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業務の状況に関する説明書類 【第32期】 平成28年 4月 1日から 平成29年 3月31日まで この説明書類は、金融商品取引法第66条の39の規定に基づき、全ての 営業所又は事務所に備え置き、公衆の縦覧に供するために作成したものです。 株式会社 日本格付研究所

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業務の状況に関する説明書類 【第32期】

平成28年 4月 1日から 平成29年 3月31日まで

この説明書類は、金融商品取引法第66条の39の規定に基づき、全ての 営業所又は事務所に備え置き、公衆の縦覧に供するために作成したものです。

株式会社 日本格付研究所

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Ⅰ.当社の概況及び組織に関する事項

1.商号

株式会社日本格付研究所 2.登録年月日及び登録番号

平成 22 年 9 月 30 日(金融庁長官(格付)第1号)

3.組織の概要

調査室

プロジェクト&アセット・ファイナンス部

格付委員会

格付企画部

格付プロセス統括室

パブリックセクター格付室

事業格付部

数理・システム室

経営管理企画部

監 査 役 会

格付評議会

格付基準委員会

常 務 会

RM事業部

ストラクチャード・ファイナンス部

国際格付部

コンプライアンス統括室

医療・学校法人格付室

取 締 役 会

チーフ・コンプライアンス・オフィサー

役員部長懇談会

株 主 総 会

翻訳室

情報サービス部

監督委員会

人事協議会 社 長

内部監査室

中堅・中小企業格付室

金融格付部

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4.株式の保有数の上位 10 位までの株主の氏名又は名称並びにその株式の保有数及び総株

主等の議決権に占める当該株式に係る議決権の数の割合

氏名又は名称 保有株式数 議決権割合

株 式 会 社 時 事 通 信 社 2,060 株 18.64%

株 式 会 社 共 同 通 信 社 1,220 11.04

J C R 従 業 員 持 株 会 992 8.98

住 友 生 命 保 険 相 互 会 社 280 2.53

明治安田生命保険相互会社 280 2.53

朝 日 生 命 保 険 相 互 会 社 280 2.53

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 280 2.53

三井住友信託銀行株式会社 280 2.53

東京海上日動火災保険株式会社 260 2.35

損害保険ジャパン日本興亜株式会社 260 2.35

5.役員の氏名又は名称

役 職 氏 名

代表取締役社長 髙 木 祥 吉

専 務 取 締 役 金 﨑 嵩

取 締 役 横 山 洋一郎

取 締 役 飯 沼 春 樹

取 締 役 楠 岡 成 雄

取 締 役 増 井 喜一郎

監 査 役 細 野 康 弘

監 査 役 中 﨑 啓 祐

監 査 役 川 合 正 6.信用格付業を行う営業所又は事務所の名称及び所在地

名 称 所 在 地

本社 東京都中央区銀座五丁目15番8号 時事通信ビル

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7.他に行っている事業の種類

事業の種類

(関連業務) ・取引先財務力評価サービス

・JCR中堅・中小企業格付

・JCR中小企業信用リスク推定モデルの提供

・地方公共団体等向け金融機関財務力評価

・私的格付及び特定者向け信用力評価

・仮定に基づく信用力評価

・サービサー格付

・信用格付に関連する一般的情報・知見の提供

・契約者に対する信用格付情報その他の情報提供 (その他業務) ・セミナー等の運営

8.その他政令で定める事項

(1)法令等遵守責任者の氏名

氏 名 藤本 幸一

(2)信用格付の付与に係る過程において格付アナリストを監督する責任を有する者の氏名

氏 名 島田 卓郎

松村 省三

杉山 成夫

本多 史裕 増田 篤

(3)監督委員会の委員の氏名

氏 名 平田 正之 (独立委員)

高橋 智彦 (独立委員)

萩原 周三

松村 省三

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Ⅱ.業務の状況に関する事項

1.当期における業務の概要

当期は、居住者格付業務では、新規顧客獲得及び劣後債等を含めた社債発行の増

加により、発行体数、銘柄数ともに増加し、大幅な増収となりました。J-REIT 格付

業務でも、新規顧客獲得及び投資法人債の発行増加により発行体数、銘柄数ともに

増加させることが出来ました。ストラクチャード・ファイナンス格付業務では、マ

イナス金利の影響によるクレジットリンク債を中心とする金融商品の縮小等により、

若干の減収となりました。非居住者格付業務は、発行体数は微減となりましたが、

新規案件の寄与及び銘柄数の増加により、増収となりました。 この結果、当期の売上高は前期比 10.2%増の 2,265 百万円となり、前期に引き続

き創立以来の最高を更新いたしました。 2.業務状況を示す指標

(1)売上高

区 分 金 額

売 上 高 2,265 百万円

信用格付行為の役務の対価 1,830

信用格付行為以外の役務の対価 435

(2)信用格付業者が一の格付関係者から信用格付業に係る売上高の百分の十を超える手

数料を得ている場合には、当該格付関係者の氏名又は名称

該当はありません。 (3)金融商品又は法人の信用状態の変化に関する統計その他の情報

本説明書類末尾の「JCR格付推移マトリックスおよび累積デフォルト率」をご

参照ください。 (4)付与した信用格付(信用格付業者として付与した日から1年以上経過したもの)の履

歴に関する情報

当社のウェブサイトのサブカテゴリー「会社案内」の「金融商品取引法に基づく

開示事項」内「格付履歴情報」

(https://www.jcr.co.jp/service/company/regu/docs/)をご参照ください。

(5)関連業務及びその他の業務の状況

関連業務の収入は合計で 435 百万円となっております。また、その他の業務は該

当がありません。

(6)格付アナリストの総数

62名

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3.信用格付業者と格付関係者との間の一般的な手数料の体系

