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公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2018年度(前期)指定公募 「市民の集い開催への助成」 完了報告書 テーマ:認定 NPO 法人 長崎在宅 Dr.ネット 第 8 回市民公開講座 「ころばぬ先の杖~良き人生の締めくくりのために在宅看取りから アドバンス・ケア・プランニングを考える〜」 者:土屋 知洋 所 属 機 関:認定 NPO 法人 長崎在宅 Dr.ネット 提出年月日:平成 30 年(2018 年)9 月 26 日

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公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団

2018 年度(前期)指定公募

「市民の集い開催への助成」

完了報告書

テーマ:認定 NPO 法人 長崎在宅 Dr.ネット 第 8 回市民公開講座

「ころばぬ先の杖~良き人生の締めくくりのために在宅看取りから

アドバンス・ケア・プランニングを考える〜」

申 請 者:土屋 知洋

所 属 機 関:認定 NPO 法人 長崎在宅 Dr.ネット

提出年月日:平成 30 年(2018 年)9 月 26 日

開催概要

日時:平成 30 年 8 月 25 日(土)15:00~17:00

会場:長崎ブリックホール 国際会議場

参加人数:462 名(事前申込 229 名、当日参加申込 233 名)

プログラム

15:00~15:05 開会のご挨拶

白髭豊 長崎在宅 Dr.ネット副理事長、白髭内科医院院長

15:05~15:20 認定 NPO 法人 長崎在宅 Dr.ネットのご紹介

阿保貴章 長崎在宅 Dr.ネット理事 ,阿保外科医院副院長

15:20~15:30 休憩(舞台準備)

15:30~16:30 寸劇 「ころばぬ先の杖」

16:30~16:55 寸劇の説明 /質疑応答

16:55~17:00 カーテンコール

成果

今回は、NBC 長崎放送のニュース番組やローカルバラエティ番組で公演の紹

介をしていただくことができた。また、長崎新聞の生活欄などで取り上げていた

だき、結果として一般市民の方多数に公演を見ていただくことができた。さらに、

公演後も長崎新聞の「記者の目」で ACP を取り上げていただいた。

参加申込は合計 462 名にのぼり、高齢の方にも多数ご参加して頂くことがで

きた。公演は、笑いあり、涙ありの内容で、ACP を全く知らない方にも自分た

ちに身近なものとして、必要性を実感していただくことができたのではないかと

思う。

今回は公演のビデオ撮影も行ったので、DVD を作成して ACP の周知に役立

てていく予定である。

感想

演者の皆さんは超ご多忙の中、過密スケジュールの合間を縫って、過酷な練習

にご参加いただいて本当にありがたかった。本番が終わって、演者の皆さんから、

「出られてよかったー、楽しかった!スゴイ達成感!」などのお声を聞いて、「や

ってよかった」と心から思えた。

キックオフミーティングの時、監督が「ただの文化祭の劇ではなく、市民に観

てもらうものを作りたい」と言われたが、監督の期待を大きく上回る劇になった

のではと思う。

公演風景

演劇 1 演劇2

主旨説明(プロデューサー・脚本・監督)カーテンコール

客席(2 階席も満席、立ち見の方も)

公益財団法人 在宅医療助成

勇美記念財団の助成による

長崎在宅Dr.ネット 第8回市民公開講座

寸劇 ころばぬ先の杖 プログラム

15:00~15:05 開会のご挨拶 白髭豊 長崎在宅Dr.ネット副理事長、白髭内科医院院長

15:05~15:20 認定NPO法人 長崎在宅Dr.ネットのご紹介 阿保貴章 長崎在宅Dr.ネット理事,阿保外科医院副院長

15:20~15:30 休憩(舞台準備) 15:30~16:30 寸劇 「ころばぬ先の杖」 16:30~16:55 寸劇の説明/質疑応答 16:55~17:00 カーテンコール

●日時:平成30年(2018年)8月25日(土) 15:00~17:00 ●会場:長崎ブリックホール 国際会議場

今度は 演劇だ!!

