研究終了報告書 - jst...biomechanics biomechanics (biomech 2011), 751-008, pittsburgh (2011)....

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- - 戦略的創造研究推進事業 CREST 研究領域「生命現象の解明と応用に資する新しい 計測・分析基盤技術」 研究課題「カーボンナノチューブを用いた単一生体 分子ダイナミクスの計測」 研究終了報告書 研究期間 平成18年10月~平成24年3月 研究代表者:中山 喜萬 大阪大学大学院工学研究科・教授

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戦略的創造研究推進事業 CREST

研究領域「生命現象の解明と応用に資する新しい

計測・分析基盤技術」

研究課題「カーボンナノチューブを用いた単一生体

分子ダイナミクスの計測」

研究終了報告書

研究期間 平成18年10月~平成24年3月

研究代表者:中山 喜萬

(大阪大学大学院工学研究科・教授)

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§1 研究実施の概要

(1)実施概要

生体内反応の多くは、それに関与する生体分子の構造変化や相互作用、エネルギー移動を伴

って、連続した時間軸の中で進行する。本研究は、タンパク質一分子の連続した反応過程の解

明に資するために、数ミリ秒の時間分解能でゼプトグラム精度の質量とピコニュートン精度の

2次元力、アトジュール精度の熱量を計測する技術を構築することを目的とした。

具体的には、これまでにない優れた電気的機械的性質をもち、タンパク質より充分小さな直

径をもつカーボンナノチューブ(CNT)を用いてアームを製作し、その変位、振動数、熱流の

計測を行うための技術を確立することである。研究は、質量・力計測グループと熱量計測グル

ープの 2 つに分かれて進めてきた。その結果次の成果を得た。

質量・力計測では、

1) 高真空の透過電子顕微鏡内で CNT アームを基材に取り付けるため、新規に発見した電子線照

射による C60 分子の泳動と構造変化を用いた技術を開発した。

2) 剛直性を保持するために太めの CNT をアームとし、その先端径をタンパク質のサイズより小

さくするために、先端を先鋭化する技術と先端に細い CNT を合成する技術を開発した。

3) タンパク質間の相互作用力計測のために、単層 CNT 突出した状態で配置した CNT シートを

組み込んだプラットホームを開発した。

4) CNT 先端を開端して化学的に活性化する技術、タンパク質の特定部位を遺伝子操作によりラ

ベル化しその部位を CNT 先端に結合する技術を開発した。

5) CNT 先端に、カルモジュリンタンパク質をカルシウム結合部位を避けて捕捉し、カルシュウ

ムとの反応を調べ、CNT に捕捉されたタンパク質が活性を失わないことを確認した。

6) CNT アーム先端にインポーティンαを、CNT シートの CNT 先端にインポーティンβを、そ

れぞれの結合部位を顕わにあるいは隠すように結合し、インポーティンαとβ間の相互作

用力を調べ、タンパク質間の特異的な相互作用力を選択して計測できることを示した。

7) CNT の振動と変位の計測法として、当初計画していた電子的手法(CNT 電界効果トランジス

タを用いる方法)については、デバイスを開発し大気中動作を確認した。

8) さらに有効な方法として、このプロジェクトで新たに光学的手法(散乱光の検出法)を考案

しデバイス開発を行った。大気中では 300 ミリ秒で 50 ゼプトグラムの質量分解能を達成し

た。これにより液中計測を行い、当初目標に近い精度(4 ピコニュートンの力計測)が達

成できることを確認した。

熱量計測では、

9) バイメタル型振動センサーデバイスを微小化することにより、水溶液中(バイオ応用に必須)

でフェムトジュールオーダーの熱量分解能を実現した。

10) 水溶液中の試料から熱量を真空内に輸送し、水溶液の影響を受けず検出する真空封入型熱

センサーを考案・製作し、ピコジュールオーダーの熱分解能の見込みを得た。

11) 水溶液中で熱検出用 CNT アームを試料に近づけるなどハンドリングを容易にするために

可視化技術を構築した。1 つは蛍光を背景としたクエンチング現象を用いる方法であり、

他の 1 つは界面活性剤のツイン 20 を用いた蛍光修飾法である。

12) マニピュレータを搭載した走査電子顕微鏡を用いてバイメタル型センサー先端に CNT ア

ームを固定する方法を確立した。CNT で熱をとらえバイメタル型センサーで検出するデバ

イス組み立てを効率的に行うことが可能になった。

13) 水溶液中の CNT の拡散運動を、可視化技術を用いて調べ、理論と一致しない現象を見いだ

した。また、水溶液中で CNT の熱電導を調べる方法を新たに提案した。

14) ピコジュールレベルの測定精度をもつ振動型熱量センサーを製作し、褐色脂肪細胞1個か

らの発熱を直接計測することに成功し、発熱現象に関する新しい知見を得た。

15) ミオシン分子でコーティングした CNT 上のアクチンフィラメントの運動が、CNT を介し

た熱供給により活性化することを見いだした。

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(2)顕著な成果

1.Madoka Yamaguchi, Masahiro Nakano, Ryosuke Senga, Hiroyuki Maruyama, Shige H. Yoshimura,

and Yoshikazu Nakayama, “Specific interaction studied by single-molecule force measurement

using a carbon nanotube probe”, Proceeding of the 6th IASTED International Conference on

Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011).

概要:シリコンプローブに CNT アームを取り付け、その先端に importin を部位特異的

に捕捉し、importin との特異的結合の有無を原子間力顕微鏡によるフォースカーブによ

り調べた結果を報告している。アジド基を組み込んだ非天然アミノ酸によるタンパク質の

部位特異的ラベル化とスタウディンガー反応による CNT 先端へのタンパク質の部位特異

的捕捉が行われていること、また CNT 先端に捕捉されたタンパク質の活性が失われていな

いことを実証した。

2.Carbon Nanotube Resonator in Liquid, S. Sawano, T. Arie, and S. Akita, Nano Letter, Vol.10,

pp.3395-3398 (2010).

概要:片持ちはり CNT の振動を液中で計測した初めての報告で、Nature Asia Materials

の Research highlight として取り上げられた。光学的手法により計測した。CNT の一次振動

は粘性減衰のため消失し、2 次振動が観測できた。また、分子動力学計算および連続体モ

デルを基にした粘性減衰論から観測した振動周波数の水中における温度依存性が説明でき、

水中での多層 CNT の振動が連続体モデルで説明できることを明らかにした。

3.Masaaki Sato, Masaya Toda, Takahito Ono and Akihiko Ishijima, "Quantitative analysis of heat

production of brown adipocytes using, bimetal cantilever", 第 63 回 日本細胞生物学会大会(札

幌) ポスター番号 1P-076 (2011 年 6 月 27~29 日).

概要: 褐色脂肪細胞の一細胞レベルでの熱計測に成功した。数個の細胞からの発熱をバ

イメタルカンチレバーにより初めて計測することができた。褐色脂肪細胞の熱量計測は成

人病予防などにたいする基本的な原理解明に重要なものである。

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§2.研究構想

(1)当初の研究構想

本研究では、CNT の優れた電気機械的性質、熱伝導性を利用して位置変位と熱量変化の検

知デバイスを開発し、生命現象におけるタンパク質の質量変化、相互作用力、生成熱を計測

する技術を構築することを目的とした。具体的には、次に示す要素技術の開発により CNT セ

ンサーデバイスを作製し、ビーズやカンチレバーもしくは平坦基板などの支持体に試料を固

定することなく、表 2.1 に示すような性能を有する計測技術を確立することを目指した。な

お、研究体制は、質量・力計測グループと熱量計測グループ(石島G)の 2 グループとした。

表 2.1 本研究の目標

質量計測 質量の精度 数ゼプトグラム(数 10 原子)

時間分解能 数ミリ秒

力計測 力の精度 数ピコニュートン

測定方向 2次元

熱量計測 熱量精度 10

-19 ジュール

時間分解能 ミリ秒

1.質量・力計測

CNT を用いた質量・力計測の基本原理は次の

通りである。図2.1(a)に示すように、CNT ア

ーム先端に捕捉したタンパク質が、固定された他

のタンパク質と相互作用するときに、CNT アー

ムはたわむ。このたわみ量から相互作用力を計測

する。これが力計測である。また、図2.1(b)

に示すように、CNT アーム先端に捕捉したタン

パク質と水溶液中にある他のタンパク質あるい

は酵素との反応によって、CNT アーム先端のタ

ンパク質の質量が変化したときに CNT アームの

共振周波数が変化する。この周波数変化から質量

変化を計測する。これが質量計測である。

本研究では、数ゼプトグラムの計測精度を最終

目標に掲げ、研究を遂行する。まず、タンパク質

1 分子(数十〜数百 zg [ゼプトグラム])程度を検

出するデバイスを構築する。これにより、これま

でには計測不可能であった「タンパク質間の弱い

相互作用」を、溶液中でリアルタイム計測するこ

とが可能となる。

これまでの分子生物学的計測では、解離定数

(KD)の小さな相互作用を中心に扱ってきた

(KD:10-7〜10

-5)。しかしながら、実際の細胞内

環境では、弱い相互作用の連続が重要な反応を引

き起こすことが知られつつある。これには、酵素

活性化機構や転写制御、シグナル伝達、神経伝達

機構などが含まれる。

本研究が目指すデバイスは、このような弱い相

図 2.2 CNT デバイスの模式図

図 2.1 (a)力計測モードと(b)質量計測モード

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互作用をリアルタイムで検出、解析することを可能にするものであり、これにより全く新し

い知見が得られる可能性が広がる。また、同じデバイスを用いて数 pN [ピコニュートン]の力

を計測することにより、「弱い相互作用」を解析する上で重要な情報を同時に得ることができ

る。

さらに、最終目標である数ゼプトグラムの質量計測精度が得られれば、タンパク質間相互

作用のみならず、リン酸化、メチル化、ユビキチン化などの翻訳後修飾と酵素活性との関連

性をリアルタイムで解析することができる。将来的には、これらの計測技術がタンパク質の

新たな作用機序を明らかにし、これにより生命現象の解明に大きな貢献をもたらすことにな

ると期待される。

CNT アームのたわみ量および共振周波数の計測は、図 2.2 に示すデバイスにより行うこと

を計画した。CNT アームをゲート電極とした電界効果トランジスタ(FET)を組み込んだ構

造である。

質量・力計測グループの当初メンバーとそれぞれの研究題目は下記の通りである。

・ 中山G(大阪大学)

「カーボンナノチューブのナノエンジニアリング」

・ 秋田G(大阪府立大学)

「カーボンナノチューブを用いた質量・力検出デバイスの開発」

・ 荒川G (物質・材料研究機構)

「タンパク質分解酵素の反応のリアルタイム一分子計測」

・ 吉村G(京都大学)

「タンパク質のナノチューブへの部位特異的結合と力計測」

それぞれの得意分野を主軸にして、下記のように開発すべき要素技術を設定し、これに対し

て協力して取り組んだ。

1.ナノチューブ先端への部位特異的タンパク質結合技術の確立(中山 G、吉村 G)

2.ナノチューブアームの研究開発(中山 G、秋田 G)

3.質量・力検知デバイスの開発(秋田 G、中山 G)

4.分子反応検出プローブ顕微鏡の開発(中山 G、秋田 G)

5.一分子質量計測(荒川 G、秋田 G)

6.一分子力計測(吉村 G、中山 G)

なお、後で詳細を述べるが、平成21年度から荒川 G は吉村 G に併合された。また、吉村 G

は、平成23年度から竹安 G として活動を継続してきた。

2.熱量計測

CNT を用いた熱量計測の原理は、図 2.3 に示すように、生体分子内の局所的な熱量をCN

Tで受け取り、熱伝導性の良いCNTを通して、バイメタル型の計測系に効率よく伝送し、

バイメタルのたわみあるいは共振周波数の変化から熱量を計測するというものである。

生体分子にかかわらず、生化学反応においては熱の産生,吸収が伴う。この熱の出入りを

直接捉えることが出来れば、生体分子の動作機構の解明に大きく近づくことができる。しか

し、その熱量は高々aJ [アトジュール] 程度でしかなく、今までの計測システムでは計測不可

能である。CNT-バイメタル系を用いることにより、この微小な熱量を捉えることができると

期待される。

本グループには小野(東北大学)、新井(当初東北大学、2010 年度から名古屋大学)が研

究メンバーとして参画し、下記のように分担し、熱量計測デバイスの開発にあたった。

石島: CNT の可視化、熱量変化計測のための 1 分子イメージング、CNT プローブと生

体分子との相互作用

新井: CNT・バイメタル構築と評価

小野: バイメタル温度計の高性能化

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(2)新たに追加・修正など変更した研究構想

1.平成21年度からの修正と変更

本プロジェクトは平成 18 年 10 月から始まったが、平成 20 年度後半に 2 年間の研究の進捗

と実績を振り返り、平成 21 年度以降の研究体制の変更と研究課題の修正および追加を申請

し認められた。要点は次の 2 点である。

1) 質量・力計測G: 研究体制の変更と研究課題の修正と追加

2) 熱量計測 G: 研究課題の追加と予算の補填

それぞれの概要は次の通りである。

1.1 質量・力計測 G: 研究体制の変更と研究課題の修正と追加

スケジュール通りに目標を達成できている課題がある一方、計画立案時には予測できない

問題が顕在化し未達成の課題も多くあった。そこで、最終目標を効率よく達成するために、

これまで得られた知見を基にして研究の進め方を見直すことにした。具体的には、平成21年

度の第2四半期終了時を一つの区切りとし、

<H21 年度第2 四半期目標:溶液中で10-18

g(数百KDa)のタンパク質の質量計測>

が行えるセンサーデバイスを開発し、タンパク質の質量計測をし本提案方式の有用性を実証

することとした。また、この成果を基に最終目標を達成するために必要な課題を整理するこ

とにした。このために、下記(a)−(d)の課題に重点的に取り組むこととした。

(a) CNT アーム先端への部位特異的タンパク質の捕捉:基材に取り付けたCNT アームの先

端に部位特異的にアジド基を導入したタンパク質(importin )を結合させる技術を確立す

る(これには非特異的吸着の低減手法の確立も含む)。

(b) 光学式検出アームの開発:CNT アームの振動を検出する手法として、振動ゲートFETよ

りも光学的手法の方が取り組みやすいので、それに適したCNT アーム(光学的な検出に

使うCNT のボディ部分は径が太く、タンパク質一分子のみを捕捉するために先端部分は

細くしたもの)を開発する。

(c) 液中光学的CNT 振動検出システム構築(周波数自動追尾含む):液中で振動するCNTの

共振周波数を暗視野像あるいは蛍光像により検出するシステムを構築する。

(d) CNT 共振による質量計測技術の構築:質量の異なるタンパク質を用いてCNT アームの

共振周波数変化を観測し、計測精度の見通しを立てる。

図 2.3 CNT−バイメタル型温度計による生体分子相互作用における熱の出入りの直接計測

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これらと平行して、当初計画の研究課題の下記研究も進める。

(e) CNT シートの開発

(f) タンパク質操作用プラットホームの開発

(g) CNT の物性・形状制御

(h) 片持ちばりデバイスの開発

(i) 分子反応検出プローブ顕微鏡の開発

なお、(h)の片持ちばりデバイスの中で、振動ゲートFET 方式による液中動作においては、

液中に存在するイオンによる電場遮蔽効果が計測を妨害する可能性がある。これを明らかに

するため、次の研究を追加する。

(j) 両持ちばりCNT-FET による液中質量計測:長さミクロンオーダー、直径10 nm程度のCNT

を用いて両持ちばりCNT-FET を作製し、イオンを含む液中でCNT 振動(ゲート容量変

動)により誘起される電流変化を検出する技術を確立する。

1.2 熱量計測 G: 研究課題の追加と予算の補填

熱計測Gにおいては、一分子の熱量計測を最終目標として、その要素技術の研究を中心に

進めてきた。最終目標はaJ レベルの熱測定であるが、2年間の要素技術の開発研究の結果、

このときの技術レベルで十分に一細胞レベルの熱測定が可能であると判断し、これを追加課

題とした。これまでの研究計画を維持したまま新たに目標設定を行うため、新たに共同研究

体制、人員配置申請し認められた。

具体的には、褐色脂肪細胞を扱うこととし、細胞培養システムを構築する。細胞の熱産生

の研究に必須である計測手段の一つに酸素消費量があるので、細胞の酸素消費量を計測し、

その活性をノルアドレナリンの有無により確認する(試験管レベル)。

一細胞レベルでの酸素消費量の計測: この酸素消費量を一細胞レベルで計測するために、

酸素センサーを組み込んだマイクロチャンバーを構築する。マイクロチャンバー内では溶液

交換が自在にできるようデザインされており、ノルアドレナリンの調節も可能とする。一細

胞レベルにおける酸素消費量の計測は未だかつて行われたことがなく、達成できれば大きな

インパクトとなる。

一細胞レベルでの熱計測: 一細胞レベルでの熱計測は、倒立顕微鏡上にレーザー干渉位置

計測システムを組み込み、細胞を観察、刺激しながら細胞から産生される熱をカンチレバー

の共振周波数の変化から計測する。文献値

(300W/kg)からのおおよその見積もりでは、

nJ のエネルギー産生が期待できる(10 μm×10 μm×5 μm、比重1.1、10 秒間)ので、この時

点のカンチレバーでも対応可能である。具体的にはカンチレバーを細胞にある程度近づけて

発生する熱を測定する方法と、細胞そのものをカンチレバーに乗せ、細胞からの熱を直接計

測する方法を検討する。将来的には上記の酸素センサーを組み込み、酸素消費量と熱産生を

同時に計測する手法を計画している。

2.平成23年度からの修正と変更

プロジェクトが始まって4 年が経過した平成

22年度後半には、液中で、10ゼプトグラム程度

の質量精度、10pN程度の力精度、10-15J程度の

熱量精度で計測が可能であることが明らかにな

り、実際に生体材料へ適用する段階に入ってき

た。熱量計測では、nJ(褐色脂肪細胞の発する

熱量)程度の熱量計測を実証した。

こういった背景から、当初終了予定の H23 年

9 月までに目標値の達成に向け鋭意努力すると

して、その後 H24 年3月までの 6 ヶ月間に、 図 2.4 汎用型質量・力計測

図 2.4 汎用型質量・力計測

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下記課題を仕上げて本プロジェクトを終了することを申請し、予算追加を含めて認められ

た。

・ 「誰でも使いやすい質量センサー、力センサーという観点で、確実に使ってもらえるデバ

イスの開発 (生命科学研究者の皆様にテストしてもらえるようなデバイス)」。イメージ

図を図2.4に、スケジュールを表 2.2 に示す。

・「aJ の熱量の計測に向けて、さらなる分解能の向上」。スケジュールを表 2.3 に示す。

表 2.2「誰でも使いやすい質量センサー、力センサー」の開発スケジュール

表 2.3「aj の熱量の計測に向けて、さらなる分解能の向上」の研究スケジュール

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§3 研究実施体制

(1)「中山」グループ

① 研究参加者

氏名 所属 役職 参加時期

中山 喜萬 大阪大学工学研究科 教授 H18.10~H24.3

平原 佳織 同上 講師 H19.1~H24.3

中野 雅博 同上 特任研究員 H19.5~H23.3

松浦かんな 同上 特任研究員 H23.4~H23.6

冠 紗芭図 同上 特任研究員 H23.7〜H24.3

丸江 順子 同上 事務補佐員 H18.11〜H19.6

池垣 ひとみ 同上 事務補佐員 H19.7〜H19.10

濱田 千理 同上 事務補佐員 H19.12〜H20.8

川崎佐保子 同上 事務補佐員 H20.9〜H24.3

豊田真砂美 同上 技術補佐員 H22.4〜H24.3

円山 拓行 同上 D3 H18.11〜H22.3

杣田 博史 同上 M2 H19.4〜H20.3

吉川 雄也 同上 M2 H18.11〜H19.3

亀崎 大介 同上 M2 H19.6〜H21.3

布谷 智史 同上 M2 H19.6〜H21.3

松田 貴成 同上 M2 H19.6〜H21.3

千賀 亮典 同上 D2 H19.6〜H24.3

尾崎 史篤 大阪大学工学部 B4 H20.6〜H21.3

井瀬 景太 大阪大学工学研究科 M2 H21.4〜H23.3

山口 圓 同上 M2 H21.4〜H24.3

十三 元誓 同上 M1 H22.4〜H24.3

恵美 健央 同上 M1 H23.3〜H24.3

佐野 利樹 大阪大学工学部 B4 H23.5〜H24.3

②研究項目

・ CNT先端への部位特異的タンパク質結合技術の確立

・ CNTアームの研究開発

・ 分子反応検出プローブ顕微鏡の開発

・ 一分子力計測

・ CNTアームの供給

(2)「秋田」グループ

①研究参加者

氏名 所属 役職 参加時期

秋田 成司 大阪府立大学大学院工

学研究科

教授 H18.10~H24.3

久富 幸恵 同上 技術補助員 H18.10~H22.3

久富 幸恵 同上 技術補助員 H22.7~H24.3

有江 隆之 同上 助教 H20.10~H24.3

潘 路軍 同上 助教 H18.10~H19.12

長瀧 篤子 同上 研究員 H18.10~H19.3

畑 晃輔 同上 M2 H19.4~H20.3

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池山 敏生 同上 M2 H20.4~H21.3

西井 亮介 同上 M2 H20.4~H22.3

深見 瞬 同上 M2 H20.4~H22.3

根井 直毅 同上 M2 H20.4~H22.3

小田 康太 同上 M2 H20.4~H23.3

澤野 峻一 同上 M2 H20.4~H23.3

松永 直之 同上 M2 H22.4~H24.3

吉仲 淳 同上 M2 H22.4~H24.3

前川 卓也 同上 M1 H23.4~H24.3

湯浅 祐一 同上 M1 H23.4~H24.3

②研究項目

・ 質量・力計測デバイス開発

1)電気式 CNT振動検出(片持ちばりタイプ)デバイスの製作と高感度化

2)周波数自動追尾機構の開発

3)液中光学式 CNT振動システム構築

4)両持ちはり CNT-FETによる液中質量測定

(3)「竹安」グループ

①研究参加者

氏名 所属 役職 参加時期

吉村 成弘 京都大学生命科学研究科 准教授 H18.10~H24.3

竹安 邦夫 同上 教授 H18.10~H24.3

横川 雅俊 同上 特定研究員 H18.10~H22.3

高橋 寛英 同上 D1-D4 H19.4~H23.3

大塚 正太郎 同上 M2-D3 H19.11~H23.3

畑 晃輔 同上 D1-D2 H20.4~H22.3

荒川 秀雄 物質材料研究機構ナノ有

機センター

グループリーダ

ー H21.4~H24.3

冠 紗芭図 京都大学生命科学研究科 特定研究員 H21.5~H23.3

小河 健太 同上 技術補佐員 H22.7~H24.3

大野 敏 岐阜大学工学部 助教 H21.4~H24.3

※ H22年度まで「吉村」グループ

②研究項目

・部位特異的タンパク質付加技術の確立

・質量変化の計測

・一分子力計測

(4)「石島」グループ

①研究参加者

氏名 所属 役職 参加時期

石島 秋彦 東北大学多元物質科学

研究所 教授 H18.10〜H24.3

井上 裕一 同上 助教 H18.10〜H24.3

福岡 創 同上 助教 H19.2〜H24.3

入佐 正幸 九州工業大学生命情報

科学専攻 准教授 H19.2〜H24.3

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村上 寛徳 同上 M2 H23.8〜H24.3

岡田 健 東北大学多元物質科学

研究所

産学官連携研究

員 H19.3〜H23.5

佐藤 政秋 同上 産学官連携研究

員 H21.4〜H24.3

新井 史人 東北大学工学研究科 教授 H18.10〜H22.3

新井 史人 名古屋大学工学研究科 教授 H22.4〜H22.9

新井 史人 同上 教授 H22.10〜H24.3

丸山 央峰 東北大学工学研究科 助教 H20.4〜H22.3

丸山 央峰 名古屋大学工学研究科 助教 H22.4〜H24.3

丸山 央峰 名古屋大学工学研究科 助教 H23.4〜H24.3

山西 陽子 東北大学工学研究科 助教 H20.10〜H21.3

林 育菁 同上 助教 H18.10〜H19.9

加藤 貴広 同上 M2 H19.4〜H21.3

猪股 直生 同上 D1 H19.4〜H22.4

猪股 直生 同上 D2 H22.5〜H24.3

大竹 智之 同上 M1 H21.4〜H22.4

大竹 智之 同上 M2 H22.5〜H23.3

冨田 恭平 名古屋大学工学部 B4 H22.4〜H24.3

苅谷 涼 名古屋大学工学研究科 M1 H23.4〜H24.3

小野 崇人 東北大学工学研究科 教授 H18.10〜H24.3

戸田 雅也 同上 助教 H20.1〜H23.3

金 尚填 同上 産学官連携研究

員 H18.10〜H19.9

趙 原済 同上 産学官連携研究

員 H20.1〜H20.3

②研究項目

・熱量計測デバイス開発

1)CNT の蛍光修飾、熱伝導性の評価

2)ナノプローブの作製・評価とナノ計測システムの構築

3)細胞の熱産生計測

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§4 研究実施内容及び成果

4.1 CNT 先端への部位特異的タンパク質一分子結合技術の確立

(大阪大学 中山グループ、京都大学 竹安グループ)

非天然アミノ酸を用いたラベル法を用いて CNT の先端にタンパク質を部位特異的に結合さ

せる方法を開発することを目的とした。

終止コドンにはターミネータと呼ばれるタンパク質が結合してタンパク質合成を停止させる

が、CUA をアンチコドンに持つ tRNA を人工的に合成し、反応系に添加しておけば、一定の割

合でこの終止コドンをスルーして合成を継続することができる。この技術を利用して、非天然

アミノ酸を任意の場所に取り込ませることができる。アジド基は、Huisgen 反応でエチニル基と

反応し、また、Staudinger 反応でフォスフィン誘導体と特異的に反応する(図4.1)。この性

質を用いて、カルボキシル化した CNT 先端とタンパク質に導入したアジド基(アジドチロシン)

との間を共有結合で結ぶ手法をデザインした(図4.2)。成果は次の通りである。

(1) 研究実施内容及び成果

4.1—① アンバー変異を用いたアミノ酸残基特異的アジドチロシンの取り込み(竹安 G)

Importin α はその中のインポーチンベータバイディング(IBB)とよばれる部位を介して importin β

に結合することが知られている。この IBB 内 (F56Amb) もしくは外 (F124Amb) にアンバー変

異を導入した cDNA を作成し、カルボキシル末端にはヘキサヒスチジンタグ (Hisx6) を導入し

た。アジドチロシンとアンバーtRNA を添加した試験管内タンパク質合成系を用いてこれらの

図4.2 アジド基を介したタンパク質の CNT 先端への結合法

図4.1 アジド基の反応性

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protein

CNT

図4.5 先端にタンパク質を

捕捉した CNT の AFM 像

タンパク質を合成し、SDS-PAGE および CBB 染色で解析すると、目的の位置にバンドを検出し

た(図4.3)。また、Staudinger 反応によりアジド基の取り込みも確認した。

4.1—② Staudinger-Bertozzi 反応を応用したアジド化タンパク質とアミノ化担体との結合

(竹安 G)

合成に成功したアジド化 importin α (F56Amb、F124Amb) とアジド化していない天然の

importin α (WT)を、Staudinger-Bertozzi ligation 反応を用いてアミノ化量子ドットに結合させた。

アジド基特異的な結合を検証するために、ガラス基板上に importin β を結合させ、これに上記

の量子ドットを結合させたところ、IBB 内にアジド基を導入したタンパク質(F56Amb)は IBB

外にアジド基を導入したもの(F124Amb)に比べ、著しく結合頻度が低かった(図4.4)。こ

れは、量子ドットの立体的障害により結合が阻害されたた

めと考えられる。

4.1—③ アジド化タンパク質のナノチューブ先端への

結合 (中山 G)

モデルタンパク質として非天然アミノ酸アジドチロシン

を導入した importin α を用い、図4.1、4.2に示す方法で

CNT 先端へ取り付けた。開端した CNT 先端に存在するカル

ボキシル基にエチレンジアミン(EDC)を結合させ、CNT

先端をアミノ化した。さらにトリアリルフォスフィン誘導

体(PPh3)を用いた Staudinger 反応を行い、importin α を結

合させた。アジド化 importin α を用いた場合、約 72%の CNT

先端にタンパク質であることを示唆する粒子が原子間力顕

微鏡 (AFM) によって観察された(図4.5)(業績 1-7、1-57)。

AFM 像から計測される粒子の横幅は 2-5nm であり、基板上

に配置した importin α の横幅 3-4nm とほぼ一致する。このこ

とは、一連の反応によって importin α が CNT 先端に一分子レベルで結合したことを示唆する。

また、対照実験として天然 importin α を用いて同様な反応を行った場合、CNT 先端への粒子結

CBB染色

WT

58am

b

130am

b

14.4kDa

20.1kDa

Importin

WT

F58AmbF130Amb

F130

Amb

F58A

mb

WT

1.0

0.5

0

H

O

OCH3

O

P(C6H5)2

N

H

O

N

H

O

P(C6H5)2

N

amino-

Q-dot

NH2

azido-importin

NHS-PPh3

Importin

Total Internal Reflection

Fluorescence Microscope

cover glass

flow in H

O

N

O

P(C6H5)2

N

Importin

H

O

N

O

P(C6H5)2

N

azido-importin

QQドットを用いた検証法ドットを用いた検証法

図4.3 試験管内翻訳系

によるアジド化タンパク

質の合成

図4.4 アミノ化量子ドットへのアジド化タンパク質の結合法

および検証法(左)と実際の結果(右)。F124Amb で結合の著し

い低下が見られる

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Tyr85

azide-Tyr

CF

PC

FP

基質ペプチド

+Ca2+

CF

PC

FP

CFPCFP

蛍光ラベルナノチューブ

TxRed mergedCFP

図4.6 CNT先端へのカ

ルモジュリンの結合およ

び、蛍光基質ペプチドの可

視化

合率が 28%に減少した。これらのことから、アジド化した importin α が一分子レベルで部位特

異的に CNT 先端へ捕捉できることが示された。

4.1—④ アジド化カルモジュリンの合成とナノチューブ先端への結合 (竹安 G)

カルシウムセンサーとして知られるカルモジュリンというタンパク質を、その機能を阻害す

ることなく CNT 先端に結合させる試みを行なった。まず、カルモジュリンの 80 番目の位置に

アンバー変異を用いてアジドチロシンを導入し、図4.6に示す反応を用いて CNT 先端に結合

させた。カルモジュリンの結晶構造に基づくと、80 番目のチロシンはリガンド及びカルシウム

結合部位には含まれていないため、CNT の結合によってカルモジュリンの機能が阻害されるこ

とはないと予測される。CNT 先端に結合しカルモジュリンを検出するために、青色蛍光タンパ

ク質(ECFP)と融合させたカルモジュリンの基質ペプチドをカルシウム存在下で加え、蛍光顕

微鏡で観察した。CNT の蛍光ラベルには、界面活性剤 (Tween 20) を用いて標識する技術を別

図4.7 カートリッジ上のCNTへの部位特異的タンパク質付加と機能検証。(上段) カートリッ

ジ上のCNTを蛍光ラベルし、アジド基を有するカルモジュリンを結合させる。その後、蛍光ラベル

したカルモジュリン基質タンパク質をカルシウム存在下、非存在下で反応させ、CNT先端への結合

を蛍光顕微鏡で観察する。(下段) カルシウム存在下ではCNT(赤)と同じ位置に見えていた基質

タンパク質(青)が、カルシウム非存在下では消失している

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に確立し(業績 1-46)、これを用いた。図4.6下段にその結果を示す。Texas Red で赤色にラ

ベルされた CNT 先端にカルモジュリン基質の青色のシグナルが見られた。これはカルシウム非

存在化ではほとんど見られなかったことから、カルモジュリンがその性質を維持したまま CNT

先端に結合していることがわかる。

4.1—⑤ CNT 先端におけるタンパク質機能の実時間観察 (竹安 G)

アーク放電により合成した CNT を走査電子顕微鏡(SEM)チャンバー内でシリコン片のエッ

ジに並べて電子線照射により固定し、CNT カートリッジを製作した。前述のように Texas

Red-Tween20 を用いてそれらの CNT を蛍光ラベルした後、Staudinger-Bertozzi ligation 反応を用

いて部位特異的にカルモジュリンを捕捉した。このカートリッジを蛍光顕微鏡下で観察し、蛍

光シグナルにより CNT を確認後、蛍光タンパク質(ECFP)を融合したカルモジュリンペプチ

ドを含む溶液を流し込んだ(図4.7上段)。このとき、カルシウムを含む溶液を用いると CNT

先端に ECFP による蛍光が観察された(図4.7下段左)。この状態からさらにチャンバー内の

溶液をカルシウム不含のバッファに置換すると、CNT 先端の ECFP による蛍光は消失した(図

4.7下段右)。このことは、カートリッジ上の CNT 先端に結合させたタンパク質(カルモジ

ュリン)が正常に機能していることを示している。

4.1—⑥ CNT シートの作製 (中山 G)

