第6回 地震時土圧(その2) - rs.noda.tus.ac.jp ·...

7
高さ 長さ σ 1 σ 3 σ 2 ε 2 =0 供試体平均せん断ひずみ γ 1.0 0 完全塑性(RRresひずみ軟化挙動: 例)密な砂礫 主応力比:R=σ 1 3 ピーク強度:Rpeak 残留強度:Rres ピーク応力状態(P残留状態(R静止土圧状態   での主応力比:R0 完全塑性(RRpeak8㎝ せん断層 24㎝ us せん断層 0 1 2 3 0 5 10 15 ピーク応力状態~残留状態間のせん断変形量 y=(us res(㎜) 平均粒径 xD50 (㎜) 線形関係 最小自乗 yax 0.66 R 2 =0.89 貧配合 良配合 平均 密な砂礫の平面ひずみ圧縮試験()を行なうと, 主応力比R =σ σ はピーク値Rpeakを発揮した後低下し て,やがて残留強度Rresに至る()。このような砂 礫のひずみ軟化の現象は,密なほど,拘束圧が低いほど 明確になる。また,ひずみ軟化はせん断層(shearband) の発達を伴って生じる 1) )。三軸圧縮試験で も同様な現象は生じるが,ピーク強度と残留強度の差が 小さくなり,すべり面(せん断層)が軸対象に多数生じ ようとするため,平面ひずみ圧縮試験ほど明確にはひず み軟化現象は生じない。「せん断層」は通常「すべり面」 と呼ばれているが,実際には平均粒径の10―20倍の幅を 持つ層である。これに応じて,ピーク強度から残留強度 に達するまでに生じるせん断層のせん断変形量u)は,粒径が大きくなるほど大きくなる()。 一方,前々号 6) と前号 7) で説明した常時と地震時に対 する古典的土圧論 6),7) では,土の応力ひずみ関係はに示すようにピーク応力に達する前の変形はゼロ(剛 体)であり,ピーク応力に達した後は変形量に関わらず 応力は一定(完全塑性体)と仮定としている 8) では,剛完全塑性体の強度がひずみ軟化体のピーク強度 TATSUOKA Fumio 東京理科大学 理工学部 土木工学科 教授,工博 千葉県野田市山崎2641 **KOSEKI Jun ichi 東京大学 生産技術研究所 教授,工博 東京都目黒区駒場4―6―1―Ce201 第6回 地震時土圧(その2) 龍岡 文夫 古関 潤一 ** 平面ひずみ圧縮試験での密な砂礫のひずみ軟化挙動と 剛・完全塑性挙動の比較 平面ひずみ圧縮試験での供試体の応力・ひずみ状態 砂礫の平面ひずみ圧縮試験でのピーク応力状態から 残留状態に達するまでに生じたせん断層のせん断変 形量と平均粒径の関係 4),5) 豊浦砂(D 50 =0.206 Ù σ′ =78kPa)の平面ひ ずみ圧縮試験で供試体 平均せん断ひずみが 11.8%のときに観察さ れたせん断層 2),3) 安山岩(D 50 =2.496 Ù σ′ =78kPa)の平面ひ ずみ圧縮試験で供試体 平均せん断ひずみが 5.0%のときに観察さ れたせん断層 4),5) この式どうやってできたの? どう使うの? 088 基礎工2010. 3

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高さ

長さ

σ1

σ3

σ2

ε2=0

供試体平均せん断ひずみ γ 1.00

剛―完全塑性(R=Rres)

ひずみ軟化挙動:  例)密な砂礫

主応力比:R=σ1/σ3

ピーク強度:Rpeak

残留強度:Rres

ピーク応力状態(P)

残留状態(R)

静止土圧状態   での主応力比:R0

剛―完全塑性(R=Rpeak)

8㎝

せん断層

24㎝

us

せん断層

0 1 2 3 0

5

10

15

ピーク応力状態~残留状態間のせん断変形量

y=(

us*)res(㎜)

平均粒径 x=D50(㎜)

線形関係

最小自乗 y=ax0.66

R2=0.89

貧配合 良配合 平均

11..はは じじ めめ にに

密な砂礫の平面ひずみ圧縮試験(図―1)を行なうと,主応力比R=σ1/σ3はピーク値Rpeakを発揮した後低下して,やがて残留強度Rresに至る(図―2)。このような砂礫のひずみ軟化の現象は,密なほど,拘束圧が低いほど

明確になる。また,ひずみ軟化はせん断層(shear band)

