現役選手として 上川大樹選手 のストーリー 再び結...

4
就職のきっかけは, 柔道関係者の助言高校の柔道部でも刑 務官が指導してくれた武道の経験を生かし, 保安面では何があって も対処できる。 施設の柔道のレベル も高く,いい刺激。 武道への理解があり, みんなが応援上川大樹選手 のストーリー 現役選手として 再び結果を出し, 柔道で恩返し施設の花形であ る工場担当,そ して武道教官目標。

Upload: others

Post on 22-May-2020

10 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 現役選手として 上川大樹選手 のストーリー 再び結 …現在の担当業務は,処遇部門で警備の仕事をしつつ,夜勤班 として勤務しています。

就職のきっかけは,柔道関係者の助言。

高校の柔道部でも刑務官が指導してくれた。

武道の経験を生かし,保安面では何があっても対処できる。

施設の柔道のレベルも高く,いい刺激。

武道への理解があり,みんなが応援。

上川大樹選手のストーリー

現役選手として再び結果を出し,柔道で恩返し。

施設の花形である工場担当,そして武道教官が目標。

Page 2: 現役選手として 上川大樹選手 のストーリー 再び結 …現在の担当業務は,処遇部門で警備の仕事をしつつ,夜勤班 として勤務しています。

上川 大樹 選手 ◆平成31年3月 広島刑務所 採用◆ 【代表的な戦歴】 2010年 世界柔道選手権大会 優勝 2011年・2014年 全日本柔道体重別選手権大会 優勝 2012年 ロンドンオリンピック代表選出,出場 2013年・2015年 講道館杯 優勝 2014年 グランプリ・デュッセルドルフ 優勝 2015年~2017年 全日本実業柔道個人選手権大会 優勝

小さい頃,地元山口県にある山口刑務所の道場で,刑務官に柔道を教えていただいたこともあり,刑務官という職業に,小さい頃からなじみがあったことが,刑務官を選んだポイントのひとつになりました。 また,私が高校生のとき,高校の柔道部に刑務官の方が指導に来てくださっていました。今,自分が刑務官として勤務してみると,それは非番や週休を使って来てくださっていたのだということが分かり,今更ながら感謝の気持ちをもっています。 刑務官になったきっかけは,この先の柔道との関わり方を考えるようになったときに,これまでお世話になった柔道関係者から「仕事を続けながら,柔道も続けられるのは刑務官」との助言をいただき,刑務官として勤務することを決めました。

Page 3: 現役選手として 上川大樹選手 のストーリー 再び結 …現在の担当業務は,処遇部門で警備の仕事をしつつ,夜勤班 として勤務しています。

現在の担当業務は,処遇部門で警備の仕事をしつつ,夜勤班として勤務しています。 勤務でも武道の経験が生きています。体が大きいので,自分が立っているだけでも抑止効果があると思います。また,被収容者に対しても,怖いと思うことはなく,保安面では何があっても対処できると感じているので,そういった面で,施設に貢献できればと思います。 練習は,施設のレベルも高いので,いい刺激になっています。短いと感じることもありますが,5時まで仕事をして,それから訓練をするので,改めて社会人になったんだな,と感じます。

刑務官は武道が正課(職務の一部)であるため,武道に対する理解があると感じています。大会に出るとなれば,一部の方だけでなく,全所的に応援してくださるので,気兼ねなく柔道に打ち込むことができ,そういったところは刑務官になるメリットだと感じています。 母校にも練習に行っています。後輩にアドバイスすることもありますが,これは,広島に帰ってきたからこそできること。それなりに知名度のある現役の今だからこそできる指導もあると思うので,そういったことも続けていきたいです。 刑務官としては,施設の工場担当として勤務されている,高校の先輩職員が目標です。施設の花形として昔からのつながりがある方がいるのは,大変助かっています。そして将来的には,武道教官(警備指導官)をやって,武道の普及に貢献していきたいです。施設の内外問わず,自分が教えられることは教えていきたいです。

Page 4: 現役選手として 上川大樹選手 のストーリー 再び結 …現在の担当業務は,処遇部門で警備の仕事をしつつ,夜勤班 として勤務しています。

柔道についての現在の目標は,矯正内部の大会はもちろんのこと,選手権をはじめ,まずは国内の大会で結果を出したいです。実は近年成績が低迷しており,現役を引退しようか悩むこともあったのですが,環境が変わったこともあり,現役選手として,再び結果を出したい,柔道で恩返しをしたいという気持ちになっています。 将来の目標としては,いずれ,現役を引退する時が来るとは思いますが,その先も柔道は続けていきたいです。施設の中もそうですが,地域も含め,後進の育成に当たる指導者として,柔道人口の裾野を広げる活動に,携わっていきたいです。

柔道を続けられる環境というのは貴重ですし,続けることで柔道に恩返しできる職場でもあると思います。 武道を続けてきた新卒者はもちろん,自分のように社会人経験がある方にこそ,刑務官(武道区分)を受けていただきたいです。 入ってきたら,後悔はさせません。皆さんを待っています!