産学連携実践的講座構築ガイド キャリア教育編のご紹介 · •...

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Copyright © 2013 IPA. All rights reserved. 平成252月 産学連携IT人材育成シンポジウム報告資料 平成25年2月27日 産学連携講座連絡会キャリア教育WG代表 中央大学理工学部長補佐 教授 牧野 光則 産学連携実践的講座構築ガイド キャリア教育編のご紹介 1 資料

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Page 1: 産学連携実践的講座構築ガイド キャリア教育編のご紹介 · • グループ演習(1班5名で構成)を中心とした2日間の集中講義 (6コマ:540分)を実施

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平成25年2月 産学連携IT人材育成シンポジウム報告資料

平成25年2月27日

産学連携講座連絡会キャリア教育WG代表

中央大学理工学部長補佐 教授 牧野 光則

産学連携実践的講座構築ガイド

キャリア教育編のご紹介

1

資料 5

Page 2: 産学連携実践的講座構築ガイド キャリア教育編のご紹介 · • グループ演習(1班5名で構成)を中心とした2日間の集中講義 (6コマ:540分)を実施

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キャリア教育講座実施ノウハウ

1.社会人となるための大学教育に求められる基礎力

1.1今、社会(企業)で求められている力

1.2社会が求める基礎力 社会人基礎力

1.3キャリア教育の定義

1.4ロジカルシンキング教育の必要性

2.ロジカルシンキング講座実施モデル

2.1ロジカルシンキング講座実施大学

2.2ロジカルシンキング講座の実施パターン

3.実施パターン例の紹介

3.1実施パターン例13.2実施パターン例23.3実施パターン例3

4.今後の展望と課題

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人間性、基本的な生活習慣

(思いやり、公共心、倫理観、基礎的なマナー、身の周りのことを自分でしっかりとやる 等)

1.社会人となるための大学教育に求められる基礎力1.1 今、社会(企業)で求められている力

3

「基礎学力」「専門知識」に加え、今、それらをうまく活用し、「多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力=社会人基礎力」が求められている。

基礎学力

(読み、書き、算数、基本ITスキル 等)

専門知識

(仕事に必要な知識や資格 等)

(前に踏み出す力、考え抜く力、

チームで働く力)

基礎学力・専門知識を活かす力

(社会人基礎力)

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1.2 社会が求める基礎力

社会人基礎力

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出典 経済産業省(産業人材、社会人基礎力)http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku

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1.3 キャリア教育の定義

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1年次 4年次4年次2年次 3年次3年次

基礎教育・一般教育基礎教育・一般教育 専 門 教 育専 門 教 育

教育課程(単位あり)

教育課程(単位あり)

(単位なし)

厚生補導

(単位なし)

厚生補導

狭義のキャリア教育狭義のキャリア教育

インターンシップインターンシップ

情報社会と職業情報社会と職業 キャリアデザインキャリアデザイン

キャリア支援キャリア支援

エントリーシート添削エントリーシート添削業種・就職セミナ 面接対策業種・就職セミナ 面接対策

コンピテンシーコンピテンシー

広義のキャリア教育広義のキャリア教育ロジカルシンキングシステム思考表現力コミュニケーションリーダシップチームビルディングファシリテーション問題解決 など

ロジカルシンキングシステム思考表現力コミュニケーションリーダシップチームビルディングファシリテーション問題解決 など

PBL(Project Based Learning)

プロジェクトマネジメント

PBL(Project Based Learning)

プロジェクトマネジメント

数学 統計 英語情報処理基礎アルゴリズムとデータプログラミング など

情報ネットワーク データベース 情報セキュリティソストウェア工学 情報システム 要求分析ヒューマンコンピュータインタラクション 仮想現実 など

卒業研究卒業研究

1年次 4年次2年次 3年次

基礎教育・一般教育 専 門 教 育

教育課程(単位あり)

(単位なし)

厚生補導

狭義のキャリア教育

インターンシップ

情報社会と職業 キャリアデザイン

キャリア支援

エントリーシート添削業種・就職セミナ 面接対策

コンピテンシー

広義のキャリア教育ロジカルシンキングシステム思考表現力コミュニケーションリーダシップチームビルディングファシリテーション問題解決 など

PBL(Project Based Learning)

