせようとする技能等の向上に直接又は間接に寄与する業務を

いう。) 業務に従事させる時間全体の二分の一以下であること。

(3) 周辺業務(必須業務に従事する者が当該必須業務に関連して通常携わる業務((2)

に掲げるものを除く。)をいう。) 業務に従事させる時間全体の三分の一以下であること。

ニ 移行対象職種・作業に係るものにあっては、ハ(1)から(3)までに掲げる業務について、そ

れぞれ、従事させる時間のうち十分の一以上を当該ハ(1)から(3)までに掲げる業務に関す

る安全衛生に係る業務に充てること。

ホ 移行対象職種・作業に係るものでないものにあっては、従事させる業務に関する安全衛生

に係る業務を行わせること。

ヘ ハからホまでに掲げるもののほか、技能実習の期間を通じた業務の構成が、技能実習の

目標に照らして適切なものであること。

○ 規則第10条第2項第2号イの要件については、個別具体的に申請があった場合に

おいて、業務の性質や実習環境等に照らし、従事させる業務が外国人に技能実習とし

て行わせることが適当でないと認められるものでないことについて、確認するものです。

技能実習生に従事させる業務が移行対象職種・作業である場合やそれと同等と評

価できる場合などは、当該要件に適合することとなります。

○ 規則第10条第2項第2号ロの要件については、技能実習を行わせる事業所におい

て通常行われている業務であり、当該事業所における業務において一般的に用いられ

ている機械、器具等の設備等の使用を求めるものです。技能実習生の受入れのみの

ために、当該事業所において通常行われていない業務を行ったり、当該事業所におい

て一般的に用いられていない設備等を使用したりすることは、認められません。

49

○ 規則第10条第2項第2号ハ及びニの要件については、移行対象職種・作業に係るも

のについては、技能等の修得等の促進を図り、効果的な技能実習を可能とする観点

から、業務に従事させる時間全体と比べた必須業務、関連業務及び周辺業務の時間

の割合を算出し、それぞれ、必須業務が2分の1以上、関連業務が2分の1以下、周

辺業務が3分の1以下となっていることを求めるものです。

また、必須業務、関連業務及び周辺業務のそれぞれについて、従事させる時間のう

ち10分の1以上を安全衛生に係る業務を行わせる必要があります。

○ 規則第10条第2項第2号ホの要件については、技能実習生を従事させる業務が移

行対象職種・作業でない場合であっても、時間配分は定めないものの、移行対象職

種・作業の場合に準じて、安全衛生に係る業務を行わせることを求めるものです。

○ 規則第10条第2項第2号への要件については、例えば、ハ及びニで必要とされてい

る時間配分の基準は満たしているものの、特段の理由もなく、月ごとの時間配分が著し

く不均衡となっており、技能実習の目標の達成が困難となるような事案が生じないよう、

要件として求めているものです。また、計画どおりに業務に従事したとしても最終的に技

能検定等の合格レベルに到達しないような水準の計画の場合は、この基準を満たさな

いことになります。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式1号)

【留意事項】

○ 移行対象職種・作業において従事させる業務の具体的な内容について

厚生労働省のHPに掲載される技能実習計画の審査基準、技能実習計画のモデル例等

を参照して、移行対象職種・作業において技能実習生に従事させる業務の具体的内容を検

討し、技能実習計画に盛り込んでいくことが必要です。

また、平成27年3月以前に対象職種に追加されたものを中心に、厚生労働省のHPに技

能実習計画の審査基準、技能実習計画のモデル例等が掲載されていない移行対象職種・

作業もありますが、このような移行対象職種・作業の場合には、(公財)国際研修協力機構が

発行する「外国人技能実習制度における技能実習計画(第1分冊から第4分冊まで)」や同

機構のHPにおいて、技能実習計画のダイジェスト版、技能実習計画のモデル例等が公表さ

れていますので、これを参照して、移行対象職種・作業において技能実習生に従事させる業

務の具体的内容を検討し、技能実習計画に盛り込んでいくことが望まれます。

○ 時間外労働等について

時間外労働や休日労働、深夜労働については、技能実習が、技能等の修得等を目的とし

て行われる以上、技能実習を行わせる合理的な理由がない限り、原則として行われることが

50

想定されていないものです。したがって、技能実習計画において、時間外労働等を当初から

予定した申請がされることは、原則として想定されていません。

なお、やむを得ない業務上の事情等により、時間外労働等を行う必要が有る場合には、労

働関係法令を遵守して行うことはもとより、時間外労働等を行わせている場合において、当該

時間外労働等が技能等の修得等の活動の一環として行われ、技能実習生に対する技能等

の修得等に係る指導が可能な体制が構築されていることが必要となります。

また、深夜労働については、技能実習が、技能等の修得等を目的として行われる以上、技

能実習を行わせる合理的な理由がない限り、実習生の年齢にかかわらず、原則として行わ

れることが想定されておりません。

一方で、技能実習計画において、交替制により深夜労働を行わせるにあたり、合理的な理

由がある場合に限っては、申請が認められる余地はあると考えられます。

(3) 技能実習生の基準に関するもの

【関係の省令の規定】

三 技能実習生が次のいずれにも該当する者であること。

イ 十八歳以上であること。

ロ 制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること。

ハ 本国に帰国後本邦において修得等をした技能等を要する業務に従事することが予定され

ていること。

ニ 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては、申請者の外国にある事業所又は

第二条の外国の公私の機関の外国にある事業所の常勤の職員であり、かつ、当該事業所

から転勤し、又は出向する者であること。

ホ 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、本邦において従事しようとする業

務と同種の業務に外国において従事した経験を有すること又は団体監理型技能実習に従

事することを必要とする特別な事情があること。

ヘ 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、当該者が国籍又は住所を有する

国又は地域(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管

法」という。)第二条第五号ロに規定する地域をいう。以下同じ。)の公的機関(政府機関、

地方政府機関又はこれらに準ずる機関をいう。以下同じ。)から推薦を受けて技能実習を

行おうとする者であること。

ト 第三号技能実習に係るものである場合にあっては、第二号技能実習の終了後本国に一月

以上帰国してから第三号技能実習を開始するものであること。

チ 同じ技能実習の段階(第一号技能実習、第二号技能実習又は第三号技能実習の段階を

いう。)に係る技能実習を過去に行ったことがないこと(やむを得ない事情がある場合を除

く。)。

51

(特定就労活動に従事した者に関する特例)

附則第4条 特定就労活動(法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める活動をいう。)に従事し

た者(次条に規定する旧特定就労活動従事者を除く。以下「特定就労活動従事者」という。)を

雇用する者又は雇用しようとする者が、当該特定就労活動従事者に係る技能実習計画(第三

号技能実習に係るものに限る。)を作成し、法第八条第一項の認定の申請をした場合において

は、第十条第二項第三号トの規定の適用については、当分の間、次の表の上欄に掲げる字句

は、同表の下欄に掲げる字句とする。

ト 第三号技能実習に係るものである場

合にあっては、第二号技能実習の終

了後本国に一月以上帰国してから第

三号技能実習を開始するものであるこ

と。

ト 次のいずれかに該当すること。

(1) 第二号技能実習又は第二号技能実習

に相当するもの(法附則第三条第三項の

主務省令で定めるもの及び同条第五項の

主務省令で定めるものをいう。以下このトに

おいて同じ。)の終了後本国に一月以上一

年未満の期間帰国してから特定就労活動

(法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定

める活動をいう。以下同じ。)を開始し、か

つ、当該特定就労活動の終了後本国に一

年以上帰国してから第三号技能実習を開

始するものであること。

(2) 第二号技能実習又は第二号技能実習

に相当するものの終了後本国に一年以上

帰国してから特定就労活動を開始し、か

つ、当該特定就労活動の終了後本国に一

月以上帰国してから第三号技能実習を開

始するものであること。

(旧特定就労活動に従事した者に関する経過措置)

附則第5条 旧特定就労活動(法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める活動をいう。)に従事

した者(以下「旧特定就労活動従事者」という。)を雇用する者又は雇用しようとする者が、当該

旧特定就労活動従事者に係る技能実習計画(第三号技能実習に係るものに限る。)を作成し、

法第八条第一項の認定の申請をした場合においては、第十条第二項第三号トの規定の適用に

ついては、当分の間、次の表の上欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

52

ト 第三号技能実習に係るものである場合に

あっては、第二号技能実習の終了後本国に

一月以上帰国してから第三号技能実習を

開始するものであること。

ト 次のいずれかに該当すること。

(1) 旧特定就労活動(法務大臣及び厚生労

働大臣が告示で定める活動をいう。以下同

じ。)の終了後本国に一年以上帰国してか

ら第三号技能実習を開始するものであるこ

と。

(2) 第二号技能実習に相当するもの(法附

則第三条第三項の主務省令で定めるもの

及び同条第五項の主務省令で定めるもの

をいう。)の終了後本国に一年以上帰国し

てから旧特定就労活動を開始し、かつ、当

該旧特定就労活動の終了後本国に一月

以上帰国してから第三号技能実習を開始

するものであること。

附則第六条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一の五の

表の特定活動の在留資格(介護等特定活動(法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める活

動をいう。)を指定されたものに限る。)をもって本邦に在留していた者(以下「介護等特定活動従

事者」という。)を雇用する者又は雇用しようとする者が、当該介護等特定活動従事者に係る技

能実習計画(介護職種に係るものに限る。)を作成し、当該技能実習計画について法第八条第

一項の認定の申請をした場合においては、第十条第二項第三号トの規定の適用については、次

の表の上欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

ト 第三号技能実習に係るものである場合に

あっては、第二号技能実習の終了後本国に

一月以上帰国してから第三号技能実習を

開始するものであること。

ト 第一号技能実習に係るものである場合に

あっては介護等特定活動(法務大臣及び

厚生労働大臣が告示で定める活動をい

う。)の終了後、第三号技能実習に係るも

のである場合にあっては第二号技能実習

の終了後、それぞれ本国に一月以上帰国

してから第一号技能実習又は第三号技能

実習を開始するものであること。

○ 技能実習の適正な実施を図るためには、実習実施者や監理団体が体制を整えた上

で適切な指導を行うことが重要ですが、それに加え、技能実習生も制度の趣旨を理解

し、実習実施者や監理団体の指導の下、技能実習に対する意欲を持ち続けることが

必要となります。

このため、規則第10条第2項第3号ロにおいて、制度の趣旨を理解して技能実習を

53

行おうとする者であることの要件を技能実習生について定めています。なお、第1号技

能実習開始前にインドネシア、フィリピン及びベトナムとの経済連携協定(EPA)に基づ

き、看護師免許又は介護福祉士資格の取得を目的として、本邦において、必要な知

識及び技能を修得する活動に従事していた者については、技能実習生の申告書(参

考様式第1-20号)に、EPAに基づく受入れと技能実習制度の趣旨・目的の違いを

理解した上で、技能実習に専念することにより、技能等の修得等をし、本国への技能

等の移転に努める旨を記載する必要があります。

○ 規則第10条第2項第3号ハの「本国に帰国後本邦において修得等をした技能等を

要する業務に従事することが予定されていること」については、

・ 技能実習開始前に所属していた勤務先等に復職することが予定されていること(新

たな就職先への内定を含む。)

・ 技能実習開始前に所属していた勤務先等に復職することが予定されていない場合

にあっては、帰国後に技能実習生が修得等した技能等を適切に活用できるよう、取

次送出機関が就職先のあっせんその他の必要な支援を行うこととされていること

を求めるものです。

○ 規則第10条第2項第3号ホの「本邦において従事しようとする業務と同種の業務に

外国において従事した経験を有すること」については、日本において行おうとする技能

実習において中心的に修得等をしようとする技能等について送出国で業務として従事

した経験を有することを求めるものです。ただし、送出国で業務として従事していた業務

の名称が形式的に同一であることまでを求めるものではありません。

また、「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」に

ついては、技能実習生が従事する予定の業務と同種の業務に外国(本国等)において

従事した経験を有しない場合について、特別な事情があることを求めるものです。特別

な事情としては以下①から③までの場合が該当します。

① 実習実施者又は監理団体と送出国との間の技術協力上特に必要があると認めら

れる場合

実習実施者や監理団体と送出国の公的機関との間で技能実習制度を活用して

人材育成を行う旨の協定等に基づき、技能実習を行わせると認められる場合です。

具体的には、実習実施者や監理団体と送出国の公的機関との間で技能実習生を

派遣するに当たって合意を行い、送出国の公的機関が送出機関となる場合のほか、

公的機関の職員を技能実習生として派遣する場合など、送出国の公的機関が技能

実習生の候補者を選定するなど積極的な関与を行う場合が想定されます。

この場合、実習実施者や監理団体と送出国の公的機関との間の技術協力上の

必要性を立証する資料を提出することが必要になります。

54

② 教育機関において同種の業務に関連する教育課程を修了している場合(修了見

込みの場合も含む。)

教育機関の形態は問いませんが、教育を受けた期間については6か月以上又は

320時間以上であることが必要です。この場合、以下の資料を提出することが必要

となります。

・ 技能実習生が教育機関に在籍したまま技能実習を行い、技能実習の終了後に

当該教育機関に復学する予定である場合には、教育機関と実習実施者、監理団

体又は外国の送出機関との間において締結された協定書の写し(教育機関の修

了生に対し日本での技能実習を行うことを支援する内容が定められたものに限

る。)又は協定内容証明書(参考様式第1-32号)

・ 教育機関の概要を明らかにする書類(同種の業務に関連する分野の教育を行っ

ていることが分かる書類に限る。)(参考様式第1-33号)

・ 技能実習生が当該教育機関において関連する教育課程を修了したことを証明

する書類(修了見込みの証明も含む。)

③ 技能実習生が技能実習を行う必要性を具体的に説明でき、かつ、技能実習を行

うために必要な最低限の訓練を受けている場合

当該技能実習を行う必要性を具体的に説明できる場合とは、

・ 家業を継ぐことになり、当該分野の技能実習を行う必要性が生じた場合

・ 本国で急成長している分野での就業を希望し、そのために当該分野での技能実

習を行う必要性が生じた場合

などをいいます。この場合は、技能実習生が技能実習を行う必要性について具体的

に記載した理由書(技能実習を行わせる理由書(参考様式第1-22号)を提出す

ることが必要となります。

また、技能実習を行うために必要な最低限の訓練としては、①2か月以上の期間

かつ 320 時間以上の課程を有し、そのうち1か月以上の期間かつ 160 時間以上の

課程が本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識(日本語及び本邦での生活

一般に関する知識は含まない。)の科目に充てられた入国前講習である場合又は

②2か月以上の期間かつ 320 時間以上の課程を有し、そのうち1か月以上の期間

かつ 160 時間以上の課程が入国前講習、その余の1か月以上の期間かつ 160 時

間以上の課程が技能実習と同種の業務に関連する訓練がこれに該当します。この

場合、入国前講習実施(予定)表(参考様式第1‐29号)(②の場合にあっては、こ

れに加えて訓練実施(予定)表(参考様式第1-34号)及び技能実習生一覧表

(参考様式第 1-35号))を提出する必要があります。

○ 規則第 10 条第2項第3号ヘの「国籍又は住所を有する国又は地域の公的機関から

推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること」については、送出国の公的機関が

55

作成した推薦状を技能実習生ごとに提出することが必要となります(別紙を用いて複

数の技能実習生の推薦状をまとめて発行することは可能です。)。

○ 規則第 10 条第2項第3号トの「第二号技能実習の終了後本国に一月以上帰国して

から第三号技能実習を開始するものであること」については、本国に1か月以上帰国す

る前に第3号技能実習の計画の認定申請を行う場合については、帰国の予定がある

旨の記載を行うこととなります。なお、第2号技能実習の終了後に外国人建設・造船就

労者受入事業により建設・造船業務に従事していた者、第1号技能実習の開始前にイ

ンドネシア、フィリピン及びベトナムとの経済連携協定(EPA)に基づき、看護師免許又

は介護福祉士資格の取得を目的として、本邦において、必要な知識及び技能を修得

する活動に従事していた者については、規則附則第4条から第6条までに帰国期間の

特例が定められていますので、技能実習生の履歴書(参考様式第1―3号)の「⑪訪

日経験」欄の該当欄に所要の訪日経験及び帰国(予定)期間を記載する必要がありま

す。建設・造船業務に従事していた者の帰国期間の詳細については、法務省又は厚

生労働省の HP に掲載されている「新たな技能実習制度と建設・造船就労活動の関係」

を御参照ください。

○ 規則第 10 条第2項第3号チの「同じ技能実習の段階(第一号技能実習、第二号技

能実習又は第三号技能実習の段階をいう。)に係る技能実習を過去に行ったことがな

いこと(やむを得ない事情がある場合を除く。)」については、技能実習は段階的に技能

等の修得等を行うものであるため、同じ段階の技能実習を過去に行ったことがないこと

を求めるものです。同じ段階の技能実習を再度行うことが認められるやむを得ない事

情としては、以下のものが該当します。

① 中断後の再開

技能実習生の病気・怪我(労災を含む。)、技能実習生の家族の都合等により技

能実習生が技能実習の継続を希望していたにもかかわらず技能実習の実施が困難

となってしまったような場合の後の再開が該当します。技能実習生自身が職務怠慢

により欠勤していたなど、技能実習を継続する意思や能力を欠くことに起因した中断

については、再開は認められません。この場合は、理由書(様式自由)を提出するこ

とが必要となります。

※ この場合の実習期間は、既に行った同一段階の実習期間と通算して法律上の

上限の範囲内となります。

② 転籍

実習実施者の経営上・事業上の都合、実習実施者における実習認定の取消し、

実習実施者における労使間の諸問題、実習実施者における対人関係の諸問題等、

現在の実習実施者の下で技能実習を続けさせることが、技能実習の適正な実施及

56

び技能実習生の保護という趣旨に沿わないと認められる事情による実習先の変更

の場合が該当します。なお、専ら技能実習生の都合によるものは認められません。

この場合は、新規の技能実習計画の認定申請に際して、他の添付書類とともに、理

由書(様式自由)と転籍を行うことが必要となった事情を明らかにする資料を提出す

ることが必要となります。

※ この場合の実習期間は、既に行った同一段階の実習期間と通算して法律上の

上限の範囲内となります。ただし、上記の事情に起因して技能実習計画を実質的

に履行できなかった期間については、実習期間として通算しない取扱いとします。

③ 再実習(同業種)

ある段階の技能実習を修了した者が、再び、同じ業種の技能等について、同じ段

階の技能実習を行う場合です。原則として、このような再実習を行うことは想定され

ていませんが、以下のような要件を全て満たす場合に限って、認められる余地があ

ります。この場合は、理由書(様式自由)と再実習(同業種)を行うことが必要となっ

た事情を明らかにする資料を提出することが必要となります。

・ 前回行った技能実習も今回行おうとする技能実習も、いずれも原則として移行対

象職種・作業に係るものではなく、第1号技能実習であること

・ 前回行った技能実習において移行対象職種・作業として技能実習計画を策定し

なかったことに合理的な理由があること

・ 前回行った技能実習の目標が達成されていること

・ 今回行おうとする技能実習の内容が、前回行った技能実習の内容と比べてより

上級のもの又は関連する技能等の修得を目的とするものであること

・ 前回行った技能実習で学んだ技能等が、母国において活用されている、又は活

用される予定があること

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 技能実習生の履歴書(参考様式第 1-3号)

・ 技能実習生の申告書(参考様式第 1-20 号)

・ 技能実習を行わせる理由書(参考様式第 1-22 号)

・ 外国の所属機関による証明書(企業単独型技能実習)(参考様式第 1-12号)

* 企業単独型技能実習の場合

・ 技能実習生の推薦状(参考様式第 1-23号)

* 団体監理型技能実習の場合

・ 同種業務従事経験等証明書(団体監理型技能実習)(参考様式第1‐27号) 及び規則第

10 条第2項第3号ホの立証に関し必要な書類

* 団体監理型技能実習の場合

* 「本邦において従事しようとする業務と同等の業務に外国において従事した経験を有す

57

ること」を立証する場合、外国の所属機関による証明書(団体監理型技能実習)(参考

様式第1‐28号)

* 「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」を立証する

場合、上記の省令の規定を説明した部分に記載の書類

・ 再度同じ段階の技能実習を行う理由書(様式自由)及び規則第10条第2項第3号チの立証

に関し必要な書類

* 「やむを得ない事情がある場合」を立証する場合、上記の省令の規定を説明した部分

に記載の書類

・ 外国の所属機関による証明書(団体監理型技能実習)(参考様式第 1-28号)

* 団体監理型技能実習の場合

【留意事項】

○ 国籍又は住所を有する国又は地域の公的機関

政府機関、地方政府機関又はこれらに準ずる機関をいいます。政府機関又は地方政府

機関に準ずる機関とは、日本の独立行政法人や特殊法人に相当する機関を想定しています

が、その位置付けは各国の制度により異なることから、個々に判断されることとなります。

○ 団体監理型における第3号技能実習への円滑な移行について

第2号技能実習が修了する6か月前を目安として技能検定等の3級相当の検定の受検が

必要となりますが、この頃までに、実習実施者や監理団体は、技能実習生との間で第3号技

能実習への移行を希望しているか、移行を希望する場合に実習先を変更する旨の希望があ

るかをあらかじめ聴取することが望まれます。

実習先の変更がある場合にあっては、新たな実習実施者から第3号の技能実習計画の認

定申請が行われる必要があるので、十分な時間的余裕を持って手続がされる必要がありま

す。

○ 技能実習生が在留を継続したまま第3号技能実習へ移行する場合の入管法上の手続につ

いて

第3号技能実習計画の認定を受けた場合は、技能実習生は、「技能実習2号」の在留期

間の満了日までに、「技能実習3号」への在留資格変更許可申請を地方入国管理局に行う

必要があります。在留資格変更許可申請中の技能実習生については、入管法第20条第5

項に規定する特例期間(在留資格変更(更新)申請中に限り在留期間の満了日が最大2か

月延長されるもの。)を活用して、みなし再入国許可により1か月以上の一旦帰国を行うこと

が可能です(ただし、一旦帰国の期間が45日を超える場合には特例期間中の帰国が実現し

ない場合や、特例期間中に帰国した場合にもその後の在留資格変更許可申請の手続が特

例期間中に完了しないおそれがあることから、新規入国での手続を行うことが望まれま

す。)。

1か月以上の一旦帰国を終えて再入国した場合にあっては、技能実習生は、速やかに地

方入国管理局に出頭し、「技能実習3号」の在留資格変更許可を受けた上で、第3号技能実

58

習を開始する必要があります。

(4) 申請者(実習実施者)の基準に関するもの

【関係の省令の規定】

四 申請者が次のいずれにも該当する者であること。

イ 制度の趣旨を理解して技能実習を行わせようとする者であること。

ロ 第二号技能実習に係るものである場合にあっては、当該技能実習計画に係る技能実習生

に第一号技能実習を行わせた者であること(第一号技能実習を行わせた者が第二号技能

実習を行わせることができない場合、第一号技能実習を行わせた者が第二号技能実習を

行わせることが適当でない場合その他やむを得ない事情がある場合を除く。)。

○ 制度の趣旨を理解して技能実習を行わせようとする者であることを明示的に求める

のは、制度の趣旨を理解せず、労働力の需給の調整の手段として技能実習生を受け

入れる事業者は、技能等の修得等をさせる十分な努力を行わないばかりか、技能実

習生に対する労働関係法令違反や人権侵害行為等の問題を生じさせることにも繋が

る可能性があるためです。

○ 第1号及び第2号の技能実習の合計3年間については、基礎的な技能等を効果的・

効率的に修得等する期間であるため、同一の実習実施者において計画的かつ効率的

に一貫して技能等を修得・習熟させることが重要です。したがって、第2号の技能実習

計画に係る申請者はその技能実習生に第1号技能実習を行わせた者であることが求

められます。

○ ただし、第1号技能実習と同一の実習実施者でないことについて、やむを得ない事情

がある場合は、例外的に第1号技能実習を行わせた者以外の申請者も認められま

す。

やむを得ない事情がある場合に該当するのは、例えば、以下のとおりです。

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者の倒産・経営状態悪化

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における実習認定の取消し

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における労使間の諸問題

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における対人関係の諸問題

・ その他、第1号技能実習を行わせた実習実施者で技能実習を続けさせた場合にお

いて技能実習の適正な実施が期待できないと認められるとき

〇 なお、第3号技能実習については、基礎的な技能等を効果的・効率的に修得等する

59

期間は修了しており、いわゆる応用段階の実習になることから、第2号技能実習を行わ

せた実習実施者と同一の者の下での技能実習であることを必ずしも求めていません。

技能実習生の意向に基づいて、実習先を選択することが可能となっています。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 技能実習を行わせる理由書(参考様式第 1-22 号)