タンパク質を一分子ずつ自然に近い姿態で固定させるための特殊基板として、基板表面から

数 nm 程度突出した CNT をアレイ状に配置し、さらにそれらの CNT の個々の先端を化学修飾

した、タンパク質担持用 CNT シートを作製した(図4.8右写真)。作製したシートは、垂直配

向単層 CNT がそのままの形状でエポキシ樹脂により樹脂化されており、AFM および透過電子

顕微鏡(TEM)を用いて、無数の単層 CNT(直径 1.7nm)が樹脂表面より約 3nm 突出した平坦

面が得られたことを確認した(業績 3-②-15)。

モデルタンパク質としてフェリチンを用い、EDC および N-ヒドロキシスルホスクシンイミド

ナトリウム(NHS)を用いた共有結合を利用して、作製したシート上へのタンパク質結合を検証

した。AFM、TEM および SEM 観察によって、個々のフェリチン分子が一分子レベルでシート

上の単層 CNT 先端へ捕捉されたことが示された。また、ビオチン化した牛血清アルブミン

(BSA)を用いても同様な検証を行い、結果としてシート表面に突出した CNT への特異的な結

合が実証できた(図4.8)。さらに、このシートを実際に4.4—①のプラットホームへ組み

込むために、樹脂材料の検討を行い、H22 年度からは、エポキシ樹脂に替わりポリジメチルシ

ロキサン(PDMS)を用いても CNT シートを作製し、エポキシ樹脂使用時と同様のタンパク質固

図4.8 (左上)CNT シート上のビオチン化 BSA とアビジンの結合の模式図。(左下) CNT

シートの光学顕微鏡像。CNT が埋め込まれた部分はやや濃い色を示す。中央)樹脂のみの領域と

無数の CNT が突出した領域の境界部分の SEM 像。CNT 領域のみに選択的に Qdot が確認され、

CNT 先端に固定されたビオチン化 BSA との部位特異的結合が実証された。右)作製した CNT シ

ートの写真

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定能を示すことを確認した。また、CNT 突出部以外の領域に非特異的に吸着したタンパク質も

同様の操作で除去できることが示され、シート上の CNT へ選択的に、タンパク質が部位特異的

に結合できることを実証した(業績 3-②-52)。

4.1—⑦ 原子間力顕微鏡による力計測 (中山 G)

H21 年度には、4.1−③の手法によって部位特異的にアジド基を導入したタンパク質

(importin α)を、CNT アーム先端に捕捉し、マイカ基板上へランダムに展開したタンパク質

(importin β)との相互作用力を計測した。このとき対照実験として CNT アーム側およびマイ

カ基板側のそれぞれで、タンパク質非存在条件下および特異的な相互作用部位が塞がれた(ブ

ロッキングされた)条件下で計測を行い、得られたフォースカーブの形状を比較することで、

importin α – importin β 間の相互作用を反映する特有の形状を割り出した。これらのフォースカ

ーブから importin α – importin β 間の相互作用力を見積もった。

CNT アームおよび基板のタンパク質の特異的な結合部位が共に顕わになっているときと、ど

ちらかが塞がれているときで、異なったヒストグラムのパターンが得られた。(図4.9(a)-(c))

タンパク質の特異的な結合部位が共に顕わになっているときは、どちらかの結合部位が塞がれ

ている場合に得られた弱い力のピークに加え、より強い力のピークも検出された。このことは

importin α – importin β 間の特異的な相互作用力を非特異的なものと区別して検出できたことを

図4.9 (a)-(c) importin α と importin β 間に働く特有の相

互作用力のヒストグラム。loading rate は 1000pN/s。(a)プ

ロ–ブ側:importin α (結合部位顕わ)、基板側:free importin

β、(b)プロ–ブ側:importin α (結合部位隠す)、基板側:free

importin β、(c)プロ–ブ側:importin α、基板側:3.72 μM の

importin α(WT)でブロッキングを行った importin β。

(d)、(e) CNT シートの CNT 先端に importinを部位特異

的に捕捉した際のヒストグラム。loading rate は 2000pN/s。

(a)、(b)はそれぞれ importinの結合部位を顕わに、また隠

して捕捉した場合。

(f) importin α と importin β の特異的な相互作用の最頻破

断力 f*と loading rate の関係。黒丸は本実験、白丸は吉村

グループによって計測された結果も含む

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示している(業績 1-42)。

H22 年度には、より高精度に計測を行うため、マイカ基板に代わり、4.1—⑥で開発して

きた CNT シートを用いて同様の力計測実験を行った。シート表面の CNT 先端には、ビオチン

化した importin β をストレプトアビジンを介して固定した。このとき、シート表面に非特異的

に吸着したタンパク質は界面活性剤 Triton X-100 を用いて除去できている。一方、CNT アーム

先端へは importin を、importin との結合部位を顕わにするようにあるいは隠すように部位特

異的に捕捉した。AFM のフォースカーブ計測の結果、結合部位を隠した場合では 12.5 pN、結

合部位を顕わにした場合は 40.3 pNと、検出された力の大きさに差異が見られた(図4.9(d), (e))。

この結果は、CNT シートを用いることにより上述のマイカ基板を用いた測定に比べ、非特異的

な相互作用の検出を低減できたことを示しており、一分子計測における CNT アーム及び CNT

シートの優位性が認められた(業績 3-③-31)。

また、本実験で得られた importin α – importin β 間の特異的な結合部位での結合解離力の大き

さをプロットしたところ、loading rate(CNT アームを引っ張り上げる時の単位時間当たりの力)

の対数値に比例した(図4.9(f))。このことから、importin α – importin β 間の特異的な結合の破

断力について、生体分子の破断力と loading rate の関係についての理論モデルである Bell–Evans

モデルが適用できる。結果として、importin α と importin β の特異的な結合について、結合位置

とエネルギー障壁の間の距離 xβ、および外力がかからないときの解離速度定数 k0 はそれぞれ、

xβ=0.99 ± 0.12 Å、k0 = (2.4 ± 0.3) × 10-2

s-1 であると見積もられた。xβの値について表 4.1 に示す

通り、他のこれまでに報告されている一分子計測の結果と比較すると、おおよそ同程度の値と

なる。さらに値の小さい方から順に挙げるとちょうど表 4.1の上から順番で、importin α - importin

β、RanGppNHp - importin β、streptavidin - biotin、avidin - biotin の各相互作用となった。この順

序は表 4.1 に挙げた各結合における結合領域の長さ、つまり結合領域のアミノ酸数 n を小さい

方から挙げた順序と一致していることが分かる。この結合領域のアミノ酸数 n も importin α と

importin β の結合領域(IBB 領域)が表 4.1 に挙げた結合の中で最も短く、本計測結果の妥当性

が考察できる。

このように本研究で構築した計測システムは、これまでの方向制御をしない計測では平均化

されて検出できなかった特異部位・非特異部位の個別の相互作用力を、区別して実測すること

に成功し、タンパク質一分子のレベルの相互作用力を考えるうえで重要な知見を得るに至った。

これらは CNT の高アスペクト比、優れた機械特性、化学特性を利用した成果であり、CNT ア

表4.1 分子結合における解離に要するエネルギ

ー障壁の幅と解離速度定数の先行研究との比較

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図4.10 EDC を介してナノチューブ結

合先端にさせた ECFP

ームの一分子計測への有効性を強く訴える成果である。

4.1-⑧ CNT 先端へのタンパク質結合法の簡

略化 −多彩なアプリケーションへの対応−(竹安

G)

シアン蛍光タンパク質(ECFP) を大腸菌で発現・

精製し、EDC を用いて CNT 先端に結合させた。CNT

はこれまでに確立した酸化・開端法により、先端を

カルボキシル化している。このカルボキシル基と

ECFP 内のアミノ基とを EDC で共有結合させた。こ

れを蛍光顕微鏡で観察し、CNT 先端に ECFP の蛍光

が観察されることを確認した(50 個中 6 個)(図4.

10)。

研究項目4.1—④で用いたカルモジュリンは、

システイン残基を持っていない。よって、このアミ

ノ末端にシステイン残基を 1 個追加したタンパク質

を作成し、このチオール基とナノチューブとをクロ

スリンカーで結合させる技術に取り組んでいる。こ

れまでに、システインを含むカルモジュリンを作成

することに成功した。

ヘキサヒスチジンタグをアミノ末端に持つ ECFP

(hisx6-ECFP) を大腸菌で発現・精製した。一方で、

これまでに確立した手法により、CNT の先端をアミ

ノ化し、これに対して NHS-PEG-NTA および Ni+を

反応させた。これにより、Ni-NTA 基を CNT 先端に

付加した。この CNT を Texas Red で蛍光ラベルし、

精製した hisx6-ECFP をインキュベートした後に蛍光

顕微鏡で観察した。この結果、CNT 先端に ECFP の蛍光が観察されることを確認した(50 個中

9 個)。

先端をカルボキシル化した CNT に、市販のストレプトアビジン(StAv)を、EDC を用いて共有

結合させる。一方で、アミノ末端にビオチン化シグナル(GLNDIFEAQKIEWHE)を付加した

ECFP を大腸菌(ビオチンリガーゼを発現している株)で発現・精製する。これまでに、ビオ

チン化した ECFP を作成済である。

(2) 研究成果の今後期待される効果

これまで、CNT へのタンパク質の結合は、側面へのランダムな吸着を用いたものが多く、先

端結合させる場合でも、タンパク質機能への影響を深く考慮したものはなかった。ここで確立

した部位特異的タンパク質捕捉技術を応用することで、本プロジェクトではさらに、CNT シー

ト及び CNT アームを用いた一分子力計測手法を開発してきた。この手法は CNT を用いたこと

で、従来のプローブ顕微鏡による一分子レベル相互作用力計測で課題となっていた単一分子同

士の力を検出することを実現にした。本手法の優位性は、タンパク質一分子を部位特異的に

CNT 先端に捕捉することにより方位を選んで配向できることにある。ここで確立した「部位特

異的タンパク質捕捉技術」及び「特異的な相互作用力の一分子計測手法」は、依然未解明なタ

ンパク質分子間の特異的な結合力の計測を可能にし、また、CNT を用いたバイオデバイスの構

築に大きく貢献するとともに、その他のセンサーデバイスへの応用も期待される。

ただし、4.1-① 〜 4.1-④で確立した部位特異的結合法は、基質結合部位を避けてタンパ

ク質を CNT に結合させる必要がある際には有力な方法であるが、操作や手順が複雑であること

や、市販されていない試薬等が必要であることなどの理由により、現時点では実用化が困難で

ある。4.1-⑧で確立した手法は、すべて市販の試薬等で行うことができる。特にシステインを

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用いる方法(ii)は、AFM やレーザトラップでも用いられてきた古典的な方法に基づいた手法

であり、比較的容易な実用化が可能であると期待される。

4.2. CNT アームの研究開発 (大阪大学 中山グ

ループ)

本プロジェクトで製作するバイオデバイスは、一分子

レベルの力・質量計測の実現を目指すものであるが、十

分な計測精度を得るためには、タンパク質捕捉に用いる

CNT アーム(図4.11)をそれぞれの目的に合わせた

形状に加工しなければならない。

このためには、目的に適した CNT 1 本を選び出しそれ

を加工するが、この実現のために、これまで中山研究室

で開発してきた、マニピュレータを搭載した TEM および

SEM とこれらを用いた CNT のナノエンジニアリングを

ベースに、新たな加工技術を開発した。

具体的には、切断による CNT 先端の先鋭化法(業績 1-35)、切断した先端は通常閉じるが、

電子線照射によって開端する方法、太い CNT 先端への細い CNT の合成法(業績 3-②-53)であ

る。また、AFM 用プローブ先端への CNT 固定については、高真空の TEM 内で使える新たな方

法を開発した(業績 1-36)。いずれも、現在の CNT のナノエンジニアリングを支える最先端技

術となっている。

作製した CNT アームの評価法として、電子顕微鏡内における作製過程のリアルタイム像観察

の他、電子回折による構造評価、共振させその周波数を測定する機械強度評価を複合的に採用

した。さらに実験データに対する理論的アプローチとして、数値計算による CNT 構造変化過程

の詳細検討、有限要素法による振動解析を行った。

上記の CNT アームの製作は、高い技術レベルに支えられているが、設備された環境と良くト

レーニングした作業者があれば、安定して行えるものである。

(1) 研究実施内容及び成果

4.2-① CNT アームの形状制御

本研究でキーとなる要素は、まずタンパク質を一分子レベルで CNT 先端に取り付けることで

あり、そのためには CNT 先端がタンパク質分子に対して十分小さい(2nm 以下)必要がある。

一方で、タンパク質が安定に存在する水中で精度良く振動解析を行うためには、高い Q 値が必

要であり、そのためには、アームのボディはある程度直径が大きく(5nm 以上)、剛直な多層

CNT が望ましい(図4.12)。これらの指針は計画時にもある程度予測していたが、H20 年

度後半に、光学顕微鏡下で液中における CNT の Q 値測定が可能なことが秋田グループにより

示され、そのデータを基により形状条件を具体化した。

そのような中で、計測可能かつ最適な条件を満たすために、直径 5〜20nm 程度の多層 CNT

の先端を加工して細くする方法を検討し、A. 通電加熱による先鋭化 (H18〜H20)、B. 太い CNT

先端への細い CNT の形成 (H20〜H23)の 2 つの手法を試みた。

A. 通電加熱による CNT の先鋭化

TEM 内で CNT1 本を電極間に架橋し、過剰電流により切断することによって、テーパー状の

先端構造を作製することに成功した(図4.13)。本手法で作製した CNT アームは CNT 根元

が数 nm、先端が 1nm 程度の円錐形を有している。また、本手法による CNT 先鋭化プロセス

について、実験結果と数値計算結果から電流量、即ち通電時の加熱温度により CNT 切断後の

先端形状を制御できることを明らかにした(業績 1-35)。

図4.11 CNT アーム

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B. 太い CNT 先端への細い CNT の形成

秋田グループで開発された質量計測用デバイスに搭載する

CNT アームにより適した形状として、直径 10nm 程度の多層

CNT からなる胴体部の先端に直径 1nm 程度の細い CNT をタン

パク質捕捉部として形成したハイブリッド形状を作製した。こ

れまでに直径 10nm 程度の 2 本の多層 CNT 先端同士をつき合わ

せて通電することにより、一方の多層 CNT 先端に直径 1nm 程

度の単層 CNT を新たに形成することに成功した(図4.14、

業績 3-②-53)。

4.2−② CNT アーム先端のカルボキシル基化

4.1で確立された手法によって CNT 先端へタンパク質を共

有結合させるためには、CNT 先端を開端しカルボキシル基化す

る必要がある。TEM 内で電界が集中する CNT アーム先端に電

子線を放射し、CNT アーム先端を開端する技術を開発した。ま

た、実際に開端 CNT と Qdot ストレプトアビジンを用い電気泳動を行った結果、開端した CNT

の先端に Qdot ストレプトアビジンが効率よく捕捉できることを確認した(業績 1-17)。これ

は CNT アーム先端でタンパク質一分子を捕捉できることを示しており、力計測、質量計測にお

ける CNT アームの有用性を示すものである。さらに高感度の質量計測用 CNT アームを作製す

るため、加工時に CNT 先端以外に形成されるダングリングボンドを最小限にとどめる必要があ

る。この課題については CNT 先端部分の層構造のうち、1~2 層程度のみを電界放出で損傷さ

せる条件を実験的に探索した。また印加する

電界との関連性を詳細に検討するために、

H23 年度には、有限要素法を用いて、電界放

出中の CNT 先端周辺電場のシミュレーショ

ンを行った(業績 3-②-69)。

4.2−③ デバイスへの CNT 固定方法の

開発

CNT アームを作製するためには、CNT を

基板に固定する必要がある。従来 CNT を固

定する手法として、SEM 内で接着部に収束

図4.14 先端にタンパ

ク質捕捉用の細い CNTを

接合した CNT アーム

図4.15 左)Si 基板に作製した C60薄膜、右)

プローブ先端に固定した CNT

図4.13 CNT 先鋭化[業績 1-35].(a)

先鋭化前後の TEM 像、 (b) 通電加熱中の

CNT 軸方向温度勾配シミュレーションに

基づく昇華炭素原子数分布の見積もり

図4.12 CNT アーム先端形状

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電子線を照射し、コンタミの炭化水素を原料としてアモルファスカーボンを堆積した。本プロ

ジェクトでは、これに加え、より高真空でコンタミの少ない TEM 内において固定する方法を探

求し、C60分子の電子線照射による構造変化を利用する方法を見いだした。あらかじめ C60分子

を2、3分子層厚さで堆積した基板に電子線照射し、局所領域の C60 分子を選択的にを構造変

化させ、強固に CNT を固定できることを示した。

この研究の中で、蒸着した C60 分子膜の局所領域に電子線を照射すると、電子線照射領域に

周りから C60 分子が集まるという新しい現象を見いだした。集まってきた C60 分子は電子線によ

り、非晶質を経て結晶へと構造が変化する。これにより CNT が AFM 用プローブ先端に固定さ

れると共に電気的な接続も確保される(図4.15、業績 1-36)。

(2) 研究成果の今後期待される効果

CNT のバイオデバイスへの応用は早い段階から期待されていたが、合成直後の CNT をその

まま使おうとすると、直径の細いものであれば一分子を捉えることができるものの、振動検知

の際に十分な Q 値を得られず、逆に十分 Q 値の高いものを使用すると先端径が大きくなってし

まうというトレードオフの関係があった。このため、従来の CNT を用いた質量・力計測は、比

較的制限のある環境下(真空中・ガス中)や対象(比較的大きな分子、微粒子)について行わ

れてきた。本成果は CNT を直接加工するという手段でこの課題を克服したものであり、デバイ

ス・環境・測定対象を選ばない、正に「アーム」と呼ぶに相応しい汎用性の高い生体分子用ハ

ンドリング機構を提供するものである。本研究では TEM 内で1本1本の CNT を加工し、エネ

ルギー的に最適な加工条件を調べ、その知見を蓄積した。これを活用することにより自在な形

状の CNT を安定かつ大量に供給できるようになれば、今回のような計測用プローブに留まらず、

医療現場で細胞レベルの治療を行うマイクロ・ナノサージェリーシステムへの応用も期待でき

る。また、バイオの世界に留まらず、CNT アームの開発段階で確立した要素技術はボトムアッ

プアプローチ的なナノデバイス作製プロセス研究の根幹を支える重要な成果といえ、特に現在

注目を集めているカーボンナノ材料を中心としたナノデバイス応用への貢献度は非常に高いと

認識している。

4.3 質量・力計測デバイス開発 (大阪府立大学 秋田グループ)

(1) 研究実施内容及び成果

液中において生体一分子の質量検出および力検出が行える CNT 変位検出デバイスを開発す

ることを目的とし研究を行った。

本目的を達成するために、水溶液中における CNT 片持ちはりの変位および振動を電気的に検

出する系と光学的に検出する系の構築と高感度化・高速化について主に検討した。さらに、質

量計測には重要な振動周波数の自動追尾機構についての検討も行った。電気式では、CNT アー

ムをゲートとする CNT-FET 構造を提案し、作製プロセスの検討を主に進めた。光学式では、生

命現象の検討によく用いられる蛍光顕微鏡に適応が容易な検出方式について検討を行った。そ

の結果、CNT が光の回折限界以下の直径にもかかわらず、CNT の変位や振動の検出に成功した。

以下に成果の詳細を述べる。

4.3−① 電気式 CNT 振動検出(片持ちはりタイプ)デバイスの製作と高感度化

CNT の優れた電気機械的性質を利用して図4.16に示すような変位検知デバイスを開発し、

数ミリ秒の時間分解能で zg 精度の質量と pN 精度の力を計測する技術を構築することを目的と

している。CNT による単一分子レベルの質量・力計測を電気的に行うために単層 CNT を変位

検出器としたプロトタイプの片持ちはり CNT デバイスを開発してきた。

本研究では、CNT の片持ちはりデバイスを製作するためのプロセス開発と高周波の振動を出

力インピーダンスの高い CNT で検出する方法について検討した。先ず、変位検出のための CNT

−電界効果型トランジスタ(FET)の製作プロセスを単層 CNT の成長プロセスを含め確立した。

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- 22 -

また、この CNT−FET が振動するゲートに反応することを確認し、提案しているデバイスの原

理を実証した。ここで、走査型ゲート顕微鏡(SGM)技術を改良した新しい SGM 法を提案し

その測定方法を確立した(業績 1-29)。図4.17に示すように多くの CNT が形状像では確認で

きるが、SGM 像では振動ゲートに応答している CNT チャネルのみが確認できた。この方法は

振動ゲートの評価だけでなく CNT−FET の動作状態の確認にも応用可能な方法であることが分

かった。

CNT−FET は液中動作で電極が劣化する課題があり、それを防ぐパッシベーション膜形成や有

機薄膜被覆等の方法を検討した。また、FET を具備した CNT アームの組み立てに SEM マニピ

ュレータを採用しているが、問題となっていたプロセ

ス中の電子線照射による CNT の劣化は 10nm 程度の

Si3N4 薄膜や紫外線効果型樹脂(SU-8)で CNT 部分を

覆うことにより回避出来ることを見出した。また、力

検出用 FET に用いる CNT の成長条件を最適化するこ

とにより、マニピュレーション時の電子線による劣化

が更に抑制されることが明らかになった。これら新し

く開発したプロセス技術を組み合わせ片持ちはり力

検出デバイスを製作した。その結果、図4.18に示

すように CNT 片持ちはりを取り付けた後も良好な静

特性を示した。

この片持ちはり振動の検出を電気的に行うために

図4.19に示すような機械的周波数ミキサ方式を採

用した。本方式ではロックインアンプの低周波の参照

信号出力をゲート電極である CNT カンチレバーを振

動させる高周波にミキシングした高周波信号を変位

検出用の CNT チャネルに加える。このように各交流

バイアス電圧を印加することで片持ちはり CNT の振

動が最大になった時に最も大きな変調信号が検出で

きる。

このようにすることで検出系のエレクトロニクス

の応答速度が比較的遅いものでも共振周波数シフト

の計測が可能になると同時に CNT-FET の高周波信号

検出で問題となる高出力インピーダンスの問題も回

避可能となった。図4.20に大気中で動作させた時

図4.17 CNT-FET の(左)形状像と(右)SGM 像

図4.16 CNT による変

位・力検出デバイス

図4.18 片持ちはり FET デバイスの

マニピュレーション後の静特性

図4.19 機械的周波数ミキサによる振

動検出の模式図

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の出力信号の励振周波数依存性を示す。900kHz 付近に片持ちはり CNT の機械的共振による信

号が見える。また、ゲート電圧の DC 成分を大きくすると共振周波数が低下している。これは、

片持ちはりへの引力が静電気力により付加された、実効的にバネ定数が低下したことによる。

さらに、有限要素法により周波数応答特性がゲート電圧に対してどのように変化するかを検

討した。図4.21に示す通り、ゲート電圧の増加とともに共振周波数は低下し、実験結果と

定性的には傾向が一致した。さらに、ゲート電圧を大きくすると共振特性が極めて不安定な領

域が出現し、次いで周波数は逆に高い方にシフトした。これは、静電気力が先端部に働き、は

りの張力が大きくなることにより周波数が大きくなったためである。先の共振特性が不安定な

領域は、このはりの張力とはりに働く静電気バネ効果が釣り合ったために出現したと思われる。

これ以上ゲート電圧を大きくすると、片持ちはりの CNT アームが、静電引力により基板上へ強

く引き寄せられ pull-in という状態になる。つまり、片持ちはり先端が基板に接触し振動しなく

なる。

以上のように、本プロジェクトで提案したデバイスの作製に成功し、大気中での動作を確認

した。当初計画では、液中動作を確認することになっていたが、製作プロセスにおいて、各要

素技術の組み合わせにより、当初予想していない技術的な課題(CNT-FET の損傷)の解決に時

間を要した。その結果、大気中での動作確認に留まっている。

また、2次元力の検出可能なデバイス製作を当初計画していたが、センサー用 FET を構成す

る CNT の成長方向制御や均一性といった新たな技術的課題が出てきた。また、現在開発中のプ

ロトタイプデバイスに関しても進捗が遅れているため一次元デバイスに特化して開発を進める

こととした。また、SWNT の効率的な配置方法として、電極近傍の光増強効果を利用した SWNT

の光ピンセット効果による操作方法について検討した。その結果、光電場増強だけでなく、電

極の温度上昇に伴うナノバブルの形成もSWNT操作へ重要な寄与があることが明らかになった

(業績 1-59)。

計画を遂行するに当たり、CNT−FET が振動するゲートに反応することを確認し、提案してい

るデバイスの原理を実証するために、走査型ゲート顕微鏡(SGM)技術を改良した新しい SGM

法を提案しその測定方法を確立した(業績 1-29)。また、本センサーの高感度化に欠かせない知

見として、粘性流体との相互作用による CNT 振動のエネルギー損失機構について検討した。そ

の結果、大気圧より低い真空下では、CNT の大きさが気体分子の平均自由行程よりも小さいた

めに通常の半導体プロセスで加工された片持ちはりでは粘性流領域となるような圧力下でも分

子流領域として動作し気体分子からの損失は小さいことが明らかになった(業績 1-28)。また、

CNT 内部の損失を分子動力学計算および成長法の異なる CNT の実験結果を比較することによ

り、多層 CNT の各層間における van der Waals 相互作用が重要な役割を果たしていることを明

らかにした(業績 1-9、1-37、1-44)。

図4.21 片持ちはり CNT デバイ

スの共振特性の FEM 解析

図4.20 片持ち梁 CNT デバイスの大気中にお

ける周波数特性

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4.3−② 周波数自動追尾機構の開発 (業績 1-43)

電気式、光学式にかかわらず CNT 振動周波数の自動追尾には Phase-locked-loop(PLL)を用

いる系を構築した。なお、電気式、光学式にかかわらず振動周波数を直接測定するのではなく

図4.22に示すように中間周波数に一旦変換し、その位相シフトや周波数変化をとらえフィ

ードバックするヘテロダイン検波方式となっている。

CNT の振動は、光学式の場合には CNT を振動させている周波数 f から少し周波数の異なる f

±f で強度変調したレーザー光を照射することによって、その差周波のf が信号として検出さ

れる。このことは以下のように説明できる。CNT の共振時の時間依存振幅 x(t)と変調されたレ

ーザー強度はそれぞれ次の式で表される。

x(t) x0 cos(2ft), (4-1)

))(2cos()( 0 tffItI , (4-2)

ここで、x0 は振動振幅であり、I0 はレーザーの変調振幅である。振動しているCNTの先端

のある位置x において、相当時間t は次の条件を満たす。

2ft 2n , (4-3)

ここで、n は整数、 はある位置x に相当する位相である。位置xにおける散乱光強度は、式

(4-2)に式(4-3)を代入すると次式となる。

I (t) I0 cos(2n 2ft)

I0 cos(2ft ) (4-4)

その結果として、周波数f で振動している片持ち梁CNTからの散乱光強度は周波数f で観察

することができ、参照信号との位相差も再現できる。このように、図中のCNT mechanical

heterodyne部に相当する部分は、他の電気的な回路などを用いずに実現できる。さらに、f は

片持ち梁CNTの共振周波数に比べて非常に低くノイズに有利な測定系を構築できる。

中間周波数に変換するプロセスが異なるだけで

電気式の場合も光学式とほぼ同様である。CNTを共

振させるために励振信号発生部からゲートに周波

数成分fの交流電圧を印加する。また、ソース・ドレ

イン間に、ゲートとの差周波fである周波数成分f

±fの交流電圧を印加する。CNTはこの2つの周波

数成分を合成するミキサとして動作し、f、2f±f

の周波数成分をもつドレイン電流が発生する。この

ように、電気的検出の場合も外部にミキサ回路を必

要とせずCNT振動が中間周波数に変換される。この

電流を電圧に変換し、f 成分だけをロックインア

図4.23 PLL の時間安定性の一例

図4.22 CNT Mechanical

heterodyne と PLL による周波数自動追

尾のブロックダイヤグラム

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ンプで検出することによりCNT内の微小なコンダク

タンスの変化を測定する。

このように、CNT の振動が中間周波数f に変換さ

れた後ロックインアンプにより位相を検出する。ここ

で、共振周波数が変動すると位相が変動する。この位

相を打ち消すように信号発生部にフィードバックを

掛けることによって、周波数の自動追尾が可能となる。

図4.23に光学方式で構成した PLL による振動検

出系の安定性(共振周波数の時間変動)の一例を示す。

なお、CNT は大気中で振動させている。一秒程度の

短時間変動の標準偏差は 1ppm 程度であり、CNT の質

量を考慮すると 50zg の質量分解能に匹敵する。

4.3−③ 液中光学式 CNT 振動システム構築

片持ちはり CNT の製作と測定系

これまで CNT の振動解析には、電気式検出に加え

て、電子顕微鏡による直接観察が広く用いられてきた。しかし、液中において CNT 振動を計測

するためには電子顕微鏡を用いることはできない。本研究では、光の回折限界よりも細い CNT

においても、その振動が光学的に観測可能であることを示し(業績 1-30)、高精度に振動計測が

可能な系の構築を目指した。

片持ちはり CNT 振動子を作製するためには機械的特性が高く、孤立して配向した CNT が必

要である。本研究では CVD 法によって合成した後、1500℃で高温アニール処理した高品位な

CNT を用いた。

孤立して配向した CNT を作製するため、本研究では誘電泳動法を用いた。金を蒸着したシリ

コンチップ 2 枚を用意し、平行に並べる。イソプロピルアルコール(IPA)等の有機溶媒中に分散

したCNT溶液を滴下し、IPAが乾くまで 1MHz、1Vppの交流電界をシリコンチップに印加する。

結果的に図4.24に示すような逆テーパー状のシリコンチップに配向した片持ちはり CNT が

得られる。ここで、逆テーパー部上に CNT 片持ちはりを形成することで、光照射した際に、基

盤端面からの光散乱が抑制され CNT からの散乱光が観測しやすくなる。

CNT はナノメートルオーダーの直径を持つため、通常の光学顕微鏡による明視野観察では振

動測定は困難である。そこで我々はガラス補正環付きの倍率 60 倍の対物レンズを用いた明暗視

野の倒立型光学顕微鏡を用いて CNT の振動測定を行った。

Si チップに取り付けた CNT 片持ちはりを図4.25に示すように厚さ 0.3mm の圧電体上部

に設置した。また不要な振動が測定データに影響を及ばさないよう、測定系は除振台の上部に

設置した。なお、CNT の形状や位置はあらかじめ SEM により観察した。

ここで、通常の暗視野観察では CNT 振動の観察は可能であっても振動の定量的な評価が困難

である。本研究では CNT にレーザー光を照射し、その散乱光の変化から CNT の振動を評価し

た。まずシリコン片から突出している CNT の自由端近傍に図4.26の様な光学系により波長

660nm のレーザー光を照射した。得られた散乱光から CNT の振動特性を検出するために、1)

図4.24 逆テーパー状のシリコンチ

ップに配向した片持ち梁 CNT

Glass stage

Si chip

Copper

Piezo sheet 0.3mm

0.1mm

図4.25 振動系

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一点の散乱光の強度を評価する方法と2)CCD カメラから取得した画像の輝度分布情報を評価

する2つの方法を取った。

まず、画像の輝度分布情報を評価する方法について述べる。CNT は振動時や変位時と静止時

では画像に若干の変化が見られる。そのため、その違いを定量的に評価することで CNT の振動

や変位を検出、評価出来るプログラムを開発した(業績 1-30)。検出方法として、その画像変化

を静止している CNT の画像との差分を評価した。

従って、画像の差分が CNT 変位や振動の振幅に相当する。このような処理によって負荷-変

位曲線や周波数応答曲線を得ることができる。共振ピークの測定結果の一例を図4.27に示

す。この方法は観察中にその場で行えるため簡便な評価法として有意義である。一方で、共振

特性測定の場合には、振幅が大きくないと精度の高い測定ができないため、液中のようなダン

ピングの大きな領域では振動振幅が極めて小さくなるため適応が容易ではない。

このように画像からCNT振動の検出は可能であるが、さらに高感度にCNT振動を検出するた

めに、ある一点からの散乱光の強度変化による共振の検出方法を試みた。ここで、これまで述

べてきたとおり、高感度質量測定を行うためには、正確な共振周波数の検出は必要不可欠であ

る。この問題を解決するために前節で原理を述べた「Opto-mechnical heterodyne 法」(業績 1-43)

を考案した。ここで、周波数応答特性の測定は前節の自動追尾のためのPLLフィードバック部

をカットし、励振信号発生部の周波数を掃

引することで行った。

ある特定の点からの散乱光強度の測定に

は図4.28に示すように有効光学径が 3.3

ミクロンのシングルモード光ファイバーを

用い、これを絞りとしてファイバー端面上

に結像面がくるように光軸を調整し測定を

行った。光ファイバー入り口の有効径は対

物レンズ焦点面(試料面)では回折限界の

大きさに相当し、光ファイバー入り口が極

小の絞りとして働く。また、CNT の直径も

光の回折限界以下であり、光学的には理想

的な無限小の光散乱源として働く。このた

め、CNT からの散乱光は、Point spread 関数

で表されるガウス分布となる。これと、光

ファイバーの開口数で決定される瞳関数と

の重ね合わせで、観測される光強度が決定

図4.28 Opto-mechanical heterodyne を用いた

ヘテロダイン検波の概略図

!

