株式会社abbalab - 3d perspectives · 2016-12-16 ·...

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Page 1: 株式会社ABBALab - 3D PERSPECTIVES · 2016-12-16 · した。ABBALab社は、初期開発のプロトタイピング段階か ら、資金や設備の提供からスキル向上のための教育まで、多

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金融・ビジネスサービス事例

株式会社ABBALab

Page 2: 株式会社ABBALab - 3D PERSPECTIVES · 2016-12-16 · した。ABBALab社は、初期開発のプロトタイピング段階か ら、資金や設備の提供からスキル向上のための教育まで、多

スタートアップ企業のきらめくイノベーションABBALab社(東京)は、モノのインターネット(IoT)市場向けのハードウェアの開発や市場化をめざすスタートアップ企業を対象に、2014年に支援プログラムを立ち上げました。ABBALab社は、初期開発のプロトタイピング段階から、資金や設備の提供からスキル向上のための教育まで、多岐にわたるサービスを提供しています。ABBALab社CEO、小笠原 治氏は次のように述べています。「弊社はGugen2014というハードウェア・コンテストのプラチナ・スポンサーを務めたのですが、それに電動義手の開発企業であるイクシー株式会社が応募していました。私がイクシー社に当社の支援プログラムへの参加を打診したところ、同社CCOの小西 哲哉氏から、ダッソー・システムズの設計アプリケーションCATIAを利用できるのであれば参加します、と言われました。それが最初にCATIAを導入した理由です」 現在、電動義手は非常に高価なデバイスです。小西氏らは、電動義手の機構から基板、形状デザイン、プログラミング・コードに至るまで、すべての設計をオープンソース形式で提供できないかと考え、仲間とともにイクシー社を創業しました。「また、3Dプリンターを義手の製造に使用することは、ゲーム・チェンジャーになると考えています。かつてないほど手ごろな価格で義手を入手できるようになるからです」と小西氏は述べています。小西氏は、イクシー社がABBALab社の支援プログラムに参加する条件としてCATIAの導入を求めた理由を次のように説

明しています。「他にも多くの設計アプリケーションを試しましたが、自分にとってはCATIAが最も想い通りの形状を作成しやすいソリューションでした。CATIAを利用できなければ、自分のアイデアを表現できないだろうと思ったのです」

クラウドベースのテクノロジーで共創を支援小笠原氏はその後、DMM.makeの総合プロデューサーとして、量産化を前提とした製品のプロトタイピング用の各種設備を備えたファブ施設、DMM.make AKIBAを設立しました。たとえばイクシー社は、ABBALab社の支援を受け、電動義手の開発にDMM.make AKIBAの設備を利用しています。「ABBALab社の業務をDMM.make AKIBAをベースとするモデルに移行したときに、クラウドベースの3Dエクスペリエンス・プラットフォームを採用し、それ以後、スタートアップ企業への支援体制を拡充しました」(小笠原氏)。小笠原氏は次のように述べています。「われわれが3Dエクスペリエンス・プラットフォームに引き付けられた第一の理由は、共創の可能性が開かれるクラウドベースのアプローチである点です。クラウドベースであれば、特定の場所で作業しなければならない、という制約がなくなるからです。他の大きな理由は、このプラットフォームではファイルではなく、データベース上でデータを一元管理できるため、常に最新の情報に確実に、リアルタイムでアクセスできるという点です。この機能は本当に、『共に創る』という当社の全体構想に結び付いていて、コラボレーション可能な環境で、多くの人の協力を得ながら一つの設計を作り上げることができます」

課題シード・アクセラレーター(スタートアップ企業や起業家への投資や各種支援を行う事業者)のABBALab社は、製品開発のプロジェクトに取り組むスタートアップ企業やフェロー(支援企業)が、場所や時間の制約なくライセンスベースの高機能CADソフトウェアにアクセスできるような仕組みを必要としていました。

ソリューションABBALab社は3Dエクスペリエンス・プラットフォームをクラウド上に展開し、自社が支援するスタートアップ企業の技術的なニーズに応えました。スタートアップ企業はこのプラットフォームを利用することで、自社のプロジェクトの進行に必要なソフトウェア/ハードウェア投資を抑えることができます。

メリット3Dエクスぺリエンス・プラットフォームでは、ユーザーは世界のどこにいても一元管理された最新のデータを共有し、リアルタイムのやりとりを重ねながらデータの更新や活用を容易に行えます。このプラットフォームによって、共創(Co-creation)が促進され、新たなスタートアップ企業がABBALab社の支援プログラムに参加しやすくなっています。

「クラウド上の3Dエクスペリエンス・プラットフォームによって、世界のどこからでもリアル

タイムに最新の情報にアクセスできることが保証されることで、共創のための数多くの可能性が開かれました。これが、共に創るという全体構想に結び付いており、コラボレーション可能な環境で、多くの人が協力して1つの設計を作り上げることができます」

