神戸市外国語大学について -...

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神戸市外国語大学について 2011年度で創立65周年(1946年に創立) ~当初、神戸市立外事専門学校として設立され、その後 1949年に大学へ昇格。 戦後間もなく、国際都市神戸において、 「外国語」と「幅広い国際知識」を備えた人材を養成する 「国際文化教育の府」として設立。 以来、“外国学の教授研究”という創立以来の理念を継承。 そして、20074月、公立大学法人化。 ・本学の特色をより鮮明に ・社会貢献など多様な役割を果たす ことが期待されている。 神戸外大 全大学780校平均 学生数 (学部、院) 2,2743,709教員数 882262011年度の学生数、教員数 外国語学部 英米学科 (入学定員140名) ロシア学科 (入学定員40名) 中国学科 (入学定員50名) イスパニア学科 (入学定員40名) 国際関係学科 (入学定員80名) 2部英米学科 (入学定員80名) 外国語学研 究科 (大学院) 英語学専攻 (入学定員10名) ロシア語学専攻 (入学定員5名) 中国語学専攻 (入学定員5名) イスパニア語学専攻 (入学定員5名) 国際関係学専攻 (入学定員10名) 日本アジア言語文化専攻 (入学定員12名) 英語教育学専攻 (入学定員10名) 文化交流専攻(博士課程) (入学定員12名) 外国学研究所 学術情報センター ●学部等の構成 ●法人化の趣旨(中期目標 前文より抜粋) 神戸市外国語大学は, 我が国有数の国際港湾都市であ る神戸市にあって, 高い語学能力と幅広い教養を持つ人材 の育成を目標として発展してきた。しかし, 大きく変化する時 代の中で, 大学は, その特色をより鮮明にすると同時に社 会貢献など多様な役割を果たすことが求められている。神戸 市外国語大学は, 社会と時代の要請にこたえるため, 地方 独立行政法人へ移行し,・・・基本目標の達成に努める。 1

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神戸市外国語大学について

2011年度で創立65周年(1946年に創立)

~当初、神戸市立外事専門学校として設立され、その後1949年に大学へ昇格。 戦後間もなく、国際都市神戸において、 「外国語」と「幅広い国際知識」を備えた人材を養成する 「国際文化教育の府」として設立。 以来、“外国学の教授研究”という創立以来の理念を継承。 そして、2007年4月、公立大学法人化。 ~ ・本学の特色をより鮮明に ・社会貢献など多様な役割を果たす ことが期待されている。

神戸外大 全大学780校平均

学生数 (学部、院)

2,274人 3,709人

教員数 88人 226人

●2011年度の学生数、教員数

外国語学部

英米学科 (入学定員140名) ロシア学科 (入学定員40名) 中国学科 (入学定員50名) イスパニア学科 (入学定員40名) 国際関係学科 (入学定員80名) 第2部英米学科 (入学定員80名)

外国語学研究科 (大学院)

英語学専攻 (入学定員10名) ロシア語学専攻 (入学定員5名) 中国語学専攻 (入学定員5名) イスパニア語学専攻 (入学定員5名) 国際関係学専攻 (入学定員10名) 日本アジア言語文化専攻 (入学定員12名) 英語教育学専攻 (入学定員10名) 文化交流専攻(博士課程) (入学定員12名)

外国学研究所

学術情報センター

●学部等の構成

●法人化の趣旨(中期目標 前文より抜粋) 神戸市外国語大学は, 我が国有数の国際港湾都市である神戸市にあって, 高い語学能力と幅広い教養を持つ人材の育成を目標として発展してきた。しかし, 大きく変化する時代の中で, 大学は, その特色をより鮮明にすると同時に社

会貢献など多様な役割を果たすことが求められている。神戸市外国語大学は, 社会と時代の要請にこたえるため, 地方独立行政法人へ移行し,・・・基本目標の達成に努める。

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神戸市外国語大学とは(目次)

優秀な学生の受入と、「行動する国際人」の養成・輩出 ・地元及び広域から、本学を第1志望とする優れた学生を確保。 (P3~4 学生の受入)

