病薬アワー 糖尿病診療ガイドラインの...

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平成 29 3 20 105-8565 東京都港区虎ノ門1-2-8 TEL 03-6205-7797 FAX 03-6205-7808 285 糖尿病診療ガイドラインの初版は、 20045月「科学的根拠に基づく診療ガイドライン 策定に関する委員会」での検討を経て、刊行されました。その後、 3年に1度の改訂を重ね、 20165月には「糖尿病診療ガイドライン2016」が刊行されました。本日は、初版から 数えて5回目の改訂版であります2016年版における主な改訂のポイントを中心に解説 いたします。 朝日生命成人病研究所附属医院 所長 岩本 安彦 はじめに Q&A方式の導入と章立て 日本糖尿病学会が発行していま す糖尿病診療ガイドラインの初版は、 2004 年 5月「科学的根拠に基づく診療 ガイドライン策定に関する委員会」での 検討を経て、刊行されました。初版の序 文には、「今日の糖尿病臨床を振り返っ てみると、糖尿病の患者数は非常に多 く、現在なお増加しつつあり、その診療 を糖尿病を専門とする医師だけで行う ことは不可能であろう。また、糖尿病に 関する臨床研究は極めて多く、すべて の臨床家が糖尿病に関する『最良の 医学的 evidence』を自身で集めること は難しい。糖尿病の診療にあたっては、 高血圧や高脂血症の合併、妊娠、小児 や思春期の問題、諸種合併症など様々 な局面があり、これらに対するレファレン スの拡充と診療ガイドラインの作成は、 多くの臨床家の糖尿病診療に役立つも のと思われる。」と書かれていました。 糖 尿 病 診 療ガイドラインは、その後 3 年に1 度の改訂を重ね、昨年 5月には 「 糖 尿 病 診 療ガイドライン2016」が刊 行されました。 本日は、初版から数えて5 回目の改訂 版であります 2016 年版における主な改 訂のポイントを中心に解説いたします。 2016 年版の新しい点は、Q&A 方式 を取り入れたことであります。 第1章の「糖尿病診断の指針」 にはじまり、第 21 章 の「2 型 糖 尿 病 の発症予防」まで各章毎に初めにQ (Question疑問)またはCQ(Clinical Question 臨床的疑問)が提示され、次 に「ステートメント」として簡潔に(箇条 書きで)、その回答が示されています。そ の後に、ステートメントにまとめられた事 項が詳しく図表を混えて解説されてい ます。 例えば、Q1-1 糖尿病の診断をど のように行うのか? の疑問に対して、 「ステートメント」として・慢 性 高 血 糖 を確認し、さらに症状、臨床所見、家族 歴、体重歴などを参考として総合判断 する。診断にあたっては、以下のいずれ かを用います。 ①糖尿病型を2回確認する(1回は 必ず血糖で確認する) ②糖尿病型(血糖に限る)を1 回確 認+慢性高血糖症状の存在の確認 ③過去に「糖尿病」と診断された証 拠がある そしてQ1-1の解説の中では「糖尿 病の臨床診断のフローチャート」が図で 示されています。 「2016 年版」においては、章の数が 2013 年版に比べて24から21に減って いること、その代わり、付録が 2 つから4 つに増えていることも変更された点であ ります。 資料1 )2013年版で急性代 謝失調と、感染症・シックデイの2 章に分 かれていたものが、2016 年版では1 つ の章にまとめられ、メタボリックシンドロー ムが2016 年版では肥満を伴う糖尿病 の中にまとめられ、さらに糖尿病と膵臓・ 膵島移植が2016年版では付録として 示されているなどの変更がみられます。 また、糖尿病と癌、糖尿病と骨代謝の項 目も付録で述べられています。 病薬アワー 糖尿病診療ガイドラインの 改訂のポイント MedicalQ_2017_03月.indd 2 2017/03/23 19:02

