第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実 第5章 施策 ...県 合 計...
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第5章 施策の展開
第1節 介護サービス基盤の充実
1.介護サービスの整備に関する基本的な考え方
(1) 高齢者が介護を要する状態になっても、できる限り住み慣れた地域
や家庭で安心して生活できる環境を希望する方のために、居宅サービ
スや特に整備が遅れている地域密着型サービスの在宅サービス基盤の
充実を図ります。
(2) 要介護度が重度の方や家庭の事情など施設によるサービスが必要な
方、また、リハビリテーション等医療ケアを必要とする方のために、
特別養護老人ホームや介護老人保健施設など施設・居住系サービスの
計画的な整備に努めます。
(3) 療養病床の再編成については、療養病床から介護老人保健施設等へ
の受け入れの円滑化など療養病床を有する医療機関の転換の支援を図
ります。
(4) 療養病床に入院されている高齢者の個々の状態に応じて、必要なケ
アが受けられるよう基盤の整備を図り、併せて、住み慣れた地域や家
庭でのケアを希望する高齢者には、保健・医療・介護・福祉の連携だ
けでなく、地域の見守り活動をはじめとする様々な社会資源を活用し、
安心して暮らすことができる高齢者包括ケアシステムの構築を推進し
ていきます。
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
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2.介護サービスの量の見込み
○ この計画における介護サービス量の見込みについては、市町村の介護保険事業計
画における見込み量を圏域及び県全域で集計したものです。
○ 市町村においては、第3期計画での目標数値と利用(給付)実績に対する評価・
分析を実施したうえで、これまでのサービス利用実績に加えて、今後の人口や高齢
者数及び要介護・要支援認定者の割合を推計し、アンケート調査等により把握した
利用意向により政策的な目標を勘案し、介護サービス量を見込んでいます。
また、市町村の介護保険事業計画の各年度における介護サービスの種類ごとの見
込み量は、介護保険の費用推計や被保険者の保険料算定の基礎となります。
《サービスの種類について》
介護サービスの種類は次のとおりとなっています。
□ 居宅サービス
… 要介護者を対象として、居宅において、または施設に通所して行われる
訪問介護、通所介護をはじめとするサービス
□ 介護予防サービス
… 要支援者を対象として、介護予防を目的として行われるサービス
□ 施設・居住系サービス
… 介護保険施設や有料老人ホーム等に入居し、これらの施設において行わ
れるサービス
□ 地域密着型サービス
… 市町村が定める日常生活圏域を単位として提供され、利用者が可能な限
り住み慣れた地域での生活を継続できるために行われるサービス
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
(1)居宅サービスの量の見込み
① 訪問介護
要介護者が居宅において日常生活を営むことができるよう、ホームヘルパーが
入浴・排せつ・食事等の介助や日常生活全般にわたる援助を行うサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 2,376,021回/年、平成23年度 2,550,0
93回/年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,187,806 1,218,313 1,266,249 1,307,039
東和・中和 926,474 956,143 980,946 1,015,059
南 和 198,078 201,565 218,115 227,995
県 合 計 2,312,358 2,376,021 2,465,310 2,550,093
※ 厚生労働省が示した「サービス見込量シート」により市町村が推計した必要量の積み上げ値。
(以下、同様)
② 訪問入浴介護
要介護者の自宅に浴槽を持ち込み、心身の状態に十分配慮した上で介助し、入
浴の機会を提供し、利用者の身体の清潔保持と心身機能の保持を図るサービスで
す。
県全体での必要量は、平成21年度 41,767回/年、平成23年度 44,306回/
年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 11,689 11,707 12,196 12,598
東和・中和 26,421 27,135 27,815 28,749
南 和 2,935 2,925 3,021 2,959
県 合 計 41,045 41,767 43,032 44,306
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
③ 訪問看護
保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士により行われる療養上の
世話または必要な診療の補助で、主治医の指示及び連携のもと訪問看護計画に基
づいて行われるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 219,242回/年、平成23年度 234,443
回/年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 101,488 102,740 106,472 109,763
東和・中和 95,810 99,190 102,240 105,961
南 和 16,947 17,312 18,271 18,719
県 合 計 214,245 219,242 226,983 234,443
④ 訪問リハビリテーション
通院困難な要介護者に対して、病院または診療所の理学療法士または作業療法
士が、計画的な医学的管理を行っている医師の指示に基づき、居宅を訪問し、基
本的動作能力または応用的動作能力若しくは社会的適応能力の回復を図るための
理学療法、作業療法等のリハビリテーションについて必要な指導を行うサービス
です。
県全体での必要量は、平成21年度 27,661日/年、平成23年度 29,512日/
年となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 14,226 14,928 15,476 15,996
東和・中和 10,725 11,190 11,619 12,063
南 和 1,396 1,543 1,701 1,453
県 合 計 26,347 27,661 28,796 29,512
⑤ 居宅療養管理指導
医師・歯科医師・薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士等が通院困難な要介護者の
居宅を訪問し、要介護者の療養上の管理及び指導を行うサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 28,381人/年、平成23年度 30,581人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 16,852 17,274 18,129 18,915
東和・中和 9,879 10,156 10,394 10,645
南 和 921 951 981 1,021
県 合 計 27,652 28,381 29,504 30,581
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑥ 通所介護
要介護者が指定通所介護事業所(デイサービスセンター等)に通い、入浴・食
事の提供その他の日常生活上の世話や機能訓練を受けるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 970,367回/年、平成23年度 1,059,47
8回/年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 441,051 458,225 480,398 499,315
東和・中和 423,016 438,266 455,928 479,222
南 和 71,983 73,876 78,319 80,941
県 合 計 936,050 970,367 1,014,645 1,059,478