(5) 外国の準備機関の偽変造文書の行使に関するもの

【関係の省令の規定】

五 外国の準備機関又はその役員が、過去五年以内に、技能実習を行わせようとする者に不

正に法第八条第一項若しくは第十一条第一項の認定を受けさせる目的、監理事業を行おう

とする者に不正に法第二十三条第一項若しくは第三十二条第一項の許可若しくは法第三十

一条第二項の更新を受けさせる目的、出入国若しくは労働に関する法令の規定に違反する

事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し外国人に不正に入管法第三章第一節若しくは

第二節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印(入管法第九条第四項の規定による記

録を含む。以下同じ。)若しくは許可、同章第四節の規定による上陸の許可若しくは入管法第

四章第一節若しくは第二節若しくは第五章第三節の規定による許可を受けさせる目的で、偽

造若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供す

る行為を行っていないこと。

○ 外国の準備機関又はその役員が、過去5年以内に技能実習を行わせようとする

者に認定を受けさせる目的で偽造若しくは変造された文書等の提供を行った場合

については、技能実習計画が認定されません。

【確認対象の書類】

・ 外国の所属機関による証明書(企業単独型技能実習)(参考様式第 1-12号)

* 企業単独型技能実習の場合

・ 外国の準備機関の概要書及び誓約書(参考様式第 1-13号)

【用語の解説】

○ 外国の準備機関

外国の所属機関その他の技能実習生になろうとする者の外国における準備に関与する外

国の機関のうち取次送出機関を除いたものをいいます。外国の準備機関に当たるものとして

は、例えば、技能実習生が本国で所属していた機関、技能実習生になろうとする者を対象と

して行う講習実施機関、技能実習生が渡航するために旅券や航空券取得の代行を行う機関

などが挙げられます。

60

(6) 技能実習の実施の基準に関するもの

【関係の省令の規定】

六 技能実習の実施に関し次のいずれにも該当すること。

イ 技能実習生等(技能実習生又は技能実習生になろうとする者をいう。以下同じ。)又はそ

の配偶者、直系若しくは同居の親族その他技能実習生等と社会生活において密接な関係

を有する者が、当該技能実習生等が本邦において行う技能実習に関連して、保証金の徴

収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理されず、かつ、技能実習に係る

契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を

予定する契約をしないこと。

ロ 申請者又は外国の準備機関(団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、申

請者、監理団体、取次送出機関又は外国の準備機関)が、他のこれらの者との間で、技能

実習生等が本邦において行う技能実習に関連して、技能実習に係る契約の不履行につい

て違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約をしてい

ないこと。

ハ 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習

に係るものである場合にあっては申請者及び監理団体が、技能実習に関連して、技能実習

生に対する暴行、脅迫、自由の制限その他人権を侵害する行為が行われていないことを

定期的に確認すること。

ニ 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、団体監理型技能実習生等(団

体監理型技能実習生又は団体監理型技能実習生になろうとする者をいう。以下同じ。)が

団体監理型技能実習の申込みの取次ぎ又は外国における団体監理型技能実習の準備に

関して取次送出機関又は外国の準備機関に支払う費用につき、その額及び内訳を十分に

理解してこれらの機関との間で合意していること。

○ 規則第10条第2項第6号イの「保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭

その他の財産を管理されないこと」については、実習実施者、監理団体、取次送出機

関又は外国の準備機関のみならず、本邦内において技能実習に関与するいわゆるブ

ローカー等を含め、幅広く規制の対象とするものです(このため、本規定は特段主語を

規定していません。)。

この規定は、技能実習生のみならず、技能実習生と社会生活において密接な関係

を有する者(親族等)まで対象としています。

○ 規則第10条第2項第6号ロの「申請者又は外国の準備機関(団体監理型技能実習

にあっては、申請者、監理団体、取次送出機関又は外国の準備機関)との間で、違約

金等の契約を定めていないこと」については、技能実習生等との直接の契約でなくとも、

61

実習実施者と取次送出機関などの関係者間で違約金を定めるような契約が行われた

場合は、違約金を払う立場の機関が技能実習生等から保証金や高額な手数料等を

徴収するおそれがあるため、技能実習生の保護の観点から求められているものです。

具体的には、技能実習生が失踪した場合に制裁として取次送出機関が実習実施

者に対し違約金等を支払うことなどを定める契約などが想定されます。

○ 規則第10条第2項第6号ハの「技能実習生に対して暴行、脅迫、自由の制限その

他人権を侵害する行為が行われていないことを定期的に確認すること」については、

保証金契約や違約金契約以外にも、技能実習生が不当な取扱いを受けていないこと

を、技能実習生の保護の観点から実習実施者及び監理団体に定期的に確認させるこ

とを目的とするものです。

不当な取扱いとは、例えば、取次送出機関の日本駐在事務所の職員が、実習実施

者の知らないところで外出禁止等の不当な取決めをしているような場合などが想定さ

れます。

○ 規則第10条第2項第6号ニの「取次送出機関又は外国の準備機関が徴収する費

用の名目及び額を技能実習生が十分に理解した上で合意していること」については、

技能実習生が不当に高額な送出費用を支払い、多額の借金を抱えて来日するといっ

た事案があるのも事実であり、このような事案を防止するため、設けられた規定です。

各国の法制に従って適法に行われることが前提となりますが、旅券の取得等に要し

た費用など社会通念上、技能実習生が負担することに合理的な理由が認められるも

のについて、このルールにのっとって取次送出機関や外国の準備機関が費用を徴収

することは可能です。

したがって、取次送出機関が監理団体へ技能実習生を取り次ぐ場合にあっては、当

該技能実習生が取次送出機関及び外国の準備機関から徴収された費用の額及びそ

の内訳について、技能実習生から聴取するなどして、当該費用が技能実習生の合意

の下で徴収されたものであることを確認することが必要です。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

・ 技能実習計画の認定に関する取次送出機関の誓約書(参考様式第 1-10号)

* 団体監理型技能実習の場合

・ 外国の所属機関による証明書(企業単独型技能実習)(参考様式第1‐12号)

* 企業単独型技能実習の場合

・ 外国の準備機関の概要書及び誓約書(参考様式第1‐13号)

・ 技能実習の準備に関し本国で支払った費用の明細書(参考様式第1‐21号)

* 団体監理型技能実習の場合

62

(7) 講習の基準に関するもの

【関係の省令の規定】

七 第一号技能実習に係るものである場合にあっては、入国後講習が次のいずれにも該当する

ものであること。

イ 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第一号団体監

理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、自ら又は他の適切な者に委

託して、座学(見学を含む 。ハにおいて同じ。)により実施するものであること。

ロ 科目が次に掲げるものであること。

(1) 日本語

(2) 本邦での生活一般に関する知識

(3) 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その

他技能実習生の法的保護に必要な情報(専門的な知識を有する者(第一号団体監理

型技能実習に係るものである場合にあっては、申請者又は監理団体に所属する者を除

く。)が講義を行うものに限る。)

(4) (1)から(3)までに掲げるもののほか、本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識

ハ その総時間数(実施時間が八時間を超える日については、八時間として計算する。)が、

技能実習生が本邦において行う第一号技能実習の予定時間全体の六分の一以上(当該

技能実習生が、過去六月以内に、本邦外において、ロ(1)、(2)又は(4)に掲げる科目につ

き、一月以上の期間かつ百六十時間以上の課程を有し、座学により実施される次のいずれ

かの講習(以下「入国前講習」という。)を受けた場合にあっては、十二分の一以上)である

こと。

(1) 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第一号団体

監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、自ら又は他の適切な者

に委託して実施するもの

(2) 外国の公的機関又は教育機関(第一号企業単独型技能実習に係るものにあっては、

これらの機関又は第二条の外国の公私の機関)が行うものであって、第一号企業単独型

技能実習に係るものである場合にあっては申請者、第一号団体監理型技能実習に係る

ものである場合にあっては監理団体において、その内容が入国後講習に相当すると認め

たもの

ニ 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあってはロ(3)に掲げる科目、第一

号団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては全ての科目について、修得させよ

うとする技能等に係る業務に従事させる期間より前に行われ、かつ、当該科目に係る入国

後講習の期間中は技能実習生を業務に従事させないこと。

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○ 第1号の技能実習生については、入国後一定の期間、「① 日本語」、「② 本邦で

の生活一般に関する知識」、「③ 出入国又は労働に関する法令の規定に違反してい

ることを知ったときの対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報」及び「④

①から③までのほか、本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識」に掲げる科目に

ついて、講習を受講することが必要となります。各科目における留意点は次に記載する

とおりです。

① 日本語

技能実習が行われる現場においては、日本語による指導やコミュニケーションが

行われるのが通常であることから、技能実習を効果的かつ安全に行うための日本語

教育を求めるものです。また、技能実習生は我が国で生活することとなるため、技能

実習の基盤となる日常生活を円滑に送るためにも一定の日本語能力が必要となる

ことから、技能実習生が技能実習の遂行や日常生活に不自由しないレベルに達す

ることができるよう入国後講習を行うことが望まれます。

② 本邦での生活一般に関する知識

技能実習生が最大5年間本邦で生活を行うためには、我が国の法律や規則、社

会生活上のルールやマナーを守る必要があり、自転車の乗り方等日本の交通ルー

ル、公共機関の利用方法、国際電話の掛け方、買い物の仕方、ゴミの出し方、銀

行・郵便局の利用方法等など様々なものが考えられますが、これらに関するものが

この科目に該当します。

③ 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法

その他技能実習生の法的保護に必要な情報

技能実習法令、入管法令、労働関係法令に関する事項、実習実施者や監理団

体等が技能実習法令等の規定に違反していることを知ったときの対応方法、特に申

告・相談先である機構における母国語相談や、労働基準法違反の申告・相談先で

ある労働基準監督署等の行政機関への連絡及び申告の要件や方法と不利益取扱

いの禁止に係る事項、賃金未払に関する立替払制度や休業補償制度、労働安全

衛生や労働契約に関する知識、厚生年金の脱退一時金制度のほか、やむを得な

い理由による転籍をしなければならなくなった際の対応等に関する事項が、講義内

容に含まれていなければなりません。

※ 「法的保護に必要な情報」における「専門的な知識を有する者」とは、技能実習

法令、入管法令、労働関係法令等技能実習生の法的保護に必要な情報につい

て十分な知識を有すると認められる者となります。

※ 企業単独型技能実習と異なり、団体監理型技能実習を行わせる場合において

は、「技能実習生の法的保護に必要な情報」に係る講義をより適切に実施する観

点から、申請者(実習実施者)又は監理団体の職員以外で技能実習法令、入管

法令、労働関係法令等技能実習生の法的保護に必要な情報について十分な知

64

識を有する外部講師が当該講義を行うこととされています。

④ ①から③までのほか、本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識

機械の構造や操作に関する知識のほか、技能実習への心構え、企業内での規

律等の講義が想定されます。また、現場施設見学を行う場合がこの科目に該当す

ることとなります。なお、講習実施施設の外で講習を実施しても差し支えありません

が、実習実施者の工場の生産ライン等の商品生産施設においては見学以外の活

動は認められません。商品生産施設での機械操作教育や安全衛生教育は、講習と

は別に実習実施者において、技能等の修得のための活動として実施しなければなり

ません。

○ 入国後講習の時間数については、次に掲げる要件を満たした入国前講習を実施し

ない場合は「第1号技能実習の総時間数の6分の1以上」、実施する場合は「第1号技

能実習の総時間数の12分の1以上」となります。

・ 過去6か月以内に、本邦外において、①、②又は④に掲げる科目につき、1か月以

上の期間かつ160時間以上の課程を有し、座学により実施されるもの

・ 規則第10条第2項第7号ハ(1)又は(2)のいずれかに該当するもの

○ 入国後講習の実施時期については、企業単独型技能実習の場合は③の科目のみ、

団体監理型技能実習の場合は全ての科目について、実習実施者における技能等の

修得活動を行わせる前に実施しなければなりません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 委託機関との間に締結された入国後講習実施に係る契約書写し等委託関係を明らかにする

資料及び委託機関の概要を明らかにする資料

* 入国後講習を実施するとした場合であって、申請者又は監理団体が委託するとき

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

・ 入国前講習実施(予定)表(参考様式第 1-29号)

* 入国前講習を実施するとした場合

・ 委託機関との間に締結された入国前講習実施に係る契約書写し等委託関係を明らかにする

資料及び委託機関の概要を明らかにする資料

* 入国前講習を実施するとした場合であって、申請者又は監理団体が委託するとき

・ 外国の公的機関が作成した技能実習生が所定の科目を履修したことを証する文書

* 入国前講習を実施するとした場合であって、外国の公的機関が実施するとき

・ 外国の教育機関が作成した技能実習生が所定の科目を履修したことを証する文書及び外国

の教育機関の概要を明らかにする資料

* 入国前講習を実施するとした場合であって、外国の教育機関が実施するとき

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・ 外国の公私の機関が作成した技能実習生が所定の科目を履修したことを証する文書

* 入国前講習を実施するとした場合であって、外国の公私の機関が実施するとき

【留意事項】

○ 各科目の時間配分

・ 入国後講習は、規則10条2項7号ロの(1)から(4)までの全ての科目について実施しなけ

ればなりませんが、各科目の時間数やその割合については、技能実習生の個々の能力や

技能等を修得するために必要な知識の程度によってそれぞれの科目の必要な時間数が

異なることから、実習実施者において適宜定めることとして差し支えありません。

・ 「日本語」については、技能実習生が一定の日本語能力試験等に合格している場合など

日本語能力が高い場合には、当該科目の講習期間を一定程度短縮することも可能です

が、入国後講習の実施時間を減らすことは認められません。そのような場合にあっては、

例えば監理団体職員と技能実習生のコミュニケーションを深める等、技能実習の実情を踏

まえ技能実習生の本邦での生活や技能実習が円滑で効果的なものとなるようこれらの科

目を多く実施することも認められます。

・ 「法的保護に必要な情報」については、講義時間が極端に少ない場合(例えば、通訳を介

して1、2時間)には、講義内容や通訳に要する時間を確認し、不十分と認められる場合に

は講義時間数を増やす必要があります。「法的保護に必要な講習」の時間数の目安は、

技能実習法令、入管法令、労働関係法令、その他法的保護に必要な情報について、少

なくとも各2時間ずつ実施することを目安とし、合計で8時間実施することが必要です。な

お、通訳を付して実施する場合は、通訳に要する時間を考慮して当該8時間の内容を実

施することが必要です。

・ 企業単独型技能実習にあっては、雇用契約に基づいて実施された講習の時間数も、所

定の要件を満たす場合にあっては、省令で規定する入国後講習の必要時間数に含まれ

ます。

・ なお、講習の実施は、効果的な講習を実施するという観点から、1日8時間以内であっ

て、かつ週5日以内とすることが原則となります。

○ 使用する教材

・ 使用する教材については、原則として任意のものを使用することとして差し支えありません

が、「本邦での生活一般に関する知識」及び「法的保護に必要な情報」の科目について

は、技能実習生手帳を教材の一つとして必ず使用し、技能実習生に対し、技能実習生手

帳の活用を促すようにしてください。法施行後においては、機構で実施する母国語相談に

おいて申告を受け付けること等についても、知識として付与してください。

○ 残業時間の取扱い

・ 入国後講習の時間数は、第1号技能実習の予定時間全体から決定されます。残業を行

ったケースなど技能実習の実施時間が技能実習計画の認定後の事情変更により増えた

場合に、講習を追加的に実施することは原則求められていません。

66

○ 入国前講習が未了の場合の取扱い

・ 技能実習計画の認定申請は、申請以後6か月以内に技能実習を開始するものに限られ

ており、申請を行う段階で、入国前講習が所定の時間数を満たしていないことも想定され

ますが、その場合でも、技能実習生が本邦に入国する前までに所定の時間を行うことが見

込まれる場合にあっては、入国前講習を受講した場合の時間数で考えて差し支えありませ

ん。ただし、入国前講習の受講を見込みで実習認定を行った場合に、技能実習生が本邦

に入国する時点で所定の講習時間数を満たしていない場合にあっては、技能実習の総時

間数の6分の1以上の入国後講習を行うことが必要となってしまいますので、所定の時間

数の入国前講習を必ず実施した上で入国するようにしてください。

○ 団体監理型技能実習における入国後講習と雇用契約の発効

・ 団体監理型技能実習においては、実習実施者と技能実習生との間の雇用契約が発効す

る前に監理団体が実施する講習のみを入国後講習の時間数として計算することができま

す。このため、雇用契約発効後に行われる講習は、監理団体が実施した場合であっても規

則で規定する入国後講習の必要時間数に含めません。

・ 技能実習生が危険又は有害な業務に従事することが予定されている場合に、法令で義務

付けられている技能講習、特別教育等を受講する必要がある場合がありますが、これにつ

いては、特に必要と認められる場合を除き、入国後講習終了後に各実習実施者における

技能等修得活動中に受講させるものであることが望ましいものです。なお、入国後講習期

間中に受講させる場合であっても、①当該講習等が実習実施者による指揮命令を受ける

ものでないこと、②監理団体の責任の下で行われること、③実習実施者の施設で行われる

ものでないこと、④事故等により負傷等した場合の補償措置が講じられていること、⑤技能

実習計画の認定申請時に技能講習等の実施時期、場所等が記載され、入国後講習とし

て行うことが明らかになっていること等が必要です。

○ 入国後講習後の実習実施者による講習の実施

・ 雇用契約に基づき技能等を修得する活動を開始した後に、実習実施者の主催による日

本語等の講習を実施することは可能です。なお、技能実習生の参加を強制し業務として行

う場合には、賃金の支払対象となることに留意することが必要です。

【用語の解説】

○ 入国後講習

法第2条第2項第1号又は同条第4項第1号に規定する講習をいいます(規則第1条第7

号)。入国後講習は、技能実習生の入国後に、団体監理型技能実習にあっては、監理団体

が実習実施者における技能等の修得を行わせる前に行わなければなりません。他方、企業

単独型技能実習にあっては、法的保護に関する科目のみが実習実施者における技能等の

修得を行わせる前に行わなければならず、その他の科目については技能等の修得を行わせ

ながら行うこともできます。

○ 外国の公的機関

67

外国の公的機関とは、外国の国又は地方公共団体の機関をいい、本邦における独立行政

法人や公益法人に相当する機関はこれに該当しません。

○ 外国の教育機関

外国の教育機関として認められるものは、原則として、その国又は地域における学校教育

制度に照らして正規の教育機関として認定されているものであり、かつ、義務教育終了後に

入学する機関をいいます。

○ 技能実習生手帳

技能実習生手帳は、技能実習生が日本において健康で充実した技能実習生活を過ごす

ことができるように技能実習生の心構え、生活・衛生面における情報、出入国及び労働関係

法令のほか、行政相談窓口の案内など、技能実習生に役に立つ情報を分かりやすくまとめ、

技能実習生の母国語に翻訳した上で、技能実習生の入国時に入国審査官を介して配付さ

れているものです。技能実習生手帳については、機構のHPに公表していますので御活用くだ

さい。

(8) 特定の職種・作業に関するもの

【関係の省令の規定】

八 前各号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び

作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣(法第五十三条

に規定する事業所管大臣をいう。以下同じ。)が、法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、

当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。

○ 技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種分野

について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適正化

を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特

有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

○ 技能実習の内容の基準に関して、今後この告示が定められた場合には、事業所管

省庁、法務省、厚生労働省及び機構のHP等により周知していきます。

第4 技能実習の期間に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

68

三 技能実習の期間が、第一号企業単独型技能実習又は第一号団体監理型技能実習に係る

ものである場合は一年以内、第二号企業単独型技能実習若しくは第三号企業単独型技能

実習又は第二号団体監理型技能実習若しくは第三号団体監理型技能実習に係るものであ

る場合は二年以内であること。

○ 第1号技能実習の期間は1年以内、第2号又は第3号技能実習の期間は2年以内

です。

○ 本基準である同一区分の技能実習の期間については、原則として単一の技能実習

計画の範囲内で判断されるものです。ただし、同じ段階の技能実習を行ったことについ

てやむを得ない事情がある場合として、中断後の再開又は転籍を行う場合にあっては、

既に行った同一段階の技能実習計画上の技能実習の期間と通算してその期間を判

断します。

○ 「特例期間」(在留資格変更(更新)申請中に限り在留期間の満了日が最大2か月

延長されるもの。)を挟む実習生に係る技能実習計画認定申請書(別記様式第1号)