- 19 -!

公開資料(但、ハッチ部は非公開)!

ーに結像し行った。従って、光ファイバー入り口の有効径は対物レンズ焦点面(試料面)では回折

限界の大きさに相当し、光ファイバー入り口が極小の絞りとして働く。また、" # $の直径も光の回折

限界以下であり、光学的には理想的な無限小の光散乱源として働く。このため、" # $ からの散乱

光は、%&'( )!*+, - . 関数で表されるガウス分布となる。これと、光ファイバーの # / で決定される瞳

関数との重ね合わせて、観測される光強度が決定される。この場合、" # $ が回折限界以下の距離

で変位しても、光ファイバーに導入される光強度は大きく変化する。従って、" # $ の振動が極めて

高感度で検出可能となる。また," # $ の位置制御にピエゾ駆動 012 ステージを用いる事でナノレ

ベルでの位置制御を実現し,光ファイバーの受光範囲内に " # $ を移動制御することが可能となっ

た。さらに,実験系全体を除振台上部に設置することで不要な振動を排除した。!

周波数応答を測定するため、周波数を掃引している間つねに " # $ の振動周波数とレーザー強

度の変調周波数の差を 3!に固定した。図 4にこの検出方法で得られる典型的な周波数応答を示

す。振動振幅のピークの所で位相が反転しているのが分かる。このように、「5 +)&16 -78( '79:!

8- )- , &. ; ( - !法」を用いることで振動振幅と位相の両面から " # $ の振動を解析できるのもこの検

出方法の利点である。!

!

!!

図 < 5 +)&16 - 789( '79:!8- )- , &. ; ( - !

を用いたヘテロダイン検波の概略図!

!

!

!

液中での " # $ 片持ちはりの共振特性の詳細な解析

には振動挙動の理解が必要不可欠である。そこで水

中での " # $ 振動を分子動力学=> ? @計算により検討

した.=業績4@計算に用いた " # $のカイラリティは=<A<@

で一端を拘束した片持ちはり振動子とし、長さを Bおよ

び C( 6 と変化した。計算では DED×DED×FGE<( 6 Hの

周期境界条件を用い、その中に水分子を配置した=図

F@。水分子のポテンシャルとして分極を考慮した

/ > 5 I J / 型、" # $ に対しては > > Hの経験的ポテ

ンシャルを用いた。計算間隔は F! 3*,計算時間は FG!

( *とし,温度を HGGK一定とした。!

図 Cに長さ C( 6 の片持ちはり " # $ 振動子に対

する共振特性を示す。ただし " # $ には特に強制振動

を与えておらず、これは熱振動スペクトルに相当する。

このように水中においても中心周波数 HDLMN付近で

共振ピークを確認でき振動子として用いることが可能

0

0.001

0.002

0.003

0.004

0.005

0.006

0.007

0.008

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

200

600 650 700 750 800

Inte

nsity (

a.u

.)

Ph

ase

(o)

Frequency (kHz)

図 4 O&7P1' ( 技術を用いた " # $ 振動ピ

ークの周波数応答!

!図 7 水中での振動に関するMD計算の

モデル

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

0 0.05 0.1 0.15 0.2

Magnitude

Freq. (THz)

Q=1.85

Fig. 8 水中における共振特性

Piezoelectric

actuator

Objective lens

(60x)Copper

CNTSi chip

Function

generator

Glass

Laser

Camera

図4.26 光学測定系概略図

0

100

200

300

400

500

960 980 1000 1020 1040

RM

S e

rro

r (a

rb. u

nit

.)

Frequency (kHz)

Q ~ 40

図4.27 画像差分法によるCNT振動の観測

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- 27 -

される。この場合、CNT が回折限界以下の距離で変位しても、光ファイバーに導入される光強

度は大きく変化する。従って、CNT の振動が極めて高感度で検出可能となる。また、CNT の位

置制御にピエゾ駆動 X-Y ステージを用いることでナノレベルでの位置制御を実現し、光ファイ

バーの受光範囲内に CNT を移動制御することが可能となった。さらに、実験系全体を除振台上

に設置して不要な振動を排除した。

周波数応答を測定するため、周波数を掃引している間つねに CNT の振動周波数とレーザー光

強度の変調周波数の差をf に固定した。図4.29に、この検出方法で得られる典型的な周波

数応答を示す。振動振幅のピークの所で位相が反転しているのが分かる。このように、

「Opto-mechanical heterodyne 法」を用いることで振動振幅と位相の両面から CNT の振動を解析

できるのもこの検出方法の利点である。

液中 CNT 片持ちはり振動の分子動力学計算

液中における CNT 片持ちはりの共振特性の詳細な解析には振動挙動の理解が必要不可欠で

ある。そこで水中の CNT 振動を分子動力学(MD)計算により検討した(業績 1-38)。 計算に用い

た CNT のカイラリティは(5,5)で一端を拘束した片持ちはり振動子とし、長さを 4nm および

8nm と変化した。計算では 2.2×2.2×10.5nm3 の周期境界条件を用い、その中に水分子を配置し

た(図4.30)。水分子のポテンシャルとして分極を考慮した AMOEBA 型、CNT に対しては

MM3 の経験的ポテンシャルを用いた。計算間隔は 1 fs、計算時間は 10 ns とし、温度を 300K

一定とした。

図4.31に長さ 8nm の片持ち梁 CNT 振動子に対する共振特性を示す。ただし CNT には特

に強制振動を与えておらず、これは熱振動スペクトルに相当する。この実験に用いた CNT は真

空において共振周波数約 50GHz、Q 値は 10000 以上を示していたが、水中においても中心周波

図4.29 Lock-in 技術を用いた CNT 振

動ピークの周波数応答

!

- 19 -!

公開資料(但、ハッチ部は非公開)!

ーに結像し行った。従って、光ファイバー入り口の有効径は対物レンズ焦点面(試料面)では回折

限界の大きさに相当し、光ファイバー入り口が極小の絞りとして働く。また、" # $の直径も光の回折

限界以下であり、光学的には理想的な無限小の光散乱源として働く。このため、" # $ からの散乱

光は、%&'( )!*+, - . 関数で表されるガウス分布となる。これと、光ファイバーの # / で決定される瞳

関数との重ね合わせて、観測される光強度が決定される。この場合、" # $ が回折限界以下の距離

で変位しても、光ファイバーに導入される光強度は大きく変化する。従って、" # $ の振動が極めて

高感度で検出可能となる。また," # $ の位置制御にピエゾ駆動 012 ステージを用いる事でナノレ

ベルでの位置制御を実現し,光ファイバーの受光範囲内に " # $ を移動制御することが可能となっ

た。さらに,実験系全体を除振台上部に設置することで不要な振動を排除した。!

周波数応答を測定するため、周波数を掃引している間つねに " # $ の振動周波数とレーザー強

度の変調周波数の差を 3!に固定した。図 4にこの検出方法で得られる典型的な周波数応答を示

す。振動振幅のピークの所で位相が反転しているのが分かる。このように、「5 +)&16 -78( '79:!

8- )- , &. ; ( - !法」を用いることで振動振幅と位相の両面から " # $ の振動を解析できるのもこの検

出方法の利点である。!

!

!!

図 < 5 +)&16 - 789( '79:!8- )- , &. ; ( - !

を用いたヘテロダイン検波の概略図!

!

!

!

液中での " # $ 片持ちはりの共振特性の詳細な解析

には振動挙動の理解が必要不可欠である。そこで水

中での " # $ 振動を分子動力学=> ? @計算により検討

した.=業績4@計算に用いた " # $のカイラリティは=<A<@

で一端を拘束した片持ちはり振動子とし、長さを Bおよ

び C( 6 と変化した。計算では DED×DED×FGE<( 6 Hの

周期境界条件を用い、その中に水分子を配置した=図

F@。水分子のポテンシャルとして分極を考慮した

/ > 5 I J / 型、" # $ に対しては > > Hの経験的ポテ

ンシャルを用いた。計算間隔は F! 3*,計算時間は FG!

( *とし,温度を HGGK一定とした。!

図 Cに長さ C( 6 の片持ちはり " # $ 振動子に対

する共振特性を示す。ただし " # $ には特に強制振動

を与えておらず、これは熱振動スペクトルに相当する。

このように水中においても中心周波数 HDLMN付近で

共振ピークを確認でき振動子として用いることが可能

0

0.001

0.002

0.003

0.004

0.005

0.006

0.007

0.008

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

200

600 650 700 750 800

Inte

nsity (

a.u

.)

Ph

ase

( o)

Frequency (kHz)

図 4 O&7P1' ( 技術を用いた " # $ 振動ピ

ークの周波数応答!

!図 7 水中での振動に関するMD計算の

モデル

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

0 0.05 0.1 0.15 0.2

Magnitude

Freq. (THz)

Q=1.85

Fig. 8 水中における共振特性

図4.30 水中での振動に関する MD 計算のモデル

図4.32 実験で使用したCNTの(a)電子顕微鏡像

と(b)光学顕微鏡像

10 m

図4.31 水中における共振特性

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数 32GHz 付近で共振ピークを確認できた。この結果は CNT が水中でも振動子として用いるこ

とが可能なことを示す。図中実線は減衰のある場合のフィッティング曲線で、フィッテングパ

ラメータから Q 値は 1.85 と見積もられた。

連続体理論では、粘性減衰はレイノルズ数に強く影響される。MD 計算と液中における振動

計測の実験結果から得られるレイノルズ数は両方とも 1.0 以下であった。このような低いレイ

ノルズ数領域では特異な渦は出現しない。また、このような連続体理論により解析が可能とい

うことから、直径が1nm以下のSWNTの振動でさえ連続体理論が適応できることを示している。

また、CNT 長さを 4nm と図4.31の計算例の半分とした場合でも、Q 値は 1.88 とあまり変

化しない。ここで、共振周波数は 140GHz と先の 4.4 倍程度となり、単純な弾性体理論から期

待される共振周波数シフトの 4 倍よりも約 10%高い周波数となった。これは、CNT の長さが短

くなることで振動中に水と衝突する断面積が減少し実効的な付加質量が減少したためと考えら

れる。

このように、MD 計算から片持ちはり CNT が水中でも振動すること、さらに、連続体の粘性

減衰の理論で取り扱えることが明らかになった。

液中における CNT 片持ちはりの振動計測 (業績 1-38)

まず、1本のCNTについて真空中と水中の双方における共振周波数を計測し、それぞれの変

化を調べた。真空中の測定はSEM内で行い、水中の測定は図4.26に示したようなガラスス

テージ上をシリコーンラバーで覆うことによって作製したプール内で行った。この実験で使用

しているCNTは長さ13.8 m、直径60nmで片持ち梁状に担持されている (図4.32)。この片

持ちはりCNTの真空中における典型的な周波数スペクトルを図4.33に示す。片持ちはりCNT

はよく複数の共振モードを示し、それぞれの共振モードで複数の共振ピークを示すこともある

が、今回のCNTについては1次、2次の共振で2つのピークを示した。計測された1次共振の共振

周波数は558 kHzと577 kHz、2次共振の共振周波数は3165 kHzと3298 kHzであった。それぞれの

ピークについて見積もったQ値を図4.33中に示した。このように複数の共振ピークが現れ

るのは、今回使用した、CVD法によって合成されたCNTは結晶性が悪く、欠陥が多く含まれる

ことに起因すると考えられる。

付加質量が付着した片持ちはりの共振周波数は次のように表される。

fn Cn

2

2 3

k

m0 4m (4-5)

fnはn次の共振周波数、kはばね定数、m0ははりの質量、mは付加質量、Cnはn次の固有係数で

ある。C1が1.875、C2が4.694であるから、式(4-5)から1次共振と2次共振の共振周波数の差は

C12/C2

2≈6倍であることが分かる。実際、図4.33に示すように実験結果も1次と2次の共振周

波数の差は約6倍となっている。

60 Q factor 160 143 416

図4.33 真空中におけるCNT振動の周波数応答

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この片持ちはりCNTについて水中で共振させた結果、

真空中では観測されていた1次の共振ピークが消失し、

2次の共振ピークだけが観測された。これは2次共振の

ほうが前面投影面積が小さく、また実効的なアスペク

ト比も小さいので、1次の共振が2次の共振に比べて強

い粘性抵抗を受けたためである(図4.34)。

液中振動における粘度依存性

CNT振動の粘性抵抗の影響をよく理解するために、

水温を変えることにより粘度を変化させながら、片持

ちはりCNTの周波数応答を測定した。図4.35に、

異なる水温における片持ちはりCNTの周波数応答を示

す。真空中の周波数応答で示したのと同様に、水中に

おいてもそれぞれの水温で2つの共振ピークが測定で

きた。水温が28.9 ℃のとき、周波数応答は2つの理論

曲線に分けることができ、共振周波数とQ値はそれぞ

れ540 kHzと7.6、630 kHzと21.7であった。これに対し、水温18.2℃のとき、共振周波数は500 kHz

へと低周波側にシフトした。これは水温が下がったことにより水の粘性抵抗が上昇したことに

由来すると考えられる。

水中におけるCNT振動を解析するために、Saderらによって示された式(4-6)を用いた。

fluid ,n

vac,n

1 fluid

4CNTr fluid ,n

1 2

(4-6)

ここで、 vac,nと luid,nは真空中と水中におけるn次の共振周波数、 CNTとfluidはCNTと流体

の密度、rはHydrodynamic Functionの実部である。Hydrodynamic Functionは粘性流体が梁に与え

る影響を考慮した関数であり、次の式で表わされる。

n fluid ,n 16i

Reln i i Re as 0,Re0 (4-7)

as

i

influidn

Re

Re8,

2

2

(4-8)

ここで、Reはレイノルズ数であり、 は次の式で定義される。

Cnb

L

(4-9)

Cnはn次の固有係数、bは梁の幅、Lは梁の長さである。

流体に粘性がなければrは1であり、式(4-6)で示される流体中の共振周波数 fluid,nは単に流体

を押しのける際のエネルギー損失だけを考えればよいということになる。

Hydrodynamic Functionは周波数とレイノルズ数Reに依存しており、CNT振動に対応するレ

イノルズ数Reは次の式で表わされる。

2

,Re

dnfluidfluid (4-10)

ここで、 は流体の粘度、dはCNTの直径である。レイノルズ数Reは粘性流体による慣性力

の重要なパラメータである。通常、片持ちはりCNTの振動の場合Reは1よりずっと小さい値を取

る。これは流体の粘性が無視できないということを示している。しかし、振動の次数が大きく

なるにつれて共振周波数とレイノルズ数Reも大きくなる。これは粘性の影響を少なくする結果

となる。図4.35で示したように2次の振動のみが水中で測定できたことも上記のことと一致

First harmonic

oscillation

Second harmonic

oscillation

Frontal projected areaLarge Small

Viscous dampingHigh Low

図4.34 1次振動と2次振動の違い

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している。このことは高次の振動を持つ片持ちは

りCNTは粘性流体中での高感度質量測定に適し

ていることを示唆している。

水とCNTの密度が一定であると仮定すると、式

(4-6)から計算すると温度が28.9 ℃と18.2 ℃のと

きの共振周波数はそれぞれ583kHzと521kHzであ

った(図4.36)。図4.36の実線は式(4-6)の

フィッティング曲線である。このように、本実験

で得られた実験結果は式(4-6)の流体モデルに良

く一致し、測定結果の妥当性を示している。

生体一分子計測へ向けた各種水溶液中での振動

さらに、異なる種類の液体中におけるCNTの振

動を観察した。本研究では最終的に生体分子の質

量測定を目指している。そのためCNTと生体分子

を反応させるための溶液や、生体分子の特性を生

かせる溶液でのCNT振動の測定は必須である。そ

こで本実験では純水、クロスリンカー溶液、ホウ

酸緩衝液を使用した。本実験で使用したCNTは直

径59nm、長さ2.9 mである。このCNTを水中に設

置して周波数応答を測定すると、先のCNTと同様

に1次の共振は水の粘性抵抗によってかき消され、

2次の共振のみが測定できた。共振周波数は609.37

kHz、Q値は15.6であった(図4.37)。次にクロ

スリンカー溶液中での共振周波数は水中に比べ

て低下し584.03kHzであった。Q値は15.3と水中と

ほぼ同じであった。CNTにクロスリンカー溶液を

注ぐことでCNT先端が活性化されるが、そのこと

による周波数変化はほとんど無視できるほど小

さいと思われるので、この共振周波数の低下はク

ロスリンカー溶液の粘度もしくは密度が水に比

べて高いことによるものであると思われる。ホウ

酸緩衝液中では、共振周波数はさらに低下し

560.24kHzとなった。Q値は13.8とやや低下した。

今回使用したホウ酸緩衝液の濃度は約50mMで

あり、純水、クロスリンカー溶液と比べると粘性

もしくは密度が高いものになっていると思われ

る。このように、CNT振動子により溶液の粘度も

しくは比重の変化を共振周波数変化として捉え

ることに成功した。

CNT片持ちはりの生体一分子高精度力計測への

応用

光学的振動計測を行う上で CNT 変位の高精度

検出技術の開発は必要不可欠であった。この高精

度変位検出技術を用いて CNT 片持ちはりの変位

からタンパク質との相互作用力の検出を試みた。

CNT の機械的特性から 10-3

N/m 程度の極めて柔

らかいバネを形成するのは容易である。なお、市

販の AFM 用の片持ちはりのもっとも柔らかいバ

図4.37 各種水溶液中におけるCNT振動の

周波数応答

図4.36 理論計算を用いた共振周波数と

Reの関係

図4.35 水中における CNT 振動の温度依存性

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ネ定数で 10-2

N/m 程度なので、同じ変位を検出可能であると仮定すると、CNT 片持ちはりの

方が一桁高い力分解能を有することになる。

光学的な変位測定系は先に示したものと同様で、CNT 変位を CCD カメラの画像から解析

した。光学検出法を用いた CNT-タンパク質間の相互作用力測定方法を示す。まず、CNT と

タンパク質を反応させるためにそれぞれ次のような準備をした。CNT に関してははじめに大

気中で CNT 先端に高出力の半導体レーザー光を照射し、CNT を焼くことで開管、酸化を行

った。図4.38の SEM 像に示されるように、高出力レーザーを照射した後の CNT 先端が

酸化されていることが分かり、このような先端にはカルボキシル基が生成される。さらに、

酸化した CNT 先端を活性化するために EDC と sulfo-NHS を 2-モルホリノエタンスルホン酸

(MES)緩衝液に混ぜ、クロスリンカー溶液を作製した。1 時間反応させた後、クロスリン

カー溶液をホウ酸緩衝液 (50 mM, pH = 7.9)で洗浄し、そのまま置換を行った。タンパク質に

関しては、タングステン針に、タンパク質の接着を促進するポリリジンを付け、その後、タ

ンパク質を接着し、用意しておいた活性化 CNT と反応させる。

今回使用しているタンパク質はCD36である。CD36は血小板などに存在する膜糖タンパク質

でマクロファージなどにも存在し、抗体として振る舞う。結合力や抗原抗体反応時の相互作用

力を測定することで、受容プロセスを調べることができ、免疫機構の解明につながるのではな

いかと期待されている。 このCD36のアミノ基とCNTの活性部分がうまく結合すると図4.3

9に示すように結合する。今回はこの結合間で生じる相互作用力を測定した(業績1-56)。

片持ちはりCNTの変位を正確に検出することは力の分解能を議論する上で重要なことである。

CNTとタンパク質間の相互作用力を測定する前に、光学検出技術がどの程度の検出感度と安定

(a) (b)

200nm 200nm

図4.38 高出力レーザー照射による (a)酸化照射前(b)照射後のCNT先端

図4.39 CNT先端の活性化およびタンパク質の結合方法

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性があるのかを調べた。用いたCNTの直径は約

80nmであり、光学回折限界より小さい。従って、

CCDカメラによってキャプチャされた画像は主

にCNT表面からの散乱光に由来している。 図

4.40の挿入図は典型的な水中における片持ち

はりCNTの断面輝度プロファイルを示す。半値幅

は約800 nmであり、CCDカメラの1ピクセルは約

100 nmに相当している。光学検出装置の空間分解

能を議論するために、CNTの断面プロファイルが

ガウシアンであるとしピーク位置の安定性を評

価した。図4.40に断面プロファイルのガウシ

アンピークの時間に対する揺らぎを示す。

これから、CNTの位置揺らぎの標準偏差を算出

すると約14 nmなった。本実験で使用したCNTの

ばね定数は約1.0 mN/mであったので、光学検出技

術の限界感度は約14pNとなる。このように片持

ちはりCNTが生体分子同士の相互作用力など非

常に小さな力の測定に応用できることを示唆し

ている。

図4.41に示すようにタンパク質が接着され

たタングステン針をCNTへ付けたり離したりす

ることによってCNTとタンパク質間の相互作用

力測定を行った。図4.41(a)のようにタングス

テン針を近づけていきCNTを押している時、CNT

先端は約200 nmタングステン針に押されていた。

その後、徐々にCNTからタングステン針を離して

いくとCNTとタングステン針に接着されたタン

パク質の相互作用によってCNTがタングステン

針の方に引っ張られる(図4.41(b))。最終的

にCNTとタンパク質間の結合が切れてCNTは元

の位置に戻る(図4.41(c))。

図4.42はCNTとタンパク質間に反応を起こ

している間のCNT先端の位置を時間依存のグラ

フとしてプロットしたものである。CNTとタンパ

ク質が結合してCNTを引っ張っている時のCNT

先端は図4.42中の矢印で示したように、ベー

スラインからの負の方向へ約156±14nm変位した。

この実験で使用したCNTは直径約70 nm、長さ

約9m、ばね定数は約1.0mN/mであることから

CNTとタンパク質間の相互作用力は約0.15nNと

概算された。また、抗原抗体反応における相互作

用力の測定も同様に行った。CNTの先端に抗原、

タングステン針に抗体を結合させた。抗原にはウ

サギから産生される免疫グロブリンを、抗体には

ウサギの免疫グロブリンに結合する、ヤギから産

生された抗体を用いた。タングステン針で抗原抗

体を作用させ、CNTのたわみから相互作用力を計

測した。抗原-抗体間の相互作用力は約2nNと見積

もられた。CNT-抗原間の共有結合力は約6.5nNで

図4.40 CNTの輝度プロファイルの時間安

定性。挿入図が輝度プロファイル

(a) (b) (c)

図4.41 CNT先端とタンパク質が付着した

タングステン針の相互作用。(a)タングステン針

がCNTを押している状態、(b)CNTとタンパク質

が結合しタングステン針の方向に引き付けられ

ている状態。(c)CNTとタンパク質間の結合が切

れ元の位置に戻った状態

図4.42 CNT先端位置の時間依存性

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あるので、抗原-抗体間の相互作用力を測定したといえる。また、汎用化のために、これらの力

変位の計測用ソフトウエアについても開発を行った。

このように、CNT片持ちはりが生体物質の力特性の測定に有用であることが明らかになった。

光学的振動検出法の高感度化へ向けて

片持ちはりCNTに機械的振動を与えるのに、これまで圧電体を用いていたが、圧電体自身や

測定系の寄生振動も検出されることが問題であった。本研究では固体の光誘起熱駆動を利用し

CNTのみを振動させた場合の共振特性と質量・力検出感度について検討した。

図4.43に光誘起熱駆動法を利用した発振系を示す。加振周波数fでCNT支持部近傍に照射

しているレーザー光(660nm、420W)を強度変調し、CNTとその支持部近傍を熱膨張・収縮させ

CNTを振動させた。振動検出は、f-fで変調したレーザー光(406nm、2W)をCNT先端へ照射し

ヘテロダイン検波により行った。用いたCNTはCVD法(1000℃以上のPostアニール)で合成さ

れた直径60nm、長さ12mのものである。

図4.44(a)、(b)に真空中(10-3

Pa)において、それぞれ、圧電体または光誘起熱駆動法を用

いて振動させた振幅の周波数依存性の比較を示す。圧電体を用いた場合には400~500kHzで寄生

振動が見られるのに対し、光誘起熱駆動法では寄生振動が抑圧され790kHz近傍のCNTの共振点

のみが検出された。

このように、光誘起熱駆動を用いた振動は寄生振動の抑圧に極めて有効であることが分かる。

真空中において光誘起熱駆動法によりPLL制御した場合の共振周波数の時間変化から、平均化

時間と周波数変位の偏差<f>の関係を求めた。1秒間の時間変化から求めた質量分解能および力

勾配検出感度は、それぞれ約75zg、3x10-10

N/mと極めて高感度となった。ここで、本実験条件

における熱雑音による力勾配の検出限界は10-10

N/m程度で測定値はほぼ熱雑音限界に達してい

る。

本方法の質量検出感度を確認するためにCNTへ物理吸着したQ-dotの質量計測を試みた。真空

中においてIn-situでQ-dotを真空噴霧により吸着させることを試みたが、噴霧によりCNT片持ち

はりが脱落した。CNT片持ちはりの強固な固定方法の開発が今後の課題である。本研究では

Q-dotの取り付け方法として、物理的な吸着について検討した。この場合、問題点としてQ-dot

の付着位置や個数を容易には制御できないが、簡便にQ-dotを付着することが出来る。この結果、

Q-dotの付着により共振周波数が変位し、これより約10000個のQ-dot(CNT上の被覆率で約15%)

の質量(10-15

g)の計測に成功した。

さらに光誘起熱駆動に於いて、CNT上側面にTiを5nm程度堆積することで、バイマテイリア

ルタイプの片持ちはりとした。この結果、S/Nが一桁程度向上することを見出し、真空中だけで

なく、大気中に於いても振動計測に成功した。

このように、熱膨張を利用した加振法でも非常に高い検出感度が達成可能であることを明ら

図4.44 共振特性 (a)ピエゾ駆動 (b)光誘

起熱駆動

図4.43 光誘起熱駆動法の実験系

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かにした。また、粘性流体中でのダンピングの効果を調べるために多層グラフェンに本方法を

適応した結果、安定した共振特性の測定に成功した(業績 1-4)。このように円筒形状だけでなく

板バネ形状のナノカーボン材料もこれらの

質量センサーの有力な候補となる。

4.3−④ 両持ちはり CNT-FET による液

中質量測定

CNT を用いた共振器は、軽量でかつ強度

が高いため高感度の質量計測を可能にする。

そこでリアルタイムの生体一分子の質量計

測を実現するために、本研究では架橋した

単層カーボンナノチューブ(SWNT)をチャ

ネル兼共振器して用いた両持ちはり電界効

果型トランジスタデバイスを作製した。図

4.45に両持ちはり CNT デバイスの構造

図を示す。

両持ちはり CNT 共振デバイスは以下の

手順にて作製した。SiO2/ Si 基板上に Co 触

媒を蒸着し、原料ガスにエタノールを用い

たアルコールCVD法を用いて直径1~1.5nm

の SWNT を成長させ、電極間隔 5 m の電

極パターンをフォトリソグラフィにより作

製し、バックゲート型の CNT-FET を作製し

た(図4.46)。さらに Electron Beam リ

ソグラフィにより CNT チャネル直下の

SiO2層を幅 1 m、深さ 300nm の精度でバ

ッファフッ酸を用いてエッチングを行った。500nmあるSiO2層をすべてエッチングしないのは、

後の液中測定の際に、電気分解によるガスの発生を抑えるためである。また、乾燥時に SWNT

が SiO2層に接着するのを防ぐため、表面張力の小さな Hexamethyldisilazane 溶液を用いて乾燥

を行った。

長さ 1.2m の両持ちはり CNT の機械的共振を電気的に測定するために、ゲートには直流電

圧に交流電圧を重畳し、ソースにはゲートに加える周波数と 1KHz ずらした交流電圧を印加し

た。このときゲートと CNT チャネル間に誘起される静電気力により両持ちはり CNT が振動す

る。次式は、ゲートと CNT チャネル間の静電容量に対するコンダクタンスの変化を表す。第一

項がゲート電圧により定常的に発生する項、第二項が CNT の振動により発生する項である。

))(

)(()(g

ac

g

g

ac

g

g

acC

tCVtV

V

GtG

CNT が振動すると静電容量が変化するため、ドレイン電流も変化する。この振動により変調

されたドレイン電流をロックインアンプを用いてヘテロダイン検波し、変化成分を測定した。

図4.45 両持ち梁 CNT デバイス構造図

図4.46 両持ち梁 CNT デバイス(SEM 像)

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図4.47の測定系を用いて、真空中において SWNT

の共振を検出した。ゲートに印加した直流電圧が−4V

の時、共振周波数は 12.3MHz、Q 値は 188.9 であった(図

4.48)。この共振周波数と、使用した SWNT の外径

1.5nm、長さ 1.2m からヤング率を求めると約 0.56TPa

となり、一般的に報告されている CNT のヤング率とほ

ぼ同等であったことから、測定された共振周波数は

CNT のものであるといえる。さらに、直流ゲート電圧

を-8 ~ 0 V の範囲で 0.5V 刻みでスイープさせ、共振周

波数の測定を行った。図4.49の共振周波数のゲー

ト電圧依存性のカラープロットに示すように複数の

CNT の共振ピークを観測した(図4.49)。

大気中でも同様に測定した結果、共振ピークは 1 つ

になり、その共振周波数が 12.7MHz、Q 値が 85 と減少

した(図4.50)。SWNT の形状は大気分子の影響に

大きく関わり、大気分子との衝突による Q 値の低下に

よって、長さ数m を超える SWNT の共振は大気中で

は観測できないとの報告もある。そのため振動する

CNT が減少し、Q 値も低下したと考えられる。また、

真空中で非線形振動を示していた CNT が粘性抵抗の

影響によって線形振動するようになったため、ピーク

の形が変化している。真空中に比べて大気中の共振周

波数が高いことについて、粘性流体の CNT はりに対す

る粘性抵抗の指標であるクヌーセン数 Kn を用いて考

察した。Knは、 Kn =lmfp/w で定義され、Kn >10 ならば

梁への粘性抵抗の影響がほとんどない、自由分子流領

域である事を表す。ここで lmfp を大気の平均自由行程

68nm、w を SWNT の直径 1.5nm とすると Kn =45 とな

り、粘性抵抗の影響をほとんど受けないことがわかる。

また、共振周波数が増加したのは、大気中の電極・

SWNT 接合部における水分子の影響によって CNT の

実効的な長さが短くなったためと考えられる。

さらに、超純水中でも計測を行った結果、共振周波

数 12.4MHz、Q 値が 24 であった(図4.51)。Q 値

と振幅低下は超純水の粘性抵抗のためだと考えられる。

さらに、直流オフセットゲート電圧をスイープさせた

結果、真空中・大気中に比べ共振周波数のゲート電圧

依存性を大きく観測した(図4.52)。これは、水の

誘電率が大きいために SWNTにはたらく静電気力によ

る張力が増加した事が要因と考えられる。

このように本研究では真空中・大気中・超純水中に

おいて SWNT の共振検出に成功し、粘性抵抗について

議論した。両持ちはりデバイスにより CNT の液中計測

に成功し、生体分子質量計測への可能性を示した。

(2) 研究成果の今後期待される効果

上記の通り、研究では様々な環境下における CNT 機

械振動子の振動検出や CNT の微小変位計測について

検討を行ってきた。その結果、大気中で 50zg という

図4.47 電気的共振検出測定系

図4.48 真空中における共振検出

図4.49 共振周波数のゲート直流電

圧依存性(真空中)

図4.50 大気中における共振検出

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我々の知る限り最高の質量分解能を実現した。また、

液中でも同様の分解能が期待できることを明らかに

してきた。これら、質量、力計測技術は生体一分子計

測に寄与し、生命現象の解明に寄与するだけでなく、

様々な材料開発でこれまで検討されてこなかった、反

応雰囲気下での単独の超微粒子質量変化の計測によ

る化学反応過程の解析や物性計測に大きく寄与する

と思われる。

4.4 一分子力計測(吉村 G、中山 G)

本プロジェクトで行ってきた一分子力計測は、

① CNT シート(4.1—⑥)上の無数の CNT 先端に

方向を制御して1個ずつタンパク質を結合させる

(4.1—③)