・「高度な外国語運用能力」と「国際的な知識と柔軟な判断力」を持った人材を養成。 (P5 新カリキュラムの構築、P9 大学院教育)

・高い就職内定率を堅持。(P6 就職・進路)

きめ細やかな学生支援 ・小規模大学の利点を活かしたきめ細やかな相談支援や、学生同士・教員との近い距離感

が、退学者数を低水準に維持。(P7 学生相談、生活支援)

高度な学術研究

・国内外の大学・研究機関との提携などを通じた活発な学術研究活動。(P8 学術研究)

・学術情報センターによる教育研究支援が充実。(P10 学術情報センター)

特色ある国際交流、地域貢献活動

・神戸市の教育拠点として、小中高校の英語教育の支援活動で存在感。(P11 地域貢献)

・学生の派遣留学者数及び外国人留学生数の受入人数が法人化時点よりそれぞれ倍増。 (P12 国際交流)

柔軟で機動的な大学運営 ・法人化後、大学独自の運営体制や人事・財務の仕組みを構築するとともに、広報活動の 強化や施設充実等の事業が進み始めた。 (P13~14 大学運営)

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1.国際的に通用する人材の育成(学生の受入①)

・地元及び広域から、外国学に関心を持ち、本学を第1志望とする優れた学生を確保。 ・第1期は、受験生が本学への適性を考える上での指針を与えるため、 「アドミッションポリシー」を策定 (学生募集方針、2008年度策定)。 ~一般(前期)の入学者アンケートでは、「本学が第1志望が7割」。 具体的な志望理由では「専門的に外国語やその文化等を学びたいから」が大多数。 また、入学者の過半数が、「本学のアドミッションポリシーを知っている」

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神戸市内;

65人; 14%

兵庫

(神戸市外);

76人; 16%

近畿

(兵庫以外);

132人; 28% 中国;

52人; 11%

中部;

48人; 10%

九州;

35人; 8%

四国;

28人; 6%

北海道・東北;

11人; 2%

関東;

8人; 2%

その他;

13人; 3%

●神戸外大の出身高校の 所在地別の入学者

合計468名(学部・第2部)

神戸外大のアドミッションポリシー(学生募集方針、2008年度策定)

神戸市外国語大学は、現代社会の要請に応じた高度な外国語運用能力を備え、国際的な知識と柔軟な判断力を持った、ビジネス、外交、教育など社会の様々な分野で活躍できる「行動する国際人」を養成することを目指します。

この教育理念にもとづき、刻々と変化し多様化する国際社会に機敏に対応できるように、2か国語以上の外国語を修得し、それぞれの言語

の特性とその背後に広がる文化にも通じた「洗練された外国語能力」を備えた人材を育成することを目標とします。

この理念と目標に則り、外国や自国の言語や文化への強い関心を持つことはもちろん、21世紀の国際人にふさわしい社会や人間に関する幅広い知識と洞察力の獲得を目指す真摯な学生を求めます。 (以下、省略) 学科ごとに、教育の基本方針と求める学生像 を策定

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1.国際的に通用する人材の育成(学生の受入②)

2007年度入試 (2006年度実施)

2008年度入試 (2007年度実施)

2009年度入試 (2008年度実施)

2010年度入試 (2009年度実施)

2011年度入試 (2010年度実施)

総志願者数(倍率) 1,984人(4.5倍) 1,861人(4.2倍) 1,935人(4.5倍) 2,164人(5.0倍) 2,109人(4.9倍)

志願者倍率(一般・前期) 3.8倍 3.2倍 3.4倍 3.9倍 3.7倍

主な入試制度の変更等

・推薦入試・市内枠の1高校 あたりの上限人数の拡大 (3→4名) ・募集定員の変更 2部英米学科(120→80名)、 英米学科(120→140名)、 中国学科(40→50名)

・推薦入試・全国枠の新設

(参考) 大学入学者数(全国)

