宮田直彦のエリオット波動レポート · 2021. 1. 15. · 1 月4...

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1 © MONEY SQUARE, INC. This Report is for Authorized Recipients Only and Not for Public Distribution. 宮田直彦のエリオット波動レポート 【日経平均】 ドル建て日経平均が史上最高値に 【当面の想定レンジ】 28,200~29,300 円 【NY ダウ】 変化日(1 月 11 日)前後に天井を付けた? 【当面の想定レンジ】 30,300~31,200 ドル 【米ドル/円】 104.742 円を抜けるか? 【当面の想定レンジ】 102.590~104.742 円 2021 年 1 月 15 日(金)発行 マーケット見通し(短期アップデート) ※1 月 15 日更新

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1 © MONEY SQUARE, INC.

This Report is for Authorized Recipients Only and Not for Public Distribution.

宮田直彦のエリオット波動レポート

【日経平均】

ドル建て日経平均が史上最高値に

【当面の想定レンジ】 28,200~29,300円

【NYダウ】

変化日(1月 11日)前後に天井を付けた?

【当面の想定レンジ】 30,300~31,200 ドル

【米ドル/円】

104.742円を抜けるか?

【当面の想定レンジ】 102.590~104.742円

2021年 1月 15日(金)発行

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マーケット見通し(短期アップデート) ※1月 15日更新

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【短期波動分析】 ドル建て日経平均が史上最高値に

1月 13日、日経平均は 1989年高値(38,957.44円)から 2008年安値(6,994.90)までの下落に対

し 3分の 2戻り水準(28,303円)を達成。翌 14日には一時上げ幅が 500円を上回り、29,000円手

前に迫りました。この日は TOPIXが一時 1885に上昇、2018年 1月以来 3年ぶり高値となりました。

ドル建てで運用する海外投資家が注目するドル建て日経平均は、1989年 12月高値 273 ドルを上回り

ついに史上最高値を更新しました(1/13)。2020年 3月安値から 1月 14日高値までに日経平均は

77%上がりましたが、ドル建ては 88%超も上がっています。昨年末にかけて米ドル安が進んだことが寄与し

ています。

中長期的にみると、ドル建て日経平均の高値更新を契機に、海外投資家による日本株見直し機運が一

段と高まることが期待できそうです。

もっとも、短期的には上昇一服となっておかしくありません。チャートをみると 2020年 3月以降でドル建

て日経平均は垂直に近い上昇を示していますが、さすがにこのような状況は長く続かないでしょう。

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日経平均日足

(出所) Bloomberg

1

2

3

4

16,358.193/19

21,7107/31

22,948.4710/30

iii

i

ii

10/923,725.88

6/923,185.85

MACD

売り 売り

買い

iv

v5(1)

20/1/1724,115.25

買い

日経平均

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筆者は「昨年までの米ドル安基調が、今年からは米ドル高へ転換する」という見通しを立てていますが、も

しそうなら、ドル建て日経平均の上昇の勢いは減退していくことでしょう。

【時間足分析】

26,361円(12/22)からの上昇は、第 v波に位置付けられます。そして 27,002円(1/6)からの急騰

は、第 v波中第➂波でしょう。第➂波の理想的なターゲットは第➀波の 1.618倍の長さになる水準・

29,000円処(29,009円)辺りです。1月 14日は高値(28,979円)を付けた後に、急速に上げ幅を縮

める場面がみられました。第➂波が終了し、第➃波に入ったのかもしれません。そうであれば、目先は高値

保ち合いが続き、その後に第➄波の上昇が予想されます。それを以て 2020年 3月からの上昇第(1)波

は終わるでしょう。

1月 14日に第➂波が終わったと仮定すると、第➂波の上昇幅に対し 38.2%押しの水準は 28,224円で

す。このサポートレベルが維持される限り、上記のような強気見通しは継続です。その反面、28,200円を

下回る動きとなれば、強気見通しに疑問符が付きます。

新型コロナウィルスの感染が国内で初めて確認されたのは昨年の今日、1月 15日でした。その 2日後の

1月 17日、日経平均はコロナ・ショックで急落する前の高値を付けています。

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1989 1992 1995 1998 2001 2004 2007 2010 2013 2016 2019 2022

ドル建て日経平均 (週足)

1989/12273.6

(出所) Bloomberg

2020/3148.17

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前回号(1/8)で書いたように、日経平均は年末年始に大小のトレンド転換を迎えることが多い、というア

ノマリーがあります。2013年以降でみると、12月転機は 3度(2013年、2015年、2018年)、1月転

機は 4度(2015年、2017年、2018年、2020年)ありました。

今年もアノマリーが有効なら、今月中に日経平均は第(1)波の高値を付けると思われます。

【1月 15日 8:10更新】

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日経平均 120分足

('20/8/3~'21/1/14)

(出所) Bloomberg

ii

i

22,948.4710/30

12/726,894.25 iii

26,327.0812/8

25,452.5911/20

11/1726,057.30

10/923,725.88

iv

12/2927,602.52

5

(1)

26,361.6612/22

27,002.181/6

③?

vAlt:⑤

v5

(1)

1/1428,979.53

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【短期波動分析】 変化日(1月 11日)前後に天井を付けた?