の第2面項目8「技能実習の期間及び時間数」には、これから実際に実習する期間を

記入してください。

○ 地方入国管理局における在留期間の決定については、必要に応じて所定の調整が

行われます。このため、必ずしも技能実習計画認定通知書どおりの期間が付与され

るとは限りません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

【留意事項】

○ 技能実習法上の「技能実習の期間」と技能実習生の在留資格との関係について

技能実習法上の「技能実習の期間」と技能実習生が在留資格上有している在留期間は必

ずしも一致するものではありません。技能実習法上で認定を受けた技能実習の期間内であっ

たとしても、技能実習生が在留資格上定められている在留期間を過ぎて技能実習を行うこと

は認められませんので、このような場合には、地方入国管理局に対し、在留期間の更新の申

請をする必要があります。

第5 前段階の技能実習における目標の達成に関するもの

69

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

四 第二号企業単独型技能実習又は第二号団体監理型技能実習に係るものである場合はそ

れぞれ当該技能実習計画に係る技能等に係る第一号企業単独型技能実習又は第一号団

体監理型技能実習に係る技能実習計画、第三号企業単独型技能実習又は第三号団体監

理型技能実習に係るものである場合はそれぞれ当該技能実習計画に係る技能等に係る第二

号企業単独型技能実習又は第二号団体監理型技能実習に係る技能実習計画において定

めた技能検定又は技能実習評価試験の合格に係る目標が達成されていること。

○ 第2号又は第3号技能実習に係る技能実習計画の認定を受けるためには、前段階

の技能実習の目標を達成していなければなりません。

・ 第2号技能実習の場合 : 第1号技能実習で目標として定めた基礎級の技能検

定等への合格が必要

・ 第3号技能実習の場合 : 第2号技能実習で目標として定めた3級の技能検定等

の実技試験への合格が必要

○ 技能検定等の合否結果が出ていない状況で次の段階の技能実習計画の認定申請

を行うこととなった場合には、受検中又は受検予定であることが分かる資料を添えて申

請を行ってください。この場合、合格が判明した後に、資料の追完を行わなければなり

ません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

・ 基礎級の技能検定の合格証書の写し若しくは技能検定試験合格通知の写し又はこれに相

当する技能実習評価試験の合格を証明する書面

* 第2号技能実習計画の認定申請の場合

・ 3級の技能検定の実技試験の合格証書の写し若しくは技能検定試験合格通知の写し又はこ

れに相当する技能実習評価試験の合格を証明する書面

* 第3号技能実習計画の認定申請の場合

【留意事項】

○ 機構が行う受検手続支援について

・ 機構では、技能実習生が、技能実習の各段階において、技能検定又は技能評価試験を

適切に受検し、次の段階に円滑に移行できるよう、監理団体(企業単独型技能実習の場

合は実習実施者)からの申請に基づき、試験実施機関との調整による受検日程等の決

定、合否結果の迅速な把握及び当該結果の技能実習計画認定の審査への円滑な反映

70

等につなげていく業務を行っています。そのためには、あらかじめ技能実習生の同意が必

要です。

・ 受検手続支援を受けた場合には、試験実施機関から機構に対し技能実習生の技能検定

等の合否結果が提供されます。このため、技能検定の合格証書等の証明書類の提出は

省略をすることが可能となります。

・ 技能実習計画の目標とした技能検定等の受検手続支援の申込方法等の詳細について

は、別途機構のHP等により周知しています。

第6 修得等をした技能等の評価に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

五 技能実習を修了するまでに、技能実習生が修得等をした技能等の評価を技能検定若しくは

技能実習評価試験又は主務省令で定める評価により行うこと。

(主務省令で定める評価)

規則第11条 法第九条第五号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める評価は、技能実習の目標(前条第一項第一号ロ及び第三項第三号に係るものに限

る。)が全て達成されているかどうかを技能実習指導員が確認することとする。

2 技能実習指導員は、前項の評価を行うに当たっては、技能実習責任者を確認の場に立ち会わ

せることその他の方法により、評価の公正な実施の確保に努めなければならない。

○ 技能実習生が修得等をした技能等の評価は、技能実習生の技能検定等の受検(移

行対象職種・作業に係るもので技能検定等の合格に係る目標を定めている場合)又は

技能実習指導員による技能実習計画の目標が達成されているかどうかの確認(移行

対象職種・作業に係るものでない第1号技能実習の場合等)によって行います。なお、

技能実習指導員による確認は、技能実習計画において、技能検定等の合格以外の

目標を定めた場合に限られます。

○ 技能検定等の受検については、以下の時期に受検することが推奨されます。

・ 第1号技能実習 : 第1号技能実習が修了する3か月前まで

・ 第2号技能実習 : 第2号技能実習が修了する6か月前まで

・ 第3号技能実習 : 第3号技能実習が修了するまで

○ また、技能実習の期間中の再受検は、1回に限り認められることとなっています。

71

○ このことを踏まえて、技能実習を行わせる前に、技能実習を行わせる職種・作業等、

受検すべき技能検定等の種類、受検時期その他必要な事項を明らかにして計画的に

準備を行わなければなりません。

○ 特に、第1号技能実習又は第2号技能実習の場合で、それぞれ第2号技能実習又

は第3号技能実習に移行する予定がある場合には、次段階の技能実習への円滑な移

行を図る必要があることから、余裕を持って技能実習計画の認定申請や地方入国管

理局への在留資格変更許可申請の手続を行えるよう計画的に技能実習を行わせてく

ださい。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

・ 技能実習指導員の就任承諾書及び誓約書(参考様式第 1-7号)

* 移行対象職種・作業に係るものでない第1号技能実習の場合

【留意事項】

○ 移行対象職種・作業に係る技能実習で次段階への移行希望がない場合の受検について

第1号技能実習の場合で第2号技能実習への移行希望がない場合、第2号技能実習の

場合で第3号技能実習への移行希望がない場合又は第3号技能実習の場合は、次段階の

技能実習がありませんが、そのような場合でも、技能実習計画の中で設定した目標(技能検

定等の合格)の達成に向けて受検しなければなりません。

第7 技能実習を行わせる体制に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

六 技能実習を行わせる体制及び事業所の設備が主務省令で定める基準に適合していること。

七 技能実習を行わせる事業所ごとに、主務省令で定めるところにより技能実習の実施に関する

責任者が選任されていること。

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

一~十四 (後述)

(技能実習責任者の選任)

72

規則第13条 (後述)

(1) 技能実習責任者の選任に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

一 技能実習責任者が、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与

する職員を監督し、技能実習の進捗状況を管理するほか、次に掲げる事項を統括管理するこ

ととされていること。

イ 技能実習計画の作成に関すること。

ロ 法第九条第五号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)に規定する技能実

習生が修得等をした技能等の評価に関すること。

ハ 法又はこれに基づく命令の規定による法務大臣及び厚生労働大臣又は機構(団体監理

型技能実習に係るものである場合にあっては、法務大臣及び厚生労働大臣若しくは機構又

は監理団体)に対する届出、報告、通知その他の手続に関すること。

ニ 法第二十条に規定する帳簿書類の作成及び保管並びに法第二十一条に規定する報告

書の作成に関すること。

ホ 技能実習生の受入れの準備に関すること。

ヘ 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、監理団体との連絡調整に関する

こと。

ト 技能実習生の保護に関すること。

チ 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生に関すること。

リ 国及び地方公共団体の機関であって技能実習に関する事務を所掌するもの、機構その

他関係機関との連絡調整に関すること。

(技能実習責任者の選任)

規則第13条 法第九条第七号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)に規定する

技能実習責任者の選任は、申請者又はその常勤の役員若しくは職員であって、自己以外の技

能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場に

あり、かつ、過去三年以内に技能実習責任者に対する講習として法務大臣及び厚生労働大臣

が告示で定めるものを修了した者のうち、前条第一項第二号イからハまでのいずれにも該当しな

い者の中からしなければならない。

○ 技能実習責任者には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執

行を終えた日から 5 年を経過していない者など)、過去 5 年以内に出入国又は労働に

73

関する法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者、未成年者はなることができま

せん。

○ 技能実習責任者は、規則第12条第1項第1号イからリまでに掲げる事項を統括する

ために、下記の①~③の条件を満たす者でなくてはなりません。

① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員である者

② 自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を

監督することができる立場にある者

③ 過去3年以内に技能実習責任者に対する講習(第8章の主務大臣が告示した養

成講習機関が実施する講習)を修了した者

※ ③については、経過措置が平成32年3月31日に終了します。これによりすべての

技能実習責任者は期限までに講習を受講することが必要となります。

○ 技能実習責任者は、技能実習指導員、生活指導員等を監督する立場にあることか

ら、新人職員を名ばかりの技能実習責任者に選任することは認められません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

・ 技能実習責任者の履歴書(参考様式第 1-4号)

・ 技能実習責任者の就任承諾書及び誓約書(参考様式第 1-5号)

・ 技能実習責任者の常勤性が確認できる書類(健康保険等の被保険者証など)

・ 技能実習責任者に対する講習を修了したことを証明する書類

* 講習の実施体制が整備されるまでの間は提出不要

【留意事項】

○ 技能実習責任者、技能実習指導員及び生活指導員の兼務について

技能実習責任者、技能実習指導員及び生活指導員は、各々に求められる要件を備えた

上であれば、兼務することは可能です。

(2) 技能実習指導員の選任に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

二 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技

能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について五

年以上の経験を有し、かつ、次のいずれにも該当しないものの中から技能実習指導員を一名

74

以上選任していること。

イ 法第十条第一号から第七号まで又は第九号のいずれかに該当する者

ロ 過去五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

ハ 未成年者

○ 技能実習指導員には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執

行を終えた日から 5 年を経過していない者など)、過去 5 年以内に出入国又は労働に

関する法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者、未成年者はなることができま

せん。

○ 技能実習指導員は、技能実習の指導を担当するために、下記の①及び②の条件を

満たす者でなくてはなりません。

① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業

所に所属する者

② 修得等をさせようとする技能等について五年以上の経験を有する者

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

・ 技能実習指導員の履歴書(参考様式第 1-6号)

・ 技能実習指導員の就任承諾書及び誓約書(参考様式第 1-7号)

・ 技能実習指導員の常勤性が確認できる書類(健康保険等の被保険者証など)

【留意事項】

○ 技能実習指導員の技能実習生が修得する技能等についての経験

技能実習指導員は技能実習生が修得等をする技能等について5年以上の経験を持つこ

とが必要とされています。これは実習内容を充実させ、技能実習生に対して十分に指導でき

るようにするため設けられているものです。

技能実習生を直接指導する立場であることに鑑み、その経験について、移行対象職種・作

業である場合には、職種及び作業の単位で一致する経験を有していること、指導する職種及

び作業に係る技能検定等の2級の合格者であるなどの有資格者であることが望ましいと考え

られます。

なお、実習実施者における経験には限定されず、実習実施者でない他の機関での経験年

数も含めることができます。

○ 複数の職種及び作業に係る技能実習を行わせる場合の技能実習指導員の経験

複数の職種及び作業に係る技能実習を行わせる場合は、その全ての職種及び作業に係

る修得等をする技能等について5年以上の経験を有することが必要となります。技能実習指

導員が1人で全ての経験を網羅することが困難な場合には、職種及び作業ごとに異なる技能

実習指導員を配置することも可能です。

75

○ 技能実習指導員の現場への常駐

技能実習指導員は、技能実習生を直接指導する必要があることから、技能実習を行わせ

る事業所(工場など)に所属して勤務する者を選任しなければなりません。

○ 技能実習指導員に対する講習の受講

技能実習指導員は、技能実習責任者と異なり講習の受講は義務ではありませんが、技能

実習指導員に対する講習を修了したものであることが望ましいと考えられます。(技能実習指

導員に対する講習を修了している場合、優良な実習実施者の要件の加点要素とすることで、

これを推奨するものです。詳しくは「優良な実習実施者に関するもの」(P88)参照。)。

(3) 生活指導員の選任に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

三 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員の

うち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、前号イからハまでのいずれにも該当

しないものの中から生活指導員を一名以上選任していること。

○ 生活指導員には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を

終えた日から 5 年を経過していない者など)、過去 5 年以内に出入国又は労働に関す

る法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者、未成年者はなることができませ

ん。

○ 生活指導員は、技能実習生の生活の指導を担当するために、実習実施者又はその

常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者でなくては

なりません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

・ 生活指導員の履歴書(参考様式第1-8号)

・ 生活指導員の就任承諾書及び誓約書(参考様式第1-9号)

・ 生活指導員の常勤性が確認できる書類(健康保険等の被保険者証など)

【留意事項】

○ 生活指導員の役割

生活指導員は、技能実習生の我が国における生活上の留意点について指導するだけでな

く、技能実習生の生活状況を把握するほか、技能実習生の相談に乗るなどして、問題の発

76

生を未然に防止することが求められます。なお、生活指導員が全ての生活指導を自ら行わな

ければならないものではなく、補助者を付けて生活指導をすることも可能です。

○ 生活指導員の現場への常駐

生活指導員は、技能実習生を生活面から直接指導する必要があることから、技能実習を

行わせる事業所(工場など)に所属して勤務する者を選任しなければなりません。

○ 生活指導員に対する講習の受講

生活指導員は、技能実習責任者と異なり講習の受講は義務ではありませんが、生活指導

員に対する講習を修了したものであることが望ましいと考えられます。(生活指導員に対する

講習を修了している場合、優良な実習実施者の要件の加点要素とすることで、これを推奨す

るものです。詳しくは「優良な実習実施者に関するもの」(P88)参照。)。

(4) 入国後講習の施設確保に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

四 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第一号団体監理

型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、入国後講習を実施する施設を確

保していること。

○ 第 1 号企業単独型技能実習にあっては実習実施者が、第1号団体監理型技能実

習にあっては監理団体が入国後講習を実施する施設を確保しなければなりません。

○ 入国後講習を実施する施設は、入国後講習が座学で行われることに照らして、机と

椅子が整えられた学習に適した施設で行われなければなりません。

なお、この要件に関しては、実習実施者又は監理団体が施設を自己所有しているこ

とまでを求めるものではなく、例えば市や町の公民館を借りるなど、実習実施者又は監

理団体が他の者から賃借するなどの方法で施設を確保することでも差し支えありませ

ん。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

(5) 労災保険関係成立等の措置に関するもの

77

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

五 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に

係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、申請者の事業に関する労働者災害

補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険に係る保険関係の

成立の届出その他これに類する措置を講じていること。

○ 実習実施者又は監理団体は、事業に関する労働者災害補償保険に係る保険関係

の成立の届出をしなければなりません。

○ 「その他これに類する措置」については、労災保険制度において暫定任意適用事業

とされている農林水産の事業の一部を想定しているもので、この場合、労災保険の代

替措置として民間の任意保険に加入しなければなりません。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

【留意事項】

○ 労災保険の暫定任意適用事業

・ 労働者数5人未満の個人経営の農家であって、特定の危険又は有害な作業を主として行

う事業以外のもの

・ 労働者を常時は使用することなく、かつ、年間使用延労働者数が300人未満の個人経営

の林業

・ 労働者数5人未満の個人経営の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事

業等)の事業

○ 入国後講習期間中の保険の加入

団体監理型技能実習においては、一般的に入国後講習期間中は実習実施者との雇用関

係が成立していないため、入国後講習期間中の保険の加入について義務付けていません。

(6) 帰国旅費の負担に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

六 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に

78

係るものである場合にあっては監理団体が、技能実習の終了後の帰国(第二号技能実習の

終了後に行う第三号技能実習の開始前の一時帰国を含む。)に要する旅費(第三号技能実

習に係るものであって、第二号技能実習生が第二号技能実習を行っている間に申請がされ

た場合にあっては、第三号技能実習の開始前の本邦への渡航に要する旅費及び第三号技

能実習の終了後の帰国に要する旅費)を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円

滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること。

○ 企業単独型実習実施者又は監理団体は、技能実習生の帰国旅費を負担するととも

に、技能実習の終了後の帰国が円滑にされるよう必要な措置を講じなければなりませ

ん。

○ 技能等を移転するという技能実習制度の趣旨に鑑みて、技能実習生の帰国に支障

を来さないようにするために、企業単独型実習実施者又は監理団体が帰国旅費の全

額を負担することとしているものです。

○ また、第3号技能実習開始時の渡航旅費については、第2号技能実習を行っている

間に第3号技能実習に係る技能実習計画の認定申請を行った場合には、第3号技能

実習を行わせる企業単独型実習実施者又は監理団体が負担することとなります。こ

れは、第3号技能実習開始前の一旦帰国を確実なものとするため、一旦帰国する際

の旅費の負担を企業単独型実習実施者又は監理団体に求めているものです。

※ 第2号技能実習と第3号技能実習の実習実施者が異なる場合、第2号技能実習

終了後の一旦帰国時の帰国旅費については第2号技能実習を行わせた企業単独

型実習実施者又は監理団体が、第3号技能実習開始前の日本への渡航旅費につ

いては第3号技能実習を行わせる企業単独型実習実施者又は監理団体が、それ

ぞれ負担することとなります。

※ ただし、例えば5年前に第2号技能実習を終えて帰国した者が、改めて第3号技

能実習を行いたいとする場合にまで、その渡航旅費の負担を企業単独型実習実施

者又は監理団体に求めるとした場合、日本への渡航旅費の負担を特段規定してい

ない第1号技能実習の場合と比較しても合理的とはいえないため、第2号技能実習

を行っている間に第3号技能実習に係る技能実習計画の認定申請を行った場合に

のみ、一旦帰国後の日本への渡航旅費について、企業単独型実習実施者又は監

理団体の負担としています。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

【留意事項】

○ 帰国事由が技能実習生の自己都合による場合について

79

企業単独型実習実施者又は監理団体が負担すべき帰国旅費については、帰国事由を限

定していません。帰国事由が技能実習生の自己都合による場合であっても、帰国旅費の負

担が企業単独型実習実施者又は監理団体によってされていない場合には、本号に適合しな

いこととなります。

これは、技能実習生と企業単独型実習実施者又は監理団体との間で「自己都合」に関し

て解釈に争いが生じ、結果として、技能実習生の帰国に支障を来すことを防ぐためです。

(7) 外国の送出機関からの取次ぎに関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

七 団体監理型技能実習において、監理団体が団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受

ける場合にあっては、外国の送出機関からの取次ぎであること。

○ 団体監理型技能実習においては、監理団体が取次ぎを受ける場合には、外国の送

出機関からでなければなりません。これは、技能実習生の保護の観点から、一定の基

準を満たした外国の送出機関からのみ取次ぎを認めるものです。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第 1 号)

【留意事項】

○ 既に本邦に在留している技能実習生の取次送出機関について

取次送出機関が、団体監理型技能実習に係る求職の申込みを本邦の監理団体に取り次

ぐのは、原則として、技能実習生になろうとする者が外国にいる場合に限定されます。したが

って、既に本邦に在留している技能実習生については、一般的に、入国時の第1号技能実習

計画の認定申請書において記載されている機関が、取次送出機関となります。

しかしながら、取次送出機関は、技能実習生が本邦での技能実習を行っている間も、実習

実施者又は監理団体と連携して、本国の必要な情報を提供するなど一定の役割を果たす場

合があるほか、帰国した技能実習生に対する就職先のあっせんその他の必要な支援を行う

ことが求められていることから(規則第25条第4号)、入国後に取次送出機関を変更した場

合には、新たな取次送出機関として届出等を行うことが必要となります。

(8) 人権侵害行為、偽変造文書等の行使等に関するもの

【関係の省令の規定】

80

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

八 申請者又はその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をい

い、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行

する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認めら

れる者を含む。次号において同じ。)若しくは職員が、過去五年以内に技能実習生の人権を

著しく侵害する行為を行っていないこと。

九 申請者又はその役員若しくは職員が、過去五年以内に、不正に法第八条第一項若しくは第

十一条第一項の認定を受ける目的、監理事業を行おうとする者に不正に法第二十三条第一

項若しくは第三十二条第一項の許可若しくは法第三十一条第二項の更新を受けさせる目

的、出入国若しくは労働に関する法令の規定に違反する事実を隠蔽する目的又はその事業

活動に関し外国人に不正に入管法第三章第一節若しくは第二節の規定による証明書の交

付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第四節の規定による上陸の許可若しくは入管法第四

章第一節若しくは第二節若しくは第五章第三節の規定による許可を受けさせる目的で、偽造

若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行

為を行っていないこと。

○ 技能実習計画の認定を受けるためには、過去5年以内に技能実習生の人権を著しく

侵害する行為を行っていないこと、申請者等が不正な目的で偽変造文書等の行使等

を行っていないことが必要です。

○ 「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」の代表的な例としては、技能実習生から

人権侵害を受けた旨の申告があり人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められ

た場合や、実習実施者が技能実習生の意に反して預金通帳を取り上げていた場合な

どが考えられます。

○ 「不正な目的での偽変造文書等の行使等」の代表的な例としては、機構が実習実施

者に対し、実地検査をした際、技能実習生に対する賃金の不払事実を隠蔽するため

に、二重に作成した虚偽の賃金台帳を提示したような場合などが考えられます。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

(9) 法令違反時の報告、二重契約の禁止に関するもの

【関係の省令の規定】

81

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

十 法第十六条第一項各号のいずれかに該当するに至ったときは、直ちに、企業単独型実習

実施者にあっては機構に、団体監理型実習実施者にあっては監理団体に、当該事実を報告

することとされていること。

十一 申請者又は監理団体において、技能実習生との間で、技能実習計画と反する内容の取

決めをしていないこと。

○ 実習認定の取消事由(法第16条第1項各号)に該当するに至った場合は、企業単

独型実習実施者は機構の地方事務所・支所の指導課に、団体監理型実習実施者は

監理団体に、当該事実を報告しなければなりません。団体監理型実習実施者から当

該報告を受けた監理団体は、監査を行うこと等により、その事実を確認しなければなり

ません。

企業単独型実習実施者による機構への報告は、報告書(参考様式第3-1号)によ

って行うこととなります。団体監理型実習実施者による監理団体への報告は、書面・口

頭を問わず、適宜の方式で報告することとして差し支えありません。

○ また、実習実施者又は監理団体は、技能実習計画と反する内容の取決めを技能実

習生との間で行ってはなりません。「技能実習計画と反する内容の取決め」の代表的

な例としては、技能実習生の雇用契約について、技能実習計画の認定申請の際に提

出した雇用契約書に記載された報酬より低い報酬を支払う旨の別の合意を行っていた

場合などが考えられます。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

(10) 監理団体の改善命令に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

十二 団体監理型技能実習に係るものであり、監理団体が法第三十六条第一項の規定による

改善命令を受けたことがある場合にあっては、当該監理団体が改善に必要な措置をとってい

ること。

82

○ 団体監理型技能実習の場合に、監理団体が改善命令を受けたことがある場合につ

いては、その改善命令を受けた点について当該監理団体が改善に必要な措置をとっ

ている必要があります。

(11) 技能実習を継続して行わせる体制に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

十三 技能実習生に対する指導体制その他の技能実習を継続して行わせる体制が適切に整

備されていること。

○ 技能実習を継続して行わせるに当たって、実習実施者は、一定程度の財務的基盤

を有することが必要です。この点については、実習実施者の事業年度末における欠損

金の有無、債務超過の有無等から総合的に勘案されることになります。

○ また、技能実習を継続して行わせる体制を整備する観点から、技能実習生の人数

及び作業内容に照らして、技能実習指導員の数が著しく少ない場合などには、その体

制を強化し適切なものとすることが求められます。

【確認対象の書類】

・ 直近の2事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書の写し

・ 資産の内容を証する書類(直近の2事業年度に係る法人税の確定申告書の写し、納税証明

書の写し等)

