はじめてのcanape...第3章 デバイスのイントロダクション canapeのデバイス...

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はじめての CANape ビギナー向け資料「はじめてシリーズ」

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Page 1: はじめてのCANape...第3章 デバイスのイントロダクション CANapeのデバイス デバイスには、電子制御装置( ECU: Electronic Control Unit) または拡張測定装置(

はじめてのCANapeビギナー向け資料「はじめてシリーズ」

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発行元:ベクター・ジャパン株式会社ベクター・ジャパン株式会社の書面による許可なしに、本書の内容を転載、複製、複写することを禁じます。記述されている内容は予告なく変更されることがあります。本稿は、CANapeバージョン12.0以降を対象としています。

©2014-2017 Vector Japan Co., Ltd.

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目 次

はじめに

第 1章 CANapeシステム概要

CANapeとは

高機能な「測定・キャリブレーション」ツール

CANapeで使用されるハードウェア

 ネットワークインターフェイス

 アナログ・デジタル I/Oインターフェイス

 その他、GPS受信機・カメラ

インターフェイスの確認

ハードウェアとチャンネル設定

 チャンネル確認

 チャンネルを切り替える場合

第2章 プロジェクト管理

プロジェクトとは

CANapeでのプロジェクト作成

 演習 1:プロジェクトの作成

第3章 デバイスのイントロダクション

CANapeのデバイス

デバイス - ドライバタイプ

デバイスのイントロダクション

 演習2:新規デバイスの作成とドライバ設定

デバイス作成

第4章 データベース

データベースとは

CANapeでのデータベース用ツール

データベースのイントロダクション

 演習3:データベースの作成

第5章 測定と設定保存

設定

 演習4:測定と設定保存

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目 次

第6章 データの収録と再生

測定とデータ収録

 演習5:データの収録

測定ファイルの再生

 演習6:データの再生

測定ファイルの再生設定

あとがき

付録

CANapeトレーニングコース紹介

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はじめてのCANape

はじめに

本稿は、ベクターが提供するECUの測定 /キャリブレーション/診断/フラッシュのための万能ツール「CANape」をインストールし、これから初めてお使いいただくビギナーユーザー様を対象に作成した参考資料です。CANapeで「実際にどのようなことができるのか」、「どのように操作すればよいのか」という観点から、CANapeに関する基礎知識と基本機能の使い方を、やさしく解説していきます。それでは、まずCANapeの製品概要から簡単に見ていくことにしましょう。

第 1章 CANape システム概要

CANapeとは

CANapeは、ECUの測定、キャリブレーション、診断のための総合

的なツールです。測定データを取得

するだけでなく、ECU開発、キャリブレーション、診断にも使用できます。

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高機能な「測定・キャリブレーション」ツール

● 測定・キャリブレーションを繰り返し実行するためには、それに対応できる能力を備えたツールが必要です。

● CANapeは、ECU動作中のパラメーターと各種シグナルの繰り返し測定・キャリブレーション用システムです。

● CANapeは下記内容を含んだ高度なアプリケーションです。 ・ 測定 ・ キャリブレーション ・ ECUフラッシュ ・ 診断 ・ 機能開発

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はじめてのCANape

CANapeで使用されるハードウェア

ネットワークインターフェイス

高速測定・適合

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アナログ・デジタルI/Oインターフェイス

その他、GPS受信機・カメラ

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はじめてのCANape

確認手順

1.バスインターフェイスをPCに接続例 )VN1610の場合、USBコネクターに接続

       VN1610  

2.コントロールパネルを開き、Vector Hardware アイコンをクリック

3.下図のようにカードが認識されているかどうかを確認

インターフェイスの確認

CANapeを動作させるために必要なライセンスはインターフェイス内にあります。使用するにあたっては、まずこれらが認識されていることが必要です。

以下を参照しながら、コントロールパネルまたはCANapeメニュー[デバイス]-[ベクターハードウェアの設定 ]からVector Hardware Configを立ち上げ、実際に確認してみましょう。

