学級開きを大切に - city.yokosuka.kanagawa.jp ·...

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平成 27 年(2015 年) 4月1日 編集発行・横須賀市教育委員会教育指導課 49「出会いの中で」 平成 27 年度がスタートした。今年も多くの新採用の 教職員が入り、学校では若返りが加速している。採用 10 年未満の教職員の割合は5割近くとなっている。是 非、早い機会にいろいろと研鑽し、力をつけて良い学 校をつくる教職員となることを期待している。 最近、結婚式に出席する回数が増えてきた。自分が 校長時代もそうだったが、多い職場では一年間で何件 もの結婚式がある。出席するたびに来賓の祝辞から良 い言葉をいただく。 先日もこんなお話があった。「今まで○○年間それぞ れのご家庭で愛情に包まれて育ってきたお二人です。 そんなお二人が出会い、愛し合い、今日のこの日を迎 えられました。それぞれの文化は異なっているかもし れません。愛しているから、相手に求め、お互いに自 分の要求を主張し、『違う』というのではなく、違うと いうことをお互いに理解し、認め合い、新しい文化を 創造していってください。」 この言葉は、結婚だけに限ったことではないだろう。 違う個人、家庭、地域、地方、国、すべてにわたり当 てはめてみれば、その考え方の大切さが実感されるは ずだ。 今年から、本市の「小中一貫教育」の準備がスター トする。ある意味、今まで「小中連携」という「交際」 をしてきた。今日からは「小中一貫」という「結婚生 活」である。小学校と中学校が協働して子どもを育て ていく。それぞれの学校の歴史や文化は微妙に違うの かもしれない。当然子どもの発達段階も違う。子ども を健やかに育てるためには家庭の安定感が必要である のと同じように、学校同士が互いに要求をするだけで はなく、「違う」ということを理解し、認め合い、新し い文化を創造していくことが求められているのではな いだろうか。 一年のスタートにあたり、それぞれの場で様々な新 しい出会いがある。環境の変化もある。子どもや大人 それぞれの出会いの中で、まず、お互いを理解し、尊 重する努力からはじめたいと思う。 【教育指導課 丸瀨 正】 学級開きを大切に いよいよ新年度が始まります。4月6日は、先生方と子どもたちが初めて出会う日です。子どもたちは、新しい 学年、新しいクラスに対して期待と不安を持っています。子どもたちが「このクラスなら頑張れそうだ」、「このクラ スなら楽しそうだ」、そんな安心できる学級開きにすることが大切です。 ルールの徹底 はじめは、「時間を守ること」、「話の 聞き方」、「授業のはじめと終わりのあい さつ」など、学校生活の基本的なルール を伝え、徹底して守らせることが大切で す。学習に安心して臨むためには、こう したルールをクラスの子どもたちみん なが守ることが不可欠です。一度では守 れなくても、何度も何度も繰り返し指導 し、定着させることが必要です。 守らせる指導として、できていない子 を注意するだけでなく、できている子を 価値づけるということも大切です。 担任の第一声 子どもたちへの最初の話は、先生の思いをし っかりと伝えていきましょう。「子どもたちにど のように成長してほしいか」、「このクラスをど んなクラスにしたいか」、ということや、「先生 が大切にしていること」等、自分の体験を織り交 ぜて、自己開示しながら子どもたちへ先生の思 いを具体的に伝えるのです。子どもたちは、先 生自身のことが語られることで親近感を持ち、 どんなクラスになるのかという不安以上に、先 生への期待が高まります。どんな話をするのか、 しっかりと準備し、子どもたちとの出会いを大 切にしてください。 最初にどのような話をするか、学級のルールはどういったものが必要か、ぜひ、学年会等で話題に してみてください。特にルールについては、学年でそろえて指導をするということが大切になります。 年度始めのいそがしい時ですが、時間を設けて話し合い、充実した学級開きにしてください。 【教育指導課 原口】

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Page 1: 学級開きを大切に - city.yokosuka.kanagawa.jp · てはめてみれば、その考え方の大切さが実感されるは ずだ。 今年から、本市の「小中一貫教育」の準備がスター

