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丹篠監公表第 4 号 令和2年2月27日 丹波篠山市監査委員 畑 利 清 丹波篠山市監査委員 國 里 修 久 令和元年度財政援助団体等監査の結果について 地方自治法第199条第7項の規定により、財政援助団体等監査(株式会社アクト篠 山)を実施したので、同条第9項の規定に基づき結果を公表する。

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丹篠監公表第 4 号

令和2年2月27日

丹波篠山市監査委員 畑 利 清

丹波篠山市監査委員 國 里 修 久

令和元年度財政援助団体等監査の結果について

地方自治法第199条第7項の規定により、財政援助団体等監査(株式会社アクト篠

山)を実施したので、同条第9項の規定に基づき結果を公表する。

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令和元年度

財政援助団体等監査報告書

株式会社 アクト篠山

令和2年2月

丹 波 篠 山 市 監 査 委 員

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1 監査の種別

財政援助団体、出資団体及び公の施設の指定管理者監査(地方自治法第 199条第 7項)

2 監査の対象

(1) 対象団体・部局

・株式会社 アクト篠山(以下、「対象会社」という。)

・農都創造部商工観光課(対象会社に対する出資並びに公の施設(大正ロマン館、王地山公園

ささやま荘)の指定管理者委託事務の市所管部局)(以下、「商工観光課」という。)

・まちづくり部地域整備課(対象会社に対する公の施設(市営駐車場)の指定管理者委託事務

の市所管部局)(以下、「地域整備課」という。)

(2) 対象事務

・対象会社における平成 30年度出納その他の事務の執行(出資金、公の施設管理に係る出納そ

の他の事務を含む。)

・商工観光課並びに地域整備課における平成 30年度公の施設管理に係る事務の執行

(3) 出資及び公の施設の指定管理の内容

① 出資金 3,000,000円(資本金の 33.3%相当額)