603千人 614千人 607千人 609千人 619千人

(参考) 18歳人口(全国) 大学進学率

133万人 45.5%

130万人 47.2%

124万人 49.1%

121万人 50.2%

121万人 50.9%

・総志願者数は概ね2千人の水準、一般入試(前期)の志願者倍率は3~4倍の水準を維持。 推薦入試・市内枠の1高校あたりの上限人数を拡大(3→4人)し、地域の高校生の受験機会を確保(2009年度入試) さらに、推薦入試・全国枠を新設し、全国の優秀な学生確保につながった(2011年度入試)

現状の良好な状況を維持し、志願者数及び入試難易度を維持・向上させる取組を、中長期的な視点で講じることが 今後の本学にとって重要な取組となる。

●法人化後の主な入試実施状況

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1.国際的に通用する人材の育成(新カリキュラムの構築) ・本学は創立以来、「高度な外国語運用能力」と「国際的な知識と柔軟な判断力」を持った人材を養成。

・第1期は、新カリキュラムの構築及び円滑な移行を進め(2012年度に全学年適用予定)、 英語+1言語の尐人数クラス化の推進、またコース制によりもう一つの専門分野で実践的探求を行う体系を明確化。 さらに、学生の留学や就職支援の観点からカリキュラムの充実を継続的に実施。 カリキュラムポリシーに基づく新カリキュラムのさらなる改善充実は第2期以降も継続した課題。

学科専攻語学

学科基礎科目

兼修語学

全学共通科目

(ゼミナール) 語学文学コース 法経商コース 総合文化コース 国際コミュニケーションコース

国際コミュニケーションコースの設置

・学部国際コミュニケーションコースの設置(2009年度。定員20名程度/学年)

・大学院修士課程に通訳翻訳学領域の設置(2012年度予定。英語学専攻内に設置)

・同時通訳ブース等を持つ応用視聴覚教室の整備(2008年度)

1年生 2年生 3年生 4年生

教職課程、司書・司書教諭課程、日本語学課程

その他の主な科目充実 ・情報リテラシーの向上(情報科学概論の授業内容の充実) ・スクールサポーターの単位認定化(2010年度)

・海外留学先の取得単位の認定科目の新設(2010年度)

・キャリアデザイン科目の新設(2011年度)

語学授業の充実 ・語学授業(会話・作文)の尐人数化(40~50名→20~30名/クラス)

・全学生への英語必修化、兼修英語の授業の質の向上。 朝鮮関係科目の充実や、兼修ドイツ語Ⅲ階程の新設等。 ・CALL教室など情報メディア教室の整備推進。

基礎教育の充実 ・学科基礎科目を8→12単位に増やし、1~2年生で履修した上で、コース選択を3年生で行う体系に。

教養教育の充実 ・人文科学、社会科学、自然・人間科学領域の3領域それぞれから履修を義務づけ、8→16単位に増加。

●新カリキュラムの特徴

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・就職超氷河期と言われる状況において、 全国平均を上回る「高い就職内定率」を維持。

第1期は、 学生の1年生からのキャリア形成支援を開始。 また、3・4年生の内定獲得の支援を拡充し、 卒業者の進路・就職先等を100%把握する きめ細かな支援を実施。

1.国際的に通用する人材の育成(就職・進路)

2011年3月

卒業者数 452人

進学者数 17人(4%)

就職者数 346人(77%)

その他 89人(19%)

卒業年月 2008年3月 2009年3月 2010年3月 2011年3月

神戸外大 99.1% 97.4% 96.4% 94.0%

全国平均 96.9% 95.7% 91.8% 91.0%

●就職内定率の推移

●学部卒業者の進路・就職状況 ≪1・2年生向けのキャリア形成支援≫ ・キャリアデザイン講座の充実(毎年度)、単位化(2011年度~) ・インターンシップ協力機関・企業の開拓(毎年度) ・TOEIC受験機会の提供(2009年度~) ≪3・4年生向けの内定獲得支援≫ ・個別面談指導の体制充実(キャリアカウンセリング) ・各種就職ガイダンス・セミナーの開催 (英語面接、英語履歴書講座の新規実施(2009年度)等) ・内定を得た4年生や卒業生からの個別指導・講演機会の増加