(1)事業法人、金融法人及び医療機関等の格付手数料は、発行予定の債券等(長期債、

CP 等)の種類毎に、格付の新規付与時(当初格付手数料)、格付の維持(格付維持

手数料)、債券の発行時(発行基本手数料及び発行比例手数料)の区分に応じて設

定されています。債券発行時の発行比例手数料は、その発行金額によって変動し設

定されます。

(2)ストラクチャードファイナンス商品への格付手数料は、格付の新規付与時(当初格

付手数料)、格付の維持(格付維持手数料)の区分に応じて設定されています。当

初格付手数料は、格付対象商品の金額によって変動し設定されます。格付維持手数

料は、裏付資産、分析手法及び格付水準をモニタリングする頻度に応じて定額にて

設定されます。

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Ⅲ.業務管理体制の整備の状況

1.格付担当者が連続して同一の格付関係者が利害を有する事項を対象とする信用格付

の付与に係る過程に関与する場合において、当該格付関係者から独立した立場にお

いて公正かつ誠実にその業務を遂行するために講じる措置

格付関係者から独立した立場において公正かつ誠実にその業務を遂行するため、

当社では、信用格付を決定する合議体である格付委員会及び格付評議会(以下「格付

委員会等」といいます。)の構成員の3分の1以上は、連続して、同一の格付関係者

が利害を有する事項を対象とする信用格付に係る格付委員会等の決議に参加するこ

とができないこととしています。なお、資産証券化商品以外に対する信用格付の場

合、同一事業年度内に当該信用格付と同じ対象に2以上の信用格付を付与したとき

は、当該2以上の信用格付を1の信用格付とみなすこととしています。

2.信用格付業の業務の適正を確保するための体制の整備に係る措置

以下の措置をとっています。

(1)役員の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制の整備

取締役会で定めた役割の分担及び取締役相互の牽制により、適正かつ効率的に職務

の執行が行われる体制をとり、各役員は職務執行の適正性及び効率性に関して取締

役会に報告します。また、監査役会は内部監査部門と密接に連携することによって、

取締役の職務執行における適正性及び効率性について監査を行います。

(2)役員の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制の整備

取締役会をはじめとする重要な会議の意思決定に係る記録や、決裁文書等、取締役

の職務執行に係る情報を適正に記録し、文書の保存及び機密情報の管理に係る社内

規程等を定め、それに従い適正に管理、保存しています。取締役及び監査役はこれ

らの文書等を常時閲覧できるようにしています。

(3)付与した信用格付と異なる信用格付を提供し、又は閲覧に供することを防止するた

めの体制その他の信用格付行為に関する事務処理の誤りを防止するための体制の

整備

付与した信用格付を提供し、又は閲覧に供するための事務手続その他の信用格付行

為に関する事務手続を定めた各種マニュアルを定め、その周知徹底を図っています。

内部監査部門は当該事務手続を定めた各種マニュアルの遵守状況の監査をし、その

結果を取締役会に報告しています。

(4)損失の危険の管理に関する規程その他の体制の整備

コンプライアンス・情報セキュリティ及び内部者取引等に係るリスクを未然に防止

するため役職員に対し毎年研修を実施するとともに、災害又は障害等リスク発生時

の対処方法として危機管理マニュアルを作成し、配布しています。内部監査部門

は部署ごとにリスク管理状況の監査をし、その結果を取締役会に報告します。

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3.法令等遵守を確保するための措置

(1)コンプライアンスへの取り組み

当社は、その業務運営に係る基本原則に則り適正に業務を遂行するために、適切な

コンプライアンス体制を構築し、その徹底を図ることを経営の最重要課題の一つとし

て位置づけています。当社の役職員は、信用格付の社会的責任の重要性を充分に認識

し、高い職業倫理を持ち、公正かつ適切に業務を遂行すべく、法令及び当社の定める

諸規程(以下「社内規程等」と言う。)の遵守には細心の注意を払い、厳格に対応し

なくてはなりません。当社では、コンプライアンス体制及びその手続を定めるととも

に、役職員が守るべき基本的遵守事項を定め、以下のコンプライアンス体制の下、周

知徹底を図っています。

(2)コンプライアンス体制の枠組み

当社のコンプライアンス体制の枠組みは、下図に示すとおりです。当社では、法令

等遵守に係る内部管理は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーが一元的に管理す

る仕組みとなっており、その直接の監督は監督委員会が行っています。チーフ・コン

プライアンス・オフィサー等は次のような職務を担っています。

コンプライアンス体制

コンプライアンスに係る指導・助言コンプライアンス違反・事故に対する措

置の実施機密情報・個人情報管理状況調査

コンプライアンス違反に係る相談、報告社内通報、利益相反の相談、株式取引申

請、事務ミス報告等

報告、要改善事項の勧告

監査

コンプライアンス・プログラムコンプライアンス実績報告

監査役取締役会 監督委員会

チーフ・コンプライアンス・オフィサー

(コンプライアンス統括室)内部監査室

各部門及び役職員

定期報告

定期報告

監査

社長

報告(必要と判断された場合)

