第5学年 算数科学習指導案 - center.spec.ed.jp · -30-7 資料(実践例指導案)...

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- 30 - 資料(実践例指導案) 第5学年 算数科学習指導案 単元名 小数のわり算 単元の目標 ○除数が小数の場合の除法の意味とその計算の仕方について理解し それを用いる能力を高める また,計算法則は数範囲が小数の場合でも成り立つことを理解する。 (1) 算数への関心・意欲・態度 ・除数が小数の場合でも,既習の整数の計算の数量関係などをもとにして,除法の式に表そう とする。 (2) 数学的な考え方 ・整数の除法計算と関連付けて,除数が小数の除法の計算の仕方を考える。 (3) 数量や図形についての表現・処理 ・除数が小数の除法の計算をすることができる。 (4) 数量や図形についての知識・理解 ・除数が小数の除法の意味やその計算の仕方を理解する。 単元について (1) 教材について 本単元は,除数が小数の場合の除法の意味やその計算の仕方について理解し,それらを用いる能 力を伸ばすことが主なねらいである。 学習指導要領解説をもとに本単元では次の3点を重点化し,基礎・基本とした。 除数が小数の場合の除法の意味について 「小数の除法」の意味理解の前段階として 「小数の乗法」の意味理解が必要である。 乗法について,第2学年の「かけ算」では, (1つ分の大きさ)×(いくつ分)=(全体の大きさ) という形でまとめている。しかし,数の概念が整数から小数へと拡張することを通して, つ分 1 の大きさやいくつ分が小数の場合を求める場面も生じるので,乗法の意味を拡張する。その際の 乗法の意味付けには 「公式を利用する」立場と「割合の考えを用いる」立場に大別できる。公 式を利用する方法はこれまで用いてきた式を小数の場合にまで一般化しようとする考えであり, 小数を整数と同じ数として統一的に見させるところに利点がある。反面,形式的に数値をあては ○小数をかけることを基にした小数でわることの意味理解 ○小数のわり算の計算の仕方の理解(計算のきまりの重点化) ○小数のわり算の筆算を確実にできること 算数

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- 30 -

7 資料(実践例指導案)

第5学年 算数科学習指導案

1 単元名 小数のわり算

2 単元の目標

, 。○除数が小数の場合の除法の意味とその計算の仕方について理解し それを用いる能力を高める

また,計算法則は数範囲が小数の場合でも成り立つことを理解する。

(1) 算数への関心・意欲・態度

・除数が小数の場合でも,既習の整数の計算の数量関係などをもとにして,除法の式に表そう

とする。

(2) 数学的な考え方

・整数の除法計算と関連付けて,除数が小数の除法の計算の仕方を考える。

(3) 数量や図形についての表現・処理

・除数が小数の除法の計算をすることができる。

(4) 数量や図形についての知識・理解

・除数が小数の除法の意味やその計算の仕方を理解する。

3 単元について

(1) 教材について

本単元は,除数が小数の場合の除法の意味やその計算の仕方について理解し,それらを用いる能

力を伸ばすことが主なねらいである。

学習指導要領解説をもとに本単元では次の3点を重点化し,基礎・基本とした。

① 除数が小数の場合の除法の意味について

「小数の除法」の意味理解の前段階として 「小数の乗法」の意味理解が必要である。,

乗法について,第2学年の「かけ算」では,

(1つ分の大きさ)×(いくつ分)=(全体の大きさ)

という形でまとめている。しかし,数の概念が整数から小数へと拡張することを通して, つ分1の大きさやいくつ分が小数の場合を求める場面も生じるので,乗法の意味を拡張する。その際の

乗法の意味付けには 「公式を利用する」立場と「割合の考えを用いる」立場に大別できる。公,

式を利用する方法はこれまで用いてきた式を小数の場合にまで一般化しようとする考えであり,

小数を整数と同じ数として統一的に見させるところに利点がある。反面,形式的に数値をあては

○小数をかけることを基にした小数でわることの意味理解

○小数のわり算の計算の仕方の理解(計算のきまりの重点化)

○小数のわり算の筆算を確実にできること

算数

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めてることになり,意味を拡張したことがとらえにくい。一方,割合の考えについては,これま

での(いくつ分)の考えを含めた形で

(基準にする大きさ)×(割合)=(割合にあたる大きさ)