の発達を伴って生じる1)(図―3,4)。三軸圧縮試験でも同様な現象は生じるが,ピーク強度と残留強度の差が

小さくなり,すべり面(せん断層)が軸対象に多数生じ

ようとするため,平面ひずみ圧縮試験ほど明確にはひず

み軟化現象は生じない。「せん断層」は通常「すべり面」

と呼ばれているが,実際には平均粒径の10―20倍の幅を

持つ層である。これに応じて,ピーク強度から残留強度

に達するまでに生じるせん断層のせん断変形量us(図―

4)は,粒径が大きくなるほど大きくなる(図―5)。一方,前々号6)と前号7)で説明した常時と地震時に対

する古典的土圧論6),7)では,土の応力ひずみ関係は図―

2に示すようにピーク応力に達する前の変形はゼロ(剛体)であり,ピーク応力に達した後は変形量に関わらず

応力は一定(完全塑性体)と仮定としている8)。図―2では,剛完全塑性体の強度がひずみ軟化体のピーク強度

*TATSUOKA Fumio 東京理科大学 理工学部 土木工学科 教授,工博 千葉県野田市山崎2641

**KOSEKI Jun―ichi 東京大学 生産技術研究所 教授,工博 東京都目黒区駒場4―6―1―Ce201

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第6回 地震時土圧(その2)

龍岡 文夫*/古関 潤一**

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図―2 平面ひずみ圧縮試験での密な砂礫のひずみ軟化挙動と

剛・完全塑性挙動の比較

図―1 平面ひずみ圧縮試験での供試体の応力・ひずみ状態

図―5 砂礫の平面ひずみ圧縮試験でのピーク応力状態から

残留状態に達するまでに生じたせん断層のせん断変

形量と平均粒径の関係4),5)

図―3 豊浦砂(D50=0.206�;

σ′3=78kPa)の平面ひ

ずみ圧縮試験で供試体

平均せん断ひずみが

11.8%のときに観察さ

れたせん断層2),3)

図―4 安山岩(D50=2.496�;

σ′3=78kPa)の平面ひ

ずみ圧縮試験で供試体

平均せん断ひずみが

5.0%のときに観察さ

れたせん断層4),5)

初/級/講/座 この式どうやってできたの? どう使うの?

088●基礎工/2010. 3

Q

(0)静止土圧Q0

擁壁の主働水平変位 δ 0

実際の土の挙動

剛―完全塑性(φ=φres)

剛―完全塑性(φ=φpeak)

(P)すべり層に沿ってφpeakが同時に発揮されたときの主働土圧(QA)min

(R)すべり層に沿ってφresが全面的に発揮されたときの主働土圧(QA)res

kh=0.8kh=0.62

kh=0.4

kh=0

:主働動土圧発揮時

kv=0

β=δ=0° ω=90° φ=50°

主働動土圧係数 K

A*

主働すべり面角度 α(°)

1

2

3

4

2.0

1.5

1.0

0.5

0.0 0 20 40 60 80

擁壁 の高さ H

L2

L2L3

L4

L1

L1

3 4

すべり面 水平震度 kh

角度 α

(1) 0.0 α1=70° (2) 0.4 α2=54° (3) 0.62 α3=43° (4) 0.8 α4=33°

すべり面 水平震度 kh

角度 α

(1) 0.0 α1=60° (2) 0.4 α2=34° (3) 0.62 解なし (4) 0.8 解なし

(1) (2) σ τ (3) (4)

α α

α α α α

1 2

2 1

(a) φ=50°

(b) φ=30°

盛土  単位体積重量γ;  内部摩擦角φ=50°;  粘着力係数 c=0;  間隙水圧 u=0

盛土  単位体積重量γ;  内部摩擦角φ=30°;  粘着力係数 c=0;  間隙水圧 u=0

擁壁

擁壁

水平変位δ

水平変位δ

擁壁 の高さ H

擁壁単位幅当りの 総主働土圧  QA(常時),  QA.S(地震時)

擁壁 の高さ H

盛土  単位体積重量γ;  内部摩擦角φ>0;  粘着力係数c=0;  間隙水圧 u=0

水平

鉛直で摩擦ゼロ

擁壁 主働すべり面 (せん断層)

盛土天端での 主働領域の長さ L

khW

ψ W

水平変位δ

σ1

σ3

σ τ

要素A

α

0

45°+φ/2τ

 すべり面上の  応力状態: (τ/σ)peak=tanφ

σ

すべり面以外の 潜在すべり面上 の応力状態: τ/σ=tanφmob (φmob<φ)