この講座は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成事業です。

CAST

<稲佐山太郎家>

稲佐 山太郎 川崎浩二(長崎大学病院 歯科医師)

稲佐 カヨ(妻) 鶴田雅子(つるた医院 医師)

稲佐 誠(息子) 石井浩二(長崎大学病院 医師)

加須寺 愛(娘) 金子和美(訪問看護ステーションYOU 看護師)

<浦上大学病院>

大門 まちこ(浦上大学病院医師) 柳井のり子(白髭内科医院 看護師)

石川 さゆりん(浦上大学病院師長) 岡野千鶴(セントケア訪問看護ステーション長崎みなみ 看護師)

<在宅ケア スタッフ>

黒ひげ(在宅医) 安中正和(安中外科・脳神経外科医院 医師)

渡辺 なおみん(訪問看護師) 黒田敬子(ホーム・ホスピス中尾クリニック 看護師)

生活 見太郎(ケアマネジャー) 戸村孝章(メディカルネットワーク ケアマネジャー)

呂木曽 仁(訪問薬剤師) 西村泰徳(ひまわり薬局 薬剤師)

ヘルパー三田(ヘルパー) 古川美和(長崎市医師会 管理栄養士)

<救急隊・警察>

杉下 左京(刑事) 小川和彦(新里クリニック 医師)

ピーポー1号(救急隊) 小笠原貞信(長崎記念病院 医師)

ピーポー2号(救急隊) 大石敬之(長崎大学病院 医師)

ポリス1号(警察官) 廣瀬弥幸(広瀬クリニック 医師)

ポリス2号(警察官) 大久保仁(おおくぼ乳腺クリニック 医師)

<近所の野次馬>

野次馬1 本村美奈(長崎大学病院 医療ソーシャルワーカー)

野次馬2 遠藤恵里奈(長崎大学病院 医療ソーシャルワーカー)

野次馬 たけし 廣石収(ペンギン薬局 薬剤師)

<軍艦ナミ家>

軍艦 ナミ 中村美喜子(ペンギン薬局 薬剤師)

軍艦 島太郎(夫) 出口雅浩(出口外科医院 医師)

軍艦 島男(息子) 藤瀬直樹(藤瀬クリニック 医師)

伊王島 渚(娘) 阿保貴章(阿保外科医院 医師)

<浦上大学病院>

大門 まちこ(浦上大学病院医師) 佐田悦子(アクア薬局 薬剤師)

石川 さゆりん(浦上大学病院師長) 浅野文乃(長崎市医師会訪問看護事業所 看護師)

<在宅ケア スタッフ>

くち髭(在宅医) 白髭豊(白髭内科医院 医師)

渡辺 なおみん(訪問看護師) 山中真理子(訪問看護ステーション鳴見 看護師)

生活 見留代(ケアマネジャー) 野間口亜矢子(長崎市医師会 ケアマネジャー)

呂木曽 仁(訪問薬剤師) 七嶋和孝(ななしま薬局 薬剤師)

ヘルパー三田(ヘルパー) 宮﨑久美(訪問看護ステーションYOU 看護師)

MC 松島由美(訪問看護ステーション鳴見 看護師)

監督 詫摩和彦(たくま医院 医師)

脚本・住職 中尾勘一郎(ホーム・ホスピス中尾クリニック 医師)

プロデューサー・ちひろ 土屋知洋(ちひろ内科クリニック 医師)

団長 山根豊(山根内科胃腸科医院 医師)

音響 落義男(落内科医院 医師)

照明 奥平定之(奥平外科医院 医師)

認定NPO法人 長崎在宅Dr.ネット 藤井卓(藤井外科医院 長崎在宅Dr.ネット理事長)

事務局 小山奈保子(認定NPO法人 長崎在宅Dr.ネット)

バイオリン奏者 中原大幾

協力 福祉用具 バイタル

Dr.ネットは、病気の治療を、自宅または介護施設で受けたいと希望される患者さんの主治医を見つけ、そ

の在宅療養のサポートをする医師のネットワークです。複数の医師や介護・福祉のスタッフと連携をとりながら、病院の治療に引けを取らない最適な在宅療養を提供します。

Dr.ネットの主な活動

1.在宅療養の主治医・副主治医の紹介 病気の治療を、自宅または介護施設で受けたいと希望される患者さんの主治医を紹介し、在宅療養の サポートをします。 (紹介を希望される方は、かかりつけの診療所や現在入院・通院されている病院の地域医療連携室に ご相談ください。)

2.講演会・研修会の開催 一般市民の方に向けた講演会を開催しています。また、在宅医療に関わる職種(※1)の方に向けての 研修会や講演会を開催しています。 (※1)医師・看護師・ケアマネジャー・メディカルソーシャルワーカー・ヘルパー・理学療法士・栄養士・薬剤師・その他

3.啓発事業など

在宅医療に関する取り組みを、日本全国各地で紹介しています。また、在宅医療のシステム作りを考えてい

る方々からの視察を受け入れています。

お問い合わせ先 認定NPO法人 長崎在宅Dr.ネット事務局 〒850-0022 長崎市馬町21-1 TEL 095-811-5120 FAX 095-811-5121 E-mail [email protected]

