組織戦略としてのワークライフバランス制度 -...
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ウェルフェア北園渡辺病院
360床
ウェルフェア北園渡辺病院
360床
渡辺病院
317床
渡辺病院
317床
社会医療法人明和会医療福祉センター (http://mmwc.or.jp)法人本部 人事主幹 竹中君夫
~短時間正職員制度導入事例~
組織戦略としてのワークライフバランス制度
2011年11月2日 シンポジウム
『短時間正社員制度導入・定着を目指して』
内科・神経内科・
リハビリテーション科360床
職員300名(Ns約130名)
神経内科・心療内科・精神科317床
職員300名(Ns約130名)
第1部第1部 WLB制度の理念構築WLB制度の理念構築
渡辺病院渡辺病院((鳥取市東町鳥取市東町 317317床床)) ⑥
(1)(1)看護師のWLB看護師のWLB
●採用数●採用数増に確実につながる増に確実につながる
●離職防止対策としても●離職防止対策としても
期待できる期待できる
⇒WLBに期待する気持⇒WLBに期待する気持
●日勤や短時間勤務だけが増えて、●日勤や短時間勤務だけが増えて、夜勤の夜勤の
配置は大丈夫?配置は大丈夫?
●緩やかな勤務をする人へ●緩やかな勤務をする人へ周囲の不満?周囲の不満?
⇒気になることもたくさん⇒気になることもたくさん
●深刻なNs不足は、いまや社会問題・・・人不足による過酷な現状は周知の通り
・離職理由の上位に結婚・育児等 ・早期引退に踏み切るベテランが増える傾向
[取組まざるを得ない実情]:Nsの採用は、極端な売り手市場
●病院では労働者の大半が女性+人員規模も小さい(多くの病院は1000人未満)
⇒活動成果が病院経営を左右する。福利厚生の認識では乗り切れない。
●病院は365日24時間体制、労働集約型産業(労働時間が持つ意味は大きい)
⇒夜勤配置をどうするのか?病院へのWLB制度導入は非常に難しい。
[前提]WLB活動は、病院経営に直結する非常に難しい課題
(2)WLB制度を成功に導く考え方
“もしドラ”風に・・・・・・WLBのマネジメント関係者を整理すると・・・
① 制度利用者
●実際にWLB制度を利用するNs
●制度利用しないNs(キーパーソン)
②看護管理職
多様な勤務管理を
強いられる
中間管理職
③患者さん・ご家族
病院のサービスを
受けておられる
方々
④経営者
組織運営(安定or混乱等)
及び収支面で密接に関係
マネジメント関係者が
「全員満足=全員WIN」の
シナリオを描くことが
WLB制度を成功に導く
(2)WLB制度を成功に導く考え方(続き)
もし、「全員満足=全員」のシナリオを実行できなければ・・・・・・
① 制度利用者
●制度利用者が増えない
●就職者も増えない
●離職者が増える
●低いパフォーマンスレベル
②看護管理職
●WLB制度の
抵抗勢力
●部門運営に失敗
③患者さん・ご家族
●病院を利用しない
●悪い評価を下す
④経営者
WLB制度を軽視したり、
停止したりする
WLB制度を導入する
前よりも、深刻な事態を
招くこともある。
《1990年代に前例》
労働者確保のため、先を争うよ
うに導入したWLB制度(在宅勤
務・フリータイム・フレックスタイム等)
がバブル崩壊で・・・・
(3)WLB制度の指針構築 ~「全員WIN」のために~
病院勤務者段階マズロ-
第1
第2
第3
第4
第5
マズローのモデル(病院版)
自己
表現
identityに基づき
行動できる
尊厳
専門職として
リスペクト
社会的
周囲に受け
入れられる
安全 正職員になる
生理的 給料をもらう
制度利用に伴う不安定さを解消するマネジメントを実現できるか・・・・
WLB制度を成功に導く指針は一つしかない
②看護管理者⇒チームが混乱するリスクを回避
し、サービス水準を保つこと
③患者・ご家族⇒WLB制度導入前と同様か、
それ以上のサービスを受けること
④経営者は①②③全ての満足度を高めたうえ
で安定した経営を実現すること
制度利用者の不安要因を織込むことが大切
マズローの欲求の5段階が分かりやすい
①制度利用者⇒第3段階(周囲に受け入れら
れる)の欲求を満たして働き続けること。
★ポイント:低い段階の欲求に留まる可能性
(パフォーマンスレベルの下がった方の
割合が増えると組織のリスク要因)
((44))WLB制度のWLB制度の指針指針