② CNT アームへもう一種類のタンパク質を1個、こ

ちらも部位特異的に結合させる

③ シート上に捕捉した1個のタンパク質へアーム先

端に捕捉したタンパク質を近づける

というプロセスによって、一分子同士の相互作用力を

検出してきた。実際に、4.1−⑦に述べたように、

シート上に部位特異的に捕捉したタンパク質を用い

て一分子レベルの力が検出できた。ただし、実用化へ

の展開を考えた場合、この一連の過程は、すべて一つ

のデバイスにパッケージングする必要がある。デバイ

スの汎用化を見越して、プラットホームの開発に取り

組み、プラットホームの試作品を用いて計測手法の検証を行った。以下に成果の詳細を示す。

(1) 研究実施内容及び成果

4.4−① タンパク質操作用プラットホームの開発

アーム先端へのタンパク質の固定からシート上に固定したタンパク質との相互作用の計測ま

での一連の計測が CNT アーム先端を液中から出すことなく行えるプラットホームの開発を行

った。当初の計画は第一のタンパク質を固定する CNT シートを配置した領域と CNT アーム先

端を活性化する領域、活性化した CNT アーム先端に第二のタンパク質を捕捉する領域をそれぞ

れ形成し、互いの領域を CNT アームが行き来できるタイプ

であり、シリコン基板の化学エッチングによる作製を試み

たが、液量を十分に保持できる深さの流路作製が難しいこ

とが分かった。そこで、石島 G・新井研究室と連携して、

PDMS を用いたマイクロ流路中に流れる二層流の間をアー

ムが行き来できる構造(図4.53)に切り替えた。H22

年度には、図4.54に示すような、幅 1mm 高さ 100m

のマイクロ流路中を流れる液中での CNT 先端へのタンパ

ク質捕捉を検証した。その結果、二層流が安定して形成で

きる流速(2ml/h)において CNT 先端への Qdot ストレプト

アビジンの捕捉を確認した。ビオチン化 BSA との力計測に

おいて静止溶液中で捕捉した場合と同程度の力が計測され

たことから、流体中での CNT アーム先端の化学修飾ならび

にタンパク質捕捉が実証された。

図4.53 二層流間を行き来す

るプローブの概念図

図4.51 超純水中における共振検出

図4.52 共振周波数のゲート直流電

圧依存性(超純水中)

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H22 年度後半より、直径 1mm の4つの流入口と2つの

流出口があるマイクロ流路を組み込んだプラットホーム

を新たに作製した。チャンバー内には、タンパク質と試薬

からなる二層流が輸送できる幅 200m の流路、および

AFM カンチレバー(CNT アーム)を挿入するスペースが

ある。流路デザインの変更によって、スムーズで連続した

二層流が得られ、これにより試薬とタンパク質を運ぶこと

ができるようになった。プラットホームの底部には CNT

シートを組み込み、第一の結合タンパク質を特異的に吸着

させた。また、第二の結合タンパク質は CNT アームの先

端に特異的に捕捉した。これら全ての反応は、シリンジポ

ンプを用いて試薬とタンパク質を流入口から流出口へと

流しながらプラットホームのチャンバー内で行うことが

できた。

H23 年度後半には、少量の試薬を輸送することができるようにリザーバが組み込んだ構造に

改良した。その写真と模式図を図4.55に示す。流入口1、2、3、4には、それぞれ

EDC/sulfo-NHS、NHS-Pph3、ECFP-CBP、カルモジュリン(CaM)を導入した。特に流入口 2 に

つながるマイクロ流路には高低差をつけることにより生じた空間をリザーバとし、そこに数ℓ

の試薬を保持し、ポンプで圧力を印加することにより少量の試薬を流すことができる。また、

それに伴い流入口及び流出口のチューブを側壁に接続することによって、AFM 計測を行うのを

容易にした。

4.4−② マイクロ流路内でのタンパク質分子間の相互作用力測定

CNT アーム側に Importin、CNT シート側に Importinを特異的に結合させ、マイクロ流路

を組み込んだプラットホーム内でタンパク質同士の相互作用力を計測した。なお、対照実験と

して、プラットホームを用いない環境下においてもこれらのタンパク質が捕捉できることは上

述のように確認されている。結果として、部位特異的に結合したタンパク質二分子間の相互作

用力は 40.3pN を示した。一方で、アーム、シートともにランダムな方位で結合されたタンパク

質同士では 12.5pN と比較的小さな値を示し、これは静電気によるタンパク質同士の吸着や非特

異的相互作用に起因すると考えられる。

図4.55 左)改良後のマイクロ流路を組み込んだプラットホーム。少量の試薬を保持できるリザーバが

組み込まれ、チューブを側壁に接続できるようになっている。右)プラットホームに組み込まれているマイ

クロ流路の模式図。4 つの流入口と 2 つの竜種口があり、試薬及びタンパク質が、CNT シートが埋め込まれ

ているチャンバー部に輸送される

図4.54 試作したマイクロ流

路。黒い部分は CNT シートが底面

に埋め込まれている

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4.4−③ マイクロ流路内でのカルモジュリン‐ CBP

間の相互作用力計測

プラットホームの CNT シート側に非特異的に

ECFP-CBP(青色蛍光タンパク質とカルモジュリンの基

質ペプチド)を、CNT アーム側にカルモジュリン(カル

シウム結合タンパク質)を特異的にそれぞれ結合させた。

これらの反応は改良したプラットホーム内で行った。

バッファ溶液でプラットホーム内に 2 層流を形成し、

一つの層に EDC/sulfo-NHS を流速 50ml/h で流して CNT

シートの CNT 先端を化学修飾し、その後 ECFP-CBP を

供給して結合させた。他の層流に EDC と予めリザーバに

保持した NHS-PPh3を供給し CNT アームの先端を化学修

飾し、その後カルモジュリンを供給して結合させた。こ

こで、カルモジュリンは、4.1−④に記載したように

80 番目のチロシンにアジド基を導入したもので、部位特

異的に CNT アーム先端に共有結合させた。カルモジュリ

ンを補足した CNT アームを ECFP-CBP を補足した CNT

シート側へと層間を移動させ、カルモジュリンと CBP と

の相互作用力の計測を行った。Loading rate は 2000pN/s

である。

生体分子を扱う上で、タンパク質が安定に存在できる条件で一連の実験を行うために計測に

消費する時間を抑えることが重要である。そのため、プラットホーム内の流れ環境も詳細に検

討し、従来の計測より流速を高め、より高濃度のタンパク質溶液を使用して計測および反応に

要する時間を抑えるとともに、タンパク質活性に影響のない範囲でアイシングによって流路中

の試薬とタンパク質の温度上昇を低減した。一連の実験に用いた CNT シートを切り出して、そ

の表面を AFM 観察することにより、CNT 先端に ECFP が吸着されていることを確認した。

フォースカーブを用いた力計測の結果、平均値で 24pN の相互作用力を得た(図4.56)。ま

た試料台のピエゾの変位から、タンパク質のアンフォールディングにより 20~23nmの機械的延

伸が生じていることが分かった。CNTシートへのECFP-CBPの結合は方向制御していないため、

特異的な相互作用と非特異的な相互作用が検出されている。ここで得た結果はカルモジュリン

を用いて、タンパク質間の相互作用、リガンド結合や動力学の詳細を一分子レベルで解析可能

であることを示している(業績 3-②-85)。

(2) 研究成果の今後期待される効果

これまでにも様々な角度からタンパク質の性質は調べられてきたが、計測過程で大気に触れ

るとタンパク質分子が変質してしまうなどの問題があった。ここで開発したプラットホームを

用いることによりこの問題は解決でき、タンパク質の捕捉から計測までの一連の流れを全て液

中で行えるようになる。これによって、タンパク質の活性を失うことなく力学特性を解析する

ことが可能となった。本研究では限られた種類の反応によってこのシステムの有用性を検証し

たが、多様なタンパク質について CNT アーム、CNT シートへの結合手法を確立することによ

り、生命現象の解明に取り組む多くの研究者に役立つデバイスとなるであろう。また、開発し

たデバイスではマイクロ流路の導入によって、少量のタンパク質を用いて、短時間で効率的な

計測が可能になっており、将来的には瞬時にタンパク質分子の種類や質量等の計測が可能なデ

バイスへの展開が期待できる。

4.5 一分子質量計測 (大阪大学 中山グループ、京都大学 竹安グループ)

片持ちはりナノチューブの振動を光学的(竹安グループ)もしくは電気的(中山グループ)

に検出するデバイスを構築し、CNT 先端における生体分子の質量計測を行うことを目的とした。

図4.56 CNT アーム先端にカルモジ

ュリンを特異的に結合させ、 CNT シー

トのCNT先端にCBPを非特異的に結合

させて、フォースカーブモードにより計

測した、二つのタンパク質間相互作用力

のヒストグラム。Loading rateは 2000pN/s

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成果は以下の通りである。

(1) 研究実施内容及び成果

4.5−① 光学的検出法による質量変化の計測(竹安 G)

構築したデバイスを図4.57に示す。光学顕微鏡のステージ(倒立型)に、CNT を取り付

けたシリコン片を配置し、対物レンズから励振用のダイオードレーザ(635nm)を CNT の根元

に照射する(レーザーのスポット径:~0.5m )。このレーザー発生装置に印加する電圧をファ

ンクションジェネレータで制御し、CNT を励振させる。さらに、同じ対物レンズからもう 1 本

のレーザ(675nm)を CNT 先端に照射し、この反射光を光増倍管により検出する。光電子増倍

管の前にはピンホールを配置し、CNT 以外からの迷光をカットする。また、蛍光観察を行うた

めの励起光を投入し、CNT 先端へのタンパク質の結合をリアルタイムで観察する。ステージ上

の CNT カートリッジはフローチャンバー内に配置し、溶液交換を可能にしてある。これに蛍光

ラベルしたタンパク質や蛍光ビーズを流し入れ、CNT への結合を蛍光観察しながら、CNT の振

動を光増倍管で検出する。

4.5−② 電気的検出による質量計測デバイスの開発 (中山 G)

H22 年度より、CNT をカンチレバーの Si チップ先端方向に垂直に取り付けた CNT アームを

作製し、これを秋田グループの開発してきた CNT をチャネルに持つ電界効果トランジスタ

(FET)のゲート電極として利用して、CNT の振動・変位を FET で検出する電気式一分子計測

に取り組んだ(図4.58)。CNT チャネルを SU-8 保護膜で覆うことにより、このデバイスを

液中で損傷することなく計測が可能となった。大気中にてプローブを基板上にアプローチさせ

た状態でゲート電圧変動時のドレイン電流を計測した。このとき、取得した像を基にプローブ

を置いた位置との相関を調べた結果、ゲート効果の高い位置が電極-チャネル境界付近にある

図4.57 光学式ナノチューブ振動検

出デバイスのデザイン図(上)と実物の

写真(右)

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ことが明らかになった。このゲート効果の高い位置に CNT アームを配置し、CNT アームに交

流電圧を印加したところ、図4.58に示すような振動数の変化に伴うドレイン電流の変化を

検出することができ、CNT アームの共振点を電気的に検出することに成功した。また、共振周

波数のバックゲート電圧依存性についても確認することができた(業績 3-②-69)。

本研究に用いた CNT アームの共振周波数は最大 2083 kHz であり、この計測系では 100 Hz

のずれを検出できることから、大気中では m=7.10×10-24

g=0.0071 zg の質量の付加を検出でき

る。さらに液中計測についてこれまでに得られた知見からは、液中での CNT の共振周波数は大

気中で計測した共振周波数の 5 分の 1 程度に減少することが予想される。このことから液中で

は m=3.54×10-23

g=0.0354 zg の質量の付加を検出できることが示唆された。これは生体分子を

構成するアミノ酸の分子量から考えて、あらゆる生体一分子の質量を液中で計測するのに十分

な検出精度と言える。

(2) 研究成果の今後期待される効果

今後、実際の生体分子を使用し、この手法で生体分子質量計測が可能かを実験的に検証して

いく。解析通りの結果が出るなら、1zg 以下の精度を持ち、かつ生体分子の化学反応等による

質量変化を時間的に追える計測法が確立でき、生命現象の解明におおきく役立つ。

4.6 aJ の熱量計測システムの開発(東北大学 石島グループ)

熱量計測システム開発グループは、各要素研究をそれぞれのグループで進行し、最終的にそ

れらの要素技術を組み込んだシステム構築を行うこととしている。

各要素技術には、

・ バイメタル型カンチレバーの作製、水溶液中での実用化

・ バイオチップの作製、およびバイメタルカンチレバーの組み込み

・ CNT とカンチレバーとの融合、評価

・ CNT の物理特性の評価

・ CNT の光学顕微鏡での観察

・ バイメタルカンチレバーの生細胞の熱産生計測の試み

・ 新たな温度計測系作製の試み

などである。

以下に、各要素技術の研究内容、システム構築に関して報告する。

4.6-①.aJ 分解能のカンチレバーの製作 (小野)

図4.58 (左)電気検出式一分子質量計測デバイスの模式図。(中央)Si プローブに水平方向に取り

付けた CNT、右)大気中における共振検出結果

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(1) 研究実施内容及び成果

A.バイメタル型温度計の高性能化・高精度化

(業績 1-15、16、26、27、32、33、39、47、 3-①-38、 3-②-58、92、94、 3-③-36)

fJ 熱感度を持つバイメタル振動型センサー

より高感度な熱量センサーを開発するため、サブミクロンの最小加工寸法をもつバイメタル

振動型の熱量センサーを作製する方法を開発し、そのプロトタイプを半導体微細加工技術を用

いて試作した(図4.60)(業績 1-15, 16, 32, 33)。ナノスケールの寸法のセンサーを作るた

め、微細化や集積化のためのプロセス開発も同時に行った。シリコンの封止構造もつ微少振動

子を高感度化するために、熱容量を小さくするため、電子ビーム描画装置を用いて、幅が 200nm

〜1μm の微小な振動型センサーを作製した。また、熱量センサーは、走査プローブ顕微鏡の先

端に形成されており、熱量の計測と力計測の両方ができる新しいものである(業績 1-32)。この

タイプのセンサーを溶液中に浸し、9.4MHz の共振周波数において、約 5nm の振動振幅で振動

させることができ、熱量センサーとして約 4.5fJ の熱分解能が期待できることを示した(業績 3-

②-94)。

nJ の熱感度を持つバイメタル型変位センサー

nJ レベルの細胞熱を計測できる変位型熱計測プローブを作製した。熱量変化にともなう温度

変化により、バイメタルプローブが変位することを利用している。熱膨張率の大きく異なる金

と窒化シリコンからなる厚さ 400nm 以下、長さ 500m から 1mm までのプローブを設計、製作

した(図4.61)。本プローブの熱感度は、レーザーを用いての局所加熱により詳しく調べ、

環境へ熱が逃げる系についてのモデル立てを行った(業績 1-39、48)。

図4.61 作製したカンチレバーセンサーの SEM 画像(左)、先端部局所熱投入の概念図(中

央)、環境に熱が逃げる系からモデル立てたカンチレバー内の温度分布(右)

Resonance frequency: 9.4 MHz

振幅Lens

Piezo

Local heater

Sample cell

Cantilever

Window

Scanning vibrometerin water

~ 5 nm

JQ 15

min10

図4.60 作製した振動型熱量センサー

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細胞熱計測のためのバイメタルプローブは、先端部に 1nW の熱が入ると約 10nm 程度変位す

るように設計した。問題点として、1) あまりに薄いために成膜応力制御を付与しても完成後

どうしても反ってしまうことが挙げられる。このため、センサーの反りをできるだけ小さくす

るため膜の応力を制御するプロセス技術の開発を行った。2) 変位型として現実的なサイズで

は、見込まれる熱感度としては、nW オーダーまでしか期待できない点、3) バイメタル構造

であることから生じる信号の熱ドリフトを完全に除去できない点があげられた。図4.62に

示すように、本センサーは、細胞熱計測用として応用するために、4) インチウェハを用いて

の大量生産を行い、グループ内で使い捨てできる形で提供を行った。

B.真空封入型カンチレバーの作製

(業績 1-58、3-②-41、68、76、118、121、3-③-51、4-①-2)

真空封止の伝熱型センサーの開発

図4.60のセンサーを用いて、実際に熱計測をするまでにはなかなか至らなかった。その

理由は、1.液中におけるダンピングによる Q 値の低下、2.自然対流による振動の不規則応

答、3.低い振動振幅に伴う自励発振の困難さ、により、溶液中でセンサーの振動の変化をと

らえても、計測したい発熱体の発熱量を決定することができないという課題が大きく存在して

いたからである。

高感度の熱センサーを実現するためには、振動型センサーが最も高感度であることを明らか

にし、さきに述べた振動型熱センサーの3つの問題点を克服するために、図4.63に示すよ

うに、伝熱性の低い封止膜を用いて空間を仕切り、振動子を熱パイプとして真空中へ熱を輸送

し、真空中に突き出した振動子で温度変化を測る手法を生み出した(業績 3-②-68、76、118)。

振動子を真空の空間に置くことにで、10,000 を越えるQ値が期待され、対流の影響も無く、上

述の問題点は全て解決できると期待できる。本センサーは、熱ガイドを用いて液中から真空中

に熱を伝える新しいタイプのものであり、このための真空分離構造の作製技術も新たに開発し

た。

まず、長い2層構造変位型のカンチレバーを作製し、PDMS(幅約 125μm)を用いて仕切ら

れた空間を作り、間を貫いたカンチレバーを設置し、片側に出力 8mW のレーザーを照射し、

反対側の変位を CCD 画像で評価する熱輸送技術の原理検証を行った。その結果、反対側のカン

チレバーの先端に 13μm の確かな変位が確認できた。本実験の結果、熱輸送方式を使っての熱

図4.63 バイメタル型カンチレバーを用いての伝熱実験の構図(左)と結果(右)

図4.62 細胞などをターゲットにした熱計測用変位型熱センサー

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計測が可能であることがわかった。

次に、図4.64のように振動形のシリコンカンチレバーをガラス基板上に貼り合わせ、ガ

ラスにより仕切られた空間で熱を伝えるデバイスを作製した。片側マイクロ流路に水を流し、

内部のカンチレバーに数 mW のレーザーを照射し、反対側真空チャンバー内の振動応答をレー

ザードップラー振動計を用いて計測した。流路に水を流しても、真空チャンバー内のカンチレ

バーのQ値は約 4200 と水を流す前後で変化は見られなかった。本デバイスは、ノイズレベルか

らS/N>1となる最小温度変化は 2mK であり、熱量感度としては約 8pJ あることが見積も

られた。

バイオチップ内でのカンチレバーシステムの構築

バイメタル型温度計による温度計測を安定した環境で

行うため、外部からバイメタル温度計を挿入可能な

World-to-chip インタフェースを有するマイクロ流体チッ

プを製作した。マイクロ流体チップは安定した環境の構

築に有利であるが、外部からプローブを挿入すると環境

を安定に保つことが困難である。そこで温度計の挿入口

を有するマイクロ流体チップを、二段露光とグレースケ

ールマスクによるフォトリソグラフィにより製作した

(業績 3-②-24、107、3-③-25)。チップ側面に温度系挿

入用のポートを作製している。挿入口付近の流体の安定

性を維持するため、挿入口から漏出する量の流体を、ポ

ート両側に設置した流路で吸引することで流体のバラン

スを維持している。チップへカンチレバーを挿入しチッ

プ中の流れの状態を観察し、カンチレバーの挿入及びチップ内での動作時にもチップ中の流体

の安定性を保った状態でカンチレバーを操作可能であることを確認した(図4.65参照)。

真空封入型カンチレバーの作製

図4.63のように、マイクロ流路と組み合わせ、液中試料の熱計測のために約8pJの熱

感度がある温度センサーの作製に成功したが、さらなる高感度化を目指すために、図4.66

に示すような真空封止した振動型熱センサーをプローブ先端に取り付けた真空封入型カンチレ

図4.65 World-to-chip インタフ

ェースを有するバイオチップ内で

のカンチレバー操作

図4.64 ガラス製マイクロ流路と真空チャンバー空間を熱的に繋ぐ Si カンチレバーを示すS

EM画像(左)、ガラスで封止し、レーザーを用いての加熱伝熱実験の図(中央)、流路に水を流

しながらロックインアンプを用いて真空側カンチレバーの振動計測結果(右)

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バーを提案し、作製している。Si 振動体をフォトレジストに埋め込まれた状態でプロセスを進

め、プローブ構造ができた後に、上に微細な穴をあけ、その微細孔から超臨界 CO2 を用いたレ

ジストのエッチングプロセスを施し、その後、CVD 法により緻密薄膜を用いて振動体を真空封

止する予定である。

次に、図4.67のように、スティック形状をした真空封止の伝熱型センサーの開発を行っ

た。約 7.5mW の加熱レーザーを用いて、外部に突き出したシリコンカンチレバー先端を加熱し

たとき、真空封止用の内部チャンバー側のカンチレバーの共振周波数(362kHz)の変化をモ

ニタしたところ、図4.67のグラフのように加熱の ON/OFF に応じて、共振周波数が変化し

た。このことから、センサーの温度は約 0.5 度上昇したことがわかり、ガラス壁の厚さを換算

して、カンチレバーチップ先端の温度が約 2.3 度変化したと見積もることができた。このこと

から、真空封止の伝熱型センサーはスティック形状にしても有効であることがわかった。

C.システム構築

細胞の代謝活性計測のための両持ちはり構造デバイスの開発

図4.67 スティック形状にした真空封止の伝熱型センサー(左)、加熱用のレーザーを用いた伝熱計測実

験の様子(中央)、加熱レーザーの ON/OFF に対する真空封止側チャンバーにある振動子の共振周波数の変化

の様子(右)

図4.66 真空封止されたナノ振動子を先端に備えたマイクロプローブの構図

(左)、振動体となるシリコンをポリイミドを用いて SiCN に貼り合わせパターニン

グした結果(右)

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図4.68のように細胞の酸素消費や発熱挙動を調べるための窒化シリコンを主に用いた両

持ちはり構造のデバイスを作製した。はりの中央は細胞がちょうど通り抜けられないような構

造をしており、数細胞を固定できるようになっている。流路の外枠(SiO2(180nm) / SiN(700nm)

/SiO2(180nm))で構成されており、流路に水を流し、温度変化による両持ち梁構造の共振周波数

の変化の計測に成功した。

(2) 研究成果の今後期待される効果

CNT 集積デバイスの評価を安定かつ制御が容易な環境中で評価するプラットホームを構築

できた。

4.6-② CNT とカンチレバーの接合によるバイメタル構築と熱特性評価(小野、新井)(業

績、 3-①-24、 3-②-24、 3-③-77)

(1) 研究実施内容及び成果

A. CNT とカンチレバーの接合

12 自由度 SEM 内ナノマニピュレーションシステム(図4.69(左))を用いて、熱伝達材

料としての CNT をカンチレバーに配置し、CNT とバイメタル温度計を組み合わせた熱量セン

サーの構築を行った。CNT をナノマニピュレータで操作してバイメタル温度計上に設置し、電

子ビーム誘起体積法により CNT と温度計の接触部をカーボンの堆積により固定した後、センサ

ーとしての特性評価を行う。電子顕微鏡下での CNT のマニピュレーションにより、熱量センサ

ーへのコンタミネーションの堆積などの影響、センサーの性能劣化などの影響を調べる。CNT

のセンサー上への配置に関しては、図4.69(右)に示すように CNT をバイメタル温度系の

先端に配置できている。さらに、本センサーを振動させて、その信号が検出できることを示し

た。熱量センサーとしての動作検証が今後の課題である。

図4.68 細胞を中央でトラップする両持ちはり流路を上部から見た画像と流路部分の断面 SEM

画像(左)、流路へ水を流す前後での周波数応答の変化(中)、レーザーを用いて局所的に加熱し共

振周波数変化を計測した結果(右)

(h = 170 nm [Au/SiN], w = 300 nm, L = 3 m)

CNTs

図4.69 自由度ナノマニピュレーションシステム、Au/SiN バイメタルに CNT を取り付けたセンサー

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B. カンチレバー上の CNT の熱特性評価

実際に、CNT を介して熱がSiカンチレバーに伝わり温度変化を捕らえることができるのか

を調べる基礎実験を行った(図4.70)。加熱レーザーのスポット径が約 3m であることか

ら、明らかに CNT が加熱されその熱が CNT を介してカンチレバー側に伝わっている振る舞い

が観測された。また、加熱レーザーの ON/OFF 応答を異なる真空度の下で行った結果、温度変

化に違いが見られたが、CNT 表面からの熱の逃げ分を評価するまでには至っていない。

(2) 研究成果の今後期待される効果

CNT と微小構造体との組立を効率的に実施することが可能となり、CNT 集積デバイスの生命

科学への応用への道筋を築くことができた。

4.6-③. CNT の可視化(石島)

(1) 研究実施内容及び成果

A. CNT の可視化(クエンチング法)

光学顕微鏡下では水中で試料を扱えるが、径が数~

数十 nm の CNT を観察するには分解能が低く蛍光色

素での修飾等の特殊な処理が必要となってくる。CNT

への蛍光修飾を必要としない観察方法として、CNT

を局所的に固定した状態で、クエンチング現象を用い

て蛍光発光を背景として観察する。クエンチング現象

を用いて蛍光物質を背景に、CNT を観察する方法を

実現した(図4.71)(業績 1-25、31、3-②-90、 3-

③-4、5、15、64、74、82)。誘電泳動により ITO 電極

間に CNT を補足したが、複数本まとまって捕捉され

てしまう事を確認した。そこで電極の加工形状に重点

をおき、電場解析を用いることで、CNT が単数本捕

捉されやすい形状を設計し、CNT が補足される場所

の予測が可能になった。また、温度制御システムを新

たに構築しサンプルを冷却するための流路形状の最

適化を行った。

図4.70 (左)CNTが取り付けられた Si カンチレバーの画像、(中央)レーザーを用いて CNT

を直接加熱し、加熱位置を変えてのカンチレバーの温度変化を調べた結果、(右)CNT 先端部分の

レーザー加熱の ON/OFF に対する応答を調べた結果

(a)

ITO

5 m

(b)

ITO

5 m

図4.71 ITO 電極上に捕捉され

た CNT。 (a)明視野像、(b)暗視野像

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B.CNT の可視化(蛍光修飾法)

H21年度までは主にピレン誘導体を用いた CNT の

可視化技術開発を行った。その結果、CNT の蛍光ラベ

ルに成功し、光学顕微鏡下における可視化が実現でき

たものの、水中における CNT 操作を行うためには、蛍

光強度が弱いという課題を残した。そこで H22 年度は

京都大学吉村グループとの連携によって、界面活性剤

である Tween20 を用いた蛍光修飾法を新たに開発した。

プロトコルの最適化を行った結果、図4.72に示す

ように非常に明るい CNT の蛍光標識に成功した。蛍光

標識率は 95%と高く、CNT の直径、長さに依存しなか

った。このように蛍光顕微鏡下での CNT1 本操作に対

応できる蛍光ラベル法を確立できた(業績 3-③-39)。

(2) 研究成果の今後期待される効果

CNT を光学顕微鏡下で非染色で観察できるようにな

り、CNT 集積デバイス構築後の CNT の状態を確認でき

るようになった。

4.6-④. CNT プローブと生体分子の相互作用(石島)

(1) 研究実施内容及び成果

A. 微小熱量変化測定

CNT 表面と生体分子の相互作用を実験的に検証するため、

CNT 表面にミオシン分子を結合させ、その活性をアクチンフ

ィラメントの滑り運動から評価した。

CNT とミオシン分子を溶液中で混合し、未結合のミオシン

分子を除去した後、ミオシンラベルされた CNT をガラス上に

固定した。ATP 存在下で蛍光アクチンフィラメントを与える

と、CNT に沿って滑り運動するアクチンフィラメントが観察

された(図4.73、業績 3-③-12)。CNT 上での滑り速度は、

従来のガラス上での速度と同等であったため、ミオシン分子

の活性を保ったまま CNT 上へ導入することに成功したと言え

る。この結果は、CNT 上で様々なタンパク質の活性計測に適

用可能であることを示唆しており、タンパク質一分子の熱計

測に繋がる重要な知見と言える(業績 3-③-23、24)。

B. 微小熱量変化測定(CNT の熱伝導によるミオシン運動の活性化)

CNT の高い熱伝導性を利用して、実際に分子レベルのタンパク質へ熱的影響を与えられるか

否かを検討するため、H22 年度に新開発した「CNT1 本上での運動再構成システム」に、レー

ザーを熱源とした局所加熱を導入した。ミオシンコートした CNT 上をアクチンフィラメントが

運動している時に、レーザー照射(637nm、3mW、φ2m)を CNT の一端に 0.4 秒程度与えた。

このとき運動はレーザー照射時に加速され、照射停止時に元の速度に戻るのが連続的に観察さ

れた(図4.74)。運動速度の平均は、照射停止時の 3.1m/s に対して、レーザー照射時は、

7.2m/s へ上昇した。この速度変化は、速度の温度依存性より、約 8℃の温度上昇がミオシン近

傍で引き起こされていることを示唆する(業績 3-②-80、 3-③-41)。このような温度上昇はガラ

図4.73 CNT 上を滑り運

動するアクチンフィラメント

図4.72 水中における CNT の暗視

野像(a,c)と蛍光像(b,d)

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ス上へのレーザー照射では検出されなかった。以上の結果は、CNT からの熱伝導によって、タ

ンパク質活性を熱的に可逆制御できることを示唆しており、タンパク一分子の活性制御や、タ

ンパク質一分子が発する微小熱計測を行う上で、重要な知見である。

(2) 研究成果の今後期待される効果

この結果は、CNT 上で様々なタンパク質の活性計測に適用可能であることを示唆しており、

タンパク質一分子の熱計測に繋がる重要な知見と言える。また、CNT からの熱伝導によって、

タンパク質活性を熱的に可逆制御できることも示唆された。このことは、タンパク質一分子の

活性制御や、タンパク質一分子が発する微小熱計測を行う上で、重要な知見である。 CNT に

与えるレーザー強度を変化させ、そのときの滑り速度の変化を解析した。その結果、レーザー

強度が高くなるに従い、滑り速度の変化量が大きくなった。この結果は、レーザーが CNT を通

してミオシンの活性に影響を与えていることを示唆している(業績 3-②-83)。

また、レーザースポットからの位置による滑り速度の変化量について解析したところ、レー

ザースポットからの位置が近い方が若干であるが滑り速度の変化量が大きいことが明らかにな

った。この結果は、CNT を通して熱などのエネルギーが流れていることを示唆している。さら

に、熱シミュレーションと比較することにより、使用している CNT の熱伝導率を見積もること

が可能となる。

4.6-⑤. 局所熱発生器としての CNT(新井)

(1) 研究実施内容及び成果

CNT 集積化・システム構築

CNT の熱伝導性を評価するために、CNT へ局所

的な熱刺激を与えるデバイスとして、熱発生器と

なる電極マイクロヒータと電気抵抗計測用の 4 端

子電極を集積化した局所熱発生機を作製し、CNT

を設置して熱評価デバイスを作製した(業績 3-②

-105、107)。4 端子法を用いることで CNT と電極

間の接触抵抗の影響を低減する。ヒータと計測用

の電極は半導体微細加工技術を用い、Cr/Au のスパ

ッタとエッチングにより作製し、CNT の電極基板

上への設置には SEM 内ナノマニピュレーションシ

ステムを用いて行った。図4.69に示した SEM

のステージと双腕マニピュレータとを併用するこ

図4.74 CNT1 本のレーザー加熱によるミオシン運動速度の制御

CNTEBID

図4.75 マイクロヒータ上に設置したCNT

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とで 12 自由度ナノマニピュレーションシステムを構築し用いた。構築した 12 自由度ナノマニ

ピュレーションシステムにより、CNT の電極上への設置の時間短縮を実現した。CNT は電子線

誘起堆積(EBID)法による堆積物により電極に固定した。この作製した熱伝導性評価デバイス

は、CNT 末端をマイクロヒータで局所的に加熱して CNT の電気特性変化から熱伝導性を評価

することができる(図4.75)。この評価デバイスを用いて4.6-⑧での CNT の熱伝導性の

評価に用いた。

(2) 研究成果の今後期待される効果

接触抵抗の影響を低減した環境での単一 CNT の熱伝導性を評価するためのデバイスが構築

でき、CNT を熱計測デバイスへ応用するための道筋を整えた。

4.6−⑥ CNT の自作 (石島)

(1) 研究実施内容及び成果

熱量計測用の CNT の作製(追加項目)

熱量計測用の CNT は、蛍光顕微鏡を基盤としたシステムで用いるため、光学顕微鏡において

観察可能な長さが必要である。十分な長さ(数~十数ミクロン)の CNT を作製するには CVD

法が有利である。そこで、プラズマ CVD 法を用いた CNT の作製をまず試み、長さ30ミクロ

ン以上の CNT の作製に成功した。この CNT を用いて後述する電気、熱伝導性の検討を行った。

また、熱量計測用の CNT は一般的に用いられるものとは違い、結晶性の良さ、十分な長さ数

~十数ミクロン)、分離性の良さ、などの条件が必要となる。結晶性の良さでは CVD 法ではな

く、アーク放電法が有利であるが、短い CNT となってしまう。今までに当グループではアーク

放電法による条件設定により、数ミクロンの CNT の作製に成功している。今後、さらなる条件

検討により、10 ミクロンレベルの CNT の製作を目指す。

(2) 研究成果の今後期待される効果

アーク放電法により、結晶性のよい CNT を作成することが可能となったが、まだ十分に長い

CNT の作製は困難である。アーク放電時における成長時の条件をさらに突き詰めていけば、ま

だ可能性はあるが、本研究においてはまだ十分な条件を見いだしていない。今後、条件探索を

することにより、水溶液中で観察可能な CNT の作成が可能になると思われる。

4.6−⑦ CNT、CNTT の溶液中での拡散計測による物性評価(追加項目)