私の希望表明書

利札協会発行の「リビング・ウイル僻凍期囲麻こおける桐」で、延命措置を

受けたくないという意思獅こ表明していますi j汁伏功口えて、人職階を迎え

た喘こ備え、私楓、や棚覿こ対する要望をこの文卦こしました自分ら山、最

期を生きるための「私の群乱ですこ

記入日斗日   本鳩名

希望する項目にチェックむ柑lました。

1.最期を過ごしたい夢所(一つだけ印をつけてください)□自宅  口病院  □介護施設  □分からない口その他 (

2.私が大切にしたいこと(複数に印をつけても構いません)□できる限り自立した生活をすること  D大切な人との時間を十分に持つこと□弱った姿を他人に見せたくない    ロ食事や排泄が自力でできることロ静かな環境で過ごすこと      □回復の可能性があるならばあらゆる措置を受けたいロその他(                          )

※以下「3」と「4」は、署名者が「ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りします」という表現では伝えきれない希望や、「止めてほしい延命措置」の具体的な中身を明確にするためのものです。

3.自分で食べることができなくなり、医師より回復不能と判断された時の栄養手段で

希望すること(複数に印をつけても迷うときはつけなくてもよいです。)

□経鼻チューブ栄養 □中心静脈栄養 口胃ろう  ロ点滴による水分補給ロロから入るものを食べる分だけ食べさせてもらう

4.医師が回復不能と判断した時、私がして欲しくないこと(複数に印をつけても結構ですし、迷うときはつけなくても結構です。)□心肺蘇生 口人工呼吸器  □気管切開 口人工透析 □酸素吸入

口輸血  口昇圧剤や強心剤 □抗生物質 口抗がん剤 □点滴

5.その他の希望

【用語の説明】*心肺蘇生心臓マッサージ、気管挿管(口や鼻から気管に管を入れる)、電気的除細動、人工呼吸器の装着、

昇圧剤の投与などの医療行為。*人工呼吸券 自力で十分な呼吸ができない状態の時に、肺に機械ポンプで空気や酸素を送り込む機器。マスク装着のみで行う場合もあるが、重症の際はチューブを口や鼻から入れる気管挿管を行う。1~2週間以上

続ける場合は、のどに穴を開ける気管切開く喉仏の下から直接気管に管を入れる)をしてチューブを入れる。

*胃ろうによる栄養補給 内視鏡を使い、局所麻酔で胃に管を通す手術を行う。その管を通して栄養を胃に

直選注入すること。

(発行  一般財団法人 日本尊厳死協会)

(平成30年)8月23日 木曜日 瞥∃l l詔■ (16)長    山奇一   新    聞       20柑

人生最終段階の治療語り合おう

25日、長崎ブリックホール在宅医療の医師ら寸劇

人生の最終段階の治療などについて患者と家族、医師らが繰

り返し対話し方向付けしておく「アドバンス・ケア・プランニ

ング」 (ACP)。この周知を図ろうと、長崎市と近郊の開業

医らでつくるNPO法人「長崎在宅Drネット」(藤井卓理事長)