配置人員拡充が前提
⇒WLB制度で不足人員を補充したり、
福利厚生として扱ったりする考え方では、
①制度利用者 ②看護管理者 ③患者 ④経営者
いずれも幸福になれない
経営的課題 人事的課題
人件費を始めとする課題が予想
される。強い意識で経営層と目標
を共有して対策しないと、課題を
到底解決できない。
助け合いやチームワークで解決で
きるテーマではない。給与を始め
とする人事課題に踏み込むことで、
実態を伴った制度になる。
目標の達成は容易ではない目標の達成は容易ではない
((55))WLB制度WLB制度指針指針をを実現する実現するフローフロー ~正のスパイラル~~正のスパイラル~
WLB制度を導入
し、 継続して制度
を拡充
人員が増えるので、
勤務配置にゆとり
が出る
精一杯の看護を展開で
きる。個々のペースで働
くことができる。
やりがいを感じる
(Nsとして良かったと
思える場面が増える)
職場の雰囲気がよくな
るので、働き続けたいと
思うNsが増える。
退職者が減るの
で、チームが安定
して成長する
採用人気が上がり、
新たな着任者を
確保できる
組織として取組を
さらに進めていく
余裕が出る
WLB制度利用者だけでなく
全てのNs、さらに患者さんや
経営者の満足度を意識する
第第22部部 当法人のWLB制度当法人のWLB制度への取組への取組
7段階の7段階の勤務勤務ステップステップ
渡辺病院渡辺病院 外来外来((精神科・心療内科精神科・心療内科))
⑧
ⅰ)パートタイマー→短時間正職員→正職員(フルタイム)
段階 名称 具体時内容 労働条件
Step
1
パート
タイマー
週18~24時間以内の勤務
出勤日と勤務時間数は個別調整
時給制・
社会保険
無
Step
2
短時間
正職員
週30時間以上の勤務
①勤務時間短縮型正職員
⇒週30時間以上の勤務(1日6時間以上勤務)
②休日拡充型正職員
⇒週休3日の勤務(1日平均7.5時間以上勤務)
月給制
・
社会保険
有
Step
3
正職員
常勤所定時間(週38時間45分)の勤務
⇒平日日勤のみ(夜勤・休日免除)
((11))ステップアップ・ステップダウンシステムステップアップ・ステップダウンシステム①① 【【概要概要】】
ポイント
短時間正職員が特に重要
①戦力として計算(雇用者側) ②安定した報酬(労働者)
Nsが自分の意思で、勤務のペースを上げたり下げたり
できるように、勤務形態を7段階に区分。
段階 多様な勤務形態(具体的な内容例)
Step4
◆以下の条件に全て該当
①日勤のみ ②いずれの曜日も勤務 ③早番・遅番・残業等を担当
Step5 ◆夜勤を行う。回数は月2~4回。
Step
6
◆夜勤回数に制限はない。以下の条件のいずれかに該当。
① 準夜・深夜、いずれかを免除。② 夜勤可能な曜日を限定。
③ 早番・遅番は免除、土曜日は休日固定など、細かな制限。
Step7
◆以下の条件に全て該当
①夜勤を月5回以上担当(回数制限なし) ②夜勤曜日を限定しない。
③準夜・深夜共担当(夜勤種別の制限なし)④早番・遅番等に制限なし。
ⅱ)日勤正職員~夜勤担当~制限なしの流れ 注)段階番号は前項と一連
病院なので「夜勤」が特に重要
⇒戦力計算上、大きなStep
((続き続き)()(11))ステップアップ・ステップダウンシステムステップアップ・ステップダウンシステム①①【【概要概要】】
ポイント
ポイント
(1)(1)ステップアップステップアップ・ステップダウンのシステム・ステップダウンのシステム②② 【【狙い狙い】】
●夜勤者の確保と日勤人数のコントロール。勤務ペースをステップアップ
させる人がいないと、いずれ夜勤人員が不足し、WLB制度は崩壊。
●家庭環境等は刻々と変化するので、それぞれのステップを柔軟に
選択できるようなシステムが必須。
●緩やかに勤務ペースをステップダウンさせるシステムを
整備することで、貴重な人材を失うリスクを軽減。
117117117117120120120120
130130130130
150150150150
168168168168
193193193193
205205205205
0
50
100
150
200
元年元年元年元年 3333年年年年 5555年年年年 7777年年年年 9999年年年年 11111111年年年年 13131313年年年年 15151515年年年年 17171717年年年年 19191919年年年年 21212121年年年年 23232323年年年年 25252525年年年年 27272727年年年年 29292929年年年年