① チーフ・コンプライアンス・オフィサー

イ コンプライアンス・マニュアルの作成、コンプライアンスに係る研修の定期的

な実施を通して役職員のコンプライアンスに係る理解の促進、法令等遵守意識

の醸成及び向上を図ります。

ロ 年度ごとの業務実施計画を定めたコンプライアンス・プログラムを策定し、プ

ログラムに従って、法令等遵守状況全般につき定期的に調査及び検証を行いま

す。

ハ 監督委員会に対して、期中に実施した業務及び法令等違反の報告等を行います。

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② 監督委員会

イ 法令等遵守を含む当社が信用格付業者として整備しなければならない業務管理

体制の要件を満たすための措置が適切に講じられることを確保するため、外部

の独立委員を含む監督委員会を設置しております。

ロ 監督委員会は、監督委員会開催の都度、チーフ・コンプライアンス・オフィサ

ー、内部監査室長並びに必要に応じてその他役職員より所管業務の報告・説明

を受けます。当該報告・説明に基づき、業務管理体制に係る改善が必要と判断し

た場合には、改善勧告を取締役会に対して行います。この場合、取締役会は監

督委員会からの改善勧告に基づき、適切な改善策を講じます。

③ コンプライアンス統括室

イ チーフ・コンプライアンス・オフィサーの指示の下、コンプライアンス事項の

立案、運営に係る事務を行います。

4.信用格付の付与に係る過程の品質の管理の方針の策定及びその実施に関する次に掲

げる措置

(1)格付アナリストの採用及び研修に関する方針

当社は、格付アナリストには信用格付業務の専門家集団の一員として、信用格付

業務を適正かつ円滑に遂行しうる専門的知識及び技能を有する者又は有する資質の

ある者で、高い水準の公正性と誠実性を維持する資質のある者を採用します。

当社は、格付アナリストに対し定期的に研修を実施し、当社の方針及び諸規程に

関する理解を徹底し自己の責務を正しく認識させるとともに、職務を正確かつ迅速

に遂行するために必要な専門的知識及び技能の習得とその向上を図ります。

(2)格付アナリストの配置

格付アナリストの配置は、当社の事業運営方針及び業務量等を勘案の上、信用格

付業務の適正かつ円滑な遂行に支障をきたさないように行います。経営管理部長は

各部室長より要員に関する要望を聴取の上、社長及び担当役員とも協議し、各事業

年度の要員計画を策定します。格付アナリスト配置については要員計画に基づき行

います。

(3)信用格付の付与のために用いられる情報について十分な品質を確保するために講じ

る措置

当社では、信用格付の付与に用いられる情報について十分な品質を確保するため

の方針及び手続(以下「情報品質確保方針」といいます。)を定めています。信用格

付の付与を担当する部室は、情報品質確保方針に従い、個別の案件につき採りあげ

の可否を判断します。また、信用格付を決定する格付委員会等では、審議にあたり、

情報品質確保方針に則り十分な品質を確保できているか否かにつき、点検すること

としています。用いられる情報について十分な品質を確保できていると認められな

い場合は信用格付を付与しません。

(4)格付付与方針等の妥当性及び実効性について検証を適正に行う機能を整備するため

の措置

当社では、格付付与方針等を決定する合議体である格付基準委員会を、格付付与

方針等の妥当性と実効性の定期的な検証を目的に、定期的に開催することとしてい

ます。また、経済情勢、各種制度等、格付対象を取り巻く環境に、重大な変化が生

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じた可能性があると判断される場合、デフォルト率・格付推移の動向、又はモデル