φ

と残留強度と等しい二つの場合の応力ひずみ関係が描い

てある。

まず,図―6に示す単純な条件にある擁壁を対象にして,盛土が剛完全塑性体である場合とひずみ軟化体であ

る場合での常時の主働土圧の違いを,クーロン土圧理論

で考察する。この理論では,せん断層以外の部分の盛土

は剛体であると仮定する。図―6�に示す盛土内の要素Aは,図―1に示す平面ひずみ圧縮試験の供試体に対応する。今,擁壁の水平変位δ=0の状態で裏込め盛土が

建設されて,初期土圧Qは静止土圧Q0であるとする(図―

7)。盛土が剛完全塑性体の場合では,δ=0のまま静止土圧状態から主働土圧状態に至り,その後はδが増加

しても土圧Qは変化しない(図―7)。この状態での土圧Qは,この時の内部摩擦角度φ=φresと仮定すると

(QA)resであり,φ=φpeakと仮定すると(QA)minである。

なお,動員された摩擦角φmobと主応力比Rの関係はsin

φmob=R-1R+1

であり,内部摩擦をφとするとsinφ=

Rpeak-1Rpeak+1

である。主働土圧が発揮されている状態では,

すべり面上では「応力比=せん断応力τ/直応力σ」はピーク値(τ/σ)peak=tanφであり,他の面ではτ/σ=tanφmob(<tanφ)である(図―6�)。一方,盛土がひずみ軟化体であれば,内部摩擦角

(ピーク強度)をφpeakとすると,sinφpeak=Rpeak-1Rpeak+1

残留時の摩擦角をφresとするとsinφres=Rres-1Rres+1

である。

この場合,以下の過程を経て,非線形のQ~δ関係が得

られる。

� 静止土圧状態の主応力比はR0であり(図―2),これ

図―7 単純な状態の擁壁での常時の主働土圧と擁壁変位の関係

図―8 単純な状態(図―6)での古典的物部・岡部理論による地震時主働土圧係数KA*とすべり面角度αの代表的な関係(φ=50°のとき)

図―9 単純な擁壁での古典的物部・岡部理論による

水平震度とすべり面角度の関係

(a)全体 (b)主働土圧状態の同一の応力状態での異なる潜在すべ

り面での応力状態

図―6 単純な状態の擁壁(主働土圧発揮時)

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この式どうやってできたの? どう使うの?

基礎工/2010. 3 ●089

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.00.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

φ=50°

水平震度 kh

主働域の大きさ L/H=cotα

kv=0β=δ=0° ω=90°

φ=30°

1

23

4

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

kv=0β=δ=0° ω=90°

地震時主働土圧係数 K

A.S

水平震度 kh

φ=30°

φ=50°

4

3

2

1

すべり面(せん断層)のせん断変形 us

すべり面(せん断層)のせん断変形 us

(a) Kh=0.0

(b) Kh=0.4

1.00

1.00

応力比:τ/σ=tanφmob

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ

すべり面(1)の状態 (usの値は適当)

すべり面(2)の状態 (usの値は適当)

潜在すべり面(1)の応力状態は ピーク状態から除荷

kh=0.0

kh=0.4応力比:τ/σ=tanφmob

潜在すべり面(3),(4)の応力状態はピーク強度に達していない

潜在すべり面(2),(3),(4)の応力状態はピーク強度に達していない

に対応する静止土圧Q0が発揮される(図―7)。� 擁壁の水平変位δが増加すると土圧Qは減少し,

(P)の状態でせん断層(せん断面)内では応力比は

(τ/σ)peak=tanφpeakになり,他の面ではτ/σ=tanφmob

(<tanφpeak)である。この時,Qは最低値((QA)min)

になる。これが,主働土圧である。

� 更にδが増加すると,盛土内に明確にせん断層(す

べり面)が発達し,土圧Qは増加する。残留状態時

(R)に至ると,せん断層内での応力比は(τ/σ)res=tanφresになり,土圧は一定値(QA)resになる。この状

態で,せん断層(すべり面)以外の面で動員されてい

る応力比はτ/σ=tanφmob(<tanφpeak)となっているが,

発揮しうるせん断強度は依然として(τ/σ)peak=tanφpeakである。

22..古古典典物物部部・・岡岡部部理理論論(単純な場合:図―6参照)

地震時主働土圧を求める物部岡部理論では,盛土を等

方剛完全塑性体と仮定しているので,盛土内で発揮しう

るピーク強度は過去のせん断層の発生・発達の履歴に関

わらず,常にどこでも一定である。角度αが異なる潜在すべり面に対する主働動土圧係数は,

KA*=cotα・sin(α+ψ-φ)cosψ・cos(α-φ) ……………………………�

となる(前回7)の式�)。この場合,φpeakとφresの区別が

無いので,内部摩擦角は単にφと表わす。図―8に,φ=50度の場合での水平震度kh=tanψ=0.0,0.4,0.62,

0.8の時のKA*~すべり面角度α関係を示す。これらの関係はkhが連続的に上昇すると連続的に変化し,KA*が

極大値(すなわち,実際の主働動土圧)が発揮されるす

べり面角度αも連続的に減少する。図―9�に,それぞれのkhの値において発生するすべり面�,�,�,�を

示す。図―9�は,φ=30度の時の同様の図である。図―

10,11に,φ=30度と50度の時の,khとすべり面上の土くさび(以下では主働域と称する)の相対的な大きさL/H(式�:前号7)式�c)と主働動土圧係数KA.S(式�;