平成27年(2015年) 4月1日

編集発行・横須賀市教育委員会教育指導課

第 49号

「出会いの中で」

平成 27年度がスタートした。今年も多くの新採用の

教職員が入り、学校では若返りが加速している。採用

10年未満の教職員の割合は5割近くとなっている。是

非、早い機会にいろいろと研鑽し、力をつけて良い学

校をつくる教職員となることを期待している。

最近、結婚式に出席する回数が増えてきた。自分が

校長時代もそうだったが、多い職場では一年間で何件

もの結婚式がある。出席するたびに来賓の祝辞から良

い言葉をいただく。

先日もこんなお話があった。「今まで○○年間それぞ

れのご家庭で愛情に包まれて育ってきたお二人です。

そんなお二人が出会い、愛し合い、今日のこの日を迎

えられました。それぞれの文化は異なっているかもし

れません。愛しているから、相手に求め、お互いに自

分の要求を主張し、『違う』というのではなく、違うと

いうことをお互いに理解し、認め合い、新しい文化を

創造していってください。」

この言葉は、結婚だけに限ったことではないだろう。

違う個人、家庭、地域、地方、国、すべてにわたり当

てはめてみれば、その考え方の大切さが実感されるは

ずだ。

今年から、本市の「小中一貫教育」の準備がスター

トする。ある意味、今まで「小中連携」という「交際」

をしてきた。今日からは「小中一貫」という「結婚生

活」である。小学校と中学校が協働して子どもを育て

ていく。それぞれの学校の歴史や文化は微妙に違うの

かもしれない。当然子どもの発達段階も違う。子ども

を健やかに育てるためには家庭の安定感が必要である

のと同じように、学校同士が互いに要求をするだけで

はなく、「違う」ということを理解し、認め合い、新し

い文化を創造していくことが求められているのではな

いだろうか。

一年のスタートにあたり、それぞれの場で様々な新

しい出会いがある。環境の変化もある。子どもや大人

それぞれの出会いの中で、まず、お互いを理解し、尊

重する努力からはじめたいと思う。

【教育指導課 丸瀨 正】

学級開きを大切に

いよいよ新年度が始まります。4月6日は、先生方と子どもたちが初めて出会う日です。子どもたちは、新しい

学年、新しいクラスに対して期待と不安を持っています。子どもたちが「このクラスなら頑張れそうだ」、「このクラ

スなら楽しそうだ」、そんな安心できる学級開きにすることが大切です。

ルールの徹底

はじめは、「時間を守ること」、「話の

聞き方」、「授業のはじめと終わりのあい

さつ」など、学校生活の基本的なルール

を伝え、徹底して守らせることが大切で

す。学習に安心して臨むためには、こう

したルールをクラスの子どもたちみん

なが守ることが不可欠です。一度では守

れなくても、何度も何度も繰り返し指導

し、定着させることが必要です。

守らせる指導として、できていない子

を注意するだけでなく、できている子を

価値づけるということも大切です。

担任の第一声

子どもたちへの最初の話は、先生の思いをし

っかりと伝えていきましょう。「子どもたちにど

のように成長してほしいか」、「このクラスをど

んなクラスにしたいか」、ということや、「先生

が大切にしていること」等、自分の体験を織り交

ぜて、自己開示しながら子どもたちへ先生の思

いを具体的に伝えるのです。子どもたちは、先

生自身のことが語られることで親近感を持ち、

どんなクラスになるのかという不安以上に、先

生への期待が高まります。どんな話をするのか、

しっかりと準備し、子どもたちとの出会いを大

切にしてください。

最初にどのような話をするか、学級のルールはどういったものが必要か、ぜひ、学年会等で話題に

してみてください。特にルールについては、学年でそろえて指導をするということが大切になります。

年度始めのいそがしい時ですが、時間を設けて話し合い、充実した学級開きにしてください。

【教育指導課 原口】

○○さんの話の聞き

方、上手だね。

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『指導の必携』にも掲載されていますが、本市の「指導の目標と重点」の全体像を紹介