※注意!左図のように進入禁止マーク  が出ている場合はインターフェイスが認識されていません。

認識できていない場合のアイコン表示

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ハードウェアとチャンネル設定

次に、CANapeをどのようなハードウェアチャンネルで使用するかを登録しましょう。Applicationを展開し、CANapeを選択し(①)、CAN 1 を右クリックしポップアップメニューから

CANcardXLのChannel 1 を選択して割り当てます(②)。 本稿では、Virtual CAN Busに設定してください。

チャンネル確認

チャンネルを切り替える場合

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はじめてのCANape

第2章 プロジェクト管理

プロジェクトとは

CANapeを使用するには、最初にプロジェクトを作成します。プロジェクトには、CANapeにて測定およびキャリブレーションを行う場合に必要な情報が含まれます。プロジェクト作成時、指定されたディレクトリにプロジェクト名と同名のフォルダーが自動的に作成されます。

各プロジェクトの初期設定は、上記フォルダーに収められている“CANape.ini”ファイルに記録されます。CANapeによって作成されたこのディレクトリを、作業ディレクトリまたはプロジェクトディレクトリと言います。

作業ディレクトリには、一般的に以下のファイルが含まれています。

● 初期設定ファイル(CANape.ini)  プロジェクトのグローバル設定が保存されます。  複数の設定ファイル(*.cna)、特定の測定ジョブおよび  キャリブレーション ジョブのローカル設定が保存されます。

● コンフィグレーションファイル (*.cna)  測定リスト、各測定Windowの設定情報やレイアウト  設定などが保存されます。必要に応じて複数用意する  必要があります。

● 測定ファイル  *.MDF(Measurement Data Format) , *.MF4,   *.BLFなど

● 測定 /キャリブレーションデバイスのための情報   ECUデータベース(*.A2L)   通信データベース(*.DBCなど)   パラメータセットファイル(*.PARなど)   Seed&Keyファイル(*.DLL)

※注意!

CANape.iniファイル内の設定は自動的に生成されるため、このファイルを手動で変更しないでください。

CANape.ini

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CANapeプロジェクトファイル構成図

測定・適合対象ECU(CCP or XCP)

CAN通信ノード

CANape作業ディレクトリ

CANape

シードキーDLL *.mdfマップファイル

CAN

ネットワークインターフェイス

測定・適合に必要なファイル類

など など など

デバイスの情報などが記されたファイル(データベース)

測定・適合設定や表示情報に関するファイル

測定結果ファイル

*.cna

初期設定ファイル

CANape.iniデバイス設定、ドライバ設定、関数などすべてのプロジェクト設定が含まれている

接続されている測定対象(デバイス)

*.a2I(CCP/XCP) *.dbc(CAN)

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はじめてのCANape

  では実際に、以下の名前で新規プロジェクトを作成してみましょう。

CANapeでのプロジェクト作成

■演習 1:プロジェクトの作成

プロジェクト作成

1. CANapeを起動

「 I accept」をクリック

プロジェクト名

保存ディレクトリ

CANape_Sample

Eドライブ

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Tips①:ポップアップ

起動時にプロジェクトを選択後、現在のWindows設定について以下のようにSystem-infoや、ヒントが表示される場合があります。次回起動時から表示させないようにするには“System Info”ではチェックボックスにチェックを入れ、“ヒント”ではチェックをはずして下さい。

2.「プロジェクトを選択」のWindow内で “<新規プロジェクトの作成>” を選択し、OKをクリック

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はじめてのCANape

4.「ブラウズ」を押し、プロジェクトディレクトリの保存先を指定します。

3.アシスタントWindowが表示されます。

プロジェクト名に「CANape_Sample」と入力し、「次へ」ボタンをクリックします。

デフォルトの保存先は“C:¥Users¥Public¥Documents¥Vector¥CANape¥12¥CANape_Sample”*1 ですが、任意の場所を指定し「フォルダーの選択」を押します。

(本稿ではEドライブ直下にプロジェクトディレクトリを作成します)