② 指定管理料 19,300,000円

3 監査の期間

令和元年 9月 20日から令和 2年 2月 27日まで

4 監査の方法及び着眼点

監査の実施にあたっては、対象会社に対し、平成 28年度から平成 30年度の財務等に関する書類

の提出を求めるとともに、商工観光課並びに地域整備課に対し、対象事務に関する書類の提出を求

め、関係職員等から説明を聴取し又、必要に応じ現地調査も行い、監査を実施した。

また、監査の着眼点として、対象会社にあっては、平成 30年度の出資団体の出納その他の事務で

その執行が適切かつ効率的に行われているか、その出資に係る目的に沿って適切に運営されている

か又、公の施設管理に係る収支等の経理事務全般が関係法令等の諸規定に準拠し適正に処理されて

いるかについて、一方、商工観光課並びに地域整備課にあっては、対象会社の事業に対する指導監

督、公の施設管理に係る事務の執行についてを主眼に監査を実施した。

施 設 名 指定管理料(円) 所 管 課

大正ロマン館 0 商工観光課

王地山公園ささやま荘 0 商工観光課

市営駐車場 19,300,000 地域整備課

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(1) 対象会社関係

① 設立目的に沿った事業運営が適切かつ効率的、経済的に行なわれているか。

② 出納に係る処理が会計基準等の諸規定に基づき適正に処理されているか。

③ 事業成績及び財政状態が決算諸表などに適正に反映されているか。

④ 定款並びに経理規程等諸規程は整備されているか。

⑤ 経営成績及び財政状態は良好か。

⑥ 公の施設の管理に関する協定等に基づく義務の履行は適切に行われているか。

(2) 商工観光課並びに地域整備課関係

① 出資目的及び出資金額等は妥当か。

② 株式又は出資による権利は財産台帳に登録され、決算書類に適正に表示されているか。

③ 出資団体の経営成績及び財政状態を十分把握し、適切な指導監督を行っているか。

④ 公の施設の管理を行わせる団体の指定は、法、条例等に根拠をおいているか。

⑤ 公の施設の管理に関する協定等の締結は、適正に行われているかなど。

5 監査の結果及び意見等

対象会社の出資に係る出納その他の事務の執行及び商工観光課の出資に係る事務及び商工観光課

並びに地域整備課の公の施設の指定管理者委託に係る事務については、監査した限りにおいて、法令、

定款、条例、規則等に準拠し、おおむね適正に処理されているものと認められたが、一部の事務につ

いては、改善を要するものが見受けられたことから、次のとおり意見を付する。

また、商工観光課及び地域整備課提出書類の一部で改めるべきものについては口頭により指導した。

なお、監査結果及び意見等に基づき措置を講じられたときは、地方自治法第 199条第 12項の規定

に基づき、その旨を監査委員に通知されたい。

(1) 対象会社

①施設の設置目的に沿った事業運営と安定経営について

大正ロマン館においてレストランメニューの抜本的な見直しやカフェ部門の充実、土産品は

直接メーカーに商品を製造していただく OEMに注力され利益率の向上を図られている。一方で

来客人数の減少は、天候不順や施設改修等の影響が考えられる。

市営駐車場はサービス向上のための接遇研修の実施やイベント開催時において実行委員会

と連携する等、適切な管理運営に取り組まれており、駐車場の駐車台数は横ばいで推移してい

る。

大正ロマン館の設置目的は「数少ない大正建築物を保存し広く交流の場として積極的な利活

用を図る」とされ、市営駐車場の設置目的は「篠山城跡周辺の観光客及び通勤者等の利便を図

る」と規定されている。また、公の施設の指定管理者の指定手続等に関する条例では、管理業

務を適正かつ確実に実施するための必要な経理的基礎及び技術的能力を有し、施設の設置目的

を効果的に達成することが規定されていることから、適正な事業運営や安定経営が求められて

いる。

したがって、今後は市と連携し新たな取り組みやPRを積極的に行う等、より魅力的な観光

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拠点施設とすることや施設の利用促進に努められたい。

②王地山公園ささやま荘の適切な業務引継ぎについて

王地山公園ささやま荘の経営不振による多額の累積赤字により令和元年8月31日に王地山公園

ささやま荘の指定管理期間が終了した。対象会社においては、不採算部門の温泉(風呂)及び宿

泊を休止し、レストラン部門のみの営業形態にする等、工夫や努力をされた結果、残念ながら休

止せざるを得ない状況となった。今後は、長期的かつ健全な経営をいただける新たな事業者を公

募することとなっており、管理運営者が決定し同じ業態となった場合においては、商工観光課と

適切な業務の引継ぎが実施できるよう努めていただきたい。

③業績の回復について

第 24 期定時株主総会の決算報告書では、王地山公園ささやま荘の経営不振等により繰越利益

(損失)剰余金△56,531,459円が発生しており、累積赤字の解消に向け、売上げ増や経費削減等、

業績の回復に努められたい。

(2) 商工観光課、地域整備課

①指定管理の適正な運営について

指定管理者制度は、公の施設について民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、

住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的、効率的に達成するた

めに設けられたものである。その中で、条例、規則及び協定等に従い「確実な施設運営がなされ

ているか」また、「適切なサービス水準を確保しているか」を随時確認(モニタリング)し、サー

ビスの質や安定性を担保することが行政の重要な役割となっている。

その中で、基本協定書や業務仕様書に基づき、毎会計年度開始前に指定管理者から提出される

「事業計画書」の確認を行い、その後、毎月報告される「業務報告書」、会計年度終了後に提出さ

れる「事業報告書」の確認、調査を行うこととなっている。しかし、下記の表とおり平成 30年度

の基本協定書等に基づく処理が実施されていないことから、基本協定書等に基づく適正な管理運

営と合わせ指定管理者への指導・助言が行われるよう取り組まれたい。

条項 平成 30年度の基本協定書等の内容 監 査 結 果

ロマン館 ささやま荘 駐車場

23 事業計画書の提出 提出あり

※業務仕様書

と異なる

提出あり

※業務仕様書

と異なる

提出あり

※業務仕様書

と異なる

24 事業報告書の提出(毎会計年度終了後 60日以内) 提出あり

提出あり

提出あり

24 事業報告書の提出(年度途中での指定管理者の指定

取消しの場合は取り消された日から 30日以内)

提出あり

25 業務報告書の報告(毎月終了後作成し、翌月 10日

までに報告)

提出なし 提出なし 提出あり

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②大正ロマン館の管理運営に関する年度協定書の変更について

