第三種郵便物認可 the yakuji nippo...

当ファイルの著作権は㈱薬事日報社またはコンテンツ提供者に帰属します。当ファイル(印刷物含む)の利用は私的利用の範囲内に限られ、それ以 外の無断複製・無断転載・無断引用はご遠慮ください。当ファイル(印刷物含む)を社内資料、営業資料などでご利用される場合はご相談ください。 株式会社薬事日報社 TEL:03-3862-2141 [email protected] http://www.yakuji.co.jp/ ( 1 ) 第12147号 2019 (平成31) 年 4 月 3 日 水曜日 © (       ) 昭和十八年二月八日 第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO Pharmaceutical News 金 発行 薬事日報社 東京本社 〒101-8648 東京都千代田区神田和泉町1 ☎(03)3 8 6 2 - 2 1 4 1 (03)5 8 2 1 - 8 7 5 7 大阪支社 〒541-0045 大阪市中央区道修町2-1-10 ☎(06)6 2 0 3 - 4 1 9 1 (06)6 2 3 3 - 3 6 8 1 購 読 料  半年18,300円 (税別)  1年33,550円 本号8ページ 電話モニタリング に効果…………3 製薬各社が入社式 …………………7 米拠点にベンチャー投資 大鵬ベンチャーズ… …8 特集 45 新生活スタートきょうの紙面 29 調69 使17 10 医療経済効果は7700万円 10 調10 尿調42 19 15 13 20 14 12 11 11 •••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 成育医療研究センター 協定書に調印した山本学長 (左) 五十嵐理事長 薬局薬剤師が副作用回避 48 30 11 41 23 31 21 21

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  • 当ファイルの著作権は㈱薬事日報社またはコンテンツ提供者に帰属します。当ファイル(印刷物含む)の利用は私的利用の範囲内に限られ、それ以外の無断複製・無断転載・無断引用はご遠慮ください。当ファイル(印刷物含む)を社内資料、営業資料などでご利用される場合はご相談ください。

    株式会社薬事日報社 TEL:03-3862-2141 [email protected] http://www.yakuji.co.jp/

    ( 1 ) 第12147号 2019(平成31)年 4 月 3 日 水曜日 ©(       )昭和十八年二月八日第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO ( Pharmaceutical News )

    月 水 金 発行

    薬事日報社東京本社� 〒101-8648東京都千代田区神田和泉町1  ☎(03)3 8 6 2 - 2 1 4 1  ℻(03)5 8 2 1 - 8 7 5 7大阪支社� 〒541-0045大阪市中央区道修町2-1-10  ☎(06)6 2 0 3 - 4 1 9 1  ℻(06)6 2 3 3 - 3 6 8 1 購 読 料  半年18,300円 (税別)  1年33,550円

    本号8ページ

    電話モニタリング に効果……………3製薬各社が入社式 …………………7米拠点にベンチャー投資 大鵬ベンチャーズ……8特集 4~5

    〈新生活スタート〉

    きょうの紙面

     

    昭和薬科大学と

    国立成育医療研究

    センターは3月29

    日、周産期・小児

    分野の共同研究や

    人材育成などを協

    力して進める学術

    交流協定を締結し

    た。小児・周産期

    分野に精通した薬

    剤師・研究者の育

    成が目的で、小児

    向けの剤形変更や既存薬の

    効能追加に関する研究を実

    施すると共に、卒業研究に

    おいて昭和薬大の学生を同

    センターに派遣し、リサー

     

    薬局薬剤師が副作用を回避したり、重篤化を防

    いだりする薬学的介入を行った結果、大きな医療

    経済効果が得られたことが、福岡大学大学院薬学

    研究科などのグループの研究によって明らかに

    なった。久留米三井薬剤師会が収集したプレアボ

    イド事例を、薬学的介入によって副作用発現を未

    然に回避できた事例と重篤化を防げた事例に分類

    して解析。これらを防げなかった場合、7708

    万円の医薬品副作用被害救済費用が必要になると

    推算した。介入による費用抑制額は、調剤報酬に

    比べてはるかに大きいことを示した。

    ◆平成を振り

    返ると、製薬

    業界では大型

    買収が目立っ

    た時代であっ

    たが、最近で

    は一つの化合物をめぐる

    企業間の提携契約も大型

    化している。第一三共は

    先月、将来の大型化を期

    待する抗癌剤「DS︲8

    201」について英アス

    トラゼネカ(AZ)と全

    世界での共同開発・販売

    契約を締結。契約一時金

    やマイルストンを含め最

    大69億ドル(約7590

    億円)をAZから受け取

    る“ビッグディール”と

    なった◆昨年3月には、

    エーザイが抗癌剤「レン

    ビマ」の全世界における

    共同開発・販促契約を米

    メルクと締結した。オプ

    ション権を行使する際に

    発生する一時金も含める

    と、最大1000億円超

    を受領することになる◆

    「DS︲8201」と「レ

    ンビマ」の共通点は、国

    内大手が自社創製した化

    合物で海外メガファーマ

    との大型契約が実現でき

    た点◆最近では一部製薬

    企業による研究開発部門

    の切り離しも相次いだ

    が、元号も「令和」に変

    わる新たな時代。地道な

    創薬活動から大型契約に

    つなげる研究開発戦略が

    見直される契機になるか

    もしれない。

     

    研究に取り組んだのは、

    福岡大学大学院薬学研究科

    臨床薬剤学研究室、同薬剤

    師会、福岡大学病院薬剤

    部、第一薬科大学のグルー

    プ。2010年度から17年

    度まで会員薬局が薬剤師会

    に報告したプレアボイド事

    例について、副作用発現を

    未然に回避できた287件

    と重篤化を防止できた10件

    に分類し、解析した。

     

