福井県民衛星プロジェクト...福井県では、人口減少や社会の高齢化などによる経済活動の縮小に打ち勝つべく、...
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福井県 産業労働部 産業技術課2020年 7月
福井県民衛星プロジェクト~ 宇宙産業への挑戦! ~
福井県では、人口減少や社会の高齢化などによる経済活動の縮小に打ち勝つべく、新たな産業として宇宙産業に着目。 2015年に福井経済新戦略に織り込んだ。
『福井県民衛星プロジェクト』は、産学官金が連携して、県民衛星の製造やデータ利用を契機に、ハードウェア、ソフトウェア、人材育成等、様々な面で宇宙産業の拠点化を目指すもの。
福井県民衛星プロジェクト
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準備段階
0からのスタート・ 試験設備の整備・ エンジニアのトレーニング・ 利活用方策の検討
宇宙産業の拠点化・ 超小型人工衛星の生産拡大・ データ利用ビジネスの展開・ 宇宙人材の育成
福井県の目指す姿
2015年~2019年
直近の具体的目標
県民衛星
2020年
超小型人工衛星の試験設備
3④ クリーンブース②大動変位振動試験機 ③ 熱真空試験機
① 大型電波無響室
県工業技術センター①②③④
⑤ イオン加速器若狭湾エネルギー研究センター ⑤
ふくい宇宙産業創出研究会 (2015年設立)
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➢エンジニアのトレーニング
県内企業等のエンジニアが東京大学の中須賀教授の研究室に派遣され、超小型人工衛星の設計・製造・試験のトレーニングを受けた。
【設 立】 2015年9月24日
【会員数】 設立時:21企業
現 在:63企業(2020年7月現在)
【事務局】 福井県工業技術センター
【活 動】 宇宙産業に係る調査、人工衛星の共同研究、他
➢東京大学との共同研究
発 展
・ ルワンダ共和国向け衛星(RWASAT-1)
・ 東京オリンピック向けガンダム衛星(G-SATELLITE)
・ 水推進エンジン実証衛星(AQT-D)全て放出済
※ 県内企業のエンジニアはバス部と呼ばれる衛星の基幹部分を担当
約10cm×10cm×30cm
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【RWASAT-1/AQT-D】国際宇宙ステーションから放出
(2019.11.20)
【G-SATELLITE】完成披露記者会見(2019.12.3)
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福井県民衛星技術研究組合(2016年8月経産大臣認可)
県民衛星の製造・有効利用を実現する組織として、2016年に福井県、県内企業9社、富士通、アクセルスペースによって設立。
【監事】 福井銀行
福井新聞社【顧問】 JAXA/福井大学/福井県立大学/福井工業大学/福井高専
助言
行政利用に向けて開発されたソフトの改善提案
協力
福井県民衛星技術研究組合理事長 ネスティ 進藤哲次 (FSTRA:Fukui Satellite Technology & Research Association)
技術
支援
福井県工業技術センター
福井県
㈱ネスティ 福井システムズ㈱ 福井ネット㈱富士通㈱
衛星データ利活用グループ
衛星製造グループ山田技研㈱
セーレン㈱ 鯖江精機㈱ ㈱アクセルスペースタイヨー電子㈱
㈱ナカテック
春江電子㈱
モスクワ
バイコヌール宇宙基地
日本
打上げ予定
場 所: カザフスタンの
バイコヌール宇宙基地
軌 道: 高度600kmの太陽同期軌道
福井県民衛星の打上げに向けて
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年度 2016 2017 2018 2019 2020 ~
製造分野
利活用分野
技術研究
利活用分野検討
打
上
げ
仕様書作成製造、
環境試験
衛星データ行政利用ソフト改良
全国自治体への展開
他の衛星製造受注
画像解析研究
ソフト開発・試行評価
組合活動
・ 1955年建設・ 1957年人類初の衛星打上げ成功・ 発射台14基・ 基地面積: 約5,000㎢
福井県民衛星の名称決定!