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貿易・商事,

54人, 16%

旅行・サービ

ス,

51人, 15%

運輸・建設・倉

庫, 47人, 14%

メーカー,

87人, 25%

金融・保険・証

券, 26人, 7%

情報・通信,

18人, 5%

報道・出版,

9人, 3%

教員・公務,

40人, 11%

その他,

14人, 4%

●業種別就職先(2011年3月卒業者)

●キャリアサポートセンターによる就職支援事業の主な拡充内容

・ビジネス、外交、教育など社会の様々な分野で活躍

できる『行動する国際人』の養成(アドミッションポリシー)

を目指す本学の卒業生の進路・就職先は多様。

文部科学省による大学への就職支援事業の義務付け(2011年4月施行)への対応。

・引き続き、学生の多様な進路・就職先を見据えた 就職支援や、研究者としての育成を一層意識 した取組を行うことが求められる。

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1.国際的に通用する人材の育成(学生相談、生活支援)

・学生同士や教員との近い距離感が、学生の修学上又は学生生活上の満足感につながっている。 大学としても、こうした小規模大学としての利点を活かしながら、第1期は学生への相談支援、保健支援、経済的支援、 課外活動支援の各事業を通じて、きめ細やかな学生支援を実施。 この結果、毎年の退学者数は低水準にとどまる。 今後も良好な状況を維持し、必要な支援が行き届いているかの定期的な確認と対策検討を継続することが重要。 ●学生への相談支援 従前から、学生がクラスの教員や学生等に相談できる環境が機能してきたが、 法人化後、学生支援部会の設置及び学生相談室の体制の拡充など、学生支援体制を強化した。 ●保健支援 傷病者への応急処置、保健室による各種啓発(薬物乱用防止、感染症対策等) 保健室便りの発行を開始(2010年度) 他 ●経済的支援 奨学金の斡旋、授業料減免の実施 他 ●その他 学生顕彰(各学科の成績優秀者、各種外国語スピーチコンテストの受賞者や各種大会で顕著な成績をおさめた学生等) 課外活動支援 他

学内の学生相談窓口 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

学生相談 体制の拡充

・チューター(クラスごとの担当教員) ・学生相談室(カウンセラー) ・保健室(看護師、養護教諭)

・オフィスアワー、授業に関する相談窓口(教員)

・ハラスメントに関する相談窓口(教員)

・学生相談室 週2日→3日

・学生相談室 週3日→週4日 ・学生支援部会設置 ・履修登録のない 学生等への個別 連絡・相談の開始

・学生相談室 週4日のうち2日 を1時間延長 (面接回数は 毎年400件程度)

・学生相談室カウンセラーと各種相談窓口の教員の懇談会実施

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2.高度な研究・教育の推進(学術研究)

個人研究

共同研究(毎年3班、2年) 2009年度より、2年間の研究後の科研費申請を義務化。

研究成果の刊行

研究年報 毎年1冊。2011年度から本学開催のシンポジウム等の研究成果の発表を優先的に掲載。

研究叢書 年1~2冊。研究員の研究成果の発表。

外国学研究 年3冊。共同研究班の研究成果の発表。

外大論叢 年7冊。教員・院生等の研究会会員の研究成果の発表。

大学独自の研究プロジェクト (国際会議)

・国際ヒマラヤ言語学シンポジウム(東京外国語大学と共催)(2011年9月) ・第2回国際セミナー(バスク大学(スペイン)と共催)(2012年度予定)

ユニティ共同研究 毎年1件。2011年度は神戸市看護大学と「医療通訳・コーディネーターの教育プログラム」の共同研究

●本学の主な研究活動

・法人化後は、海外の研究機関との提携が進んだり、科研費など外部研究資金獲得に関わる教員数が増加。 また、外国学研究所を2011年4月に再編し、全教員の研究活動を支援する機関として機能強化を図ったことにより、 研究活動の充実の組織的基盤が整った。 第1期中期目標上の「外国学研究の拠点機能の強化」、「学術成果の発信」の2つの取組は、本学にとって今後も 継続的な課題となる。