というように思考を進められ,これまで用いてきた乗法の意味を広げる場面を経験できるという

利点がある。また,特に公式を学習していない乗法を用いる様々な場面で広く活用できるよさも

2つの数量の間には比例関係があり,同じ形式で処理し表現しようといある。いずれにしても,

が基本となっている。う考え

一方,除法の意味については,第3学年で包含除と等分除の2つの場合について学習した。こ

れらは除数が整数で被除数が除数より大きい場合は成り立つものの,除数が小数になった場合や

被除数が除数より小さい数になった場合には,考えが進められない。そこで,小数による除法の

意味が整数の場合を含むように定める必要が生じるが,乗法の逆算としての除法を学習している

ことや前単元で乗法の意味を×小数にまで拡張していることから,基準にする大きさを ,割合Bを ,割合にあたる大きさを とすると, よりp A A B p= ×

求めることができる。割合 を ÷ で, を ÷ でp A B B A p

② 計算の仕方について

意味の拡張を前提に立式ができると,次の段階として「小数でわる」場面の計算の仕方を考え

ることになる。その際に,既習内容の中から何が使えるのかを児童が自ら考え選び出すことが必

要であり,この学習場面こそが数学的な考え方が生きてはたらく場である。

例えば, ÷ の場面で7.8 6.5は,主に〔単位のいくつ分の考

え〕と〔計算のきまり〕が考え

られる。どちらとも既習の整数

÷整数に帰着することで,新し

い計算の仕方を自ら考え出せ

る。ただし,第 学年の「分数6÷分数」の計算の仕方を考える

場面では,単位の考えよりも計

算のきまりが有効にはたらくこ

とが多いので,これを見通して

教材を捉えていく。

③ 計算技能について

「教計算技能の習得はこの後の学習を円滑に進めるためにはその定着が不可欠である。また,

からも,基本的な計算技能の習得は,重要事項である。特育に関する3つの達成目標」との関連

に,整数および小数の計算の習熟に十分に時間を充てるという取組が授業の中でできるのは,小

学校6年間の中で本単元が最後である。全ての児童が,必要に応じて筆算を用いて,その計算が

確実にできるように計画的に指導を進めるようにする。

算数

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- 32 -算数

(2) 児童観

① 情意面について

本学年の児童は各教科とも意欲的に学習して

いる。算数の授業にも積極的に取り組む児童が

多く,1学期に実施した学習アンケートでは,

約 %の児童が「とてもすき 「まあすき」と70 」

答えている。その主な理由の中では,算数の学

習について「解き方を工夫して考えることが好

きだと感じる」については約 % 「問題を解80 ,

く方法をなるほど,すごいと感じる」について

は %以上の児童が「よくある 「時々ある」90 」

と答えている。算数の内容的なおもしろさに興

味を寄せている児童も増えてきていて,本学年

の児童の情意面は概ね良好であるといえるが,

それを支えているのがコース別学習の継続的な

実践と考えている (第3学年3単元,第4学。

年 単元,第5学年7単元で実施)10

② 認知面について

今年度の入間地区の算数数学学力調査の結果を見ると,本

学年の児童は,基礎的な内容を問う問題の正答率は,ほぼ全

問で地区平均を上回っており,数値の上では伸びている傾向

が見られる。このような児童の伸びの背景には,毎時間の自

力解決を大切にした授業があると考えている。すなわち,問

題解決型の授業を基本とし,新しい学習内容を既習事項と関

連付けて考える学習を継続的に行うことが,児童一人一人の

考える力を伸ばし,自信をつけることにつながると考えてい

る。

また,同調査の結果について,

特にこれまで学習が遅れがちだっ

た児童について考察すると,右の

ようになる。2年前4月の学校研

究を始めた段階では,8名の児童

の正答率が %以下であり,全60体の約2割の児童が学習内容をよ

く理解できていないという結果で

あった。

算数の学習についての好き嫌い(現5年生)

8

16

2123

27

23 24

13

10

14 10

11

14

7

14

13

66

2 5

101

21 2 0 1

41 0 0 1

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

3年4月 3年7月 3年12月 3年3月 4年7月 4年12月 5年7月

とてもすき まあすき どちらでもない まあきらい とてもきらい

入間地区平均点との比較(現5年生・4年間)

74

77

72

78

74

78 78

89

65

70

75

80

85

90

H14 H15 H16 H17

入間

本校

平成15年度60点以下だった児童(全員)の得点〔現5年生〕

12

3236

40 4048

525656

52

36 36

60

76

28

12

56

7680 80

8480

88

72

52

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

A B C D E F G H I

H15

H16

H17

単位:点

単位:点

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- 33 -算数

( 児は平成 年度欠席, 児は平成 年度に転入)しかし,自分に合った学習コースを選択A 16 I 16できる授業をきっかけにして,児童の学習への取組に変化が生まれ,多少困難であってもあきら

めず努力する児童の様子が見られるようになった。

しかしながら,一人一人の児童をさらに細かく見ると,集中力が持続せず,重要な場面で理解

力を伸ばせない児童や,学習意欲に波があったり前向きに取り組めない傾向のある児童も依然と

して含まれており,算数学習についての課題は山積している。

(3) 指導観

小学校学習指導要領解説 算数編(平成 年5月 文部省)の中では,11

と述べられている。言葉の式のみを手がかりに形式的に立式するのでは 「小数でわる」ことの意,

既に学習したことと結び付けて,味理解には至らないと解釈できる。また,本校の算数指導は,

という基本「なぜそうなるのかを児童一人一人が本心から納得できた上での理解を大切にしよう」

的な方針がある。この考えをもとに,今年度の本単元の実践では,既習の計算学習との関連付けを

重点化して指導し,児童一人一人の理解を深めていきたいと考える。

本学年の児童は,第3学年の時から問題解決の手がかりとして数直線対応図を継続的に用いてい

るので,本単元でも意味理解や計算の仕方を考える際に積極的に用いさせていくことが効果的であ

ると考える。

, ,本単元では小数の乗除計算の意味をいかに進めるかが重要であるが よりよく理解するためには

その学習によって新たにどんなことができるようになったのかを明らかにすることが必要である。

例えば,乗法の意味の拡張については,次のようになる 〔 が新たに計算できるようになった。

範囲(小数 〕)