・ 中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を

有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書面

* 直近期末において債務超過がある場合

【留意事項】

○ 貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書の写しについて

納税地の所轄税務署長に提出したもの(損益計算書又は収支計算書については、可能な

限り事業区分(セグメント)単位で売上額が確認できるもの)であることが求められます。なお、

直近の事業年度における決算は終了しているものの、総会の承認を得ていないため納税地

の所轄税務署長に提出していない場合は、当該決算に係る貸借対照表及び損益計算書又

は収支計算書を確実に納税地の所轄税務署長に提出することが確認できる場合に限り、当

該貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書の写しで差し支えありません。

なお、法人設立直後であるなどの理由により、直近の2事業年度に係る書類が存在しない

83

場合には、存在するものを提出することが求められます。

○ 法人税の確定申告書の写し、納税証明書の写しについて

法人税の確定申告書の写しについては、納税地の所轄税務署長に法人税の確定申告書

が提出され、納税地の所轄税務署長の受付印のあるもの(電子申請の場合は、納税地の所

轄税務署に受け付けられた旨が確認できるもの)であることが求められます。納税証明書の

写しについては、国税通則法施行令第41条第1項第3号ロに係る同法施行規則別紙第8号

様式(その2)による法人の事業年度における所得金額に関するものであることが求められま

す。

なお、法人設立直後であるなどの理由により、直近の2事業年度に係る書類が存在しない

場合には、存在するものを提出することが求められます。

○ 設立後最初の決算期を終了していない法人の申請に係る場合

会社法第435条第1項に規定する会社設立時の貸借対照表、一般社団法人及び一般

財団法人に関する法律第123条第1項(同法第199条において準用する場合を含む。)に

規定する法人成立時の貸借対照表等を提出することが求められます。

(12) 特定の職種・作業に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

十四 前各号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及

び作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣

及び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基

準に適合すること。

○ 技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種分野

について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適正化

を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特

有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

○ 技能実習を行わせる体制の基準に関して、今後この告示が定められた場合には、事

業所管省庁、法務省、厚生労働省及び機構のHP等により周知していきます。

第8 技能実習を行わせる事業所の設備に関するもの

84

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

六 技能実習を行わせる体制及び事業所の設備が主務省令で定める基準に適合していること。

(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)

規則第12条

2 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める基

準のうち技能実習を行わせる事業所の設備に係るものは、次のとおりとする。

一 技能等の修得等に必要な機械、器具その他の設備を備えていること。

二 前号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作

業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及び

厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に

適合すること。

○ 技能実習生が技能等を適正に修得等をするためには、事業所の設備が整っている

ことが欠かせません。「必要な機械、器具その他の設備」については、技能実習生に行

わせる業務により異なるものですが、移行対象職種・作業として実習を行う場合には、

その移行対象職種・作業の技能実習計画の審査基準、技能実習計画のモデル例等

を参照し、記載のある機械、器具等を用いて技能等の修得等を行わせることが推奨さ

れます。

○ また、技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種

分野について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適

正化を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業

に特有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

○ 技能実習を行わせる事業所の設備の基準に関して、今後この告示が定められた場

合には、事業所管省庁、法務省、厚生労働省及び機構のHP等により周知していきま

す。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

第9 監理団体による実習監理に関するもの

【関係規定】

85

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

八 団体監理型技能実習に係るものである場合は、申請者が、技能実習計画の作成について

指導を受けた監理団体(その技能実習計画が第三号団体監理型技能実習に係るものである

場合は、監理許可(第二十三条第一項第一号に規定する一般監理事業に係るものに限る。)

を受けた者に限る。)による実習監理を受けること。

○ 団体監理型技能実習の場合、実習実施者は、技能実習計画の作成について指導

を受けた監理団体による実習監理を受けなければなりません。

○ 実習認定を受けて技能実習を開始した後に、監理団体が許可の取消しを受けるなど

の事情により、実習監理を受ける監理団体に変更が生じ得る場合は、本基準に従って、

新たな監理団体による技能実習計画の作成の指導が必要となることから、実習実施

者は、新たな監理団体による指導の下で技能実習計画を作成した上、技能実習計画

の変更認定(法第11条第1項)を受けなければなりません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

第10 技能実習生の待遇に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

九 技能実習生に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること

その他技能実習生の待遇が主務省令で定める基準に適合していること。

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

一~五 (後述)

(1) 技能実習生に対する報酬の額に関するもの

86

【関係の法律の規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

九 技能実習生に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること

その他技能実習生の待遇が主務省令で定める基準に適合していること。

○ 技能実習生に対する報酬の額については、技能実習生であるという理由で不当に低

くなるということがあってはなりません。同程度の技能等を有する日本人労働者がいる

場合には、技能実習生の任される職務内容や技能実習生の職務に対する責任の程

度が当該日本人労働者と同等であることを説明した上で、当該日本人労働者に対す

る報酬の額と同等以上であることを説明する必要があります。

○ 同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合については、技能実習生に対

する報酬の額が日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であるということについて、

賃金規程がある場合には同規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から、賃金

規程がない場合には、例えば、技能実習生の任される職務内容や技能実習生の職務

に対する責任の程度が最も近い職務を担う日本人労働者と比べてどのように異なるか

という観点から、説明を行うこととなります。

○ なお、技能検定等の受検料や監理団体に支払う監理費等の費用がかかるからとい

って、技能実習生の報酬の額を低くすることは許されません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 雇用条件書(参考様式第 1-15 号)

・ 技能実習生の報酬に関する説明書(参考様式第 1-16 号)

【留意事項】

○ 技能実習生を継続して受け入れる場合について

第2号技能実習及び第3号技能実習の賃金が前段階の技能実習よりも上回るなど技能等

の習熟度に応じた賃金の格付けを行う等、技能実習生が技能等の修得等をしようとする意欲

の向上に資するようにすることが必要です。

【用語の解説】

○ 報酬

「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、一般的に通勤手当、扶養

手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)は含まれま

せん。

87

(2) 宿泊施設の確保に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

一 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に

係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、技能実習生のための適切な宿泊施

設を確保していること。

○ 実習実施者又は監理団体は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなけ

ればなりません。また、適切な宿泊施設として、下記の事項が確認できることが必要で

す。

① 宿泊施設を確保する場所は、爆発物、可燃性ガス等の火災による危険の大きい

物を取扱い・貯蔵する場所の付近、高熱・ガス・蒸気・粉じんの発散等衛生上有害

な作業場の付近、騒音・振動の著しい場所、雪崩・土砂崩壊のおそれのある場所、

湿潤な場所、出水時浸水のおそれのある場所、伝染病患者収容所建物及び病原

体によって汚染のおそれの著しいものを取り扱う場所の付近を避ける措置を講じて

いること

② 2階以上の寝室に寄宿する建物には、容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を

2箇所以上(収容人数 15 人未満は1箇所)設ける措置を講じていること

③ 適当かつ十分な消火設備を設置する措置を講じていること

④ 寝室については、床の間・押入を除き、1人当たり4.5m2 以上を確保することとし、

個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及

び採暖の設備を設ける措置を講じていること

⑤ 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置

を講じていること

⑥ 食堂又は炊事場を設ける場合は、照明・換気を十分に行い、食器・炊事用器具を

清潔に保管し、ハエその他の昆虫・ネズミ等の害を防ぐための措置を講じていること

⑦ 他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場のない場合には、当該施設を設ける

こととし、施設内を清潔にする措置を講じていること

⑧ 宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の附属寄宿舎」に該当する場

合は、同章で定められた寄宿舎規則の届出等を行っており、又は速やかに行うこと

としていること

88

○ なお、監理団体等が確保した宿泊施設とは別の物件を技能実習生が宿泊施設とし

て希望した場合(例えば近隣の賃貸物件を希望した場合)には、技能実習生の自己負

担により、上記の基準を満たす宿泊施設に宿泊施設を変更することは差し支えありま

せんが、その場合には技能実習計画の変更の届出が必要となります。

○ 宿泊施設については、施行規則第14条第1号において「適切な宿泊施設を確保し

ていること」と規定されているため、原則として、技能実習計画認定申請時に、契約に

より確保されている必要がありますが、それが困難である特段の事情がある場合には、

確保予定の個別具体的な宿泊施設について、その概要が明らかになる資料(見取り

図、写真等)を示しつつ、申請して差し支えありません(なお、技能実習計画の認定後、

当該宿泊施設とは別の宿泊施設に変更することとなった場合には、計画の変更届出

を行っていただく必要があります。)。

89

【確認対象の書類】

・ 宿泊施設の適正についての確認書(参考様式第 1-17 号)

・ 技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書(参考様式第 1-19 号)

【留意事項】

○ 「事業の附属寄宿舎」の適合性について

労働基準法第10章に規定する「事業の附属寄宿舎」の適合性について疑義がある場合

には、管轄する労働基準監督署に相談をしてください。なお、原則として、以下の条件を満た

せば労働基準法上の事業場附属寄宿舎に該当することとなります。

・ 常態的に相当人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態を備えていること。

・ 独立又は区画された施設であること(事業主の母屋に同居する場合は寄宿舎に該当しな

い)。

・ 事業経営の必要上その一部として設けられているような事業との関連をもっていること

(労務管理上共同生活の必要性の有無、事業場所内又はその付近にあるか。社宅・アパ

ートは非該当。)。

○ 旧制度から技能実習生を受け入れて使用している宿泊施設について

寝室について、床の間・押入を除き、1 人当たり4.5㎡以上を確保していない場合には、

適切な宿泊施設を確保しているとは、原則、認められないこととなります。しかしながら、旧制

度から技能実習生を受け入れて使用している宿泊施設については、寝室以外に私有可能な

スペースを別途設けている等の取組により、実質的に1人当たり4.5㎡以上の私有スペース

が確保されていると認められる場合には、当該宿泊施設を使用している間は、適切な宿泊施

設を確保していると認められる余地があります。

個別具体的には、機構の地方事務所・支所の認定課に事前に御相談いただいた上で、宿

泊施設の適正についての確認書(参考様式第1-17 号)の特記事項に上記の取組等を記載

し、必要に応じて疎明資料を添付していただいた上で申請していただくことが必要です。

○ 2階以上の寝室に寄宿する建物について

容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を2箇所以上(収容人数15人未満は1箇所)設け

る措置を講じなければなりませんが、すべり台、避難はしご、避難用タラップ等の同様の代替

措置により技能実習生の安全を確保できる措置を講じている場合には、宿泊施設の適正に

ついての確認書(参考様式第1-17号)の特記事項に当該代替措置等を記載し、必要に応じ

て疎明資料を添付していただいた上で申請していただくことが必要です。

(3) 入国後講習への専念措置に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

90

二 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第一号団体監理

型技能実習に係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、手当の支給その他の

方法により、第一号技能実習生が入国後講習に専念するための措置を講じていること。

○ 実習実施者又は監理団体は、第1号技能実習生が入国後講習を受講する期間に

おいて、講習に専念できるよう期間中の技能実習生の待遇を確保することが求められ

ます。

○ 具体的には、入国後講習期間中に技能実習生の自己負担が発生する一方で手当

が支給されない場合等には、入国後講習に専念することができないことが想定される

ため、食費、居住費等に自己負担がある場合に、これと同等以上の額の講習手当が

支払われることが必要となります。

【確認対象の書類】

・ 技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書(参考様式第 1-19 号)

(4) 監理費の負担禁止に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

三 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、法第二十八条第二項の規定により

監理費として徴収される費用について、直接又は間接に団体監理型技能実習生に負担させ

ないこととしていること。

○ 監理費として徴収される費用については、直接的にも、間接的にも、技能実習生に

負担させてはなりません。

【確認対象の書類】

・ 申請者の誓約書(参考様式第 1-2号)

【留意事項】

○ 食事・宿泊施設の提供や、日用品の支給を行う場合などの実費について

これらの費用については、監理費に含まれるものではないことから、当該費用を技能実習

生から徴収することは差し支えありません。

【用語の解説】

○ 監理費

法第28条第2項の規定に基づき、監理団体が、監理事業に通常必要となる経費等を勘

91

案して規則第37条で定める以下の種類について、適正な種類及び額の監理費を団体監理

型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収するものをいう。

① 職業紹介費

② 講習費

③ 監査指導費

④ その他諸経費

(5) 技能実習生が定期に負担する費用に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

四 食費、居住費その他名目のいかんを問わず技能実習生が定期に負担する費用について、

当該技能実習生が、当該費用の対価として供与される食事、宿泊施設その他の利益の内容

を十分に理解した上で申請者との間で合意しており、かつ、当該費用の額が実費に相当する

額その他の適正な額であること。

○ 食費、居住費、水道・光熱費など技能実習生が定期に負担する費用については、技

能実習生との間で合意がされている必要があります。旧制度において、技能実習生が

不当に高額な費用を請求される事例も指摘されていましたが、新制度では、その費用

が実費に相当する等適正な額でなければならないことを法令上明確化したものです。

○ 食費については、提供される食事、食材等の提供内容に応じて、以下のとおり、合理

的な費用でなければなりません。

・ 食材、宅配弁当等の現物支給の場合 : 購入に要した額以内の額

・ 社員食堂での食事提供の場合 : 従業員一般に提供する場合に技能実習生以

外の従業員から徴収する額以内の額

・ 食事の調理・提供の場合 : 材料費、水道・光熱費、人件費等の費用の提供を受

ける者(技能実習生のみに限られない。)の人数で除した額以内の額

○ 居住費については、自己所有物件の場合、借上物件の場合に応じて、以下のとおり

でなければなりません。

・ 自己所有物件の場合

実際に建設・改築等に要した費用、物件の耐用年数、入居する技能実習生の人

数等を勘案して算出した合理的な額

92

・ 借上物件の場合

借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料

等は含まない。)を入居する技能実習生の人数で除した額以内の額

○ 水道・光熱費については、実際に要した費用を当該宿泊施設で技能実習生と同居し

ている者(実習実施者やその家族を含む)の人数で除した額以内の額でなければなり

ません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 雇用条件書(参考様式第 1-15 号)

・ 徴収費用の説明書(参考様式 1-18 号)

【留意事項】

○ 徴収する居住費の金額について

・ 徴収する居住費が高額である場合には、技能実習生が生活する上で支障を来すことも考

えられるため、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護の観点から、徴収する金額

は、実費に相当する等適正な額でなければなりません。

・ その費用額が高額である場合には、実費に相当する等適正な額であることについて疑義

が生じることから、場合によっては追加的な立証をしていただくこととなります。

(6) 特定の職種・作業に関するもの

【関係の省令の規定】

(技能実習生の待遇の基準)

規則第14条 法第九条第九号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次のとおりとする。

五 前各号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び

作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及

び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基準

に適合すること。

○ 技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種分野

について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適正化

を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特

有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

○ 技能実習生の待遇に関する基準に関して、今後この告示が定められた場合には、事

93

業所管省庁、法務省、厚生労働省及び機構のHP等により周知していきます。

第11 優良な実習実施者に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

十 第三号企業単独型技能実習又は第三号団体監理型技能実習に係るものである場合は、

申請者が技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める

基準に適合していること。

(第三号技能実習に係る基準)

規則第15条 法第九条第十号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令

で定める基準は、次に掲げる事項を総合的に評価して、技能等の修得等をさせる能力につき高

い水準を満たすと認められるものであることとする。

一 技能等の修得等に係る実績

二 技能実習を行わせる体制

三 技能実習生の待遇

四 出入国又は労働に関する法令への違反、技能実習生の行方不明者の発生その他の問題

の発生状況

五 技能実習生からの相談に応じることその他の技能実習生に対する保護及び支援の体制及

び実施状況

六 技能実習生と地域社会との共生に向けた取組の状況

○ 優良な実習実施者の基準については、規則第15条において、同条第1号から第6

号までに掲げる事項を総合的に評価して、技能等の修得等をさせる能力につき高い水

準を満たすと認められるものであることとするとされています。

○ その運用に当たっては、下記の表で6割以上の点数(120点満点で72点以上)を獲

得した場合に、「優良」であると判断することとされています。

○ ただし、下記②のⅠ及びⅡ(斜体字部分)については、講習の整備から 1 年後におい

て評価項目としてカウントするものとします。そのため、当面はこれを除く項目で6割以

上の点数(110点満点で66点以上)を獲得した場合に、「優良」であると判断すること

となります。

94

項目 配点

①技能等の

修得等に係

る実績

【最大70点】

Ⅰ 過去3年間の基礎級程度の技能検定等の学科試験及

び実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を

含む。)

・95%以上:20 点

・80%以上 95%未満

:10 点

・75%以上 80%未満

:0 点

・75%未満:-20 点

Ⅱ 過去3年間の2・3級程度の技能検定等の実技試験の

合格率

<計算方法>

分母:新制度の技能実習生の 2 号・3 号修了者数

-うちやむを得ない不受検者数

+旧制度の技能実習生の受検者数

分子:(3 級合格者数+2 級合格者数×1.5)×1.2

* 旧制度の技能実習生の受検実績について、施行日以

後の受検実績は必ず算入。施行日前については、施行

前の基準日以前の受検実績は算入しないこととすること

も可。

* 施行後 3年間については、Ⅱに代えて、Ⅱ-2(1)及び

(2)で評価することも可能とする。

・80%以上:40 点

・70%以上 80%未満

:30 点

・60%以上 70%未満

:20 点

・50%以上 60%未満

:0 点

・50%未満:-40 点

Ⅱ―2(1) 直近過去3年間の3級程度の技能検定等の実技

試験の合格実績

・合格者 3 人以上:35 点

・合格者 2 人:25 点

・合格者 1 人:15 点

・合格者なし:-35 点

Ⅱ-2(2) 直近過去3年間の2級程度の技能検定等の実技

試験の合格実績

・合格者 2 人以上:5 点

・合格者 1 人:3 点

Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試

験の合格実績

* 2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価

・合格者 2 人以上:5 点

・合格者 1 人:3 点

Ⅳ 技能検定等の実施への協力

* 技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技

試験の問題の作成、採点、実施要領の作成や検定試

験会場での指導監督などを職務として行う者)又は技能

実習評価試験において技能検定委員に相当する者を

社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施

・有:5 点

95

に必要とされる機材・設備等の貸与等を行っている場合

を想定

②技能実習

を行わせる

体制

【最大 10 点】

* 平成 31 年 4 月 1 日から配点に含める

Ⅰ 直近過去3年以内の技能実習指導員の「技能実習指導

員講習」受講歴

・全員有 : 5点

Ⅱ 直近過去3年以内の生活指導員の「生活指導員講習」

受講歴

・全員有 : 5点

③技能実習

生の待遇

【最大 10 点】

Ⅰ 第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低のものと

最低賃金の比較

・115%以上 : 5点

・105%以上 115%未満

: 3点

Ⅱ 技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給

・5%以上 : 5点

・3%以上5%未満

: 3点

④ 法 令 違

反・問題 の

発生状況

【最大 5 点】

Ⅰ 直近過去3年以内に改善命令を受けたことがあること

(旧制度の改善命令相当の行政指導を含む。)

・改善未実施 :-50 点

・改善実施 : -30 点

Ⅱ 直近過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合

が低いこと(旧制度を含む。)

・ゼロ : 5点

・10%未満又は1人以下

: 0 点

・20%未満又は2人以下

:-5点

・20%以上又は3人以上

:-10 点

Ⅲ 直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること(旧

制度を含む。)

・該当 : -50 点

⑤相談・支

援体制

【最大 15 点】

Ⅰ 母国語相談・支援の実施方法・手順を定めたマニュアル

等を策定し、関係職員に周知していること

・有 : 5点

Ⅱ 受け入れた技能実習生について、全ての母国語で相談

できる相談員を確保していること(旧制度を含む。)

・有 : 5点

Ⅲ 直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった

技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるため

に当該技能実習生の受入れを行ったこと(旧制度下にお

ける受入れを含む。)

・有 : 5点

96

⑥地域社会

との共生

【最大 10 点】

Ⅰ 受け入れた技能実習生に対し、日本語の学習の支援を

行っていること

・有 : 4点

Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること ・有 : 3点

Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること ・有 : 3点

(1) 技能等の修得等に係る実績に関するもの

○ 「過去3年間の基礎級程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率(旧制

度の基礎2級程度の合格率を含む。)」については、以下のとおり計算します。

① 次の分子分母によります。

・ 分子 : 合格者数

・ 分母 : 第1号技能実習修了者数(旧制度を含む)-やむを得ない不受検者数

② 過去3年間の合格率は、直近3技能実習事業年度における合格率を指します。直

近3技能実習事業年度の実績の総計でみるため、受検実績がない技能実習事業

年度があっても差し支えありません。

③ 修了者数は、当該技能実習事業年度中に第1号技能実習を修了した者を指しま

す。

④ やむを得ない不受検者とは、本来対象となるものの、実習実施者の責めによらない

理由での失踪や技能実習生の事情による途中帰国などにより、不受検となった者を

いい、不受検となった原因が実習実施者の責任とはいえないものを指します。

○ 「過去3年間の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率」については、以下の

とおり計算します。

① 次の分子分母によります。

・ 分子 : (3級合格者数+2級合格者数×1.5) ×1.2

・ 分母 : 第2号技能実習修了者数 + 第3号技能実習修了者数

- やむを得ない不受検者数 + 旧制度の技能実習を修了した技能実

習生のうちの受検者数

② 過去3年間の合格率は、直近3技能実習事業年度における合格率を指します。直

近3技能実習事業年度の実績の総計でみるため、合格実績がない技能実習事業

年度があっても差し支えありません。

③ 「×1.5」は、日本人受検者の3級合格率と2級合格率の差を踏まえて設定する調

整指数であり、「×1.2」は、3級における日本人受検者の合格率と外国人受検者の

合格率の差を踏まえて設定する調整指数です。

97

④ 修了者数は、当該技能実習事業年度中に第2号技能実習又は第3号技能実習を

修了した者を指します。

⑤ やむを得ない不受検者とは、本来対象となるものの、実習実施者の責めによらない

理由での失踪や技能実習生の事情による途中帰国などにより、不受検となった者を

いい、不受検となった原因が実習実施者の責任とはいえないものを指します。

⑥ 旧制度の技能実習生については、3級程度の技能検定等の実技試験の受検が義

務ではなかったことから、修了者のうち、受検した者を分母に加える仕組みとしてい

ます。

⑦ 施行日前の基準日(平成29年7月1日)前の受検実績は、算入しないことが可能

です。旧制度の技能実習生について受検は義務ではありませんが、基準日以後に

受検した実績がある場合には、必ず受検者数として算入することとなります。

なお、算入する年度は修了した年度となりますが、修了後に受検した場合につい

ては、受検した年度となります。

○ 「過去3年間の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率」については、施行日

(平成29年11月1日)以後3年間は、経過措置として、「直近過去3年間の3級程度

の技能検定等の実技試験の合格実績」等(Ⅱ―2(1)及び(2))で評価をすることも可

能としています。以下について留意することが必要です。

① 直近過去3年間の合格実績とは、申請時を起点として遡った3年間における合格

実績を指します。直近3技能実習事業年度の合格実績ではありません。

② 2級、3級のいずれの合格実績も、技能実習生(旧制度の技能実習生を含む。)が

受検して合格したものでなければなりません。

○ 「直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績」については、

2級、3級で分けず合格人数を合計したものについて、以下のとおり計算します。

① 直近過去3年間の合格実績とは、申請時を起点として遡った3年間における合格

実績を指します。直近3技能実習事業年度の合格実績ではありません。

② 合格実績は、技能実習生(旧制度の技能実習生を含む。)が受検して合格したも

のでなければなりません。

○ 「技能検定等の実施への協力」については、例えば、以下のものが該当します(いず

れも申請時を起点として遡った1年間における実績を求めるものです。)。

① 技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技試験の問題の作成、採点、

実施要領の作成や検定試験会場での指導監督などを職務として行う者)を社員等

(退職した OB・OG も含む。)の中から輩出している場合

② 技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出し

98

ている場合

③ 技能検定等の実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の貸与等を行い、技

能検定等の実施への協力している場合

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

・ 優良要件適合申告書・別紙2(参考様式第 1-24 号別紙2)