締結年度 2007 2008 2009 2010

学術協力協定の締結

フランス国立高等研究院

ブータン国立ブータン研究センター

オーストリア学術アカデミー・アジア文化研究所

ポーランド科学アカデミー・スラヴ学研究所

●海外の研究機関との提携等

●科学研究費補助金の採択状況

交付年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

科研費新規申請(採択)件数 12件(4件) 21件(9件) 15件(7件) 15件(6件)

科研費採択件数(人数)(継続分、分任者含む) 24件(21人) 32件(29人) 39件(35人) 34件(31人)

科研費の獲得額(継続分、分任者含む) 30,910千円 31,915千円 33,293千円 29,883千円

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2.高度な研究・教育の推進(大学院教育)

学部のカリキュラム改革に引き続き、 第2期では大学院教育の見直しに着手する。 2010年度に新たな大学院教育の理念を策定したところであり、 今後、大学院教育ニーズの多様化した現状に適切に対応するための 教育体系へと、順次具体化を図る。

新たな大学院教育の理念 (開かれた大学院へ)

研究者の育成

新:就職を目指す院生の受入

新:社会人の受入

新:外国人留学生の受入

第1期では、 ・授業科目のセメスター化(2009年度)

・東京外大との提携(2008年度~)

・ダブルマスター制度の導入検討 ・院生の研究活動支援

(学術国際会議研究発表助成制度の創設(2011年度運用開始)等)

等を実施。引き続き取組を進める。

大学院の進学ニーズの 多様化に対応。 通訳翻訳学領域の2012年度新設も行う。

・様々な大学院教育ニーズへの対応 ・修士号・博士号授与者数の増加

英語教育学専攻(リカレント)に加え、主として生涯教育ニーズの高まりへの対応を検討。

本学における外国人留学生数の増加への対応。

受入態勢を引き続き整え、優秀な留学生の受け入れを促進する。

第2次大学院教育振興施策要綱 (2011年8月5日文部科学大臣決定) 【基本的な視点】 グローバル化や知識基盤社会の更なる進展,震災からの復興・再生,新たな社会の創造・成長等を見据え,大学院教育の実質化に向けた取組を強化することを基本に,国内外の多様な社 会への発信と対話,大学院修了者の活躍の視点を重視し,大学院教育の質の保証・向上のため の施策を実施する。 9

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2.高度な研究・教育の推進(学術情報センター)

1.学術情報センター(図書館) ●蔵書 ・図書数 約41万冊(うち洋書18万冊) ・雑誌 約5千種類(うち外国語1.5千種類) ・新聞 26種類(うち外国語15種類) ●閲覧席数 290席(2008~2009年度増築により約120席増加)、視聴覚ブース 18席 ●電子ジャーナル・オンラインデータベースが利用可能。市立図書館とのネットワークにより相互の蔵書検索が可能。 ●学生への利用促進として、入学時のオリエンテーションやゼミガイダンス、ビブリオバトル等も拡充実施。

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

入館者数 130,580人 127,219人 145,837人 156,029人

貸出人数 18,956人 20,169人 21,900人 22,649人

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

学生利用パソコン台数

258台 265台 275台 305台

利用人数(延べ)

統計なし 統計なし 37,246人 57,948人

2.情報メディア教育施設 ●LL教室(第1,2AV教室)、CALL教室(第3,4,5AV教室)、 応用視聴覚教室 ●普通教室へのマルチメディア機器設置 ●学生利用パソコンの設置

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

AV教室の稼働率

44% 45% 50% 67%

ただし、教員アンケート(2010年度)では、依然、情報メディア教育環

境の充実を求める声が多数寄せられたため、今後も、普通教室へのマルチメディア機器設置など、授業利用の多い教室から重点的に整備を進めていくための検討が必要。

第1期では、学術情報センター及び情報メディア教育施設の整備充実を図り、利用実績も増加。 今後も、図書館利用促進のための取組、利便向上のための環境整備を推進し、学生の情報リテラシーの向上 に向けた取組を進めることが重要。

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3.地域貢献

社会人を対象にした教育

市民の生涯教育や現役社会人の再教育ニーズに応える (主な事業内容) ・市民講座特別コースの新設(2008年度後期~) ・神戸市民向けの講座への講師派遣機会の増加 (神戸市シルバーカレッジや神戸婦人大学等) ・図書館市民利用制度の開始(2007年度) ・その他 ・科目等履修生や、社会人特別選抜(第2部英米学科) ・市民講座、ユニティ公開講座・語学講座の開講