プロジェクトマネジメント

数学 統計 英語情報処理基礎アルゴリズムとデータプログラミング など

情報ネットワーク データベース 情報セキュリティソストウェア工学 情報システム 要求分析ヒューマンコンピュータインタラクション 仮想現実 など

卒業研究

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1.4 ロジカルシンキング教育の必要性(1)

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1.4 ロジカルシンキング教育の必要性(2)

社会人基礎力のうち、特に以下の3つが重要考え抜く力論理的思考力問題解決力

ロジカルシンキングは…論理的な思考力を高める教育として、社会人基礎力の「考え抜く力(シンキング)」を身につける重要なツール普及展開することは意義

→ロジカルシンキングにフォーカスした理由

ロジカルシンキングを教育する場合によく用いられるチーム演習などは…社会人基礎力の他の2要素(「前に踏み出す力」や「チームで働く力」)にも関連論理的思考力を高めることはもちろんだが、チームをリードする、発表体験など、学生にとって、新鮮な経験を得ることが可能

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2.ロジカルシンキング講座実施モデル2.1ロジカルシンキング講座実施大学

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実施パターン1 実施パターン2 実施パターン3

山口大学 愛媛大学 東京情報大学 中央大学 はこだて未来大学

講座名 ロジカルシンキング基礎 ロジカルシンキング実践 ロジカルシンキング基礎(ITキャリア基礎)

ロジカルシンキング ロジカルシンキング・ライティング

コマ数 6コマ(3コマ*2日)別に事前学習あり

9コマ 15コマ 「情報工学基礎演習」15コマの中の2コマ

「情報マネジメント論」15コマの中の6コマ

必修/選択 必修 必修 選択 必修 選択

集中/分散 講義:分散演習:集中夏季集中

集中 夏季集中 分散 分散

教育の狙い

大学での勉学、研究活動をより効率化する、さらには将来ビジネスの世界で活躍するための基礎力として、「論理的に物事の本質を捉える力」および「誰にでもわかりやすく説明する力」を習得するための集中的な基礎訓練を、入学早々に実施する。

ロジカルシンキングの基礎を学習し、問題の原因や課題の解決策の筋道を本質的かつ具体的に把握し、誰にでもわかりやすく伝え、行動する(または、行動させる)ための思考法を学び、実践する。他の授業を受けるための基盤となることを期待して、新入生のための「初年次科目」の一環として実施する。

汎用的能力を育成するための基礎力である論理的思考能力(ロジカルシンキング)などのパーソナルスキルに関して、大学教育に企業での教育プログラムを導入することで、大学と企業の連続した人材育成を実現し、学生の修得レベルの向上を目指す。

「情報工学基礎演習」の中の2 コマを使って、ロジカルシンキングの基本をコンパクトに学習します。情報工学科のカリキュラムにおける色々な科目が何故必要であるのかを体得し、情報工学科が育成する人材像に必要な7 種のコンピテンシー(行動特性)のうち、問題解決力特に課題発見・課題分析・論理的思考を向上することが目標である。

学生のレポート・論文作成や社会人になってからの提案活動など、論理的に思考を構成し、説得力のある文書に仕上げる局面は、数多く存在する。講座では、そのベースとなる論理的思考の構成法や他人を引付ける文書の表現法について、講義と演習を通して学習する。

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2.ロジカルシンキング講座実施モデル2.2ロジカルシンキング講座実施パターン

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実施パターン3中央大学概念・必須型(短時間エッセンスタイプ)

はこだて未来大学

実施パターン1山口大学、愛媛大学

修得・必須型(全員対象じっくりタイプ)

実施パターン2東京情報大学修得・希望者型

(受講希望者じっくりタイプ)

必修

選択

教育時間多

教育時間少

概念理解を目的 内容、目的、予想成果を修得は別の機会 最低限の時間で修得

様々

モチベーション

高め

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3.実施パターン例の紹介3.1 実施パターン例 (1)

全員対象じっくりタイプ~山口大学を代表例に

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科目の特徴 • 必須タイプ 学科1年生全員を対象• モチベーションを維持 達成感・充実感を持たせるかがポイント