・ 優良要件適合申告書・別紙3(参考様式第 1-24 号別紙3)

* やむを得ない不受検者がある場合

【留意事項】

○ 技能実習生が一度技能検定等を不合格となった場合について

技能実習生が一度技能検定等を不合格となり、再度同一の技能検定等を受検する場合

などについては、1人の技能実習生が複数回受検することとなりますが、このように複数回受

検した場合については、最終的な合否を合格率の計算において算入することとなります。

○ 既に帰国済みの第2号技能実習生の第3号技能実習生への移行に係る受検等について

既に旧制度下で技能実習を終えて母国に帰国済みの技能実習生であっても、前段階の

技能実習の目標を達成した上で、他の要件を全て満たせば、次の段階の技能実習を行うた

めの再度の来日が可能です(例えば、旧制度の第2号技能実習を終えて帰国済みの技能実

習生が、他の要件を全て満たした上で3級の技能検定等の実技試験に合格すれば、第3号

技能実習生としての来日が可能です。一方で、第1号技能実習生から第2号技能実習生へ

の移行に当たり、都道府県が行う技能検定については、再度来日しての受検はできませ

ん。)。

このような既に旧制度下で技能実習を終えて母国に帰国済みの技能実習生が所定の技

能検定等に合格するために、短期滞在等の在留資格により来日して受検をすることが想定さ

れますが、このような場合も、前段階の技能実習の修了時における実習実施者の合格率や

合格実績の計算において算入することとなります。

○ 優良な実習実施者として技能実習を行わせ続けることについて

「優良」であると一度判断された後も、優良な実習実施者として技能実習を行わせ続ける

ためには、上記の表で6割以上の点数を保ち続ける必要があります。そのためには、合格率

や合格実績を高い水準で保ち続けることが必要であることに留意が必要です。合格率が低下

し、他のポイントを合わせても6割未満の点数となってしまった場合には、優良な実習実施者

として技能実習計画の認定を受けることができなくなります。

○ 技能検定委員について

試験実施の公平性の観点から、技能検定委員については、受検者の所属する企業の者

は選任しないこととされています。なお、受検者の所属する企業を退職し、現に当該企業との

雇用関係を有しない者(退職した OB・OG)については、当該企業が受け入れている技能実習

生であっても技能検定委員を務めていただくことが可能です。

99

(2) 技能実習を行わせる体制に関するもの

○ 実習実施者については、技能実習責任者以外の職員に対しては、講習の受講は義

務付けられていないものの、技能実習指導員及び生活指導員についても、技能実習

の適正な実施及び技能実習生の保護の観点から、技能実習指導員については技能

実習指導員に対する講習(第8章の主務大臣が告示した養成講習機関が実施する講

習)、生活指導員については生活指導員に対する講習(第8章の主務大臣が告示した

養成講習機関が実施する講習)の受講は効果的であることから、当該講習を受講した

場合に優良な実習実施者の要件の加点要素とすることで、これを推奨するものです。

○ なお、当該項目については、平成 31 年 4 月 1 日から配点を計算に含め評価を行う

こととなります。

また、「直近過去3年以内」とは、申請時を起点として遡った3年間における講習の

受講実績を指します。直近3技能実習事業年度の受講実績ではありません。

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

・ 優良要件適合申告書・別紙1(参考様式第 1-24 号別紙1)

* 技能実習指導員又は生活指導員に講習受講者があり、加点要素として申告する場合

・ 講習受講者全員の受講証明書の写し

* 技能実習指導員又は生活指導員に講習受講者があり、加点要素として申告する場合

(3) 技能実習生の待遇に関するもの

○ 「第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低のものと最低賃金の比較」について

は、技能実習生の賃金水準を優良な実習実施者の要件の加点要素とすることで、技

能実習生の待遇に関し積極的な配慮を行う実習実施者となることを推奨するものです。

以下について留意することが必要です。

① 最低賃金との比較になりますので、日給や月給で給与が支払われている技能実習

生については、時間当たりの賃金を算出して比較することになります。

② 地域別最低賃金との比較が原則となりますが、特定最低賃金が適用される場合に

は、特定最低賃金と比較することとなります。

③ 比較を行う時点は、原則として、申請が行われた技能実習事業年度の年頭(4月1

日)とし、当該時点の最低賃金と、当該月の第1号技能実習生の賃金(基本給)のう

ちその額が最も低いものと比較することとなります。当該時点では第1号技能実習生

を受け入れていない等の場合には、当該技能実習事業年度内で適切に比較が可

100

能な時期で比較することとなります。

○ 「技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給率」については、「第二号

技能実習及び第三号技能実習の賃金が前段階の技能実習よりも上回るなど技能等

の習熟度に応じた賃金の格付けを行う等、技能実習生が技能等の修得等をしようとす

る意欲の向上に資するようにすることが必要」と規定する基本方針の趣旨を、実効ある

ものとするため、昇給率が高い場合に優良な実習実施者の要件の加点要素とすること

で、技能実習生の待遇に関し積極的な配慮を行う実習実施者となることを推奨するも

のです。以下について留意することが必要です。

① 直近の技能実習事業年度に申請者において第1号技能実習又は第2号技能実習

を修了した技能実習生のうち引き続き申請者が次の段階の技能実習を行わせた者

が対象となります。

② 対象の技能実習生の前段階の技能実習開始時点の報酬と、次段階の技能実習

開始時点の報酬とを比較し、昇給率を算出します。

③ 対象の技能実習生が複数いる場合の昇給率は複数の技能実習生の昇給率の平

均値とします。

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

(4) 法令違反・問題の発生状況に関するもの

○ 「直近過去3年以内に改善命令を受けたことがあること(旧制度の改善命令相当の

行政指導を含む。)」については、改善命令を受けたことのある者には、法令違反の実

績があることから大幅な減点を行うものです。以下について留意することが必要です。

① 「直近過去3年以内」とは、申請時を起点として遡った3年間を指します。直近3技

能実習事業年度ではありません。

② 旧制度の改善命令相当の行政指導とは、以下のものを指します。

・ 地方入国管理局からいわゆる「不正行為の通知」を受け、技能実習生の受入れを

一定期間認めない旨の指導を受けていたもの(この起算点は、不正行為を行った

時点ではなく、「不正行為の通知」を受け取った日です。)

・ 上記のほか、旧制度の実習実施機関としての活動に関し、地方入国管理局から

個別に「旧制度の改善命令相当の行政指導」に当たる旨の通知を受けたもの(こ

の起算点は、当該通知内に記載されます。)

○ 「直近過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと(旧制度を含

む。)」については、失踪がゼロ又は失踪の割合が低いことを優良な実習実施者の要件

101

の加点要素とすることにより、失踪防止に関し積極的な配慮を行う実習実施者となるこ

とを推奨するものです。以下について留意することが必要です。

① 「直近過去3年以内」とは、申請時を起点として遡った3年間を指します。直近3技

能実習事業年度ではありません。

② 次の分子分母によります。

・ 分子 : 直近過去3年以内の失踪者数

・ 分母 : 直近過去3年以内において新たに受入れを開始した技能実習生の総数

③ 「10%未満又は1人以下」、「20%未満又は2人以下」又は「20%以上又は3人以上」

の区分については、一律に失踪の割合だけで評価した場合には小規模な実習実施

者では少数の失踪者が発生しただけでも大きな減点となってしまうことに配慮して失

踪者数による評価を可能としたものです。失踪の割合よりも失踪者数により評価した

方が申請者に有利な場合には失踪者数により評価を行うこととなります。

○ 「直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること(旧制度を含む。)」については、

責めによるべき失踪を発生させたことのある者は、技能実習を適正に実施する能力が

乏しいと考えられることから、大幅な減点を行うものです。以下について留意することが

必要です。

① 「直近過去3年以内」とは、申請時を起点として遡った3年間を指します。直近3技

能実習事業年度ではありません。

② 責めによるべき失踪であるか否かは個別具体的な判断となりますが、例えば、技能

実習生に対する報酬を適切に支払わない、技能実習生に対して劣悪な環境下での

業務を強制する等の事情により失踪が発生したと考えられる場合には、帰責性があ

ると判断されることになります。

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

(5) 相談・支援体制に関するもの

○ 「母国語相談・支援の実施方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、関係職員に

周知していること」については、実習実施者において技能実習生から相談があった際に

速やかに機構や監理団体で実施している母国語相談の窓口を紹介したりできるよう、

その手順をあらかじめ定めて関係職員に周知しておくことを求めるものです。マニュア

ル等の内容は、その分量にかかわらず、技能実習生から相談を受けた際に適切に対

応できるよう母国語相談・支援の実施方法や手順が具体的に記載されたものである必

要があります。

102

○ 「受け入れた技能実習生について、全ての母国語で相談できる相談員を確保してい

ること(旧制度を含む。)」については、実習実施者においても技能実習生が母国語で

相談できる相談員を確保することが、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護

に資することとなるため、これを推奨するものです。以下について留意することが必要で

す。

① 相談員については、実習実施者自らが、母国語に対応できる常勤又は非常勤の職

員を確保している必要があります(派遣労働者として受け入れる場合も含みます。)。

メールや電話での相談の体制を委託により整備することでは認められません。

② 監理団体が相談員を確保していることは監理団体が許可を受けるための前提であ

ることから、監理団体として確保している相談員と重複する者を選任することでは認

められません。

○ 「直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技

能実習を行う機会を与えるために当該技能実習生の受入れを行ったこと(旧制度下に

おける受入れを含む。)」については、他の実習実施者の事業上・経営上の都合等や

むを得ない事情により技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実

習の機会を与えるため、技能実習計画の認定を受けて技能実習を行わせることは技

能実習生の保護にも資することから、これを推奨するものです。受け入れた技能実習

生が1名でもいれば、この要件に適合します。「直近過去3年以内」とは、申請時を起

点として遡った3年間を指します。

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

(6) 地域社会との共生に関するもの

○ 「受け入れた技能実習生に対し、日本語の教育の支援を行っていること」については、

例えば、以下の事由が該当します。単に日本語学校の紹介をすること、日本語のみの

時間を実習中に設定すること、職員との日常会話の機会を増やすことといった対応の

みでは、日本語の教育の支援を行っているとはいえません。

① 実習実施者自身が教材を用意し日本語講習を実施すること

② 外部講師を招いて日本語教育を実施すること

③ 日本語学校へ通学する際の金銭的支援をすること

○ 「地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること」については、例えば、以下の

事由が該当します。一般人向け(日本人向け)のイベントを単に周知するといった対応

のみでは、地域社会との交流を行う機会をアレンジしたとはいえません。

103

① 地域祭りを企画して技能実習生を参加させること

② ボランティア活動に技能実習生を参加(ゴミ拾い、老人ホーム訪問など)させること

③ 町内会に技能実習生を参加させること

④ 国際交流イベントを実施して技能実習生を参加させること

○ 「日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること」については、例えば、以下の事由が

該当します。技能実習生と日本食を単に食べに行く、一般人(日本人向け)向けのイベ

ントを単に周知するといった対応のみでは、日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていた

とはいえません。

① 季節ごとのイベントを実施(正月、花見、月見等)すること

② 文化講習を実施(実施者の施設内もしくは実施者の主導による茶道体験、折り紙、

着付け、和食作り等)すること

③ 外部の文化講習等を受講する際の金銭的支援をすること

④ 社会科見学(博物館・美術館・寺院等の見学)を実施すること

【確認対象の書類】

・ 優良要件適合申告書(参考様式第 1-24 号)

第12 技能実習生の人数枠に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

十一 申請者が技能実習の期間において同時に複数の技能実習生に技能実習を行わせる場

合は、その数が主務省令で定める数を超えないこと。

(技能実習生の数)

規則第16条 法第九条第十一号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省

令で定める数は、次の各号に掲げる技能実習の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

一 企業単独型技能実習(次号に規定するものを除く。) 第一号技能実習生について申請者

の常勤の職員(外国にある事業所に所属する常勤の職員及び技能実習生を除く。以下この

条において同じ。)の総数に二十分の一を乗じて得た数、第二号技能実習生について申請者

の常勤の職員の総数に十分の一を乗じて得た数

二 企業単独型技能実習(この号で定める数の企業単独型技能実習生を受け入れた場合にお

いても継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせることができる体制を有するものと

法務大臣及び厚生労働大臣が認めたものに限る。)又は団体監理型技能実習 第一号技能

実習生について次の表の上欄に掲げる申請者の常勤の職員の総数の区分に応じ同表の下

104

欄に定める数(その数が申請者の常勤の職員の総数を超えるときは、当該常勤の職員の総

数)、第二号技能実習生について同表の下欄に定める数に二を乗じて得た数(その数が申請

者の常勤の職員の総数に二を乗じて得た数を超えるときは、当該常勤の職員の総数に二を

乗じて得た数)

申請者の常勤の職員の総数 技能実習生の数

三百一人以上 申請者の常勤の職員の総数の二十分の一

二百一人以上三百人以下 十五人

百一人以上二百人以下 十人

五十一人以上百人以下 六人

四十一人以上五十人以下 五人

三十一人以上四十人以下 四人

三十人以下 三人

2 前項の規定にかかわらず、企業単独型技能実習にあっては申請者が前条の基準に適合する

者である場合、団体監理型技能実習にあっては申請者が同条の基準に適合する者であり、か

つ、監理団体が一般監理事業に係る監理許可(法第二条第十項に規定する監理許可をいう。

以下同じ。)を受けた者である場合には、法第九条第十一号(法第十一条第二項において準用

する場合を含む。)の主務省令で定める数は、次の各号に掲げる技能実習の区分に応じ、当該

各号に定めるとおりとする。

一 前項第一号に規定する企業単独型技能実習 第一号技能実習生について申請者の常勤

の職員の総数に十分の一を乗じて得た数、第二号技能実習生について申請者の常勤の職

員の総数に五分の一を乗じて得た数、第三号技能実習生について申請者の常勤の職員の

総数に十分の三を乗じて得た数

二 前項第二号に掲げる技能実習 同号の表の上欄に掲げる申請者の常勤の職員の総数の

区分に応じ、第一号技能実習生について同表の下欄に定める数に二を乗じて得た数(その数

が申請者の常勤の職員の総数を超えるときは、当該常勤の職員の総数)、第二号技能実習

生について同表の下欄に定める数に四を乗じて得た数(その数が申請者の常勤の職員の総

数に二を乗じて得た数を超えるときは、当該常勤の職員の総数に二を乗じて得た数)、第三

号技能実習生について同表の下欄に定める数に六を乗じて得た数(その数が申請者の常勤

の職員の総数に三を乗じて得た数を超えるときは、当該常勤の職員の総数に三を乗じて得た

数)

3 前二項の規定にかかわらず、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作

業に係る技能実習である場合には、法第九条第十一号(法第十一条第二項において準用する

場合を含む。)の主務省令で定める数は、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、

法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定

める数とする。

4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる技能実習生に当該各号に定める技能実習を

105

行わせようとし、又は行わせている場合であって当該技能実習生を受け入れ、又は受け入れて

いることにより前三項で定める数を超えるときは、法第九条第十一号(法第十一条第二項におい

て準用する場合を含む。)の主務省令で定める数は、前三項で定める数(第二項の規定により第

一項で定める数を超えて技能実習生を受け入れているときは、同項で定める数又は現に受け入

れている技能実習生の数のいずれか少ない数)に当該技能実習生の数を加えた数とする。

一 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第一号技能実習生であって申

請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第一号技能実習又は第二号技能実習

二 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第二号技能実習生であって申

請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第二号技能実習

三 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第三号技能実習生であって申

請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第三号技能実習

四 申請者が技能実習を行わせている第一号技能実習生であって第一号技能実習の開始後

に特別な事情が生じたにもかかわらず申請者の下で引き続き技能実習を行うことを希望する

もの 第二号技能実習

(1) 原則的な形態に関するもの

○ 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護の観点から、実習実施者が受け入

れる技能実習生の数については上限が定められています。その具体的な人数枠につ

いては、技能実習の区分等により次の表のとおりとなっています。

基本人数枠

申請者の常勤の職員の総数 技能実習生の数

301人以上 申請者の常勤の職員の総数の20分の1

201人以上300以下 15人

101人以上200人以下 10人

51人以上100以下 6人

41人以上50人以下 5人

31人以上40人以下 4人

30人以下 3人

企業単独型の人数枠

第1号

(1年間)

第2号

(2年間)

優良な実習実施者の場合

第1号(1年間) 第2号(2年間) 第3号(2年間)

A 基本人数

基本人数枠

の2倍

基本人数枠の

2倍

基本人数枠の

4倍

基本人数枠の

6倍

B 常 勤 職 員 総 常 勤 職 員 総 常勤職員総数 常勤職員総数 常勤職員総数

106

数の20分の1 数の10分の1 の10分の1 の5分の1 の10分の3

* A: 法務大臣及び厚生労働大臣が継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせる

ことができる体制を有すると認めるもの

B: A以外のもの

団体監理型の人数枠

第1号

(1年間)

第2号

(2年間)

優良な実習実施者・監理団体の場合

第1号(1年間) 第2号(2年間) 第3号(2年間)

基本人数枠 基本人数枠の

2倍

基本人数枠の

2倍

基本人数枠の

4倍

基本人数枠の

6倍

○ 法務大臣及び厚生労働大臣が継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせ

ることができる体制を有すると認めるもの(規則第16条第1項第2号)の適用を受けよ

うとする場合には、必要書類(理由書(参考様式第1-26号)及び規則第16条第1項

第2号の基準への適合性を立証する関係書類)を提出していただき、継続的かつ安定

的に企業単独型技能実習を行わせることができる体制を有することを立証していただく

必要があります。判断に悩む場合には、事前に機構の地方事務所・支所の認定課に

御相談ください。

なお、当該継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせることができる体制

を有するものとして認められる有効期間は、技能実習計画が認定された日から3年間

とし、当該期間が経過した場合には、再度その該当性について、必要書類を提出して

いただくこととなります。

○ 企業単独型技能実習の場合は実習実施者が、団体監理型技能実習の場合は実習

実施者と監理団体が、優良である場合には、第2項の規定の適用を受けることができ、

第1号又は第2号の技能実習生について、第1項の規定の適用を受けた通常の場合

と比べて人数枠が倍となります。

また、第3号の技能実習生の人数枠については、その設定を、第1号の2倍ではなく、

第1号の3倍までとし、他の実習実施者からの技能実習生の受入れを可能としていま

す。

○ また、企業単独型技能実習、団体監理型技能実習のいずれの場合も、下記の人数

を超えてはならないこととされています。

・ 第1号技能実習生 : 常勤の職員の総数

・ 第2号技能実習生 : 常勤の職員の総数の2倍

・ 第3号技能実習生 : 常勤の職員の総数の3倍

107

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 理由書(参考様式第1-26号)及び規則第16条第1項第2号の基準への適合性を立証する

関係書類

* 規則第16条第1項第2号の適用を受けようとする場合

・ 申請者の概要書(参考様式第1-1号)

・ 優良要件適合申告書(実習実施者)(参考様式第1-24号)

* 規則第16条第2項の適用を受けようとする場合

・ 技能実習生の名簿(参考様式第1-25号)

【留意事項】

○ 「常勤」の職員について

常勤の職員には、技能実習生を受け入れている実習実施者に継続的に雇用されている

職員(いわゆる正社員をいいますが、正社員と同様の就業時間で継続的に勤務している日給

月給者を含む。)が該当します。外国にある事業所に所属する常勤の職員及び技能実習生

は、常勤の職員に該当しません。これは、技能実習生は、技能等を修得等する立場にあるた

め、実習実施者の指導体制の目安として設けている受入れ人数枠の算出根拠となる常勤の

職員には含まないとするものです。

なお、法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等の代表者は、法人の

役員であり、職員として取り扱うことはできませんが、法人から労働の対価として報酬を受けて

いる場合であって、法人に使用される者(例:取締役部長)については、役員が職員も兼ねる

ものとして、職員として取り扱うことが可能です。

○ 常勤の職員の「総数」について

実習実施者の常勤の職員の総数については、本社、支社、事業所を含めた企業全体(法

人全体)の常勤の職員数を基に算出し、事業所ごとには算出しません。実習実施者が親会

社、子会社等の複数の法人で構成される場合は、当該法人全ての常勤の職員の総数、当

該法人全てに受け入れられている技能実習生の人数をそれぞれ合算して算出することにな

ります。

○ 建設業における常勤の職員の取扱い

建設工事は、多くの工程から構成される総合組立作業であるため、多くの関係者が重層的

な構造で関わっており、一つの事業所の正規職員以外の作業員も当該事業所の職員と同様

に同一の管理の下で作業に従事している実態があります。このような特殊性に鑑み、建設業

における常勤の職員については、次のとおり取り扱うことを可能としています。また、造船業に

おける常勤の職員についても、同様の取扱いを可能としています。

① 実習実施者甲(この項において「甲」という。)との請負契約により甲の工事の一部を請け

負った乙(下請企業等、この項において「乙」という。)に継続的に雇用される者丙(この項

において「丙」という。)が次のAからCまでのいずれにも該当する場合には、甲の常勤の職

108

員として取り扱うことが可能となる。この場合、丙を乙の常勤の職員としては取り扱わない。

A 甲と乙との間に、甲を注文者として乙を請負人とする請負契約が過去1年以上おおむ

ね継続的に締結されていること

B 甲が注文者である工事現場において、丙が乙の監督の下、甲に雇用されている者と共

に甲の業務にフルタイムでおおむね6か月以上継続して従事していること

C 丙の勤務形態が労働関係法令その他の法令に違反するものではないこと

② 請負契約に基づいて元請企業(注文者)の常勤職員として計上される下請企業から、別

途、同一の実習実施場所での技能実習計画の認定申請があった場合には、既に下請企

業の常勤の職員は元請企業の常勤の職員とみなされているため、下請企業の常勤職員と

して計上することはできない。

○ 農業等個人事業の場合の常勤職員の取扱い

農業における常勤の職員については、申請者である農家が個人事業主である場合にあっ

ては、確定申告をした前年分の収支内訳書(農業所得用)のうち「事業専従者の氏名等」欄

に氏名の記載があるかなどを確認するほか、当該専従者の就労状況について具体的な説明

を求めた上で、常勤の職員として認めることが適当か否か判断することとなります。なお、個

人事業主本人についても常勤の職員として認めることが適当か否か判断する対象となりま

す。

○ 異なる形態の技能実習を同時に行う場合の取扱い

異なる形態の技能実習を同時に行う場合は、現に技能実習計画の認定申請を行う受入

れ形態に従った基準を適用して受入れ人数枠が決まることになります。

例えば、常勤職員の総数が40人の優良な実習実施者において、既に特定監理事業の許

可を有する監理団体から実習監理を受けるとして団体監理型技能実習で第1号技能実習の

技能実習生を1人受け入れている場合、企業単独型技能実習による受入れの申請で優良

な実習実施者の基準に適合すれば、企業単独型技能実習における第1号技能実習の受入

れ人数枠は常勤職員総数の10分の1(4人)となるため、追加的に受入れ可能な第1号技

能実習生は3人です。ただし、その後、一般監理事業の許可を有する監理団体から実習監

理を受けるとして団体監理型技能実習による技能実習計画の認定申請があり、優良な実習

実施者の基準に適合すれば、団体監理型技能実習における第1号技能実習の受入れ人数

枠は基本人数枠の2倍(8人)となり、(これら4人に加えて)更に4人の第1号技能実習生の

受入れが可能となります。

(異なる形態の技能実習の例)