平成 30年度の篠山市王地山公園ささやま荘・篠山市大正ロマン館の管理運営に関する年度協

定書において、対象会社は大正ロマン館の売上のうち、4,350,000 円(消費税等別途)を篠山

市に支払うことになっている。しかしながら、対象会社の経営状況の悪化を理由とする納付金

減免の要望書が提出され、納付金は 0円となっているが、年度協定書が変更されていないため、

篠山市大正ロマン館の管理に関する基本協定書第 30条(納付金)、第 31条(納付金の変更)に

基づき変更年度協定書の締結をされたい。

③指定管理施設における指定管理者名等の表示について

平成 27年度の定期監査において当該施設を利用するものに対し、指定管理者が管理運営して

いることが不明瞭であるため、表示を検討するよう意見を出していた。その後、指定管理者制

度運用指針に盛り込まれ指定管理者の表示の実施について周知をされているが、大正ロマン館、

王地山公園ささやま荘、市営駐車場において指定管理者制度運用指針に基づく表示がされてい

ないことから、早期に対応されたい。

④大正ロマン館及び王地山公園ささやま荘の休館日等の規則改正について

大正ロマン館の休館日は 12月 29日から翌年 1月 3日までの日となっており、王地山公園さ

さやま荘は、無休とすると条例施行規則で定められている。しかし、平成 30年度において大正

ロマン館は毎週火曜日を休館(4月、10月、11月と一部の期間は除く)とし、王地山公園ささ

やま荘は毎週水曜日を休館(10月~12月と一部の期間は除く)としていることから、現状に沿

った規則の改正をされたい。

⑤議会への対象会社の経営状況の報告について

地方自治法第 243条の 3第 2項では「出資法人について毎事業年度に経営状況を説明する書

類を作成し、次の議会に提出しなければならない」としているが、令和元年 5月に承認された

第 24期(平成 30年 4月 1日から平成 31年 3月 31日まで)の経営状況の説明書類が令和 2年

1月時点において提出されていないことから、法に基づいた処理をされたい。

(3)王地山公園ささやま荘の閉館について

王地山公園ささやま荘は、平成 28年 4月から令和 3年 3月まで対象会社が指定管理者として

施設管理を行うこととなっており、篠山市王地山公園ささやま荘の管理に関する基本協定書並

びに年度協定書に基づき、利用料金制を採用しその料金収入で管理運営を行っていた。しかし、

令和元年 6月 3日に対象会社から業績不振を理由とする指定管理期間の変更にかかる要望書が

提出され、指定期間を令和元年 8月 31日に変更されている。

指定管理期間満了前にささやま荘が閉館に至った要因は次のこと等が考えられる。

1) 平成 27年 11月 2日に「篠山市王地山公園ささやま荘指定管理候補者審査会」が開催さ

れ、篠山市公の施設の指定管理者の指定手続等に関する条例第 5条第 1項第 4号の規定に

基づき対象会社を特定し、内定を行っている。審査会の結果報告書において「昨年度の赤

字決算の解消や今後の安定経営のため、宿泊稼働率の向上への取組、外国人・障がい者に

対する接客向上や地元河原町の観光客の取り込みの工夫などの取組が望まれる。」との課

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題提起がされていた。

2) 対象会社及び商工観光課提出の監査資料(令和元年 5月作成)によると、平成 23年度か

ら平成 30年度の決算において営業損失の状況が続いている。このことは、平成 13年度に

実施した施設整備にかかる費用が 4億 5千万円となり、その内 2億円の財源は市債とし、

起債償還額に見合う納付金を平成 14年度から毎年度、年度協定書に基づき、売上のうちか

ら対象会社が市に納入している。このことが、売上高が減少する中において営業損失に大

きく影響した。

3) 対象会社の分析やモニタリングレポートによると、来館者数が平成 25 年度の 109,363

人をピークに大幅に減少し平成 30年度は 63,706人となっている。これは施設の老朽化等

が原因と考えられる。

4) 指定管理者モニタリングレポートにおいて、平成 24年度、25年度及び 30年度の事業収

支が黒字(営業利益)となっている。しかし、対象会社及び商工観光課提出の監査資料で

は赤字(営業損失)と乖離が見られることから、市として経営状況が把握できていなかっ

た。

これらのことから、王地山公園ささやま荘の平成 23年度からの経営状況等を勘案した場合、

納付金が営業損失につながっていると思われるため、基本協定書第 30条に基づき、納付金の対

象を売上から経常利益へ変更することや納付金の免除、延納等の対応を取締役会や市は取るべ

きだったと考えられる。

今後においては、対象会社及び指定管理施設の経営状況等のモニタリングを的確に行い、指

定管理者への適切な指導、助言が行われるよう監査委員として強く要望する。

◆王地山公園ささやま荘の営業利益(損失)、納付額及び起債償還額の推移

※期間:平成 31年 4月 1日~令和元年 8月 31日

年度 営業利益(損失) 納 付 金 起債償還額

平成 23 △2,311,575円 12,258,501円

売上高×5.0%

13,894,600円

24 △8,532,917円 11,913,080円 13,301,235円

25 △6,657,757円 12,279,489円 13,143,597円

26 △9,696,988円 12,474,000円

定 額

12,985,959円

27 △13,504,468円 12,474,000円 12,831,129円

28 △24,424,114円 12,474,000円 12,670,684円

29 △19,232,440円 0円

経常利益が無

しの場合免除

12,513,047円

30 △14,769,841円 0円 12,355,409円

令和元 △21,654,108円 ※ 0円 12,198,851円

2 - - 12,040,134円

3 - - 11,894,496円

(H14~R3) - 215,990,236円 236,922,130円

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<参 考 資 料>

1 株式会社 アクト篠山の概要

(1) 設立及び目的

① 名 称 株式会社 アクト篠山

② 設立年月日 平成 7年 6月 20日

(平成 22年 3月 25日有限会社クリエイトささやまから商号変更)

③ 目 的 中心市街地の観光事業を行いながら丹波篠山のまちづくりを担うことを目

的としている。

(2) 沿 革

① 平成7年6月 篠山町、篠山観光協会の出資により「有限会社大正ロマン館」設立。

資本金3,000,000円(篠山町1,500,000円)

② 平成9年9月 「有限会社クリエイトささやま」と名称変更。篠山商業振興協同組合、篠山

町商工会の出資者を追加したことにより資本金6,000,000円。

③ 平成12年1月 篠山市が3,000,000円増資し資本金総額を9,000,000円

④ 平成22年3月 社名を株式会社アクト篠山に変更。資本金9,000,000円

(篠山市は1,500,000円減資し出資金3,000,000円)

(3) 事務所所在地

丹波篠山市北新町 97番地(大正ロマン館内)

(4) 資 本

① 資本金 9,000,000円(うち丹波篠山市 33.3%出資)

② 出資者内訳 ・丹波篠山市 3,000,000円

・丹波篠山市商工会 1,500,000円

・丹波篠山観光協会 1,500,000円

・株式会社アクト篠山 3,000,000円

(5) 役員及び職員(令和元年 5月 29日現在、従業員数は平成 31年 3月 31日現在)

① 代表取締役社長 1名

② 取締役副社長 2名

③ 専 務 取 締 役 1名

④ 常 務 取 締 役 2名

⑤ 取 締 役 2名

⑥ 監 査 役 2名

⑦ 従 業 員 60名(社員 15名、パート 45名)

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<株式会社アクト篠山 組織図> 令和元年5月29日現在(従業員数は3月31日現在)

レストラン課(ささやま荘)

・正社員8名・パート22名

代表取締役社長 取締役7 名

監査役 2  名

ささやま荘事業部 運営事業部 総務部

経理課

・正社員1名

施設管理課ロマン館百景館駐車場

・正社員1名・パート6名

特産販売課ロマン館百景館

・正社員2名・パート7名

レストラン課(ろまんてい)