*1 本稿に記載するパスはすべてWindows7、AllUsersでインストールした場合の環境に統一しています。

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5.保存先フォルダーのパスを確認して「次へ」を押します。

デスクトップにプロジェクトのショートカットを作成することができますのでチェックを入れてみましょう。

6.念のため、CANapeを終了し、デスクトップ上のショートカット“CANapeCANape_Sample”をダブルクリックして再度CANapeを起動させ、“CANape_Sample”が読み込まれていることを確認してみましょう。

アイコンをダブルクリック

CANapeのWindow右下(図参照)にマウスポインターを置くと、現在開かれているプロジェクトファイルのパスが確認できます。また、右クリックからプロジェクトディレクトリを開くことができます。

起動

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はじめてのCANape

※注意!“C:¥Users¥Public¥Documents¥Vector¥CANape¥12”にある“Project”フォルダーはデフォルト設定として使用しますので、削除しないでください。“Examples”フォルダーにはDemo用プロジェクトが入っています。

7.新規プロジェクトを作成した現時点で以下の2つの初期設定ファイルができていることも確認しておきましょう。

右クリック

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第3章 デバイスのイントロダクション

CANapeのデバイス

デバイスには、電子制御装置 (ECU: Electronic Control Unit) または拡張測定装置 (VX1000、NI DAQmxなど) があります。

CANapeプロジェクトは初期設定などを含み、以下の情報で構成されます。

• XCP、GPS、CAN、LIN、アナログなどのデバイスタイプ• CANボーレートやビットタイミングなどの接続情報• 特定のプロトコル関連の設定または変更• シグナル解釈やアドレス情報用のデータベース情報• 各種ファイルとパス情報• 各インターフェイスに関連するその他の全情報

CANapeのデバイスインターフェイス

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はじめてのCANape

デバイス - ドライバタイプ

CANapeでは、主に下記ドライバをサポートしています。

CCP      (A2Lファイル)

XCP       (A2Lファイル)

CAN      (DBCファイル)

LIN      (LDFファイル)

FlexRay    (Fibexファイル)

CAN Replay (Logファイル)

Diagnostics  (CDD+ODXファイル)

KWP 2000 CAN  (A2Lファイル)

KWP 2000 k-Line (A2Lファイル)

VectorIO

NI-DAQmx

GPS

CANextender

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デバイスのイントロダクション

演習 1のプロジェクトに新規デバイスを作成し、ドライバ設定までを行なってみましょう。

本稿では、実ECUの代わりにCANapeのデモ環境に含まれているXCP Simulatorを使用します。

●SeedNKeyXcp.dllCANapeとECU間のXCP通信およびCCP通信は、シードキーアルゴリズムによって保護できます。これにより、権限のないユーザーによるコントローラーデータへのアクセスを防止することができます

(アクセス保護を搭載しているコントローラーの場合)。そのキーとなるファイルです。

●XCPsim.pdb (マップファイル)CANapeで変更する必要があるECUパラメーターはマップファイルに格納されており、グローバル変数名および関連するアドレスが含まれています。

CANapeはこれらのアドレスを使用してキャリブレーションオブジェクトの値を変更したり、測定中に変数の値を読み出したりします。

マップファイルは作業ディレクトリに保存し、CANapeからアクセスできるようにしてください。

■演習2:新規デバイスの作成とドライバ設定

デバイス名

チェックサム

最大ブロックサイズ

マップファイル

マップファイルの形式

トランスポート層

XCP_Sample

有効 方式:ADD_WORD

無効

XCPsim.pdb (作業ディレクトリにコピー)

Microsoft VC8 Debugfile ( .pdb)

バスタイプ  CAN アドレス  CAN ID マスタ :1       CAN ID スレーブ:2

ドライバタイプ

シードキー

XCP

有効 SeedNkeyXcp.dll (作業ディレクトリにコピー)