・ 企業単独型技能実習と団体監理型技能実習による受入れを同時に行う場合

・ 一般監理事業の許可を有する監理団体と特定監理事業の許可を有する監理団体の複

数の監理団体から技能実習生を受け入れる場合

○ 複数の法人が共同で技能実習を行う場合の取扱い

複数の法人が共同で技能実習を行う場合の人数枠については、共同で技能実習を行う

109

法人の常勤職員数を合算した上で、その常勤職員数に応じた技能実習生の人数枠を算出

することとなります。当該技能実習を実施することとした後に、それぞれの法人が単独又は別

の法人と共同で技能実習を実施することとした場合の人数枠については,共同で受入れた

技能実習生を各法人ごとに在籍していることとして、当該法人の常勤職員数を評価すること

となります

○ 法務大臣及び厚生労働大臣が、継続的かつ安定的に企業単独型技能実習を行わせること

ができると認める体制とは、以下の要件を満たすことが必要です。

① 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律

第2条第2項第1号に該当する場合

ア 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法

律第2条第2項第1号に該当すること

A 製造業、建設業、運輸業、その他の業種の場合、資本金 3 億円以上又は常勤職

員 301 人以上

B 卸売業の場合、資本金 1 億円以上又は常勤職員 101 人以上

C サービス業の場合、資本金 5000 万円以上又は常勤職員 101 人以上

D 小売業の場合、資本金 5000 万円以上又は 51 人以上

イ 帰国した技能実習生が技能実習の成果を発揮していること又は成果が期待できること

(成果が期待できることの例)

・ 技能実習生が技能実習修了後に技能実習において修得した技能を活用できる業務

に、母国において安定的に従事することが書面等により客観的に認められる場合。

② 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律

第2条第2項第1号に該当しない場合

ア 技能実習生の受入れ実績を有すること

イ 技能実習生の過去1年間の受入れにおいて改善命令を受けたことがないこと

ゥ 帰国した技能実習生が技能実習の成果を発揮していること又は成果が期待できること

エ 実習実施者になろうとする者について相応の常勤の職員数が在籍していることその他

の十分な体制を有していること(常勤の職員数が 60 名以上であることを原則とします。)

(2) 特定の職種・作業に関するもの

○ 技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種分野

について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適正化

を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特

有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

○ 技能実習の数の基準に関して、今後この告示が定められた場合には、事業所管省

110

庁、法務省、厚生労働省及び機構のHP等により周知していきます。

(3) 人数枠の特例措置

○ 以下の①から④までに掲げる技能実習生に技能実習を行わせようとし、又は行わせ

ている場合であって、当該①から④までに定める技能実習生を受け入れ、又は受け入

れていることにより、規則第16条第1項から第3項までで定める数(第2項の規定により

第1項で定める数を超えて技能実習生を受け入れているときは、第1項で定める数又

は現に受け入れている技能実習生の数のいずれか少ない数)を超えるときは、例外と

して、当該数に以下に掲げる技能実習生の数を加えた数とすることが可能です。

① 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第1号技能実習生であ

って申請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第1号技能実習又は第2

号技能実習

② 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第2号技能実習生であ

って申請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第2号技能実習

③ 他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった第3号技能実習生であ

って申請者が引き続き技能実習を行う機会を与えるもの 第3号技能実習

④ 申請者が技能実習を行わせている第1号技能実習生であって第1号技能実習の

開始後に特別な事情が生じたにもかかわらず申請者の下で引き続き技能実習を行

うことを希望するもの 第2号技能実習

【留意事項】

○ 「他の実習実施者が技能実習を行わせることが困難となった技能実習生」について

規則第 10 条第2項第3号チの「やむを得ない事情がある場合」に該当し転籍が必要である

と認められることが必要となります。詳しくは、「第3(3)技能実習生の基準に関するもの」を御

参照ください。

○ 「第1号技能実習生であって第1号技能実習の開始後に特別な事情が生じたにもかかわら

ず申請者の下で引き続き技能実習を行うことを希望するもの」について

第1号技能実習生については、同一の申請者の下で第2号までの技能実習を行うことを予

定して入国していることから、実習実施者の事業上・経営上の都合で技能実習の実施が困難

となり転籍が必要であると認められる場合のほかにも以下のような場合に、「第1号技能実習

の開始後に生じた特別な事情」として、当該技能実習生の第2号技能実習への移行を可能と

しています。

・ 第1号技能実習の開始後に実習実施者が優良な実習実施者の基準(規則第15条)に適

合しなくなったことにより技能実習生の人数枠が減少し、本条項がなければ第2号技能実習

への移行ができない場合

・ 第1号技能実習の開始後に実習実施者の常勤の職員の総数が減少したことにより技能実

111

習生の人数枠が減少し、本条項がなければ第2号技能実習への移行ができない場合

第13 複数の職種及び作業に関するもの

【関係規定】

(認定の基準)

法第9条 主務大臣は、前条第一項の認定の申請があった場合において、その技能実習計画が

次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

二 技能実習の目標及び内容が、技能実習の区分に応じて主務省令で定める基準に適合して

いること。

(技能実習の目標及び内容の基準)

規則第10条

3 複数の職種及び作業に係る技能実習計画である場合には、主たる職種及び作業(複数の職種

及び作業のうち最も技能実習の時間が長いものをいう。以下同じ。)以外の職種及び作業につい

ては、法第九条第二号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定め

る基準のうち技能実習の目標に係るものは、第一項の規定にかかわらず、次のいずれかを掲げ

るものであること。

一 修得等をしようとする技能等に係る基礎級の技能検定又はこれに相当する技能実習評価

試験の実技試験及び学科試験の合格

二 修得等をしようとする技能等に係る三級若しくは二級の技能検定又はこれに相当する技能

実習評価試験の実技試験の合格

三 修得等をすべき技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関

する知識の修得等を内容とするもの(当該技能等に係る業務に従事する時間に照らし適切な

ものに限る。)

4 前項に規定する場合には、法第九条第二号(法第十一条第二項において準用する場合を含

む。)の主務省令で定める基準のうち技能実習の内容に係るものは、第二項各号に掲げるものの

ほか、次のとおりとする。この場合において、同項第三号の規定の適用については、同号ハ中

「技能等」とあるのは「主たる職種及び作業に係る技能等」と、同号ホ中「従事しようとする業務」

とあるのは「従事しようとする主たる職種及び作業に係る業務」とする。

一 いずれの職種及び作業も移行対象職種・作業であること。

二 それぞれの職種及び作業に係る技能等が相互に関連しており、複数の職種及び作業に係る

技能実習を行うことに合理的な理由があること。

○ 技能実習法施行前の旧制度では、単一の職種及び作業を行わせる技能実習しか

認められていませんでしたが、新制度では、多能工の養成等を目的として関連する複

数の職種及び作業を組み合わせた技能実習を行わせることが認められることになりま

112

す。

○ 規則第10条第3項及び第4項の規定は、新制度において複数の職種及び作業に係

る技能実習計画を作成する場合の特則を定めるものであり、これらの項に規定するも

の以外の要件は、単一の職種及び作業を行わせる場合の通常の要件と同様のものと

なります。

○ 主たる職種・作業の目標については技能検定等の合格に係る目標でなければなりま

せんが、規則第10条第3項において、「主たる職種及び作業以外の職種及び作業

(=従たる職種及び作業)の目標」について、技能検定等の合格を目標とするものに限

らず、以下のいずれかを目標として設定することも許容しています。

技能検定等の合格に係る目標以外としては、移行対象職種・作業以外を行わせる

第1号技能実習の場合の目標設定(規則第10条第1項第1号ロ)に準じて、「修得を

させる技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関する

知識の修得を内容とするもの」を目標として定めることも可能です。

○ また、複数の職種及び作業に係る技能実習を行う場合であっても、同一の実習実施

者の下で行わせなければならず、かつ、その職種・作業が、いずれも移行対象職種で

なければなりません。また、それぞれの職種及び作業に係る技能等が相互に関連して

おり、複数の職種及び作業に係る技能実習を行うことに合理的な理由があることが求

められます。

○ 従たる職種・作業は、規則第10条第4項の規定により、「本国に帰国後本邦におい

て修得等をした技能等を要する業務に従事することが予定されていること」(規則第1

0条第2項第3号ハ)及び「本邦において従事しようとする業務と同種の業務に外国に

おいて従事した経験を有すること」(規則第10条第2項第3号ホ)の要件が課されてい

ませんが、技能実習として行われることには変わりませんので、制度の趣旨を踏まえた

技能等の修得等につながるよう適切に運用していただく必要があります。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 複数の職種及び作業に係る技能実習を行わせる理由書(参考様式第1-30号)

【留意事項】

○ 複数職種及び作業として行わせることのできる職種及び作業の数について

複数職種及び作業として同時に行わせることができる職種及び作業の数は2が基本とな

り、通常3までが想定されています。これは、通常、主たる職種及び作業の目標を達成するた

めに必要な時間を確保した上で、さらに、従たる職種及び作業の目標を達成することに、一

113

定の時間の制約上の限界があると考えられるためです。同時に3つの職種及び作業に係る技

能実習計画を提出する場合には、複数の職種及び作業に係る技能実習を行わせる理由書

(参考様式第1-30号)において高いレベルでの説明が求められます。4以上の職種及び作

業を同時に行わせる技能実習計画は、通常認められることを想定していません。なお、複数

の職種及び作業ごとに申請書の実習実施予定表を作成することになります。

○ 複数の職種及び作業を行わせる場合の従事させる業務の基準(実習時間)について

規則第10条第2項第2号に定められている必須・関連・周辺業務の時間配分などについ

ては、主たる職種及び作業と従たる職種及び作業のそれぞれに適用されます。例えば、主た

る職種及び作業と従たる職種及び作業の実習それぞれにかける時間全体の割合が7:3であ

った場合は、主たる業務にあっては、その7に該当する時間数が規則第10条第2項第2号の

「業務に従事させる時間全体」に当たることとなります。

また、ある職種・作業の必須業務が、別の職種・作業の関連業務である場合も想定されま

すが、このような場合においては、当該業務へ従事する時間は、必須業務の職種・作業に従

事する時間とカウントすることとなります。

○ 複数職種及び作業を行わせる場合の技能実習生の基準について

技能実習生の基準(「本国に帰国後本邦において修得等をした技能等を要する業務に従

事することが予定されていること」及び「本邦において従事しようとする業務と同種の業務に外

国において従事した経験を有すること又は団体監理型技能実習に従事することを必要とする

特別な事情があること」(規則第10条第2項第3号ハ及びホ))については、主たる職種及び

作業との関係で満たせば足りることとし、従たる職種及び作業についてまで求めるものではあり

ません。

○ 「複数の職種及び作業に係る技能等が相互に関連しており、複数の職種及び作業に係る技

能実習を行うことに合理的な理由があること」について

「相互に関連していること」としては、当該複数の職種及び作業に係る業務が同一の申請

者において行われていることはもとより、当該複数の職種及び作業が社会通念に鑑み、一般

的にも相互に関連していると考えられることが求められます。同一の職種内の複数の作業を

同時実施する場合には一般的に相互に関連している場合が多いと想定されますが、異なる

職種間にまたがる作業を同時実施する場合には相互に関連していることについて詳細な説

明をいただくことが必要となります。

「合理的な理由があること」としては、当該複数の職種及び作業に係る技能実習を行わせ

ることにより技能等の移転がより一層図られ、技能実習の成果が高いものになると考えられる

など、技能実習制度の趣旨に沿った理由が求められます。

最低限、申請者の技能実習を行わせようとする事業所において日本人労働者が当該複

数の職種及び作業を行っていることが必要不可欠です。その上で、具体的に、どの複数の職

種及び作業に係るものであれば認められるかについては、個別の案件によりますので、機構

の地方事務所・支所の認定課に御相談ください。

114

第3節 認定の欠格事由(技能実習法第10条)

技能実習計画の認定の欠格事由は、法第10条及びその関係政令に定められてい

ます。技能実習法を遵守することが期待できない者が、技能実習を行わせることがな

いよう、技能実習計画の認定には、欠格事由が設けられており、以下のいずれかに該

当する者は、技能実習計画の認定を受けることができません。

第1 関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由

【関係規定】

(認定の欠格事由)

法第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条第一項の認定を受けることができない。

一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起

算して五年を経過しない者

二 この法律の規定その他出入国若しくは労働に関する法律の規定(第四号に規定する規定を

除く。)であって政令で定めるもの又はこれらの規定に基づく命令の規定により、罰金の刑に処

せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しな

い者

三 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定

(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、又は刑

法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の

二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律

(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わ

り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

四 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百

十四条第一項、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十六条、第百五十九条

若しくは第百六十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十

一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚

生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条、第百三条の二若しくは第百四条

第一項(同法第百二条又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料

の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八

条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九

年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に

限る。)の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなく

なった日から起算して五年を経過しない者

115

(法第十条第二号の出入国又は労働に関する法律の規定であって政令で定めるもの)

政令第1条 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「法」と

いう。)第十条第二号の出入国又は労働に関する法律の規定であって政令で定めるものは、次

のとおりとする。

一 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十七条(船員職業安定法(昭和二十三

年法律第百三十号)第八十九条第一項又は労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派

遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」とい

う。)第四十四条第一項の規定により適用される場合を含む。)、第百十八条第一項(労働基

準法第六条及び第五十六条の規定に係る部分に限る。)、第百十九条(同法第十六条、第

十七条、第十八条第一項及び第三十七条の規定に係る部分に限る。)及び第百二十条(同

法第十八条第七項及び第二十三条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定

並びにこれらの規定に係る同法第百二十一条の規定

二 船員法(昭和二十二年法律第百号)第百二十九条(同法第八十五条第一項の規定に係る

部分に限る。)、第百三十条(同法第三十三条、第三十四条第一項、第三十五条、第四十

五条及び第六十六条(同法第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三

第四項において準用する場合を含む。)の規定に係る部分に限る。)及び第百三十一条(第

一号(同法第五十三条第一項及び第二項、第五十四条、第五十六条並びに第五十八条第

一項の規定に係る部分に限る。)及び第三号に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定

に係る同法第百三十五条第一項の規定(これらの規定が船員職業安定法第九十二条第一

項の規定により適用される場合を含む。)

三 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条、第六十四条、第六十五条

(第一号を除く。)及び第六十六条の規定並びにこれらの規定に係る同法第六十七条の規定

四 船員職業安定法第百十一条から第百十五条までの規定

五 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二、第七

十三条の四から第七十四条の六の三まで、第七十四条の八及び第七十六条の二の規定

六 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四十条の規定及び同条の規定に係る

同法第四十二条の規定

七 雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)第四十条第一項(第二号に係る部分に限

る。)の規定及び当該規定に係る同条第二項の規定

八 建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)第四十九条、

第五十条及び第五十一条(第二号及び第三号を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る同

法第五十二条の規定

九 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)第十八条の規定及び

同条の規定に係る同法第二十条の規定

十 労働者派遣法第五十八条から第六十二条までの規定

十一 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第四十八条、第四十九条(第一号を除く。)

116

及び第五十一条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る

同法第五十二条の規定

十二 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改

善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)第十九条、第二十条及び第二十一条

(第三号を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第二十二条の規定

十三 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年

法律第七十六号)第六十二条から第六十五条までの規定

十四 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)第三十二条、第三

十三条及び第三十四条(第三号を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第三十五条

の規定

十五 労働者派遣法第四十四条第四項の規定により適用される労働基準法第百十八条、第

百十九条及び第百二十一条の規定、船員職業安定法第八十九条第七項の規定により適用

される船員法第百二十九条から第百三十一条までの規定並びに労働者派遣法第四十五条

第七項の規定により適用される労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第百十九

条及び第百二十二条の規定

○ 関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由としては、以下のいずれかに該当

する者が想定されています。

① 禁錮以上の刑に処せられた者(法第10条第1号)

② この法律その他出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者

(法第10条第2号・政令第1条)

③ 暴力団関係法、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者(法第10条第3号)

④ 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑

に処せられた者(法第10条第4号)

○ いずれも、「刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日

から5年を経過しない者」がその対象となります。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 登記事項証明書、役員の住民票の写し

* 申請者が法人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が法人であるときは当該法定代理人分も含む。

・ 住民票の写し

* 申請者が個人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が個人であるときは当該法定代理人分も含む。

【留意事項】

117

○ 住民票の写しについて

マイナンバーの記載のないものの提出が必要です。また、日本人の場合には、本籍の記載

があるものの提出が必要となります。外国人(特別永住者を除く。)の場合は、国籍(国又は地

域)、在留資格、在留期間、在留期間の満了の日、在留カード番号が記載されたもの、特別

永住者の場合は、特別永住者である旨、特別永住者証明書の番号が記載されたものに限ら

れます。

○技能実習に関する業務の執行に直接的に関与しない役員に係る住民票の写しについて

役員の方は、住民票の写しを提出していただくことが原則ですが、技能実習に関する業務

の執行に直接的に関与しない役員に関しては、住民票の写しに代えて、誓約書(技能実習に

関する業務の執行に直接的に関与しない旨と法令に定められている欠格事由に該当する者

ではない旨について申請者が確認し、誓約したもの。参考様式第 1-36 号参照。)の提出で

代替可能です。

ただし、誓約書を提出した役員が、その後の調査において、実際は技能実習に関する業務

の執行に直接的に関与していたことが判明した場合や、欠格事由に該当していたことが判明

した場合には、技能実習計画の認定の取消し等がなされることとなりますので御注意願いま

す。また、個別の審査の過程において、追加で住民票の写しの提出をお願いする場合もあり

ます。

第2 技能実習法による処分等を受けたこと等による欠格事由

【関係規定】

(認定の欠格事由)

法第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条第一項の認定を受けることができない。

六 第十六条第一項の規定により実習認定を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を

経過しない者

七 第十六条第一項の規定により実習認定を取り消された者が法人である場合(同項第三号の

規定により実習認定を取り消された場合については、当該法人が第二号又は第四号に規定

する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消しの処分を受ける

原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執

行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを

問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上

の支配力を有するものと認められる者を含む。第十一号、第二十五条第一項第五号及び第

二十六条第五号において同じ。)であった者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しな

いもの

八 第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正

又は著しく不当な行為をした者

118

○ 技能実習法による処分等を受けたこと等による欠格事由としては、以下のいずれか

に該当する者が想定されています。

① 技能実習計画の認定を取り消された日から5年を経過しない者(取り消された者の

法人の役員であった者を含む。)等(法第10条第6号及び第7号)

② 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者(法第1

0条第8号)

○ 「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者」(法第

10条第8号)については、以下に規定するもののほか、個別具体的な事案の重大性に

応じて該当性が判断されることとなります。

① 出入国に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為

ア 法施行前の技能実習における「不正行為」として、技能実習の適正な実施を妨

げるものと認められる旨の通知を受けている者(不正行為が終了した日後、法務

省令に規定されていた受入れ停止期間が経過していないものに限る。)

なお、申請者が法人である場合にあっては、当該法人の役員が、法施行前の

技能実習における「不正行為」として、技能実習の適正な実施を妨げるものと認

められる旨の通知を受けている監理団体又は実習実施機関の法人の役員(当該

「不正行為」があった期間又は時点の役員である場合に限る。)も含む。

イ 入管法第 73 条の2第1項各号の規定する行為(以下「不法就労助長行為」とい

う。)に及んだ者

ウ 事業活動に関し外国人に不正に入管法第3章第1節若しくは第2節の規定によ

る証明書の交付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第4節の規定による上陸

の許可若しくは同法第4章第1節若しくは第2節若しくは第5章第3節の規定によ

る許可を受けさせる目的で、偽造若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽

の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為(以下「偽変造文書行使等」とい

う。)に及んだ者

②労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

ア 労働基準関係法令で送検され、かつ、刑罰(法第 10 条第2号及び第4号に規

定されている罰金刑は除く。)が確定された者

※「申請の日前5年以内」に該当するか否かは、当該刑罰に係る行為時で判断するこ

ととし、刑罰の対象となった違反が技能実習生に係る違反か否かにはよりません。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 登記事項証明書、役員の住民票の写し

119

* 申請者が法人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が法人であるときは当該法定代理人分も含む。

・ 住民票の写し

* 申請者が個人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が個人であるときは当該法定代理人分も含む。

【留意事項】

○ 欠格事由の対象となる役員について

法人の役員に形式上なっている者のみならず、実態上法人に対して強い支配力を有する

と認められる者についても対象となります。具体的には、業務を執行する社員、取締役、執行

役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問

わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上

の支配力を有するものと認められる者のことを指します。

第3 申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由

【関係規定】

(認定の欠格事由)

法第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条第一項の認定を受けることができない。

五 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

十 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が前

各号又は次号のいずれかに該当するもの

十一 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

○ 申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由としては、以下のい

ずれかに該当する者が想定されています。

① 行為能力に制限がある者(成年被後見人、被保佐人、破産手続開始の決定を受

けて復権を得ない者)(法第10条第5号)

② 法人の役員、未成年の法定代理人で欠格事由に該当する者(法第10条第10号

及び第11号)

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 登記事項証明書、役員の住民票の写し

* 申請者が法人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が法人であるときは当該法定代理人分も含む。

・ 住民票の写し

* 申請者が個人の場合

120

* 未成年者がある場合で、法定代理人が個人であるときは当該法定代理人分も含む。

第4 暴力団排除の観点からの欠格事由

【関係規定】

(認定の欠格事由)

法第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条第一項の認定を受けることができない。

九 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以

下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者

(第十二号及び第二十六条第六号において「暴力団員等」という。)

十二 暴力団員等がその事業活動を支配する者

○ 暴力団排除の観点からの欠格事由としては、以下のいずれかに該当する者が想定さ

れています。

① 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者)

(法第10条第9号)

② 暴力団員等がその事業活動を支配する者(法第10条第12号)