(1) 研究実施内容及び成果

溶液中における CNT、カーボンナノテストチューブ(CNTT)の物理計測として、水溶液中にお

図4.76 プラズマ CVD 法で成膜した CNT 薄膜

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ける拡散運動を計測した(図4.77)。拡散運動は CNT の長軸、短軸、回転方向に分離し、

各成分を理論値と比較検討を行った。その結果、高粘度水溶液において、回転拡散運動は理論

値をよく再現するものの、長軸、短軸方向の拡散運動が従来の理論では説明がつかないことが

明らかになった(図4.78、業績 3-③-97)。この実験を行った溶液粘度は生体内(細胞内)

と同程度の粘性溶液(水の 10 倍程度)であり、熱量計測時における振動型センサーを用いた場

合に導入する実験補正項の必要性を示唆するものである。この現象はこれまでの流体論では説

明できないため、現在、新たな理論モデル構築も視野に入れ、理論的考察を継続している(業

績 1-34)。流体力学計算を行った結果、高アスペクト比の物体では通常使われるストークス近似

が適応できないため拡散係数がより大きくなる可能性が見出されている。CNT の幅がナノメー

トル領域であるためボツルマン方程式理論の応用も探っている(業績 3-③-53)。

(2) 研究成果の今後期待される効果

ナノ、ミクロレベルの高アスペクト比の水溶液中での挙動の直接計測は今回が初めてである。

この世界での物性現象の実験、理論的な確立は、将来に向けてのナノデバイスの発展に重要な

寄与となる。

4.6-⑧ 水溶液中における CNT の物理特性の評価

(1) 研究実施内容及び成果

A. CNT 自体の熱伝導性の評価(石島、新井)

図4.77 CNT1 本の拡散運動、長軸、短軸、回転方向

図4.78 実験結果と理論値との比較。回転方向はよく理論と一致しているが、長軸・短軸方向はず

れているのがわかる

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レーザー照射による評価(追加項目)

水中において水平配向した CNT シートの熱伝導評価を行った。H20 年度は特に電気的検出を

重点的に行った。そのために、ガラス基板に 5m の金電極を作製し、金電極上にシート状に配

向した CNT を架橋させた(図4.79)。このとき、シート状 CNT を金電極に密着させるため、

アルコールに含浸させた後、大気中において 50℃程度の低温でアニールした。その結果、水中

においても比較的安定に測定を行うことが可能となった。このようにして得られた CNT シート

の電気抵抗を水中において測定した結果、温度に依存して電気抵抗が変化することが明らかに

なった。さらに、CNT シートの電気抵抗変化は温度に対して速やかに応答し(図4.79(下))、

熱源として用いたレーザー照射のタイミングに同期して変調(減少)することが明らかになっ

た(業績 3-③-19)。しかし、熱源からの距離(レーザースポットからの距離)に対して定量的

なデータは得られていないこと、速やかに応答を追従できるだけの測定ができなかった等問題

点がある。

4端子法による評価(追加項目)

四端子法を用いた CNT の熱伝導性評価のため、4.6-⑤で作製したマイクロヒータと計測

用電極を加工した熱伝導性評価デバイスに CNT を固定し、ヒータから CNT への加熱を行い、

空気中及び水中での CNT の電気特性変化から CNT の熱伝導性評価を行った。CNT への局所加

熱では基板上の断熱が重要であり、FEM 解析結果を基に作製した評価デバイスを作製し熱伝導

率の評価実験を行った。作製したデバイスを用いて空気中及び水中での CNT の熱伝導性の評価

を行った。単一の CNT を用いて、真空中、大気中、水中での比較を行い、真空中に比べて大気

図4.79 ガラス上にパターニング

した金電極に架橋した CNT シート(上

図)とレーザー照射時における電気抵

抗変化

図4.80 温度計測ゲルビーズを用いた単一 CNT の熱伝導性評価システム

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中・液中では環境への熱の逃げの存在により CNT の温度を 1℃上げるのに必要な入力熱量がそ

れぞれ 1.2 倍、1.3 倍であることを明らかにした(業績 1-55)。現在 CNT と基板は電子線誘起堆

積法によるカーボンのコンタミで固定しているため、CNT と電極間の接合物の違いによる熱伝

達性の検討のため、CNT を固定する物質の選定及び局所堆積による CNT 固定を検討中である。

4 端子法では、基板及び水への熱の散逸の影響が計測における課題となる。CNT からの熱の

散逸の影響を単純化するため、図4.80に示すような CNT 両端にハイドロゲルで構成された

ビーズを付着させ CNT を固定し、CNT 一端へのレーザー加熱後のCNT他端の温度と環境の

温度差と入力熱量から熱伝導率を評価する系の構築を行ってきた。CNT 両端の温度に固定する

ゲルビーズには、温度感受性の量子ドットを導入し蛍光強度変化から CNT 両端の温度を計測す

る。蛍光強度の検出は高分解能の CCD や顕微鏡に接続可能な分光光度計を用いることで約

0.05℃以下の分解能で、精度は±0.5℃で検出可能である。この方法を用いて CNT とビーズを固

定し、CNT の熱伝導率を測定したところ、412W/m・K との値を得た(図4.81)(業績 3-②

-84、115、3-③-45、47、106、)。この方法では水への熱の散逸や CNT とビーズの界面コンダク

タンスの影響を考慮する必要がある。また、本手法では、加熱法として CNT に固定したビーズ

に直接レーザーを照射するため、ビーズ内を反射したレーザーが CNT を加熱することが考えら

れる。このため C NT に入力される熱量の見積もりが困難であった。

この問題を解決するため、図4.82に示すように温度計測機能を有するマイクロピラーをフ

ォトリソグラフィで作製し、ピラーの内部に CNT をブリッジ状に埋め込んだ計測システムを構

築した。本システムでは、CNT が埋め込まれたピラーに隣接したピラーにレーザーを照射する

ことで CNT を間接的に加熱する。CNT が埋め込まれたピラー内部の温度分布から CNT に入力

された熱量を算出する。このピラーを用いた手法の利点として、液中から気中に環境が変化す

る際に CNT のブリッジが壊れることなく維持されること、CNT の位置情報の記録が容易であ

0.9982

0.9987

0.9992

0.9997

1.0002

0 0.5 1 1.5 2 2.5

vacuum

air

water

R/R

in

itia

l

Heat quantity (J)15 30 45 60 75

図4.81 4 端子法による液中・大気中・真空中での CNT の熱伝導性評価結果

図4.82 温度計測マイクロピラーを用いた単一 CNT の熱伝導性評価システム

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ること,同じ CNT を異なる条件で繰り返し計測することが容易であること、などが挙げられる。

この計測システムを用いて CNT の熱伝導率を計測した。CNT の直径は 140 nm、長さは 5 μm、

ピラー(材料は SU-8)の熱伝導率は 0.2 W/mK である。図4.83に示す 4×4 のピラーアレイ

において、1 行 2 列目のピラーにレーザーを入力し(38 秒から 76 秒)、A~D 点の温度変化を計

測した。A は CNT が埋め込まれたピラーの中心、B および C は CNT との接点、D はレーザー

入射ピラーから C 点までと等距離の点である。D 点の温度変化は水中を通して C 点に伝わった

熱量を補償するために用いる。72 秒後の温度変化から CNT に入力される熱量を算出して熱伝

導率を求めたところ、約 1,400 W/mK の値となった。今後は本システムを用いて液中・気中・

真空中での熱伝導率や、CNT 上の温度を直接検出することで CNT から環境への熱の逃げ、CNT

と保持材料との接触熱抵抗の評価を行っていく。

(2) 研究成果の今後期待される効果

熱源としてレーザーを用いて CNT シートの電気抵抗の熱応答を調べた結果、レーザー照射の

タイミングに同期することが明らかになったが、熱源からの距離(レーザースポットからの距

離)に対して定量的なデータは得られていないこと、速やかに応答を追従できるだけの測定が

できなかった等問題点がある。しかし、これらの問題点を解決して、水溶液中での CNT の熱伝

導性評価が行われれば、CNT の水溶液中での利用に重要な知見を与えるものである。

4.6-⑨. 細胞の熱量計測

(1) 研究実施内容及び成果

A. 細胞における熱計測(石島)

褐色脂肪細胞の調整方法の確立(追加項目)

nJ オーダーの熱を産生していると言われる褐色脂肪細胞をメインターゲットとして熱計測を

行った。褐色脂肪細胞の産生熱量は、現時点ではそのほとんどが熱発生に伴う酸素消費量から

の推定であり、1個の細胞の産生熱を直接計測した例はほとんどない。褐色脂肪細胞の産生熱

の特性を明らかにできれば、ほ乳類における体温維持のメカニズム、白色・褐色脂肪細胞の特

性の違いなど、生理学的にも重要な知見を得ることができる。

褐色脂肪細胞は斉藤昌之教授(天使大学)および岡松優子助教(北海道大学)の指導の下、

マウスから外科的に採取した褐色脂肪組織からコラゲナーゼ処理により調製した。マウスの週

齢や細胞のフィルタリングに用いるメッシュの網目サイズを考慮することで、各種測定に最適

な状態の細胞調製方法を確立した。

カンチレバービデオ計測による発熱量計測(追加項目)

溶液中での褐色脂肪細胞の熱計測のために、変位型バイメタルカンチレバー(4.6—①)

およびマイクロ真空チャンバー(4.6—①)を作製した。

図4.83 温度計測マイクロピラーを用いた単一 CNT の熱伝導率計測

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変位型バイメタルカンチレバーは長さが 500m-1、厚さが 250~300nm の超薄型のバイメタル

構造である(図4.84)。変位型としては極限まで薄く、大きな変位を得るために長く、かつ

可能なレベルまで熱容量を下げたプローブである。熱感度は溶液中では計算上では nJ であり、

褐色脂肪細胞の発熱モニタリングには充分応用できる。また、レーザー光による計測にも用い

られるよう、先端にミラーを付属させている。ミラー部はレーザー光による発熱の影響を下げ

るため、熱的に分離するなど、工夫してある。

この変位型熱センサーを用い、褐色脂肪細胞が産生する熱量の測定を行った。ポリプロピレ

ンに付着させた複数個の細胞を、固定した長さ 750m、幅 50m のカンチレバーに近づけ、カ

ンチレバー先端の変位を顕微鏡で直接観察した(図4.85)。

カンチレバーは、熱を検知すると+y 方向へ変位するよう設置した。ノルエピネフリン刺激に

より発熱している 8-10 個の細胞をカンチレバーに近づけたところ、約 130nm の変位が計測され

た(図4.85、赤のトレース)。その後細胞を遠ざけると、カンチレバーの初期位置への復元

が観察された。また、長時間(4 時間程度)の計測により、カンチレバーの変位量が大きくな

った後に、徐々に減少していった。この結果は、エピネフリンの投与による細胞の活性、その

後の脂肪などのエネルギー源の枯渇による細胞の不活性化が起きていることを示唆している。

この現象を単純な化学反応式で検討したところ、それぞれの速度定数を見積もることに成功し

た。カンチレバーから環境への熱の逃げがないモデルに基づくと、計測した 130nm の変位はカ

ンチレバーが約 105nW の熱量を受けていることに相当する。細胞1個あたり約 12 nW の発熱

量であり、この値は、我々が行った 105 オーダーの細胞が入った溶液にノルエピネフリンを添

加し、温度変化を熱電対で直接測定した結果から見積もった発熱量(10.4±3.74 nW/cell; n = 6, ±S.

E.)とも合致している(業績 3-③-35、49)。

しかし、COMSOL を用いたカンチレバーの変位からの見積もりでは細胞の発熱量が従来の知

見よりかなり高くなった。現在、この矛盾について

検討中であるが、考えられる候補として、COMSOL

自体の問題、従来のバルクの実験系との違い(溶存

酸素量など)、違う現象(バルクでは見られなかった

発熱現象など)などが考えられる。

バイメタルカンチレバーを用いることで、溶液中

においても nW オーダーの熱量測定が可能であるこ

とが示された。また、この測定は、カンチレバー先

端の変位を直接観察するという単純なやり方のため、

一般的な顕微鏡さえあれば、どこでも誰にでも実験

可能である。褐色脂肪細胞の研究者に、一手法とし

て使っていただければ、熱産生機構の特性や体温調

節機構の解明の手助けになるだろうと期待している。

図4.84 細胞などをターゲットにした変位型バイメタルカンチレバー、非接触測定系の概要

図4.85 細胞の産生熱検知によるカン

チレバーの変位

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光てこ方式による発熱量計測(追加項目)

マイクロ真空チャンバーは、溶液部分での発熱を真空部分へと伝える構造のため、水への熱

の逃げを無視でき、より感度の高い熱測定が可能である。

幅 100m、深さ 20m の流路に褐色脂肪細胞を含む溶液を流し、1 個の細胞をカンチレバー

に付着させた(図4.86)。マイクロ真空チャンバー全体を真空容器内に入れ、この状態でノ

ルエピネフリン溶液を流したところ、約 30 分にわたる、最大 0.6℃の測定部分の温度上昇が計

測された(図4.86(右グラフ内赤囲))。溶液部分から真空部分へと熱が伝わる際に生じる

ロスを考慮し、また、細胞の発熱が溶液部分のカンチレバー全体(30×60×1.5m)を温めるの

に使用されたとすると、この 0.6℃という温度上昇は 5.4nJ の熱量に相当する。なお、発熱が 30

分で終了したことについては、流路内の酸素が枯渇したためであると推察している。

マイクロ真空チャンバーは、pJ オーダーの熱量の測定も充分可能な感度を有している。pJ~

nJ という熱量の測定は、熱量計測グループの当初の目的からすれば遥かに大きい熱量ではある

が、1細胞の産生熱測定を達成したことで、個々の細胞の特性を調べられるようになったこと

は非常に意義のある成果である。例えば、発酵時に pJ オーダーの熱を発する酵母の場合、代謝

活性の高い菌体を選別できれば、食品やアルコールの発酵に費やす時間を短くすることができ

る。また、代謝異常を持つ動物細胞の判定に用いられれば、例えばがんの場合、極めて少ない

細胞数で検査には事足り、判定にかかる時間も短くて済むため、被験者の身体的負担が劇的に

少なくなる。このように、工業的・医療的にも応用が期待されるセンサーの開発および測定結

果を示すことができた。

細胞の酸素消費計測(追加項目)

バイメタル温度計による水溶液中での熱計測システムの評価のために、細胞の発熱量を直接

カンチレバーで計測するシステムの構築をした。対象としては褐色脂肪細胞を用い、ノルエピ

ネフリン添加時の代謝による熱計測を行った。

代謝の評価において、酸素消費量の測定も重要な細胞活性の評価指標となるため、酸素消費

を少数細胞で計測可能なデバイスを作製した。大きさ数m の酸素透過性を有する高分子ビーズ

に、蛍光強度に強い酸素依存性を有するルテニウム錯体を導入した酸素計測ビーズを作製した

(図4.87)。

ガラスの切削加工により作製した酸素を透過しない容量約 5l 酸素を透過しないマイクロチ

ャンバー内において、細胞近傍に酸素計測ビーズを設置することで代謝時の細胞の酸素消費を

計測した。現在約 5000 個の細胞での酸素消費のモニタリングに成功しており、従来手法で測定

した酸素消費量と同等の結果を得ている(図8.87参照)(業績 1-54、3-③-31)。

図4.86 カンチレバーに付着した褐色脂肪細胞(矢印)。下は発熱しない細胞、細胞の発熱に

よる計測部分の温度変化

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(2) 研究成果の今後期待される効果

褐色脂肪細胞を各種測定に最適な状態に調整する方法を確立した。褐色脂肪細胞という今

まで経験のないサンプルであったが、活性を保ったままの調整、温度計測が可能となった。

この結果は次に述べるカンチレバーによる計測の基礎となる。

また、バイメタルカンチレバーを用いることで、溶液中においても nW オーダーの熱量測

定が可能であることが示された。この測定は、カンチレバー先端の変位を直接観察するとい

う単純なやり方のため、一般的な顕微鏡さえあれば、どこでも誰にでも実験可能である。褐

色脂肪細胞の研究者に、一手法として使っていただければ、熱産生機構の特性や体温調節機

構の解明の手助けになるだろうと期待している。

光てこ方式による発熱量計測において作製したマイクロ真空チャンバーは、pJ オーダーの

熱量の測定も充分可能な感度を有している。また、液中で fJ の熱感度を有する振動型熱量セ

ンサーの作製技術を開発し、基本的な性能を測定した。新しく開発した熱分離構造をこれに

適用できれば、aJ のオーダーの熱量センサーが実現できる見通しを得ることができた。実際

の測定においては pJ~nJ 程度の熱量の測定ができることを示した。これは、熱計測グループ

の当初の目的からすれば遥かに大きい熱量ではあるが、1細胞の産生熱測定を達成したこと

で、個々の細胞の特性を調べられるようになったことは非常に意義のある成果である。例え

ば、発酵時に pJ オーダーの熱を発する酵母の場合、代謝活性の高い菌体を選別できれば、食

品やアルコールの発酵に費やす時間を短くすることができる。また、代謝異常を持つ動物細

胞の判定に用いられば、例えばがんの場合、極めて少ない細胞数で検査には事足り、判定に

かかる時間も短くて済むため、被験者の身体的負担が劇的に少なくなる。このように、工業

的・医療的にも応用が期待されるセンサーの開発および測定結果を示すことができた。

細胞の酸素消費計測において開発された手法は、1 細胞単位での酸素消費のモニタリング

が可能であり、褐色細胞の代謝時の熱産生と酸素消費の関連の解明への貢献が期待される。

またデバイスに導入する指示薬を選択することで pH、温度、カルシウムイオン等多岐に渡る

計測が可能であり、生命科学の発展に貢献できると考える。

100 µm

図4.87 酸素濃度計測デバイス(左)[O2]: 0.25 mg/l、(右)[O2]: 7.1 mg/l、 褐色脂肪細胞の代

謝時の酸素消費計測結果

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- 57 -

§5 成果発表等

(1) 原著論文発表(国内(和文)誌 4 件、国際(欧文)誌 55 件)

2006 年

1-1. Fukuoka, H., Sowa, Y., Kojima, S., Ishijima, A. & Homma, M., “Visualization of functional rotor

proteins of the bacterial flagellar motor in the cell membrane”, J. Mol. Biol. 367, 692-701 (2006).

1-2. Yamamoto K, Shimada K, Ito K, Hamada S, Ishijima A, Tsuchiya T. & Tazawa M., “Chara

myosin and the energy of cytoplasmic streaming”, Plant Cell Physiol. 47,1427-31 (2006).

2007 年

1-3. Y. Yoshikawa, S. Akita, Y. Nakayama, “Barrier modification at contacts between carbon

nanotube and Pt electrode using well-controlled Joule heating”, Jpn. J. Appl. Phys. 46 (15), 359

-361 (2007).

1-4. M. Yasuda, Y. Kimoto, K. Tada, H. Mori, S. Akita, Y. Nakayama, Y. Hirai, “Molecular dynamics

study of electron-irradiation effects in single-walled carbon nanotubes”, Phys. Rev. B 75,

205406-1~205406-5 (2007). DOI: 10.1103/PhysRevB.75.205406

1-5. Y. Nakayama, “Plasticity of Carbon Nanotubes: Aiming at Their Use in Nanosized Devices”,

Jpn. J. Appl. Phys. 46 (8A), 5005–5014 (2007).

1-6. H. Mori, S. Ogata, J. Li, S. Akita, Y. Nakayama, “Plastic bending and shape-memory effect of

double-wall carbon nanotubes”, Phys. Rev. B 76, 165405-1~165405-7 (2007).

DOI:10.1103/PhysRevB.76.165405

1-7. H. Maruyama, S. H. Yoshimura, S. Akita, A. Nagataki, Y. Nakayama, “Covalent attachment of

protein to the tip of a multiwalled carbon nanotube without sidewall decoration”, J. Appl. Phys.

102, 094701-1 ~ 094701-5 (2007).

1-8. H. Somada, Y. Yoshikawa, A. Nagataki, K. Hirahara, Y. Nakayama, “Energy barrier for

disappearance of buckling to form a plastic bend in carbon nanotubes”, Jpn. J. Appl. Phys. 46 (44),

1055–1057 (2007).

1-9. S. Akita, S. Sawaya, Y. Nakayama, “Energy loss of Carbon Nanotube Cantilevers for

Mechanical Vibration”, Jpn. J. Appl. Phys. 46, 6295-6298 (2007).

DOI: 10.1143/JJAP.46.6295.

1-10. R.L. Ohniwa, K. Morikawa, J. Kim, T. Kobori, K. Hizume, R. Matsumi, H. Atomi, T. Imanaka,

T. Ohta, C. Wada, S.H. Yoshimura and K. Takeyasu, “Atomic force microscopy dissects the

hierarchy of genome architecture in eukaryote, prokaryote and chloroplast”, Microsc. Microanal.

13 (1) 3-12 (2007).

DOI: 10.1017/S1431927607070055.

1-11. D. Liu, L. Ge, F. Wang, H. Takahashi, D. Wang, Z. Guo, S.H. Yoshimura, T. Ward, X. Ding, K.

Takeyasu, X. Yao, “Single-molecule detection of phosphorylation-induced plasticity changes

during ezrin activation”, FEBS Lett. 581 (18), 3563-3571 (2007).

DOI:10.1016/j.febslet.2007.06.071.

1-12. N. Crampton, M. Yokokawa, D. T. Dryden, J. M. Edwardson, D. N. Rao, K. Takeyasu, S. H.

Yoshimura, R. M. Henderson, “Fast-scan atomic force microscopy reveals that the type III

restriction enzyme EcoP15I is capable of DNA translocation and looping”, Proc. Natl. Acad. Sci. U

S A. 104 (31), 12755- 12760 (2007).

DOI:10.1073/pnas.0700483104.

1-13. D. S. Bulgarevich, K. Mitsui, H. Arakawa, “Lateral force-distance curve technique”, Journal of

Physics: Conference Series 61, 170-174 (2007).

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1-14. Fukuoka H, Sowa Y, Kojima S, Ishijima A & Homma M, “Visualization of functional rotor

proteins of the bacterial flagellar motor in the cell membrane”, J. Mol. Biol. 367, 692-701 (2007).

1-15. Sang-Jin Kim, Takahito Ono, Masayoshi Esashi, “Study on the noise of silicon capacitive

resonant mass sensors in ambient atmosphere”, Journal of Applied Physics 102,

104304-1~104304-6 (2007).

1-16. Sang-Jin Kim, Takahito Ono, Masayoshi Esashi, “Mass detection using capacitive resonant

silicon resonator employing LC resonant circuit technique”, Review of Scientific Instruments 78,

085103-1~085103-6 (2007).

2008 年

1-17. H. Maruyama, Y. Nakayama, “Trapping Protein Molecules at a Carbon Nanotube Tip using

Dielectrophoresis”, Appl. Phys. Express 1, 124001(2008).

1-18. H. Sanchez, P. P. Cardenas, S. H. Yoshimura, K. Takeyasu and J. C. Alonso, “Dynamic structures

of Bacillus subtilis RecN–DNA complexes”, Nuc. Acids Res. 36 (1), 110-120 (2008). DOI:

10.1093/nar/gkm759.

1-19. J. Wen, L. Lancaster, C. Hodges, A. Zeri, S.H. Yoshimura, H. F. Noller, C. Bustamante, I. Tinoco,

Jr., “Following translation by single ribosomes one codon at a time”, Nature 452 (7187), 598-603

(2008). DOI: 10.1038/nature06716.

1-20. M. Yokokawa, K. Takeyasu and S. H. Yoshimura, “Scanning probe microscope revealed

mechanical properties of plasma membrane and nuclear envelope in living cells”, J. Microscopy

232 (Pt I), 82-90 (2008). DOI: 10.1111/j.1365-2818.2008.02071.x.

1-21. S. Otsuka, S. Iwasaka, Y. Yoneda, K. Takeyasu and S. H. Yoshimura, “Individual binding pockets

of importin β for FG-nucleoporins are differently regulated by RanGTP”. Proc. Natl. Acad. Sci.

U S A. 105 (42), 16101-16106 (2008).

DOI: 10.1073/pnas.0802647105.

1-22. J. Jin, Y. Sugiyama, K. Mitsui, H. Arakawa, I. Ichinose, “Nanomechanical Properties of Reversed

Surfactant Bilayers Formed in Micrometer-Sized Holes” Chem. Commun. 8, 954-956 (2008).

1-23. Y. Inoue, C. J. Lo, H. Fukuoka, H. Takahashi, Y. Sowa, T. Pilizota, G. H. Wadhams, M. Homma, R.

M. Berry, A. Ishijima, “Torque-speed relationships of Na+-driven chimeric flagellar motors in

Escherichia coli”, J. Mol. Biol. 376, 1251-9 (2008).

1-24. T. Umeda, T. Inaba, A. Ishijima, K. Takiguchi, H. Hotani, “Formation and maintenance of tubular

membrane projections: experiments and numerical calculations”, Biosystems 93, 115-9 (2008).

1-25. 猪股直生,山西陽子,大川原竜人,林育菁,新井史人, 「ポーラス構造 PDMS 担体を用い

た蛍光試薬供給によるカーボンナノチューブの液中観察」,日本機械学会論文集(C 編)74

(743), 1879-1886 (2008).

1-26. 小野崇人, 「シリコンマイクロ振動子を用いた高感度熱機械変換素子」, 豊田研究報告,

No.61, 143-148 (2008).

1-27. Y. G. Jiang, T. Ono, and M. Esashi, “Fabrication of piezoresistive nanocantilevers for

ultra-sensitive force detection”, Measurement Science and Technology 19, 084011-1~084011-5

(2008).

2009 年

1-28. S. Fukami, T. Arie, and S. Akita, “Effect of Gaseous Dissipation of Oscillating Cantilevered

Carbon Nanotubes”, Jpn. J. Appl. Phys. 48, 06FG04 (2009). DOI: 10.1143/JJAP.48.06FG04.

1-29. K. Hata, Y. Nakayama, and S. Akita, “Response of Carbon Nanotube Field Effect Transistors to

Vibrating Gate Determined by Scanning Gate Microscopy”, Jpn. J. Appl. Phys. 48, 04C202 (2009).

DOI: 10.1143/JJAP.48.04C202.

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1-30. S. Akita and T. Arie, “Carbon Nanotube Mechanical Resonators for Mass Sensing”, Sensors and

Materials21, 339-349 (2009). DOI: 10.1143/JJAP.48.06FG03.

1-31. Fumihito Arai, Naoki Inomata, Yoko Yamanishi, “Manipulation and Observation of Carbon

Nanotubes in Water Under an Optical Microscope Using a Microfluidic Chip,” IEEE Transactions

on Nanotechnology 8(4), 463 – 468 (2009)..

1-32. Sang-Jin Kim, Takahito Ono, and Masayoshi Esashi, “Thermal imaging with tapping mode using a

bimetal oscillator formed at the end of a cantilever”, Review of Scientific Instruments 80,

033703-1~033703-6 (2009).

1-33. Yonggang Jiang, Takahito Ono, and Masayoshi Esashi, “Temperature-dependent mechanical and

electrical properties of boron-doped, piezoresistive nanocantilevers”, Journal of Micromechanics

and Microengineering19, 065030 (2009).

1-34. 入佐正幸, 「Scaled Particle Theory からみた溶媒和の van der Waals 描像」, 物性研究 91-6,

704-706 (2009).

2010 年

1-35. H. Maruyama, T. Ishibashi, K. Hirahara, Y. Nakayama, "Carbon Nanotube Sharpening Using an

Induced Electrical Current", Appl. Phys. Express 3(2), 025101 (2010).

1-36. R. Senga, K. Hirahara, Y. Nakayama, “Attachment of Carbon Nanotubes to a Substrate by

Electron-Beam-Induced Structural Change of Fullerene Molecules”, Appl. Phys. Express. 3(2),

025001 (2010). DOI: 10.1143/APEX.3.025001.

1-37. S. Fukami, T. Arie, and S. Akita, “Temperature Dependence of Cantilevered Carbon Nanotube

Oscillation”, Jpn. J. Appl. Phys. 49, 06GK02-06GK02-4 (2010).

DOI: 10.1143/JJAP.49.06GK02.

1-38. S. Sawano, T. Arie, and S. Akita, “Carbon Nanotube Resonator in Liquid”, Nano Letters 10,

3395-3398 (2010). DOI: 10.1021/nl101292b.

1-39. M. Toda, T. Ono, F. Liu, and I. Voiculescu, “Evaluation of bimaterial cantilever beam for heat

sensing at atmospheric pressure”, Review of Scientific Instruments 81, 055104(2010). DOI:

10.1063/1.3397320.

1-40. Akihiko Ishijima, Hajime Fukuoka, and Yuichi Inoue, “Verification of Single-Molecule Imaging

and Single-Molecule Measurements” Journal of Robotics and Mechatronics 5, 568-578 (2010).

1-41. Okuro, K., Kinbara, K., Takeda, K., Inoue, Y., Ishijima, A., and Aida, T., “Adhesion Effects of a

Guanidinium Ion Appended Dendritic "Molecular Glue" on the ATP-Driven Sliding Motion of

Actomyosin”, Angew Chem Int Ed Engl. 49, 3030-3033 (2010).

2011 年

1-42. Madoka Yamaguchi, Masahiro Nakano, Ryosuke Senga, Hiroyuki Maruyama, Shige H. Yoshimura,

and Yoshikazu Nakayama, “Specific interaction studied by single-molecule force measurement

using a carbon nanotube probe”, Proceeding of the 6th IASTED International Conference on

Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011).

1-43. A. Yoshinaka, T. Arie, and S. Akita, “Sustained Mechanical Self-Oscillation of Carbon Nano-tube

Cantilever by Phase Locked Loop with Opto-Mechanical Heterodyne”, Applied Physics Letters 98,

133103 (2011). DOI: 10.1063 /1.3572031.

1-44. S. Sawaya, T. Arie, and S. Akita, “Diameter-dependent dissipation of vibration energy of

cantilevered multiwall carbon nanotubes”, Nanotechnology22 (16), 165702 (2011). DOI:

10.1088/0957-4484/22/16/165702.

1-45. Y. Yuasa, A. Yoshinaka, T. Arie, and S. Akita, “Visualization of vibrating cantilevered multilayer

graphene”, Applied Physics Express 4 (11), 115103 (2011). DOI: 10.1143/APEX.4.115103

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- 60 -

1-46. S.H. Yoshimura, S. Khan, H. Maruyama, Y. Nakayama and K. Takeyasu, “Fluorescence labeling of

carbon nanotubes and visualization of a nanotube-protein hybrid under fluorescence microscope”,

Biomacromolecules 12 (4), 1200-1204 (2011). DOI: 10.1021/bm101491s.

1-47. Masaya Toda, Takashi Fujii, Atsushi Yoshida, Toshiyuki Hashida, and Takahito Ono,

Measurements of the phase transition and the average length of the density fluctuation under

supercritical fluid using micromechanical resonators, Applied Physics Letters 99,

074101-1~074101-3 (2011).

1-48. M. Toda, N. Inomata, T. Ono, “Bimorph Cantilevers Actuated by Focused Laser from the Side”,

IEEJ Transactions on Sensors and Micromachines 131, 327-331 (2011).

1-49. Hisataka Maruyama, Tomoyuki Otake, Fumihito Arai, “Photoprocessible Hydrogel Microsensor

for Local Environment Measurement on a Microfluidic Chip”, IEEE Transactions on Mechatronics,

16 (5), 845 – 852 (2011).

1-50. Naoki Inomata, Fumihito Arai, “Investigation of the Resistance Dependence on Temperature of

Single Carbon Nanotube in Different Environments”,Japanese Journal of Applied Physics., 50(12),

125101(2011). DOI: 10.1143/JJAP.50.125101

1-51. Kojima, S., Nonoyama, N., Takekawa, N., Fukuoka, H., and Homma, M. “Mutations targeting the

C-terminal domain of FliG can disrupt motor assembly in the Na+-driven flagella of Vibrio

alginolyticus.”, J.Mol. Biol., 414(1), 62-74 (2011). DOI org/10.1016/j.jmb.2011.09.019

1-52. Terasawa, S., Fukuoka, H., Inoue, Y., Sagawa, T., Takahashi, H., and Ishijima, A., “Coordinated

Reversal of Flagellar Motors on a Single Escherichia coli Cell.” Biophys. J. 100, 2193-2200

(2011).

1-53. Matthew A. B. Baker, Yuichi Inoue, Kuniaki Takeda, Akihiko Ishijima, Richard M. Berry.,“Two

methods of temperature control for single-molecule measurements.” , European Biophysics

Journal40, 651-660 (2011).

1-54. 福岡創「大腸菌複数べん毛モーターの回転方向転換における同期性」生物物理 51, 234-235

(2011).