( つ分の大きさ)×(いくつ分)=(全体の大きさ)の( つ分)の大きさが小数となる場面1 1にも乗法が拡張され,その計算の結果も小数となった。しかし,言葉の式についての変更は必要な

除数が小数の場合には,基準にする大きさを求めるという見方に難しさがある。このこと

については,公式や言葉の式だけでなく,数直線や図などを用いたり,具体的な場面にあて

はめて調べたりする活動を行うことが大切である。また,はじめに乗法の式で表してから,

除法で求めるという考えを用いることも大切である。

○数直線対応図を活用し,小数の乗除計算の意味を拡張して何ができるようになったのか

を明らかにする

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- 34 -算数

1mい その後 小数のかけ算 で児童は いくつ分 に当たる大きさが小数となる場面を学習し。 「 」 ,( ) ,

2.3kg 2.8m 2.8mの重さが のパイプが のときの重さを求めることができるようになった このとき。

だから の 倍になるという見方に加えて, を と見ると にあたる大きさ(割合)を1m 2.8 2.3 1 2.8求めていると乗法の意味を拡張する。これは,

(基準にする大きさ)×(割合)=(割合にあたる大きさ)

という考えであり,比例関係がある場合にはいつも成り立つ「割合の考え」である。ここでは公式

として用いさせるのではなく,数量関係に成り立つ見方として取り入れる。

次に,比較的理解が容易とされている包含除の意味の拡張については,次のようである。

20m 8m倍の見方とは,いくつ分に当たるかということであり,倍の意味の拡張については「 は

の 倍である」という形で 学期に学習している。また,前単元では,1より小さい場合の小数2.5 1倍に拡張し, 倍などの見方をする。本単元後半の小数倍では,基準量,比較量,割合がともに0.8小数の場合にまで拡張する。いずれの場合においても,

(基準にする大きさ)×(割合)=(割合にあたる大きさ)

という乗法の式をもとに 「割合の考え」をすることで,既習事項と関係付けながら理解できると,

考える。

最後に,等分除の意味の拡張については,次のようである。

第3学年では,操作活動を含めて等分除の意味理解を進めたが,最終的には ×□= のよう3 12に の段の九九を用いて答えを求めることができることから,数の操作の上では包含除と同じ構造3になっていることを学習している。

第5学年第1学期では,被除数が小数の場合を扱ったが,この場面でも を 等分するこ12.3kg 3とは可能であり,意味の拡張も容易であった。本単元では,基準量,比較量,割合がともに小数の

場合にまで拡張する。ここでは, 等分するということでは意味が通らなくなる。そこで,6.5(基準にする大きさ)×(割合)=(割合にあたる大きさ)

という乗法の式をもとに 「割合の考え」をする。そして,未知数□を求めるために,乗法の逆算,

である除法を用いるというように,既習事項と関係付けることでよりよく理解できると考える。

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- 35 -算数

以上のことから,これまでの学習では限られていた乗除法の範囲を本単元の意味理解を「割合の

見方」によって拡張し,小数と整数を用いてのあらゆる数での立式が可能になったことに着目させ

たい。

(4) 教材の関連と発展

第4学年 第5学年 第6学年

⑥小数 ①小数と整数のしくみ ⑥分数のかけ算とわり算(1)

○小数の意味と表し方の理解 ○小数の位取りの原理, ○分数の乗除計算の意味理

○小数の加法・減法の意味理 小数の構成についての 解と活用

解 理解

③わり算の筆算(1) ②小数のかけ算とわり算 ⑦分数のかけ算とわり算(2)

○整数の除法の理解 ○小数の乗法・除法につ ○分数の乗除計算の意味理

いての意味理解と活用 解と活用

○小数倍

⑨わり算の筆算(2)

○除数が2位数のわり算の計 ⑦小数のかけ算

算の仕方および筆算の仕方 ○小数の乗法についての

○被除数,除数を双方丸め, 意味理解と活用

概数で表す方法 ○小数倍

○除法について成り立つ性質

(わり算のきまり) ⑧小数のわり算

○小数の除法についての

意味理解と活用

○小数倍

⑭百分率とグラフ (割合)