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はじめてのCANape

デバイス作成

1.XCPsim ECU Simulatorを起動します。

スタートメニュー → すべてのプログラム → 

Vector CANape 12.0→ ECU Simulator→

XCPsim ECU Simulator

2.“C:¥Users¥Public¥Documents¥Vector¥CANape¥12¥Examples¥XCPDemo”内のSeedNKeyXcp.dllとXCPsim.pdbをCANape_Sampleフォルダーにコピーしておきます。

※ マップファイルおよびDLLは通常、各ユーザーの環境に合わせて準備をしていただきます。 本稿では演習用として上記2つのファイルを使用します。

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3.デバイスを新規に作成します。

メインメニューの「デバイス」を選択し、新規を選択します。

デバイス名は“XCP_Sample”と入力、デバイスの種類はXCPを選択して“次へ”を押します。

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はじめてのCANape

5.使用するネットワークを選択します。CANを選択し、新規ネットワークからCANチャンネルを追加し、   ボタンを押して閉じます。「次へ」を押します。

4.データセット管理とデータベース設定について今回は変更や入力は必要ないので「次へ」を押します。

▲▲

確認後、閉じる

演習ではCANチャンネルはVirtual Busボーレートは500,000bpsを使用します

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6.マップファイルの指定を行います。

①データベース内のアドレス更新で「マップファイルを指定」を選択します。

「 マップファイルを指定」をクリックし、新規ボタンを押すとマップファイル定義Windowが表示されます。

②参照ボタンをクリックし、割り当てるファイルを選択します。 手順2でコピーしたdllファイル「XCPsim.

pdb」を選択し、「開く」を押します。

③マップファイルの形式のプルダウンリストから「Microsoft VC8 Debug file( .pdb)」を選択し、OKを押します。

“XCPsim.pdb”を選択

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はじめてのCANape

7.リストにマップファイルが追加されたことを確認し、「次へ」を押します。

8.メモリイメージファイルの設定について今回は変更や入力は必要ないので「OK」を押します。

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9.XCPドライバの設定Windowが起動するので測定対象の仕様に合わせて行います。

① 『プロトコル』  シードキー:手順2でコピーしたdllファイル「SeedNKeyXcp.dll」を選択

プロジェクトディレクトリ内のSeedNKeyXcp.dllを選択し、「開く」を押します ▲

シードキー

チェックサム

マップファイル

形式

トランスポート層

有効 SeedNkeyXcp.dll

有効 方式:ADD_WORD

XCPsim.pdb

Microsoft VC8 Debugfile(.pdb)

バスタイプ  CAN アドレス  CAN ID マスタ :1       CAN ID スレーブ:2

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はじめてのCANape

② 『トランスポート層』プロトコル→トランスポート層または、

プロトコルのトランスポート層の設定ボタンをクリック

仕様に基づきアドレスを指定(演習では、 CAN IDマスタを“1”、 CAN IDスレーブを“2”にします)

③ 『メモリセグメント』

チェックサム:・有効にチェック・方式→「ADD_WORD」

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10.以上、設定が終了したら   をクリックし設定Windowを閉じます。

11.「別のデータベースの内容をインポートしますか?」には、「いいえ」を押します。

12.「新しい空のデータベースを作成しますか?」には、「はい」を押します。

※ ここで作成した空のデータベースXCPsim.a2lは演習3で使用します。

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はじめてのCANape

第4章 データベース

データベースとは

CANapeでのデータベースは、デバイスを記述するために使用されます。サポートされるデータベースフォーマットは、A2L、DBC、CDDなどがあります。

データベースは、下記のようなデバイスに関する追加情報を提供します。・デバイスの変数またはシグナルのリスト・パラメーター、マップ、カーブのアドレス情報・CANメッセージからのシグナルの物理値解釈情報・CAN ID、CANバス設定、キャリブレーションRAM領域などのインターフェイス(デバイス)詳細情報・ECU診断サービスに関する情報

CANapeでのデータベース

A2L

DBC

CDD

ODX

XML

LDF

DB

ecd

ASAM MC2データベース(コントローラー記述ファイル)・XCP、CCP、KWP2000

CANデータベース(CANネットワーク記述ファイル)・CANベースのデバイス

CANdela診断データベース(KWP2000、UDS ISO 14229、診断)