前号7)式�)の関係を示す。

LH=1tanα=-tanφ+secφ・

�cosψ・sinφsin(φ-ψ)

=-tanφ+secφ�1-tanψtanφ

…�

KA.S=1cos2ψ

┌│││└

cos(φ-ψ)

1+�sinφ・sin(φ-ψ)

cosψ

┐│││┘

………………�

図―12に示すのは潜在すべり面に沿って動員されてい

図―10 単純な状態(図―6)での古典物部・岡部理論による地震時主働域の大きさと水平震度の関係9)

図―11 単純な状態(図―6)での古典物部・岡部理論による地震時主働土圧係数と水平震度の関係9) 図―12 水平震度khが増加する過程での剛・完全塑性体の挙動

����������������������������������������������������������������������������������������������������������������������

090●基礎工/2010. 3

1a

1d

1b

すべり面(1)

すべり面(3)

0 20 40 60 800.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

0.34

0.30

0.13

0.44

:kh=0,φ=50°

:kh=0,φ=30°

:kh=0.4,φ=50°

:kh=0.4,φ=30°

:kh=0.62,φ=50°

:kh=0.62,φ=30°

:kh=0.80,φ=50°

:kh=0.80,φ=30°

主働すべり面角度 α(°)

0 20 40 60 80

主働すべり面角度 α(°)

主働動土圧係数

 KA*

主働動土圧係数

 KA*

すべり面(1)

すべり面(4)

すべり面(3)

すべり面(1)

すべり面(2)

1a

1a

1d

1b

1c

3c

3b

3a

すべり面(2)

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

0.53

0.76

1.11

0.91

(a) すべり面(1)の発生と発達

(b) すべり面(3)の発生と発達

kv=0β=δ=0° ω=90°

1a φpeak=50°のときkh=0で発生 1b kh=0でφres=30°に低下した状態で発達 1c φres=30°に低下後kh=0.4で発達 注)KA

*~α関係は,  段階1aで実線全体で有効  段階1bと1cでは,点○だけで有効

すべり面(1)

1d φres=30°に低下後kh=0.62  まで発達 注)KA

*~α関係は,  段階1dでは,点○だけで有効

3a φpeak=50°のときkh=0.62で発生 3b kh=0.62でφres=30°に低下した状態で発達 3c φres=30°に低下後kh=0.8で発達 注)KA

*~α関係は,  段階3aで実線全体で有効  段階3bと3cでは,点○だけで有効

すべり面(4)

4c φpeak=50°でkh=0.8のとき,すべり面(3)でより高い土圧が発揮されるため,発生しない。

1c φpeak=50°でkh=0.4のとき,すべり面(1)でより高い土圧が発揮されるため,発生しない。

1

擁壁 の高さ H

34

すべり面 水平震度 kh

角度 α

(1) 0.0-0.62 α1=70° (2) 発生しない (3) 0.62以上 α3=43° (4) 発生しない

(1) (2) σ τ (3) (4)

1 2盛土  単位体積重量γ;  内部摩擦角φpeak=50°;φres=30°  粘着力係数 c=0;  間隙水圧 u=0

L1

L2L3

L4

α α α α

擁壁

水平変位δ

:物部・岡部(φpeak=50°)

:物部・岡部(φres=30°)

:修正物部・岡部(kh.cr=0)

:修正物部・岡部(kh.cr=0.2)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0

1a⇒1b

3a⇒3b

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

水平震度 kh

主働域の大きさ L/H=cotα

kv=0β=δ=0° ω=90°

3c

1d1c

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0.5

0.5

1.0

1.5

2.0

kv=0β=δ=0° ω=90°

地震時主働土圧係数 K

A.S

水平震度 kh

:物部・岡部(φpeak=50°)

:物部・岡部(φres=30°)

:修正物部・岡部(kh.cr=0)

:修正物部・岡部(kh.cr=0.2)