82019年11月10日、県民衛星の名称が「すいせん」に決定。
県民衛星「すいせん」の主たる仕様
■ 望遠カメラで宇宙から地上を撮影
大きさ 約60x60x80cm(突起部含まず)
重量 約100kg
地上分解能 2.5m
9図1:羽田空港(トゥルーカラーパンシャープン画像) 図2:東京都心部(トゥルーカラーパンシャープン画像)
画像イメージ(出典:㈱アクセルスペースHP)
スター・トラッカー
太陽電池セル
X バンド・アンテナ
サン・センサー
S バンド・アンテナ
望遠鏡、パンクロ・マルチ・スペクトル・カメラ
衛星画像利用システムを開発(組合)
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データセンター
解析システム ポータルシステム
衛星データ
衛星画像解析処理
加工済み衛星データ
変化抽出結果
変化抽出結果
加工済み衛星データ
福井県オープンデータ
衛星データ検索
変化抽出
3D表示
オープンデータGIS表示
利用者がアクセス
衛星データ
・ 福井県において様々な行政事務で利用予定(2020年8月~)
・ 福井県での利用結果を活かしてシステムの商品価値を高めるとともに県外の行政機関や民間に展開
衛星画像利用システム –地図に重ねて表示-
GPSデータ
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衛星画像利用システム –オープン・データをオン-
衛星画像利用システム –新旧画像を比較し変化検出-
地滑り検出
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変化検出例 -河川分野-
FSTRA Confidential 14
河川の土砂除去工事による変化を検出
赤線で囲まれたエリアはシステムが変化を認知したことを意味する
ドローン画像
変化検出例 -植生あり→なし-
FSTRA Confidential
植生有無の変化を正しく検出
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25m 25m
2019/10/10撮影 2019/10/23 撮影
衛星画像: ©Axelspace
解析: Copyright 2019 FUJITSU LIMITED
衛星画像: ©Axelspace
解析: Copyright 2019 FUJITSU LIMITED
活用アイディア(一例)
■ 盗伐(林業)
林野庁は平成30年3月、森林の「盗伐」に関する全国調査を初めて実施した。
結果10か月間に全国で62件もの無断伐採の事例があった。
※ 林野庁によると、1950年代に全国で植林されたスギが温暖な九州で伐採適期を
迎えており、今後、日本列島を北上するように順次伐採適期を迎えていく。切り時
と共に盗伐事案も北上していくと考察されている。
事例としてある県では、男女3人が約300本のスギを盗伐し、110万円相当の被害を負った。
県民衛星で上空から定期確認することで、下記のようなケースでは、発生初期に異変を検出し、迅速に対処できると考えられる
出展: 2018年9月17日 日経新聞
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宇宙産業人材の育成
・福井大学に超小型人工衛星に関する研究者(東京大学特任研究員)が着任
・県と福井大学が超小型人工衛星の研究などに関する覚書を締結(R2.2)
・人工衛星の設計に関する研修を実施(約40名が参加)
人工衛星設計基礎論(R2.4~7)
第1回: 人工衛星設計の導入 第6回: 姿勢制御、軌道論
第2回: 衛星ミッションの概念設計 第7回: 衛星の光学設計とリモートセンシング
第3回: 宇宙環境、電源系と通信系の設計 第8回: 人工衛星の運用と地上管制局
第4回: データ処理系とソフトウェアの設計 第9回: 実習
第5回: 熱設計 第10回: 実習
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6月15日(土)
6月16日(日)
6月17日(月)
6月18日(火)
6月19日(水)
6月20日(木)
6月21日(金)
宇宙フェスジュニアISTS
宇宙飛行士講演会宇宙トークショー
科学実験教室 等 歓迎レセプション エクスカーション
文化イベント
国際宇宙展示会
オープニングセレモニー
学術セッション<県民衛星発表>クロージング
宇宙1日講座
第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会
国内外の宇宙分野の研究者が一堂に会し、研究発表等を行う国内最大の国際シンポジウムの第32回大会を令和元年6月に福井県で開催
○主 催 (一社)日本航空宇宙学会、宇宙技術および科学の国際シンポジウム組織委員会特別協力:福井県、福井市
○参加者数 1,071人(シンポジウム) 約3,200人(宇宙フェス)
○会 場 アオッサ、ハピリン
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- 超小型人工衛星の生産拡大
- 宇宙産業を担う人材の育成と参入企業の拡大
- 新たな顧客の開拓(ハード/ソフト両面)
宇宙産業拠点化への道のり
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➢現在の主たる方策
- 衛星データ利活用ソフトウェアの開発進行中
進行中
完了
- 県外大学等との新しい衛星の共同開発
- 超小型人工衛星の試験設備の整備
➢今後取り組むこと
福井 = 宇宙産業の拠点 に