⑦ 通所リハビリテーション
要介護者が指定通所リハビリテーション事業所(介護老人保健施設、病院・診
療所)に通い、その施設で心身の機能回復維持を図り、日常生活の自立を助ける
ための理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを受けるサービスで
す。
県全体での必要量は、平成21年度 405,045回/年、平成23年度 443,625
回/年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 190,162 197,669 206,249 214,407
東和・中和 163,682 172,522 181,540 191,565
南 和 34,045 34,854 36,835 37,653
県 合 計 387,889 405,045 424,624 443,625
⑧ 短期入所生活介護
要介護者が短期入所生活介護事業所(特別養護老人ホームに併設等)に入所し
て、その施設で入浴・食事・排せつ・食事等の介護その他日常生活上の世話、機
能訓練を受けるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 316,559日/年、平成23年度 348,356
日/年となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 105,706 108,468 113,371 117,366
東和・中和 155,169 163,352 172,869 184,263
南 和 44,321 44,739 47,509 46,727
県 合 計 305,196 316,559 333,749 348,356
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑨ 短期入所療養介護
病状が安定期にある要介護者が短期入所療養介護事業所(介護老人保健施設、
介護療養型医療施設に併設等)に短期間入所し、その施設で看護、医学的管理の
もとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を受け
るサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 78,321日/年、平成23年度 83,373日/
年となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 45,208 46,768 48,454 49,844
東和・中和 24,098 25,824 26,488 27,323
南 和 5,640 5,729 6,079 6,206
県 合 計 74,946 78,321 81,021 83,373
⑩ 特定施設入居者生活介護
有料老人ホームまたはケアハウスに入所している要介護者に対して、その施設
の特定施設サービス計画に基づいて、入浴・食事・排せつ・食事等の介護その他
日常生活上の世話、機能訓練を受けるサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 1,131人、平成23年度 1,508人とな
っています。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 601 734 852 955
東和・中和 266 303 374 448
南 和 88 94 96 105
県 合 計 955 1,131 1,322 1,508
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑪ 福祉用具貸与
要介護者と認定された利用者に対して、日常生活上の便宜や機能訓練のための
福祉用具を貸与するサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 126,785人/年、平成23年度 135,71
4人/年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 57,098 58,979 61,504 63,672
東和・中和 51,863 53,557 55,166 57,143
南 和 13,381 14,249 14,856 14,899
県 合 計 122,342 126,785 131,526 135,714
⑫ 特定福祉用具販売
要介護者と認定された利用者に対して、日常生活上の便宜や機能訓練のための
福祉用具を販売するサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 4,626人/年、平成23年度 4,932人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 2,221 2,265 2,347 2,418
東和・中和 1,902 1,922 1,988 2,057
南 和 429 439 446 457
県 合 計 4,552 4,626 4,781 4,932
⑬ 住宅改修
要介護者と認定された利用者に対して、在宅でできるだけ自立した日常生活を
営むことができるよう、その心身の状況や住宅の状況から必要と認められた場合
に限り、居宅に手すりの取り付け等を行った場合の改修費が保険給付されるサー
ビスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 3,297人/年、平成23年度 3,535人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,527 1,565 1,626 1,677
東和・中和 1,267 1,375 1,431 1,490
南 和 351 357 363 368
県 合 計 3,145 3,297 3,420 3,535
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑭ 居宅介護支援
要介護者の居宅サービス計画(ケアプラン)作成に係る業務のほか、実際のサ
ービスの利用状況及び実施状況の把握や給付管理票の提出等の給付管理業務があ
り、これらのサービスを包括して居宅介護支援といいます。
県全体での利用者数は、平成21年度 252,917人/年、平成23年度 269,29
9人/年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 114,419 117,741 122,250 126,248
東和・中和 103,932 106,584 109,756 113,462
南 和 26,236 28,592 29,533 29,589
県 合 計 244,587 252,917 261,539 269,299
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
(2)介護予防サービスの量の見込み
① 介護予防訪問介護
居宅の要支援者に対して、要介護状態の軽減または悪化の防止を目的として、
入浴・排せつ・食事等の介護や日常生活全般にわたる支援を行うサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 66,915人/年、平成23年度 71,904人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 33,323 34,608 35,943 37,087
東和・中和 25,822 27,295 28,497 29,640
南 和 4,928 5,012 5,118 5,177
県 合 計 64,073 66,915 69,558 71,904
② 介護予防訪問入浴介護
要支援者の自宅に浴槽を持ち込み、心身の状態に十分配慮した上で介助し、入
浴の機会を提供し、利用者の身体の清潔保持と心身機能の保持を図るサービスで
す。
県全体での必要量は、平成21年度 259回/年、平成23年度 272回/年とな
っています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 0 2 2 2
東和・中和 255 257 264 270
南 和 0 0 0 0
県 合 計 255 259 266 272
③ 介護予防訪問看護
保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士により行われる療養上の
世話または必要な診療の補助で、主治医の指示及び連携のもと基礎疾患等を抱え