・正社員3名・パート10名

(6) 本市と対象会社との関係

① 出資について

対象会社の資本金は 9,000千円であり、本市は、3,000千円(出資率 33.3%)を出資してい

る。また、本市以外の出資者は、丹波篠山市商工会が 1,500 千円、丹波篠山観光協会が 1,500

千円、対象会社が 3,000千円である。

② 公の施設の指定管理者について

対象会社を平成 28年 4月 1日から令和 3年 3月 31日までの 5年間、大正ロマン館、王地山

公園ささやま荘及び市営駐車場の指定管理者として指定していたが、王地山公園ささやま荘に

おいては令和元年 6月 3日に対象会社から指定管理期間の変更にかかる要望書が提出され、令

和元年 6月 27日開会の第 120回水無月会議において指定期間を令和元年 8月 31日に変更する

ことについて可決されている。

また、市営駐車場の指定管理料として、平成 30年度は 19,300,000円を支出しているが、大

正ロマン館、王地山公園ささやま荘は利用料金制を採用し利用料金収入で管理運営が行われて

いるため指定管理料の支出はない。

2 対象会社の事業目的

(1) 事業の目的

対象会社の事業の目的は対象会社定款第 2条に規定されており、その内容は次のとおりである。

① 商業の振興を図るための団体、企業の指導及び情報の提供に関する業務

② 市街地開発に関する企画、調査、設計及びコンサルタントに関する業務

③ 環境の保全、省資源に関する企画、調査、並びにその事業の運営及び実施に関する業務

④ 商店街、商店の販売促進事業に関する企画、運営及び受託に関する業務

⑤ 土地、建物の有効利用に関する企画、調査、設計及びコンサルタントに関する業務

⑥ 地場産品の開発、加工、宣伝広告のための企画、運営及び受託に関する業務

⑦ 観光土産品、民芸品、食料品、酒類、清涼飲料水、タバコ、日用雑貨の販売に関する業務

⑧ 情報通信機器を利用した情報処理、並びに情報提供に関する業務

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⑨ 労働者派遣に関する業務

⑩ 出版に関する業務

⑪ 損害保険及び自動車損害賠償保険法に基づく保険の代理に関する業務

⑫ 大正ロマン館の運営管理に関する事業

⑬ 陶磁器の製造販売

⑭ 飲食店業

⑮ 音楽、美術、スポーツ、その他の文化事業の企画、立案実施

⑯ 各種イベント、キャンペーン等販売促進に関する行事の主催業務

⑰ 旅行代理店業

⑱ プレイガイド業

⑲ 不動産の所有、賃貸、売買、仲介、斡旋、管理及び利用

⑳ 駐車場、公園、緑地及び庭園の運営、管理及び受託に関する業務

㉑ コミュニティ施設等の商業基盤施設の企画、建設、運営及び受託に関する業務

㉒ 共同店舗、集合店舗等商業施設の企画、建設及び受託に関する業務

㉓ バスの運行に関する業務

㉔ 野菜・果実の販売並びに加工業

㉕ ホテル、旅館及び料理業その他風俗営業の経営

㉖ 公衆浴場及び遊技場の経営

㉗ 弁当、仕出し料理の製造、販売

㉘ 出張パーティの企画、運営及び料理請負

㉙ 前各号に付帯並びに関連する一切の事業

3 決算の状況

対象会社の決算は、中小企業の会計に関する基本要領により作成されており、経営成績及び財政

状態は次のとおりである。なお、対象会社の会計年度は 4月 1日から翌年 3月 31日までである。

(1) 経営成績

企業の一会計期間内の経営成績を表す計算書類である損益計算書から、過去 2ヶ年の経営成績

と比較すると次のとおりである。

比較損益計算書 (単位:円、%)

区 分

平成 30年度(第 24期) H30.4.1~H31.3.31

平成 29年度(第 23期) H29.4.1~H30. 3.31

平成 28年度(第 22期)

H28.4.1~H29. 3.31

金 額 前年度増減 前年度 増減比

金 額 前年度 増減比

金 額

売上高 378,745,235 △ 62,004,689 △ 14.1 440,749,924 △ 6.7 472,391,567

ささやま荘 178,100,296 △ 42,339,228 △ 19.2 220,439,524 △ 8.2 240,221,120

ロマン館物販 99,022,458 4,016,881 4.2 95,005,577 △ 4.8 99,781,672

ろまんてい 46,059,256 △ 1,246,868 △ 2.6 47,306,124 △ 5.5 50,042,979

昭和百景館 53,313,625 △ 1,091,066 △ 2.0 54,404,691 △ 7.5 58,838,864

駐車場 2,249,600 △ 19,676,408 △ 89.7 21,926,008 0.6 21,791,339

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アクト本部 0 △ 1,668,000 皆減 1,668,000 △ 2.8 1,715,593

