社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への 一般社 …1....

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社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への 一般社会の態度について 京都大学iPS細胞研究所 八代嘉美 第93回特定胚等研究専門委員会 2016年8月29日 於 文部科学省 1 資料93-3

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Page 1: 社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への 一般社 …1. 「再生医療」をめぐる社会的・制度的側面や、コミュニ ケーションについて、一般の人々と再生

社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への 一般社会の態度について

京都大学iPS細胞研究所

八代嘉美

第93回特定胚等研究専門委員会

2016年8月29日 於 文部科学省

1

資料93-3

Page 2: 社会調査などに見る「ヒト動物キメラ」への 一般社 …1. 「再生医療」をめぐる社会的・制度的側面や、コミュニ ケーションについて、一般の人々と再生

日本再生医療学会 「社会と歩む再生医療のためのリテラシー構築事業」

文部科学省が策定した「リスクコミュニケーションの推進方策」(平成26年3月27日安全・安心科学技術及び社会連携委員会)を踏まえ、各分野の専門家がリスクに関わる際に、社会への説明責任を全うするため、専門家集団として責任ある情報発信等のリスクコミュニケーションを行う取組

平成26年~平成31年度の5年間の事業として採択

再生医療研究に対する社会からの信頼を獲得・増進するため、さまざまな情報を発信するための「ニーズ」を理解するための調査

目的:「再生医療と社会」の関係を検討するために

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1. 「再生医療」をめぐる社会的・制度的側面や、コミュニケーションについて、一般の人々と再生 医療分野の研究者の間の認識、その違いを明らかにする

2. 一般の人々と再生医療分野研究者における、再生医療を巡るメディア情報への態度について検討を行う

3. 再生医療分野の研究者におけるコミュニケーション参加をめぐる障壁について検討する

目的:「再生医療と社会」の関係を検討するために

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• 一般モニターには、「知りたい事柄」などを質問

• 研究者側には、「伝えたい事柄」や「一般の人々がどう考えていると思うか」について質問

⇒研究者側の一般回答予想とのズレを検討する

質問の種類 一般モニター 研究者

再生医療について 認知度、実現時期など 認知度、実現時期など 再生医療についての関心 知りたい事柄 伝えたい事柄

ELSI・動物性集合胚を巡る認識 受容性・懸念事項 受容性・懸念事項

再生医療を巡る社会的・制度状況 再生医療三法、 幹細胞医療事故

再生医療三法、 幹細胞医療事故

コミュニケーション活動について × 障壁、動機、 参加推進策

情報ソース/メディア利用について メディア利用状況 メディア利用状況

メディアの社会的影響力について 自分たちや世論はメディアの影響をどう影響を受けている

と思うか?

一般の人々や世論は メディアの影響をどう受けていると思うか?

回答者属性 年齢・性別・学歴・収入・宗教・etc

質問紙の内容

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2010年、中内啓光らが異なる種の動物(マウスとラット)のキメラ動物の作出が可能であること、そして特定の遺伝子をノックアウトした胚と組み合わせることで、特定の臓器ができることを示す

臓器欠損マウス内に ラット iPS 細胞由来の臓器作出 受精卵

Pdx1 KO ラット iPS 細胞

異なる種の間で「キメラ」は可能か?

Kobayashi et al. Cell 2010 東京大学医科学研究所・中内啓光先生提供

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膵臓欠損ブタ由来胚盤胞へのヒトiPS細胞の移植

ブタ個体内でのドナー iPS細胞由来臓器の再生

臓器欠損動物

異種の壁を越えた 胚盤胞補完の成立

患者由来のiPS細胞

ブタ個体内で作成した 患者の臓器を移植

臓器欠損 大型動物の作成

多能性細胞で立体臓器をつくる「キメラ動物」

東京大学医科学研究所・中内啓光先生提供

臓器を作成するためだけでなく ・臓器形成の発生学的な検討 ・多能性幹細胞の分化能の検討 ・疾患メカニズムの解明 ・創薬 など、さまざまな科学的な知見をもたらす

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<一般モニター回答>

• 調査実施時期:2015年10月~2015年11月4日

• 回答者数 2191名 (総発送数2488、回収率88.1%)