3a⇒3b 3c

1d1c1b

1a

る応力比はτ/σ=tanφmobとせん断変形usの関係であり,

水平震度khが増加する過程での図―9に示すそれぞれの潜在すべり面�,�,�,�での応力状態を示す。khが変化するごとに,それまで発達していたすべり面上で

はτ/σがtanφから低下して発達が休止し,異なるすべり面でピーク応力状態になる。

33..修修正正物物部部・・岡岡部部理理論論

3.1 単純な場合(図―6)盛土がひずみ軟化を示す場合(図―2),別の現象が生

じる。すなわち,ある水平震度khである角度αですべ

り面が発生すると,直ちにすべり面内の強度はせん断変

形に伴ってピーク強度から残留強度に向かって低下する。

しかし,すべり面以外の領域で発揮できるせん断強度は,

依然としてピーク強度である。以下,図―13,14,15,16を参照して,この過程をφpeak=50°,φres=30°の場合で説明する。

段階1a):kh=0.0ですべり面�が発生 今,kh=0.0

で既に壁体がある程度変位していて,盛土が主働状態

(図―7の(P)の状態)になっているとする(kh.cr=0.0)。この時,図―13�)に示す「φpeak=50°,kh=0の時のKA*

~すべり面角度α関係」でKA*はα=45°+φ/2=70°で極大値となりKA.S=(1-sinφpeak)/(1+sinφpeak)=0.13

が主働土圧として発揮される。この時,すべり面�が形

成され,それに沿って応力比は(τ/σ)peak=tanφpeakと

なっている(図―14)。この状態は,図―15,16では1aの記号で示してある。この段階のすべり面�と潜在すべり

面内の応力状態を図―17�に示す。段階1b):kh=0.0ですべり面�が発達 すべり面�内

でφmobがφpeak=50°からφres=30°に低下し,土圧状態は

図―7での(R)の状態に達する。この低下速度は粒径が大きいほど遅くなる(図―5)。盛土内の他の領域では

図―13 単純な状態(図―6)での修正物部・岡部理論による地震時主働土圧係数KA*とすべり面角度αの代表的な関係(φpeak=50°,φres=30°)

図―14 単純な状態(図―6)の擁壁での修正物部・岡部理論による水平震度とすべり面角度の関係

図―15 単純な状態(図―6)での修正物部・岡部理論による地震時主働域の大きさと水平震度の関係9)

図―16 単純な状態(図―6)での修正物部・岡部理論による地震時主働土圧係数と水平震度の関係9)

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この式どうやってできたの? どう使うの?

基礎工/2010. 3 ●091

(a) 段階1a:Kh=0.0でのすべり面(1)の発生

(b) 段階1b:Kh=0.0でのすべり面(1)の発達

(d) 段階1dと段階3a:Kh=0.62でのすべり面(1)の発達とすべり面(3)の発生

(e) 段階3b:Kh=0.62でのすべり面(1)の除荷とすべり面(3)の発達

(c) 段階1c:Kh=0.4でのすべり面(1)の発達

供試体平均せん断ひずみ γ 供試体平均せん断ひずみ γ

供試体平均せん断ひずみ γ 供試体平均せん断ひずみ γ

供試体平均せん断ひずみ γ

1.00

1.00

1.00

1.00

1.00

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ (φpeak=50°)

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ (φpeak=50°)

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ (φpeak=50°)

残留強度: (τ/σ)res=tanφres

(φres=30°)

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ (φpeak=50°)

残留強度: (τ/σ)res=tanφres

(φres=30°)

ピーク強度: (τ/σ)peak=tanφ (φpeak=50°)

残留強度: (τ/σ)res=tanφres

(φres=30°)

残留強度: (τ/σ)res=tanφres

(φres=30°)

残留強度: (τ/σ)res=tanφres

(φres=30°)

段階1aでのすべり面(1): ピーク応力状態

段階3aでのすべり面(3): ピーク応力状態

段階1d)でのすべり面(1): 残留応力状態

段階3bでのすべり面(3): 残留応力状態

段階3bでのすべり面(1) の応力状態(除荷状態)

段階1bでのすべり面(1): 残留応力状態

段階1cでのすべり面(1): 残留応力状態

潜在すべり面(2),(3),(4) の応力状態はピーク強度に 達していない

潜在すべり面(2),(4) の応力状態はピーク強度に 達していない

潜在すべり面(2),(4) の応力状態はピーク強度に 達していない

潜在すべり面(2),(3),(4) の応力状態はピーク強度に 達していない(除荷状態)

潜在すべり面(2),(3),(4) の応力状態はピーク強度に 達していない(除荷状態)