売上原価 167,519,171 △ 10,481,510 △ 5.9 178,000,681 △ 7.9 193,311,177

期首たな卸高 8,509,772 △ 1,973,631 △ 18.8 10,483,403 △ 5.3 11,070,475

商品仕入高 166,734,441 △ 9,292,609 △ 5.3 176,027,050 △ 8.7 192,724,105

期末たな卸高 7,725,042 △ 784,730 △ 9.2 8,509,772 △ 18.8 10,483,403

売上総利益 211,226,064 △ 51,523,179 △ 19.6 262,749,243 △ 5.9 279,080,390

販売費及び一般管理費 247,770,196 △ 30,907,409 △ 11.1 278,677,605 △ 5.0 293,467,756

営業利益 (△損失) △ 36,544,132 △ 20,615,770 129.4 △ 15,928,362 10.7 △ 14,387,366

営業外収益 27,626,850 26,755,879 3,072.0 870,971 △ 25.1 1,162,493

受取利息 3,901 3,501 875.3 400 △ 62.3 1,061

受取配当金 4,776 0 0.0 4,776 △ 25.0 6,367

雑収入 352,530 △ 513,265 △ 59.3 865,795 △ 25.0 1,155,065

受託手数料 27,265,643 27,265,643 皆増 0 - 0

営業外費用 4,448,901 4,112,129 1,221.0 336,772 △ 15.6 398,997

支払利息 502,314 249,654 98.8 252,660 △ 19.7 314,649

雑損失 3,946,587 3,862,475 4,592.1 84,112 △ 0.3 84,348

経常利益 (△損失) △ 13,366,183 2,027,980 △ 13.2 △ 15,394,163 13.0 △ 13,623,870

特別利益 0 0 - 0 - 0

特別損失 0 △10 皆減 10 皆増 0

税引前当期純利益 (△損失) △ 13,366,183 2,027,990 △ 13.2 △ 15,394,173 13.0 △ 13,623,870

法人税、住民税及び事業税 142,000 0 0.0 142,000 0.0 142,000

当期純利益 (△損失) △ 13,508,183 2,027,990 △ 13.1 △ 15,536,173 12.9 △ 13,765,870

平成 30 年度売上高 378,745,235 円に対し、売上原価 167,519,171 円と販売費及び一般管理費

247,770,196 円を差引した営業損失は 36,544,132 円となっており、前年度営業損失と比較すると

20,615,770 円赤字が増加している。営業損失の増加の要因は、売上原価が 10,481,510 円減少、販売

費及び一般管理費が 30,907,409円減少したが、売上高が王地山公園ささやま荘の売上の減少や駐車場

の売上高を平成 30年度決算から営業外収益(受託手数料)としたこと等により 62,004,689円減少し

たことが主な要因である。なお、営業利益に営業外収益 27,626,850円、営業外費用 4,448,901円を加

減した税引前当期純損失は 13,366,183円であり、法人税、住民税及び事業税を差引いた当期純損失は

13,508,183円となり、前年度と比較すると 2,027,990円減少している。

(2) 財政状態

企業の決算日時点の財政状態を表す計算書類である貸借対照表から、過去 2ヶ年の財政状態と比

較すると次のとおりである。

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比較貸借対照表 (単位:円、%)

区 分

平成 30年度(第 24期) H31.3.31

平成 29年度(第 23期) H30.3.31

平成 28年度(第 22期)