ASAM診断データベース

FIBEX FlexRayデータベース

LINデータベース

ベクターCANapeデータベース(ジェネリック)

On Board Diagnostics(ODB)データベース

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CANapeでのデータベース用ツール

CANapeでは、データベース作業用にツールを提供しています。      ・ASAP2エディター      ・CANdb++      ・CANdela Studio(編集不可)      ・Vector FIBEX エクスプローラー      ・Vector LDF エクスプローラー      ・ODX Studio(編集不可)

データベースの種類と恩恵CCP/XCPデバイスの測定とキャリブレーションにおいて • アドレス、データ型、変換式など、オブジェクトの詳細確認 • 他部署/他社との交換をサポートするASAM MCD-2MC標準フォーマット • A2Lデータベースからオブジェクトを選択し測定 /キャリブレーションに使用

バスシグナルの測定と送信において • シグナルの送受信の関係性や、メッセージレイアウト、生値 /物理値変換式等の一覧 • メッセージ IDからシンボリック名、生値から物理値へ自動変換して測定ツールで表示

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はじめてのCANape

Tips②:A2Lファイルについて

CANapeでは、ASAMに準拠したASAP2記述ファイル(A2Lファイル)を使用します。A2Lファイルは、ECU内部情報の詳細が記述された測定・適合のための標準フォーマットとして利用されています。このファイルを通じてECU内のオブジェクトの内容に関する正確な情報を得ることができます。

A2Lファイルに含まれる情報・メモリーアドレス、名前、変換式、データ型、メモリーレイアウトなど、測定変数や

ECUパラメーターに関する情報・プロトコルのタイプ、プロトコルのバージョン、転送率、アドレス変異など、アプリケーションのインターフェイスに関する設定情報

・機能、パラメーター、測定変数に関するコメント

複雑なECUでは、1つのASAP2ファイルに記述されるオブジェクトが 10,000を超える場合もあります。

• 測定とキャリブレーション変数記述の文法はASAP2仕様に記載されています。

• IF-DATAシーケンスは、プロトコル特有あるいはトランスポー

ト層特有情報に使用されます。

これに必要な文法は、A2ML-ASAP2メタ言語で記述します。

• IF-DATAシーケンスの情報はCANapeで新しいECUを設定する時に転送することができ

ます。

A2Lファイルの構造

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データベースのイントロダクション

■演習3:データベースの作成

演習2で作成した空のデータベース“XCPsim.a2l”を編集し、以下の測定値を登録してください。

1.データベースエディタを起動します。

をクリックしてもデータベースエディタを起動することができます。

▲▲

測定値の登録

データタイプ

単位

Channel1 Channel2

Float

Volt

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はじめてのCANape

2.測定値を登録します。

① 左側にある「XCPsim.a2l」の上で右クリックします。② プルダウンメニューから「新規」を選択します。③ 登録したい項目を選択します。 (この演習では「測定値」)

3.個々の情報を入力します。

① 測定値の登録:「一般」をクリックし、名前の欄に「Channel1」と入力します。

② アドレス選択:「アドレス」を選択し、「リンク」を押します。

※ 実オブジェクトのアドレスや、リンカーマップファイルへのリンクを入力します。

② ③

右クリック

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それぞれの入力フィールドは、次のように機能します。

●アドレス(HEX)このフィールドはマップアドレスが入力されていない場合のみアクティブになります。

直接入力されたアドレス(マップファイルから取得されなかったアドレス)が表示されます。

[リンクを削除 ]を押すとアドレスを直接入力することができます。

※ 注意!アドレスをメニュー「データベース」→「更新」で直接入力すると、アドレスは調整されません。

●マップアドレス

このフィールドには、マップ ファイルのオブジェクトの名前と (ベース) アドレスが含まれます。アドレスは、「リンク」ボタンを使ってコントローラプログラムのマップファイルから選択できます。