— ABBALab社CEO、小笠原治氏

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このプラットフォームでは、ユーザーが世界のどこにいても、新しいプロジェクトの最新情報にアクセスできます。たとえばイクシー社の電動義手のデータは、プラットフォームから完全にオープンソースであるパッケージで入手できます。米国やポーランドなど世界各地のユーザーが、既にデータをダウンロードし、そのデータを自社の製品で利用し始めています。小西氏は次のように述べています。「クラウドベースの3Dエクスペリエンス・プラットフォームでは、すべてのデータを履歴や属性と共にそのまま共有できます。さらに離れた場所の他のユーザーとも、プラットフォーム上のチャット機能でやりとりができるため、意思疎通の助けになっています」今後は、個人のエンジニアにももっと利用しやすい環境になれば、と小西氏は考えています。「企業という環境を飛び出して独立したいと考える人はとても多いのですが、独立してしまえば(企業の資産である)CATIAを利用できなくなると分かっています。この点がずっと気になっていて、個人のエンジニアでもCATIAを利用できる環境があれば、世界中でもっと多くの人たちが、クリエイティビティを発揮して自分のアイデアを形にできるようになると思います」Consumer Electronics (家電)をREVOlution(革新)するという思いを込めて命名されたもう一つのスタートアップ企業、Cerevo社は、日常生活を便利で豊かにすることを目的とした、革新的な消費者向けネットワーク・デバイスを作っています。Cerevo社は、同社CEOの岩佐琢磨氏が、DMM.make AKIBAの立ち上げ時にABBALab社の小笠原氏と協力したことを契機に、ABBALab社の構想に触れました。Cerevo社設計エンジニアの石井 剛太氏は次のように語っています。 「弊社はこれまで10以上の商品を量産化し、市場に出してきました。このプログラムでは、その過程で得たノウハウを他の企業に伝えつつ、コラボレーションの関係を築いて共同開発などのプロジェクトを実施できればと考えています」

リアルタイムのコラボレーションで相乗効果を促進石井氏は、ユーザーどうしがつながって協力することに、クラウドベースの3Dエクスペリエンス・プラットフォームがさらに貢献できると期待し、次のように述べています。「たとえば金型メーカーに設計データを提供する場合、未だに、実際の作業場所へ出かけて試作品を見て、その場でデータに必要な変更を加えることがよくあります。それらをすべて、オフィスにいながらできるようになることを期待しています。クラウドベースのプラットフォームを使って遠隔地のメーカーと一緒にデータを見て、必要な修正があればすぐに指示をする、といったやり方です。DMM.make AKIBAに入居している別のスタートアップ企業と協力すれば、Cerevo

トップ画像: exiiiが提案する電動義手「HACKberry」のCATIAデザイン図。より詳しくお知りになりたい方は下記アドレスを参照ください。www.exiii.jp/hackberry.html

ボトム画像: 株式会社Cerevoが販売する、人気アニメ「PYCHO-PASS サイコパス」に登場するドミネーターを精巧に再現されたスマート・トイ。劇中でキャラクターボイスを担当した方の音声を100種類以上撮り下ろしで収録しています。より詳しくお知りになりたい方は下記アドレスを参照ください。dominator.cerevo.com/

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CITE は、アメリカ合衆国、またはその他の国における、ダッソー・システムズ(ヴェルサイユ商業登記所に登記番号B 322 306 440 で登

録された、フランスにおける欧州会社)またはその子会社の登録商標または商標です。

株式会社ABBALabについて 株式会社ABBALab(アバラボ)は「少し未来のものづくり」をテーマに、IoTハードウェアスタートアップを支援するプログラムを提供します。素晴らしいアイデアや企画にもとづくIoTハードウェアの開発を

ロプ「と」グンピイタトロプ「、し対にムーチす指目ダクトの適量生産モデルの開発」、二つの過程において様々な形で支援を行います。

サービス内容: IoT関連スタートアップ企業へのプロトタイピング・シードラウンド投資や、育成支援を行う。

従業員数: 3名

本社: 東京都

詳細情報:www.abbalab.com

社だけではうまくいかない構想や製品をも世に出せます。これは、DMM.make AKIBAという場でかなりの相乗効果が得られる可能性があることを意味します。DMM.make AKIBAに入居している他のスタートアップ企業と、互いが必要とするリソースを共有し、さらにデータ共有の仕組みを活用すれば、本当に相乗効果が急速に上がっていくだろうと思います」「ABBALab社の目的は、製品自体の価値が顧客にアピールする、高品質なハードウェアの開発を志す企業を支援することです。クラウド上の3Dエクスペリエンス・プラットフォームによって、スタートアップ企業は自社のプロジェクトに豊富な設計情報を提供し、イノベーションの実現に向けた自社の可能性を大きく引き上げることができます」というのが、小笠原氏の結論です。

ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォームでは、12の業界を対象に各ブランド製品を強力に統合し、各業界で必要とされるさまざまなインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスを提供しています。 ダッソー・システムズは、3Dエクスペリエンス企業として、企業や個人にバーチャル・ユニバースを提供することで、持続可能なイノベーションを提唱します。世界をリードするダッソー・システムズのソリューション群は製品設計、生産、保守に変革をもたらしています。ダッソー・システムズのコラボレーティブ・ソリューションはソーシャル・イノベーションを促進し、現実世界をより良いものとするためにバーチャル世界の可能性を押し広げています。 ダッソー・システムズ・グループは140カ国以上、あらゆる規模、業種の約20万社のお客様に価値を提供しています。より詳細な情報は、www. 3ds. com(英語)、www.3ds.com/ja(日本語)をご参照ください。

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