○割合の考え方

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- 36 -算数

(5) 本単元の評価規準

数量や図形についての表現・処理 数量や図形についての知識・理解算数への関心・意欲・態度 数学的な考え方

小数の除法のお ・除数が小数の場合で ・除数が小数の除法の計 ・除数が・整数の除法計算と関

も,既習の整数の計 小 算ができる。 仕お 連付けて,除数が 意味やその計算の

算の数量関係等をも 数の除法の計算の仕 方を理解している。む

とにし,除法の式に 方を考えることがでね

表して考えようとす きる。満

る。足

→除数が小数になっ →「算数コーナー」に →乗法の式から除法の →図で考えたり,具体努

た場合等わり算の 既習の計算を掲示し 式に変形できない児 物を操作したりしな力

意味を拡張すると ておき,計算のきま 童には,整数のかけ がら,場面の意味をを ,

何が新しくできる りを使えるようにさ 算やわり算の式を提 理解させたり,見積要

ようになったかに せる。 示して答えを導くよ りを立てやすくしたす

ついてくり返し触 うにさせる。 りする。る

れ,意識させるよ →乗法九九が不十分な →一度乗法で表してか児

うする。 児童には半九九表を ら除法に変形し,2童

用いさせる。 つの演算が結び付くへ

ようにさせる。

・小数の除法の計算 ・除数を整数にして計 ・整数や小数を小数で ・小数でわる意味を理具

の仕方を,整数の 算の仕方を考えるこ わる計算ができる。 解している。体

除法や小数の乗法 とができる。 ⑥⑨⑩⑪⑫⑬⑭ ②⑦の

の計算と関連付け ③④⑪ ・整数(小数)÷小数評

て考えようとする ・数直線や小数点に着 の計算の仕方を理解価 。

②④ 目して,被除数・除 している。規

数と商・あまりの関 ③⑤準

係を考えることがで

きる。

⑦⑧

※②~⑭は,基礎・習熟コースの指導計画の中の評価規準

〔参考資料〕

評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参考資料(国立教育政策研究所)

埼玉県小学校教育課程評価資料(埼玉県教育委員会)

市小学校教育課程評価資料(市教育委員会)

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- 37 -算数

4 指導計画(15時間扱い)

時 目 標 学 習 活 動 おもな評価規準

○コース別学習の準備 ・前単元までの計算領域の学習についての理解度1

を行い,自分に合っ を知るため,チェックテストを行う。

たコースを選択する。

・コースガイダンスを聞き,学習コースを自己決定

する。

これ以降はコース別学習(本単元は理解・習熟度別)

目標の印…☆は補充的な学習 ○は基礎・基本 ●は教科書の範囲 ★は発展的な学習

じっくり/コース ばっちり/コース ぐんぐん/コース

(補充・復習) (基礎・習熟) (発展・拡充)