    医療経済効果の推算は先

    行研究を参考にし、医薬品

    医療機器総合機構(PMD

    A)の医薬品副作用被害救

    済制度による給付件数と支

    給額をもとに、1件当たり

    の救済費用を算出。重大な

    副作用は1件当たり214

    万円、ハイリスク薬は1件

    8万4000円、非ハイリ

    スク薬は1件5万6000

    円とし、これを各事例に当

    てはめて推算した。

     

    報告されたプレアボイド

    事例のうち、このまま放置

    すると副作用発現や再発、

    増悪を招いて救済制度の対

    象となるものは249件

    あった。その内訳は、副作

    用発現の未然回避事例23

    医療経済効果は7700万円

    福岡大などグループ

    9件、重篤化防止事例10

    件。これらを防げなかった

    場合、被害救済費用として

    7708万円の支払いが必

    要になると推算。介入によ

    る費用抑制額は、調剤報酬

    に比べてはるかに大きいこ

    とが分かった。

     

    副作用の重篤化を回避し

    た10件の内訳は、▽排尿障

    害(アミトリプチリン)▽

    発疹・吐き気(セフカペ

    ン)▽肝障害(テルビナ

    フィン)▽血栓症(ラロキ

    シフェン)▽出血(ワル

    ファリン)▽眼瞼浮腫(プ

    レガバリン)▽横紋筋融解

    症(ガレノキサシン)▽浮

    腫(ニコランジル、モンテ

    ルカスト、ボノプラザン、

    シロスタゾール、ベラパミ

    ル)▽不整脈悪化(タダラ

    フィル)▽めまい、ふらつ

    き(プレガバリン)︱︱と

    なった。

     

    薬局薬剤師が副作用発現

    や重篤化を防いだきっかけ

    の割合を調べたところ、お

    薬手帳42%、薬歴19%、

    患者の訴え15%、処方箋

    13%、検査値6%などだっ

    た。疑義照会を行った理由

    としては、同種同効薬の重

    複20%、禁忌14%、同成分

    重複12%、併用禁忌11%、

    誤処方の疑い11%、過量投

    与7%などとなっていた。

     

    お薬手帳によって、他院

    処方薬との相互作用、同種

    同効薬や同成分の重複を発

    見することが多かった。重

    複が多い同種同効薬は、胃

    酸分泌抑制薬、抗ヒスタミ

    ••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••

    小児などに強い薬剤師育成へ

    昭和薬大と学術交流協定

    成育医療研究センター

    チマインドの養成を行う方

    針だ。昭和薬大が大学以外

    の組織と協定を結ぶのは初

    めて。

     

    今回の協定は、国内で少

    ない薬学における周産期・

    小児分野に対応できる薬剤

    師の育成を主な目的とした

    もの。以前から両者で人材

    交流があったことや、地理

    的に近いことによるメリッ

    トなどを踏まえて協定に踏

    み切った。

     

    具体的には、両者による

    共同研究と人材交流に力を

    入れる。小児向けの剤形変

    更や既存薬の効能追加に関

    する共同研究を進めると共

    に、同センターが蓄積した

    データを活用して、妊婦に

    関する医薬品情報のデータ

    ベース構築なども検討して

    いく。

     

    また、薬科大学では臨床

    研究の実施が難しいことか

    ら、卒業研究で学生を同セ

    ンターに派遣してリサーチ

    マインドのある薬剤師を育

    てたい考え。大学院では、

    同センターの職員が昭和薬

    大で博士の学位を取得でき

    る一方、大学院生、大学職

    員が同センターでの研究に

    参画するなど、教育・研究

    面での協力体制を強化して

    いく。

     

    昭和薬大の学生、大学院

    生が同センターの職員によ

    る講義を受講したり、研修

    に参加することによって高

    度な専門知識を習得できる

    ようにするほか、昭和薬大

    の講義に同センターの職員

    を非常勤講師として招き、

    医療現場の様子を伝えても

    協定書に調印した山本学長(左)と五十嵐理事長

    らう。こうした取り組みを

    通じて、周産期や小児分野

    への関心を高める。卒業生

    や大学近隣の薬剤師を対象

    に公開講座を開くことによ

    り、現役薬剤師のスキル

    アップもサポートする。

     

    今回の協定締結を受け、

    昭和薬大の山本恵子学長

    は、「小児医療、研究で国

    内トップの成育医療研究セ

    ンターと交流協定を結ぶこ

    とで高度な研究・教育を行

    い、他大学に先駆けて周産

    期・小児分野に強い薬剤師

    を育成していきたい」と述

    べた。

     

    成育医療研究センターの

    五十嵐隆理事長も「薬学の

    中で小児の位置づけは決し

    て中心ではないが、この分

    野に薬剤師が関わり、薬学

    の知識を大いに活用してほ

    しい」と期待感を示した。

    薬局薬剤師が副作用回避

    ン薬・抗アレルギー薬、非

    ステロイド性消炎鎮痛薬

    (NSAIDs)だった。

    腎機能の低下を把握するな

    ど、検査値が介入のきっか

    けになった事例もあった。

     

    疑義照会による処方変更

    の内訳は、中止48%、変更

    30%、減量11%、増量5%

    など。薬剤が中止された

    理由は同種同効薬の重複

    41・3%、同成分重複23・

    9%、併用禁忌9・4%な

    どだった。薬剤が変更され

    た理由は禁忌31・8%、併

    用禁忌21・2%、誤処方

    21・2%などとなってい

    た。