アドレス拡張は、コントローラプロセッサ番号です(1、2など)。コントローラーにそれぞれ専用のRAMとプログラムを持つ2つ以上の独立したプロセッサがある場合は、プロセッサ番号が必要になります。

マップファイルは各コントローラプログラムに対して1つずつ存在し、ファイルは同じ番号(データベース名+プロセッサ番号)で識別されます。

●オフセット(DEC)このフィールドは、ベースアドレスがコントローラプログラムのリンカーマップファイルから選択された場合

のみアクティブになります。

マップファイルから取得したベースアドレスのバイトオフセットをここに入力できます。

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はじめてのCANape

④ 「データ型 FLOATの受容」→「はい」を押します。

同様に『Channel2』を設定します。

 測定値名を入力すると リストが絞られます

 Channel1を選択し、「OK」を押す

③ 割り付けられているマップファイルからアドレス名一覧が表示されます。

  この中から登録する名前を選択します。

⑤ 単位の入力「単位」に「Volt」を入力します。

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4. 編集したデータベースを保存します。

    を押しデータベースを保存後、    でデータベースエディタを閉じます。

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はじめてのCANape

第5章 測定と設定保存

設定

■演習4:測定と設定保存

グラフィックWindowにシグナルを設定し、測定を行なってみましょう。測定が成功したら、CANape_Sample.cnaという名前で設定を保存します。

グラフィックWindow設定

1.メインメニュー「表示」→「表示Window」→「グラフィックWindow」を選択します。

2.グラフィックWindow上で右クリック→「挿入」→「測定シグナルを挿入」を選択します。

グラフィックWindowに登録するシグナル Channel1 Channel2

右クリック

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3.測定シグナルを選択Windowで“XCP_Sample”をダブルクリックします。

4.表示したいシグナルを選択します。データベース選択Windowが表示されるので、シグナル“Channel1”、“Channel2”を選択し、

「Apply」を押したら、データベース選択Windowを閉じます。

今回は測定ファイルを保存しませんので、チェックを外します。

ダブルクリック

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はじめてのCANape

5.グラフィックWindowへシグナルを追加します。“Channel1”、“Channel2”を選択し、「適用」を押します。

「Windowを閉じて、変更を確定」を押し、設定を終了します。

測定の動作を確認できたら、Escキーを押して測定を終了しましょう。ツールバー上の   をクリックし、設定を保存します。(E:¥CANape_Sample¥CANape_Sample.cna)

6.設定が完了しました。F9キーを押し測定を実施します。F9キーを押し、測定を開始します。グラフィックWindow上で右クリック→「最適に合わせる」を選択するとより見やすくなります。

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Tips③: 各種Windowについて

デジタルWindow

本稿に関連するメニュー

演習ではグラフィックWindowでシグナルを表示しましたが、CANapeでは他にもWindowがいくつか用意されています。必要に応じてご使用ください。表示方法については、基本的にグラフィックWindowと同様、Window上で右クリック→「測定シグナルを挿入」で表示することができます。

バーWindow

数値Window

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はじめてのCANape

第6章 データの収録と再生

測定とデータ収録

■演習5:データの収録

それでは、ここでデータの収録を行なってみましょう。

スペースキーを押下した際に、その前後10秒(前トリガー、後トリガー)合計20秒を “log”という名前で保存します。

何度かスペースキーを押下してトリガーを発生させ、

その度に収録ファイルが“log”へ追加保存されるように設定します。(最終的に収録ファイルは1つになります。)

収録の設定

1.メインメニュー[測定 ]→ 「測定設定」を選択します。

※    を押しても同様に設定を行うことができます。

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3.左側の「Recorder」をクリックし、レコーダー名と保存ファイル名の設定を行います。 演習ではレコーダー名は変更しません。 測定ファイル名だけを設定します。