1-55. Hisataka Maruyama, Tomoyuki Otake, Fumihito Arai, “Photoprocessible Hydrogel Microsensor

for Local Environment Measurement on a Microfluidic Chip”, IEEE Transactions on Mechatronics

16(5),845 - 852 (2011).

2012 年

1-56. Takayuki Arie, Shunichi Sawano,and Seiji Akita,“A Multi-Walled Carbon Nanotube Cantilever

for Interaction Force Sensing in Liquid ” , AIP Advance, 2, 012144 (2012). DOI:

10.1063/1.3688763.

1-57. Hiroyuki Maruyama,Shige H. Yoshimura, Satoshi Ohno,Kazuya Nishikawa,Yoshikazu

Nakayama,“Covalent attachment of a specific site of a protein molecule on a carbon nanotube tip”,J. Appl. Phys., 111, 074701 (2012). DOI: 10.1063/1.3698594.

1-58. Naoki Inomata, Masaya Toda, Masaaki Sato, Akihiko Ishijima, Takahito Ono, “Pico calorimeter

for detection of heat produced in an individual brown fat cell”, Applied Physics Letters, (2012).

accepted.

1-59. Toru Takahashi, Takuya Yabumoto, Ryuji Inori, Takako Okada, Seiji Akita and Takayuki Arie,

"Electric field enhancement by laser light focused on electrode edges for controlled-positioning of

carbon nanotubes", Japanese Journal of Applied Physics, in press.

(2) その他の著作物(総説、書籍など)

2007 年

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2-1. Y. Nakayama, “Preparation and Nanoprocessing of Carbon Nanotubes”, The First International

Conference on Material and Information Sciences in High Technologies, Baku, Azerbaijan (2007).

2-2. Y. Nakayama, “Bending Deformation of Carbon Nanotubes”, The 4th Korea-Japan Symposium on

Carbon Nanotube (2007).

2-3. Y. Nakayama, “Nanoprocessing of carbon nanotubes”, 2007 International Microprocesses and

Nanotechnology Conference, Kyoto (2007).

2-4. 石島秋彦, 井上裕一, 福岡創, 田中裕人, 「生体1分子操作・計測」,非侵襲・可視化技術ハ

ンドブック, 702-731 (2007).

2008 年

2-5. 中山喜萬,「カーボンナノチューブの合成と応用研究における最近のトピックス」, 第 25

回プラズマプロセシング研究会 (SPP-25) プロシーディングス, 山口 (2008).

2-6. Y. Nakayama, “Plastic Bending Deformation of Carbon Nanotubes”, XXIInd

International

Winterschool on Electronic Properties of Novel Materials –Molecular Nanostructures–, Austria

(2008).

2-7. Y. Nakayama, “Nanoengineering of Carbon Nanotubes using a Transmission- Electron-Microscope

Manipulator”, 2nd International Symposium on the Manipulation of Advanced Smart Materials p.

OA6 (2008).

2-8. 吉村成弘, 「ますます広がる分子イメージング技術;生物医学研究から創薬、先端医療ま

でを支える分子イメージング技術・DDC との技術融合」, 原子間力顕微鏡の原理と生体試

料への応用。遺伝子医学 MOOK 9, 177-183 (2008).

2-9. K. Hizume, S. Araki, K. Yoshikawa, K. Takeyasu and S.H. Yoshimura, “Nano-Scale Observation

of Higher-Order Genome Structure Reconstituted from DNA and Chromosome Proteins.” IEEE

Proceedings of the 2008 International Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human

Science (electric publication) (2008).

2-10. 石島秋彦, 曽和義幸, 井上裕一, 福岡創, 田中裕人, 「3.バイオ操作(2)(レーザーなど光ピ

ンセット)」,実用 精密位置決め技術事典, 639-645 (2008).

2009 年

2-11. 秋田成司, 「カーボンナノチューブのナノツールへの応用」, 月刊化学工業 60, No. 5, 342

(2009).

(3) 国際学会発表及び主要な国内学会発表

①招待講演 (国内会議 27 件、国際会議 32 件)

<国内会議>

2006 年

3-①-1. 横川雅俊(京都大学),安藤敏夫(金沢大学), 吉村成弘(京都大学),竹安邦夫(京

都大学),「高速原子間力顕微鏡による分子シャペロン GroEL の一分子反応解析」, 日

本分子生物学会 2006 フォーラム,名古屋, 2006. 12. 6.

3-①-2. 石島秋彦(東北大学),「生体分子の動作原理の解明、および、新世代ナノ計測の開

発」,生物物理若手の会・中部支部セミナー「生物を物理で斬る!!」,名古屋,2006.

12. 9.

2007 年

3-①-3. 小野崇人(東北大学),「マイクロナノ電気機械による高感度センシングとナノプロセ

ッシング」,応用物理学会,東京,2007. 3. 28.

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- 62 -

3-①-4. 石島秋彦(東北大学),「モーター蛋白質の 1 分子測定 -生体分子の機能の 1 分子レ

ベルでの解明」,九州工業大学生命情報工学科主催講演会,飯塚市,2007. 5. 16.

3-①-5. 石島秋彦(東北大学),「生体分子モーター,リニア・回転モーター,の1分子計測」,

第34回生体分子科学討論会,仙台,2007. 6. 22-23.

3-①-6. 小野崇人(東北大学),「ナノ構造を集積化したマイクロシステムとその応用」,日本

機械学会 2007 年度年次大会,大阪,2007. 9. 9-12.

3-①-7. 石島秋彦(東北大学),曽和義幸(Oxford) ,井上裕一(東北大学),福岡創(東北大

学),田中 裕人(東北大学),「バイオイメージング技術の現状と将来展望:生体分子

モーター,リニア・回転モーターの 1 分子計測」,日本光学会年次学術講演会,大阪,

2007. 11.26.

2008 年

3-①-8. 中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブの合成と応用研究における最近のトピ

ックス」,第 25 回プラズマプロセシング研究会 (SPP-25) ,山口,2008. 1. 23-25.

3-①-9. 石島秋彦(東北大学), 「生体リニア、回転モーターの 1 分子計測」,5回東北大学

バイオサイエンスシンポジウム,大阪,2008. 5. 19.

3-①-10. 吉村成弘(京都大学),「核膜複合体を介した物質輸送機構の1分子解析」,大阪大学

蛋白質研究所セミナー,大阪,2008. 7. 15.

3-①-11. 石島秋彦(東北大学),「生体リニア、回転モーターの 1 分子計測」,阪大学生命機能

研究科 研究交流会,大阪,2008. 11. 12.

2009 年

3-①-12. 石島秋彦(東北大学),「生体リニア、回転モーターの 1 分子計測」,特定領域研究・

第 5 回公開シンポジウム,東京, 2009. 3. 7.

3-①-13. 石島秋彦(東北大学), “Single molecule measurements of Linear and Rotational

Bio-motors”, 第二回 九大先導研・英国・ 東北大多元研ジョイントワークショップ,

仙台,2009. 3. 10-11.

3-①-14. 戸田雅也(東北大学),"ナノ・マイクロマシニングとその構造体", 日本放射光学会

第一回若手研究会「X線ナノ集光技術研究会」,大阪,2009. 8. 11.

3-①-15. 吉村成弘(京都大学),「How does nuclear pore complex select the cargo?」,九州大学先

導物質化学研究所,福岡,2009.11.27.

2010 年

3-①-16. 円山拓行(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),吉村成弘(京都大学),「カーボンナ

ノチューブによるタンパク質トラッピング」,第 57 回 応用物理学関係連合講演会,

神奈川,2010.3.17-20.

3-①-17. 石島秋彦(東北大学),「単一バクテリアにおける複数のべん毛モーターの走化性応答

と相関,The chemotactic response and correlation of the multiple flagellar motors in a single

bacterial cell」,第 83 回日本細菌学会総会,横浜,2010. 3.28.

3-①-18. 秋田成司(大阪府立大学),「カーボンナノチューブの機械的特性とその応用」,第 71

回応用物理学会学術講演会,長崎,2010. 9. 14-17.

3-①-19. 井上裕一(東北大学),「生物物理にとっての高速カメラ革新,長時間記録システムを

用いた高速イメージング」,第 48 回日本生物物理学会年会,仙台,2010.9.20-22.

3-①-20. 岡田 健(東北大学),「水溶液中におけるカーボンナノチューブの拡散運動解析,

Page 63: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 63 -

Diffusional motion analysis of carbon nanotubes in solution」,京都大学基礎物理学研究所

基研セミナー(物性),京都,2010.9.29.

3-①-21. 岡田 健(東北大学),「高分子溶液中におけるカーボンナノチューブの拡散運動,

Diffusional motion of carbon nanotube in polymer solution」九州大学理学研究院物理学部

門セミナー,福岡,2010.11.10.

3-①-22. 岡田 健(東北大学),「高分子溶液中におけるカーボンナノチューブの拡散運動解析,

Diffusional motion analysis of carbon nanotube in polymer solution」,九州工業大学セミナ

ー,飯塚,2010.11.11.

3-①-23. 新井史人(名古屋大学),「オンチップロボティクス:マイクロ流体チップとロボット

の融合」,第 2 回化学とマイクロ・ナノシステム研究会,名古屋,2010.11.18.

3-①-24. 戸田雅也(東北大学),「マイクロ・ナノ機械と計測への応用」,高分子・ハイブリッ

ド材料研究センター(PHyM)若手フォーラム,仙台,2010. 12. 6.

3-①-25. 中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブを用いた単一生体分子ダイナミクスの

計測」,生命現象解明のための計測分析さきがけ・CREST研究報告会,東京, 2010.12.13.

3-①-26. 平原佳織(大阪大学),「カーボンナノチュ−ブ構造変化過程のその場電子顕微鏡観察」,

日本顕微鏡学会関西支部特別企画講演会,大阪,2010.12.17.

2011 年

3-①-27. 秋田成司(大阪府立大学),「カーボンナノチューブの NEMS とその応用」,電子デバイ

ス研究会特別ワークショップ,東京,2011. 3. 7.

<国際会議>

2006 年

3-①-28. A.Ishijima (Tohoku Univ.), “Direct observation of steps in rotation of the bacterial flagellar

motor”, The Third Conference on Artificial Muscles, A Nanobiotechnology Research --The

Perspective of Artificial Muscles, Akihabara Convention Hall, Japan, 2006. 5.30-31.

3-①-29. A. Ishijima (Tohoku Univ.), “Direct observation of 26 steps per revolution in rotation of the

Bacterial Flagellar Motor”, The 8th RIES-Hokudai International Symposium, 2006. 12.

11-12.

2007 年

3-①-30. Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Preparation and Nanoprocessing of Carbon Nanotubes”, The

First International Conference on Material and Information Sciences in High Technologies,

Baku, Azerbaijan, 2007.9. 26 - 10. 1.

3-①-31. Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Bending Deformation of Carbon Nanotubes”, The 4th

Korea-Japan Symposium on Carbon Nanotube, Kyoto, 2007.10. 28-31.

3-①-32. Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Nanoprocessing of carbon nanotubes”, 2007 International

Microprocesses and Nanotechnology Conference, Kyoto, 2007.11. 6.

2008 年

3-①-33. K. Hirahara (Osaka Univ.), H. Somada (Osaka Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), Y.

Nakayama (Osaka Univ.), “Evolution of nano-process technology for carbon nanotubes by

manipulation and energization in TEM –Plastic deformation and coalescence–”, International

Carbon Nanotube Conference in NU, Nagoya, 2008. 2. 14-15.

Page 64: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 64 -

3-①-34. Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Plastic Bending Deformation of Carbon Nanotubes”, XXIInd

International Winterschool on Electronic Properties of Novel Materials –Molecular

Nanostructures–, Kirchberg, Austria, 2008. 3.

3-①-35. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nuclear Pore Complex and RanGTP- International

Conference on Cell Biology”, Taipei, Taiwan, 2008. 3. 28.

3-①-36. Takahito Ono (Tohoku Univ.), “Micro/Nano Resonating Oscillators for Versatile

Applications”, International Workshop on Nanomechanical Cantilever Sensors, Mainz,

Germany, 2008.5.19-21.

3-①-37. Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Nanoengineering of Carbon Nanotubes using a

Transmission-Electron-Microscope Manipulator”, 2nd International Symposium on the

Manipulation of Advanced Smart Materials p. OA6, Awaji, 2008.5.28-29.

3-①-38. Takahito Ono (Tohoku Univ.), “Micro-Nano Resonant Sensors for Versatile Applications”,

International Conference on Nano Science and Nano Technology, Gwangju, Korea,

2008.11.6-7.

3-①-39. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nuclear Pore Complex and RanGTP-dependent

conformational change of importin beta”, Annual Meeting of American Society for Cell

Biology., San Francisco, 2008. 12. 12.

3-①-40. S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nano-biology of cell nucleus”, Asian Academic Seminar

2008, Bangalore, India, 2008. 12. 28.

3-①-41. Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), “Direct observation of steps in rotation of the bacterial

flagellar”, JSPS-DST Asian Academic Seminar 2008, Jawaharial Nehru Centre for Advanced

Scientific Research, Bangalore, India, 2008.12.26-30.

3-①-42. Fumihito Arai (Tohoku Univ.), “Bio-MEMS and bio-manipulation for single cell analysis on

a chip”, JSPS-DST Asian Academic Seminar 2008, Jawaharial Nehru Centre for Advanced

Scientific Research, Bangalore, India, 2008.12.26-30.

2009 年

3-①-43. S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), S. Fukami (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka

Prefecture Univ.), “Temperature Dependence of Energy Loss for Carbon Nanotube

Mechanical Resonator”, International Symposium on Carbon Nanotube Nanoelectronics,

Matsushima, Miyagi, 2009. 6. 9-12.

3-①-44. Hajime Fukuoka (Tohoku University), "The chemotactic response and correlation of the

multiple flagellar motors in a single bacterial cell", International Symposium "Innovative

Nanoscience of Supermolecular Motor Proteins", Kyoto, 2009.9.8-10.

3-①-45. Masayuki Irisa (Kyushu Institute of Technology), “Heat Capacity and conformation of small

protein”, International Workshop on Continuum Modeling of Biomolecules in the Institute of

Computational Mathematics and Scientific/Engineering Computing, Beijing, 2009.9.14-16.

3-①-46. M. Toda (Tohoku University), “Micro probes for heat sensing in liquid”, Pohang University

of Science and Technology, Korea, Pohang, 2009.9.22.

3-①-47. Akihiko Ishijima (Tohoku University), “Measurement of Signal Transduction in a Single

Bacterial Cell”, G-COE International Symposium on: “Dynamic Phenomena in Molecular

Complex Chemistry”, Sendai, 2009.10.2.

3-①-48. T. Ono(Tohoku Univ.), ”Applications of NEMS devices”, The 6th Conference on Solid State

Physics and Materials Science (SPMA-2009), Da Nang, Vietnam, 2009. 11. 8-9 .

3-①-49. T. Ono(Tohoku Univ.), ”Microsystems for Nanoscale Processing”, Second International

Workshop on Nanotechnology and Application (IWNA 2009), Vun Tau, Vietnam, 2009. 11.

12-14, (Proceeding of IWNA 2009, 83-86).

Page 65: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 65 -

2010 年

3-①-50. Fumihito Arai (Nagoya University), “On-chip Robotics: Technical Issues and Future

Direction”, 2010 IEEE International Conference on Robotics and Automation, Anchorage,

USA, 2010.5.3.

3-①-51. Fumihito Arai (Nagoya University), “On-chip Robotics for Biomedical Device Innovations”,

6th World Congress of Biomechanics, Singapore, Singapore, 2010.8.4.

3-①-52. Fumihito Arai (Nagoya University), “On-chip Robotics for Future Biomedical Device

Innovations”, IEEE BioRob 2010, Tokyo, Japan, 2010.9.28.

3-①-53. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.),”Structural flexibility of importin beta facilitates its fast and

selective transport through the nuclear pore complex”, OzBio2010, Melbourne, Australia,

2010.9.28.

3-①-54. Kaori Hirahara (Osaka Univ.), “Structural modification of isolated carbon nanotubes during

the superplastic deformation process”, 第 1 回日仏先端工学シンポジウム (JFFOE),

Grenoble, France, 2010.10.11-13.

3-①-55. Kaori Hirahara (Osaka Univ.), “Structural change in carbon nanotubes during plastic

deformation process”, Japan-Finland Workshop on "Atomic defects in low-dimensional

materials", Kyoto, Japan, 2010.10.26-27.

3-①-56. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Structure and evolution of nuclear pore complex and

nuclear envelope”, BMB2010, Kobe, Japan, 2010.12.7.

3-①-57. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nanobiology of cell nucleus”, SustaiN2010, Kyoto, Japan,

2010.12.12.

2011 年

3-①-58. S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.) “Carbon Nanotube

Mechanical resonators as mass and force sensors”, Nano Korea 2011-The 9th International

Nanotech Symposium & Exhibition in Korea,Gyeonggi-do, Korea, 2011.8.24-26.

3-①-59. Yoshikazu Nakayama (Osaka Univ.), “Carbon Nanotube Technology for Measurements of

Biological-single-molecule Dynamics”, A3 Symposium of Emerging Materials:

Nanomaterials for Energy and Environments (p. 45), Urumqi, China, 2011. 10.13-15.

② 口頭発表(国内会議 85 件、国際会議 36 件)

<国内会議>

2007 年

3-②-1. 杣田博史(大阪府立大学),吉川雄也(大阪府立大学),長瀧篤子(大阪大学),秋田

成司(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),“Current-Induced Structural Change of

Fullerene-Encapsulated Single Wall Carbon Nanotubes”, 第 32 回フラーレン・ナノチュー

ブ総合シンポジウム,名古屋,2007.2.13-15.

3-②-2. 澤谷慎太郎(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),“Diameter-Dependent Dissipation of Vibration Energy of Cantilevered Multiwall Carbon

Nanotubes” ,第 32 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,名古屋,2007.2.13-15.

3-②-3. 三井圭太(物材研),Dmitry S. Bulgarevich(物材研),荒川秀雄(物材研),「AFM に

よる液中分子の水平伸張技術の開発」,日本顕微鏡学会 SPM で生命現象を捉える手法

の開発研究部会(第 9 回 SPM 研究会),新潟, 2007.3.18-19.

3-②-4. 杣田博史(大阪府立大学),吉川雄也(大阪府立大学),長瀧篤子(大阪大学),秋田

成司(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),「フラーレンを内包した単層ナノチュ

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- 66 -

ーブの通電加熱による構造変化」,第 54 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2007.3.27-30.

3-②-5. 澤谷慎太郎(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),「直

径に依存した多層カーボンナノチューブ片持ち梁の振動エネルギー損失」,第 54 回応

用物理学関係連合講演会,神奈川,2007.3.27-30.

3-②-6. 森 英喜(大阪府立大学),尾方成信(大阪大学),Ju Li(オハイオ大学),秋田成司(大

阪府立大学),中山喜萬(大阪大学), 「ダブルウォールカーボンナノチューブの塑

性曲げ変形」,第 54 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2007.3.27-30.

3-②-7. 円山拓行(大阪大学),吉村成弘(京都大学),秋田成司(大阪府立大学),長瀧篤子

(大阪府立大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチュ

ーブ先端に捕捉したタンパク質分子の HRTEM 観察」, 日本顕微鏡学会第63回学

術講演会,新潟,2007.5.20-22.

3-②-8. 杣田博史(大阪大学,大阪府立大学),吉川雄也(大阪大学),長瀧篤子(大阪府立大

学),平原佳織(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),「座

屈変形したフラーレン内包単層ナノチューブの通電加熱による構造変化のその場観

察」,日本顕微鏡学会第 63 回学術講演会,新潟,2007.5.20-22.

3-②-9. 秋田成司(大阪府立大学),「大気中における片持ち梁カーボンナノチューブ振動の光

学的計測」,第 68 回応用物理学会学術講演会,札幌,2007.9.4-8.

3-②-10. 大塚正太郎(京都大学),高橋寛英(京都大学),横川雅俊(京都大学),竹安邦夫(京

都大学),吉村成弘(京都大学),「1 分子観察・計測・操作技術とバイオ操作」,日本

機会学会先端技術フォーラム,大阪,2007.10.

3-②-11. K. Takeyasu (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), Y. Hirano (Kyoto Univ.), K. Hizume

(Kyoto Univ.), S. Ohtsuka (Kyoto Univ.), S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nano-biology of

cell nucleus”, 第 30 回日本分子生物学会・第 80 回日本生化学会合同大会,横浜,2007.12.12.

2008 年

3-②-12. 武田訓昌(東北大学),田中裕人(科技振・さきがけ),井上裕一(東北大学),石島

秋彦(東北大学),温度制御可能なナノ計測システムを用いたアクトミオシン滑り運

動の計測,2008 年生体運動研究合同班会議プログラム,仙台市戦災復興記念館 記念

ホール,2008.1.7-9.

3-②-13. 松田貴成(大阪大学),中野雅博(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「カーボンナノチューブによる単一生体分子間相互作用検出における反応場

の形成」,関西学生会学生員卒業研究発表講演会 日本機械学会,大阪,2008.3.14-15.

3-②-14. 千賀亮典(大阪大学),円山拓行(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「フラーレンを用いたカーボンナノチューブ固定」,関西学生会学生員卒業

研究発表講演会 日本機械学会,大阪,2008.3.14-15.

3-②-15. 中野雅博(大阪大学),松田貴成(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「タンパク質のトラッピング用カーボンナノチューブシートの開発」,第 55

回応用物理学関係連合講演会,千葉,2008.3.27-30.

3-②-16. 円山拓行(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「単一カーボン

ナノチューブの先鋭化プロセス」,第 55 回応用物理学関係連合講演会,千葉,2008.3.27-30.

Page 67: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 67 -

3-②-17. 畑晃輔(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),「走査型

ゲート顕微鏡を用いたナノチューブ FET の振動ゲートに対する応答」,第 55 回応用

物理学関係連合講演会,千葉,2008.3.27-30.

3-②-18. 深見瞬(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「持ち梁ナノチューブの振動の

大気中における高感度な光学的検出」,第 55 回応用物理学関係連合講演会,千葉,2008.3. 27-30.

3-②-19. R. Senga (Osaka Univ.), H. Maruyama (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y.

Nakayama (Osaka Univ.), “Attachment of Carbon Nanotubes using Structural Changes in C60

Molecules by Electron Irradiation” 第 35 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,

東京,2008. 8.27-29.

3-②-20. 円山拓行(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「誘電泳動を

利用したカーボンナノチューブによるタンパク質分子操作」,日本応用物理学会第

69 回学術講演会,愛知,2008.9.2-5.

3-②-21. 千賀亮典(大阪大学),円山拓行(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「フラーレンを用いたカーボンナノチューブ固定」,日本応用物理学会第

69 回学術講演会,愛知,2008.9.2-5.

3-②-22. 深見瞬(大阪府立大学) ,澤野峻一(大阪府立大学),中地一博(大阪府立大学),秋

田成司(大阪府立大学),「片持ち梁ナノチューブ振動の気体分子による損失」,第 69

回応用物理学会学術講演会, 愛知, 2008.9.2-5.

3-②-23. 上野吉範(大阪府立大学),杣田博史(大阪府立大学),平原佳織(大阪大学),中山

喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),「カーボンナノチューブ中のナノカプ

セルトラップ現象の分子動力学計算」,第 69 回応用物理学会学術講演会,愛知,2008.9.2-5.

3-②-24. 加藤貴広(東北大学),猪股直生(東北大学),佐久間臣耶(東北大学),山西陽子(東

北大学),丸山 央峰(東北大学),新井史人(東北大学),「World-to-chip インタフェー

スを有するバイオチップによるマルチスケール環境計測」,第 26 回日本ロボット学会

学術講演会,兵庫, 2008. 9. 10.

3-②-25. 入佐正幸(九州工業大学),「2nd Mini-Symposium on Liquids--Van der Waals 描像の周辺」,

福岡,2008. 10. 3.

3-②-26. 石島秋彦(東北大学), 「ナノ計測、 イメージング技術による、回転モーターの 1

分子計測」,第 46 回日本生物物理学会年会シンポジウム,福岡, 2008. 12. 3-5.

2009 年

3-②-27. 福岡 創(東北大学),石島 秋彦(東北大学),「光学顕微鏡を用いた細菌べん毛モー

ター1 分子の観察および計測」,第 82 回 日本細菌学会総会,愛知,2009.3.12.

3-②-28. 井瀬景太(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「電子回折を用

いたカーボンナノチューブの構造変化過程の解明」,2009 年関西学生会学生員卒業研

究発表講演会 日本機械学会,大阪,2009.3.15.

3-②-29. 石橋孝之(大阪大学),円山拓行(大阪大学),尾方成信(大阪大学),平原佳織(大

阪大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブの先鋭化プロセスに関する

研究」,2009 年関西学生会学生員卒業研究発表講演会 日本機械学会,大阪,2009.3.15.

3-②-30. 尾崎史篤(大阪大学),中野雅博(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「単層カーボンナノチューブシートによるタンパク質トラッピングに関す

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る研究」,2009 年関西学生会学生員卒業研究発表講演会 日本機械学会,大阪,2009.3.15.

3-②-31. 上野吉範(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田 成司(大阪府立大学),「水

中におけるカーボンナノチューブ振動の分子動力学計算」,第 56 回応用物理学関係連合

講演会,つくば,2009.3.30-4.2.

3-②-32. 澤野峻一(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田 成司(大阪府立大学),「水

中における片持ち梁カーボンナノチューブの振動検出」,第 56 回応用物理学関係連合講

演会,つくば,2009.3.30-4.2.

3-②-33. 深見瞬(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田 成司(大阪府立大学),

「片持ち梁カーボンナノチューブ振動の温度依存性」,第 56 回応用物理学関係連合講

演会,つくば,2009.3.30-4.2.

3-②-34. 円山拓行(大阪大学),吉村成弘(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「カーボンナノチューブ先端へのタンパク質分子特定部位捕捉」,第 70 回

応用物理学会学術講演会,富山,2009.9.8-12.

3-②-35. 千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「フラーレ

ン分子の電子線誘起流動」,第 70 回応用物理学会学術講演会,富山,2009. 9.

3-②-36. 井瀬景太(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボン

ナノチューブ加工時における構造変化過程解析」,第 70 回応用物理学会学術講演会,

富山,2009. 9.8-12.

3-②-37. 小田康太(大阪府立大学),西井亮介(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),

秋田成司(大阪府立大学),「大気中における両持ち梁カーボンナノチューブの振動検

出」,第 70 回応用物理学会学術講演会,富山,2009. 9.8-12.

3-②-38. 澤野峻一(大阪府立大学) ,深見 瞬(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋

田成司(大阪府立大学) ,「水中におけるカーボンナノチューブ振動子の共振特性」,

第 70 回応用物理学会学術講演会,富山,2009. 9.8-12.

3-②-39. 深見 瞬(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「片

持ち梁カーボンナノチューブ機械共振器の温度特性への結晶性の効果」,第 70 回応用

物理学会学術講演会,富山,2009. 9.8-12.

3-②-40. 大島佑介(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学) ,「一

本の多層カーボンナノチューブからの通電加熱時における発光特性」,第 70 回応用物

理学会学術講演会,富山,2009. 9.8-12.

3-②-41. 戸田雅也(東北大学),小野崇人(東北大学),「水中における微少熱量計測のための

マイクロカンチレバーセンサ」,第 70 回応用物理学会学術講演会,富山,2009.9.8 -12.

3-②-42. 福岡 創(東北大学),「機能的細菌べん毛モーターにおけるモーター構成素子の交換

割合の見積り」,第47回日本生物物理学会,徳島,2009. 10.30-11.

3-②-43. 小野崇人(東北大学),「ナノテクノロジーとMEMSの融合技術」,第9回インテリ

ジェント・ナノプロセス研究会,仙台,2009.12.18.

3-②-44. 吉村成弘(京都大学),「Structural Flexibility of Importin b Facilitates its Fast and Selective

Transport Through the Nuclear Pore Complex」,第32回日本分子生物学会年回ワークシ

ョップ,神奈川,2009. 12.9-12.

2010 年

3-②-45. 寺澤 隼(東北大学),福岡 創(東北大学),菊地由宇(東北大学),高橋泰人(東北

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- 69 -

大学),井上裕一(東北大学),石島秋彦(東北大学),「複数べん毛モーター間におけ

る回転方向転換の相関解析:細胞内シグナル伝達機構の考察」,生体運動班会議,東

京,2010.1.9-11.

3-②-46. 井上裕一(東北大学),「キメラべん毛モーターの温度応答トルクステップ解析」,2009

年度べん毛研究交流会,愛知,2010.3.14-16.

3-②-47. 福岡 創(東北大学),「同一細胞上の複数べん毛モーターの回転を同時に計測し,細

胞内シグナル伝達の機構を考察する」,2009 年度べん毛研究交流会,愛知,2010.3.14-16.

3-②-48. 菊池由宇(東北大学),「高速カメラおよび微小ビーズを用いた大腸菌べん毛モーター

の回転計測:走化性シグナルに対するべん毛モーター回転運動の解析」,2009 年度べ

ん毛研究交流会,愛知,2010.3.14-16.

3-②-49. 清水孝浩(東北大学),「GFP 蛍光退色を用いてべん毛モーター回転子のサブユニッ

ト数を見積もる」,2009 年度べん毛研究交流会,愛知,2010.3.14-16.

3-②-50. 山口圓(大阪大学),円山拓行(大阪大学),中野雅博(大阪大学),平原佳織(大阪

大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブによるタンパク質分子の部

位特異的捕捉と分子間相互作用力の計測」,日本機械学会関西学生会 平成21年度

学生員卒業研究発表講演会,兵庫,2010.3.15.

3-②-51. 山口圓(大阪大学),円山拓行(大阪大学),中野雅博(大阪大学),平原佳織(大阪

大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブによる一分子レベルの生体

分子間相互作用力の計測」,第 57 回 応用物理学関係連合講演会,神奈川,2010.3.17-20.

3-②-52. 中野雅博(大阪大学),松田貴成(大阪大学),尾崎史篤(大阪大学),平原佳織(大

阪大学), 中山喜萬(大阪大学), 「カーボンナノチューブシート上での一分子力計

測」,第 57 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2010. 3.17-20.

3-②-53. 千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「多層カー

ボンナノチューブ先端への単層カーボンナノチューブ形成」,第 57 回応用物理学関

係連合講演会,神奈川,2010. 3.17-20.

3-②-54. 円山拓行(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),吉村成弘(京都大学),「カーボンナ

ノチューブによるタンパク質トラッピング」,第 57 回応用物理学関係連合講演会,神

奈川,2010. 3.17-20.

3-②-55. 西井亮介(大阪府立大学),松永直之(大阪府立大学),小田康太(大阪府立大学), 有

江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「電気検出型片持ち梁カーボンナ

ノチューブの共振デバイスの作製」,第57回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2010.

3.17-20.

3-②-56. 澤野峻一(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「液

中における片持ち梁カーボンナノチューブ振動の温度依存性」,第 57 回応用物理学関

係連合講演会,神奈川,2010. 3.17-20.

3-②-57. 深見 瞬(大阪府立大学),吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋

田成司(大阪府立大学),「カーボンナノチューブ片持ちはりの光学的手法による振動

挙動解析」, 第 57 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2010. 3.17-20.

3-②-58. 戸田雅也(東北大学),リュウ・フェイ(ニューヨーク市大学),ヴォイスレス・イオ

アナ(ニューヨーク市大学),小野崇人(東北大学),「ユニモルフカンチレバー型熱セ

ンサの大気中における感度」,第 57 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2010.3.17-20.

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- 70 -

3-②-59. 井上裕一(東北大学),福岡 創(東北大学),石島秋彦(東北大学),「バクテリアべ

ん毛モーターの温度応答解析と局所的熱変調」,特定領域研究「膜超分子モーターの

革新的ナノサイエンス」第5回班会議,東京,2010.6.24-25.

3-②-60. 澤野峻一(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「生

体分子相互作用力計測に向けた片持ち梁カーボンナノチューブの変位検出」,第 71

回応用物理学会学術講演会,長崎,2010. 9.14-17.

3-②-61. 吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「Phase

Locked Loop による片持ち梁カーボンナノチューブの自励発振」,第 71 回応用物理学

会学術講演会,長崎,2010. 9.14-17.

3-②-62. 山口圓(大阪大学),中野雅博(大阪大学),円山拓行(大阪大学),吉村成弘(京都

大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「ナノチューブプローブを用

いたタンパク質間の特異的相互作用力の検出」,第 71 回 応用物理学会学術講演会,

長崎,2010. 9.14-17.

3-②-63. 福岡 創(東北大学),寺澤 隼(東北大学),井上裕一(東北大学),高橋泰人(東北

大学),石島秋彦(東北大学),「Synchronous regulation of multiple flagellar motors on a

single Escherichia coli cell」,第 48 回日本生物物理学会年会,仙台,2010. 9.20-22.