※日本リサーチセンターによる。なお回収率が高いが、

調査会社を利用したモニター調査であることに注意。

<再生医療分野研究者>

• 再生医療学会会員に対して質問紙を郵送

• 調査実施時期:2015年12月24日~2016年1月31日

• 回答者数 1115名 (2015年会員数5047、回収率22.1%)

質問紙調査の概要

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38.7% 3.0% 18.1%

3.1% 18.5%

2015

(n = 2,146)

2012

(n = 3,113)

再生医療研究の推進に関して

60.7% 12.3% 27.1%

53.2% 11.9% 34.9%

2015

(n = 2,112)

2012

(n = 3,091)

再生医療研究にサンプルを提供することに関して

支持する どちらかといえば支持する

わからない 支持しない

同意する わからない 同意できない

40.1%

36.3% 42.1%

再生医療研究に関する一般市民の態度

1999年に実施された「ヒト胚性幹細胞及びクローン技術等の研究開発動向及び取り扱いに関する意識調査」(野村総合研究所)、2002年に実施された「ヒト胚研究に関する国民の意識調査」(内閣府)に比較して、認知率は向上している

(参考)2002年当時の認知度 (内閣府調査) 再生医療:考えたことがある 11.3%、名前・内容はなんとなく知っている 21.7%、言葉は見聞きしたが内容はわからない 31.9%

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臓器作製目的のヒトー動物キメラ胚作製への態度

・研究者がヒトー動物キメラ胚作製について高い受容度を示しているのに対し、一般市民の受容度には大きく隔たりがある ・一般市民の考え方は3年間でもほとんど変わっていない

6.4% 49.0% 28.4% 14.4%

7.5% 45.4% 29.2%

2015

(n = 2,109)

2012

(n = 3,109)

2015

(n = 1,083)

30.3%

40.5% 12.3%

2012

(n = 915)

15.8%

29.8% 25.5%

31.3%

16.2%

17.9%

許されると思う

生物の種類によっては許されると思う

わからない

許されるべきではないと思う

非専門家(一般市民) 再生医療学会会員(研究者)

設問の中では「キメラ」という言葉は使っていない

臓器移植に用いる臓器が不足しているため、動物の受精卵に人の細胞を組み込んで、「人間の臓器を持つ動物」を人工的に作り出そうとする研究計画があるとします。 問:上記の「人間の臓器を持つ動物を作り出すこと」についてあなたはどう思いますか.(○は1つ)

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ヒトー動物キメラ作製が許されないと思う動物種

キメラ胚作製を禁じていないアメリカ・イギリスにおいても、特にサル(霊長類)の胚にヒト細胞を注入する実験については慎重なガイドラインが定められているが、日本では他の動物種と比較してサルに対するタブー意識が強いわけではない

27.8%

21.5% 19.0%

21.2%

17.5%

6.4%

42.4%

29.3% 27.0% 27.8%

25.7%

20.6%

6.2%

30.0%

(i) 一般市民

2015 (n = 467)

(ii) 研究者

2015 (n = 595)

許されない サル ブタ イヌ マウス ウシ その他

どの種も問題は感じない

先の質問で「許される」「生物種によっては許される」とした人を対象に質問

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揺らぐ「ヒト」と「ケモノ」の境界への怖れ

1896年: H.G.ウエルズ「モロー博士の島」 学界から追放された研究者による動物実験

=動物を「人間」に進化させる理論を実証するための研究

1859年: チャールズ・ダーウィン「種の起源」 「神に創られた者」として特権的な存在とされてきた人類が

他の動物と連続する(進化した)存在

舞台は南緯一度、西経一〇七度付近の海域と設定され、これはメキシコの遥か南、ガラパゴス諸島の西方であることから、ダーウィンの論文に影響されたことが示唆される。

1888年:ニーチェ 「アンチキリスト」/1889年「この人を見よ!」

「神は死んだ」 「白人」=「ヒト」の優越性を担保する神の不在

「彼らの魂を見ると,そこには滅びるべき獣の心しか見えない。怒り、情欲、貪欲そんなものだけだ」(モロー博士が自らの作った動物人間を評する言葉)