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Page 1: 病薬アワー 糖尿病診療ガイドラインの 改訂のポイントmedical.radionikkei.jp/medicalq/0323Press_MedicalQ4.pdfにはじまり、第21章の「2型糖尿病 の発症予防」まで各章毎に初めにQ

平成 29年 3月 20日

〒105-8565 東京都港区虎ノ門1-2-8TEL 03-6205-7797FAX 03-6205-7808

285号

糖尿病診療ガイドラインの初版は、2004年5月「科学的根拠に基づく診療ガイドライン策定に関する委員会」での検討を経て、刊行されました。その後、3年に1度の改訂を重ね、2016年5月には「糖尿病診療ガイドライン2016」が刊行されました。本日は、初版から数えて5回目の改訂版であります2016年版における主な改訂のポイントを中心に解説いたします。

朝日生命成人病研究所附属医院所長 岩本 安彦 氏

はじめに

Q&A方式の導入と章立て

日本糖尿病学会が発行していま

す糖尿病診療ガイドラインの初版は、

2004年5月「科学的根拠に基づく診療

ガイドライン策定に関する委員会」での

検討を経て、刊行されました。初版の序

文には、「今日の糖尿病臨床を振り返っ

てみると、糖尿病の患者数は非常に多

く、現在なお増加しつつあり、その診療

を糖尿病を専門とする医師だけで行う

ことは不可能であろう。また、糖尿病に

関する臨床研究は極めて多く、すべて

の臨床家が糖尿病に関する『最良の

医学的evidence』を自身で集めること

は難しい。糖尿病の診療にあたっては、

高血圧や高脂血症の合併、妊娠、小児

や思春期の問題、諸種合併症など様々

な局面があり、これらに対するレファレン

スの拡充と診療ガイドラインの作成は、

多くの臨床家の糖尿病診療に役立つも

のと思われる。」と書かれていました。

糖尿病診療ガイドラインは、その後

3年に1度の改訂を重ね、昨年5月には

「糖尿病診療ガイドライン2016」が刊

行されました。

本日は、初版から数えて5回目の改訂

版であります2016年版における主な改

訂のポイントを中心に解説いたします。

2016年版の新しい点は、Q&A方式

を取り入れたことであります。

第1章の「糖尿病診断の指針」

にはじまり、第21章の「2型 糖 尿 病

の発症予防」まで各章毎に初めにQ

(Question疑問)またはCQ(Clinical

Question臨床的疑問)が提示され、次

に「ステートメント」として簡潔に(箇条

書きで)、その回答が示されています。そ

の後に、ステートメントにまとめられた事

項が詳しく図表を混えて解説されてい

ます。

例えば、Q1-1 糖尿病の診断をど

のように行うのか? の疑問に対して、

「ステートメント」として・慢性高血糖

を確認し、さらに症状、臨床所見、家族

歴、体重歴などを参考として総合判断

する。診断にあたっては、以下のいずれ

かを用います。

①糖尿病型を2回確認する(1回は

必ず血糖で確認する)