ている者について、生活機能の向上のために、在宅において医師や看護師等に医
学的管理を図る必要がある場合等に提供されるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 18,852回/年、平成23年度 20,661回/
年となっています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 8,180 8,529 8,897 9,212
東和・中和 8,855 9,550 10,019 10,641
南 和 759 773 792 808
県 合 計 17,794 18,852 19,708 20,661
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
④ 介護予防訪問リハビリテーション
要支援者に対し、病院または診療所の理学療法士又は作業療法士が、計画的な
医学的管理を行っている医師の指示に基づき、居宅を訪問し、基本的動作能力ま
たは応用的動作能力若しくは社会的適応能力の回復を図るための理学療法、作業
療法等の必要なリハビリテーションについて、居宅でできる生活行為を向上させ
る訓練が必要な場合などに短期集中的に行うサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 6,731日/年、平成23年度 9,474日/年
となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 2,476 2,665 2,765 2,852
東和・中和 3,281 4,026 5,138 6,582
南 和 40 40 40 40
県 合 計 5,797 6,731 7,943 9,474
⑤ 介護予防居宅療養管理指導
医師・歯科医師・薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士等が通院困難な要支援者の
居宅を訪問し、療養上の管理及び指導を行うサービスです。基礎疾患等を抱えて
いる者について、生活機能の向上のために、在宅において医師や看護師等に医学
的管理を図る必要がある場合等に提供されます。
県全体での必要量は、平成21年度 3,277人/年、平成23年度 3,572人/年
となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,948 2,110 2,186 2,260
東和・中和 1,123 1,140 1,208 1,279
南 和 24 27 30 33
県 合 計 3,095 3,277 3,424 3,572
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑥ 介護予防通所介護
要支援者が介護予防を目的として、指定介護予防通所事業所(デイサービスセ
ンター等)に通い、入浴・食事の提供その他の日常生活上の支援や機能訓練を受
けるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 41,943人/年、平成23年度 45,633人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 16,377 17,345 18,330 19,070
東和・中和 20,389 21,504 22,330 23,299
南 和 3,047 3,094 3,200 3,264
県 合 計 39,813 41,943 43,860 45,633
⑦ 介護予防通所リハビリテーション
要支援者が介護予防を目的として、指定介護予防通所リハビリテーション事業
所(介護老人保健施設、病院・診療所)に通い、その施設で心身の機能回復維持
を図り、日常生活の自立を助けるための理学療法、作業療法その他必要なリハビ
リテーションを受けるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 17,696人/年、平成23年度 19,435人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 7,442 7,901 8,271 8,616
東和・中和 7,657 8,263 8,760 9,272
南 和 1,510 1,532 1,549 1,547
県 合 計 16,609 17,696 18,580 19,435
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑧ 介護予防短期入所生活介護
要支援者が在宅における生活行為の向上を図る中で、家庭の事情などの生活環
境要因により、一時的に在宅におけるサービス利用が困難となった場合に、生活
機能の低下をきたすことのないよう短期入所生活介護事業所(特別養護老人ホー
ムに併設等)で生活行為の維持・向上に向けた支援を受けるサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 10,487日/年、平成23年度 12,263日/
年となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 3,383 3,643 3,829 4,007
東和・中和 5,606 6,333 7,032 7,730
南 和 505 511 521 526
県 合 計 9,494 10,487 11,382 12,263
⑨ 介護予防短期入所療養介護
病状が安定期にある要支援者が短期入所療養介護事業所(介護老人保健施設、
介護療養型医療施設に併設等)に短期間入所し、その施設で看護、医学的管理の
もとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を受け
るサービスです。
県全体での必要量は、平成21年度 3,073日/年、平成23年度 3,652日/年
となっています。
(単位:日/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,346 1,420 1,499 1,576
東和・中和 1,347 1,630 1,810 2,053
南 和 23 23 23 23
県 合 計 2,716 3,073 3,332 3,652
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑩ 介護予防特定施設入居者生活介護
有料老人ホームまたはケアハウスに入所している要支援者に対して、その施設
の特定施設サービス計画に基づいて、入浴・食事・排せつ・食事等の介護その他
日常生活上の世話、機能訓練を受けるサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 375人、平成23年度 471人となって
います。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 217 244 282 315
東和・中和 90 104 124 135
南 和 27 27 24 21
県 合 計 334 375 430 471
⑪ 介護予防福祉用具貸与
要支援者と認定された利用者に対して、日常生活上の便宜や機能訓練のための
福祉用具のうち、介護予防に資するものを貸与するサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 17,690人/年、平成23年度 19,170
人/年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 7,619 7,921 8,241 8,526
東和・中和 8,356 8,918 9,357 9,769
南 和 841 851 867 875
県 合 計 16,816 17,690 18,465 19,170
⑫ 特定介護予防福祉用具販売
要支援者と認定された利用者に対して、日常生活上の便宜や機能訓練のための
福祉用具のうち、介護予防に資するものを販売するサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 2,235人/年、平成23年度 2,516人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,133 1,184 1,235 1,279
東和・中和 835 932 1,019 1,114
南 和 114 119 121 123