の検証結果に重大な変化が生じたと判断される場合、資産証券化商品につき原資産

の信用状態の特性が変化した可能性があると判断される場合に、格付基準委員会を

随時開催することとしています。

(5)格付付与方針等について重要な変更を行ったときは、当該格付付与方針等に基づき

付与した信用格付のうち、変更後の格付付与方針等に基づき更新するか否かについ

て判断すべき信用格付の範囲及び更新に要する期間を遅滞なく公表し、当該期間内

に必要な更新を行うための措置

当社では、格付付与方針等について重要な変更を決定する場合、同時に当該変更

に伴い格付の見直しが必要となる個別格付の範囲及び見直しを完了すべき期限を

決定すべきこととし、これを当該変更の公表後遅滞なく公表することとしています。

(6)資産証券化商品(当該資産証券化商品の設計が過去に信用格付を付与した資産証券

化商品の設計と著しく異なる場合に限る。)の信用状態に関する評価を対象とする

信用格付を適正に付与することが可能であることを検証するための措置

当社では、資産証券化商品の信用格付の付与を担当する部室が、当該資産証券化

商品の設計が過去に信用格付を付与した資産証券化商品の設計と著しく異なると

認める場合、適切な経験を有する複数の上級管理者を構成員に含む検討機関で、案

件採りあげの可否につき審議を行います。また、案件採りあげ後、当該案件に係る

信用格付を決定する格付委員会等において、審議対象の資産証券化商品の設計が過

去に信用格付を付与した資産証券化商品の設計と著しく異なる場合、信用格付の適

正な付与が可能か否かにつき、点検することとしています。過去に信用格付を付与

した資産証券化商品と設計が著しく異なる資産証券化商品についてその複雑性若

しくは設計、または資産証券化商品の裏付資産に関する確実なデータの欠如等によ

って、信頼できる信用格付を付与することに重大な疑念がある場合は、信用格付を

付与しません。

(7)付与した信用格付に係る検証及び更新を適切かつ継続的に実施するために講じる措置

当社では、更新の対象とならない信用格付を除き、信用格付の格付対象の状況を

常時監視し、必要に応じて信用格付の見直しを行います。また、格付対象の業績如

何にかかわらず、定期的に信用格付の見直しを行います。信用格付の付与を担当す

る部室は、信用格付の定期的な見直しの進捗状況を、定期的に検証することとして

います。また、資産証券化商品の信用格付については、見直しのための分析・評価

を、当初信用格付を担当した格付アナリストのチームとは別のチームに担当させま

す。

5.特定行為の種類及び利益相反回避措置の概要

当社では、公正かつ中立的な信用格付を付与し提供するため、特定行為及びその

利益相反回避措置について定め、当社のウェブサイトのサブカテゴリー「利益相反

管理方針」

( https://www.jcr.co.jp/pdf/dm66/conflicts-of-interest-management-policy

20150529.pdf)においてその詳細を公表しています。

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6.信用格付業者の役員又は使用人でなくなった格付アナリストが格付関係者の役員又

はこれに準ずるものに就いた場合において、当該格付関係者が利害を有する事項を

対象とする信用格付の妥当性を検証するために講じる措置

当社は、当社の役職員でなくなった格付アナリスト(以下「退職者」といいます。)

が格付関係者に就職した場合、当該退職者が格付担当者として関与した当該格付関

係者に係る信用格付につき妥当性を歪める行為がなかったかを、格付アナリストか

らなる検証チームに検証させ、必要に応じ格付委員会に検証結果を報告させ、信用

格付の見直しを行います。

7.関連業務及びその他業務に係る行為が信用格付行為に不当な影響を及ぼさないため

の措置

当社では、関連業務及びその他業務に係る行為のうち、信用格付行為に不当な影

響を及ぼすおそれのあるものを下記の通り特定し、措置を定めています。

(1)依頼人又は顧客窓口が信用格付の格付関係者となりうる関連業務等に係る行為に

つき、関連業務等に係る業務上の関係の存否又はその可能性への配慮により信用

格付行為が影響を受けることを防止するための措置を講じる。

(2)仮定された事象の将来における実現を前提とする評価の付与を主に行う関連業務

等に係る行為及び依頼人に指導の要素を含む知見の提供を行う行為につき、実質

的な助言行為の防止のための措置を講じる。

(3)信用格付の評価対象となりうる金融商品又は法人等の信用状態に関する評価を付

与し当該信用格付の格付関係者となりうるものに提供する行為につき、将来の信

用格付の約束の防止のための措置を講じる。

(4)信用格付の評価対象である金融商品又は法人等に関する評価の付与又は情報の提

供を行う行為につき、必要に応じ、その機密情報管理の徹底のための措置を講じ

る。

8.資産証券化商品の信用状態に関する評価が信用格付の対象となる事項である場合に

おいて、第三者が独立した立場において当該信用格付の妥当性について検証するこ

とができるために講じる措置

当社は、資産証券化商品の信用格付について第三者が独立した立場で妥当性を検

証できるよう、裏付資産の種類別に、第三者が当該信用格付の妥当性を評価するた

めに重要と認められる情報の項目を整理して公表します。

また、当社は、資産証券化商品に対し新規に信用格付を付与する場合、格付関係

者に対し、当該資産証券化商品に関する情報の開示を働きかけます。

当社が資産証券化商品に対し付与した信用格付を公表する場合、当該資産証券化

商品に関する情報の開示の働きかけの内容及び当該働きかけの結果を、当該付与に

係るプレス・リリース等の公表文に記載します。

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9.信用格付業者の役員及び使用人の報酬等の決定方針が信用格付業の業務の公正かつ

的確な実施に支障を及ぼさないことを確保するための措置

チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び格付担当者の報酬等の決定方針が信

用格付業の業務の公正かつ的確な実施に支障を及ぼさないことを確保するため、内

部監査室は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの評価が当社の業務の実績の

影響を受けていないこと、及び、格付担当者の評価が担当する格付先の格付手数料

の影響を受けていないことについて、評価の都度、検証を行っております。また、

内部監査室は、当該検証作業実施に際し、当該報酬等決定方針の見直しを併せて行

うことになっています。

10.格付担当者が当該信用格付の手数料に関する交渉に参加することを防止するために

講じる措置

当社では、信用格付に係る手数料交渉は営業担当部の専管事項とし、格付担当者

は、格付依頼人との料金交渉に関与させません。

11.信用格付業の業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持を適切に行うために

講じる措置

当社では、信用格付業の業務に関して知り得た情報は、信用格付業を公正かつ的

格に遂行するために必要と認められる目的のみに利用することとしています。当該

情報がそれ以外の目的のために必要な場合は、別途格付関係者の承諾を得た上で、

当該情報を取得することとしています。

当社では、信用格付業の業務に関して知り得た秘密(以下、「機密情報」といいま

す。)を記した機密文書を指定し、その取扱いに際しては、アクセス権を設定してい

るほか、保管・持出・廃棄の方法について定めています。また、当社を退職した役

職員についても機密情報の漏洩がないよう、必要な措置を講じております。

12.信用格付業者に対する苦情を適切かつ迅速に処理するための措置

当社では、苦情を適切かつ迅速に処理するため、外部からの苦情は下記の部署にて一

元的に受付け、管理しています。

[苦情等窓口]