②糖尿病型(血糖に限る)を1回確

認+慢性高血糖症状の存在の確認

③過去に「糖尿病」と診断された証

拠がある

そしてQ1-1の解説の中では「糖尿

病の臨床診断のフローチャート」が図で

示されています。

「2016年版」においては、章の数が

2013年版に比べて24から21に減って

いること、その代わり、付録が2つから4

つに増えていることも変更された点であ

ります。(資料1)2013年版で急性代

謝失調と、感染症・シックデイの2章に分

かれていたものが、2016年版では1つ

の章にまとめられ、メタボリックシンドロー

ムが2016年版では肥満を伴う糖尿病

の中にまとめられ、さらに糖尿病と膵臓・

膵島移植が2016年版では付録として

示されているなどの変更がみられます。

また、糖尿病と癌、糖尿病と骨代謝の項

目も付録で述べられています。

病薬アワー

糖尿病診療ガイドラインの改訂のポイント

MedicalQ_2017_03月.indd 2 2017/03/23 19:02

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平成 29年 3月 20日 285号

第2章の糖尿病の治療の目標と指

針では、糖尿病の治療目標は? 糖尿

病の基本的治療方針はどう考えるべき

か? 血糖コントロールの目標はどう設

定すべきか? 糖尿病の慢性合併症の

予防・進展抑制はどう行うか? の4つ

の疑問(Q)が示されています。

その内のQ-3:血糖コントロールの目

標はどう設定すべきか? では、ステート

メントとして、・血糖コントロールの目標

は、可能な限り正常な代謝状態を目指

すべきであり、治療開始後早期に良好

な血糖コントロールを達成し、その状態

を維持することができれば、長期予後の

改善が期待できると述べられています。

(資料2)解説の中の表として、コント

ロールの目標値として、血糖正常化を目

指す時の目標HbA1c 6.0%未満、合併

症予防のための目標 7.0%未満、治療

強化が困難な時の目標 8.0%未満とす

るわかりやすい目標値が示されました。

また、2016年版において、アメリカ

糖尿病学会(ADA)とヨーロッパ糖

尿病学会(EASD)の共同声明によ

る2型糖尿病への個別化した高血糖

コントロールへのアプローチ(Patient-

Centered Approach)に関する新しい

図が参考までに示されたのも特徴といえ

ます。

第3章の食事療法では9つのQと

1つのCQが提示されました。ここで

Q3-4:炭水化物の摂取量は糖尿病の

管理にどう影響するか? では、ステート

メントとして・炭水化物摂取量と糖尿病

発症リスク、血糖コントロールとの関連性

は確認されていない、・ショ糖を含んだ

甘味やジュースは、血糖コントロールの

悪化、メタボリックシンドロームの助長を

招く可能性があり、控えるべきである、・

果物は1単位程度の摂取は促してよ

い、・人工甘味料の血糖コントロールに

及ぼす影響は、十分に確認できていな

い、・インスリン治療中の患者にカーボカ

ウントを指導することは、血糖コントロー

ルに有効である、と述べられています。

糖尿病の治療目標・指針と食事療法

血糖降下薬近年、新しい作用機序を有する血糖

降下薬が次々に開発され、それぞれの

薬剤の適応や選択は、日常診療におい

て重要な問題であります。第5章の血

糖降下薬による治療(インスリンを除く)

では、まず、血糖降下薬の適応は? 血

糖降下薬の選択はどのように行うか? 

 についてQが提示され、次に経口血

糖降下薬のそれぞれの特徴についてま

とめられています。Q5-1:血糖降下薬

の適応は? の疑問に対するステートメ

ントとしては、第1に・インスリン非依存

状態の糖尿病で、十分な食事療法、運

動療法を2~3ヶ月間行っても良好な血

糖コントロールが得られない場合、血糖

降下薬の適応となる。速やかな糖毒性

の是正が必要と判断すれば早期からの

インスリンも含めた血糖降下薬が適応と

なりうると述べられています。

このステートメントに関する解説とし

て、欧米、すなわちADAとEASDのコ

ンセンサスガイドラインで以前から述べ

られている、2型糖尿病の診断と同時

または診断後早期にメトホルミンを投与

することを薦めていることが述べられて

いますが、2型糖尿病の病態やライフ

スタイルが異なる日本では、病態に応じ

た最適な薬剤を推奨していると述べら

れています。

ここで、診療ガイドラインに比べて、より

コンパクトに治療方針をまとめている、日

本糖尿病学会編・著の「糖尿病治療ガ

イド2016-2017」(最新版)における「病

態にあわせた経口血糖降下薬の選択」

の図については、2型糖尿病の病態に

応じた経口薬の分類がインスリン分泌

促進系、インスリン抵抗性改善系および

糖吸収・排泄調節系に分類され、欧米

とは異なり、ビグアナイド薬(メトホルミン)

を第1選択とするような方針は示されて

いないことを付言しておきます。

Q5-2:血糖降下薬の選択はどのよう

に行うか? の疑問に対するステートメ

ントとしては、・薬物の選択は、それぞれ

の薬物の作用の特性や副作用を考慮

に入れながら、各患者の病態に応じて

行う。また薬物投与は、患者への説明と

同意のもと、なるべく単独で少量から開

始し、血糖コントロール状態を観察しな

がら、必要に応じて徐々に増量していく

と述べられています。

続いてスルホニル尿素薬の特徴は?