県 合 計 2,082 2,235 2,375 2,516
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
⑬ 介護予防住宅改修
要支援者に対して、在宅でできるだけ自立した日常生活を営むことができるよ
う、その心身の状況や住宅の状況から必要と認められた場合に限り、居宅に手す
りの取り付け等を行った場合の改修費が保険給付されるサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 2,322人/年、平成23年度 2,523人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 1,182 1,233 1,290 1,342
東和・中和 857 928 971 1,014
南 和 158 161 164 167
県 合 計 2,197 2,322 2,425 2,523
⑭ 介護予防支援
要支援者が介護予防サービスを適切に受けられるように、利用者の依頼を受け、
その心身の状況や生活環境、本人及び家族の希望等を勘案し、利用するサービス
の種類・内容等定めた居宅サービス計画(ケアプラン)を作成するサービスです。
この業務は、各市町村に設置されている「地域包括支援センター」が行っていま
す。
県全体での利用者数は、平成21年度 115,686人/年、平成23年度 124,43
2人/年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 54,270 56,473 58,691 60,622
東和・中和 49,912 52,299 54,348 56,655
南 和 6,812 6,914 7,067 7,155
県 合 計 110,994 115,686 120,106 124,432
- 53 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
(3)介護保険施設及び居住系サービスの量の見込み
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設及び介護療養型
医療施設の介護保険3施設及び居住系サービスの見込みは、各市町村のサービス
量の見込みを集計しています。
なお、国の「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本
的な指針」に基づく参酌標準では、平成26年度において、要介護2以上の認定
者に対する介護保険施設及び居住系サービス利用者数の割合は、37%以下にす
ることとなっています。
【施設サービス及び居住系サービス利用者見込み数】 (単位:人)
種 別 圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成26年度
介護老人 奈良・西和 2,015 2,162 2,224 2,351 2,477
福祉施設 東和・中和 2,267 2,335 2,420 2,507 2,672
※ 南 和 652 671 676 720 743
県 合 計 4,934 5,168 5,320 5,578 5,892
介護老人 奈良・西和 1,448 1,530 1,570 1,608 2,172
保健施設 東和・中和 1,349 1,432 1,541 1,625 1,972
※ 南 和 422 435 440 442 466
県 合 計 3,219 3,397 3,551 3,675 4,610
介護療養 奈良・西和 533 503 487 434
型医療施 東和・中和 374 362 335 311
設※ 南 和 102 103 87 74
県 合 計 1,009 968 909 819
地域密着 奈良・西和 0 0 0 0 0
型介護老 東和・中和 0 44 78 78 78
人福祉施 南 和 0 0 0 0 0
設※ 県 合 計 0 44 78 78 78
認知症対 奈良・西和 707 745 773 799 887
応型 東和・中和 401 481 542 576 632
共同生活 南 和 108 119 123 152 162
介護※ 県 合 計 1,216 1,345 1,438 1,527 1,681
介護専用型 奈良・西和 0 0 0 0 0
特定施設入 東和・中和 0 0 0 0 0
居者生活介 南 和 0 0 0 0 0
護※ 県 合 計 0 0 0 0 0
特定施設入 奈良・西和 601 734 852 955 1,062
居者生活介 東和・中和 266 303 374 448 523
護(介護専 南 和 88 94 96 105 118
用型以外) 県 合 計 955 1,131 1,322 1,508 1,703
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
種 別 圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成26年度
地域密着型 奈良・西和 0 0 0 0 29
特定施設入 東和・中和 0 10 20 29 29
居者生活介 南 和 0 0 0 0 0
護※ 県 合 計 0 10 20 29 58
介護予防 奈良・西和 9 13 17 19 26
認知症対 東和・中和 8 13 18 23 24
応型共同 南 和 4 4 4 6 2
生活介護 県 合 計 21 30 39 48 52
介護予防 奈良・西和 217 244 282 315 349
特定施設 東和・中和 90 104 124 135 148
入居者生 南 和 27 27 24 21 21
活介護 県 合 計 334 375 430 471 518
県 合 計 奈良・西和 5,530 5,931 6,205 6,481 7,002
東和・中和 4,755 5,084 5,452 5,732 6,078
南 和 1,403 1,453 1,450 1,520 1,512
県 合 計 11,688 12,468 13,107 13,733 14,592
○ 上記表のうち、※印は、国の「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための
基本的な指針」に基づく参酌標準の対象施設
(単位:人、%)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成26年度
参酌標準 奈良・西和 4,703 4,940 5,054 5,192 5,565
対 象 分 要介護度2以上の占める割合 34.4 34.5 33.8 33.5 31.9
東和・中和 4,391 4,664 4,936 5,126 5,383
県 合 計 要介護度2以上の占める割合 37.2 37.8 38.4 38.3 35.8
南 和 1,284 1,328 1,326 1,388 1,371
要介護度2以上の占める割合 40.4 40.7 39.7 40.8 38.9
県 合 計 10,378 10,932 11,316 11,706 12,319
要介護度2以上の占める割合 36.2 36.5 36.3 36.2 34.2
- 55 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
(4)地域密着型サービスの量の見込み
① 夜間対応型訪問介護
夜間の巡回による訪問介護を中心としたサービスです。
県全体での利用者数は、平成21年度 1,307人/年、平成23年度 1,514人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 126 804 837 860
東和・中和 0 503 546 654
南 和 0 0 0 0
県 合 計 126 1,307 1,383 1,514
②-1 認知症対応型通所介護(介護)
通所介護のうち、認知症専用型として提供しているサービスです。
県全体では、平成21年度 59,434回/年、平成23年度 69,981回/年となっ
ています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 27,759 29,901 32,410 34,819
東和・中和 7,179 27,262 29,511 32,285
南 和 1,584 2,271 2,794 2,877
県 合 計 36,522 59,434 64,715 69,981
②-2 認知症対応型通所介護(介護予防)
県全体では、平成21年度 12,527回/年、平成23年度 14,671回/年となっ