学生ボランティア活動の推進 ボランティアコーナー(2006年度設置)にコーディネーターを

配置し、学生主体のボランティア活動を支援 (主な事業内容) ・登録学生数 2010年度581名 ・ボランティア派遣(延べ)人数の増加 2007年度177名 →2010年度535名 ・活動分野の拡大 通訳等の国際交流分野に限らず、教育、福祉、防災、 環境保全など様々な分野でのボランティア実績が増加。

法人化を契機に、地域貢献をあらためて重要施策に位置付け、2008年度に設置した地域貢献部会を中心に事業の充実を図ってきた。市教委との連携など特色ある取組を核に、貢献分野が徐々に広がってきた。 今後も、外大らしい地域貢献を模索し、事業の幅を広げる努力が求められる。

神戸市教育委員会との連携 市の教育拠点としての役割を担うため、2008年8月に市教委と連携に関する協定を締結。2010年3月にアクションプランを策定。

≪アクションプランの4つの柱≫ ①神戸市立学校の教員に対する英語及び英語教授法の学習機会の提供 ②児童・生徒・学生らの国際交流に関する理解の推進 ③大学院学生・学部学生等による神戸市立学校教育活動への支援の推進 ④神戸市立高等学校教育の振興

(主な事業内容) ・2011年度の小学校英語活動の開始に向けた支援 (各小学校の中核教員対象の研修事業(2008年度~3か年)、英語教育を担当する全教員対象の基本研修(2011年度~5か年)、小学生の外大訪問の受け入れ等) ・イングリッシュデイズ in 外大 (中学生と本学生、市内のALT(外国人英語指導助手)の交流事業、中高 英語教員研修事業を毎年、夏季に集中的に開催) ・学生の小中高校の教育現場への派遣(イングリッシュサポーター等) ・高大連携事業(市立須磨翔風高校などとの教員・学生の相互派遣等)

その他 その他の様々な役割を担う ・文部科学省の教員免許状更新講習の提供(2009年度~) ・地元学生の受入(推薦入試・市内枠の出願要件緩和(2009年度)等) ・英語教員等の輩出(教職志望学生への支援)

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4.国際交流

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

海外の交換・交流提携校 14 17 22 22

派遣留学者数

長期 40 33 29 30

短期 - - 26 60

合計 40 33 55 90

私費留学者数 144 141 131 147

・「希望する学生が在学中に海外留学を経験できる環境の整備」を目指し、派遣留学制度を拡充。 また、外国人留学生の受入態勢の整備を進めた。 この結果、海外への派遣留学者数、外国人留学生の受入人数は、それぞれ法人化時点より、倍増の規模へ拡大。 それに伴って学内での国際交流機会も増加し、活発化した。 しかし、海外の大学等との交流ニーズは今後さらに高まっていくと考えられ、 本学は引き続き、 派遣留学制度の魅力化や、外国人留学生の受入態勢の整備、そして、 学内外の国際交流拠点としての事業充実を目指すことが期待される。

●本学生の海外留学者数

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度

外国人留学生数

学部生 3 2 3 5

大学院生 28 29 29 33

日本語プログラム - 1 2 9

研究生等 10 11 19 32

合計 41 43 53 79

●外国人留学生の受入人数 ・日本語プログラムの開始(2008

年度)、プログラム充実(初中級の開講等)(2010年度)

・外国人留学生の日常生活支援の充実(学生の支援ボランティア、住宅確保支援等)

・外国人研究生に必要な日本語能力水準を専攻毎に明文化(2009年度~)

・交換・派遣提携校の開拓 ・短期留学制度の創設(2009年度)

・TOEFL-iBT対策講座、TOEFL及びIELTS受験料の一部助成(2009年度~)

・取得単位の認定科目の新設(2010年度)

・学内での多言語チャット事業等の国際交流機会の増加 (開催回数は、2007年度89回→2010年度167回と倍増)