 からSGLT2阻害薬の特徴は? ま

で、各種経口糖尿病薬に関するQに

は、それぞれ次のようなステートメントが

述べられています。

ここでは、DPP-4阻害薬とSGLT2

阻害薬についてのステートメントについ

て述べたいと思います。DPP-4阻害薬

の特徴としては、ステートメント:血糖値

に依存して食後のインスリン分泌を促

進させると同時にグルカゴンを低下させ

る。その結果、空腹時および食後高血

糖のいずれも改善させる。単独投与で

■ 資料2 血糖コントロールの目標 注)

目標 血糖正常化を目指す時の目標 注1)

合併症予防のための目標 注2)

治療強化が困難な時の目標 注3)

HbA1c (%) 6.0未満 7.0未満 8.0未満

治療目標は年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する。

注1) 適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖などの 副作用なく達成可能な場合の目標とする。注2) 合併症予防の観点からHbA1cの目標を7%未満とする。対応する血糖としては、空腹時血糖 値130 mg/dL未満、食後2時間血糖値180 mg/dL未満をおおよその目安とする。注3) 低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とする。注4) いずれも成人に対しての目標値であり、また妊娠例は除くものとする。

章 Q・CQ 文献数 参考資料 1. 糖尿病診断の指針 7 13 19 2. 糖尿病治療の目標と指針 4 19 4 3. 食事療法 10 86 7 4. 運動療法 5 33 9 5. 血糖降下薬による治療 12 136 4 6. インスリンによる治療 9 69 0 7. 糖尿病の自己管理教育と療養支援 7 61 10 8. 糖尿病網膜症 8 62 0 9. 糖尿病腎症 10 76 1810. 糖尿病神経障害 8 36 411. 糖尿病足病変 9 72 21

■ 資料1 糖尿病診療ガイドライン 2016(編・著 日本糖尿病学会)

章 Q・CQ 文献数 参考資料12. 糖尿病大血管症 8 105 413. 糖尿病と歯周病 5 44 714. 肥満を伴う糖尿病 7 33 1815. 糖尿病に合併した高血圧 6 54 916. 糖尿病に合併した脂質異常症 7 55 717. 妊婦の糖代謝異常 9 54 2518. 小児・思春期における糖尿病 7 50 1519. 高齢者の糖尿病 7 164 720. 糖尿病における急性代謝失調・シックデイ 8 47 4221. 2型糖尿病の発症予防 9 94 13