ています。
(単位:回/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 2,178 3,232 3,410 3,571
東和・中和 601 9,030 10,157 10,814
南 和 40 265 284 286
県 合 計 2,819 12,527 13,851 14,671
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
③-1 小規模多機能型居宅介護(介護)
「通い」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、随時「訪問」や「泊
まり」を組み合わせてサービスを提供することで、在宅生活の継続を支援するサ
ービスです。
主に在宅の「動ける」認知症高齢者を対象としていますが、一般の要介護者も
利用することができます。
県全体での利用者数は、平成21年度 2,564人/年、平成23年度 5,437人/
年となっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 395 786 1,917 2,573
東和・中和 872 1,777 2,320 2,709
南 和 0 1 6 155
県 合 計 1,267 2,564 4,243 5,437
③-2 小規模多機能型居宅介護(介護予防)
県全体での利用者数は、平成21年度 407人/年、平成23年度 849人/年と
なっています。
(単位:人/年)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 137 212 358 434
東和・中和 119 195 277 376
南 和 0 0 2 39
県 合 計 256 407 637 849
④-1 認知症対応型共同生活介護(介護)
一般に「グループホーム」と呼ばれているもので、居宅の雰囲気の中で共同生
活ができるサービスで、在宅の「動ける」認知症高齢者を対象としています。
県全体での利用者数は、平成21年度 1,345人、平成23年度 1,527人とな
っています。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 707 745 773 799
東和・中和 401 481 542 576
南 和 108 119 123 152
県 合 計 1,216 1,345 1,438 1,527
- 57 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
④-2 認知症対応型共同生活介護(介護予防)
県全体での利用者数は、平成21年度 30人、平成23年度 48人となっていま
す。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 9 13 17 19
東和・中和 8 13 18 23
南 和 4 4 4 6
県 合 計 21 30 39 48
⑤ 地域密着型特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護のうち、定員が30人未満の介護専用型有料老人ホー
ム等がこのサービスに該当します。
県全体での利用者数は、平成21年度 10人、平成23年度 29人となっていま
す。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 0 0 0 0
東和・中和 0 10 20 29
南和 0 0 0 0
県 合 計 0 10 20 29
⑥ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護老人福祉施設のうち、定員が30人未満のものがこのサービスに該当しま
す。
県全体での利用者数は、平成21年度 44人、平成23年度 78人となっていま
す。
(単位:人)
圏域名 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
奈良・西和 0 0 0 0
東和・中和 0 44 78 78
南 和 0 0 0 0
県 合 計 0 44 78 78
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
3. 介護サービス見込み量の確保方策
県民の介護ニーズに的確に対応するため、市町村が見込んだ介護サービス量に基づき、
介護サービス基盤の整備を図っていきます。また、老人福祉圏域ごとの実情も踏まえて、
市町村と連携を図りながら、質・量の両面にわたる十分なサービスが提供できるよう事
業者の介護サービスへの参入を適切に図っていきます。
(1)居宅サービス及び地域密着型サービスの確保策
介護を必要とする状態となったときに、できる限り住み慣れた地域や家庭で安
心して暮らし続けるために、保健・医療・介護・福祉が連携したサービスが提供
されることが必要です。このため、特に訪問看護等の居宅サービスや小規模多機
能型居宅介護等の地域密着型サービスを充実させるため、事業者の参入等をすす
めます。
(2)施設・居住系サービスの確保策
施設・居住系サービスについては、第4期計画の利用者見込み数が確保できる
よう、現在の施設等の整備状況や圏域及び府県域を越えた施設等の利用実態を踏
まえながら、必要入所(利用)定員総数を算出し、この確保のために計画的な施
設整備の促進を図ります。
① 介護保険施設
○ 介護老人福祉施設及び介護老人保健施設の整備目標数については、第4期
計画期間の利用者見込み数が確保できるよう、整備を進めるとともに、個室
ユニットケア型施設の定員割合を高めます。
○ 介護老人福祉施設及び介護老人保健施設については、各市町村の利用者見
込みの集計値に他府県及び圏域毎の状況を勘案し、必要入所定員総数を算出
しました。
○ 介護療養型医療施設については、現在の医療機関の意向調査に基づく数値
として計上しており、今後、医療機関の意向を再度確認しながら、必要数の
確保を図ります。また、平成23年度末の制度廃止に向けては、転換意向を
踏まえながら、「医療費適正化計画」における平成24年度末の医療療養病床
の病床数に関する数値目標との整合性を図り、計画的に転換を推進していき
ます。
- 59 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
【介護老人福祉施設の必要入所定員総数】 (単位:床)
圏域名 区 分 平成21年度 平成22年度 平成23年度
介護老人福祉 奈良・西和 必要入所定員総数 2,376 2,495 2,623
施設 介護療養病床転換分 0 0 0
計 2,376 2,495 2,623
東和・中和 必要入所定員総数 2,444 2,531 2,627
介護療養病床転換分 0 0 0
計 2,444 2,531 2,627
南 和 必要入所定員総数 636 642 683
介護療養病床転換分 0 0 0
計 636 642 683
県 合 計 必要入所定員総数 5,456 5,668 5,933
介護療養病床転換分 0 0 0
計 5,456 5,668 5,933
※ 介護療養病床転換分は、医療機関の意向調査に基づく見通し
【介護老人保健施設の必要入所定員総数】 (単位:床)
圏域名 区 分 平成21年度 平成22年度 平成23年度
介護老人保健 奈良・西和 必要入所定員総数 1,747 1,785 1,824
施設 介護療養病床転換分 0 0 120
計 1,747 1,785 1,944
東和・中和 必要入所定員総数 1,510 1,583 1,649
介護療養病床転換分 48 70 70
計 1,558 1,653 1,719
南 和 必要入所定員総数 427 430 434
介護療養病床転換分 0 0 0
計 427 430 434
県 合 計 必要入所定員総数 3,684 3,798 3,907
介護療養病床転換分 48 70 190
計 3,732 3,868 4,097
※ 介護療養病床転換分は、医療機関の意向調査に基づく見通し
【介護療養型医療施設の必要入所定員総数】 (単位:床)
圏域名 平成21年度 平成22年度 平成23年度
介護療養型医療施 奈良・西和 574 518 398
設 東和・中和 250 228 228
南 和 58 38 18
県 合 計 882 784 644
- 60 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