kh=0.0 kh=0.62

kh=0.62kh=0.0

kh=0.4

応力比:τ/σ=tanφmob 応力比:τ/σ=tanφmob

応力比:τ/σ=tanφmob応力比:τ/σ=tanφmob

応力比:τ/σ=tanφmob

発揮しうるピーク強度はφpeak=50°に維持されているの

で,すべり面�(α=αcr=70°)は最もすべりやすい状

態になっている。このため,すべり面は�だけがすべり

変形する(図―14,15)。従って,主働土圧KA.Sは式�に

従って,「φres=30°,kh=0での値(=0.30)」に増加す

る(図―13�,16)。式�に用いるすべり面の角度αは,式�でφ=φpeakとした式�によって得られる。ただし,

この場合はkh=0なのでψ=0である。

tanα=

┌│││└

-tanφpeak+secφpeak�1-

tanψtanφpeak

┐│││┘

-1

………………�

この段階のすべり面�と潜在すべり面の応力状態を

図―17�に示す。段階1c):0.0<kh<0.62ですべり面�が発達 khが例

えば0.4に増加した場合,実際に発揮される動主働土圧

係数KA.Sは,「すべり面�(α=70°)に沿って発揮されるφmob=φres,kh=0.4の場合のKA*(=0.44)」と「角度

αがより小さいすべり面�に沿って発揮されるφmob=φpeak,kh=0.4の場合でのKA*の最大値(=0.34)」のう

ち,大きな値である前者の0.44になる(図―13�)。従って,すべり面�は発生しない。この段階のすべり面�と

潜在すべり面の応力状態を図―17�に示す。この状態は,次に述べる段階まで継続する。

段階1d):khが0.62になるまですべり面�が発達し,

段階3a)ですべり面�が発生 khが0.62まで上昇する

と「α=70°のすべり面�に沿ったφmob=φres,でのKA*」

と「新たに形成されたα=αcr=44°のすべり面�に沿っ

たφmob=φpeakでのKA*の最大値」が,いずれも0.53にな

る(図―13�)。従って,KA.S=0.53が発揮される。すなわち,khが連続的に増加しても,すべり面は�⇒�の

ように不連続的にしか発生しない。この現象は,模型振

動台実験結果と一致する10),11)。すべり面の天端での大

きさLは,kh=0.62に対応するψ=31.8°を使って式�

図―17 水平震度khが増加する過程でのひずみ軟化挙動

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092●基礎工/2010. 3

L

H

裏込め 盛土 

すべり面(直線と仮定)

φ

δ

力の多角形

擁壁 β

ψ

α R

R

kvW

kvW kvWkhW

QA.S

W

QA.S

W

地震時主働域に 作用する合慣性力

ω=90°+θ

θ

で得られる(α=43°)を式�に代入して得られる。この段階のすべり面�と�と潜在すべり面の応力状態を

図―17�に示す。段階3b):kh=0.62ですべり面�が発達 新しいすべ

り面�でφmobがφpeakからφresに低下し,式�に従って

KA.Sは0.91に増加する。この段階のすべり面�と各潜在

すべり面の応力状態を図―17�に示す。すべり面�でのせん断応力比τ/σはtanφresよりも低下し,除荷状態とな

り休止する。この2次主働すべり面�が,その後の盛土

破壊モードと土圧を支配する。

段階3c):kh>0.62ですべり面�が発達 khが例えば

0.8まで増加した場合,発揮される動主働土圧係数KA.Sは,「すべり面�(α=70°)に沿って発揮されるφ=φres,

kh=0.4の場合のKA*(=1.11)」と「角度αがより小さいすべり面�に沿って発揮されるφmob=φpeak,kh=0.8

の場合でのKA*の最大値(=0.76)」のうち,大きい値

である前者となる(図―13�)。修正物部・岡部理論9)は,以上のように,ひずみ軟化

する盛土で実際に生じる現象を反映し,ピーク強度

φpeakと残留強度φresを取り入れたものである。すべり面

上に位置する主働域の大きさL/Hは,古典物部・岡部理論でφpeakあるいはφresの何れを用いて求めたものより

も小さくなる(図―15)。これは,地震で崩壊した現場の擁壁や模型振動台実験での観察と一致している10),11)。

また,主働動土圧は,「従来の設計法で用いてきた古典

物部・岡部理論でφresを用いて求めた主働動土圧」より

も確実に小さくなる(図―16)。その差はkhが大きくなるほど大きくなる。図―15,16には,上で説明したkh=0.0で盛土にすべり面が発生した場合と,kh=0.2で発

生した場合(kh.cr=0.2)の関係も示す。古典物部・岡

部理論でφres=30°を用いて求めた設計主働動土圧は,

震度khが0.5程度を超えると非常に大きくなるため,レ

ベル�の設計地震動に対して擁壁を設計することは非常

に困難になる。一方,新しい方法ではそのようなことが

生じない。

なお,図―16に示す修正物部・岡部理論による主働動土圧係数KA.Sは,あるkhで不連続的に増加する。これは,

「新しい深いすべり面(せん断層)が発生した瞬間,そ

のせん断層内の内部摩擦角はφpeakからφresへ直ちに低下

する」と仮定しているからである。これは,粒径がゼロ

と仮定していることになる。実際は,この変化には一定

のすべり変位が必要であることから,盛土の粒径が大き

いほど,ここに示す結果は安全側となる。

3.2 一般的な状態図―18に示す一般的な状態に対する修正物部岡部理論

は,前号7)を参照して,以下のようになる。

QA・S=12・KA.S・γ・(1-kv)・H2…………………………

(前号7式)