準備と計画 • 学習効果を考慮した授業計画(内容・日数・時間)• 学生のレベルと講義レベルのマッチング• 担当講師・TAの人材確保・養成• 実施環境および教材

実施と運用 • 座学を中心とした事前学習(210分程度)実施後に、• グループ演習(1班5名で構成)を中心とした2日間の集中講義

(6コマ:540分)を実施• スキル(技)のみではなくマインド(心)の重要性• 本講座に続く、知能情報工学科の専門科目において、基礎を波及

させ、発展させる工夫

継続に向けて • TAの強化• 他科目の波及(繰り返しの訓練)• 学内また学外へのロジカルシンキングの必要性の啓発• 講座の外部評価

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3.2実施パターン例(2)

受講希望者中心にじっくり教育タイプ~東京情報大学の例

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科目の特徴 • 学科2年生の希望者が対象• キャリアデザイン科目としての

位置づけ「ITキャリア基礎」• モチベーションの高い学生

にきちんと習得させる事が重要

準備と計画 • 学習効果を考慮した授業計画(日数・時間)

• 学生のレベルと講義レベルのマッチング

• 担当講師・TAの人材確保・養成

実施と運用 • 夏季休暇中4日間の集中講義(前半2日間を座学中心、後半2日間を演習)• インストラクション手法の大学教員への移植• 基礎能力科目群(グループ・コミュニケーション等)の上位に位置づけ、3年次のゼミ、イ

ンターンシップへと繋げる

継続に向けて • 演習問題のバラエティある品揃え• 補助学生(TA)の人員強化• 他の履修科目への応用• ロジカルシンキングの演習課題への応用• 社会ニーズである汎用的能力育成を大学教育に定着• 大学と企業との連続性と継続性のある教育の実現

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3.3実施パターン例(3)概念と重要性を早期に「気づかせる」~中央大学理工学部の例

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科目の特徴 • 必修科目→入学定員90名の学科の学生「全員」に機会を提供• ロジカルシンキングの必要性・重要性について「気付き」を促し、自

己の振り返りと向上意欲を喚起(段階別コンピテンシー育成教育の一貫)

準備と計画 • 学習効果を考慮した授業計画2週間(90分2コマ)でロジカルシンキングの何をどこまで教えるのか講座中に学生にどのような行動を期待

• 教材をどうするか

実施と運用 2週間(90分2コマ) →「気付き」を促すことが主• 学生の顔が見える程度の少人数構成• 学生が主体的に取り組むよう説明時間を最小限

継続に向けて • 科目担当者の固定、兼任講師としての委嘱→学外から授業担当者を安定的かつ継続的に確保

• 大学による教材変更権限の確保→汎用教材を利用• 支援者(TA)の教育• キャリア支援課などの関係部署との連携高い効果

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0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

E3:この講座を後輩へ薦めたいと思うE2:今後の学習に対する意欲が持てた

E1:IT業界に対する関心が高まったD3:学習目標を達成することができたD2:不明点などの質問,調査を行った

D1:熱意をもって取り組んだC4:学生の質問に積極的に対応していた

C3:時間配分,資料の見やすさ,声の聞き取りやすさに十…C2:わかりやすい説明だった

C1:熱意をもって取り組んでいたB2:演習内容は,やりがいがあった

B1:演習内容は,取り組みやすかったA2:教材の内容は,明快でわかりやすかったA1:講義の内容は,明快でわかりやすかった

そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない

3.1&3.3 学生アンケート結果

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中央大学(短時間、必須)2011年度

山口大学(じっくり、必須)2012年度

教育内容に関して好評

ロジカルシンキングの主体的学習に関してやや低調か

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4. まとめ

• 「考える」力はキャリア教育の土台– 大学でのロジカルシンキ

ング教育(と学習)は発展途上

– 産学連携による適時的確なPDCAサイクルが必要

• ロジカルシンキングは分野(IT系)、国・地域、年齢に限らない– 大学教育を契機に波及を

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キャリアWG委員構成

山口大学大学院 理工学研究科 准教授 河村 圭

東京情報大学 総合情報学部 教授 布広 永示

中央大学 理工学部長補佐 教授 牧野 光則

株式会社日立インフォメーションアカデミー理事主幹 今村 哲也

株式会社NTTデータ 技術開発本部

ソフトウェア工学推進センタシニアスペシャリスト 駒谷 昇一

株式会社FUJITSUユニバーシティ

産学官連携グループ マネージングプランナ 西川 忠行15

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ご清聴ありがとうございました

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)IT人材育成本部 産学連携推進センター

電話:03-5978-7536http://www.ipa.go.jp/

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