〒104-0064 東京都中央区銀座 5-15-8 時事通信ビル

日本格付研究所 情報サービス部

電話番号:03-3544-7013

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13.監督委員会の運営方針並びに委員の氏名及び選任方法(独立委員の独立性に関する

考え方を含む。)

(1)監督委員会の運営方針

監督委員会は、信用格付業者として当社が整備しなければならない業務管理体制の

要件を満たすための措置が適切に講じられることを確保することを目的とし、定期的

に開催していますが、必要あるときは随時開催することとしています。

監督委員会は、業務管理体制の要件を満たすための措置が適切に講じられていない

と判断した場合、取締役会に対して当該事項に係る改善勧告を行います。

(2)監督委員の氏名

前述のとおりです。

(3)監督委員の選任方法(独立委員の独立性に関する考え方を含む)

監督委員は、以下の要件を満たし、取締役の推薦により取締役会の決議にて選任さ

れます。

① 十分な社会経験を有し、法令等遵守態勢の整備に係る知見を有していること。

② 監督委員の過半数は金融の専門的知識を有していること。

独立委員の独立性は、以下の要件を加えることにより確保されています。

① 独立委員は、当社、当社の子法人、当社を子法人とする他の法人又は当社を子法

人とする他の法人の子法人(当社を除く。)の役員(監査役又は監事その他これら

に準ずる者を除く。)又は使用人(以下「関係役員等」といいます。)でなく、か

つ過去5年以内に関係役員等となったことがない者。なお、「子法人」とは、議決

権の過半数を保有している関係があれば、介在している法人の数を問わず、いわ

ゆる孫会社、曾孫会社なども「子法人」に含まれるものとします。独立委員のう

ち少なくとも1名は当社の格付を利用している者であることとします。

② 独立委員の報酬金額は会社の格付業務の実績の影響を受けません。

14.信用格付業者並びにその役員及び使用人が遵守すべき行動規範

当社では、信用格付業者並びにその役員及び使用人が遵守すべき行動規範を定め、

全 文 を 当 社 の ウ ェ ブ サ イ ト の サ ブ カ テ ゴ リ ー 「 J C R 行 動 規 範 」

(https://www.jcr.co.jp/criterion.html)に掲載しています。

Ⅳ.格付方針等の概要

当社の格付方針等の概要については、当社のウェブサイトのサブカテゴリー「格付

関連情報」(https://www.jcr.co.jp/rrinfo/)をご参照ください。

Ⅴ.関係法人及び子法人の状況に関する事項

記載すべき関係法人及び子法人はありません。

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JCR 格付推移マトリックスおよび累積デフォルト率

株式会社日本格付研究所(JCR)では、格付推移マトリックスおよび累積デフォルト率を例年公表していま

す。2016 年の格付を反映した最新の内容は、以下のとおりです。計算に使用したヒストリカル・データ(格

付企業数/件数、デフォルト企業数など)は、弊社ウェブサイトの「格付関連情報」ページの「累積デフォル

ト率等」(https://www.jcr.co.jp/rrinfo/default/)に掲載します。なお、格付推移マトリックスおよび累積デフォ

ルト率につき JCR では調査対象、作成方法または使用データを変更することがありますが、変更前に公表さ

れた調査結果にこれを遡及して適用することは原則として行っていません。

コーポレート等(企業格付)の格付推移マトリックスおよび累積デフォルト率

Ⅰ.企業格付の格付推移マトリックス

調査対象

今回のコーポレート等(企業格付)の格付推移マトリックスおよび累積デフォルト率の調査(以下「本調

査」または「調査」)における格付推移マトリックスの対象は 2000 年 1 月 1 日から 2016 年 12 月末までの間

に長期格付を公表した居住者法人であり、非居住者法人、国(ソブリン)、地方自治体、投資法人は対象外

である。

各法人につき、原則として長期発行体格付を使用している。長期発行体格付が無い場合は、長期個別債務

格付と保険金支払能力格付の中から格付を適宜選び使用した。保証付商品に対する格付、劣後特約付商品に

対する格付および非依頼格付(p格付、発行体からの依頼に基づかず付与する格付)は除いている。ただし、

依頼が取り下げられたことを受けて依頼格付を撤回し、その直後に非依頼格付を付与しこれが最終的にデフ

ォルトした場合には、非依頼格付であっても調査の対象とし、依頼格付から連続するものとみなし取り扱っ

ている。クレジット・モニターの対象となっている場合も、当該モニターの対象となっている格付記号を使

用する。

作成方法

格付推移マトリックスは、ある時点の格付が一定期間の経過後にどのような格付に変化したのかを、確率

的な形式(百分比のかたち)で表している。

作成に際してはまず、調査対象期間(本調査では 2000 年から 2016 年まで)中の各年の期初(年初)毎に、

当該期初時点の格付を推移の開始時点の格付として縦軸(列)に、集計単位期間経過後の格付を横軸(行)