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平成 29年 3月 20日285号

は低血糖のリスクは極めて少ないが、

SU薬やインスリンとの併用の際は、低

血糖の発症頻度が増加する可能性が

あり、併用薬の減量を考慮すべきである

と述べられています。さらに、・懸念され

た急性膵炎、膵癌や感染症などの発症

頻度を増加させる可能性に関しては否

定的であり、大血管症の発症も増加させ

ないことから、現在では安全性が高いと

考えられている、とまとめられています。

SGLT2阻害薬の特徴は? に対す

るステートメントとしては、SGLT2阻害

薬の作用機序に続いて、エンパグリフロ

ジンに関するエビデンスが述べられてい

ます。

これら第5章では最も多い12に及ぶ

Q、CQが提示され引用文献数も136

篇に及んでいます。

第6章のインスリンによる治療では、

Q、CQ合わせて9つの疑問が挙げら

れています。まず、インスリン治療の製

剤、適応、副作用についての疑問が示

され、次に1型糖尿病、2型糖尿病に

分けて、インスリン療法の方法、細小血

管症と大血管症抑制に対する効果に

関する疑問が提示されています。

第8章からは、網膜症、腎症、神経障

害、足病変、大血管症、歯周病などさま

ざまな合併症に関するエビデンスに基

づく治療指針が多くの文献・アブストラ

クトテーブルとともに示されています。

第14章には肥満を伴う糖尿病が、第

15章には糖尿病に合併した高血圧が、

第16章には糖尿病に合併した脂質異

常症に関する多くのエビデンスが示され

ています。

インスリン治療・合併症・肥満と高血圧に関する項目

第17章以降は妊婦の糖代謝異常、

小児・思春期における糖尿病、高齢者

の糖尿病というライフステージに応じた糖

尿病の診療ガイドラインが示されました。

近年、わが国では急速に高齢化が進

み、高齢糖尿病患者数も増加していま

す。第19章 高齢者の糖尿病では、糖

尿病診療ガイドライン2016では最も多

い実に164篇の引用文献が収載されて

います。

日本糖尿病学会と日本老年医学会と

の合同委員会においてまとめあげられ

ました「高齢者糖尿病の血糖コントロー

ル目標」が、患者の特徴・健康状態に

よりカテゴリーⅠ、Ⅱ、Ⅲに分けられ、さらに

重症低血糖が危惧される薬剤の使用

の有無によって区分され、年齢も加味し

て、きめ細かいコントロール目標が策定

されたことは重要であります。(資料3)

高齢者糖尿病

おわりに「糖尿病診療ガイドライン2016」にま

とめられた主な項目について、改訂のポ

イントを中心に述べました。この新しい

診療ガイドラインは、日本における糖尿

病診療の重要な指針を示すとともに、豊

富な引用文献とアブストラクトテーブル

は糖尿病診療に関わる多くの医師、メ

ディカルスタッフに役立つものと期待して

います。

最後に2016年版のはじめに述べら

れています「糖尿病診療ガイドライン

2016」策定にあたっての中から、本ガイ

ドライン策定の手順について述べ、今

回のまとめとさせていただきます。

策定の基準は、まず各項目(章)とも

CQあるいはQを冒頭に示し、それに対

する「ステートメント」「解説」「引用文

献」「参考とした資料」を記載するフォー

マットになっています。

以上、糖尿病診療ガイドラインの改訂

で取り入れられた点について中心に解

説いたしました。(資料4)

■ 資料4 糖尿病診療ガイドライン 2016

・ Q, CQ の提示・ ステートメント: Q, CQに対する回答・ 解説:上記の詳細な説明(図・表)・ 文献:引用文献, 参考資料・ アブストラクトテーブル:論文, 対象, 方法, 結果

糖尿病診療ガイドライン 2016 編・著 日本糖尿病学会

患者の特長・健康状態 注1)

カテゴリーⅠ カテゴリーⅡ カテゴリーⅢ

①認知機能正常 かつ②ADL自立

① 軽度認知障害~軽度認知症

 または② 手段的ADL低下、 基本的ADL自立

①中程度以上の認知症 または②基本的ADL低下 または③ 多くの併存疾患や機能障害

重症低血糖が危惧される薬剤(インスリン製剤、SU薬、グリニド薬などの使用)

なし 注2) 7.0%未満 7.0%未満 8.0%未満

あり 注3)

65歳以上75歳未満 75歳以上

8.0%未満(下限7.0%) 8.5%未満(下限7.5%)7.5%未満(下限6.5%)

8.0%未満(下限7.0%)

治療目標は、年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などに加え、高齢者では認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患なども考慮して個別に設定する。ただし、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意する。

糖尿病治療薬の使用にあたっては、日本老年医学会編「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を参照すること。薬剤使用時には多剤併用を避け、副作用の出現に十分に注意する。

【重要な注意事項】

日本糖尿病学会編・著 「糖尿病診療ガイドライン 2016」

■ 資料3 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)