○除数が小数の場合の除法の意味とその計算の仕方について理解し,それを用いる能力を高め評

ようとする。価

○小数でわることの意味について2 ☆補充,復習 ○小数でわることの意味を理解

理解し,その計算の仕方を考わり算のきまり する。

える。2 3 1 2 2.5 200, 位数÷ , 位数の □× =

200 6.5 7.8筆算 □= □× =÷ 2.57.8 6.5小数÷整数の筆算 □= ÷

○小数でわることの意味と,整 ○ の位までの小数の除法の3 10○整数÷小数(1/ の位ま 1/10

数 小数( の位まで)の 筆算の仕方を計算のきまりと関÷ 1/10 で の計算の仕方を理解する) 。

計算の仕方を理解する。 ÷ 連付けて考え,その計算ができ200 2.5る。□× =2.5 200

200 2.5□= ÷

○ の位までの小数の除法の4 200 2.5 10○ ÷ の計算の仕方を ○1/ の位までの小数どう 1/10

計算に習熟する。(商が純小数まとめ,整数÷小数の計算 しの除法の計算の仕方を理解

や,被除数に を補う場合も含ができる。 し,その計算ができる。 0

めて)□× =6.5 7.8□= ○小数の除法の計算に習熟す7.8 6.5÷

る。

○小数でわることの意味につい ○純小数でわると,商は被除数よ5 10○1/ の位までの小数どう

て理解し,その計算の仕方 り大きくなることを理解する。しの除法の筆算の仕方を理解

し,その計算ができる。を考える。

7.8 6.5□× =6.5 7.8 ÷

7.8 6.5□= ÷

観点①小数のかけ算の意味

観点②計算の仕方

観点③整数÷整数,小数÷整数のわり算の

筆算の技能

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- 38 -算数

○ の位までの小数の除法 ○小数の除法におけるあまりの位6 1/10 ○小数のわり算の計算に習熟す

の筆算の仕方を計算のきまり 取りについて理解する。る (商が純小数や,被除数。

に0を補う場合等)と関連付けて考え,その計算

7.8 6.5 8 3.5 .8 2.4ができる。( ÷ ) ÷ ÷2. 18 2.5÷

○ の位までの小数の除法 ●小数の除法の答えを概数で表7 1/10 ○純小数でわると,商は被除数

の計算に習熟する。(商が純 すときの処理の仕方を理解すより大きくなることを理解す

小数や,被除数に を補う場 る。0 る。

1.2合も含めて) ÷□× =1.2 240 2400.8 240 0.8○小数の除法の計算に習熟す □× = ÷240

る。

小数の除法の計算に習熟す ★桁数の増えた小数の除法に挑8 ○ ○小数の除法におけるあまりの

る。 戦する。(基礎・基本について位取りについて理解する。

×□= の理解を深める。)0.7 2.50.7□= 2.5 ÷

★明治の教科書の中の加減乗除9 ○純小数でわると,商は被除 ○あまりのある小数の除法の計

の混じった計算に挑戦する。数より大きくなることを理解す 算に習熟する。

(基礎・基本についての理解をる。 ( ÷ )240 0.8深める。)

小数の除法の計算に習熟す ★ステビンの小数の乗除計算(ガ10 ○ ●小数の除法の答えを概数で表

る。 レー法との関連/学ぶ楽しさをすときの処理の仕方を理解す

□× = 味わう)る。 1.4 2.6.6 1.4□= 2 ÷

★桁数の増えた小数のわり算に ★不思議な小数の計算に挑戦11 ○小数の除法におけるあまりの挑戦する。(基礎・基本につい し,自分でも作ってみる。(基礎本 位取りについて理解する。

ての理解を深める。) ・基本についての理解を深め時

る。)3.822 ÷ 1.82○ ○比較量,基準量が小数のとき12 小数の除法の計算に習熟す ○比較量・基準量が小数のとき

も,何倍かは除法で求められるる。(あまりのあるものを含む) も,何倍かは除法で求められる

ことを理解する。ことを理解する。

2.4 2.43.6 1.8÷ ÷

○比較量,基準量が小数のと ○倍を表す数が小数のときも,基13 ○倍を表す数が小数のときも,基

きも,何倍かは除法で求めら 準量は比較量 倍で求められ準量は比較量÷倍で求められ ÷

れることを理解する。 ることを理解する。ることを理解する。

1.8 630□× =

1.8□= 630÷○割合の 用法についての文章 ○割合の 用法についての文章14 3 3○倍を表す数が小数のときも,

問題を解決する。 問題を解決する。基準量は比較量 倍で求め÷

られることを理解する。

○評価問題を行う。 ・これまでの学習内容を確認する。15

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- 39 -算数

5 本時の学習

〔じっくり計算カンペキコース 11/15〕

(1) 本時のねらい

本コースの児童は,整数の乗法だけでなく除法にも時間がかかる。除数が1位数の場合の筆算

の計算技能については,ある程度定着しているが,除数が2位数となると古い形式の筆算で時間

をかけて計算する傾向が見られる。そこで本単元では,補充・復習をしてから小数の除法の学習

に入り,習熟の時間を計画的に設けながら進めてきた。

本時では,あまりのある除法に挑戦する。小数点の移動について形式的に指導し,覚えさせる

のではなく,商や除数との関係に気付かせていく。試行錯誤しながらでもあまりをどう処理した

らいいか,適切なあまりの処理の仕方について,自分たちで見付けられるかどうかがポイントで

ある。

(2) 目標

・あまりのある場合の小数の除法計算ができる (表現・処理)。

・あまりの大きさを今までの学習をもとに考えている (数学的な考え方)。

(3) 展開

過 学習活動(○)および主な発問,予想される児童の反応 指導上の留意点(※)および 時

程 評価(□) 間

○問題を知り,課題を把握する。

※具体物を提示した後に問題

文を掲示する。問

5理

今日はあまりが出る問題です。あまりはどんな数になるか。ま ※分かっていることは何か,聞解 Tた,どうすればあまりが正確に出せるかいろいろな方法で調べ かれていることは何かについ

ましょう。 てきちんと把握させる。

解 ○解決の計画を立てる。 ※解決の計画が立たない児童

決 では,計画を立てて実行してみましょう。 には,前時までの学習を想TC1 3の 起させる。図

数直線 □図や数直線を使って問題を計 C2筆算 解決しようとしている。画 C3

(問題)

リットルのジュースを リットル入りの水とうに入れてい2.5 0.7きます。何個の水とうをいっぱいにできますか。また、何リット

ルあまりますか。

(課題)