にとったマトリックス形式の頻度分布表を作成する。たとえば、集計単位期間 1 年の格付推移マトリックス

を作成する場合、2000 年の期初格付が 1 年経過後にどうなったかの頻度分布表を作成し、2001 年以降の格

付についても、同様に作成していく。このように作成された複数の頻度分布表のそれぞれの同じ場所のセル

を単純加算した上、開始時点の格付毎の格付総数(各行のデータ総数)で除して百分比のかたちで表し、格

付推移マトリックスとしている。

調査の対象期間中に合併や分割といった組織再編が行われた場合は、原則として法律上の存続・消滅に着

目し推移の観察の継続・非継続を判断している。格付先 2 社が合併し発足した新会社に格付を付与した場合、

推移マトリックスでは原則として存続会社の格付から新会社の格付の推移を追い、消滅会社については新会

社の格付の推移を追うことはしない。

「LD」や「D」が付与された場合、当該付与のあった年の年末にそれぞれ「LD」、「D」が付与されている

のと同様の取扱いとしている。

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格付推移マトリックス(2000 年~2016 年)(表 1~3 参照)

表 1 格付推移マトリックス(集計単位期間 1 年)

AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B- CCC以下 LD DAAA 95.20 3.93 0.44 0.00 0.00 0.44 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA+ 1.46 92.68 4.88 0.49 0.49 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA 0.23 1.14 94.29 3.65 0.00 0.23 0.00 0.23 0.00 0.23 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA- 0.00 0.00 3.15 90.69 5.41 0.45 0.15 0.00 0.15 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00A+ 0.00 0.00 0.18 5.07 89.77 4.71 0.09 0.00 0.00 0.09 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.09A 0.00 0.00 0.20 0.47 6.26 87.95 4.44 0.67 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00A- 0.00 0.00 0.06 0.19 0.25 8.49 86.17 4.22 0.43 0.06 0.06 0.00 0.06 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

BBB+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.17 0.78 9.24 83.16 6.13 0.17 0.00 0.09 0.00 0.09 0.00 0.00 0.09 0.09 0.00BBB 0.00 0.00 0.00 0.08 0.00 0.15 0.85 8.42 83.62 5.87 0.39 0.08 0.00 0.00 0.08 0.00 0.08 0.08 0.31BBB- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.28 0.14 0.14 0.42 9.83 80.90 5.90 1.12 0.00 0.28 0.28 0.28 0.00 0.14 0.28BB+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.79 0.00 0.00 0.00 0.79 14.96 70.87 7.09 1.57 0.79 0.00 1.57 0.00 0.00 1.57BB 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 4.44 15.56 64.44 11.11 4.44 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00BB- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 9.09 18.18 50.00 13.64 0.00 0.00 9.09 0.00 0.00B+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 6.67 0.00 6.67 20.00 53.33 0.00 0.00 0.00 0.00 13.33B 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 28.57 0.00 14.29 0.00 57.14B- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 14.29 0.00 0.00 71.43 14.29 0.00 0.00

CCC以下 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 7.69 38.46 7.69 46.15

当初の格付

1年後の格付(%)

表 2 格付推移マトリックス(集計単位期間 3 年)

AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B- CCC以下 LD DAAA 84.85 9.09 3.54 1.01 0.00 1.52 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA+ 3.77 78.62 12.58 3.14 1.89 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA 0.29 3.47 84.10 8.96 0.58 0.87 0.58 0.87 0.00 0.29 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA- 0.00 0.00 8.44 74.11 14.07 2.25 0.19 0.00 0.56 0.38 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00A+ 0.00 0.00 1.14 12.31 73.55 11.29 0.80 0.46 0.11 0.11 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.23A 0.00 0.00 0.42 1.25 17.36 68.44 8.64 3.24 0.25 0.00 0.08 0.00 0.00 0.17 0.00 0.08 0.08 0.00 0.00A- 0.00 0.00 0.23 0.31 2.06 20.63 66.92 7.49 1.15 0.76 0.08 0.08 0.00 0.08 0.00 0.00 0.00 0.15 0.08

BBB+ 0.00 0.00 0.11 0.11 0.55 3.82 21.94 57.53 12.23 2.84 0.22 0.00 0.11 0.00 0.00 0.00 0.22 0.11 0.22BBB 0.00 0.00 0.00 0.19 0.00 1.26 3.98 20.95 60.23 10.96 0.87 0.19 0.00 0.10 0.00 0.00 0.10 0.29 0.87BBB- 0.00 0.00 0.00 0.37 0.74 1.12 1.67 3.72 23.61 53.90 8.55 1.49 0.19 0.19 0.37 0.56 0.00 0.37 3.16BB+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 5.00 7.50 30.00 36.25 10.00 5.00 1.25 0.00 0.00 0.00 0.00 5.00BB 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 21.43 25.00 28.57 21.43 3.57 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00BB- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 28.57 21.43 0.00 21.43 14.29 0.00 0.00 0.00 0.00 14.29B+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 16.67 16.67 0.00 16.67 8.33 8.33 0.00 0.00 0.00 0.00 33.33B 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 100.00B- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 66.67 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 33.33

CCC以下 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 25.00 16.67 8.33 50.00

当初の格付

3年後の格付(%)

表 3 格付推移マトリックス(集計単位期間 5 年)

AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B- CCC以下 LD DAAA 73.53 12.94 6.47 3.53 0.59 2.94 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA+ 4.69 69.53 19.53 5.47 0.78 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00AA 0.00 5.36 73.56 14.18 2.30 1.15 1.53 1.53 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.38 0.00AA- 0.00 0.23 13.11 63.23 17.33 3.75 0.47 0.00 1.17 0.70 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00A+ 0.00 0.00 1.73 17.63 63.15 14.31 1.59 1.16 0.00 0.14 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.29A 0.00 0.00 0.97 1.51 25.81 56.13 9.89 4.41 0.43 0.11 0.11 0.11 0.11 0.00 0.00 0.11 0.32 0.00 0.00A- 0.00 0.00 0.19 1.03 5.07 27.77 53.28 9.38 1.78 0.84 0.09 0.09 0.00 0.00 0.00 0.09 0.00 0.28 0.09