「参照」を押すことで、同様の設定が行えます。

ファイル名を“log.MDF”と入力

ファイル名を “log.MDF”と入力

ファイル名を“log.MDF”と入力

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はじめてのCANape

4.左側のRecorder→トリガーをクリックしトリガーの設定を行います。(①)「トリガーのアクティブ化」にチェックを入れ(②)、「前トリガー」と「後トリガー」をそれぞれ10秒(10000ms)に設定します。(③)すべてのトリガーブロックを1ファイルに保存にチェックを入れます。(④)新規ボタンをクリックし、新規キーボードイベントを選択します。(⑤)

5.キーボードイベントの設定を行います。演習では名前は変更しません。

キーの組み合わせの「キー」にカーソルを合わせ反転させ、使用するキー(スペースキー)を押します。

設定したいキーを押して入力します。(キーの組み合わせ可能)

(指定キーを押した後 )

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Tips④: カウンタマクロ

演習では、「すべてのトリガーブロックを1ファイルに保存」を選択しましたが、「各トリガーブロックを別ファイルに保存」を選択した場合、トリガーが発生する度に何度でもデータ収録が行われる

ため、上書きを防ぐためにファイル名にマクロを挿入するか確認されます。

「はい」を選択することにより、ナンバリングされ測定ファイルが上書きされず、複数保存されます。

6.“測定シグナル”→“XCP_sample”を選択し、Recorderのチェックを入れます。

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はじめてのCANape

収録していない

収録中

7.測定開始と収録F9キーを押して測定を開始します。前トリガーを10秒に設定しているので、測定開始後10秒以上待ってからスペースキーでトリガーを発生させます。トリガーを複数回発生させ、ESCキーで測定を停止します。グラフィックWindow上で右クリック→「最適に合わせる」を選択するとより見やすくなります。

収録が終わり、測定を終了するとコメント入

力Windowが表示されます。必要に応じて各項目に入力をしてください。

※この演習では特に入力する必要はありま

せんので、そのままOKをクリックします。

測定終了後に再度測定を再開、収録を行なった場合は、現在の設定ではファイルを上書きすることにな

ります。その際はアラートが表示されますので、ファイル名を変えて別ファイルに保存することもできます。

アイコンで収録状況を確認可能

表示を最適化 ▲

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Tips⑤: CANapeの測定モード

データ収録モード(10msecなど)はドライバに影響されます。CANapeのCCP/XCPドライバは下記測定モードをサポートします:

・ポーリング(クエリー/応答)・Cyclic(周期)・イベント(コントローラー固有)

・On Input(仮想シグナル) 演算結果を測定できる。・On <デバイス.シグナル名>

CANapeでは異なるイベントチャンネルを最大255個サポートしています。(コントローラーに組み込めるイベントの数はCCPの場合、1デバイスに対して最大255)

CANドライバでは下記モードが使用出来ます:・CANポーリング・On <デバイス.シグナル名>

Tips⑥: マルチレコーダー

Ver7.0よりマルチレコーダーの機能が搭載されました。複数個のレコーダーを設定し、それぞれ違う条件でトリガーを発生することができます。

これにより、柔軟にデータを収集することができます。

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はじめてのCANape

測定ファイルの再生

■演習6:データの再生

測定ファイルの再生設定

1.再生に関連するボタンをツールバーに表示させます。測定ファイルの再生を簡単に行えるようにするた めです。

では最後に、演習5で収録したデータをグラフィックWindowで表示、再生してみましょう。

カーソルから最後

再生速度を2分の 1にする

一時停止

繰り返す

カーソルから最後

逆再生

再生を開始

再生を停止

早送り

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2.再生専用のWindowを表示し、シグナルを追加します。

log.mdfを選択して「OK」を押します

右クリック

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はじめてのCANape

3.Channel1、Channel2を選択して「Apply」を押した後、Windowを閉じます。

4.  (カーソルから最初)を押してから、  (再生)を押し再生を行います。

再生専用Windowが表示されます。

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あとがき

CANapeの基本操作について解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。本稿でCANapeの基本的な使い方はご理解いただけたのではないかと思います。それ以外の、CANapeの応用的な機能としては以下が挙げられます。