2020 年 10 月 30 日安値(26,143 ドル)から足元までの上昇波は、同年 3 月安値(18,213 ドル)を起

点とする上昇トレンド・第 1波の最終局面に位置付けられます。28,902 ドル(11/12)以来の上昇斜行三

角形=「ダイアゴナル・トライアングル」は上昇トレンドの最後に現れるパターンです。

NYダウはダイアゴナル・トライアングルの上辺を上抜けていますが、これは強気相場の最終局面に現れるこ

との多いオーバーシュート「スローオーバー(throw-over)」と思われます。

【ナスダック時間足分析】

ナスダック総合指数の 2020年 10月以来の上昇トレンドは、典型的な 5波構成で展開しています。今年

1月 4日安値(12,543)以来の上昇は、2020年 10月以来の上昇トレンドにおける 5つ目の波=第(v)

波とカウントできます。

ナスダック総合指数は 1月 14日に一時 13,220へ上昇、最高値を更新しました。一方ナスダック 100、

NYSE FANG+指数などは、1月 8日に付けた高値を更新していません。前回レポート(1/8)で注目日とて

いた 1月 11日前後が、マーケットの転換タイミングだったのかを引き続き注目しています。

【1月 15日 9:15更新】

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(4)

1

2

3

4

iii

i

ii

iv

v

5

26,143.7710/30

18,213.6520/3/23

20/2/1229,568.57

1

NYダウ 日足

(出所) Bloomberg

9/329,199.35

28,902.1311/12

3/2622,595.06

スローオーバー?

NYダウ

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10500

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12000

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13500

ナスダック総合指数 60分足

('20/10/28-'21/1/14)

10,822.5710/30

12/2912,973.33

12,543.241/4

(iv)

(iii)

(i)

(ii)

(v)

11/912,108.07

12/912,607.14

(出所) Bloomberg

21/1/1413220.15

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【短期波動分析】 104.742円を抜けるか?

2020 年 3 月 24 日の 111.710 円からのドル安円高は、2015 年を起点とする大型トライアングル(A-

B-C-D-E)中、最後の E波に位置付けられます。大型トライアングル完成後には、中長期のドル高・円安ト

レンドが続くとみています。E 波の内部構造をみると、111.710 円(3/24)~104.190 円(7/31)までが

「ダブル・ジグザグ」、その後に「ダイアゴナル・トライアングル」が続く、混合型フォーメーションになっています。

1 月 6 日に付けた 10 ヵ月ぶりドル安・円高水準(102.590 円)を以て、E 波が完了した可能性に注目し

ています。この見方は 104.742 円(2020 年 3 月・111.710 円からの米ドル/円下落に対し 23.6%戻り

水準)を明確に上回ることにより、さらに強められます。

米ドル/円と同じように、ドルインデックスは 2020 年 3 月下旬から一貫して下落(米ドル安)傾向でした。

それは米金利の低下、とりわけ米実質金利(名目金利-期待インフレ率)の低下と大方リンクしてきました。

年初から米実質金利は年初からマイナス幅を縮め、それに歩調を合わせる格好で、米ドルもじわり上昇を

始めています。これは米ドル高トレンドの最初の一歩かもしれません。【1月 15日 9:55更新】

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01/07 02/07 03/07 04/07 05/07 06/07 07/07 08/07 09/07 10/07 11/07 12/07 01/07

米ドル/円 日足

C

(x)

a

(w)

D

(y)

b

c a

b

c a

b

c

(z)

E

(x)

(出所) Bloomberg

101.1903/9

2/20112.230

3/24111.710

11/11105.680

d

e

102.5901/6

104.1907/31

8/13107.050

104.0009/21

10/7106.110

103.18011/6

9/3106.550

23.6% (104.742)

米ドル/円

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2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021

米ドル/円 週足

C

D

E

A

B

15/6/5125.860

99.02016/6/24

101.19020/3/9

(出所) Bloomberg

3/24111.710

(A)

(B)

16/12/15118.660

-1.4

-1.2

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

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0.8

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20/01 20/02 20/03 20/04 20/05 20/06 20/07 20/08 20/09 20/10 20/11 20/12 21/01 21/02 21/03

ドルインデックス (左軸)

米10年実質金利 (右軸)

(出所) Bloomberg

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