18歳人口の推計(文部科学省、単位万人)
若年層の労働力減少への対応は、
組織の大きなテーマとなる可能性が高い。
WLBでは育児中の女性が注目される傾向にあるが
実力がある高齢者にギリギリまで活躍していただくための
組織戦略としても大きな意味を持っている
当法人が採用している主な取組み
職員が看護管理者や看護部長を介さず、直接相談できる窓口。
⇒看護管理者のマネジメント負荷軽減にもつながる
SOS窓口SOS窓口
権限の委譲
看護管理者の意向を素早く、ダイレクトに人事施策に反映する
ために、人事部門に直接提案・交渉するフローの整備。
交渉業務
の軽減
看護管理職を業務指導・育成、病棟運営に集中させるために、人事
部門にNs本人や経営層との調整を委ねる。
複雑な勤務管理を要求される第一線の
中間管理職(看護管理者)の支援が最重要課題。
((22))看護管理職看護管理職支援支援 ~中間管理職を制度の味方に~~中間管理職を制度の味方に~
次からは、制度導入に伴うリスク要因への対応です。
このマネジメントに関る
①制度利用者 ②看護管理者 ③患者・ご家族 ④経営者
「全員WIN」を実現するために必要と考えることです。
このプレゼンテーションで最も重要と考える部分です。
(3)報酬ポイント選択制度
概
要
お金だけではなく 「働きやすさ」「休みやすさ」なども
報酬としてポイント化。報酬受取方法を全員が選択。
(毎年2月に調査を行い、人事異動に活用)
目
的
● トータル給与費のコントロール
● 不公平感が発生しないように・・・(オープンで分かりやすく)
● ステップアップのインセンティブ
◇質問2. 勤務形態選択欄
区分 勤務形態を選択する権利多様な勤務形態(具体的な内容) 必要必要必要必要ホホホポ゚゚゚イントイントイントイント 希望
権利
②
◆以下の条件に全て該当
①日勤のみ担当(日勤部門に配置限定する方も含)
②いずれの曜日も勤務する ③早番・遅番を担当する
25252525点点点点 ○
権利
③
◆夜勤回数は、月2~4回(最低16時間以上)に限定する。 10101010点点点点
~2009年3月の病院運営会議で配布された資料(参考例)からの抜粋~
夜勤要員不足の懸念は必ず発生し、解決できなければ、病院の
WLB制度は崩壊。Nsに対して、多様な選択肢を用意する
ことで夜勤要員確保に努める。
制度 概要
夜勤
インセンティブ制度
月間夜勤回数9~10回(平均7~8回)
⇒夜勤手当アップ+賞与加算。
3交替・2交替併用
3交替制勤務の病棟で、希望に合わせて2交
替制も組合せ。遠距離通勤者や深夜帰宅を望
まない方などに需要。
((44))夜勤要員確保対策夜勤要員確保対策
【概要】
【狙い】
((55))過剰人員への備え(リスクマネジメント)
嘱託嘱託
契約契約
日勤日勤や短時間の職員や短時間の職員ばかりが増えばかりが増えてしまうのも悩み・・・てしまうのも悩み・・・
⇒⇒ 一定数を1年契約とし一定数を1年契約としてて、、日勤者総数をコントロール日勤者総数をコントロール
⇒⇒ モラールがモラールが低い職員低い職員に対しに対し、、雇用契約雇用契約見直し見直しの選択肢の選択肢を留保を留保。。
☆要注意☆要注意 == 「「same work ,same paysame work ,same pay」の原則は堅持」の原則は堅持
配置
定員
病院全体の採算ラインや業務量に基づき、各病棟の配置定員・経営
目標とする指標を公表し、全員で共有。
⇒診療報酬ではなく、看護業務量に基づく公平な基準が重要。
リスクマネジメント=最終的には職員を守る手段。
慎重な取扱いを心がける。
第第33部部..WLB制度導入の成果WLB制度導入の成果
■■ 受賞など受賞など ■■
日本看護協会日本看護協会 多様な勤務形態導入モデル事業多様な勤務形態導入モデル事業(2008(2008年年))
第第22回鳥取県うれしい職場ささえる大賞回鳥取県うれしい職場ささえる大賞 最優秀賞最優秀賞(2010(2010年年))
第第44回回 ワークライフバランス大賞ワークライフバランス大賞 優秀賞優秀賞(2010(2010年年))
20112011年鳥取労働局長優良賞「均等・両立推進企業表彰」年鳥取労働局長優良賞「均等・両立推進企業表彰」