状態1)すべり面が発生した瞬間: 前述した段階1

a,3aに対応する。kh=kh.cr,kv=kv.crですべり面が発生

し,そのすべり面上でφmob=φpeakが瞬間的に発揮される。

その状態における動主働土圧係数KA.Sは,古典物部・岡

部理論を適用して次式で算定される。

KA.S=1cosψ

┌│││└

sin(ω+ψ-φpeak)

sinω・�sin(ω+ψ+δ)+

�sin(φpeak+δ)・sin(φpeak-β-ψ)

sin(ω-β)

���

���

┐│││┘

……………………………………………………………�

(前号7式�でφ=φpeakとした)

tanψ=kh.cr1-kv.cr

…………………………………………

(前号7式�でkh=kh.cr,kv=kv.crとした)

最初のすべり面が発生する条件(kh.crとkv.crの値,あ

るいはこれらに対応するψの値)は別途設定する必要が

あり,例えばレベルIの設計地震動に相当する震度など

が用いられる。このときのすべり面の角度αcrは,次式

から得られる。

tan(αcr-β)=-tan(φpeak+δ+θ-β)+

sec(φpeak+δ+θ-β)・

�cos(θ+δ+ψ)・sin(φpeak+δ)cos(θ-β)・sin(φpeak-β-ψ)

…�

(前号7式�bでφ=φpeak,α=αcrとした)

主働域の大きさLの擁壁高さHに対する比は,次式か

ら求まる。

LH=1+tanθ・tanβtanαcr-tanβ

……………………………………�

(前号7式�aでα=αcrとした)

2番目以降のすべり面が発生する条件の設定方法につ

いては,状態3で後述する。

状態2)すべり面でひずみ軟化が生じた直後: 前述

の段階1b,3bに対応する。すべり面内でφmobがφresに低

下した直後のKA.Sは,式 ,�で求めたψとαcrを用いて

次式により算定され,状態1よりも大きな値となる。こ

の式は,一般条件下での前号7の式�a,�bに古典物

部・岡部理論の考え方を適用して得られたものである。

KA.S=sin(αcr+ψ-φres)cos(αcr-φres-θ-δ)

・cos2(θ-β)・{tan(θ-β)+cot(αcr-β)}

cos2θ・cosψ…�

すべり面の角度は状態1と変わらない(α=αcr)。そ

のため主働域の大きさも変化しない。

状態3)すべり面の発達過程: 前述の段階1cに対応

する。地震力による慣性力が状態2よりもさらに増加し

た場合のKA.Sも,式�を用いて算定することができる。図―18 一般的な状態での地震時主働土圧

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この式どうやってできたの? どう使うの?

