産業用発電設備に使われる中小型ガスタービンの 特徴・用途copyright © 2016...
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産業用発電設備に使われる中小型ガスタービンの
特徴・用途
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平成29年度 産業用発電設備集中講座
2017年11月17日
原動機プラントSBU
PJ部 田中敦士
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この講座の目的・目次
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産業用発電設備で使用される中小型ガスタービン(特に航空転用形ガスタービン)の特徴について、レシプロエンジンや、重構造形ガスタービンと比較しながら解説し、基本的な知識を修得して頂きます。また、その航空転用形GTの特徴を生かすことで、今後期待できる用途などについても紹介します。
内容
1. ガスタービンとは?
2. 航空転用形ガスタービンとは?
3. 航空転用形ガスタービンの特徴
4. 航空転用形ガスタービンの既存用途
5. 今後期待される航空転用形ガスタービンの適用分野
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航転形GTの例
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LM6000 45,000kWクラスCF6-80C2B747
航空機用エンジン(ターボジェットエンジン、ターボファンエンジン)をガス発生機にし、出力タービンと組合わせた例
Trent/MT30 50,000kWクラスTrent700A380
搭載されている機体の例 航空機用エンジン 航転形ガスタービン
LM2500 20,000kWクラスTF39/CF6-6DC-10
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航転形GTの特徴(重構造形GTとの比較)
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航空転用形ガスタービン 重構造形ガスタービン
定義
エンジン構造航空機用エンジンを陸用に転用あるいはガスジェネレータとして出力タービンと組合わせて陸用に転用
陸上用専用に設計されたガスタービン
性能
単体出力 100MW以下 100MW以上の大出力も可
性能 単体効率高(40%以上) コンバインドサイクルな総合効率重視
コンバインドサイクル出力
GT:ST=4:1 GT:ST=2:1
運用特性
急速起動(10分起動)可
高応答(最大80MW/分)
停止後のターニング不要
定格負荷で長期運転に適す
停止後のターニング要
構造
基本構造 薄肉軽量 厚肉高剛性
軸受 転がり軸受 すべり軸受
メンテナンス
方針定期的・短時間の現地On Condition点検・整備とその結果に基づく高温部点検・オーバホールの組合せ
定期的な点検・整備
間隔 実運転時間ベース 発停回数を考慮した等価運転時間ベース
方式エンジン/モジュール交換方式による工場整備
現地での分解・点検方式
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今後期待される航転形GTの適用分野(再生可能エネルギーバックアップ・周波数の安定化)
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時間軸の1目盛は1時間
1号機
2号機
31時間
LMS100による風力との協調運転の例
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今後期待される航転形GTの適用分野(予備力電源)
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新規送電線敷設余裕、大型発電所設置余地が少なくなる中、系統電圧・周波数安定化電源として電力需要地近くに以下のような予備力電源設置が有効• 数10MW規模で10分以内に定格運転可能なGTピークカット電源→欧米、オセアニアでは広く普及• Spinning Reserve電源,Synchronous Condenserは米国ではすでに数十台規模で導入進捗
LM6000 GT 発電機
52G
LM6000 GT 発電機52G
LM6000 GT 発電機
52G
SSSクラッチ
系統デイリーのピークカット用途における形態で、殆どのピーカーはこの形態で発動指令を待つ。米国では指令から10
分以内に最大定格まで発電することが要求条件となっている。
発電機は無負荷の同期電動機になり、無効電力を供給・消費することが可能。発電指令を受けGTを始動し、クラッチインで有効電力供給。形態-1よりさらに2,3分短縮可能。
無負荷非同期・低負荷で待機する形態で、発電指令を受けて発電開始。指令から発電までが最も速いが、GT燃料費が無駄になるデメリットあり。米国ではこの形態のピークカットも多い。
ノンスピニングリザーブ
スピニングリザーブ
スピニングリザーブ
形態-1
形態-2
形態-3
シンクロナスコンデンサ
トランス
トランス
トランス