MedicalQ インフォメーション2017年2月21日放送  医学講座「糖尿病診療ガイドラインの改訂とポイント」より採録

11月20日号「ドーピングとスポーツ薬理学」につきまして、一部に誤りがございました。お詫び申し上げますとともに、右記の通り訂正させていただきます。<お詫びと訂正>  誤:「1960年のロンドン大会」

 正:「1960年のローマ大会」

MedicalQ_2017_03月.indd 4 2017/03/23 19:02

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水 5日

19日

26日

12日

月 3日

27日

17日

24日

10日

木 6日

20日

30日

13日

27日

火 4日

18日

25日

28日

11日

第一放送 3.925MHz 6.055MHz 9.595MHz4月 番組表

ドクター・サロン[キョーリン製薬]

15分

21:15

15分

20:10 薬学の時間

杏林シンポジア[キョーリン製薬]

15分

20:25

ドクター・サロン[キョーリン製薬]

15分

21:15

20分

20:40 医学講座

15分

20:10 感染症 TODAY[塩野義製薬]

15分

21:00 マルホ皮膚科セミナー[マルホ]

15分

20:25 漢方トゥデイ[ツムラ]

20分

20:40 医学講座

放送番組名[提供社名]○分

放送時間 医学講座/日本医師会、病薬アワー/日本病院薬剤師会、薬学の時間/日本薬剤

放送時間の長さ

テキストで内容を閲覧可能ポッドキャスト配信あり

ホームページでオンデマンド放送あり

主な聴取対象=薬剤師

放送番組と企画団体 

20分

20:40 井手口直子のメディカル・カフェ[武田テバ]

小児科診療UP-to-DATE

[マルホ]15分

21:00

「新しい日本のがん対策─予防・根治・共生に向けて」(11)ゲノム医療の実現に向けて

河野隆志(国立がん研C)齊藤郁夫(慶大)

ドクターヘリシステムの意義と課題

松本 尚(日医大)ALS治療の最新の知見

岩崎泰雄(東邦大医療C大森H)池田志斈(順天堂大)

小児病院における感染症コンサルテーション

宮入 烈(成育医療研C)領域別入門漢方医学シリーズ~透析療法における漢方薬疾患症状別の漢方治療①

和田健太朗(日本鋼管福山H)「医療と食」 1

野尻哲也(株式会社おいしい健康)井手口直子(帝京平成大)

筋疾患の新たな治療への展望

小牧宏文(国立精神・神経医療研CH)

月経周期と動悸

佐藤加代子(東女医大)池脇克則(防衛医大)

未定

未定マダニによる感染症の予防と治療

西條政幸(国立感染研)第67回日本皮膚科学会中部支部学術大会 ①大会を終えて

山西清文(兵庫医大)

「新しい日本のがん対策─予防・根治・共生に向けて」(12)次世代のがん医療提供体制に向けて

北川雄光(慶大)大西 真(国立国際医療研CH)高齢者糖尿病患者の新しいコントロール目標

植木浩二郎(国立国際医療研C)麻薬の診断書作成時の対応

児玉安司(新星総合法律事務所)

山内俊一(葵会柏たなかH)小児における血液培養の重要性

齋藤昭彦(新潟大)

Antimicrobial Stewardshipと抗菌薬の適正使用

石和田稔彦(千葉大真菌医学研C)

小児の肥満

有阪 治(獨協医大)池田志斈(順天堂大)

学薬アワー 「新人学校薬剤師に向けて」

神原大輔(日薬)すい臓がんの治療―10年の進歩

上坂克彦(静岡がんC)第67回日本皮膚科学会中部支部学術大会 ②特別講演2 知らないと怖い保険診療のルール

上田英一郎(阪医大)

「新しい日本のがん対策─予防・根治・共生に向けて」(13)AIによる大規模診療情報に基づく新たな診療

石川俊平(東医歯大)齊藤郁夫(慶大)

サルコイドーシスと眼

竹内 大(防衛医大)ワルファリンによる血栓治療

清水一寛(東邦大医療C佐倉H)池脇克則(防衛医大)