小数÷小数の計算のあまりについて考えよう。

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- 40 -算数

○自分の立てた計画に沿って,問題を解決する。

※タイプ別の対応

15

○考えを発表し,話し合う。 ※それぞれの考えの良い点を

友達の発表を聞いて同じ所や違うところは,ありますか。 認める。T

図で考えるC1

あまり ㍑0.7 0.40.7

タイプ③C数直線が書けない

→ 図に切り替えて考えさ

せる。

タイプ②C数直線は書いたが、数字

の記入場所が違っている。

→問題の構造をよく把握

させ、再度書かせる。

タイプAすぐに図を書き、2つ目

の方法を考えている。→

計算ではあまりをどう処

理したらいいか考えさせ

る。

タイプ①C÷ ができない2.5 0.7

→かけ算をもとに考えさ

せる。

式で考え筆算で答えを出すC42.5 0.7 3 0.4÷ = あまり

倍して25÷7=3あまり410

筆算で答えを出すC53

0.7 ) 2.5

2 1

単位をかえて考えるC31リットル= デシリットル。10リットルは、25デシリットルなので2.5

25÷7=3あまり4

あまりが、 デシリットルとは、 リットル4 0.4

タイプ④C問題の意味が理解できない

→実際の容器を用意して

リットルずつ分けることを0.7図にかいて考えさせる。

数直線の式からからたしかめの式で考えるC62.5 0.7 3 0.4÷ = あまり

0.7 3 2.1× =

2.1 0.4 2.5+ =

数直線で考えるC2

0.7 2.5×□=

2.5 0.7□= ÷(個)0 1

(ℓ)0 0.7 2.5

×□

もと

×□

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- 41 -算数

と はあまりが0.4だけど, と は,あまりが4になC C1 C3 C4 C5っている。解

は,とてもよくわかる。だから,あまりは かな。 ※かけ算の式は,わり算の逆算決 C C1 0.4は,いつも使っている数直線で,式がかけ算の式から,わ であることを知り,大切であの C C2

り算の式を書いている。でも最後まで出していない。 り,いつでも使えるようにして検

本当は,あまりはいくつなのでしょうか。 おく。討 T4というのは4デシリットルだから . リットルC 0 4わられる数やわる数より大きいのはおかしい。 ※ は が4つをとらえさC 0.4 0.1

C 154というのは図でいうと,4めもりなので0.1が4つ,だから0.4 せる。

4つとも0.1がいくつと考えると同じ。 □あまりはわる数より小さくなっTあまりは,0.4が正しいね。 ていることに気付いている。

のやり方を見てみましょう。かけ算を使っています。こうす ※あまりとわる数の大きさに着T C6ればぜったいまちがえないね。 目させる。

いろいろな方法であまりに気をつけられましたね。では,いつ □計算のきまりを使って商を求Tでもまちがわずにできる方法は,どれでしょう。 められる。

計算のきまりを使って,整数と同じように計算してあまりがある □たしかめ算をすると,あまりのCときは,わる数より小さくなっているか確かめる。 大きさがはっきりすることを理

たしかめ算をすると,あまりがはっきりする。 解する。Cでは,実際に分けてみましょう。 ※あまりが になることを操T 0.4

作を通して確認させる。

○本時の学習をまとめる。

今日の学習でわかったことをまとめましょう。 □きちんと自分の言葉でまとめT5ま られている。

ふ ※本時の自分の学習状況につ○本時の学習をふり返る。

T 2り いて,自己評価する。「 」 。ふり返りカード に今日の学習のことを書きましょう

(4) 評価

・あまりのある場合の小数の除法計算ができたか (表現・処理)。

・あまりの大きさを今までの学習をもとに考えてられたか (数学的な考え方)。

(まとめ)

・あまりは、わる数よりも小さくなっている。

・たしかめ算をするとあまりの大きさがはっきりする。

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- 42 -算数

〔ばっちり小数点わくわくコース(基礎・習熟)11/15〕

(1) 本時のポイント

本コースの児童は、教科書を中心とする課題に取り組んできた。整数の除法においては、除数

が2位数の場合でも比較的自信をもって解決でき、基本的な計算技能は身に付いてきている。本

単元でも、小数の除法の計算の仕方を「計算のきまり」を使って見付け出したり、除数が小数の

場合の計算技能を習熟の時間を取り入れて高めたりしながら学習を進めてきた。本時では、小数

点の位置に着目し 「計算のきまり」を使って小数点を移動させて整数化し、既習の計算と結び、

付けて商を求めることができるかがポイントとなる。

(2) 目標

・桁数の増えた小数のわり算の仕方を考えることができる (数学的な考え方)。

・桁数の増えた小数のわり算ができる。(表現・処理)

(3) 展開

過 学習活動(○)および主な発問,予想される児童の反応 指導上の留意点(※)および 時

程 評価(□) 間

○問題を知り,課題を把握する。

1000 5問 ※1/ の位の小数を扱

題 うことと,小数点以下の桁

の 数が両方でちがったわり算

理 T 今まで学習したわり算と,どこがちがいますか。 になることを捉えさせる。

解 C けた数が増えている。

C 小数第2位と第3位まで出てきている。

C 1/ の位の小数と1/ の位の小数が一つの式100 1000に入っているわり算。

T このわり算も,今まで学習したわり算をもとにして計算

できそうですか。では,やってみましょう。

解 ○問題を考える手順や方法を考える。 ※解決の計画が立たない児童

決 T 計画を立てて,考えましょう。 には,既習のわり算を想起

の C1 前に学習したように,計算のきまりを使って答えを出 させる。

3計 す。

画 わられる数とわる数を100倍して筆算する。C2

わられる数とわる数を1000倍して筆算する。C3

(問題) 昭和の教科書に挑戦しよう。

÷ の計算の仕方を考えましょう。3.822 1.82

(課題)