H29.3.31

金 額 前年度増減 前年度増減比 金 額 前年度増減比 金 額

流動資産 43,182,748 △ 9,049,211 △ 17.3 52,231,959 △ 27.9 72,483,360

現金及び預金 27,004,576 △ 3,756,351 △ 12.2 30,760,927 △ 38.3 49,843,472

売掛金 3,257,122 △ 2,402,057 △ 42.4 5,659,179 3.6 5,459,924

たな卸資産 0 △ 10,523,564 皆減 10,523,564 △ 17.5 12,754,282

前払費用 93,204 △ 167,955 △ 64.3 261,159 14.0 229,164

未収入金 2,831,392 △ 2,173,514 △ 43.4 5,004,906 24.5 4,021,166

立替金 0 △ 13,824 皆減 13,824 15.7 11,952

仮払金 0 △ 8,400 皆減 8,400 △ 94.9 163,400

商品 7,722,189 7,722,189 皆増 0 - 0

貯蔵品 2,274,265 2,274,265 皆増 0 - 0

固定資産 35,556,752 396,446 1.1 35,160,306 △ 18.1 42,939,562

有形固定資産 32,602,502 396,446 1.2 32,206,056 △ 17.5 39,058,712

建物 23,771,954 0 0.0 23,771,954 △ 9.8 26,354,077

構築物 779,851 0 0.0 779,851 △ 10.9 875,253

建物付属設備 217,453 0 0.0 217,453 △ 18.1 265,413

車両・運搬具 4,543,319 0 0.0 4,543,319 △ 36.3 7,136,645

工具、器具、備品 2,943,099 396,446 15.6 2,546,653 △ 35.7 3,959,668

造作 346,826 0 0.0 346,826 △ 25.8 467,656

無形固定資産 2,119,250 0 0.0 2,119,250 △ 25.5 2,845,850

ソフトウェア 2,119,250 0 0.0 2,119,250 △ 25.5 2,845,850

投資その他の資産 835,000 0 0.0 835,000 △ 19.3 1,035,000

出資金 460,000 0 0.0 460,000 △ 30.3 660,000

敷金 375,000 0 0.0 375,000 0.0 375,000

資産合計 78,739,500 △ 8,652,765 △ 9.9 87,392,265 △ 24.3 115,422,922

流動負債 32,907,959 △ 15,249,582 △ 31.7 48,157,541 △ 10.2 53,621,025

買掛金 11,578,550 △ 3,164,122 △ 21.5 14,742,672 △ 6.4 15,746,680

未払費用 12,408,148 △ 10,367,400 △ 45.5 22,775,548 △ 15.5 26,951,763

未払法人税等 142,000 0 0.0 142,000 0.0 142,000

前受金 124,000 △ 22,000 △ 15.1 146,000 △ 26.4 198,500

預かり金 2,129,161 467,533 28.1 1,661,628 87.7 885,160

商品券 0 △ 33,000 皆減 33,000 △ 35.3 51,000

仮受金 0 △ 22,500 皆減 22,500 △ 13.5 26,000

未払消費税 4,194,600 △ 2,243,200 △ 34.8 6,437,800 179.9 2,300,400

市営駐車場預り金 2,331,500 135,107 6.2 2,196,393 △ 70.0 7,319,522

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固定負債 38,413,000 20,105,000 109.8 18,308,000 △ 27.7 25,339,000

長期借入金 38,413,000 20,105,000 109.8 18,308,000 △ 27.7 25,339,000

負債合計 71,320,959 4,855,418 7.3 66,465,541 △ 15.8 78,960,025

株主資本 7,418,541 △ 13,508,183 △ 64.5 20,926,724 △ 42.6 36,462,897

資本金 9,000,000 0 0.0 9,000,000 0.0 9,000,000

利益剰余金 2,618,541 △ 13,508,183 △ 83.8 16,126,724 △ 49.1 31,662,897

利益準備金 2,350,000 0 0.0 2,350,000 0.0 2,350,000

その他利益剰余金 268,541 △ 13,508,183 △ 98.1 13,776,724 △ 53.0 29,312,897

自己株式 △ 4,200,000 0 0.0 △ 4,200,000 0.0 △ 4,200,000

純資産合計 7,418,541 △ 13,508,183 △ 64.5 20,926,724 △ 42.6 36,462,897

負債・純資産合計 78,739,500 △ 8,652,765 △ 9.9 87,392,265 △ 24.3 115,422,922

平成 30年度決算における資産の合計は 78,739,500円で、前年度に比べ 8,652,765円(9.9%)の減

少となっている。資産の内訳は、流動資産(現金預金、たな卸資産等)43,182,748円と固定資産(建

物、工具・器具・備品等)35,556,752円である。流動資産は前年度に比べ 9,049,211円(17.3%)の

減少、固定資産は前年度に比べ 396,446 円(1.1%)の増加となっている。負債の合計は 71,320,959

円で前年度に比べ 4,855,418円(7.3%)の増加となっている。負債の内訳は、流動負債(買掛金、未

払費用等)32,907,959 円と固定負債(長期借入金)38,413,000 円である。流動負債は前年度に比べ

15,249,582円(31.7%)の減少、固定負債は前年度に比べ 20,105,000円(109.8%)の増加となって

いる。純資産の合計は 7,418,541円で前年度に比べ 13,508,183円(64.5%)の減少となっている。利

益剰余金は平成 29年度末の 16,126,724円から当期純損失 13,508,183円を減算した 2,618,541円とな

り、結果、株主資本は 7,418,541円である。

(3) 経営分析

観点 指標名 算出式 H30 H29 平均値 備 考

総合力 自己資本当期純

利益率(ROE)

当期純利益÷

総資本(純資

産)×100

△182.1% △74.2% 13.65

自己資本に対してどれだけ

の利益が生み出されている

かを示す指標で、比率が高い

ほど優良だと判断できる。

収益性 売上高経常利益

経常利益÷売

上高×100 △3.5% △3.5% 2.63

企業の正常な収益力を表す

指標で、比率が高いほど効率

の良い経営を行っていると

判断できる。

安全性 自己資本比率

純資産÷総資

本(純資産)

×100

9.4% 23.9% 20.8

企業の財務体質が安定して

いるかを表す指標であり、比

率が高いほど、財務の安全度

が高いと判断できる。

健全性 財務レバレッ

総資本(純資

産)÷純資産 10.6 4.2 4.80

自己資本を 1としたときにそ

の何倍の大きさの総資本を

事業に投下したかを示す指

※ 経営分析の平均値は、平成 30年度中小企業実態基本調査(宿泊業・飲食サービス業欄)による。(中小企業庁資料)

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経営分析から判断される点としては、自己資本当期純利益比率については、当期純利益が△