【地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護必要利用定員総数】 (単位:床)
圏域名 区 分 平成21年度 平成22年度 平成23年度
地域密着型老 奈良・西和 必要利用定員総数 0 0 0
人福祉施設入 介護療養病床転換分 0 0 0
所者生活介護 計 0 0 0
東和・中和 必要利用定員総数 44 78 78
介護療養病床転換分 0 0 0
計 44 78 78
南 和 必要利用定員総数 0 0 0
介護療養病床転換分 0 0 0
計 0 0 0
県 合 計 必要利用定員総数 44 78 78
介護療養病床転換分 0 0 0
計 44 78 78
※ 介護療養病床転換分は、医療機関の意向調査に基づく見通し
② その他の施設・居住系サービス
○ 混合型特定施設入居者生活介護については、各市町村の利用者見込みの集
計値に他府県及び圏域毎の状況を勘案するとともに、介護認定を受けておら
れない自立の方も勘案し必要利用定員総数を見込みました。
なお、各市町村において、介護専用型特定施設入居者生活介護の利用者は、
見込まれておりません。
【混合型特定施設入居者生活介護必要利用定員総数】 (単位:床)
圏域名 平成21年度 平成22年度 平成23年度
混合型特定施設入 奈良・西和 1,821 2,057 2,273
居者生活介護 東和・中和 774 900 1,016
南 和 259 259 269
県 合 計 2,854 3,216 3,558
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第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
【地域密着型特定施設入居者生活介護必要利用定員総数】 (単位:床)
圏域名 区 分 平成21年度 平成22年度 平成23年度
地域密着型特 奈良・西和 必要利用定員総数 0 0 0
定施設入居者 介護療養病床転換分 0 0 0
生活介護 計 0 0 0
東和・中和 必要利用定員総数 10 20 29
介護療養病床転換分 0 0 0
計 0 0 0
南和 必要利用定員総数 0 0 0
介護療養病床転換分 0 0 0
計 0 0 0
県 合 計 必要利用定員総数 10 20 29
介護療養病床転換分 0 0 0
計 10 20 29
※ 介護療養病床転換分は、医療機関の意向調査に基づく見通し
4.療養病床の再編成への対応
国の医療構造改革に伴い、平成23年度末に介護療養型医療施設が廃止されるなどの
療養病床の再編成が進められます。現在の入院患者のうち、医療の必要性の高い方には、
引き続き医療保険により療養病床において必要な医療サービスを提供し、医療の必要性
の低い方に対しては、その状態に相応しい介護サービスが提供されるよう介護老人保健
施設への転換等による基盤の整備が必要となります。
(1)療養病床転換の受け入れの円滑化
① 第4期計画期間における医療療養病床からの介護老人保健施設または居住系
サービス施設等への転換
医療療養病床から介護老人保健施設等への転換分については、一般の介護老人
保健施設等とは別のサービス類型として一体として取り扱うこととし、年度ごと
のサービス量は見込みますが、必要定員総数は設定しないものとしています。
② 第4期計画期間における介護療養型医療施設からの介護老人保健施設または
居住系サービス施設等への転換
介護療養型医療施設から介護老人保健施設等への転換分については、介護保険
施設等に係る必要定員総数には含めないものとし、施設種類ごと、年度ごとの必
要定員総数は別に定めています。
- 62 -
第5章 施策の展開 第1節 介護サービス基盤の充実
(2)療養病床の転換への対応
① 療養病床の円滑な転換
医療機関の転換意向については、その尊重を基本としつつ、療養病床の入院患
者及びその家族の意向についてもその実態を把握したうえで、これらを総合的に
勘案した療養病床の再編成を行います。この過程で介護老人保健施設等への円滑
な転換と在宅療養の充実についての支援を行い、入院されている利用者の方の行
き場所がなくなることのないよう、個々の状態に応じた適切な医療・介護等のサ
ービスが受けられるよう取り組みます。
② 療養病床転換への支援措置
療養病床転換にあたっては、国の転換にかかる交付金制度の活用等による支援
を行います。
医療機関が医療療養病床から介護老人保健施設等へ転換する場合は、「高齢者
の医療の確保に関する法律」に規定する病床転換助成事業による支援を行い、介
護療養型医療施設が介護老人保健施設等へ転換する場合は、「介護施設整備法」
に規定する市町村が主体となる交付金による支援を行います。
また、医療機関の介護保険施設等への転換に関する情報、利用者やその家族へ
のソーシャルワーカー等による対応、地域包括支援センターを中心とした相談体
制を充実させます。
さらに、人員の配置基準等に対応するための必要な人材の確保等への支援及び
関係機関と連携した研修等の充実を図ります。
- 63 -
第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
1.人材の確保と定着に向けた取組
近年、わが国においては、少子高齢化の進行や世帯構成の変化、国民のライフスタイ
ルの多様化等により、国民の福祉・介護サービスへのニーズがさらに増大するとともに、
認知症等のより複雑で専門的な対応等、質的にもより多様化、高度化している状況にあ
ります。このようななかにおいて、福祉・介護職員の人材の安定的な確保の必要性につ
いては、国が、平成19年8月に見直しを行った「社会福祉事業に従事する者の確保を
図るための措置に関する基本的な指針」においても明記されているところです。
(1)福祉・介護サービス事業者の人材の確保と定着
○ 介護福祉士等の潜在的有資格者に対して、研修会の実施等を通じて関心を喚起
し福祉・介護サービス分野への就業を働きかけます。
○ 福祉・介護の仕事に関心を有する者に対して、福祉・介護サービスの職場体験
を行う機会を提供し円滑な就労を実施します。
○ 若い人材の福祉・介護分野への参入を促進するため、介護福祉士等養成施設の
入学者に対し、修学のための資金を貸し付けします。
○ 福祉・介護サービス分野へ就業した新規従事者等が、将来にわたって安定的に
仕事ができるよう、巡回相談を実施するなどその定着の支援に取り組みます。
○ 人材の確保と定着を図るため、福祉・介護サービス従事者の社会的評価の向上
を目指します。
【実施する施策・事業】
<人材の発掘等>
1)潜在的有資格者等養成支援事業
介護福祉士養成施設等の協力を得て、潜在的な有資格者の再就業支援のための研修等を
実施します。
2)複数事業所連携事業
コーディネーターを設置し、小規模事業者等の共同による求人活動、合同研修等を実施
します。
3)職場体験事業
福祉・介護の仕事に関心を有する者に対して福祉・介護サービスの職場体験を行う機会
第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
- 64 -
を提供し、円滑な就労を支援します。
4)進路選択学生等支援事業
介護福祉士等養成施設に相談・助言及び指導等を行う専門員を配置し、福祉・介護の仕
事をめざす学生等を支援します。
5)介護福祉士等修学資金原資造成補助金
奈良県社会福祉協議会が実施する介護福祉士、社会福祉士養成施設の入学者に対しての
修学資金等の貸付に対して原資を補助し、介護福祉士等の資格取得を希望する若い人材の
就学を促します。
<人材の定着>
1)福祉・介護人材定着支援事業
相談支援アドバイザーを設置し、新任従事者に対して定期的に巡回相談を行い、新規従
事者の定着を支援します。
2)実習受入施設ステップアップ事業
優良な実習施設を中心に、他の実習施設に対し実践事例報告会や講習会を開催し、実習
指導者の資質向上や施設間の連携を図ります。
(2)福祉・介護サービス従事者の資質の向上
① 社会福祉事業従事者
○ 福祉人材センターにおいては、福祉サービスの基本理念や対人援助技術の
基礎を理解し、組織人としての基本的能力等を修得することを目的として社
会福祉事業従事者の資質向上を図るなど、豊かな人間性を備えた社会福祉事
業従事者の育成・確保を目的として、福祉職場についての広報啓発を行うと
ともに、社会福祉事業従事者(従事しようとする者を含む。)に対する研修
を実施します。
【実施する施策・事業】
1)福祉人材バンク事業
福祉分野への就職希望者に対して、県内福祉施設等の就職情報の提供を行うとともに、県
内福祉施設に対して福祉人材バンク登録者及び就職希望者の情報概要を提供することにより