インフルエンザの総括

喜田 宏(北大)領域別入門漢方医学シリーズ~透析療法における漢方薬疾患症状別の漢方治療②

和田健太朗(日本鋼管福山H)「医療と食」 2

野尻哲也(株式会社おいしい健康)井手口直子(帝京平成大)

液体ミルクの必要性と問題点

楠田 聡(東女医大)尿細菌培養

和久本芳彰(順天堂大)山内俊一(葵会柏たなかH)

最近の副作用情報から「医薬品・医療機器等安全性情報」

(厚労省)大腸内視鏡による前がん病変からの治療

田淵正文(中目黒消化器クリニック)

第67回日本皮膚科学会中部支部学術大会 ③教育講演2 血管炎の診かた

小寺雅也(中京H)

「新しい日本のがん対策─予防・根治・共生に向けて」(10)分子病理診断への取り組みと展開

深山正久(東大)齊藤郁夫(慶大)

原発性胆汁性胆管炎(PBC)の最新の話題―病名変更を含めて

田中 篤(帝京大)認知症への抗精神病薬投与

一宮洋介(順天堂東京江東高齢者医療C)

山内俊一(葵会柏たなかH)感染症に対する外科治療~非結核性抗酸菌症を中心に

白石裕治(結核予防会複十字H)

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種後の疼痛を主徴とした症状の診療

奥山伸彦(JR東京総合H)肩関節痛

神戸克明(東女医大東医療C)池脇克則(防衛医大)

慢性痛への漢方薬の服薬指導

緒方千秋(北里大)がん患者の疼痛管理

服部政治(がん研有明H)第60回日本医真菌学会 シンポジウム8-1 爪真菌症の疫学

望月 隆(金沢医大)

平成 29年 3月 20日 285号

ラジオ NIKKEIの医学番組をお聴きのがしの方には、「医学番組」収録 CDを実費にてお届けいたします。

「MEDICAL LIBRARY(メディカル・ライブラリー)」http://medical.radionikkei.jp/medical_program/〒 105-8565 東京都港区虎ノ門 1-2-8 TEL.03-6205-7797 FAX.03-6205-7809 株式会社日経ラジオ社 医学 CD係までお申し込み

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ラジオNIKKEIの医療従事者向けホームページ「メディカル・ライブラリー(http://medical.radionikkei.jp/)では、マルホ株式会社提供の番組「マルホ皮膚科セミナー」(毎週木21:00~21:15)、「小児科診療UP-to-DATE」(毎週水21:00~21:15)をパソコンでお聴きいただけます。放送日時に合わせてメディカル・ライブラリー右上の「今すぐ聴く!radiko.jp」をクリック。短波ラジオ(3.925/6.055/9.595 MHz)の放送と同じ番組がインターネットで聴取できます。

「メディカル・ライブラリー」(http:// medical.radionikkei.jp/)ホームページ内健康医学番組リストより「マルホ皮膚科セミナー」、「小児科診療UP-to-DATE」をクリック。過去に放送した内容を、お好きな時にお好きなテーマをいつでもお聴きいただけます。また、放送内容を書き起こしたテキストをご覧いただく事もできます。どちらも、放送内容に沿っての図表等も閲覧いただけます。「小児科診療UP-to-DATE」はポッドキャストもご利用いただけます。

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「マルホ皮膚科セミナー」「小児科診療 UP-to-DATE」は、インターネットで!「マルホ皮膚科セミナー」「小児科診療 UP-to-DATE」は、インターネットで!番組をインターネットラジオで聴く 番組内容をオンデマンドで聴く、読む 平日20:10~21:30は、医療従事者向

けの番組のインターネットライブ放送をこちらからお聴きいただけます。

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※ 番組のテーマ・出演者などが都合により変更になる場合があります。ご了承ください。■最新の番組は、ラジオNIKKEI医学情報局HPのWEB版番組表をご参照ください。

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