■■ 講演・メディア紹介など講演・メディア紹介など ■■
●取材:NHK・日本海TV・日本海新聞・毎日新聞・日経ヘルスケアなど●取材:NHK・日本海TV・日本海新聞・毎日新聞・日経ヘルスケアなど
●論文:看護白書●論文:看護白書(2010(2010年度版年度版))・日本生産性本部・看護学雑誌など・日本生産性本部・看護学雑誌など
●講演等:山口県主催「看護管理者・事務責任者合同研修会●講演等:山口県主催「看護管理者・事務責任者合同研修会」」
鳥取県主催「働きやすい職場づくり支援セミナー」鳥取県主催「働きやすい職場づくり支援セミナー」
厚生労働省委託事業「短時間正職員制度導入・定着を目指して」厚生労働省委託事業「短時間正職員制度導入・定着を目指して」などなど④
●●新任・復帰者の利用率が高い新任・復帰者の利用率が高い((採用・離職対策として機能採用・離職対策として機能))
●●夜勤インセンティブ夜勤インセンティブによる賞与加算26名による賞与加算26名(2010(2010夏夏2424名名、、冬冬3131名名))
●●短時間正職員短時間正職員 2424名名((※※うちうち役職者2役職者2名、名、※※うちうち新任・復帰等4新任・復帰等4名名))
((11))WLB制度利用者の状況WLB制度利用者の状況 ~~20112011/7/15/7/15夏季ボーナス時点夏季ボーナス時点、、法人全体法人全体~~
13名13名(56.5%)(56.5%)
23名23名228名228名合計合計
10名10名(43.5%)(43.5%)
1名1名
5名5名
2名2名
5名5名
新任・復帰等新任・復帰等
63名63名(27.6(27.6%%))
評価査定対象者評価査定対象者一般的な内容一般的な内容区分区分
165名165名(72.4(72.4%%))フリーフリー((役職含役職含))ⅤⅤ
16名16名+夜勤5回以上+夜勤5回以上ⅣⅣ
14名14名+夜勤4回以内+夜勤4回以内ⅢⅢ
11名11名+土日祝日+土日祝日、、早遅番早遅番ⅡⅡ
12名12名平日日勤・時差平日日勤・時差××ⅠⅠ
((22))在籍看護職員の推移在籍看護職員の推移
●●年間採用数は年間採用数は3030名名前後で前後で
安定、離職率も低く安定、離職率も低く、、体制体制
拡充が順調に進行拡充が順調に進行
●育児・介護を理由とする●育児・介護を理由とする
退職は退職は、、発生していない発生していない
137名
157名
210名
247名
265名
224名
0名
50名
100名
150名
200名
250名
300名
2000年度年度年度年度 2002年度年度年度年度 2004年度年度年度年度 2006年度年度年度年度 2008年度年度年度年度 2010年度年度年度年度
Ns不足の採用市場や鳥取県の地域性
を考えると、まずまずの成果
Ns不足の採用市場や鳥取県の地域性
を考えると、まずまずの成果
●労働市場は変化し続けて●労働市場は変化し続けていい
る。る。流れに取り残されない流れに取り残されない
よう、常に新しい取組よう、常に新しい取組をを
心がけている。心がけている。
危機感は
強い
((33))マネジメント参加者マネジメント参加者全員のWIN全員のWIN
●採用・退職に関連するコストが低く推移●採用・退職に関連するコストが低く推移
●チームが安定しているので、新たな経営プランを積極的に展開。●チームが安定しているので、新たな経営プランを積極的に展開。
●トータル人員とトータル人件費は目標範囲内で収まっている。●トータル人員とトータル人件費は目標範囲内で収まっている。
●患者数の増加・サービス機能の拡充は、収入の増加要因●患者数の増加・サービス機能の拡充は、収入の増加要因
④経営者④経営者
●患者さんに対するNs配置人数が明らかに多い。●患者さんに対するNs配置人数が明らかに多い。
((全全1212病棟に約230名病棟に約230名----施設基準対比施設基準対比+60+60名強名強))
⇒Nsのゆとりは⇒Nsのゆとりは、、基本的にはサービス向上につながる。基本的にはサービス向上につながる。
●ベッド稼動率は約●ベッド稼動率は約9595%で安定、外来患者数も増加傾向続%で安定、外来患者数も増加傾向続
⇒当法人に対する患者さん・ご家族のニーズは低下していない。⇒当法人に対する患者さん・ご家族のニーズは低下していない。
③患者③患者
・ご家族・ご家族
満足度満足度関係者関係者