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5.柔軟で機動的な大学運営

教育研究 大学運営

2007年度 ◎理事会組織の設置

(理事会、教育研究評議会、経営協議会) ◎学内委員会の集約・再編 ◎経営企画室の設置 ・グループ制の導入 ・内部監査室を設置

2008年度 ・FD推進部会の設置 ・学術研究推進部会の設置 ・地域貢献部会の設置

2009年度 ◎国際コミュニケーションコース設置(学部)

・国際交流部会の設置

2010年度 ・大学院カリキュラム検討部会の設置

2011年度 ◎外国学研究所の再編・機能強化(専任研究員制度の廃止等)

2012年度予定

◎通訳翻訳学領域の設置(大学院)

①組織運営

・法人化に伴い、理事会組織の設置など、大学運営及び事務局組織を大きく改組。また、中期計画の事業推進の中で、必要な教育研究組織の強化を図ってきた。 今後も、PDCAサイクルの運用により、効率的・効果的な教育研究及び大学運営体制の整備に努める。

②大学広報 ・第1期では、ホームページの全面リニューアルや、オープンキャンパスの来場者数の増加(2010年度には過去最高の3,800名を記録(募集定員430名))

など、入試広報を中心に強化し、優秀な学生獲得など一定の成果につながった。

また、海外の大学等との提携、外国人留学生数の増加に対応し、英語による情報発信も順次充実。

ただし、今後、本学のステークホルダーである保護者や地域住民、そして卒業者や企業などへの効果的な情報発信の課題は継続。

③施設充実 ・第1期期間は、主に設備改修を実施。また、学生数の増加に対応して、図書館、食堂を増築等。 第2期は築後30年を迎え、建物の外壁補修等の実

施時期を迎えるため、長期保全計画に基づく改修工事を着実に推進する必要がある。

・その中で、省エネ、ユニバーサルデザイン、さらには快適性の向上を図ることも引き続き必要。

教員や学生からは、教育メディア環境の整備推進を求める声が強く、また 「トイレを改修してほし

い」、「討論やグループワークを行う場所が尐ない」、「食堂が(学生数の増加で)まだ狭い」といった声が寄せられ、これらの教育環境の改善や大学アメニティの向上を順次進めることも求められる。

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5.柔軟で機動的な大学運営

④人事の適正化 ・第1期では、法人としての人事・給与、そして研修制度 を設けた。 今後も、それらの制度の適正実施に努めながら、 大学運営の中核を担う職員として、又は、優秀な若手 研究者として、計画的に育成するための取組を推進 することが重要。 (教員) ・裁量労働制の導入 ・客員教授、特任教授制度の活用 ・業績評価制度(ユニット制)の導入 ・特別研修制度の創設 (職員) ・変形労働時間制(シフト勤務)の導入 ・固有職員等の採用と育成 ・階層別研修、実務研修の充実 ・外部研修の活用促進

⑤財務内容の改善 ・第1期では様々な財源確保と経費削減の取組を実施。 今後も教職員の知恵を絞りながら取組を継続する必要 がある。 (財源確保) ・同窓会(楠ヶ丘会)や保護者会との連携による寄附受入 ・大学施設の外部団体貸付の推進 ・国庫補助金等の獲得(特色GP事業、省エネ改修事業) ・その他、紙ごみの売却化 など (管理運営コストの削減) ・施設管理業務への民間事業者の活用 (複数年契約化、複数業務の一括契約化) ・契約方法の見直し(大学独自の入札事務の実施) ・その他、講義概要のWEB公開に伴う印刷経費の削減 など

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⑥その他 ・創立70周年に向けた取組 これまでも節目を契機として、周年事業を展開し、同窓会や保護者会からの支援も得ながら、大学の教育研究 の活性化やその環境充実が図られてきた。第2期には、2016年度に創立70年を迎えるため、学生・教職員・ 卒業生等の連携をさらに深め、今後の大学の発展に寄与する取組を企画し、記念事業として実施することが 大学関係者から期待される。 ・その他、環境保全、安全衛生管理、危機管理、情報管理、法令遵守、内部監査などの取組を推進し、 法人の社会的責任を適切に果たすことも重要。