・USB接続のカメラやGPSレシーバー、CSMアナログ計測モジュール、他社製アナログ・デジタル計  測機器を併用した統合的な測定・センサー情報の可視化や画像処理アルゴリズムの最適化が可能なACC/ADAS分野の開発支援機能・MATLAB/Simulinkで作成したモデルの測定・適合や、DLL化したモデルのラピッドプロトタイプ実行

CANapeの持つ機能やオプションについて、さらに詳細をお知りになりたい方は、ベクターWebサイトにて各種ドキュメントをご用意しておりますので、是非ご覧ください。また、ベクターではCANapeに関するトレーニングも開催しておりますので、こちらもご活用ください。

CSMモジュールにつきましては、ベクターWebサイトの下記ページをご覧ください。「アナログ信号をCAN・EtherCAT®に変換 CSM製品でセンサー値を簡単測定!」https://jp.vector.com/vj_csm.pdf_jp.html

本稿が、車載ネットワーク開発に携わるエンジニアの方々、ベクター製品をご購入いただきました皆様

の一助となれば幸いです。

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はじめてのCANape

付録

CANape関連資料 (Vector Customer Portal掲載)のご案内

Vector Customer Portalには、CANape関連の製品説明スライドをご用意しておりますので是非ご活用ください。

▼Vector Customer Portalログインページ▼www.vector.com/vj_login_jp.html

<製品説明スライドの表示例>

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CANapeトレーニングコースご紹介

ベクターでは、車載およびオープンネットワークに関連する技術や、その開発ツールの使用法など、エン

ジニアの皆さまに向けた専門トレーニングをご用意しています。トレーニングは、東京本社および名古屋

支社にて行っております。また、規模やご要望に応じて、お客様ご指定の場所でのオンサイト・トレーニン

グも実施しております。詳細は、ベクターのトレーニング部までお気軽にお問い合わせください。

「CANape1日コース」 www.vector.com/vj_class_canape_tool_jp.html

CANape1日コースでは、さらに詳しくCANapeの測定を解説、また半日コースで触れていないキャリブレーション機能について解説いたします。ツールを使用する上での基礎知識から、このツールの持つさ

まざまな機能について、実際にPCを操作しながら実習形式で学べるコースです。

※ 受講のお申し込みについては下記URLをご覧ください。定員になり次第締め切らせていただきます  ので、お早めにお申し込みください。

  URL: www.vector-japan.co.jp/training_schedule

■ トレーニングに関するお問い合わせトレーニング部 (PTR)TEL:03-5769-6973E-mail:[email protected]

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はじめてのCANape

オンラインヘルプ起動方法

CANapeに関する詳細は、オンラインヘルプをご覧ください。起動方法は以下のとおりです。

①CANape起動中に、ヘルプを参照したいWindowまたは設定画面を選択した状態で[F1]キーを押す  (選択された内容のページが表示されます)

②CANape起動後、メニューより [ヘルプ]-[目次]を選択

オンラインヘルプ

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お問い合わせ先

■ 技術関連のお問い合わせカスタマーサポート(CSP)TEL:03-5769-6971E-mail:[email protected]

【お問い合わせ時のお願い】お問い合わせの際、サポート開始前に「CANapeのバージョン」・「保守契約番号」・「シリアルナンバー」等をお伺いいたします。お手数ではございますが、事前にご確認の上、お問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。

【サポート対応について】技術サポートは保守契約締結のお客様を優先させていただきます。サポート混雑時やサポート内容により、ご回答までにお時間お待ちいただく場合がございますので、予めご了承ください。また、お客様で不具合が発生した際に使用されていた関連プログラム一式のコピーを、検証のために提供いただくようお願いする場合がございます。何卒ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます(本件に関しましては、使用許諾契約書第 7条をご確認ください)。

■ お見積り・保守契約関連のお問い合わせ営業部(CSL)TEL: [東 京 ] 03-5769-6980 [名古屋 ] 052-238-5020E-mail:[email protected]

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はじめてのCANape

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