国立教育政策研究所委嘱 魅力ある学校づくり調査研...
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国立教育政策研究所委嘱 魅力ある学校づくり調査研究事業
平成 26・27 年度 宝塚市立高司中学校区
平成 26 年度・27 年度の 2 年間、国立教育政策研究所の委嘱を受け、拠点校の高司中学校と連
携校の末成小学校・高司小学校の 3 校は一致協力して、子どもたちにとって魅力のある学校づく
りに取り組んでいます。
① 児童生徒が授業や学校行事に主体的に取り組むことのできる学校(授業改善)
② お互いの個性や生き方が尊重され、温かい人間関係の中で、安心して生活することができる
学校(温かい人間関係の構築)
③ 一人一人が高い自尊感情を持ち、自信や夢をもって生活することができる学校(自尊感情の
伸長)
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1、魅力ある学校づくりとは
家庭教育や地域社会の変化に伴い、学校や地域が
直面する児童生徒の諸問題は、多様なものとなって
いる。こうした中、小・中学校における不登校児童
生徒は年々増加し、将来の社会的自立にとって、大
きな課題となっています。
そこで、不登校の未然防止に向け、児童生徒の豊
かな人間性や自ら学び、自ら考える力など「生きる
力」の育成をねらいとして、「魅力ある学校づくり」
を推進します。そして、一人一人の児童生徒を大切
にした居場所づくり・絆づくりを目指します。
2、高司中学校区 3 つの柱(共通実践)
高司中学校区では、子どもが安心できる居場所づくりや教育内容の段差を解消するため、小中連携による9年間を見
通した共通実践である「高司中学校区3つの柱」に継続的に取り組んでいます。また、子どもたちとコミュニケーショ
ンを密にし、良い面や主体的な取組をプラス評価することで、人間関係を構築しています。
○●○ あいさつの輪 笑顔の輪 ○●○
高司中学校区全体で「自ら進んであいさつをする子ども」の育成に努めています。あいさつからコミュニケー
ションが広がり、家族、教職員、子ども、地域のいろいろな人たちと心と心がつながり、信頼関係が深まってい
きます。毎学期に実施される『あいさつ強化週間』では、校長先生や教頭先生、児童会や生徒会の子どもたち、
地域の方々が中心となって、校門であいさつ運動を行い、笑顔の輪を広げていきます。
○●○ 履物を揃える ・ 傘のベルトをしっかり止める ○●○
高司中学校区全体で「履物をそろえる」・「傘のベルトをしっかり止める」
ことを大切にしています。履物をそろえたり、傘のベルトをしっかり止めた
りすることは、物を大切にする心を培うとともに、自分自身の行動を客観的
に見つめる機会となります。つまり、自分さえよければといった自分勝手な
行動を慎み、一人一人がみんなのことを考えながら行動することによって、
お互いに気持の良い学校を作り出すことにつながります。このような取り組
みを進めて、子どもたちの生活習慣の確立に努めます。
生活習慣の確立
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子どもの実態に即した「わかる授業」「主体的に活動できる授業」の構築
に向け、「めあて・見通し・振り返り」及び「グループ学習」を意識した学
習指導の改善を通して、学ぶ意欲を育て、基礎学力の定着を図るとともに、
子どもが主体的に参加・活躍できる授業づくりを推進しています。
○●○ 授業力向上の研修 ○●○
≪グループ学習の研修会≫
県教育委員会の主任指導主事を講師に招き、グループ学習の効果と活用の
仕方についてワークショップ形式の研修会を行いました。小学校において
は、ペア学習・グループ学習を取り入れた授業を実施しており効果を上げて
いるため、小中連携の視点からも、単元や学習内容に応じて、中学校でも授
業に取り入れていく方向です。
≪3 校合同公開研究会≫
高司中学校区では、研究授業等の相互参観を行っています。校区の子ども
たちの様子が分かるとともに、「めあて・見通し・振り返り」のある授業の
仕方、子どもを主体的に活動させるための工夫、子どもたちにとって分かる
授業の実践を参観し、事後研究会で授業方法や授業内容について検討します。
高司中学校区全体で、ベル着や姿勢を正すこと、1時間の授業に集中して
取り組むなど、子どもの学習規律の確立を目指しています。子どもたちに学
