白虎加人参湯の臨床報告gr-093...
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2019年6月改訂GR-093
詳細は添付文書をご参照ください。添付文書の改訂に十分ご留意ください。
ドライマウス患者に対する白虎加人参湯エキス錠による治療効果
【原著論題】【原著論題】
近年, 日本におけるドライマウス患者は約800万人と推定され, 現在では潜在患者が約3,000万人あるいはそれ以上とも推察されている. そのうち高齢者の占める割合は高く, その対応が重要となっている. ドライマウスの治療薬としてセビメリン塩酸塩やピロカルピン塩酸塩などが挙げられるが, 有効ではあるものの適応患者の制限などの問題が存在する. このような状況の中で, 漢方薬はドライマウス治療の代表的な治療薬として欠かせないものとなってきている. そこで今回, ドライマウス患者に対する白虎加人参湯エキス錠の治療効果を検討した.
戸谷 収二:新薬と臨牀 62(10):96-100, 2013
白虎加人参湯の臨床報告日本歯科大学新潟病院 口腔外科 口のかわき治療外来
戸谷 収二監 修
日本標準商品分類番号875200
エキス細粒
エキス錠
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唾液分泌量(サクソンテスト値)は22例中20例(90.9%)で増加を認め, 治療前に比べて治療後に有意に増加した.(図1)乾燥感(VAS値)は22例中19例(86.4%)で改善を認め, 治療前に比べて治療後に有意に改善した.(図2)治療の効果判定は22例中19例(86.4%)が有効以上であった.(図3)
使用上の注意等の詳細はD.I.面をご参照ください.
参考:証に関する情報
唾液分泌量および乾燥感に対する効果
ドライマウス患者に対して白虎加人参湯エキス錠による治療をしたところ, 唾液分泌量が有意に増加し, 乾燥感は有意に低下し, 症状の緩和がみられた. 治療の効果判定では86.4%が有効以上であった. 副作用として皮疹および心悸亢進が各1例みられたが, いずれも軽度であり, 継続あるいは減量により対応が可能であった. 以上のことから, 白虎加人参湯エキス錠はドライマウス患者の治療薬として有効な薬剤であると考えられた.
2012年6月~2013年5月の間に当院を受診し, 研究の協力を得られたドライマウス患者22例(男性9例, 女性13例, 平均年齢65.2±12.5歳(34~82歳), ドライマウスの主な分類:神経性6例, 蒸発性6例, シェーグレン症候群5例, 薬剤性4例, 放射性1例).
対 象
ま と め
クラシエ白虎加人参湯エキス錠(EKT-34,12錠/日・分3)を原則30日間投与した. 方 法
治療前後の唾液分泌量(サクソンテスト値)の変化, 乾燥感(VAS値)の程度を測定し, 治療の効果判定を4段階で評価した. また副作用の発現状況についても検討した.
評価項目
データは平均±標準偏差(S.D.)で表した.2群間の差の検定にはWilcoxon signed-rank testにてp