3-②-64. Takashi Sagawa(東北大学),Hajime Fukuoka(東北大学), Hiroto Takahashi(東北大

学), Yu Kikuchi(東北大学), Yuichi Yuichi(東北大学), Akihiko Ishijima(東北大学),

「Measurement of rotation of multiple flagellar motors on a single cell with chemotactic

substrates,走化性物質存在下における単一細胞上の複数べん毛モーターの回転計測」,

第 48 回日本生物物理学会年会, 仙台, 2010.9.20-22.

3-②-65. 村上寛徳(九工大情報工), ○入佐正幸(九工大情報工), 石島秋彦(東北大多元研),

「Enskog 理論と SPT による液体窒素の輸送係数の計算」,第 33 回溶液化学シンポジウ

ム,京都,2010.11.17.

3-②-66. 福岡 創(東北大学),清水孝浩(東北大学),井上裕一(東北大学),高橋泰人(東北

大学),石島秋彦(東北大学),「偏光による蛍光分子の配向検出のための顕微鏡構築」,

第 36 回日本生体エネルギー研究会・特定領域研究「革新的ナノバイオ」合同シンポ

ジウム,大阪,2010.11.18-20.

2011 年

3-②-67. 山口 圓(大阪大学),中野雅博(大阪大学),円山拓行(大阪大学),吉村成弘(京都

大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブプロー

ブを用いたタンパク質間の特異的相互作用力の一分子計測」,ナノ・バイオメディシ

ンシンポジウム第 4 回ナノ・バイオメディカル学会大会,愛知,2011. 2.21-22.

3-②-68. 猪股直生(東北大学),戸田雅也(東北大学),川合祐輔(東北大学),小野崇人(東

北大学),「液中における細胞熱計測のための真空封止型マイクロカンチレバー熱セン

サ」,平成 23 年電気学会全国大会,大阪,2011.3.16-18.

3-②-69. 恵美健央(大阪大学),千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪

大学),「電界電子放出時におけるカーボンナノチューブ先端構造の破壊機構」,日本

機械学会関西学生会 平成 22 年度卒業研究発表講演会,京都,2011. 3.18.

3-②-70. 十三元誓(大阪大学),千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪

大学),「カーボンナノチューブの共振を用いた生体一分子質量計測に関する研究」,

日本機械学会関西学生会 平成 22 年度卒業研究発表講演会,京都,2011. 3.18.

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- 71 -

3-②-71. 吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「片持ち

梁カーボンナノチューブの熱膨張による振動」,第 58 回応用物理学関係連合講演会,

神奈川,2011.3.24-27.

3-②-72. 湯浅祐一(大阪府立大学),吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋

田成司(大阪府立大学),「片持ち梁グラファイト箔の Heterodyne 検波による光学的振

動解析」,第 58 回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2011.3.24-27.

3-②-73. 井上裕一(東北大学),ATP 駆動型モーターの局所的熱変調、新学術領域研究「水を

主役とした ATP エネルギー変換」,全体会議,大阪,2011.8.11.

3-②-74. 山口 圓(大阪大学),松永直之(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成

司(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),「カーボンナノチューブ共振の原子間力

顕微鏡内電気的検出」,第 72 回応用物理学会学術講演会,山形,2011. 8. 29 – 9. 2.

3-②-75. 恵美健央(大阪大学),千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪

大学),「電界放出下におけるカーボンナノチューブの構造変化」,第 72 回応用物理学

会学術講演会,山形,2011. 8. 29 – 9. 2.

3-②-76. 猪股直生(東北大学),戸田雅也(東北大学), 小野崇人(東北大学),「液中での細

胞熱計測のための真空封止マイクロカンチレバー型熱量センサの作製と評価」, 第

72 回応用物理学会学術講演会,山形,2011.8.29-9.2.

3-②-77. 湯浅祐一(大阪府立大学),吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋

田成司(大阪府立大学),「熱励起位置変化による片持ち梁グラファイト箔の振動への

影響」,第 72 回応用物理学会学術講演会,山形,2011.8.29-9.2.

3-②-78. 吉仲 淳(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「熱

膨張による片持ち梁カーボンナノチューブの振動(II)」,第 72 回応用物理学会学術講

演会,山形,2011.8.29-9.2.

3-②-79. Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.) Yuichi Inoue (Tohoku Univ.),Hiroto Takahashi (Tohoku

Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.),“ Consideration of the role of CheZ in the

intracellular signaling of Escherichia coli cell(細胞内シグナル伝達における CheZ の役割

についての考察)”,The 49th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan. Hyogo,

2011.9.16-18.

3-②-80. Mitsunori Nagata (Tohoku Univ.), Hiroshi Matsutaka (Tohoku Univ.),Yuichi Inoue(Tohoku

Univ.), Takeru Okada(Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima(Tohoku Univ.),“Local heating of

myosin motors using single carbon nanotubes”,The 49th Annual Meeting of the Biophysical

Society of Japan. Hyogo, 2011.9.16-18.

3-②-81. Takashi Sagawa (Tohoku Univ.), Yu Kikuchi (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku

Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), Takahiro Muraoka

(Tohoku Univ.), Kazushi Kinbara (Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.)

“Real-time video nanometry and controlled laser irradiation reveals a cellular response time

of E. coli cell for chemoattractant. ”,The 49th Annual Meeting of the Biophysical Society of

Japan. , Hyogo, 2011.9.16-18.

3-②-82. 村上寛徳(九工大情報工),岡田健(東北大多元研),入佐正幸(九工大情報工),石

島秋彦(東北大多元研),「水中のカーボンナノチューブが受ける抗力の流体力学に

よる計算」,第 34 回溶液化学シンポジウム,名古屋,2011.11.16.

2012 年

3-②-83. 永田光範(東北大学),松鷹 宏(東北大学),井上裕一(東北大学),岡田 健(東北

大学),石島 秋彦(東北大学),「カーボンナノチューブへの局所レーザー照射による

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- 72 -

アクトミオシン運動制御」,2012 年 生体運動研究合同班会議,筑波大学,茨城,2012.1.6-2012.1.8.

3-②-84. 苅谷 涼(名古屋大学),丸山央峰(名古屋大学),新井史人(名古屋大学),「水中に

おける単一カーボンナノチューブの熱伝導率計測」,第 42 回フラーレン・ナノチュー

ブ・グラフェン総合シンポジウム,東京,2012. 3. 7.

3-②-85. 佐野利樹(大阪大学),Shahbaz Kahn(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜

萬(大阪大学),「カーボンナノチューブを用いた単一生体分子力計測」,日本機械

学会関西学生会,平成 23 年度卒業研究発表講演会,大阪,2012.3.15.

<国際会議>

2006 年

3-②-86. Sang-Jin Kim (Tohoku Univ.), T. Ono (Tohoku Univ.), M. Esashi (Tohoku Univ.), “Mass

detection using capacitive resonant silicon sensor”, IEEE SENSORS, Daegu, Korea,

2006.10.22-25.

3-②-87. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.) and S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.),

“Single-molecule structural and functional analyses of nuclear pore complex.” International

Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human Science 2006, Nagoya, 2006.11.7.

3-②-88. S. Sawaya (Osaka Prefecture Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture

Univ.), “Mechanical Vibration Properties of Cantilevered Carbon Nanotubes”, 14th Int.

Colloq. on Scanning Probe Microscopy and Asia SPM, Atagawa, 2006. 12.

2007 年

3-②-89. K. Takeyasu (Kyoto Univ), M. Yokokawa (Kyoto Univ), H. Takahashi (Kyoto Univ), Y.

Hirano (Kyoto Univ), R.L. Ohniwa (Kyoto Univ), K. Hizume (Kyoto Univ) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ), “Biological application of nano-scale imaging and single-molecule

manipulation techniques”, Kanazawa Workshop on Atomic Force Microscopy, Kanazawa,

2007. 1.15-18.

3-②-90. Fumihito Arai (Tohoku Univ.), Moeto Nagai (Nagoya Univ.), Akio Shimizu (Nagoya Univ.),

Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), Toshio Fukuda (Nagoya Univ.), “Fluorescence

Visualization of Carbon Nanotubes Using Quenching Effect for Nanomanipulation”,

Proceedings of the 2nd IEEE International Conference on Nano/Micro Engineered and

Molecular Systems, Bangkok, Thailand, 2007.1.16-19.

3-②-91. K. Takeyasu (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), Y. Hirano (Kyoto Univ.) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nano-scale imaging and single-molecule manipulation

techniques for uncovering the nuclear architectures and dynamics”, IX Annual Linz Winter

Workshop, Linz, 2007. 2. 4.

3-②-92. Sang-Jin Kim (Presenting), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Masayoshi Esashi (Tohoku Univ.),

and Akio Ishijima(Tohoku Univ.), “Thermal Detection using Dual Resonance Mode of

Probe”, International Symposium on Measurement Technology and Intelligent Instruments,

Sendai, Japan, 2007.9.24-27.

3-②-93. S. Otsuka (Kyoto Univ.), Y. Hirano (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), M. Kumeta

(Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.),

“Single-molecule imaging, force measurement and fluorescence observation reveal protein

and chromosome dynamics around the nuclear envelope”, International Symposium on

Micro-Nano Mechatronics and Human Science, Nagoya, Japan, 2007.11.

2008 年

3-②-94. Masaya Toda (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Wongje Cho (Tohoku Univ.),

Sang-Jin Kim (Tohoku Univ.), Masayoshi Esashi (Tohoku Univ.), “Fabrication of nano

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- 73 -

mechanical probe for thermal sensing”, International Workshop on Nanomechanical

Cantilever Sensors, Mainz Germany, 2008.5.19-21.

3-②-95. Akihiro Takahashi (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), and Masayoshi Esashi

(Tohoku Univ.), “Quartz-crystal scanning probe microcantilevers with a silicon tip based on

direct bonding of silicon and quartz”, The 4th Asia Pacific Conference on Transducers and

Micro/Nano Technologies (APCOT 2008), 2008.6.22-25.

3-②-96. Zhonglie An (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), and Masayoshi Esashi (Tohoku

Univ.), “Piezoresistive silicon microresonator with carbon nanotubes for mass detection”,

The 4th Asia Pacific Conference on Transducers and Micro/Nano Technologies (APCOT

2008), 2008.6.22-25.

3-②-97. Y. G. Jiang (Tohoku Univ.), T. Ono (Tohoku Univ.), Z. L. An (Tohoku Univ.), and M. Esashi

(Tohoku Univ.), “Piezoresistive nanocantilevers with an ultra-shallow boron doped layer

using spin-on diffusion method for MRFM application”, The 4th Asia Pacific Conference on

Transducers and Micro/Nano Technologies (APCOT 2008), 2008.6.22-25.

3-②-98. K. Hata (Osaka Prefecture Univ.), Y. Nakayama (Osaka Prefecture Univ.) and S. Akita

(Osaka Prefecture Univ.), “Response of Carbon Nanotube Field Effect Transistors to

Vibrating Gate”, 2008 International Conference on Solid State Device and Materials,

Tsukuba, 2008.9.

3-②-99. Yonggang Jiang (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Jinyang Feng (Tohoku Univ.),

and Masayoshi Esashi (Tohoku Univ.), “Experimental investigation on nonlinearity of single

crystal silicon nanocantilevers”, The 2nd IEEE Nanotechnology Materials and Devices

Conference (NMDC 2008), Kyoto, Japan, 2008.10.20-22.

3-②-100. S. Fukami (Osaka Prefecture Univ.), S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), K. Nakachi (Osaka

Prefecture Univ.) and S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Effect of Gaseous Dissipation of

Oscillating Cantilevered Carbon Nanotubes”, 21st International Microprocesses and

Nanotechnology Conference, Fukuoka, 2008.10.27-30.

3-②-101. Y. Ueno (Osaka Prefecture Univ.), H. Somada (Osaka Prefecture Univ.), K. Hirahara (Osaka

Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.) and S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), "Molecular

Dynamics Simulations for Molecular-Linear-Motor inside Nanotube", 21st International

Microprocesses and Nanotechnology Conference, Fukuoka, 2008.10.27-30.

3-②-102. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Yoko Yamanishi (Tohoku Univ.), Fumihito Arai (Tohoku

Univ.), “Multi Scale Temperature Measurement on Microfluidic chip”, 2008 International

Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human Science, Nagoya, Japan, 2008.11. 6.

3-②-103. K. Hizume (Kyoto Univ.), S. Araki (Kyoto Univ.), K. Yoshikawa (Kyoto Univ.), K. Takeyasu

(Kyoto Univ.) and S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Nano-Scale Observation of Higher-Order

Genome Structure Reconstituted from DNA and Chromosome Proteins”, International

Symposium on Micro-NanoMechatronics and Human Science, 2008. 11. 7.

2009 年

3-②-104. Masaya Toda (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Wongje Cho (Tohoku Univ.),

and Masayoshi Esashi (Tohoku Univ.), “Heat sensing with self-excited microcantilever in

water”, International Workshop on Nanomechanical Cantilever Sensors, Jeju, Korea,

2009.5.20-22.

3-②-105. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Takahiro Kato (Tohoku Univ.) and Fumihito Arai (Tohoku

Univ.), “Evaluation of Thermal Conduction of Single Carbon Nanotube by Local Heating in

Air”, 2009 9th IEEE Conference on Nanotechnology, Italy, 2009.7. 26-30.

3-②-106. N. Nei (Osaka Prefecture Univ.), T. Ikeyama (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka

Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Photo-Response of Carbon Nanotube

FETs with Thick Piezoelectric Gate Insulator”, 2009 International Conference on Solid State

Device and Material, Sendai, Miyagi, 2009.10.7-9.

Page 74: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 74 -

3-②-107. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Takahiro Kato (Tohoku Univ.), Hisataka Maruyama (Tohoku

Univ.), Fumihito Arai (Tohoku Univ.), “Microfluidic Chip with World-to-Chip Interface For

Temperature Detection in Micro-nanoscale”, 2009 International Symposium on

Micro-NanoMechatronics and Human Science, 2009.11. 8-11.

3-②-108. S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), Takayuki Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita

(Osaka Prefecture Univ.), “Mechanical resonance of carbon nanotubes in liquid”, 22nd

International Microprocesses and Nanotechnology Conference, Sapporo, Hokkaido,

2009.11.16-19.

2010 年

3-②-109. S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Solubilization and Fluorescence Labeling of Carbon

Nanotubes for Biological Applications”, AEARU2010, Tsukuba, Japan, 2010. 8. 31.

3-②-110. Y. Ohshima (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Transient thermal response of an individual carbon nano-tube”, 2010

International Conference on Solid State Device and Material, Tokyo, Japan, 2010.9.22-24.

3-②-111. K. Oda (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Doubly-suspended carbon nanotube resonator for ultrasensitive mass

measurement”, 2010 International Conference on Solid State Device and Material, Tokyo,

Japan, 2010.9.22-24.

3-②-112. S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Displacement Measurement of Carbon Nanotube in Liquid toward

Interactive Force Sensing of Biological Molecules”, MNC2010 23th International

Microprocesses and Nanotechnology Conference, Fukuoka, Japan, 2010.11. 9-12.

3-②-113. N. Matsunaga (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Electrical Detection of the Resonance of a Cantilevered Carbon

Nanotube”, MNC2010 23th International Microprocesses and Nanotechnology Confe-rence,

Fukuoka, Japan, 2010.11.9-12.

2011 年

3-②-114. Y. Yuasa (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Optical Heterodyne Detection Visualizes the Spatial Resonance of

Multilayer Graphene Cantilevers”, NT11 Satellite Symposia - Metrology, Standardization

and Industrial Quality of Graphene and Nanotubes (MSIGN11), Cambridge, UK,

2011.7.15-16.

3-②-115. Hisataka Maruyama (Nagoya Univ.), Taisuke Masuda (Nagoya Univ.), Kyohei Tomita

(Nagoya Univ.), Fumihito Arai (Nagoya Univ.), “Local Temperature Measurement and

Control Using Functional Gel-Tool Containing a Quantum Dot by Color Analysis of

Fluorescence Spectrum”, The First International Conference on Manipulation, manufacturing

and Measurement on the Nanoscale, Changchun, China, 2011.8.30.

3-②-116. J. Suzuki (Osaka Prefecture Univ.), S. Kataoka (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka

Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Effect of ionic liquid on transfer

characteristic of graphene channel on PZT”, 2011 International Conference on Solid State

Device and Material, Nagoya, 2011.9.28-30.

3-②-117. N. Matsunaga (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Self-detecting Resonance of a Cantilevered Carbon Nanotube Field Effect

Transistor”, QNN2011 International Workshop on Quantum Nanostructures and

Nanoelectronics, Komaba, Tokyo, 2011.10.3-4.

3-②-118. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Masaya Toda (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.),

“Vacuum-packaged Resonant Thermal Sensor for Biological Cell in liquid”, 24th

Page 75: 研究終了報告書 - JST...Biomechanics Biomechanics (BioMech 2011), 751-008, Pittsburgh (2011). 概要:シリコンプローブにCNT アームを取り付け、その先端にimportin

- 75 -

International Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2011) , Kyoto, Japan,

2011.10.24-27 .

3-②-119. Y. Yuasa (Osaka Prefecture Univ.), A. Yoshinaka (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka

Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Cantilevered Multilayer Graphene

Mechanical Oscillator”, MNC2011 24th International Microprocesses and Nanotechnology

Conference, Kyoto, 2011.10.24-27.

3-②-120. M. Yamaguchi (Osaka Univ.), M. Nakano (Osaka Univ.), R. Senga (Osaka Univ.), H

Maruyama (Osaka Univ.), S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), and Y. Nakayama (Osaka Univ.),

“Specific interaction studied by single-molecule force measurement using a carbon nanotube

probe”, The 6th IASTED International Conference on Biomechanics (BioMech 2011),

751-008, Pittsburgh, USA, 2011.11.7-9.

2012 年

3-②-121. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Masaya Toda(Tohoku Univ.), Masaaki Sato(Tohoku Univ.),

Akihiko Ishijima(Tohoku Univ.),Takahito Ono(Tohoku Univ.), “Resonant Thermal Sensor for

a Living Cell in liquid”, IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical

Systems (MEMS 2012), Paris,France,2012.1.29-2.2

③ ポスター発表(国内会議 53 件、国際会議 57 件)

<国内会議>

2006 年

3-③-1. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ.), “Single-molecule Structural and Functional Analyses of Nuclear

Pore Complex”, 日本分子生物学会 2006 フォーラム,愛知,2006. 12. 7.

2007 年

3-③-2. 澤谷慎太郎(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),“Diameter-Dependent Dissipation of Vibration Energy of Cantilevered Multiwall Carbon

Nanotubes”,第 32 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,愛知,2007. 2. 13-15.

3-③-3. 杣田博史(大阪府立大学),吉川雄也(大阪府立大学),長瀧篤子(大阪府立大学),

秋田成司(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),“Current-Induced Structural Change

of Fullerene-Encapsulated Single Wall Carbon Nanotubes”,第 32 回フラーレン・ナノチ

ューブ総合シンポジウム,愛知,2007. 2. 13-15.

3-③-4. 新井史人(東北大学),猪股直生(東北大学),山西陽子(東北大学),大川原竜人(東

北大学),林育菁(東北大学),「オンチップ細胞操作システムに関する研究―その 4:

蛍光試薬のオンデマンド投与―」,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演

会’07,秋田,2007. 5. 10-12.

3-③-5. 新井史人(東北大学),猪股直生(東北大学),大川原竜人(東北大学),山西陽子(東

北大学),林 育菁(東北大学),「蛍光試薬のオンデマンド投与を用いたカーボンナノ

チューブの観察」,第 15 回化学とマイクロ・ナノシステム研究会,宮城,2007. 5. 25-26.

3-③-6. 田中裕人(科技振・さきがけ),石島秋彦(東北大学),「ミオシン分子モーターの運

動モデル(1 分子と多分子システムでの相互作用距離に注目して)」,日本生物物理学

会第 45 回年会,神奈川,2007. 12. 21-23.

3-③-7. 和田智之(名古屋大学),福岡創(東北大学),小嶋誠司(名古屋大学),石島秋彦(東

北大学),「共役イオン依存的なナトリウムイオン駆動型べん毛モーターの固定し複合

体の集合」,日本生物物理学会第 45 回年会,神奈川,2007. 12. 21-23.

3-③-8. 井上裕一(東北大学),福岡創(東北大学),高橋泰人(東北大学),曽和義幸(Oxford),

本間道夫(名古屋大学),石島秋彦(東北大学),「ナトリウムイオン駆動型べん毛モ

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- 76 -

ーターによる回転計測と分子ダイナミクスの解析」,日本生物物理学会第 45 回年会,

神奈川,2007. 12. 21-23.

3-③-9. 西山雅祥(京都大学),曽和義幸(Oxford),熊崎茂一(京都大学),木村佳文(京都

大学),本間道夫(名古屋大学),石島秋彦(東北大学),寺嶋正秀(京都大学),「高

圧力によるべん毛モーターの逆回転運動」,日本生物物理学会第 45 回年会,神奈川,2007. 12. 21-23.

3-③-10. 福岡創(東北大学),齋藤健太(北海道大学),永井健治(北海道大学),本間道夫(名

古屋大学),石島秋彦(東北大学),「イオン駆動回転モーター構成素子の GFP による

一分子標識」,日本生物物理学会第 45 回年会,神奈川,2007. 12. 21-23.

3-③-11. 坂野聡美(法政大学),石島秋彦(東北大学),本間道夫(名古屋大学),川岸郁朗(法

政大学),「大腸菌の走化性受容体の膜中の動きに対する細胞骨格タンパク質の関与」,

日本生物物理学会第 45 回年会,パシフィコ横浜,神奈川,2007. 12. 21-23.

2008 年

3-③-12. 武田訓昌(東北大学),田中裕人(科技振・さきがけ),井上裕一(東北大学),石島

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3-③-13. 深見瞬(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「片持ち梁ナノチューブの高感

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3-③-14. 畑晃輔(大阪府立大学),中山喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),「走査型

ゲート顕微鏡を用いたカーボンナノチューブ電界効果型トランジスタの振動ゲート

に対する応答」,第 34 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,愛知,2008. 3.

3-5.

3-③-15. Naoki Inomata (Tohoku University),Yoko Yamanishi (Tohoku University), Fumihito Arai

(Tohoku University), “Manipulation and Observation of Carbon Nanotubes in Microfluidic

Chip Under Optical Microscope”, 第 34 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム

FNT Sympo 34,名古屋,2008.3.3-5.

3-③-16. 佐藤峻(大阪府立大学),荒木義昭(大阪府立大学),金田亮(大阪府立大学),中山

喜萬(大阪大学),秋田成司(大阪府立大学),「アニールによるカーボンナノコイル

の機械的特性への影響」,第 35 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,東京,2008. 8. 27-29.

3-③-17. 上野吉範(大阪府立大学),杣田博史(大阪府立大学),平原佳織(大阪大学),中山

喜萬(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「ナノチューブ内分子リニアモー

ターにおける温度依存性の分子動力学計算」,第 35 回フラーレン・ナノチューブ総合

シンポジウム,東京,2008. 8. 27-29.

3-③-18. S. Sato (Osaka Prefecture Univ.),Y. Araki (Osaka Prefecture Univ.),R. Kanada (Osaka

Prefecture Univ.),Y. Nakayama (Osaka Univ.),and S. Akita (Osaka Prefecture Univ.),「ア

ニールによるカーボンナノコイルの機械的特性への影響」,第 35 回記念フラーレン・

ナノチューブ総合シンポジウム,東京, 2008. 8. 27-29.

3-③-19. 岡田健(東北大学),石島秋彦(東北大学),「体分子を用いた水中におけるカーボン

ナノチューブの熱伝導評価」,69 回応用物理学会学術講演会,中部大学 三浦幸平メ

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- 77 -

3-③-20. Takehiko Inaba (Tohoku Univ.),Satomi Banno (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku

Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.) and Ikuro Kawagishi (Tohoku Univ.), 「全反射顕

微鏡による大腸菌走化性レセプターの膜内クラスター動態観察」,日本生物物理学会

第 46 回年会,福岡国際会議場,福岡, 2008. 12. 3-5.

3-③-21. Masaaki Sato (Tohoku Univ.) and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), 「アクトミオシン収縮

システムにおけるアクチンとミオシンの協同的相互作用の検証」,日本生物物理学会

第 46 回年会,福岡国際会議場,福岡, 2008. 12. 3-5.

3-③-22. Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Shun Terasawa (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku

Univ.), Takeharu Nagai (Tohoku Univ.) and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), 「FRAP 実験

による機能的べん毛モーター回転子構成タンパク質の交換の可視化」,日本生物物理

学会第 46 回年会, 福岡国際会議場,福岡, 2008. 12. 3-5.

3-③-23. Kuniaki Takeda (Tohoku Univ.), Hiroto Tanaka (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku Univ.)

and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), 「低温におけるアクトミオシン滑り運動の 1 分子

計測」,日本生物物理学会第 46 回年会,福岡国際会議場,福岡, 2008. 12. 3-5.

3-③-24. Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Kuniaki Takeda (Tohoku Univ.),Hajime Fukuoka (Tohoku

Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.) and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), 「温度変化

によるキメラべん毛モーターの回転トルク応答」,日本生物物理学会第 46 回年会,福

岡国際会議場,福岡, 2008.12.3-5.

2009 年

3-③-25. 加藤貴広(東北大学),猪股直生(東北大学),丸山央峰(東北大学),新井史人(東

北大学),「World-to-chip インタフェースを有するマイクロ流体チップによる局所温度

計測」,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’09,福岡,2009. 5. 25-26.

3-③-26. 深見瞬(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),「低

温における片持ち梁カーボンナノチューブ振動」,第 37 回フラーレン・ナノチューブ

総合シンポジウム,つくば,2009. 9. 1-3.

3-③-27. 西井亮介(大阪府立大学),小田康太(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),

秋田成司(大阪府立大学)。「片持ち梁カーボンナノチューブ力センサの設計と作製」,

第 37 回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,つくば,2009. 9. 1-3.

3-③-28. 井上裕一(東北大学),福岡創(東北大学),石島秋彦(東北大学),「高温におけるキ

メラべん毛モーターの回転トルク応答」, 47 回日本生物物理学会,徳島,2009.

10.30-11.1.

3-③-29. 西山雅祥(京大院理&科技振),曽和義幸(法政大学),熊崎茂一(京大),木村佳文

(京大),本間道夫(名大),石島秋彦(東北大学),寺嶋正秀(京大),「バクテリア

べん毛モーターの熱力学的コントロール」,第 47 回日本生物物理学会,徳島,2009.

10.30-11.1.

3-③-30. 寺澤隼(東北大学),福岡創(東北大学),高橋泰人(東北大学),井上裕一(東北大

学),石島秋彦(東北大学),「同一細胞におけるべん毛モーター回転運動の同時計測」,

第 47 回日本生物物理学会,徳島,2009. 10.30-11.1.

3-③-31. 大竹智之(東北大学),丸山央峰(東北大学),佐藤政秋(東北大学),石島秋彦(東

北大学),新井史人(東北大学),「細胞の代謝活性計測のための酸素濃度モニタリン

グ手法の基礎検討」,第 20 回化学とマイクロ・ナノシステム研究会,金沢,2009. 11.

8.

2010 年

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- 78 -

3-③-32. 中野雅博(大阪大学),中山喜萬(大阪大学)「1 分子計測用カーボンナノチューブシ

ートの開発」,生命現象解明のための計測分析 さきがけ・CREST 研究報告会,東京,2010. 1. 13-14.

3-③-33. 有江隆之(大阪府立大学),西井亮介(大阪府立大学),小田康太(大阪府立大学),

秋田成司(大阪府立大学)。「質量計測を目指したカーボンナノチューブ共振デバイス」,

生命現象解明のための計測分析 さきがけ・CREST 研究報告会,東京,2010.1.13-14.

3-③-34. 澤野峻一(大阪府立大学),有江隆之(大阪府立大学),秋田成司(大阪府立大学),

「生体反応のその場観察を目指した片持ち梁カーボンナノチューブ振動子」,生命現

象解明のための計測分析 さきがけ・CREST 研究報告会,東京,2010. 1. 13-14.

3-③-35. Masaaki Sato (Tohoku Univ.), Masaya Toda (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.),

Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), Measurement of heat produced by a single brown

adipocyte using bimetal cantilever, 第 62 回日本細胞生物学会大会, 2010.5.19.

3-③-36. M. Toda (Tohoku Univ.), N. Inomata (Tohoku Univ.) and T. Ono (Tohoku Univ.), “Ultra-high

sensitive bimorph cantilever for heat sensing”, 第 27 回「センサ・マイクロマシンと応用

システム」シンポジウム,島根,2010. 10. 14.

3-③-37. Yu Kikuchi (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku Univ.),

Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), Takahiro Muraoka (Tohoku Univ.), Kazushi Kimbara

(Tohoku Univ.), and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.). Measurement of rotational behavior of

flagellar motors in E. coli induced by caged serine,第 48 回日本生物物理学会年会, 仙台,

2010.9.20-22.

3-③-38. Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku

Univ.) Analysis of torque steps of the bacterial flagellar motor induced by heating,第 48 回

日本生物物理学会年会, 仙台, 2010.9.20-22.

3-③-39. Hiroyasu Aizawa (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku

Univ.), Single molecule measurement of actomyosin motors at low temperature,第 48 回日

本生物物理学会年会, 仙台, 2010.9.20-22.

3-③-40. Takahiro Shimizu (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku

Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.),“Construction of

the optical system detecting the orientation of molecule from the polarization of

fluorescence”,第 48 回日本生物物理学会年会, 仙台, 2010.9.20-22.

3-③-41. Hiroshi Matsutaka (Tohoku Univ.), Takeru Okada (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku

Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Shahbaz Khan (Kyoto Univ.), Shige H. Yoshimura

(Kyoto Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), “Direct observation of carbon nanotube in

solution by surfactant-terminated fluorescent labeling”,第 48 回日本生物物理学会年会, 仙

台, 2010.9.20-22.

3-③-42. Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Shun Terasawa (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku

Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), “Synchronous

regulation of multiple flagellar motors on a single Escherichia coli cell”, 第 48 回日本生物

物理学会年会, 仙台, 2010. 9.20-22.

3-③-43. Takashi Sagawa (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku

Univ.), Yu Kikuchi (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue(Tohoku Univ.), Akihiko Ishijima(Tohoku

Univ.),“Measurement of rotation of multiple flagellar motors on a single cell with

chemotactic substrates”,第 48 回日本生物物理学会年会, 仙台, 2010.9.20-22.

3-③-44. 井上裕一(東北大学),福岡 創(東北大学),石島秋彦(東北大学),「生体分子モータ

ー活性の局所的熱変調」,第 36 回日本生体エネルギー研究会・特定領域研究「革新的

ナノバイオ」合同シンポジウム, 大阪, 2010.11.18-20.

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- 79 -

2011 年

3-③-45. 冨田恭平(名古屋大学),丸山央峰(名古屋大学),新井史人(名古屋大学),「蛍光ゲ

ル 温度センサを用いた水中での単一カーボンナノチューブの熱伝導率評価」,第 40

回記念フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム,愛知, 2011. 3. 10.

3-③-46. 中野雅博(大阪大学),吉村成弘(京都大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「カーボンナノチューブを利用した特異的分子間相互作用力の計測」,第 58

回応用物理学関係連合講演会,神奈川,2011.3.24-27.

3-③-47. 冨田恭平(名古屋大学),丸山央峰(名古屋大学),新井史人(名古屋大学),「ゲル温

度センサを用いたカーボンナノチューブの液中熱伝導性評価」,ロボティクス・メカ

トロニクス講演会‘11,岡山, 2011. 5. 27.

3-③-48. 恵美健央(大阪大学),千賀亮典(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大

阪大学),「カーボンナノチューブの電子エミッターとしての構造安定性」,日本画像

学会年次大会(通算 107 回),東京,2011. 6. 6-8.

3-③-49. Masaaki Sato(Tohoku Univ.), Masaya Toda(Tohoku Univ.), Takahito Ono(Tohoku Univ.) and

Akihiko Ishijima(Tohoku Univ.),“Quantitative analysis of heat production of brown

adipocytes using, bimetal cantilever” , 第 63 回 日本細胞生物学会大会 , 札幌 ,

2011.6.27-29.

3-③-50. 井上裕一(東北大学),福岡 創(東北大学),石島秋彦(東北大学),ATP 駆動型モ

ーターの局所的熱変調,新学術領域研究「水を主役とした ATP エネルギー変換」,

前期 研究成果報告会,大阪,2011.8.9-11.

3-③-51. 猪股直生(東北大学),戸田雅也(東北大学),小野崇人(東北大学),「液中における

細胞熱計測のための真空封止マイクロカンチレバー型熱量センサ」,第 28 回「セン

サ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム,東京,2011. 9. 26-27.

3-③-52. 村上寛徳(九工大情報工),岡田健(東北大多元研),入佐正幸(九工大情報工),石

島秋彦(東北大多元研),水中のカーボンナノチューブが受ける抗力の流体力学によ

る計算,第 34 回溶液化学シンポジウム,名古屋,2011.11.16.