就職・求職活動の支援を行い就業の促進を図ります。
2)福祉人材育成事業
福祉職場への就職希望者に対して、福祉の仕事の基本的な考え方や職場内容等の情報提供
を行い、福祉職場の正しい知識と理解を深めることにより的確な就職活動の促進を図ります。
3)福祉人材確保支援事業
福祉職場の職員研修担当者を対象に「職場内研修」の意義の理解と研修運営の実務に関す
る知識と技術の習得を図り、各法人や職場が主体的に職員研修を実施できるよう、研修体制
第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
の整備促進を図ります。
② 老人福祉施設職員
○ 老人福祉施設に従事する職員の一層の資質向上を図るため、各種研修を行
うとともに関係団体が実施する研修事業への支援を行います。
③ 介護支援専門員
○ 居宅サービス計画を作成するなど、介護保険事業の円滑な実施を図る上で
中心的な役割を果たす介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上のため、
その養成段階で行われる介護支援専門員実務研修や現任者を対象とした研修
を体系的に実施します。
【実施する施策・事業】
1)介護支援専門員実務研修
介護支援専門員実務研修受講試験に合格した者について、介護支援専門員として必要な専
門的知識及び技術を修得させることを目的として、居宅サービス計画、施設サービス計画及
び介護予防サービス計画に関する専門的知識及び技術の修得に係るものをその主たる内容と
して研修を実施します。
2)介護支援専門員実務従事者基礎研修
介護支援専門員は、介護支援専門員実務研修修了後に介護支援専門員業務に従事すること
となりますが、ケアマネジメントという業務内容を勘案し、ケアマネジメントプロセスやケ
アプラン作成等の技術取得等について、実務就業後1年未満の者に対して研修を実施します。
3)介護支援専門員更新研修
介護支援専門員証の更新時に、研修の受講を課し、実際のサービスや施策の状況、介護支
援専門員の状況を踏まえた研修を実施します。なお、有効期間内に実務経験がない者に対し
ては、介護支援専門員実務研修と同様の内容の研修を実施します。
4)介護支援専門員再研修
介護支援専門員として登録を受けた者であり、登録後5年以上実務に従事したことがない
者、実務経験はあるがその後5年以上実務に従事していない者で、今後、新たに介護支援専
門員証の交付を受けようとする者に対しては、介護支援専門員実務研修と同様の内容の研修
を実施します。
5)主任介護支援専門員研修
介護支援専門員のうち、居宅介護支援事業所に配置され、地域包括ケアの中核的な役割を
担う主任介護支援専門員を養成するため、介護支援専門員に対するスーパーバイズ、対人援
助技術、地域資源の活用等を内容とした研修を実施します。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
④ 地域包括支援センター3職種
○ 市町村が設置した地域包括支援センターの専門職に対する研修を実施し、
地域支援事業等が円滑に実施できるよう支援します。
【実施する施策・事業】
地域包括支援センター職員研修事業
地域包括支援センターにおいて、介護予防マネジメントを行う保健師、相談援助業務を行
う社会福祉士、包括的継続的マネジメントを行う主任介護予防支援専門員の3職種に対する
研修を実施します。
⑤ 訪問介護員
○ 介護サービスの中心的担い手である訪問介護員の養成については、民間の
研修機関を指定し、介護員養成研修事業に取り組みます。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
2.介護保険事業者の質の向上
高齢者による介護サービスの利用が「利用者本位」の仕組みとして定着するためには、
高齢者が自分自身のニーズに合ったサービスを適切に選択し、利用できるように環境を
整備することが必要です。
そのためにも、介護サービス事業者に対する法令遵守の徹底や利用者へのサービス確
保のための対策を講じる等の「介護事業運営の適正化」が重要な課題とされています。
介護保険事業者の質の向上に資する取組を進め、よりよいサービスが提供される環境、
適正なサービスを利用者が選択できる環境の確保に努めます。
(1)施設サービスの質の向上
○ 施設での生活が在宅生活に近いものになるよう、また、個人のプライバシーを
重視することにより、たとえ重度の障害や認知症をもった高齢者であっても、個
性や生活のリズムに沿って、その人その人の個別の暮らしを維持するために、個
室・ユニットケア型施設(施設の居室をいくつかのグループに分けて、それぞれ
ひとつの生活単位として少人数の家庭的な雰囲気の中でケアを行うこと。以下、
「ユニットケア」という。)を重点的に整備してきました。
今後も、入所者のニーズ等も踏まえながら、個室・ユニット型施設の定員割合
を高めます。
また、ソフト面(介護の質)の一層の充実に向け、ユニットケア施設管理者及
びユニットリーダーの研修等事業を通じ、施設職員のユニットケアの知識の習得
及びスキルアップを図るとともに、研修成果を自らの施設できちんと活かせるよ
うにアフターフォローしていきます。
○ 介護保険制度の施行により、介護保険施設等での身体拘束が原則的に禁止され
ました。身体拘束の廃止は、高齢者の意思の尊重、人格の擁護につながるととも
に、より良いケアのあり方を追求していくにあたっての出発点であることから、
その趣旨を徹底し身体拘束ゼロの推進を図ります。
(2)介護サービス情報の公表等
○ 平成18年度から導入された「介護サービス情報の公表」制度により、利用者
が介護サービスを適切に選択することができるよう、制度の円滑な実施と利用者
への周知に努めます。また、事業者によるサービスの自己評価やサービスの質を
専門的・客観的に評価するために、「福祉サービス第三者評価」を推進します。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
【「介護サービス情報の公表」制度の流れ】
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
(3)介護サービス事業者への指導・監査等
以下の取組により、介護サービス事業者への指導・監査体制の一層の充実を図り、適
正な利用者への介護サービスの提供の確保に努めます。
○ 介護給付費等対象サービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的
として、介護保険法第24条、第76条、第83条、第90条、第100条、第112
条及び第115条の6の規定に基づき、介護保険事業者に対して、介護保険事業
の運営が「人員、設備及び運営に関する基準」及び「費用の額の算定に関する基
準」を遵守し、健全かつ円滑に行われるよう、介護給付等対象サービスの内容並
びに介護報酬の請求に関する指導(集団指導及び実地指導)を実施します。その
際は、市町村及び近隣府県等とも連携を図り、必要な情報交換を行い、適切な指
導を実施するように努めます。
○ 指定基準等の重大な違反、不適切な介護サービスの提供等が認められる場合若
しくはその疑いがあると認められる場合、又は介護報酬の請求について不正若し
くは著しい不当が疑われる場合は、介護保険制度の信頼維持及び利用者保護のた
め、厳正に監査を実施し、その結果、悪質な不正等の事実が認められるときには
勧告、命令及び指定の取消等の措置を行います。
○ 介護サービス事業者による不正事案を防止し、介護事業の適切な運営を確保す
る観点から「経済財政改革に関する基本指針2007」(いわゆる「骨太の方針」。
平成19年6月19日閣議決定)により「医療・介護サービスの質の向上・効率化
プログラム」を推進することとされ、同プログラムにおいて、介護サービス事業
者に対する法令遵守を徹底させるため、平成20年度から平成24年度までの5年
間に営利法人が運営するすべての介護サービス事業所に対して監査を実施する方
針が示されました。
これを踏まえ、通常の指導・監査とは別に、平成20年度から平成24年度まで
の5年間の監査計画(全体計画)及び単年度の実施計画を策定し、平成20年度
から順次、営利法人の運営する県内の介護サービス事業所に対して監査(書面検
査)を実施しています。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
(4)相談・苦情処理体制の整備
○ 各市町村に設置される地域包括支援センターが、市町村における相談の核とな
ります。