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)

・ 登記事項証明書、役員の住民票の写し

* 申請者が法人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が法人であるときは当該法定代理人分も含む。

・ 住民票の写し

* 申請者が個人の場合

* 未成年者がある場合で、法定代理人が個人であるときは当該法定代理人分も含む。

121

第4節 技能実習計画の変更(技能実習法第11条)

【関係規定】

(技能実習計画の変更)

法第11条 実習実施者は、実習認定を受けた技能実習計画(以下「認定計画」という。)について

第八条第二項各号(第五号を除く。)に掲げる事項の変更(主務省令で定める軽微な変更を除

く。)をしようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。

2 第八条第三項から第五項まで及び前二条の規定は、前項の認定について準用する。

(軽微な変更)

規則第17条 法第十一条第一項の主務省令で定める軽微な変更は、次に掲げる変更以外の変

更であって、申請者が当該変更があった旨を当該変更があったことを証する書類とともに別記様

式第三号により法務大臣及び厚生労働大臣に届け出たものとする。

一 技能実習の目標の変更

二 技能実習の内容のうち職種及び作業に係るものの変更

三 前二号に掲げるもののほか、認定計画(法第十一条第一項に規定する認定計画をいう。以

下同じ。)に従った技能実習の実施に実質的な影響を与える変更

2 団体監理型技能実習に係る前項の届出を行おうとする者は、実習監理を受ける監理団体の指

導に基づき、当該届出をしなければならない。

(技能実習計画の変更の認定申請等)

規則第18条 法第十一条第一項の規定による技能実習計画の変更の認定の申請は、別記様式

第四号による申請書の正本一部及び副本一部を提出して行わなければならない。

2 法務大臣及び厚生労働大臣は、法第十一条第一項の認定をしたときは、その旨を申請者に通

知するものとする。

3 前項の通知は、別記様式第五号による変更認定通知書に第一項の申請書の副本を添えて行

うものとする。

4 法第十一条第二項において準用する法第八条第三項の主務省令で定める書類は、第八条各

号に掲げる書類のうち変更しようとする事項に係るものとする。

○ 実習実施者は、認定を受けた技能実習計画について、技能実習計画に記載された

事項を変更しようとするときは、以下に記載の変更の程度(重要な変更、通常の変更

又は些細な変更)に応じた対応が必要となります。変更内容ごとの対応については、次

の表を御参照ください。

・ 重要な変更の場合 : 変更認定

・ 通常の変更の場合 : 軽微な変更の届出

・ 些細な変更の場合 : 届出不要

122

○ 重要な変更をしようとする場合にあっては、当該変更を行おうとする前に、あらかじめ

変更認定を受けることが必要です。変更認定を受けるためには、別表に掲げる変更事

由に応じた書類の提出、監理団体の技能実習計画に係る指導、手数料の納付が必

要となるほか、認定基準(法第9条)に適合し、欠格事由(法第10条)に該当しないこ

とが求められます。

この技能実習計画の変更認定の申請は、機構の地方事務所・支所の認定課に提

出しなければなりません。技能実習計画変更認定申請書(省令様式第4号)は、申請

に際して正本1通及び副本1通を提出する必要があります。なお、申請書の添付書類

については、申請書の正本1通に添付することが必要であり、副本1通には添付する必

要はありません。

○ 通常の変更をしようとする場合にあっては、変更に係る事由が発生した日から1か月

以内に、機構の地方事務所・支所の認定課に技能実習計画軽微変更届出書(省令

様式第3号)を提出しなければなりません。届出をするに際しては、次の表に掲げる変

更事由に応じた書類を併せて提出することが求められます。

なお、省令様式第3号に記載する内容が、同様式の記の「1 認定番号」欄、「2

認定年月日」欄及び「4技能実習生」欄以外の記載が全て同一のときは、それら3つの

欄の記載について、別紙を用いて表形式で記載すれば、同様式の提出は1通にまとめ

て届け出をすることも可能です。

○ なお、届出を受理した後に、機構が技能実習計画の認定の各要件に適合しないもの

であることを確認した場合にあっては、当該変更を是正するよう指導することとなります

ので、指導を受けた実習実施者は当該指導に従うことが必要です。当該指導に従わ

ない場合にあっては、技能実習計画の認定取消し、改善命令等の対応を執ることとな

るので留意願います。

【確認対象の書類】

・ 技能実習計画変更認定申請書(省令様式第4号)

・ 技能実習計画軽微変更届出書(省令様式第3号)

【留意事項】

○ 技能実習の区分の変更について

技能実習の区分(法第8条第2項第5号)を事後的に変更することは、法律上想定されて

いません(法第11条第1項)。

123

表 技能実習計画の変更認定と届出の区分

計画記載事項 変更

認定 届出 添付書類 特記事項

実習実施者

1 氏名又は名称 × ○ ・登記事項証明書(法人)

・住民票の写し(個人)

・実習実施者自体を変更

(交代)する場合には新規

の技能実習計画の認定が

必要。

・実習実施者が法人の場

合にあっては、合併、会社

分割により、消滅したとき、

個人事業の場合にあって

は、死亡したときは新規の

技能実習計画の認定が必

要。

・住民票の写しは、マイナ

ンバーの記載がないもの。

また、日本人の場合は、本

籍地の記載があるもの。外

国人(特別永住者を除く)

の場合は、国籍等、在留

資格、在留期間、在留期

間の満了の日、在留カード

番号の記載があるもの。特

別永住者の場合は、特別

永住者である旨、特別永

住者証明書番号の記載が

あるもの。

2 住所 × ○ ・登記事項証明書(法人)

・住民票の写し(個人)

・電話番号の変更を含む。

・住民票の写しは、マイナ

ンバーの記載がないもの。

また、日本人の場合は、本

籍地の記載があるもの。外

国人(特別永住者を除く)

の場合は、国籍等、在留

資格、在留期間、在留期

間の満了の日、在留カード

124

番号の記載があるもの。特

別永住者の場合は、特別

永住者である旨、特別永

住者証明書番号の記載が

あるもの。

3

代表者の氏名(実習

実施者が法人の場

合)

× ○ ・登記事項証明書

【代表者の変更(交代)】

・代表者を変更(交代)す

る場合には届出が必要。

【代表者の氏名の変更】

・代表者が婚姻するなどの

事情により氏名を変更する

場合であって、代表者の

変更(交代)を伴わない変

更の届出は不要。

4 役員の氏名(実習実

施者が法人の場合) × ○

・登記事項証明書

・役員の住民票の写し

【役員の変更(交代又は追

加で新規に選任)】

・役員を変更(交代又は追

加で新規に選任)する場

合には届出が必要。

・住民票の写しは、マイナ

ンバーの記載がないもの。

また、日本人の場合は、本

籍地の記載があるもの。外

国人(特別永住者を除く)

の場合は、国籍等、在留

資格、在留期間、在留期

間の満了の日、在留カード

番号の記載があるもの。特

別永住者の場合は、特別

永住者である旨、特別永

住者証明書番号の記載が

あるもの。

【役員の氏名の変更】

125

・役員が婚姻するなどの事

情により氏名を変更する場

合であって、役員の変更

(交代又は追加で新規に

選任)を伴わない変更の

届出は不要。

5

役員の役職名(実習

実施者が法人の場

合)

× ×

6 役員の住所(実習実

施者が法人の場合) × ×

7 業種 × ×

技能実習を行わせる事業所

1

技能実習を行わせる

事業所(名称、所在

地)

× ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

2 技能実習責任者

の氏名 × ○

・技能実習責任者の履歴書

・技能実習責任者の就任承

諾書及び誓約書の写し

【技能実習責任者の変更

(交代又は追加で新規に

選任)】

・技能実習責任者を変更

(交代又は追加で新規に

選任)する場合には届出

が必要。

【技能実習責任者の氏名

の変更】

・技能実習責任者が婚姻

するなどの事情により氏名

を変更する場合であって、

技能実習責任者の変更

(交代又は追加で新規に

選任)を伴わない変更の

届出は不要。

126

3 技能実習責任者の

役職名 × ×

4 技能実習指導員の

氏名 × ○

・技能実習指導員の履歴書

・技能実習指導員の就任承

諾書及び誓約書の写し

・実習実施予定表(省令様

式第1号4~6面)(技能実

習指導員の担当する指導に

変更があった場合)

【技能実習指導員の変更

(交代又は追加で新規に

選任)】

・技能実習指導員を変更

(交代又は追加で新規に

選任)する場合には届出

が必要。

【技能実習指導員の氏名

の変更】

・技能実習指導員が婚姻

するなどの事情により氏名

を変更する場合であって、

技能実習指導員の変更

(交代又は追加で新規に

選任)を伴わない変更の

届出は不要。

【技能実習指導員が担当

する指導内容の変更】

・申請時に申告した技能

実習指導員に変更(交代

又は追加で新規に選任)

はないものの、必須業務、

関連業務又は周辺業務と

して記載している具体的な

業務ごとに記載した技能

実習指導員の担当を変更

する場合の届出は不要。

5 技能実習指導員の

役職名 × ×

127

6 生活指導員の氏名 × ○

・生活指導員の履歴書

・生活指導員の就任承諾書

及び誓約書の写し

【生活指導員の変更(交

代又は追加で新規に選

任)】

・生活指導員を変更(交代

又は追加で新規に選任)

する場合には届出が必

要。

【生活指導員の氏名の変

更】

・生活指導員が婚姻する

などの事情により氏名を変

更する場合であって、生活

指導員の変更(交代又は

追加で新規に選任)を伴

わない変更の届出は不

要。

7 生活指導員の役職

名 × ×

技能実習生

1 氏名 × ○ 旅券その他の身分を証する

書類の写し

2 国籍(国又は地域) × ○ 旅券その他の身分を証する

書類の写し

3 生年月日 × ○ 旅券その他の身分を証する

書類の写し

4 性別 × ○ 旅券その他の身分を証する

書類の写し

5 帰国期間(第3号技

能実習に限る) × ○

【帰国期間の変更】

帰国期間が認定申請時に

予定していた期間を下回

り、1か月未満となる場合

には届出が必要。

128

技能実習の内容

1 技能実習の職種・作

業及び分野 ○ ×

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

【職種・作業に係る技能実

習の追加】

・認定を受けた技能実習

計画に記載されている職

種・作業の技能実習に新

たな職種・作業の技能実

習を追加して行おうとする

場合に変更認定が必要。

【全く別の技能実習への変

更】

・通常想定されているもの

ではないが、認定を受けた

技能実習計画に記載され

た職種・作業の技能実習

を中止して、全く別の職種

・作業の技能実習を行おう

とする場合にあっては、変

更認定の対象とならず、新

規の技能実習計画の認定

が必要。

技能実習の目標

1 技能実習の目標 ○ ×

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

129

前段階の技能実習計画の目標の達成状況

1

前段階の技能実習

計画の目標の達成状

× ×

【目標の達成状況の変更】

・通常、変更されることが

想定されているものではな

いが、変更がある場合は、

実習認定取消し事由該当

事実に係る報告書の提出

が必要。

技能実習の期間及び時間数

1 実習期間 ○ ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

【実習の開始時期の変更】

・実習の開始時期を当初

の予定から3か月以上早

め、又は、遅らせる場合に

は届出が必要。

【実習の延べ期間の変更】

・実習の延べ期間を当初

の予定から延長する場合

には変更認定が必要。

・実習の延べ期間を当初

の予定から短縮する場合

には届出の対象とはしない

が、別途技能実習実施困

難時届出書の提出が必

要。

130

2 実習時間数 ○ ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

・時間外労働等(時間外

労働や休日労働、深夜労

働)は原則として想定され

ていないが、やむを得ない

業務上の事情等により行う

場合には、実習時間数に

時間外労働等の労働時

間を含めて、変更認定又

は届出をすることが必要。

【年間の合計時間数の変

更】

・年間の合計時間数を予

定の 50%以上に相当する

時間数を変更する場合に

は変更認定が必要。

・年間の合計時間数を予

定の 25%以上 50%未満

に相当する時間数を変更

する場合には届出が必

要。

【合計時間数の変更】

・講習の合計時間数を変

更する場合は届出が必

要。

監理団

体等

1 許可番号 × ×

2 許可の別 × ×

131

3 名称 ○ ×

・監理団体と実習実施者の

間の実習監理に係る契約

書又はこれに代わる書類の

写し

・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

(講習を実施する監理団体

に変更があった場合)

【監理団体の変更】

・監理団体を変更(交代)

する場合には技能実習計

画の変更認定が必要。

【監理団体の名称の変更】

・監理団体の名称変更が

ある場合には技能実習計

画の変更認定や変更届出

は不要。

4 住所 × ×

5 代表者の氏名 × ×

6 監理責任者の氏名 × ×

7 担当事業所の名称 × ○

8 取次送出機関の氏

名又は名称 × ○

・技能実習生と取次送出機

関の間の技能実習に係る契

約書の写し

・取次送出機関の誓約書

技能実習生の待遇

1 賃金 × ○

・雇用条件書の写し

・技能実習生の報酬に関す

る説明書(当初の技能実習

計画の認定時に技能実習

生の報酬を決定する上で比

較対象とした日本人労働者

等に変更があったことによ

り、新たな比較対象とした日

本人の報酬額に従って技能

実習生の報酬額を変更した

場合)

2

講習手当(金銭に限

られず現物支給も含

む)

× ○ ・技能実習の期間中の待遇

に関する重要事項説明書

132

3 その他の報酬 × ○

・雇用条件書の写し

・技能実習生の報酬に関す

る説明書(技能実習生の報

酬を決定する上で比較対象

とした日本人労働者等に変

更があった場合のみ)

4 雇用契約期間 × ○ ・雇用条件書の写し

5 労働時間及び休憩 × ○ ・雇用条件書の写し

6 所定労働時間 × ○ ・雇用条件書の写し

7 休日 × ○ ・雇用条件書の写し

8 休暇 × ○ ・雇用条件書の写し

9 宿泊施設 × ○

・宿泊施設の適正について

の確認書

・技能実習の期間中の待遇

に関する重要事項説明書

10 技能実習生が定期に

負担する費用 × ○ ・徴収費用の説明書

10 入国後講習実施予定(企業単独型)

1 講習実施施設(施設

名、所在地、連絡先) × ○

・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面A)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

2

法的保護に必要な情

報について講義を行

う講師(氏名、職業、

所属機関、専門的知

識の経歴、資格・免

許)

× ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面A)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

3 講習期間 × ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面A)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【入国後講習の開始時期

133

の変更】

・当初の予定から3か月以

上早め、又は、遅らせる場

合には届出が必要。

【講習の延べ期間の変更】

・当初の予定より講習の延

べ期間を短縮する変更を

行 う場合 には届 出が必

要。

4

講習内容

講師の氏名(役職・

経験年数・委託の有

無)

× ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面A)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【講習科目の変更】

・講習科目を変更する場

合は届出が必要。

【講師の変更】

・法的保護の講師以外の

講師を変更する場合の届

出は不要。

【委託の有無の変更】

・委託の有無を変更する

場合には届出が必要。

134

5 講習時間数 × ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面A)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【月ごとの時間数の変更】

・月ごとの講習の各科目の

時間数又は合計時間数を

変更する場合の届出は不

要。

【科目ごとの時間数の変

更】

・講習の科目ごとの合計時

間数を変更する場合は届

出が必要。

【合計時間数の変更】

・講習の合計時間数を変

更する場合は届出が必

要。

11

入国後講習実施予定(団体監理型)

1 講習実施施設(施設

名、所在地、連絡先) × ○

・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

2 監理団体(名称、住

所、代表者の氏名) ○ ×

・監理団体と実習実施者の

間の実習監理に係る契約

書又はこれに代わる書類の

写し

・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【監理団体の変更】

・監理団体を変更(交代)

する場合には技能実習計

画の変更認定が必要。

135

【監理団体の名称の変更】

・監理団体の名称変更が

ある場合には技能実習計

画の変更認定や変更届出

は不要。

3

法的保護に必要な情

報について講義を行

う講師(氏名、職業、

所属機関、専門的知

識の経歴、資格・免

許)

× ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

4 講習期間 × ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【入国後講習の開始時期

の変更】

・当初の予定から3か月以

上早め、又は、遅らせる場

合には届出が必要。

【講習の延べ期間の変更】

・当初の予定より講習の延

べ期間を短縮する変更を

行 う場合 には届 出が必

要。

136

5

講習内容(実施日、

科目、時間、委託の

有無、講習施設、講

師)

× ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【講習科目の変更】

・講習科目を変更する場

合は届出が必要。

【実施日又は実施時間の

変更】

・講習の各科目における全

体の時間数を変更せず、

各科目の実施日又は実施

時間のみを変更する場合

の届出は不要。

【委託の有無の変更】

・委託の有無を変更する

場合には届出が必要。

【講習施設の変更】

・講習の科目ごとに実施す

る講習施設を変更する場

合の届出は不要。

【講師の変更】

・法的保護の講師以外の

講師を変更する場合の届

出は不要。

137

6 講習時間数 × ○ ・入国後講習実施予定表

(省令様式第1号第3面D)

・新規認定申請時に提出

した講習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【1日当たりの時間数の変

更】

1日当たりの時間数を変更

する場合の届出は不要。

【科目ごとの時間数の変

更】

・講習の科目ごとの合計時

間数を変更する場合は届

出が必要。

【合計時間数の変更】

・講習の合計時間数を変

更する場合は届出が必

要。

12

実習実施予定表

1

技能実習を行わせる

事業所(事業所名、

所在地)

× ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

2 実習期間 ○ ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【実習の開始時期の変更】

・実習の開始時期を当初

の予定から3か月以上早

め、又は、遅らせる場合に

は届出が必要。

138

【実習の延べ期間の変更】

・実習の延べ期間を当初

の予定から延長する場合

には変更認定が必要。

・実習の延べ期間を当初

の予定から短縮する場合

には届出の対象とはしない

が、別途技能実習実施困

難時届出書の提出が必

要。

3

技能実習の内容

必須業務、関連業務

及び周辺業務の別

指導員の役職・氏名

× ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

(指導員を変更する場合)

・技能実習指導員の履歴書

・技能実習指導員の就任承

諾書及び誓約書の写し

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【業務の内容の変更】

・必須業務・関連業務及

び周辺業務として記載して

いる具体的な業務の内容

を変更する場合には届出

が必要。

【指導員の変更】

・技能実習指導員を変更

(交代又は追加で新規に

選任)する場合には届出

が必要。

・技能実習指導員の役職

を変更する場合、又は婚

姻するなどの事情により氏

名を変更する場合の届出

は不要。

・申請時に申告した技能

実習指導員に変更(交代

又は追加で新規に選任)

139

はないものの、必須業務・

関連業務及び周辺業務と

して記載している具体的な

業務ごとに記載した技能

実習指導員の担当を変更

する場合の届出は不要。

4 技能実習を行わせる

事業所 × ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

【業務ごとの事業所の変

更】

必須業務・関連業務及び

周辺業務として記載してい

る具体的な業務ごとに記

載した事業所を変更する

場合は届出が必要。

5 月・時間数 ○ ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

・時間外労働等(時間外

労働や休日労働、深夜労

働)は原則として想定され

ていないが、やむを得ない

業務上の事情等により行う

場合には、実習時間数に

時間外労働等の労働時

間を含めて、変更認定又

は届出をすることが必要。

【月ごとの時間数の変更】

・月ごとの合計時間数を8

140

0時間以上延長する場合

には変更認定が必要(80

時間未満延長する場合に

は届出も不要)。

・月ごとの合計時間数を8

0時間以上短縮する場合

には届出が必要。

【業務ごとの時間数の変

更】

・必須業務・関連業務及

び周辺業務として記載して

いる具体的な業務ごとに

みて、合計時間数を予定

の 50%以上に相当する時

間数を変更する場合には

変更認定が必要。

・必須業務・関連業務及

び周辺業務として記載して

いる具体的な業務ごとに

みて、合計時間数を予定

の 25%以上 50%未満に

相当する時間数を変更す

る場合には届出が必要。

【年間の合計時間数の変

更】

・年間の合計時間数を予

定の 50%以上に相当する

時間数を変更する場合に

は変更認定が必要。

・年間の合計時間数を予

定の 25%以上 50%未満

に相当する時間数を変更

する場合には届出が必

要。

141

6 使用する素材、材料

等 × ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

7 使用する機械、器具

等 × ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

8 製品等の例 × ○

・実習実施予定表(省令様

式第1号第4~6面)の変更

箇所

・新規認定申請時に提出

した実習実施予定表の写

しに赤字で訂正したものを

添付書類として届け出るこ

とでも差し支えない。

142

第5節 機構による認定の実施(技能実習法第12条)

【関係規定】

(技能実習計画の認定)

法第12条 主務大臣は、外国人技能実習機構(以下この章において「機構」という。)に、第八条

第一項の認定(前条第一項の規定による変更の認定を含む。第四項において同じ。)に関する

事務(以下「認定事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。

2 主務大臣は、前項の規定により機構に認定事務の全部又は一部を行わせるときは、当該認定

事務の全部又は一部を行わないものとする。

3 機構が認定事務の全部又は一部を行う場合における第八条から前条までの規定の適用につい

ては、第八条第一項、第九条及び前条第一項の規定中「主務大臣」とあるのは、「機構」とす

る。

4 機構は、第八条第一項の認定を行ったときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に報告しなければ

ならない。

5 主務大臣が第一項の規定により機構に認定事務の全部又は一部を行わせるときは、申請者

は、第八条第五項(前条第二項において準用する場合を含む。)に規定する手数料を機構に納

付しなければならない。

6 前項の規定により機構に納付された手数料は、機構の収入とする。

7 主務大臣は、第一項の規定により機構に認定事務の全部若しくは一部を行わせることとすると

き、又は機構に行わせていた認定事務の全部若しくは一部を行わせないこととするときは、その

旨を公示しなければならない。

○ 技能実習計画の認定事務は、法第12条の規定に基づいてその全部を機構が行うこ

ととなっています。

○ 技能実習計画の認定に関する法の条文上で「主務大臣」が行うこととされているもの

も、この条の規定により「機構」が行うことと読み替えられています。

第6節 報告徴収等(技能実習法第13条・第14条)

【関係規定】

(報告徴収等)

法第13条 主務大臣は、この章(次節を除く。)の規定を施行するために必要な限度において、実

習実施者若しくは実習実施者であった者(以下この項及び次条第一項において「実習実施者

等」という。)、監理団体若しくは監理団体であった者(以下この項、次条第一項及び第三十五条

第一項において「監理団体等」という。)若しくは実習実施者等若しくは監理団体等の役員若しく

143

は職員(以下この項において「役職員」という。)若しくは役職員であった者(以下この項及び次条

第一項において「役職員等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、

若しくは実習実施者等若しくは役職員等に対し出頭を求め、又は当該主務大臣の職員に関係

者に対して質問させ、若しくは実習実施者等若しくは監理団体等に係る事業所その他技能実習

に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができ

る。

2 前項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該主務大臣の職員は、その身

分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(機構による事務の実施)