習規律を身に付けさせることにより、一人一人の学習権の確立とともに、教
職員は学習指導に専念し学習内容の確実な定着を図る授業を展開することができます。また、子どもたちの学ぶ
意欲や規範意識を高め、主体的な学習態度や自主性・自立心を育成することができます。
学習規律の確立
① ベル着(チャイムと同時に席について学習を始める)
② イスを入れて姿勢を正す
③ 小学校(45 分間)・中学校(50 分間)集中して授業に取り組む
授業力向上
め あ て……前時を振り返り、児童生徒の学習意欲が高まるような魅力
あるものを設定します。
見 通 し……授業で「何を」「どのように」学ぶかを明示します。
振り返り……授業で学んだことや成長したことを実感できるように振り
返りの時間を確保します。また、「分かったこと」「深めた
いこと」「友だちから学んだこと」など、自己の変容を振り
返る視点を提示します。
グループ学習…自分の考えを確かにして深めたり、新しい考えに気付き自
分の考えを広げたりすることを目的に行います。また、作
業・実験・制作・話し合い活動などを効果的に行い、学習
効果を高めたり、自由な雰囲気をつくり、発表が苦手な子
どもにも学習への積極的な参加を促したりします。
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3、魅力ある学校づくりの取組
高司中学校区では、小中 9 年間を見通した共通実践「高司中学校区 3 つの柱」を中核として、魅力ある学校づくりに取
り組んでいます。また、校区の子どもたちの課題から「授業改善」「温かい人間関係の構築」 の 3 つの「自尊感情の伸長」
目標を設定して、小中連携や小小連携、及び各学校で独自の取組を行っています。
生徒会執行部の生徒が、小学校 2 校
の児童に、いじめ撲滅宣言を説明した
り、中学校生活を説明することで、主
体性と自己有用感を育んでいます。
3 校の教職員が一堂に会し、年間 6
回、合同研修会を実施しました。この
写真は、国立教育政策研究所の総括研
究官による講話の様子です。
中学校の教職員が、小学校 2 校に出
向き、出前授業を行いました。児童は
専門性の高い指導が受けられ、また中
学校生活への期待に繋がりました。
劇作家の平田オリザ氏による演劇ワ
ークショップを小学校2校で実施し、
自己表現力やコミュニケーション能
力の育成を図りました。
中学 2 年生を対象にトライやる・ウ
ィークを実施し、自らの生き方を考え
たり、規範意識を育成するなど「心の
教育」の推進に努めました。
小学校 2 校では、地域と連携した「た
からづか寺子屋教室」を実施し、学習
習慣を確立させるとともに、児童の新
たな居場所の一つになっています。
末成小学校では、県の技能士協会と提
携し、専門家から「ものづくり」の指
導を受けることで、将来の夢に繋げる
とともに、自尊感情を育んでいます。
高司中学校では、学級活動や学校行
事、部活動、生徒会活動等で一人一人
が活躍できる場を保障することで、自
己有用感を育んでいます。
高司小学校では、計算力の向上を目指
し、地域ボランティアの協力を得て、
全校児童を対象に、月2回の補習学習
「算数教室」を行っています。
3 月 16 日、中学校入学に対する不安を解消し、希望に溢れ目的意識をもって入学する動機づけとして、小学校 6 年
生の児童が中学校の授業体験と部活動体験を行う を実施します。 「オープンジュニアハイスクール」
発行者 宝塚市教育委員会 0797-77-2028 兵庫県宝塚市東洋町1番1号
(ホームページ)http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kyoikuiinkai/index.html
拠点校 宝塚市立高司中学校 0797-73-3297 宝塚市高司 2 丁目3番1号
(ホームページ)http://cms.takarazuka.ed.jp/weblog/index.php?id=j_takatuka
連携校 宝塚市立末成小学校 0797-71-5330 宝塚市末成町1番 1 号
(ホームページ)http://cms.takarazuka.ed.jp/weblog/index.php?id=e_suenari
宝塚市立高司小学校 0797-73-7348 宝塚市高司4丁目4番55号
(ホームページ)http://cms.takarazuka.ed.jp/weblog/index.php?id=e_takatuka