キメラマウスや生殖に介入する 科学や技術のイメージの源流

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Human animal chimera のイメージ

おおよそが「ヒト・動物」の要素が渾然一体となって交じり合うイメージとして描かれる。しかし、生物学的にはこのイメージは「hybrid」(雑種)では?

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Image

(Web検索エンジンに“human animal chimera”と入力し 検索した結果のキャプチャー)

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日本でも「生命科学」への危惧を扱う作品がある

荒川弘による日本の漫画作品。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて、2001年8月号から2010年7月号まで連載。全108話。 2004年、第49回小学館漫画賞受賞。単行本全27巻

累計発行部数は、スクウェア・エニックス発行のコミックスの最高記録となる、5000万部を突破した。2003年にアニメ化、2009年に再アニメ化。

主人公の父の名は「人工生命」を創りだしたとされる錬金術士の名からとられている。作者は北海道の畜産農家に生まれ、農業高校を卒業するなどバイオテクノロジーにも造詣が深い。「錬金術」によって蘇らせようとした 主人公という設定から、この作品が現在の「生命科学」あるいは「再生医療」について大きなテーマとして据えていることが透けて見える。

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「鋼の錬金術師」

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ショウ・タッカーのキメラ

「綴命の錬金術士」ショウ・タッカーは「研究査定」に間に合わせるために自らの娘と愛犬を合成し、「人語を解するキメラ」としてしまう。→ 科学者への不信の反復

http://www.patriciapiccinini.net/144/85

タッカーのキメラは、一般のヒトが考えているキメラの像によく似ている。それは、オーストラリアのアーティストパトリシア・ピッチーニの作品群とも共通する。

Shou Tucker, “the Life-Binding Alchemist”

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Image

(パトリシア・ピッチーニの作品)

Image (自らの娘と愛犬を合成した「人語を解するキメラ」の絵)

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イギリスの「キメラ」意識調査

ヒトの健康改善・疾病治療を目的とした研究であることを条件に、ヒトと動物の遺伝物質の混合を伴う研究を支持する意見が多数であったが

人間のような 外見・脳・生殖機能 を持つ動物の作成については懸念が多かった。

イギリス医学アカデミー「ヒトの物質を含有する動物」プロジェクトが実施。

方法:質的調査(70人対象)、量的調査(1046人)。

(提供 中内啓光教授)

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Image

(パトリシア・ピッチーニの作品)

Image

(自らの娘と愛犬を合成した「人語を解する

キメラ」の絵)

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生命への介入のイメージ…

フランケンシュタインの怪物 (1931年版:俳優はボリス・カーロフ)

哲学者のバーナード・E・ロリンは遺伝子操作に対する疑念を〈フランケンシュタイン症候群〉と批判。

アメリカの政治学者フランシス・フクヤマはその著書『人間の終わり』において、人間に対するこれ以上のバイオテクノロジーの利用は遺伝子操作による生命への介入は人間性の喪失を招く結果になるため、やめるべきであると説く。

科学者は何をするかわからない 自分たちの常識とかけ離れた「生命」を創りだそうとしている

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Image (フランケンシュタインの怪物(1931年版)の映像)

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新聞・マスメディアの報道、研究者の情報発信など、社会との関係性の構築につとめてきたことで受容度が高まり、ES細胞指針等も緩和される傾向に。

(%)

2.5

14.1

37.2

40.5

47.1

52.1

21.2

13.9

6.8

33.6

23.3

3.6

1999年

2012年

(2012年研究者)