法第14条 主務大臣は、第十二条第一項の規定により機構に認定事務の全部又は一部を行わ

せるときは、この節の規定を施行するために必要な限度において、次に掲げる事務を機構に行

わせることができる。

一 実習実施者等若しくは監理団体等又は役職員等に対して必要な報告又は帳簿書類の提

出若しくは提示を求める事務

二 その職員をして、関係者に対して質問させ、又は実地に実習実施者等若しくは監理団体等

の設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させる事務

2 主務大臣は、前項の規定により機構に報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を求めさせ、

又は質問若しくは検査を行わせる場合には、機構に対し、必要な事項を示してこれを実施すべ

きことを指示するものとする。

3 機構は、前項の指示に従って第一項に規定する報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を

求め、又は質問若しくは検査を行ったときは、その結果を主務大臣に報告しなければならない。

○ 主務大臣である法務大臣と厚生労働大臣には、技能実習計画の認定に関する業務

について、実習実施者や監理団体等に対し、報告の徴収、帳簿書類の提出若しくは提

示の命令、出頭の命令、質問又は立入検査を行う権限が認められています。

○ 主務大臣が行う報告徴収等について、拒んだり、虚偽の回答を行ったりした場合など

には、技能実習計画の認定の取消事由となる(法第16条)ほか、罰則(30万円以下

の罰金)の対象ともなります(法第112条第1号)。

○ また、技能実習計画の認定に関する業務は、機構に行わせることとされているため、

機構においても、実習実施者や監理団体等に対し、報告や帳簿書類の提示を求める

ことや、質問すること、実習実施者又は監理団体等の設備や帳簿書類等を実地に検

査することが認められています。

144

○ この機構が行う実地検査等については、虚偽の回答を行ったりする等、一定の場合

に技能実習計画の認定の取消事由となる(法第16条)ほか、調査への協力が得られ

ない場合には、技能実習計画の認定に必要な情報が得られないため技能実習計画

が認定されないこととなります。

○ なお、機構は、監理団体に対して1年に1回程度の頻度、実習実施者に対して3年に

1回程度の頻度で定期的に実地検査を行うことを予定していますので、機構が行う検

査には積極的に協力し、自らが行う技能実習の内容が適正に行われていることを明ら

かにすることが求められます。

第7節 改善命令等(技能実習法第15条)

【関係規定】

(改善命令等)

法第15条 主務大臣は、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めると

き、又はこの法律その他出入国若しくは労働に関する法律若しくはこれらに基づく命令の規定に

違反した場合において、技能実習の適正な実施を確保するために必要があると認めるときは、

当該実習実施者に対し、期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることがで

きる。

2 主務大臣は、前項の規定による命令をした場合には、その旨を公示しなければならない。

○ 機構や主務大臣による調査等によって、実習実施者が認定計画に従って技能実習

を行わせていないことが判明したとき、技能実習法、出入国又は労働に関する法令等

に違反していることが判明したときであって、技能実習の適正な実施を確保するために

必要があると認めるときは、主務大臣が改善命令を行う場合があります。

○ この改善命令は、違反行為そのものについての是正を行うことはもとより、実習実施

者として、違反行為を起こすような管理体制や運営を行っていることそのものについて、

改善を行わせることを目的として発せられるものになります。実習実施者は、主務大臣

から、期限を定めて問題となっている事項の改善に必要な措置をとるよう命じられます

ので、期限内に命じられた事項について、改善措置を講じる必要があります。

改善命令に従わない場合や、改善措置を講じたとしても主務大臣から適切な措置

であると認められない場合には、技能実習計画の取消事由となる(法第16条)ほか、

罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象ともなります。(法第111条第

1号)

145

○ さらに、改善命令を受けた実習実施者は、改善命令を受けた旨を公示されることとな

りますので、不適正な受入れを行っていたことが周知の事実となります。

○ 改善命令を受けることのないよう、日常的に技能実習を適正に実施することが求めら

れます。

【留意事項】

○ 改善命令を受けた場合は、示された改善期日までに改善のために主務大臣が求めた措置

が講じられ、かつ、今後は法令違反を犯さないような体制に改善されたことを明らかにするた

め、改善命令に係る改善報告書を提出することが必要です。

○ 再度同様の法違反に及んだ場合にあっては、技能実習計画の認定の取消し等のより厳しい

措置の対象となり得ることから、改善した管理体制や運営を維持することが求められます。

第8節 認定の取消し等(技能実習法第16条)

【関係規定】

(認定の取消し等)

法第16条 主務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、実習認定を取り消すことができ

る。

一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき。

二 認定計画が第九条各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。

三 実習実施者が第十条各号のいずれかに該当することとなったとき。

四 第十三条第一項の規定による報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず、若しくは虚

偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による質問に対

して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若し

くは忌避したとき。

五 第十四条第一項の規定により機構が行う報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示の求め

に虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定により機構

の職員が行う質問に対して虚偽の答弁をしたとき。

六 前条第一項の規定による命令に違反したとき。

七 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

2 主務大臣は、前項の規定による実習認定の取消しをした場合には、その旨を公示しなければな

らない。

○ 一度認定された技能実習計画であっても、認定計画に従って技能実習を実施して

いない場合や、認定基準を満たさなくなった場合、実習実施者が欠格事由に該当す

ることとなった場合、主務大臣が行う立入検査を拒んだり妨害等した場合、改善命令

146

に違反した場合、入管法令や労働関係法令に違反した場合等には、認定の取消しの

対象となります。

○ 技能実習計画の認定が取り消されると、技能実習を行わせることができなくなり、現

在受け入れている技能実習生の受け入れも継続できなくなります。また、認定の取消

しを受けた旨が公示されることとなり、不適正な受入れを行っていることが周知の事実

となるほか、取消しの日から5年間は新たな技能実習計画の認定が受けられなくなりま

す(法第10条第6号)。

○ このように、技能実習計画の認定の取消しを受けると、それ以降一定期間は技能実

習制度に参画することが認められなくなるという厳しい制裁を受けることとなります。

【留意事項】

○ 技能実習計画の認定の取消しが行われた場合にあっては、原則として、対象となる実習実

施者に在籍する全ての技能実習生について、当該実習実施者の下では実習を継続すること

ができないこととなります。

そのため、技能実習生が円滑に転籍を行うことが可能となるよう、団体監理型技能実習の

場合は、実習監理を行う監理団体の協力を得て、在籍している技能実習生の転籍を行うこと

が必要です。

第9節 実施の届出(技能実習法第17条・第18条)

【関係規定】

(実施の届出)

法第17条 実習実施者は、技能実習を開始したときは、遅滞なく、開始した日その他主務省令で

定める事項を主務大臣に届け出なければならない。

(機構による届出の受理)

法第18条 主務大臣は、機構に、前条の規定による届出の受理に係る事務を行わせることができ

る。

2 主務大臣が前項の規定により機構に届出の受理に係る事務を行わせるときは、前条の規定に

よる届出をしようとする者は、同条の規定にかかわらず、機構に届け出なければならない。

3 機構は、前項の規定による届出を受理したときは、主務大臣にその旨を報告しなければならな

い。

4 主務大臣は、第一項の規定により機構に届出の受理に係る事務を行わせることとするとき、又

は機構に行わせていた届出の受理に係る事務を行わせないこととするときは、その旨を公示しな

ければならない。

147

(実施の届出)

規則第20条 法第十七条の届出は、別記様式第七号によるものとする。

2 法第十七条の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 届出者の氏名又は名称及び住所

二 技能実習計画の認定番号及び認定年月日

3 法務大臣及び厚生労働大臣(法第十八条第一項の規定により機構に法第十七条の届出の受

理に係る事務を行わせる場合にあっては機構)は、同条の届出を受理したときは、別記様式第

八号により、その旨を届出者に通知するものとする。

○ 実習実施者は、技能実習計画の認定を受けた後、技能実習を開始したときには、遅

滞なく、機構の地方事務所・支所の認定課に実習実施者届出書(省令様式第7号)を

提出しなければなりません。

○ この届出は、技能実習計画の認定を受けて技能実習を行わせる都度ではなく、当該

実習実施者において初めて技能実習計画の認定を受けて技能実習を開始したときの

み、届出を行うことで差し支えありません。

○ 届出が受理された場合には、実習実施者届出受理書(省令様式第8号)が交付され

ますが、この書類には、「実習実施者届出受理番号」が付されています。この番号は、

今後の申請で用いることになりますので、大切に保管してください。

第10節 技能実習実施困難時の届出等(技能実習法第19条)

【関係規定】

(技能実習を行わせることが困難となった場合の届出等)

法第19条 企業単独型実習実施者は、企業単独型技能実習を行わせることが困難となったとき

は、遅滞なく、企業単独型技能実習を行わせることが困難となった企業単独型技能実習生の氏

名、その企業単独型技能実習生の企業単独型技能実習の継続のための措置その他の主務省

令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。

2 団体監理型実習実施者は、団体監理型技能実習を行わせることが困難となったときは、遅滞

なく、団体監理型技能実習を行わせることが困難となった団体監理型技能実習生の氏名、その

団体監理型技能実習生の団体監理型技能実習の継続のための措置その他の主務省令で定め

る事項を実習監理を受ける監理団体に通知しなければならない。

3 第一項の規定による届出の受理に係る事務については、前条の規定を準用する。

148

(技能実習を行わせることが困難となった場合の届出等)

規則第21条 法第十九条第一項の届出は、別記様式第九号によるものとする。

2 法第十九条第一項及び第二項の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 届出者の実習実施者届出受理番号、氏名又は名称及び住所

二 技能実習計画の認定番号、認定年月日及び技能実習の区分

三 技能実習生の氏名、国籍、生年月日、年齢及び性別

四 技能実習を行わせることが困難となった事由並びにその発生時期及び原因

五 技能実習生の現状

六 技能実習の継続のための措置

○ 企業単独型実習実施者は、事業上・経営上の都合、技能実習生の病気や怪我(労

災を含む。)の事情等で技能実習を行わせることが困難となった場合には、機構の地

方事務所・支所の認定課に技能実習実施困難時届出書(省令様式第9号)を提出し

なければなりません。

○ 団体監理型実習実施者は、事業上・経営上の都合、技能実習生の病気や怪我(労

災を含む。)の事情等で技能実習を行わせることが困難となった場合には、監理団体

に通知しなければなりません。通知を受けた監理団体は、技能実習実施困難時届出

書(省令様式第18号)を対象の実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・

支所の認定課に提出しなければなりません(法第33条)。

○ 技能実習生が技能実習計画の満了前に途中で帰国することとなる場合(技能実習

計画上の技能実習期間を1日でも短縮する場合)には、技能実習生に対し、意に反し

て技能実習を中止して帰国する必要がないことの説明や帰国の意思確認を書面によ

り十分に行った上、技能実習生の帰国が決定した時点で帰国前に機構の地方事務

所・支所の認定課へ届け出なければなりません。これは、旧制度において技能実習生

の意に反して技能実習計画の満了前に帰国させるという事案が発生したことを受けた

ものです。

○ 受け入れている技能実習生が技能実習を継続したいとの希望を持っているかを確認

することが必要となります。継続の希望を持っている場合には、他の実習実施者や監

理団体等との連絡調整等の必要な措置を講じなければなりません(法第51条)。また、

次の実習先が確保されるまでの間の技能実習生の待遇がどのようになっているのかな

ど、技能実習生の現状を含めて届け出る必要があります。

149

○ なお、実習実施者や監理団体が責任を持って次の実習先を確保することが必要で

すが、機構が行う実習先変更支援のサービスを利用することも可能です。

【留意事項】

○ 技能実習生が失踪した場合について

技能実習生が失踪した場合についても、技能実習を行わせることが困難となった場合に該

当することから、機構への技能実習実施困難時届出が必要となります。なお、失踪した技能

実習生については、入管法上の在留資格の取消手続の対象となります。

○ 技能実習計画の認定の取消しがなされた場合について

既に行われている技能実習計画の認定が取り消された場合には、新たに技能実習を開始

することはできません。技能実習計画の認定は受けたものの、在留資格認定証明書が未だ

交付されていない、又は同証明書は交付されたが技能実習生が入国をしていない場合につ

いては、技能実習実施困難時届出書を提出することが必要となります。

第11節 帳簿の備付け(技能実習法第20条)

【関係規定】

(帳簿の備付け)

法第20条 実習実施者は、技能実習に関して、主務省令で定める帳簿書類を作成し、技能実習

を行わせる事業所に備えて置かなければならない。

(帳簿書類)

規則第22条 法第二十条の主務省令で定める帳簿書類は、次のとおりとする。

一 技能実習生の管理簿

二 認定計画の履行状況に係る管理簿

三 技能実習生に従事させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌

四 企業単独型実習実施者にあっては、入国前講習及び入国後講習の実施状況を記録した書

五 前各号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び

作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及

び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める書類

2 法第二十条の規定により前項の帳簿書類を技能実習を行わせる事業所に備えて置かなけれ

ばならない期間は、技能実習生が技能実習を終了した日から一年間とする。

○ 実習実施者は、次の帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなければなりません。

保管期間は、帳簿書類の基となる技能実習が終了した日から1年間です(技能実習

生が第2号までの3年間の実習を行った場合、第2号終了時から1年間、第1号開始

時からの帳簿を備えて置く必要があります。)。

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○ それぞれの帳簿書類に記載すべき最低限の事項は次のとおりです。

① 技能実習生の管理簿

・ 技能実習生の名簿(最低限の記載事項は次のとおり)

ア 氏名

イ 国籍(国又は地域)

ウ 生年月日

エ 性別

オ 在留資格

カ 在留期間

キ 在留期間の満了日

ク 在留カード番号

ケ 外国人雇用状況届出の届出日

コ 技能実習を実施している認定計画の認定番号

サ 技能実習を実施している認定計画の認定年月日

シ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の区分

ス 技能実習を実施している認定計画の技能実習の開始日

セ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の終了日

ソ 技能実習を実施している認定計画の変更認定に係る事項(変更の認定年月

日、変更事項)

タ 技能実習を実施している認定計画の変更届出に係る事項(変更の届出年月

日、変更事項)

チ 既に終了した認定計画に基づき在留していた際の前記オからキまでの事項

ツ 既に終了した認定計画に係る前記ケからタまでの事項

・ 技能実習生の履歴書(参考様式第1-3号)

・ 技能実習のための雇用契約書(参考様式第1-14号)

・ 雇用条件書(参考様式第1-15号)

・ 技能実習生の待遇に係る記載がされた書類(賃金台帳(労働基準法第108条)

等労働関係法令上必要とされる書類の備え付けにより対応可能)

② 認定計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-1号)

③ 技能実習生に従事させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日

誌(参考様式第4-2号)

④ 企業単独型実習実施者にあっては、入国前講習及び入国後講習の実施状況を

記録した書類(参考様式第4-3号及び4-4号)

○ また、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特有の事情を踏まえた告示を制

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定することが可能となっており、帳簿書類についても告示が定められることがあります。

今後この告示が定められた場合には、事業所管省庁、法務省、厚生労働省及び機構

の HP 等により周知していきます。

○ これらの帳簿書類は、機構が行う実地検査や主務大臣が行う立入検査の際にも提

示できるよう適切に作成して備えておく必要があります。

【留意事項】

○ 電磁的記録による帳簿書類の作成・保存について

書面に代えて電磁的記録により帳簿書類の作成・保存を行うことも認められています。この

場合には、以下の方法によることが必要となります。

・ 作成された電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は光ディスク等(CD―RO

M等で一定の事項を確実に記録しておくことができる物)をもって調製するファイルにより保

存する方法

・ 書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み

取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は光ディスク等をもって調

製するファイルにより保存する方法

また、書面によらず電磁的記録により帳簿書類の備付けを行う場合は、必要に応じ電磁的

記録に記録された事項を出力することにより、直ちに整然とした形式及び明瞭な状態で使用

に係る電子計算機その他の機器に表示し、書面を作成できるようにする必要があります。

第12節 実施状況報告(技能実習法第21条)

【関係規定】

(実施状況報告)

法第21条 実習実施者は、技能実習を行わせたときは、主務省令で定めるところにより、技能実

習の実施の状況に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。

2 前項の規定による報告書の受理に係る事務については、第十八条の規定を準用する。

(実施状況報告)

規則第23条 法第二十一条第一項の技能実習の実施の状況に関する報告書は、技能実習事業

年度ごとに、別記様式第十号により、技能実習の実施状況を記載し、翌技能実習事業年度の

五月三十一日までに提出するものとする。

2 団体監理型技能実習に係る前項の報告書の作成は、実習監理を受ける監理団体の指導に基

づいて行わなければならない。

○ 実習実施者は、毎年1回、実施状況報告書(省令様式第10号)を作成の上、管轄

する機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません。

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○ この実施状況報告書は、毎年4月1日から5月31日までに、直近の技能実習事業

年度(4月1日に始まり翌年3月31日に終わる技能実習に関する事業年度)に係る報

告書を提出することとされています。

○ したがって、例えば、7月1日から翌年6月30日までの1年間、技能実習生を受け入

れる場合には、7月1日から翌年3月31日までの実施状況について実施状況報告書

を作成し、翌年5月31日までに提出することとなります。なお、残りの翌年4月1日から

翌年6月30日までの実施状況については、次の技能実習事業年度分として翌々年の

4月1日から5月31日までに提出することとなります。

○ また、第3号技能実習を行わせている実習実施者又は規則第16条第2項(拡大人

数枠)の規定の適用を受けている実習実施者については、優良要件適合申告書(参

考様式第1-24号)のほか、規則第15条の基準を満たすことを明らかにする書類を添

付する必要があります。

【留意事項】

○ 行方不明者が多い実習実施者について

報告事項とされている行方不明者率が20%以上かつ3人以上の実習実施者については、

管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に対し、行方不明者の多発を防止するための実

効性のある対策を講じていることについて、理由書(様式自由)を提出することが必要となりま

す。

第13節 留意事項

第1 個人事業主が法人化する場合又は法人が個人事業主となる場合の手続等

○ 現に技能実習計画の認定を受けている個人事業主が法人化する場合又は法人が

個人事業主となる場合は、実習実施者の主体が変更されることになるから、新たな事

業組織による新規の技能実習計画の認定申請を行うことが必要です。実習実施者の

届出等の他の手続についても同様の考え方となります。

第2 個人事業主が死亡した場合の手続等

○ 個人事業主が死亡した場合には、実習認定を受けた技能実習計画の効果は当然に

終了します。団体監理型技能実習の場合、死亡を把握した実習実施者を実習監理す

る監理団体は、遅滞なく実習実施困難時届出書を機構の地方事務所・支所の認定課

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に提出することが必要です。

○ ただし、死亡の日から10日以内に死亡を理由とした実習実施困難時届出書が提出

された場合は、死亡の日から1か月間は、監理団体の指導の下、技能実習責任者等

の責任において技能実習の継続が可能となります。

○ この場合において、引き続き技能実習を行わせようとする者からの新規の技能実習

計画の認定申請が行われた場合には、技能実習計画の認定の許否が通知される日

まで監理団体の指導の下、技能実習責任者等の責任において技能実習の継続が認

められます。

第3 法人の合併等をする場合の手続等

○ 法人の合併等に際し、消滅する法人(以下「消滅法人」という。)が実習認定を受け

た技能実習計画に基づき技能実習を行わせており、当該消滅法人の事業所において、

合併後存続する法人(以下「存続法人」という。)又は合併により新たに設立される法

人(以下「新設法人」という。)が引き続き技能実習を行わせようとする場合等には、以

下のとおり取り扱うこととします。

① 吸収合併の場合の取扱い

A 新規に技能実習計画の認定申請を要する場合

合併前に存続法人が技能実習計画の認定を受けておらず、かつ、消滅法人が

認定を受けている場合であって、合併後に存続法人が技能実習を行わせようと

するときは、新規技能実習計画の認定申請が必要となります。この場合、実習認

定を受けた技能実習計画に基づいた技能実習を行わせる期間に空白が生じるこ

とを避けるため、技能実習計画の認定申請に当たっては、例えば合併を議決した

総会議事録等により合併が確実に行われることを確認することにより、合併と同日

付けで実習認定を受けることが可能となるよう、存続法人において事前に技能実

習計画の認定申請を行うこととなります。

その際、合併により、事業開始予定日まで又は事業開始予定日付けで、法人

の名称、住所、代表者、役員、技能実習責任者が変更するときであって、これら

について、技能実習計画の認定申請時に合併を議決した総会議事録等により当

該変更が確認できるときは、技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)におい

ては、変更後のものを記載し、変更後直ちに、その内容に違いがない旨の報告が

必要となります。

合併後の法人に係る技能実習計画の認定申請を合併前の法人に行わせるも

のであるため、通常の技能実習計画の認定手続に必要な関係書類のほか、原則

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として、以下の書類を提出することが必要となります。

・ 合併の経緯、合併後の法人及び技能実習を行わせる事業所の概要

・ 関係法人の総会議事録(合併を議決したもの)

・ 社会・労働保険等合併後に提出すべき書類

・ 存続する法人及び消滅する法人の最近の事業年度における貸借対照表等

また、認定基準のうち実習実施者の技能実習を継続して行わせる体制(財産

的基礎)に関する要件は、原則として、存続する法人の貸借対照表等により確認

することとなりますが、合併により存続する法人の資産状況が大きく毀損するおそ

れがある場合(消滅する法人の最近の事業年度の決算において、多額の負債が

確認できる場合など)にあっては、申請者から合併後も技能実習を継続して行わ

せる体制(財産的基礎)に関する要件を満たしていることを疎明してください。

B 新規に技能実習計画の認定申請を要しない場合

合併前に存続法人が実習認定を受けている場合であって、合併後に存続法

人が技能実習を行わせようとするときは、新規の技能実習計画の認定申請を行

う必要はありませんが、合併により法人の名称等に変更がある場合には、変更の

届出を行うことが必要です。

② 新規合併の場合の取扱い

新設合併の場合(合併する法人が全て解散し、それと同時に新設法人が成立す

る場合)には、合併後に新設法人が技能実習を行わせようとするときは、新規の技

能実習計画の認定申請が必要となります。

この場合、吸収合併の場合の取扱いと同様の手続により事前に技能実習計画の

認定申請を行うこととして差し支えありませんが、申請時には新設法人の主体はな

いため、特例的に合併後の予定に基づいて申請書等を記載するものとし、新設法人

の成立後直ちに、その内容に違いがない旨を報告することが必要です。

なお、全ての消滅法人が合併前に実習認定を受けており、かつ、当該消滅法人

の事業所において、合併後に新設法人が引き続き技能実習を行わせようとするとき

であっても、技能実習を継続して行わせる体制(財産的基礎)に関する判断に係る

認定基準については、通常どおり取り扱うこととなります。

③ 吸収分割等の場合の取扱い

既に存在する他の法人に分割する法人の営業を継承させる吸収分割の場合又

は新設する法人に分割する営業を継承させる新設分割の場合には、吸収合併の場

合の取扱いに準じて対応することとなります。

なお、分割する法人について事業所数等が変更したときは、変更の届出を行うこ

とが必要です。

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