13,508,183 円と赤字になっていることから△182.1%と平均値を大きく下回っている。売上高経

常利益率についても、△5.3%と平均値を下回っており収益性について問題があると考えられる。

自己資本比率については 9.4%と平成 29 年度と比較し 14.5 ポイント悪化しており財務の安全性

について問題があると考えらえる。

4 出資金、指定管理等の状況

(1) 出資金

この出資金は、中心市街地の観光事業を行いながら丹波篠山のまちづくりを担うことを目的と

して出資されたものであり、平成 7年 6月、本市(当時は篠山町)と丹波篠山観光協会(当時は

篠山観光協会)が各 1,500,000円を出資した第 3セクター方式の有限会社を設立された。現在の

出資状況は本市 3,000,000円、丹波篠山市商工会 1,500,000円、丹波篠山観光協会 1,500,000円、

対象会社 3,000,000円である。本市の出資金については出資引受書が会計課で保管されており、

あわせて、平成 30年度歳入歳出決算書の出資による権利の中で表示されている。

出資額の推移 単位:円

平成 21年度 平成 12年度 平成 9年度 平成 7年度 備 考

本 市 出 資 額 △1,500,000 3,000,000 0 1,500,000 平成 7、9年度は 旧篠山町の出資

本 市 外 出資 額 1,500,000 0 3,000,000 1,500,000

本市出資額累計 3,000,000 4,500,000 1,500,000 1,500,000

本市外出資額累計 6,000,000 4,500,000 4,500,000 1,500,000

対象会社資本金 9,000,000 9,000,000 6,000,000 3,000,000

(2) 公の施設の指定管理者受託

① 大正ロマン館は、平成 28年 4月から令和 3年 3月まで対象会社が指定管理者として施設管理

を行うこととなっており、篠山市大正ロマン館の管理に関する基本協定書並びに年度協定書に

より、利用料金制を採用しその料金収入で管理運営を行っている。この施設は篠山町役場北庁

舎だったものを平成 5年に大正ロマン館として改修が行われた施設であり、食事処ろまんてい

(地元産の「山の芋」「黒豆」などの野の幸、山の幸を材料としたミニ会席など)、物産品販売、

交流サロン、朝市コーナー等を有している。

なお、平成30年度は年度協定書第3条第1項の規定に基づき大正ロマン館の売上のうち

4,350,000円(消費税等別途)を市へ納入することになっているが、対象会社の経営状況の悪化

により市への納金は0円となっている。

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(ア) 大正ロマン館来客人数 (単位:人)

項 目 平成30年度 平成29年度 平成28年度

土産物・物販 53,582 58,961 59,532

レストランろまんてい 67,089 80,529 83,410

※対象会社提出資料より

(イ) 大正ロマン館納付金推移

平成 30年度 平成 29年度 平成 28年度

支出日 金額(円) 支出日 金額(円) 支出日 金額(円)

市への納付金 H30.5.28 4,698,000 H28.12.21 2,000,000

H29.5.19 2,698,000

計 0 4,698,000 4,698,000

② 王地山公園ささやま荘は、平成 28年 4月から令和 3年 3月まで対象会社が指定管理者として

施設管理を行うこととなっており、篠山市王地山公園ささやま荘の管理に関する基本協定書並

びに年度協定書により、利用料金制を採用しその料金収入で管理運営を行っている。しかし、

令和元年 6月 3日に対象会社から指定管理期間の変更にかかる要望書が提出され、指定期間を

令和元年 8月 31日に変更されている。この施設は国民宿舎ささやま荘を平成 14年 4月 1日に

リニューアルオープンされた施設であり、宿泊(シングルルーム 7室、ツインルーム 10室、和

室 6室、和洋室 1室)、宴会(2階お食事処花里、3階大宴会場)、レストラン(花車)、浴場(天

然温泉まけきらいの湯)、物販品販売等を有している。

なお、年度協定書第3条第1項の規定に基づきささやま荘の経常利益のうち2分の1の額を市へ

納入することになっている。ただし、経常利益が無かった場合の納付金は免除することになっ

ている。

(ア) 王地山公園ささやま荘来客人数 (単位:人)

項 目 平成30年度 平成29年度 平成28年度

レストラン・宴会等 30,762 43,001 47,251

宿泊 5,795 7,788 8,856

土産物・物販販売 7,155 9,391 10,418

温泉入浴 18,428 26,490 28,928

風呂物販 1,566 1,707 1,846

来客人数計 63,706 88,377 97,299

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(イ) 王地山公園ささやま荘納付金推移

平成 30年度 平成 29年度 平成 28年度

支出日 金額(円) 支出日 金額(円) 支出日 金額(円)

市への納付金 H28.12.21 5,000,000

H29.5.19 7,474,000

計 0 0 12,474,000

③ 市営駐車場は、平成 28年度から令和 3年度まで対象会社が指定管理者として施設管理を行う

こととなっており、篠山市営駐車場に関する基本協定書並びに年度協定書に基づき、市営駐車

場 10箇所の管理運営を行っており、平成 30年度は 19,300,000円の指定管理料が年間 4回に分

けて支払われている。

(ア) 駐車場別一時駐車台数 (単位:台)

項 目 平成30年度 平成29年度 平成28年度 備 考

三の丸西駐車場 39,801 38,434 39,230 大型車含む

大手前南駐車場 67,093 69,736 50,521

裁判所北駐車場 24,848 24,157 24,873

立町駐車場 989 1,135 847

河原町駐車場 1,440 1,642 1,319

歴史美術館前駐車場 16,931 18,991 18,195

交響ホール西駐車場 40,589 38,727 40,910

大手前北駐車場 71,749 71,775 79,424

市役所庁舎前駐車場 154,927 156,495 161,972

西町駐車場 1,661 771 875

計 420,028 421,863 418,166

※対象会社提出資料より

(イ) 年度別駐車料収入比較 (単位:円)

年 度 一時駐車場使用料 定期利用収入 サービス券収入 合 計

平成 30年度 20,173,896 6,998,000 400,000 27,571,896

平成 29年度 20,063,622 6,819,000 364,000 27,246,622

平成 28年度 21,317,249 6,706,000 470,000 28,493,249

※駐車料収入には篠山市対応分(直接収納分)は含まれない。

(3) 公の施設の指定管理者委託事務

① 大正ロマン館

大正ロマン館の指定管理事務については、商工観光課が行っており篠山市大正ロマン館の管

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理に関する基本協定書に基づき売上のうち 4,350,000円(消費税等別途)を市へ納入すること