BBB+ 0.00 0.00 0.14 0.43 1.01 6.50 27.60 45.95 13.44 2.89 0.29 0.14 0.00 0.00 0.29 0.14 0.14 0.29 0.72BBB 0.00 0.00 0.00 0.13 0.13 3.54 7.22 27.97 48.48 9.75 0.76 0.13 0.00 0.00 0.00 0.00 0.13 0.38 1.39BBB- 0.00 0.00 0.25 0.25 0.99 2.22 4.68 9.85 26.11 43.35 4.68 1.48 0.49 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 5.67BB+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 3.57 1.79 3.57 21.43 28.57 19.64 5.36 3.57 1.79 0.00 0.00 0.00 0.00 10.71BB 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 9.09 31.82 13.64 18.18 18.18 4.55 0.00 0.00 0.00 0.00 4.55BB- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 11.11 0.00 33.33 0.00 0.00 11.11 22.22 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 22.22B+ 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 18.18 0.00 18.18 0.00 18.18 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 45.45B 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 100.00B- 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 100.00

CCC以下 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 33.33 0.00 0.00 66.67

当初の格付

5年後の格付(%)

Ⅱ.企業格付の格付カテゴリー別累積デフォルト率

1. 調査対象

累積デフォルト率の調査対象は、格付推移マトリックスと同じである。

作成方法

累積デフォルト率の算出においては、まず調査対象期間(本調査では 2000 年から 2016 年まで)中の各年

の期初に存在した格付(当初格付先)のプール(各年コホート)の各格付カテゴリーについて、その後の経

過年毎にデフォルト企業数をカウントし、それぞれを各経過年の期初に残存していた企業(各経過年の期初

残存格付先)の数で加重平均して各経過年の限界的なデフォルト率(限界デフォルト率)を計算する。これ

により得られた限界デフォルト率を、生存率を加味して累積し累積デフォルト率を求めている。整理すると

次のとおりである。

調査対象期間に含まれる各年をそれぞれY 年とする。

Ya

:Y 年コホート(Y 年の期初に存在した格付のプール)における当初格付先数

tYd , :Y 年コホート当初格付先について、 t 年目中にデフォルトした格付先数

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とすると、Y 年コホートにおける t 年目期初残存格付先数は、下のように表すことができる。

11

,1, t

tda

atYa

ttYY

Y

これを用いて、 t 年目の加重平均デフォルト率 t は、

Y

YtY

t

tYa

d

,

,

と表すことができる。

これよりn 年累積デフォルト率は、

n

ii

1

11

となる。

合併や分割といった組織再編が行われた場合は、原則として法律上の存続・消滅に着目し推移を追う。こ

の点については格付推移マトリックスにおける取扱いと同じである。ただし、累積デフォルト率の算出にお

いては、格付先同士の合併で発足した新会社がデフォルトした場合、合併における存続会社と消滅会社のい

ずれについてもデフォルトしたものとみなす。格付先を消滅会社、非格付先を存続会社とする合併で発足し

た新会社のデフォルトに際しては、格付先である消滅会社のデフォルトをカウントする。

また、累積デフォルト率の算出において、格付が撤回などにより終了した後もデフォルトの有無を追跡し

その結果を反映させることとしている。追跡した格付終了先については、デフォルトした場合は分子・分母

に含め、デフォルトしなかった場合は分母に含めている。ただし、終了後の格付先につき、財務諸表をはじ

めとする重要な情報の入手ができなくなるなど、デフォルトの有無の追跡が困難と認められた場合にはこの

ような追跡を停止する。

デフォルトの定義

累積デフォルト率におけるデフォルトは、金融債務の元利金支払が当初約定どおりに履行されない状態を

指す。これには、①実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っていると JCR が判断した場合と、②一

部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行

を行っていると JCR が判断した場合が含まれる。前者に該当する場合は格付記号「D」、後者に該当する場

合には「LD」が通常、付与される。前者に関しては破産などの法的倒産手続の開始、後者に関しては特定

の債権者が債務者救済を目的として債権放棄や DES などに応じた場合が典型的に該当する。格付記号に

「LD」を導入した 2012 年 8 月 28 日より前に「一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていない

が、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っていると JCR が判断している」という状況に該

当した場合も、デフォルトとしてカウントしている。

累積デフォルト率(2000 年~2016 年)(表 4 参照)

2000 年~2016 年を調査対象期間とする累積デフォルト率の実績は表 4 のとおりとなった。前回調査(調

査対象期間 2000 年~2015 年)からの変化についてみると、わが国全般における倒産件数の低位推移などを

背景に、おおむね大きな変動はみられず、低下ないし横ばいとなった。JCR 格付先のデフォルトは 2016 年

においてゼロであった。格付が高いほど累積デフォルト率が低いという格付記号間の序列は保たれている。

BB レンジ以上に比べ B レンジ以下の格付でデフォルト率が大幅に高まる傾向にあるが、これについては格

付先数が B レンジ以下で非常に少ないことが一つの要因となっている。調査対象期間中の各年の期初格付先

数をみると、B レンジにつき最多の年で 6 先、CCC 以下につき最多の年で 3 先であった。

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表 4 累積デフォルト率 (単位:%)