は、ACPがテーマの寸劇を25日に同市内で上演する。在宅医

療に携わる医師や看護師、介護士、管理栄養士らで結成した「劇

団そいでよかさ」が、5月から練習を重ねてきた。

「ACP」に関心を

同ネットが毎年開催している

市民公開講座の一環。寸劇形式

は初の試み。

ACPで対話するテーマは、

例として▽終末期をどんなふう

に過ごしたいか▽危篤のとき延

命治療を受けたいか、どんなケ

アを望むか▽最期を迎えたい場

J宣倉へ-喝

所▽意思を伝えられなくなった

とき代理をお願いしたい人は誰

か-など。本人の趣味、気持ち

が良いと感じる空間などを確認

しておくことも大事だという。

同ネット副理事長で医師の白

髭豊さん(56)は「ACPは、あ

まり知られていないが、元気な

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちにどんな最期を迎えたいか

決めておくことは大切。高齢に

なり、認知症などで自分の思い

を伝えられなくなることもある

から」と強調する。

終末期医療に関する国の意識

調査(2017年度、973人

が回答)によると、ACPの認

知度は「知らない」が75・5%。

死が近い場合に受けたい医療や

療養について家族や医療関係者

と「詳しく話し合っている」は

わずか2・7%。「話し合った

ことはない」理由の56%が「き

っかけがなかったから」。

の欄のタイトルは「ころばぬ先

」。20日夜、同市内の病院

患者、家族、医療関係者で話し合うシーン姦習する「劇団そいでよかさ」の

メンバー

=康崎市亭町、山根内科産科医院

の一室では劇団メンバーが練習

に励んでいた。劇は、女性が新

聞のお悔やみ欄を見ながら「み

んな、どんな最期を迎えたとか

な」と考えるシーンから始まり、

ACPが行われなかった例と行

われた例について物語は進む。

ユーモアを交え、患者と家族、

医療関係香りのやりとりを中心

にした内容。劇を一つの「きっ

かけ」にして自分の終末期につ

いて考え、大切な人と思いを共

有してほしい-。そんな願いを

込めている。

脚本を手掛けた医師の中尾勘

一郎さん(54)は「手術後や退院

時、または正月など家族が集ま

るときに語り合えば家族力も深

まる」、プロデューサーで医師

の土屋知洋さん(什翌は「日本で

は死ぬときのことを話すと『縁

起でもない』と言われがちだが、

いざというときに自分らしい最

期を迎えられるよう、準備をサ

ポートしたい」と話す。

寸劇を含む公開講座は25日午

後3時から、同市茂里町の長崎

ブリックホール。無料。定員3

00人。問い合わせは同ネット

事務局(電095・811・5

120)。  (嶋田嘉子)

紙面編集・浦上信之   (第3種郵便物認可) 山号-

最終段階の治療話し合っておこう

医師ら演劇で公開講座

長崎市と近郊の開業医ら

でつくるNPO法人「長崎

在宅Dnネット」 (藤井卓理

事長)は25日、長崎市茂里

町の長崎ブリックホール

で、寸劇形式の市民公開講

座を開いた。

テーマは、人生の最終段

階の治療などを患者と家

族、医師らが繰り返し話し

合う「アドバンス・ケア・

プランニング」(ACP)。

在宅医療に携わる医師らで

結成した「劇団そいでよか

さ」が出演した。

劇の前半では「延命治療

はしないで」と希望した自

宅療養中の患者が、その思

いを周囲と共有できない

まま呼吸が止まり、家族が

慌てて119番通報。事件

かどうか調べるため刑事

もやってきて、パニックに

なるという展開。後半では

別の患者が登場。家族やか

かりつけ医らと何度も話

し合って希望を共有し、家

族に見守られながら息を引

き取った。住職が2家族の

例を振り返り「人の思いは

さまざま。個人の思いを尊

重することが大切」と語っ

た。患者の夫役で出演した医

師の出口雅浩さん(華は

「ACPは年齢に関係なく、

だれにとっても大切。元気

なうちに考え、それを伝え

てほしい」。親子で訪れた

長崎市の医療事務、川端桜

さん(軍は「親はまだ元気

だが、何があってもおかし

くない年齢。しっかり話し

合い、共有することが重要

だと分かった」と話した。

(嶋田嘉子)

長崎新聞 2018年(平成30年)8月29日 水曜日

元気なうちにACP嶋田 嘉子 師道傭

残された人生をどう過ごすか考

え、大切な人たちと思いを共有して

もらおうと、在宅医療に携わる医療

関係者たちが寸劇形式の市民公開講

座を開いた。医師らで結成した・「劇

団そいでよかさ」の旗揚げ公演。終

末期医療の現場で出演者が見聞きし

た課題が盛り込まれていた。

テーマは、終末期の治療方針など

を患者が医療関係者や家族らと繰り

返し話し合って決める「アドバンス

・ケア・プランニング(ACP)」。

主催したNPO法人「長崎在宅Dnネ

ット」によると認知度はまだ低く、

延命措置の有無など十分な意思共有

がないまま亡くなり、遺族が困惑す

るケースも多いという。

会場からは「親が認知症になるか

もしれない。その前にしっかり話し

合いたい」(長崎市、50代男性) 「思

いを共有しておくと『ああしておけ

ばよかった』との後悔が減り、『あ

れができて良かったね』が増えそう」

(長崎市、30代女性)などの意見が

出た。同法人理事の阿保貴章さんは

「ACPは、どう生きるかを話し合

うこと」と教えてくれた。

「まだ元気だから」と、家族のこ

とも自分のことも具体的に決めてい

ないという人は少なくないはず。元

気なうちに、伝え合ってみませんか。

長崎新聞 2018年(平成30年)8月30日 木曜日