します。各学校では、本イメージ図を踏まえ、横須賀市の目指す子ども像である「人間性

豊かな子ども」の具現化に向けて取り組んでください。

横須賀市の目指す子ども像

「人間性豊かな子ども」

①子どもたちの学びを豊か

にします

②学校の組織力や教職員の

力を高めます

③学校・家庭・地域の連携

を深めます

④教育環境を整備し、充実

させます

重点1

学力を向上させます

重点2

認め合い 高め合う関係を築く力を育

てます

横須賀の子ども

学校・教育委員会

家庭

地域

「指導の重点」は、目指す子ども像

の実現に向けて、今年度、指導の目標

の中で特に力を入れて取り組むべき

ことを設定しています。各学校では、

重点について具体的にどのように取り

組むかを明確にしていくことが大切で

す。指導の必携には、各重点の内容と

その具体的取組が示されています。

指導の目標と重点~イメージ図~

指導の重点

指導の目標

指導の必携には、指導の重点のほ

か、緊急時の対応の仕方や横須賀市の

教育相談、月別行事予定、教育課題に

対応する様々な職員一覧など、教職員

が必要とする情報を冊子としてまと

めてあります。いつでも携帯し、ご活

用ください。

指導の必携をご活用ください

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平成 27年度の「指導の目標」や横須賀市教育振興基本計画で示した重点課題、また本市の学校や子ど

もの実態を踏まえ、学校と教育委員会が重点的に取り組むべきことを、今年度の「指導の重点」として、

下記の2つを設定しました。各学校において、それぞれの重点の実現に向けた取組を行ってください。

【平成 27年度 指導の重点】

取組の充実に向けて

指導の重点の実現に向けて、学校全体で組織的に取り組んでいきます。その際、「学校全体として、ど

のように取り組んでいくのか。」という視点と「日々の教育活動でどのように取り組んでいくのか。」と

いう2つの視点を意識することが大切です。この2つの側面から、年度当初に確認しておくべきことを

提示します。

1.指導の重点1、2に係る PDCAサイクルの共有

指導の重点1、2に係る「学校としての目標・方策」を明確にし、全教職員で共有します。また、

取組の PDCA サイクル(「いつ」「誰が」「何をするのか」)について共有しておくことも必要です。

<年間 PDCAサイクル確立の例>

□子どもの実態を踏まえた目標・方策の設定および共通理解 ≪Plan≫

□日々の教育活動における取組 ≪Do≫

□具体的資料等を活用した分析・検証(中間検証) ≪Check≫

□中間検証を踏まえた改善策による取組 ≪Action≫

□具体的資料等を活用した分析・検証(年間検証) ≪Check≫

2.日々の教育活動(授業)における取組

学校としての目標・方策を踏まえ、日々の教育活動を行います。その最も重要で有効な場が、授

業です。1時間1時間の授業を通して、「確かな学力」の育成を図るとともに「より良い学ぶ集団」

を築いていきます。

<重点1と重点2を踏まえた授業(学級)づくりの視点例>

□学習に対する心構えやルール等、学習規律が確立されている。

□「協同して学ぶ場」を意図的に設定し、共に高まり合う学習集団づくりをしている。

□授業の中で、「自己肯定感」を味わい、「自己選択」「自己決定」ができ、共感的な人間関係が育

まれるような工夫をしている。

□安心して学習できる雰囲気を醸成している。

□授業終末の振り返りで、自己評価と相互評価を行う場を設定するとともに、*メタ認知を育成で

きるような工夫をしている。*自分で自分のことを知り、コントロールする力

教育委員会としても、各学校の取組に対して適切な指導助言を行っていくとともに、それぞれの重点

に関わる事業・取組の充実が図れるよう努めます。

【教育指導課 川上・原口・中川】

平成 27年度 指導の重点 ~取組の充実に向けて~

<指導の重点2>

認め合い高め合う関係を築く力を育てます

<指導の重点1>

学力を向上させます

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学齢期の子ども(小・中学生)の教育相談について、はぐくみかん5階こども青少年支援課「青少

年相談」から支援教育課に移管されます。4月中旬より運用を開始します。

これによって、学校の支援体制と教育相談の連携がより一層円滑にまた深くできるようになります。

学校と教育相談をつなぐ「学校連携シート」の活用や指導主事、相談員の学校訪問等により、連携を

具体的にすすめていきます。

支援教育課に教育相談窓口が開設されます

【支援教育課 富澤】