よい 場合によってはよい 許されない わからない

ヒト胚を用いる研究についての態度の推移

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平成21年8月 手続等の緩和(ヒトES細胞の「使用」に関する二重審査の廃止等)「ヒトES

細胞の樹立及び使用に関する指針」改正。「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針」、「ヒトES細胞の使用に関する指針」の二本立てとして運用開始。 平成22年5月 生殖細胞作成研究の手続きを新たに追加。

成立時の厳しい内容から、世界の潮流や研究の進捗、世論の変化等を考慮に入れ「研究しやすい」方向に変化。

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一般モニター 研究者 そう思う/ ややそう思う

どちらでもない あまりそう思わない /そう思わない

そう思う/ ややそう思う

どちらでもない あまりそう思わない /そう思わない

メディア報道は正確である 40.8 49.5 9.7 20.8 38.6 40.5 メディア報道は客観的な記事が多い 36.4 50.3 13.2 20.4 31.9 47.7 メディア報道はバランスが取れている 16.2 63 20.8 8.1 34.2 57.7

メディア報道は偏っている 18.9 58.8 22.3 57 28 14.9 メディア報道は信頼できる 32.4 50 17.6 13.2 42.9 43.9 メディア報道は情報量が十分である 14.5 44.1 41.3 7.4 23.3 69.2 再生医療に関する世論は、マスメディアの報道によって大きく影響を受けている

75.8 18.7 5.5 92.7 50 2.2

センセーショナルな報道によって、人々は再生医療に対して不安に煽られている

35 44.8 20.3 38.6 25.2 36.2

世の中に氾濫している再生医療に関する情報の中から、人々は適切なものを取捨選択できる

20.4 46.8 32.9 3.7 16.8 79.5

人々は、たいていの場合、再生医療に関する大げさなメディア報道をそのまま信じたりはしない

35.2 42.2 22.6 9.7 25.7 64.6

>再生医療関連メディア報道についての意識についてもズレが見られる。

再生医療に関連する報道に対する意識

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遺伝子組換え関連新聞記事数

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006

年度

記事数 朝日新聞

読売新聞

北海道におけるGM作物をめぐる議論

産業・医療応用への期待 食品・不安 北海道条例

朝日新聞:2886件 読売新聞:1981件 合計:4867件 (Shineha et al. 2008) 19

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記事数

年度

遺伝子組換え関連新聞記事数

朝日新聞

読売新聞

朝日新聞:2886件 読売新聞:1981件 合計:4867件

産業・医療応用への期待 食品・不安 北海道条例

(Shineha et al. 2008)

<フレーミング(問題の枠組み設定)の擦れ違い> ⇒国レベル(National)、長期的なタイムスパン ⇒今そこにある危機(Local)、短・中期的なタイムスパン ・・・異なる妥当性を持つ視点の擦れ違いにどう向き合うか?

「よく知っている」人間が適切に関与しないと…

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•一般市民は再生医療研究の推進には積極的であり、自らの細胞のサンプル提供にも協力的である。

• キメラ動物を使った研究は科学の進歩において有用であり、再生医療研究の成熟のためにも必要である

• ただしヒトー動物キメラ胚の作製については、研究者との間で大きな意識の隔たりがある。

•研究者みずからが積極的に情報を発信し、正確な知識の普及をはかるとともに、社会と継続的な議論を行うことが必要である。

まとめ

研究者に対する「信用」を確立することの重要性

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• 文部科学省 リスクコミュニケーションのモデル形成事業

• 再生医療の実現化ハイウェイ(2012年)

• 日本学術振興会 科学研究費補助金 (15H02518、24720073)

ワーキンググループメンバー

• 八代嘉美:京都大学iPS細胞研究所 (事業実施責任者)

• 井上悠輔:東京大学医科学研究所

• 標葉隆馬:成城大学文芸学部

• 一家綱邦:国立精神・神経医療研究センター

• 岸本充生:東京大学公共政策大学院

Acknowledgement

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