小数点以下のけた数の増えたわり算の計算の仕方を考えよう。

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- 43 -算数

○自分の立てた計画に沿って,問題を解決する。 ※つまずいている児童には,

17計 タイプ別の対応

桁数の増えた小数のわり算□

ができたか。

15解 ○考えを発表し,話し合う。

決 ※それぞれの考えのよい点をT 発表したものを見て気付いたことはありますか。

の C C1とC2は,どちらもわられる数とわる数を100倍しているの 認める。

検 で,同じ考え方になっている。

討 C C2とC3は,小数点の位置が1つ移動しているだけで,同じ ※本時の課題に迫らせる。

解き方をしている。

C1 計算のきまりを使って式を操作して考える。

÷ =( × )÷( × )3.822 1.82 3.822 100 1.82 100382.2 182= ÷

2.1=

Aタイプ

すぐに1つの方法で計算

し、答えが出せている。

→2つ目の方法で計算し、

共通点を考えさせる。

C2 わられる数とわる数を100倍して筆算する。

2.1

1.82 )3.82.2

3 64

18 2

18 2

3.822÷1.82=382.2÷182

=2.1

C3 わられる数とわる数を1000倍して筆算する。

2.1

1.820 )3.822

3 64

182

182

3.822÷1.82=3822÷1820

=2.1

Cタイプ①

筆算の式はかけたが、商

を立てる位置が違ってい

る。→商の見積もりをさ

せる。

Cタイプ②

被除数を 倍、除数を1000

倍している。→わり算100

のきまりを、矢印等を使

って図式化し、確認させ

る。

Cタイプ③

自力で答えが出せない。

→算数コーナーで、小数

点の移しかたを既習のも

のと結びつけ、確認させ

る。

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- 44 -算数

C C3は,整数÷整数にしているけど,大きな数の計算をするよ

うになる。

C C2のほうが少ないけた数の計算になる。

C C1~C3は,どれもわり算のきまりをもとにしている。

○本時の学習をまとめる。

3ま 桁数の増えた小数のわり算T 今日の学習でわかったことをまとめましょう。 □

できたと の仕方を考えることが

か。め

○本時の学習をふり返る。ふ

2り T ふり返りカード に今日の学習のことを書きましょう ※本時の自分の学習状況につ「 」 。

C また つ新しいわり算について学んだ。 いて,自己評価する。返 1り

(4) 評価

・桁数の増えた小数のわり算の仕方を考えることができたか (数学的な考え方)。

・桁数の増えた小数のわり算ができたか。(表現・処理)

(まとめ)

小数点以下のけた数の増えた小数÷小数の計算も「わり算

のきまり」を使ってわる数を整数にすれば,計算できる。

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- 45 -算数

〔ぐんぐんステビンⅡコース(発展・拡充)11/15〕

(1) 本時のポイント

本コースの児童は,小数の乗除計算の用いられる場面や立式,および計算の仕方について理解

し,基本的な計算技能については定着している。そこで,本単元でも本校でとらえる「発展的な

学習のねらい」 に沿って(①基礎・基本の理解を深める ②学ぶ楽しさを味わう ③問題解決の力を身に付ける)

様々な問題に挑戦してきた。本時では,小数や整数でわる計算を何度か行うと元の数値に戻る場

面を設定し,それがなぜかを考える。その考えをもとに自分でも同じ結果となる計算式を作った

り,友達の作った式と比較したりする。どの程度の児童が自分なりのアイディアで計算式をつく

ることができるのかがポイントとなる。

(2) 目標

・意欲的に除法の式に表そうとしている。(関心・意欲・態度)

・既習の計算と関連付けて,除法をくり返し元の数値に戻る計算の仕方について考える。

(数学的な考え方)

(3) 展開

過 学習活動(○)および主な発問,予想される児童の反応 指導上の留意点(※)および 時

程 評価(□) 間

○問題を知り,課題を把握する。

つの計算をならべます。T 3

最初のわられる数の に戻っています。 ※小数のかけ算の発展的な学C 2不思議だな。何でだろう。 習で行った「不思議なかけ問 C

C 1.6 2.5 1.6 2.5 4 5題 元の数を でわって でわると, × で でわっ 算」について想起させ。相違

たことになる。元の数を でわって でわると元に戻るから 点について話し合う。の 4 0.25だと思います。 ※児童の考えをもとに式に表理

なるほど。今のことを式で表せますか。 し,きまり発見の手がかりを解 T÷ ÷ ÷ = 与える。C 2 1.6 2.5 0.25 2他の数でも同じになると思います。Cでは,「不思議なわり算」を自分でもつくってみましょう。 □問題解決への意欲をもてたT