○ 利用者が提供されたサービスに不満があるときには苦情を申し出ることがで
き、それに対して関係機関が迅速かつ適切な対応を図る体制を整備します。
○ 「奈良県介護保険制度苦情処理マニュアル」により、関係機関相互の連携を保
ちながら苦情の早期解決に努めます。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
3.介護保険制度の円滑な実施
高齢化が一層進展するなか、県と市町村は連携して介護保険制度を円滑かつ適切に運
営していく必要があります。また、市町村は介護保険の保険者として、また高齢者保健
福祉サービスの実施主体として、住民のニーズに対応した高齢者の自立を支援する施策
を展開することが求められています。今後とも、市町村において地域の実情に応じた取
組ができるよう支援・助言に努めます。
(1)市町村への支援・助言
① 財政の安定化
介護保険の運営者(保険者)は市町村や広域連合です。県においては、市町村
等の介護保険財政が安定的に運営されるよう、各種事務処理の支援・助言を行っ
ています。
また、介護保険財政の安定化を図るために設置した財政安定化基金を適正に管
理・運営し、市町村における保険給付の増大等による財政不足について資金の貸
付や交付を行うなど、健全な財政運営の確保に努めます。
② 認定の広域化
介護認定審査会の設置・運営にあたっては、審査会委員の確保、公平・公正な
審査判定の実施、効率的な事務の執行等の理由から、市町村の区域を超えた広域
的な取組が行われています。
運営形態 実施数 名称及び加入保険者名
単独設置 6 奈良市、大和高田市、大和郡山市、御所市、生駒市、香芝市
天理市、山添村
機関の共同設置 4 橿原市、高取町、明日香村
川西町、三宅町、田原本町
葛城市、広陵町
桜井宇陀広域連合
桜井市、宇陀市、曽爾村、御杖村
広域連合 2 南和広域連合
五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、
十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
組 合 1 王寺周辺広域休日応急診療施設組合
平群町、三郷町、 斑鳩町、安堵町、上牧町、王寺町、河合町
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
(2)低所得者等への支援
高額介護サービス費、社会福祉法人による利用者負担の軽減及び特定入所者介護サー
ビス費などの支援を行うとともに、低所得者に対する保険料や利用料の軽減措置を拡充
するよう、引き続き国に対して要望していきます。
① 高額介護サービス費の支給
所得の低い方のサービス利用が困難にならないよう、1か月に支払う利用者の
1割負担の合計額が高額になり、所得段階に応じた上限を超えた場合に、申請に
より超えた分が「高額介護サービス費」として市町村から支給されるもので、所
得に応じて限度額の上限が定められています。
② 社会福祉法人による利用者負担の軽減等
社会福祉法人等は、その社会的役割により、市町村民税世帯非課税者であって
一定の要件を満たす方のうち、その方の収入や世帯状況、利用料負担等を総合的
に勘案し、生計が困難であると市町村が認めた方の利用者負担を軽減するととも
に、山間へき地等厚生労働大臣が定める地域においては、訪問系サービスの介護
報酬に対して15%相当の地域加算が行われることから、利用者負担を減額する
場合があります。
③ 旧措置入所者の経過措置の延長
介護保険制度施行前に措置により特別養護老人ホームに入所した方について
は、介護費用の自己負担部分と居住費・食費の合計額が、法施行前の費用徴収額
を上回らないように設定します。(平成22年3月31日まで延長)
④ 特定入所者介護サービス費
介護保険施設等における居住費及び食費についての利用者負担について、所得
の低い方のサービス利用が困難にならないよう、利用者の所得に応じた負担限度
額を定め、この上限と差額相当分について介護保険から給付を行います。
⑤ 保険料の段階設定の見直し
従来の保険料負担段階第4段階(市町村民税課税世帯・本人非課税)における
収入等が一定額以下の者に対して、基準額に乗じる保険料率を低減する(平成2
1年4月から)など、市町村において、よりきめ細やかな段階数及び保険料率を
設定できることとなります。
⑥ 生活福祉資金貸付制度
低所得者の中には、年金などの収入が得られるまで期間がある、家族が遠隔地
に居住しており一時的に家族の援助が得られない等により、その自己負担額が一
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
時的に融通できない場合も生じることから、自己負担額及び食事標準負担額、介
護保険料に相当する額を生活福祉資金で貸付することにより、介護保険制度利用
者の負担軽減を図るものです。
また、住宅改修費等の現金給付(償還払い)となる介護サービスについては、
現金給付(償還払い)がなされるまでに通常申請後2~3ケ月を要すると見込ま
れているため、一時的に本人が立て替えるための経費としても貸付が行われます。
(3)情報の提供・啓発
○ 介護サービスは、適切に利用しないと高齢者の心身機能などがかえって低下す
るおそれがあることが指摘されており、介護サービス情報を事前に入手し、事業
所を比較・検討できる環境整備が重要です。そこで、利用者が事業所を適切に選
ぶための情報を提供する仕組みとして、平成18年4月から「介護サービス情報
の公表」が導入されています。
○ 公表される情報は、事業所が報告した職員体制、利用料金などの「基本情報」
と、介護サービスに関するマニュアルの有無やサービス提供内容の記録管理など、
事業所が報告した情報について、指定調査機関が事実確認の調査を行った上で公
表する「調査情報」があり、県または指定情報公表センターのホームページ等で
提供されています。
○ 「介護サービス情報の公表」制度の周知を図り、積極的な活用を促進します。
(「介護サービス情報の公表」は再掲、P67参照)
○ 独立行政法人福祉医療機構が運営する、保健、医療、介護、福祉に関する総合
情報サイト「WAM NET(ワムネット)」を活用して、県が登録する「事業
者サービス情報・介護報酬情報」と、指定事業者が登録する「追加情報」を一元
的にデータベース化した情報を、インターネットを通じて一般の利用者に提供し
ます。
○ また、県のホームページで、介護保険制度の概要、指定事業者情報などの介護
保険関連の最新情報を提供するとともに、県が発行する広報誌をはじめ、県政情
報センター等においても各種印刷物により介護保険に関する情報提供を行いま
す。
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第5章 施策の展開 第2節 良質なサービスの提供と介護保険事業の円滑な運営
4.介護保険制度の運営の適正化
介護保険制度においては、介護サービスを必要とする受給者を適切に認定した上で、
受給者が真に必要とするサービスを、事業者がサービス提供体制及び介護報酬の請求の
ルールに従って適正に提供することが必要です。
利用者に対する適切な介護サービスを確保する一方で、不適切な給付を削減すること
により、介護保険制度の信頼性を高めるとともに、介護給付費や介護保険料の増大を抑
制することを通じて、持続可能な介護保険制度の構築に資するため、介護給付の適正化
を図ります。
(1)介護給付の適正化の推進
○ 奈良県国民健康保険団体連合会と連携し、市町村が実施する介護給付の適正化
の推進に関する事業について、県及び市町村間の情報の共有、地域の実情を考慮
した助言等の支援を行います。
○ 市町村が介護給付の適正化に関する事業として行う、介護給付適正化システム
の活用、ケアプランチェック、住宅改修実態調査、福祉用具貸与・購入実態調査、
介護給付費通知、介護給付情報と医療給付情報との突合、縦覧点検(介護給付間
の整合性の確認)等の取組を支援します。
○ 指定介護サービス事業者の指定権者として、個別の事業者に対し実地指導及び
監査を実施するとともに、集団指導や報酬改正等説明会を開催し、サービス提供
体制の確保と介護報酬請求の適正化を推進します。
(2)要介護認定の適正化
○ 市町村における要介護認定において、同じ心身の状態にある人が全国一律の基
準に基づき、どの市町村においても同じ認定結果が得られるよう、認定調査員、
主治医、介護認定審査会委員を対象とした研修を実施し、必要な知識・技能の習
得を図るとともに、要介護認定に関する定期的な会合を開催し情報提供等を行い
ます。