期間

格付 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年

AAA 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

AA 0.00 0.00 0.00 0.09 0.09

A 0.02 0.12 0.20 0.32 0.45

BBB 0.56 1.28 1.96 2.44 2.85

BB 3.14 5.54 8.80 11.71 14.26

B 18.92 36.29 51.46 57.53 57.53

CCC 以下 53.85 61.54 61.54 61.54 61.54

証券化商品(ABS)の格付推移マトリックス

証券化商品(ABS)の「経過月別の格付推移」と、直近 3 年間のデータを対象とする「1 年間(暦年ベー

ス)の格付推移」は以下のとおりとなった。

2. 調査対象

調査対象は、1996 年 11 月から 2016 年 12 月までに格付を公表した案件のうち、原則として裏付資産につ

いて優先劣後構造で信用補完された案件とした。

リパッケージ債や保証付案件など第三者の格付に連動するものは原則として除いた。また、複数のトラン

シェに分かれている案件については、償還期日が分かれていても同順位の場合はまとめて 1 件とカウントし

た。

作成方法と結果

(1) 経過月別格付推移マトリックス(表 5~7 参照)

対象案件が発行時から経過月数に応じてどのように変化したか、調査集計した。その上で 12 ヶ月、24 ヶ

月、36 ヶ月経過した時点において各案件が当初格付からどのように変化したか、その分布状況を表示した。

各経過月数を満たさずに償還された案件や格付の変化があっても経過月数を満たさないものはカウントを

していない。

JCR が格付した証券化商品(ABS)はこれまでデフォルト実績がなく、当初格付から 12 ヶ月、24 ヶ月、

36 ヶ月経過のいずれの時点でも、デフォルト率はゼロである。

昨年に引き続き 3 つの時点のすべてで、格上げの数が格下げの数を大幅に上回っている。なお、証券化商

品(ABS)の発行当初の格付は「AAA」に集中しているため、「AA+」以下の一部の格付水準では、少数の格

付変更でも格付変更率が高くなる傾向がみられる。

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縦:発行当初の格付 横:各月数経過後の格付

表 5 12 ヶ月経過時点 (単位:%)

12ヵ月後→ AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B-以下AAA 100.00AA+ 100.00AA 5.13 94.87AA- 100.00A+ 100.00A 1.82 98.18A- 100.00

BBB+ 100.00BBB 97.67 2.33BBB- 100.00BB+ 100.00BB 100.00BB- 100.00B+ 100.00B

B-以下

表 6 24 ヶ月経過時点 (単位:%)

24ヵ月後→ AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B-以下AAA 100.00AA+ 33.33 66.67AA 13.89 11.11 72.22 2.78AA- 22.73 68.18 9.09A+ 14.29 85.71A 2.38 2.38 92.86 2.38A- 7.69 92.31

BBB+ 100.00BBB 96.00 4.00BBB- 100.00BB+ 100.00BB 100.00BB-B+ 100.00B

B-以下

表 7 36 ヶ月経過時点 (単位:%)

36ヵ月後→ AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B-以下AAA 100.00AA+ 100.00AA 27.59 13.79 48.28 3.45 3.45 3.45AA- 9.52 66.67 4.76 9.52 4.76 4.76A+ 20.00 80.00A 6.45 6.45 3.23 6.45 74.19 3.23A- 8.33 83.33 8.33

BBB+ 100.00BBB 5.00 5.00 85.00 5.00BBB- 100.00BB+ 100.00BB 100.00BB-B+ 100.00B

B-以下

(2) 1 年間(暦年ベース)の格付推移マトリックス(表 8、表 9 参照)

上記(1)の調査対象の格付データのうち、2014 年から 2016 年に関して、各年 1 月 1 日時点の格付が年

末にどのように変化したかを調査し、3 年分の件数を合算し平均した格付推移分布状況を表示した。また、

参考までに 2016 年の 1 年間についてその分布状況を表示した。

2016 年においては倒産件数の減少などを背景として格下げがゼロとなり、格上げのみが発生した。格下

げゼロは 2013 年以降 4 年連続となる。2016 年に格上げとなったアセットクラスは①不動産②シップファイ

ナンス-の 2 つで、①では JCR 評価額に対する LTV(Loan to Value)の改善が、②では当初の想定を上回

るペースで回収が進んでいるほか、為替ヘッジ比率の上昇により為替リスクが大きく低下していることが評

価され、格上げとなった。

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1 年間(暦年ベース)の格付推移マトリックス

縦:年初の格付 横:年末の格付

表 8 2014 年から 2016 年の平均 (単位:%)

AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B-以下AAA 100.00AA+ 100.00AA 30.00 70.00AA- 22.22 77.78A+ 16.67 16.67 66.67A 100.00A- 100.00

BBB+ 16.67 83.33BBB 4.17 95.83BBB- 100.00BB+ 100.00BB 12.50 12.50 75.00BB- 100.00B+B

B-以下

表 9 2016 年の推移 (単位:%)

AAA AA+ AA AA- A+ A A- BBB+ BBB BBB- BB+ BB BB- B+ B B-以下AAA 100.00AA+AA 100.00AA- 100.00A+ 100.00A 100.00A- 100.00

BBB+ 100.00BBB 11.11 88.89BBB- 100.00BB+ 100.00BB 50.00 50.00BB- 100.00B+B

B-以下

以上