か。

※わる回数は 回以内と条件を3

付ける。

(問題)

2 1.6 1.25 2.5 0.5 0.25計算問題です。① ÷ ② ÷ ③ ÷

(課題)

, 「 」何度かわり算をすると 元の数に戻る 不思議なわり算

をつくり方を考えましょう。なぜ元の数に戻るのか,その

わけも考えましょう。

÷ =2 1 . 6 ÷ =1.25 2.5 ÷ =0.5 0.25

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- 46 -算数

解 ○課題解決の手順や方法を考える。 □意欲的に問題作りに取り組

T 3決 んでいるか。計画を立てましょう。

部分的に になるわり算を入れればいい。の C 1最初の問題を変化させればいい。計 C順番にいろいろやってみて,調整する。画 Cよくわからない。C

○自分の立てた計画に沿って,解決をする。

※タイプ別の対応

13

それぞれの計算式を見て,同じと見られる所はありますか。T※お互いの計算式を見合い,共C C2 C4 3 C1 C5~ は,計算している回数が 回だけど と は,

通点や相違点について話し合1 2 0.5 1 2÷ ÷ = をもとにしていて計算が 回になっている。

わせる。C C2 C4~ は,もとの問題を使って,倍の関係が違わないよう

に計算を使っている。解

※計算式をつくる際のポイントを決 C 計算のきまりを使っている。

明らかにする。の T いつでも使えるのはどんな方法ですか。

C C5 19検 のやり方は,もっとくり返せば,いくつも計算式が作れる。

計算のきまりを使う方法でも,何倍かを変えればいくつでも作討 Cれる。

タイプAすぐに計算式作りが終わ

ってしまった。

→他にも計算式を作り,

共通点を考えさせる。

÷□÷△=となるような数を試行錯誤して考える。C1 1÷ ÷・・・→失敗1 1.5

1 2 0.5 1÷ ÷ =

1 8 0.125 1÷ ÷ =

÷ ÷ = をもとに,くり返しで考えるC5 1 2 0.5 11 2 0.5 2 0.5 1÷ ÷ ÷ ÷ =

1 4 0.25 1÷ ÷ =

÷ ÷ ÷ = をもとに考えるC2 1 1.6 2.5 0.25 1でわる↓ ↓ 倍する10 101 0.16 25 0.25÷ ÷ ÷

÷ ÷ ÷ = をもとに考えるC3 1 1.6 2.5 0.25 1でわる↓ ↓ 倍する2 21 0.8 5 0.25÷ ÷ ÷

÷ ÷ ÷ = をもとに考えるC4 1 1.6 2.5 0.25 1÷ ↓× ↓× ↓8 4 21 0.2 10 0.5÷ ÷ ÷

タイプ①C自力で計算式が考え出せ

ない

→もとの問題を変形させ

ればいいことに気付かせ

る。

タイプ②C自力で計算式が考え出せ

ない

→ 最も単純な場合から考

えさせる。

( ÷ ÷ = )1 2 0.5 1

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- 47 -算数

「わり算のきまり」は,わる数とわられる数を同じ数でわってもC商は変わらないけど,÷が続くとみんなわる数になるので,わっ

た数の分だけかけないと にならない。1はじめの数以外のわり算をして になるようにすればいい。C 1

○本時の学習をまとめる。

わり算をくり返して元の数値にT 今日の学習でわかったことをまとめましょう。 □

3ま 戻る場合の計算式のしくみにつ

いて考えることができたか。と

○本時の学習をふり返る。ふ

T 2り ※本時の自分の学習状況につ「 」 。ふり返りカード に今日の学習のことを書きましょう

返 いて,自己評価する。

(4) 評価

・意欲的に除法の式に表そうとしていたか。(関心・意欲・態度)

・既習の計算と関連付けて,除法をくり返し,元の数値に戻る計算の仕方について考えられた

か (数学的な考え方)。

(主な引用・参考文献)

文部省(1999).小学校学習指導要領解説・算数編.東洋館出版

文部省(1986).小学校算数指導資料・数と計算の指導.大日本図書

新算数教育研究会編(2000).個性を生かす授業と課題選択学習の展開.東洋館出版

新算数教育研究会編(2000).第5学年/授業の展開.東洋館出版

伊藤説朗編著(2002).基礎・基本の徹底と創造性を培う算数教育(実践編).明治図書出版

新算数教育研究会編・伊藤説朗総括(2003).確かな学力を伸ばすコース別授業・少人数指導・課題選択学習.東洋館出版

新算数教育研究会編(1990).新しい算数科・教材の本質とその究明.東洋館出版

入間地区算数数学教育研究会(1999~2005).算数数学科学力調査報告書

杉山吉茂他著(2005).新しい算数5上.東京書籍

(まとめ)

わり算をくり返すともとの数になる計算ができる。

計算のきまりなどを使って,はじめの数以外の計算結果が1

になるようにすれば,計算式が作れる。