基礎工/2010. 3 ●093

ただし,ψとして,増加した慣性力に応じて次式で求め

た値を用いる。

tanψ=kh1-kv

……………………………………………�

この結果として,ψの増大に伴ってKA.Sも大きくなる。

一方で,すべり面の角度は状態1,2と変わらない(α=αcr)。そのため主働域の大きさも変化しない。

なお,式�で求めたψを式�に代入して得られるKA.Sは,すべり面以外の領域で仮にφmob=φpeakが発揮された

場合の仮想的な主働土圧に相当する。このKA.Sもψの増

大に伴って大きくなり,あるψの値において「式�によ

り得られるKA.S」に追いついて一致する(前述した段階

3aに対応)。この時点で次のすべり面が発生する。

すなわち,次のすべり面が発生する条件は,式�と式

�によるKA.Sの値が等しくなるようなψの値として設定

される。このψの値を式�に代入して得られるすべり面

角度αcrは,先に発生したすべり面角度よりも小さい。

そのため,次のすべり面が発生すると主働域は大きくな

る。以降の計算は,この新しいαcrの値を用いて状態1

に戻って改めて実施することになる。

以上の計算手順を繰り返すのが,一般的な状態に対す

る修正物部・岡部理論である。具体的な計算結果につい

ては,例えば文献12)を参照されたい。

44..修修正正物物部部・・岡岡部部理理論論とと古古典典物物部部・・岡岡部部理理論論のの比比較較

修正物部・岡部理論(以下では修正理論と称する)が

古典物部・岡部理論(古典理論)よりも優れている点は,

以下の3点としてまとめることができる9),13)。

� 修正理論によるKA.Sは,古典理論でφ=φpeakとした

場合よりも大きい。後者の値は,盛土がピーク強度を

発揮した後のひずみ軟化挙動を考慮していない点で,

実際よりも地震時主働土圧係数を過小評価していて,

危険側となる。一方で,修正理論によるKA.Sは,古典

理論でφ=φresとした場合よりも小さい。後者の値は,

盛土全域の強度が残留状態に低下した状態を想定して

いる点で安全側に偏りすぎた設定である。また,この

方法では盛土の締固め程度の違いの影響等を合理的に

考慮することができない。

� 古典理論を用いた設計指針で規定されているφの設

計値は,上記のφresに相当すると考えられるが,この

方法では地震力が大きくなると計算ができなくなる場

合がある。これに対して,修正理論は,地震力が大き

い場合でも適用可能である。

� 主働域(盛土中の破壊領域)の相対的な大きさL/Hは,古典理論では「φ=φresの時の値」よりも「φ=

φpeakの時の値」の方が小さくなるが,修正理論によ

る値はさらに小さくなる。擁壁変位が盛土上または盛

土中の構造物に及ぼす影響を考慮する場合,この特徴

は非常に重要である。すなわち,構造物の安定性を保

持するために盛土を補強する場合,修正理論を適用す

ると必要な補強領域が著しく小さくなる。

一方で,修正理論を適用する際の留意点として,最初

にすべり面が発生する条件に計算結果が大きく依存する

ことが挙げられる。特に,修正理論では2番目以降のす

べり面が発生するとKA.Sが不連続的に増加するが,それ

が生じる水平震度khの大きさも最初の条件設定次第で変

化する。そのため,設計地震力がこのkhに近い値である

場合には,最初にすべり面が発生する条件設定が極めて

重要となる。

上記の点に関連して文献14)では,修正理論において

2番目のすべり面が発生した以降のKA.Sと水平震度khの

直線的な関係を外挿することにより,本来は不連続に変

化するKA.Sとkhの関係を簡易的な一次式で近似する工夫

が行なわれている。

■参考文献1) 龍岡文夫・菊池喜昭(2003):基礎の設計―やさしい基礎知識―(第14回),基礎工,Vol.31,№3(3月号),94~99頁.

2) Yoshida, T., Tatsuoka, F., Siddiquee, M.S.A. and Kamegai, Y.(1995),“Shear banding in sands observed in plane strain com-pression”, Localisation and Bifurcation Theory for Soils and Rocks(Chambon et al., eds.), Balkema, pp.165~179.3) Yoshida, T. and Tatsuoka, F.(1997),“Deformation propertyof shear band in sand subjected to plane strain compressionand its relation to particle characteristics”, Proc .14th ICSMFE,Hamburg, Vol.1, pp.237~240.

4) 奥山義英・山田眞一・大家充裕・佐藤信光・吉田輝・龍岡文夫(2002):粒状体のせん断層の変形特性に及ぼす均等係数と粒径の影響,第37回地盤工学研究発表会(大阪),587~588頁.

5) 大家充裕・佐藤信光・奥山義英・吉田輝・山田眞一・龍岡文夫(2002):粒状体のせん断層の変形特性に及ぼす載荷速度の影響,第37回地盤工学研究発表会(大阪),435~436頁.

6) 龍岡文夫(2010):Coulomb土圧,「基礎工」,平成22年1月号,Vol.38,№1,114~118頁.

7) 龍岡文夫・古関潤一(2010):地震時土圧(その1),「基礎工」,平成22年2月号,Vol.38,№2,104~107頁.

8) 龍岡文夫・菊池喜昭(2003):基礎の設計―やさしい基礎知識―(第15回),基礎工,Vol.31,№4(4月号),71~74頁.

9) Koseki, J., Tatsuoka, F., Munaf, Y., Tateyama, M. and Kojima,K.(1997),“A modified procedure to evaluate active earthpressure at high seismic loads”, Soils and Foundations, SpecialIssue, No.2,209~216.

10)渡辺健治,古関潤一,舘山勝:裏込め地盤の応答加速度を考慮した地震時擁壁土圧に関する模型振動実験,第11回日本地震工学シンポジウム,pp.981~986,2002.

11)古関潤一,加藤範久,渡辺健治,舘山勝:重力式擁壁模型の水平加振実験を対象とした地震時滑動・転倒変位量の簡易計算,土木学会59回年次学術講演会講演概要集 第3部門,CD―ROM,2004.

12)鉄道総合技術研究所編:鉄道構造物等設計標準・同解説,耐震設計,pp.46~47,87~90および386~393,丸善,1999.

13)古関潤一:裏込め土中でのすべり面発生に伴うひずみ軟化挙動を考慮した地震時土圧算定法(修正物部岡部式),土木技術,Vol.61,№2,pp.46~52,2006.

14)日本道路協会編:道路橋示方書・同解説,�耐震設計編,pp.65~68および327~328,2002.

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