になっているが、対象会社の経営状況の悪化により市への納金は 0円となっている。また、市

からの指定管理料の支払いはしていない。

(ア) 指定管理事務の状況

年 月 日 内 容 備 考

平成27年11月30日 議会の議決 平成27年第102回篠山市議会定例会

平成27年12月8日 指定の告示

平成28年4月1日 篠山市大正ロマン館の管理に

関する基本協定書の締結 平成28年4月1日~平成33年3月31日(5年間)

平成28年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成28年度

平成29年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成29年度

平成29年5月30日 事業報告書(平成28年度) 基本協定書第24条に基づく

平成30年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成30年度

平成30年5月28日 事業報告書(平成29年度) 基本協定書第24条に基づく

平成31年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成31年度

令和元年5月28日 事業報告書(平成30年度) 基本協定書第24条に基づく

② 王地山公園ささやま荘

王地山公園ささやま荘の指定管理事務は、商工観光課が行っており篠山市王地山公園ささや

ま荘の管理に関する基本協定書に基づき王地山公園ささやま荘の経常利益のうち 2 分の 1 の額

を市へ納入することになっている。ただし、経常利益が無かった場合の納付金は免除すること

になっている。また、市からの指定管理料の支払いはしていない。

(ア) 指定管理事務の状況

年 月 日 内 容 備 考

平成27年11月30日 議会の議決 平成27年第102回篠山市議会定例会

平成27年12月8日 指定の告示

平成28年4月1日 篠山市王地山公園ささやま荘の

指定管理に関する協定書の締結

平成28年4月1日~平成33年3月31日

(5年間)

平成28年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成28年度

平成29年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成29年度

平成29年5月30日 事業報告書(平成28年度) 基本協定書第24条に基づく

平成30年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成30年度

平成30年5月28日 事業報告書(平成29年度) 基本協定書第24条に基づく

Page 18: 丹篠監公表第 4 号 令和2年2月27日 丹波篠山市監査 …...丹篠監公表第 4 号 令和2年2月27日 丹波篠山市監査委員 畑 利 清 丹波篠山市監査委員

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平成31年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(納付額の決定) 平成31年度

令和元年5月28日 事業報告書(平成30年度) 基本協定書第24条に基づく

令和元年6月3日 指定管理期間変更の要望書 業績不振にともなう運営撤退

令和元年6月27日 議会の議決 令和元年第 120 回丹波篠山市水無月会議

令和元年7月31日 丹波篠山市王地山公園ささやま

荘の管理に関する基本協定変更

協定書の締結

令和 3年 3月 31日を令和元年 8月 31

日に変更

令和元年8月27日

指定管理期間終了後の維持管理

経費及びその方法についての協

議書の締結

費用負担は対象会社

期間は令和 3年 3月 31日又は別の管

理運営者を決定し業務が開始した日

のどちらか早い日

令和元年9月28日 事業報告書(令和元年度) 基本協定書第24条に基づく

③ 市営駐車場管理

市営駐車場の指定管理事務については、地域整備課が行っており篠山市営駐車場の管理に関

する年度協定書の第 3条に基づき指定管理料が支出されている。

(ア) 指定管理事務の状況

年 月 日 内 容 備 考

平成27年11月30日 議会の議決 平成27年第102回篠山市議会定例会

平成27年12月8日 指定の告示

平成28年3月31日 篠山市営駐車場の管理に関する

基本協定書の締結 平成28年4月1日~平成33年3月31日(5年間)

平成28年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(指定管理料の決定) 平成28年度

平成29年3月31日 市営駐車場管理業務報告書

(平成28年度 実績報告) 基本協定書第24条に基づく

平成29年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(指定管理料の決定) 平成29年度

平成29年5月15日 年度協定変更協定書の締結

(指定管理料の請求可能日の変更)

第2回目の平成29年7月1日を5月15日に

変更

平成30年3月31日 市営駐車場管理業務報告書

(平成29年度 実績報告) 基本協定書第24条に基づく

平成30年4月1日 基本協定に基づく年度協定書の締結

(指定管理料の決定) 平成30年度

平成30年6月1日 年度協定変更協定書の締結

(指定管理料の請求可能日の変更)

請求を4回から2回(4月1日と7月1日)

に変更

平成31年2月15日 変更基本協定書の締結

(別紙2 管理物件の変更)

西町駐車場の料金ボックス式から

機械ゲート式に変更

平成31年3月31日 市営駐車場管理業務報告書

(平成30年度 実績報告) 基本協定書第24条に基づく

Page 19: 丹篠監公表第 4 号 令和2年2月27日 丹波篠山市監査 …...丹篠監公表第 4 号 令和2年2月27日 丹波篠山市監査委員 畑 利 清 丹波篠山市監査委員

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(イ) 市営駐車場指定管理料の推移 (単位:円)

平成 30年度 平成 29年度 平成 28年度

支出日 金額(円) 支出日 金額(円) 支出日 金額(円)

指定管理料 H30.5.10 4,825,000 H29.5.31 4,825,000 H28.5.20 4,825,000

H30.6.11 4,825,000 H29.5.31 4,825,000 H28.8.10 4,825,000

H30.7.20 4,825,000 H29.11.20 4,825,000 H28.11.21 4,825,000

H30.7.20 4,825,000 H30.2.13 4,825,000 H29.2.20 4,825,000

合 計 19,300,000 19,300,000 19,300,000