2012 年

3-③-53. 村上寛徳(九工大情報工),岡田健(東北大多元研),入佐正幸(九工大情報工),石

島秋彦(東北大多元研),「水中のカーボンナノチューブが受ける抗力の流体力学によ

る計算」,2011 日本生物物理学会九州支部例会,飯塚,2012.12.4.

<国際会議>

2006 年

3-③-54. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.) and S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.),

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Okinawa, 2006. 11. 13.

3-③-55. H. Fukuoka (Tohoku Univ.), Y. Sowa (Oxford),S. Kojima (Nagoya Univ.),A. Ishijima

(Tohoku Univ.) and M. Homma (Nagoya Univ.), “Analysis of the movement of the

fluorescent dot composed of GFP-FliG with a flagellar basal body structure in the cell

membrane”, 5th East Asian Biophysics Symposium & 44th Annual Meeting of the

Biophysical Society of Japan, Japan, Okinawa, 2006. 11. 13-16.

3-③-56. Masayoshi Nishiyama (Kyoto Univ.), Yoshiyuki Sowa,Shigeichi Kumazaki (Kyoto Univ.),

Yoshifumi Kimura (Kyoto Univ.),Michio Homma (Nagoya Univ.),Akihiko Ishijima

(Tohoku Univ.),Masahide Terazima (Kyoto Univ.), “How does high pressure affect on the

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- 80 -

bacterial motility?”, 5th East Asian Biophysics Symposium & 44th Annual Meeting of the

Biophysical Society of Japan, Okinawa, 2006. 11. 13-16.

3-③-57. Y. Inoue (Tohoku Univ.), Y. Sowa (Oxford), M. Homma (Nagoya Univ.) and A. Ishijima

(Tohoku Univ.), “Torque-speed relationship of Na+-driven chimeric flagellar motor in

Escherichia coli”, 5th East Asian Biophysics Symposium & 44th Annual Meeting of the

Biophysical Society of Japan, Okinawa, 2006. 12. 13-16.

3-③-58. H. Fukuoka (Tohoku Univ.), Y. Sowa (Oxford), S. Kojima (Nagoya Univ.), A. Ishijima

(Tohoku Univ.) and M. Homma (Nagoya Univ.), “Analysis of the movement of the

fluorescent dot composed of GFP-FliG with a flagellar basal body structure in the cell

membrane”, 5th East Asian Biophysics Symposium & 44th Annual Meeting of the

Biophysical Society of Japan, Japan, 2006. 12. 13-16.

3-③-59. Masayoshi Nishiyama (Kyoto Univ.), Yoshiyuki Sowa,Shigeichi Kumazaki (Kyoto Univ.),

Yoshifumi Kimura (Kyoto Univ.),Michio Homma (Nagoya Univ.),Akihiko Ishijima

(Tohoku Univ.),Masahide Terazima (Kyoto Univ.), “How does high pressure affect on the

bacterial motility?”, 5th East Asian Biophysics Symposium & 44th Annual Meeting of the

Biophysical Society of Japan, Okinawa, 2006. 12. 13-16.

3-③-60. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ.), “Single-molecule Structural and Functional Analysis of Nuclear

Pore Complex”, Nanobio-Tokyo 2006, Tokyo, 2006. 12. 4-7.

3-③-61. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ.), “Single-molecule Structural and Functional Analysis of Nuclear

Pore Complex”, American Society of Cell Biology, Sun Diego, 2006. 12. 10.

2007 年

3-③-62. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S.H.

Yoshimura (Kyoto Univ.), “Single-molecule analyses of the interaction between importin β

and nuclear pore complex”, International Symposium on Functional Organization of the

Nucleus, Awajishima, Japan, 2007. 1. 9-11.

3-③-63. H. Takahashi (Kyoto Univ.), S. Kawano (Okayama U), Y. Hirano (Kyoto Univ.), K. Tsutsui

(Okayama U), K. Tsutsui (Okayama U), S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.) and K. Takeyasu

(Kyoto Univ.), “Efficient modification of AFM cantilever and applications to the recognition

imaging”, International Symposium on Functional Organization of the Nucleus, Awajishima,

2007. 1. 9-11.

3-③-64. Takahito Ono (Tohoku Univ.), Shinya Yoshida (Tohoku Univ.), Yusuke Kawai (Tohoku

Univ.), and Masayoshi Esashi (Tohoku Univ.), “Photothermal Transducer Based on

Ultrathin Bimetal Si Resonator”, IEEE MICROELECTROMECHANICAL SYSTEMS

(MEMS), Kobe, Japan, 2007. 1.21-25.

3-③-65. H. Takahashi (Kyoto Univ.), S. Kawano (Okayama Univ.), Y. Hirano (Kyoto Univ.), K.

Tsutsui (Okayama Univ.), K. Tsutsui (Okayama Univ.), S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.) and K.

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biological application.”, IX Annual Linz Winter Workshop, Linz, 2007. 2. 2-5.

3-③-66. Fumihito Arai (Tohoku Univ.), Moeto Nagai (Tohoku Univ.), Akio Shimizu (Tohoku Univ.),

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Fluorescence Visualization of Carbon Nanotubes”, 第 32 回フラーレン・ナノチューブ総

合シンポジウム FNT Sympo32, 名古屋, 2007.2.13-15.

3-③-67. S. Otsuka (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.) and S.H.

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Pore Complex”, Biophysical Society, Baltimore, 2007. 3. 7.

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Univ.), A. Nagataki (Osaka Prefecture Univ.), and S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Energy

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3-③-69. S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), S. Sawaya (Osaka Prefecture Univ.), Y. Nakayama (Osaka

Univ.), “Diameter Dependence of Oscillation-Energy Dissipation of Cantilevered Multiwall

Carbon Nanotubes”, International Conference on Nanoscience and Technology, Stockholm,

Sweden, 2007.7.

3-③-70. Sang-Jin Kim (Presenting), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Masayoshi Esashi, (Tohoku Univ.),

“Scanning Probe for Thermal Detection using the combined dual resonance mode”,

International Conference on Nano Science and Technology (ICN+T 2007), Stockholm,

Sweden, 2007.7.2-6.

3-③-71. S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), S. Sawaya (Osaka Prefecture Univ.), Y. Nakayama (Osaka

Univ.), “Dissipation of Vibration Energy of Carbon Nanotube Cantilevers”, The 4th

Korea-Japan Symposium on Carbon Nanotube, Kyoto, 2007.10.

3-③-72. H. Maruyama (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.),

“Sharpening Process of CNTs by Inducing Electrical Current” The 9th Korea-Japan

Symposium on Carbon Nanotube, Kyoto, 2007. 10.

3-③-73. S. Sawaya (Osaka Prefecture Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture

Univ.), “Dissipation of Vibration Energy of Carbon Nanotube Cantilevers”, 4th

Korean-Japanese Symposium on Carbon, Kyoto, 2007.10.

3-③-74. Fumihito Arai (Tohoku Univ.), Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Ryuto Ookawara (Tohoku

Univ.), Yoko Yamanishi (Tohoku Univ.), Yu-Ching Lin (Tohoku Univ.), “Observation of

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supports”, Proc. of the 2007 Int’l Symp. on Micro-NanoMechatronics and Human Science

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3-③-75. M. Kumeta (Kyoto Univ.), Y. Hirai (Kyoto Univ.), H. Takahashi (Kyoto Univ.), Y. Hirano

(Kyoto Univ.), S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.), “Sub-nuclear

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3-③-76. S. Otsuka (Kyoto Univ.), K. Takeyasu (Kyoto Univ.), S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.),

“Single-molecule force measurement revealed the characteristics of protein transport through

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Washington DC, 2007. 12. 4.

2008 年

3-③-77. Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Chien-Jung Lo (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku

Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), Yoshiyuki Sowa (Oxford), Teuta Pilizota, George H.

Wadhams, Michio Homma (Nagoya Univ), Richard M. Berry and Akihiko Ishijima (Tohoku

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Univ.) and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), “Single molecular labeling of rotor component

for detection of rotor rotation in bacterial flagellar motor”, Gordon Research Conferences,

Sensory Transduction In Microorganisms, Ventura Beach Marriott, Ventura, CA.

2008.1.13-18.

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thermal sensing", International Workshop on Nanomechanical Sensors, Mainz, Germany,

2008.5.19-21.

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- 82 -

3-③-80. H. Maruyama (Osaka Univ.), S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture

Univ.), A. Nagataki (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.),

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2008.6.29.

3-③-81. S. Akita (Osaka Prefecture Univ.) and Y. Nakayama (Osaka Univ.), "Carbon Nanotube

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Nanotubes, Montpellier, France, 2008.6.

3-③-82. Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Yoko Yamanishi (Tohoku Univ.), Fumihito Arai (Tohoku

Univ.), “Manipulation and Observation of Carbon Nanotubes in Water Using Microfluidic

Chip under Optical Microscope”, IEEE-NANO2008, Texas, USA, 2008.8.18-21.

3-③-83. M. Nakano (Osaka Univ.), F. Ozaki (Osaka Univ.), T. Matsuda (Osaka Univ.), K. Hirahara

(Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ), “Trapping Protein Molecules by Carbon

Nanotube/resin sheet”, The 5th Korea-Japan Symposium on Carbon Nanotube, Busan,

2008.11.

3-③-84. S. Otsuka (Kyoto Univ.), S. Iwasaka (Kyoto Univ.), Y. Yoneda (Osaka Univ.), K. Takeyasu

(Kyoto Univ.) and S.H. Yoshimura (Kyoto Univ.), “Individual binding pockets of importin

β for FG- nucleoporins have different binding characteristics and different sensitivities to

RanGTP”, Annual Meeting of American Society for Cell Biology, San Francisco, 2008. 12.

17.

3-③-85. Yonggang Jiang (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), Masayoshi Esashi (Tohoku

Univ.), “Characterization of the temperature dependent mechanical properties of

piezoresistive nanocantilevers”, Proceedings of the Eighth International Symposium on

Advanced Fluid Information and Transdisciplinary Fluid Integration, Sendai, 2008.12.19-20.

2009 年

3-③-86. S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), and S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Carbon Nanotube Resonator in Liquid”, International Symposium on

Carbon Nanotube Nanoelectronics, Matsushima, Miyagi, 2009.6.9-12.

3-③-87. Yonggang Jiang (Tohoku Univ.), Takahito Ono (Tohoku Univ.), and Masayoshi Esashi

(Tohoku Univ.), “Development of 100-nm-thick self-sensing nanocantilever and

characterization of the temperature dependence of the piezoresistivity and conductivity”,

Proceeding of International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems,

15 (2009), 1309-1312. Denver, USA, 2009.6.21-25.

3-③-88. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.) “Hydrophobic interaction between importin and

nucleoporins facilitates fast and selective transport through the nuclear pore complex”,

EMBO conference on Nuclear Structure & Dynamics 2009”, L’Isle-sur-la-Sorgue, France,

2009. 9. 30.

3-③-89. R. Senga (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Structural

Changes of C60 Molecules by Electron Beam Irradiation for Attachment of Carbon

Nanotubes”, The 6th Korea-Japan Symposium on Carbon Nanotube, Ginowan, Okinawa,

2009.10.25-28.

3-③-90. S. Fukami (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Temperature Dependence of Cantilevered Carbon Nanotube Oscillation”,

22nd International Microprocesses and Nanotechnology Conference, Sapporo, Hokkaido,

2009. 11.

3-③-91. S. H. Yoshimura (Kyoto Univ.) “Hydrophobic interaction between importin and

nucleoporins facilitates fast and selective transport through the nuclear pore complex”,

Annual Meeting of American Society for Cell Biology、San Diego, USA, 2009. 12. 6.

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- 83 -

2010 年

3-③-92. Yuichi Inoue (Tohoku Univ.), Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), and Akihiko Ishijima

(Tohoku Univ.), Torque steps in the temperature response of the chimeric bacterial flagellar

motor,International Symposium of Joint Research Network on Advanced Materials and

Devices 「彫」, 苫小牧, 2010.3.25-26.

3-③-93. Hajime Fukuoka (Tohoku Univ.), Shun Terasawa (Tohoku Univ.), Yuichi Inoue (Tohoku

Univ.), Hiroto Takahashi (Tohoku Univ.), and Akihiko Ishijima (Tohoku Univ.), The

monitoring of intracellular signaling in one bacterial cell by the measurement of multiple

flagellar rotations,International Symposium of Joint Research Network on Advanced

Materials and Devices 「彫」, 苫小牧, 2010. 3.25-26.

3-③-94. T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Fukami (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Cantilevered carbon nanotubes as mechanical oscillators”, NT10 11th

International Conference on the Science and Application of Nanotubes, Montreal, Canada,

2010.6.27-7.2.

3-③-95. R. Senga (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.),

“Manipulation of C60 Molecules by Electron Beam and Its Application to Attach Carbon

Nanotubes to a Substrate”, 11th International Conference on the Science and Application of

Nanotubes 2010, Monreal, Canada, 2010.6.27-7.2.

3-③-96. S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Carbon Nanotube Resonator in Liquid”, NT10 11th International

Conference on the Science and Application of Nanotubes, Montreal, Canada, 2010.6.27-7 2.

3-③-97. T. Okada (Tohoku Univ.), Y. Inoue (Tohoku Univ.), H. Orikasa (Tohoku Univ.), T. Kyotani

(Tohoku Univ.), and A. Ishijima (Tohoku Univ.), “Diffusional motion analysis of

water-dispersible and uniform carbon nanotubes in solution for drug delivery application”,11th International Conference on the Science and Application of Nanotubes (NT10) Montreal,

Canada, 2010.6.27-7.2.

3-③-98. A. Hasan (Kyoto Univ.),”How does the ribosome pick up the correct aminoacyl-tRNA during

translation? --Single molecular analysis of translation accuracy--“, ACT XI, Okinawa, Japan,

2010.7.2.

3-③-99. R. Senga (Osaka Univ.), K. Hirahara (Osaka Univ.), Y. Nakayama (Osaka Univ.), “Transition

between Flattened States and Tubular States in Carbon Nanotubes”, A3 Symposium on

Emerging Materials: Nanocarbon and Nanowires for Energy, Jeonju, South Korea,

2010.11.7-11.

3-③-100. A.Yoshinaka (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Sustained Mechanical Self-Oscillation of Cantilevered Carbon Nanotube

by Phase Locked Loop with Opt-Mechanical Heterodyne”, MNC2010 23th International

Microprocesses and Nanotechnology Conference, Fukuoka, Japan, 2010.11. 9-12.

2011 年

3-③-101. N. Matsunaga (Osaka Prefecture Univ.), R. Nishii (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka

Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka Prefecture Univ.), “Cantilevered carbon nanotube

electro-mechanical device”, 2011Frontiers on Nanoscale Science and Technology (FNST)

Workshop,Saitama, Japan, 2011.1.5-7.

3-③-102. S. Khan (Kyoto Univ.), “Amino acid-specific attachment of a protein to the termini of

carbon nanotube without affecting its enzymatic function”, Biophysical Society, Baltimore,

USA, 2011.3.7.

3-③-103. Ryosuke Senga (Osaka Univ.), Kaori Hirahara (Osaka Univ.), Yasutaka Yamaguchi (Osaka

Univ.), Yoshikazu Nakayama (Osaka Univ.), “Torsional actuator based on transition between

flattened states and tubular states in carbon nanotubes”, 12th International Conference on the

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- 84 -

Science and Application of Nanotubes 2011 (NT11), Cambridge, England, 2011.11-16.

3-③-104. T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Sawano (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Displacement Measurement of a Carbon Nanotube Cantilever in Liquid

for Protein Interaction Force Sensing”, NT11 International Conference on the Science and

Application of Nanotubes, Cambridge, UK, 2011.7.10-16.

3-③-105. Y. Yuasa (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Optical Heterodyne Detection Visualizes the Spatial Resonance of

Multilayer Graphene Cantilevers”, NT11 International Conference on the Science and

Application of Nanotubes, Cambridge, UK, 2011.7.10-16

3-③-106. Hisataka Maruyama (Nagoya University), Kyohei Tomita (Nagoya University), Ryo Kariya

(Nagoya University), Fumihito Arai (Nagoya University), “Evaluation Method of Thermal

Conductivity of Single Carbon Nanotube in Liquid Using Quantum Dot Hydrogel Sensor”,

2011 11th IEEE Conference on Nanotechnology, Portland, USA, 2011.8.18.

3-③-107. S. Kataoka (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Improvement of transfer characteristics for PZT-CNT-FET by ionic

liquid”, 2011 International Conference on Solid State Device and Material, Nagoya,

2011.9.28-30.

3-③-108. Ryosuke Senga (Osaka Univ.), Kaori Hirahara (Osaka Univ.), Yoshikazu Nakayama (Osaka

Univ.), “Response of thermally activated torsional motion of carbon nanotube”, A3

Symposium of Emerging Materials: Nanomaterials for Energy and Environments (p. 73),

Urumqi, China, 2011.10.13-15.

3-③-109. A. Yoshinaka (Osaka Prefecture Univ.), T. Arie (Osaka Prefecture Univ.), S. Akita (Osaka

Prefecture Univ.), “Cantilevered Multilayer Graphene Mechanical Oscillator”, MNC2011

24th International Microprocesses and Nanotechnology Conference, Kyoto, 2011.10.24-27.

3-③-110. M. Toda (Tohoku Univ.), T. Otake (Tohoku Univ.), N. Inomata (Tohoku Univ.), T. Ono

(Tohoku Univ.), “Microchanneled resonant heat sensor for a living cell”, 24th International

Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2011) Kyoto, Japan, 2011.10.24-27.

(4) 知財出願

①国内出願 (2 件)

4-①-1. 発明の名称:カーボンナノチューブ支持体及びその製造方法, 発明者:中山喜萬, 平

原佳織, 千賀亮典, 出願人:科学技術振興機構, 出願日: 平成 20 年 2 月 27 日,

PCT/JP2009/053496, 特願 2008-043920.

4-①-2.発明の名称:熱量センサ及びそれを用いた熱量検出装置並びに熱量センサの製造方法,

発明者:小野崇人,猪股直生,戸田雅也,出願人:国立大学法人東北大学,出願日:

平成 24 年 3 月 16 日,特願 2012-61235.

(5) 受賞・報道等

① 受賞

5-①-1. 新井史人: 日本機械学会フェロー(2006)

5-①-2. Fumihito Arai (Tohoku Univ.),

2007 International Symposium on Micro-Nano Mechatronics and Human Sciences, Best Poster

Award, 2007.11.14.

Fumihito Arai (Tohoku Univ.), Naoki Inomata (Tohoku Univ.), Ryuto Ookawara (Tohoku Univ.),

Yoko Yamanishi (Tohoku Univ.), Yu-Ching Lin (Tohoku Univ.), “Observation of carbon

nanotubes in water by supplying fluorescent reagent with porous structured PDMS supports”,

Proc. of the 2007 Int’l Symp. on Micro-NanoMechatronics and Human Science (MHS2007), p.

231-236, Nagoya, 2007. 11. 11–14.

5-①-3. Best Poster Award, 2007.11.14, Fumihito Arai (Tohoku Univ.), Naoki Inomata (Tohoku Univ.),

Ryuto Ookawara (Tohoku Univ.), Yoko Yamanishi (Tohoku Univ.), Yu-Ching Lin (Tohoku

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Univ.), Observation of carbon nanotubes in water by supplying fluorescent reagent with porous

structured PDMS supports, Proc. of the 2007 Int’l Symp. on Micro-NanoMechatronics and

Human Science (MHS2007), p. 231-236, Nagoya, 2007. 11. 11–14.

5-①-4. 千賀亮典,

2008年日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講演会 ベストプレゼンテーション

賞, 2008.3.17.

千賀亮典(大阪大学),円山拓行(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪

大学),「フラーレンを用いたカーボンナノチューブ固定」関西学生会学生員卒業研究発

表講演会 日本機械学会,大阪,2008.3.

5-①-5. 井瀬景太,

2008 年日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講演会 Best Presentation Award,

2009.3.15.

井瀬景太(大阪大学),平原佳織(大阪大学),中山喜萬(大阪大学),「電子回折を用い

たカーボンナノチューブの構造変化過程の解明」 2009 年関西学生会学生員卒業研究発

表講演会 日本機械学会,大阪,2009.3.15.

5-①-6. 山口圓(大阪大学),

日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講演会ベストプレゼンテーション賞,

日本機械学会関西学生会 平成 21 年度 学生員卒業研究発表講演会,兵庫,2010.3.

5-①-7. Atsushi YOSHINAKA,

MNC2010 Most Impressive Poster Award,

Atsushi YOSHINAKA, Takayuki ARIE, and Seiji AKITA (Osaka Prefecture University and

JST-CREST) “Sustained Mechanical Self-oscillation of Cantilevered Carbon Nanotube by

Phase Locked Loop with Opt-mechanical Heterodyne”.

5-①-8. 井瀬景太,日本機械学会三浦賞,2011.3.25.

5-①-9. Fumihito Arai (Nagoya University),

The First International Conference on Manipulation, manufacturing and Measurement on the

Nanoscale, Best Paper Award, 2011.8.30

Hisataka Maruyama (Nagoya Univ.), Taisuke Masuda (Nagoya Univ.), Kyohei Tomita (Nagoya

Univ.), Fumihito Arai (Nagoya Univ.), “Local Temperature Measurement and Control Using

Functional Gel-Tool Containing a Quantum Dot by Color Analysis of Fluorescence Spectrum”,

The First International Conference on Manipulation, manufacturing and Measurement on the

Nanoscale, Changchun, China, August 30, 2011.

②マスコミ(新聞・TV等)報道

5-②-1. 「たんぱく質固定シート CNT と樹脂を複合 阪大、生体分子調査に利用」

日刊工業新聞, p. 24, 2008. 4.17.

5-②-2. 「CNT 先端のみたんぱく質 阪大、誘電泳動用い付着」

日刊工業新聞, p. 24, 2008. 10.10.

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§6 研究期間中の主なワークショップ、シンポジウム、アウトリーチ等の活動

年月日 名称 場所 参加人数 概要

H19.3.18

-19

SPM で生命現象を捉

える手法の開発研究

部会

新潟県越後湯沢 20 研究会の主催

H21.9.4-5

International

workshop on

biological

application of

carbon nanotubes

(第 7回中山チーム全

体M)

ぱいかじ上之屋

店 (沖縄) 20 チーム全体の研究進捗

報告・意見交換

§7 結び

1)研究の目標等から見た達成度

10 頁〜13 頁に研究項目に対する達成度を表に示した。技術的には大きな進展をした。初予定

した基礎的な技術課題はほぼ完了している。ただし、当初掲げた数値目標を未だ達成できてい

ないこと、ここで開発した技術を用いて行おうとしていた「タンパク質の相互作用の実時間計

測や機構を理解するデータ蓄積など」が未だできていないなどで、完了になっていない項目が

残されている。

ただし、質量・力計測グループでは、当初計画していた計測手法(電気式)より簡便に計測

できる方法として光学的手法を新しく提案し、計測精度を数値目標値にかなり近いところまで

達成できたことは、特筆して良いと判断する。

また、熱量計測グループの、目標値 aJ は非常に小さな熱量であった。当初期待していた特性

をもつ CNT の実現が難しいこと、水中計測の難しさから、現時点では pJ 精度の達成に止まっ

ている。ただし、当初の実施計画になかった「細胞における熱計測」を行い、1細胞の発熱量

計測に成功したこと、また、細胞の代謝に伴う酸素計測手法を確立したことは、特筆できる成

果である。

2)得られた成果の意義

ここで、研究された CNT の物性制御と加工の技術は、CNT のナノ加工の科学として、また

技術として意義のあるものであり、本計測以外の CNT デバイス構築にも大いに資することがで

きる。また CNT シートは、生体分子の活性を阻害することなく一分子を孤立して捕捉できるの

で、今回の方式以外の生体分子計測のプラットホームとして利用できる。

CNT の変位および共振の計測法として、新しく開発した光学的手法の持つ意義は大きい。光

の回折限界以下の直径であるにもかかわらず大気中や液中において CNT の変位や振動を光学

的に検出できたことである。これにより、粘性流体中での振動・変位の超高感度計測が可能に

なった。これは、生体分子にかかわらず、触媒や反応性の超微粒子などの質量を反応環境下で

計測可能なことを示しており、従来、バルクスケールで動作が解析されてきた高機能超微粒子

に関して、個々の反応過程を質量変化という側面から明らかにできる可能性がある。このよう

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- 87 -

に、本研究で開発してきた超高感度計測技術は生体反応過程のみならず様々なナノスケールで

の反応過程解明に寄与すると思われる。

これまで CNT を用いたバイオデバイスでは、CNT 側壁にタンパク質や他の生体高分子を吸

着させる方法が用いられてきた。本研究で確立した「CNT 先端にタンパク質を結合させる技術」

は、CNT デバイスの可能性をさらに大きく広げるものであり、近い将来、様々なデバイスに用

いられることが期待される。特に、一分子計測技術に求められる「タンパク質の活性を損なう

ことなく支持体に結合させる」技術はこれまでにない大きな成果であり、今後の応用が大きく

期待される。

水溶液中の試料の熱を水溶液の影響を受けない真空中で計測するデバイス「真空封入型カンチ

レバー」の開発は、特筆すべきものである。水溶液中ではその粘性抵抗から、センサーデバイ

スの性能が著しく低下する。当初は、カンチレバーの微小化で対応可能と判断していたが、そ

の性能低下は大きく、実用化には困難が伴った。

aJ の構築を目指す途中で、nJ オーダーの熱計測の評価を行った.生命現象にとっては、nJ

の熱量も非常に重要なレベルであり、本成果の影響は大きい。ターゲットとしては比較的大き

な熱量を発生する褐色脂肪細胞を用いた。まず調整方法の確立からはじめ、バルク状態での熱

量、酸素消費量の計測を試み、安定した計測に成功することが可能となった。

本研究で「水中での CNT の熱伝導性評価技術」を開発した。本成果は CNT 集積化デバイスの

用途をナノ空間スケールの温度計測へ拡大し、生体一分子熱量計測を実現する上で、必要不可

欠な要素技術である。またこの技術は CNT 以外のナノ材料の物性計測への適用が可能であり、

今後の応用が大きく期待される。

3)今後の研究展開

これまでに構築した質量・力検出デバイスの測定精度を上げると共に、実用化に向けた取り組

みを続ける。とくに、バイオ系へのアプリケーションを念頭に、「液中」での計測が容易に行え

るデバイス作りを目指す。また、本研究で築いた CNT のナノ加工技術や CNT の変位や振動の

高感度計測技術は生体反応だけでなく様々な反応過程を解析する新しいツールへの展開も視野

に入れる。

特に、数10-数100ゼプトグラムの計測精度が達成された場合、これまで計測困難であ

った「タンパク質間の弱い相互作用」を定量的に解析できるツールとして利用価値を広めてゆ

きたい。これまでの「強い相互作用」に依存したスイッチ ON/OFF のメカニズムでは、特にタ

ンパク質同士の「結合」に基づいた説明には有力である。しかしながら、細胞内では、タンパ

ク質同士もしくはタンパク質と各種基質との相互作用は、常に結合と解離の繰り返しである。

これまでの「強い相互作用」を検出する技術でこのようような弱い相互作用に基づいた結合解

離のキネティクスやメカニズムを解析するのは困難であり、ここに本デバイスの本質的な利用

価値があると考える。ここに生命現象の新たなメカニズムを見いだす可能性が含まれており、

広く一般に利用してもらえる「使いやすい」デバイスの構築を目指すことが重要であると考え

ている。

熱量計測デバイスの感度の向上と実用化にむけて研究を続ける。具体的には、これまで行って

きた水中における CNT の熱伝導性評価技術の向上、CNT とカンチレバーとの熱的な接合条件

の最適化、真空封入型カンチレバーの性能向上などについて継続して続けていく。また、CNT

の熱伝導性を活用しバイオアプリケーションに適したナノデバイスの構築を目指す。本研究で

開発した水中での局所温度計測技術は、課題はあるものの、有用性が見いだせているため、今

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後様々な応用が期待でき、継続的に進める。

4)研究費に関する意見

本チームは、別々に当事業に申請した2つのグループが統合されたものであるので、それぞ

れのグループにとって、研究経費は当初予定から大幅に少ない状態であった。したがって、博

士研究員を雇用したグループは、人件費に多くの経費を割くことになり、装置、消耗品、出張

経費で苦労した。また、装置,消耗品のみに経費を使うグループは、他経費で雇用した人材を

参画させたり、スタッフと学生のみで研究を遂行したりと人的に苦労した。

ただ、研究経費は計画期間内で繰り越しが容易にできるなど非常に柔軟なシステムになって

おり研究の遂行に全く支障はなかった。また、限られた財源の中、途中増額申請にも応じてい

ただき非常に助かった。

5)本研究を通した若手研究者の育成

本チームの研究は、博士前期課程、博士後期課程の学生、それに博士研究員が主戦力となっ

て進められてきた。

研究者・技術者の卵である学生にとって、このような異分野の研究者が集まった大きなプロ

ジェクト研究に参画したことによって、自分の研究の位置づけや価値をきちんと認識できるよ

うな訓練の場が与えられ、また異分野交流による学術的な知識の広がりを得たことになる。

異分野交流の1つの場が、半年に一度開催していた合宿形式のチーム全体でのミーティング

である。様々な分野のエキスパートと他グループの学生らが密接に議論できる場となり、学生

の視野を広げ学術的好奇心の向上に貢献できたと考えている。また、本ミーティングは一般の

学会とは違って、深い議論がなされ、こういった面でも学生の育成には大いに役立ったと思わ

れる。

本チームに学部生のときから参加し、博士前期課程、博士後期課程を通してチームに所属し、

大きな成果を上げた学生が2人居ることは特筆に値する.

毎年行われる領域シンポジウムが非常に好評であった。幅広い分野の最先端で研究をされて

いる先生方が一同に集まって話をして頂くチャンスは他にはない。それが大きな刺激となった

ようである。若手研究者としては、チーム内や領域内の著名な先生方と一緒に仕事をしたり、

意見交換する場が多かったことは、かれらの育成に大いに効果があったと思われる。

博士後期課程の学生を資金的に条件の良いリサーチアシスタントとして雇用できたことは、

彼らに落ち着いて研究に専念できる環境を与えたことになり、これが顕著な研究成果に繋がっ

たようである。

本チームで雇用された博士研究員は専任義務が課せられて、科研費などへの応募ができなか

ったが、皆さん着実に研究成果を上げている。このプロジェクト期間中であるが、1人の博士

研究員は名古屋大学の准教授、1人は東北大学の助教の職を得た。1人は他のプロジェクトで

あるが博士研究員の職を得た。本事業においては、研究が重要であることは当然であるが、若

手研究者の育成も重要な点である。その上でも、若手研究者を研究ポストに送りだすことがで

きたことは大きな成果である。

6)戦略的創造研究推進事業に対する意見

本チームは工学とバイオのグループが集まって構成された異分野合同チームであるため、グ

ループ間の連携が重要な要素であった。これにより、異分野間で、知識、技術、戦略、戦術な

どを深く共有できたのは、本事業の良い点であり、大きな成果といえる。また、これにより若

手研究者の育成にも大きな成果をもたらしたといえる。

また年1回開催される領域全体でのシンポジウムでの講演及びポスター発表などでの研究交

流により、特に若手研究者にとって視野を広げるとともにネットワークの拡大に有用な場であ

ると考える。

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若手研究者の育成にも関与することであるが、本事業の博士研究員には、専任義務があるた

めに科研費などへの応募ができない。科研費の取得状況は、大学、研究所などへの応募や科研

費申請において、業績として重要な項目である。ぜひ、本事業の博士研究員も競争的資金の応

募を可能な方向に向けてほしい。

最近の本事業の目標が目先のことやアプリケーション寄り(実用成果主義、数値目標主義)

になっているような印象があるので、もう少し技術立国日本を見据えたような、長期的な戦略

と基礎にも目配りしたような目標を配していただきたい。

aJ の構築を目指す途中で、nJ オーダーの熱計測の評価を行った。生命現象にとっては、nJ

の熱量も非常に重要なレベルであり、本成果の影響は大きい。ターゲットとしては比較的大き

な熱量を発生する褐色脂肪細胞を用いた。まず調整方法の確立からはじめ、バルク状態での熱

量、酸素消費量の計測を試み、安定した計測に成功することが可能となった。

本研究で「水中での CNT の熱伝導性評価技術」を開発した。本成果は CNT 集積化デバイスの

用途をナノ空間スケールの温度計測へ拡大し、生体一分子熱量計測を実現する上で、必要不可

欠な要素技術である。またこの技術は CNT 以外のナノ材料の物性計測への適用が可能であり、

今後の応用が大きく期待される。

以下に幾つかの写真を掲載する。

H23 年 9 月 19-20 日 CREST 中山チーム全体ミーティング 於 メープル有馬

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大阪府立大学の吉仲淳君(左)が MNC 2010

Most Impressive Poster 賞を受賞しました。

2011.10.25 山口浩司 MNC2011 組織委員長

(中央)とともに(京都全日空ホテルにて)

開発中の光学的CNT振動検出システム (大

阪府立大学)

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竹安研(京都大学)の集合写真