諸統計から諸統計から①①制度利用者②看護管理者の満足度は確認できるが・・・・制度利用者②看護管理者の満足度は確認できるが・・・・
現時点では、現時点では、『『マネジメント関係者全員のWINマネジメント関係者全員のWIN』』をを
達成できている様子達成できている様子
Q.私たちの病院で働くことを知人に勧める場合を想定して
実際に、家族(親子・兄妹)や友人から勧められて就職される方が多い。
人員配置には少し苦労するが、とてもうれしいこと。
85.1%
14.9%
(まずまず)安心して勧められる
あまり勧められない
≪閑話休題≫全職員無記名アンケートの結果から
※2010年度版 回答521(回収率約94%)
第第44部部
主張ポイントのまとめ主張ポイントのまとめ
ウェルフェア北園渡辺病院ウェルフェア北園渡辺病院((鳥取市覚寺鳥取市覚寺 360360床床))
③
Ⅰ.WLB制度が定着しなければ、安定した病院運営は困難
⇒育児世代を中心に離職が止まらず、中途採用もままならない
Ⅱ.WLB制度の利用WLB制度の利用者、周囲の人々・経営者、さらに患者・ご家族者、周囲の人々・経営者、さらに患者・ご家族
まで、まで、マネジメントに関係する全員の満足度を高めるマネジメントに関係する全員の満足度を高める必要がある。必要がある。
⇒WLB制度は⇒WLB制度は、、福利厚生ではなく組織戦略。福利厚生ではなく組織戦略。
ⅢⅢ..明確な運営指針に基づく、緻密で柔軟なコントロールがなければ、明確な運営指針に基づく、緻密で柔軟なコントロールがなければ、
WLB制度は定着しない。WLB制度は定着しない。人事部門の責任はますます重要。人事部門の責任はますます重要。
⇒⇒ 人事権という大きな権力を行使する人事部門が楽をして
はいけない。私たち人事マンは、労働者の『Identity』を
守るために存在する。
(1)主張ポイントの整理
(2)人事チームとして ~私たちに必要な取り組み~
どこまで多様性を受容し、組織の活性化に結びつけられるのか?
⇒「WLB=福利厚生」のように多様性を別枠で考える形ではなく、経営戦略に
組込む形を確立できるのか・・・人事チームの能力と存在価値が試されている。
当法人では、当法人では、経営戦略に基づく人事育成・評価システムの確立経営戦略に基づく人事育成・評価システムの確立をを
最重要テーマとし最重要テーマとし、、WLB制度利用者の人事育成・評価をきめ細かくWLB制度利用者の人事育成・評価をきめ細かく
行うように努めた。もちろん行うように努めた。もちろん、、経営トップと経営トップとの意思疎通が前提。の意思疎通が前提。
●多様な勤務(日勤専従・短時間等) ●多様な契約(正職員・1年契約)
●定年到達者(契約方法・処遇等) ●役職者の取扱(任期・処遇等) など
⇒ WLBを絡めるだけで、選択肢が一気に増えて難度が増す。
WLB制度によって、人事チームのテーマは難度を増した
(3)最後にトップの指針
「「ミッションステートメントミッションステートメント==私たちはどうあるべきか」私たちはどうあるべきか」
新たに資格取得したNsに質問すると、全員が『患者さんの
ために』という純粋な気持から、この仕事を目指したことが
分かる。『人にやさしいNsが働きやすい環境を保つこと=患
者さんやご家族の期待に応えること』であり、経営面でも良い
結果に必ずつながる。
実際にWLB制度を運用する場面では、様々な問題が発生
する。しかし、制度の根幹部分『時間に制限のあるNsが気持
よく働ける職場=全員が気持よく働ける職場』という理念が
病院全体に浸透していれば、問題なく乗り切ってゆけるもの
と信じている。
渡辺憲 理事長
(渡辺病院院長)
日笠院長
(ウェルフェア北園渡辺病院)
パネルディスカッションも
宜しくお願いします。
パネルディスカッションも
宜しくお願いします。
【【発表者略歴発表者略歴】】 竹中竹中 君夫君夫
19881988年年 広島大学文学部卒業広島大学文学部卒業((株株))日立情報ネットワーク日立情報ネットワーク((現現((株株))日立システムズ日立システムズ))入社入社
19951995年年 同社総務部人事課主任・全社戦略プロジェクト主任同社総務部人事課主任・全社戦略プロジェクト主任((兼兼))
19961996年年 医療法人医療法人明和会渡辺病院、明和会渡辺病院、 現在現在 社会医療法人社会医療法人明和会医療福祉センター明和会医療福祉センター 法人本部主幹法人本部主幹