組込みソフトウェア向け 開発プロセスガイドの概説 · 詳細度 → 深く....

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Information-technology Promotion Agency, Japan Software Engineering Center Software Engineering Center Copyright © 2007 IPA, All Rights Reserved 組込みソフトウェア向け 開発プロセスガイドの概説 組込み 組込み ソフトウェア向け ソフトウェア向け 開発プロセスガイドの概説 開発プロセスガイドの概説 20075独立行政法人 情報処理推進機構(IPAソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC組込み系プロジェクト 研究員 山崎 太郎 SECブースセミナー 最適な開発プロセス構築へ向けて 最適な開発プロセス構築へ向けて

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Information-technology Promotion Agency, Japan

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組込みソフトウェア向け 開発プロセスガイドの概説

組込み組込みソフトウェア向けソフトウェア向け 開発プロセスガイドの概説開発プロセスガイドの概説

2007年5月

独立行政法人

情報処理推進機構(IPA)

ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)

組込み系プロジェクト

研究員

山崎

太郎

SECブースセミナー

~~

最適な開発プロセス構築へ向けて最適な開発プロセス構築へ向けて

~~

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiSEC組込み系プロジェクトの活動領域

プロジェクト・マネジメント

スキル・キャリア・教育

開発プロセス、プロセス改善

高品質設計

実装品質

テスト

性能品質向上

利用品質工程個別

全体支援

システム要求分析システム適格性確認テスト

ソフトウェア詳細設計

コーディング

単体テスト

ソフトウェア方式設計

ソフトウェア要求分析

システム方式設計 システム結合

ソフトウェア適格性確認テスト

ソフトウェア結合

製品企画 市場競争力

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riソフトウェア開発規模の増大

2001年当時

100万行

500万行

現在

5倍以上

携帯電話プログラム行数

2000年当時

100万行

500万行~1000万行

現在

5~10倍

自動車プログラム行数

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri

0% 10% 20% 30% 40% 50%

不明

6ヶ月未満

6ヶ月~1年未満

1~1.5年未満

1.5~2年未満

2年以上

経済産業省 2004年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書

平均的な組込みソフトウェア開発期間

開発期間の短期化開発期間の短期化開発期間の短期化

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri

設計品質問題による対策費 (人件費、製品改修費、修理費を含む)

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

100万円未満

100万~500万円未満

500万~1,000万円未満

1,000万~2,000万円未満

2,000万~5,000万円未満

5,000万~1億円未満

1億~2億円未満

2億~5億円未満

5億~10億円未満

10億~50億円未満

経済産業省 2005年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書

設計品質問題の多発設計品質問題の多発設計品質問題の多発

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri開発プロセスとプロダクトの品質

作業1作業1

プロダクトの品質プロダクトの品質

作業3作業3

中間成果物

中間成果物

作業2作業2

中間成果物

中間成果物

開発の過程(=プロセス)作業の品質

Ex. 必要な手順を踏んで開発されていること

最終成果物

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri組込みソフトウェア開発で採用されているプロセス

2005年版

組込みソフトウェア産業実態調査:プロジェクト責任者向け調査

ウォーターフォール方式36.2%

標準的な開発プロセスはない22.7%

プロトタイピングモデル方式8.9%

インクリメンタル方式8.2%

アジャイル方式(XP等)

2.8%

その他の方式3.5%

スパイラル方式(セミスパイラル方式)

18.9%

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri『開発プロセスガイド』

ESPR

ESPR: Embedded

System development Process Reference

ESPR: Embedded

Systemdevelopment Process Reference

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri

組込みソフトウェア開発力強化のために組込みソフトウェアを『効率的』に開発し、かつ『高品質』なものとしていくための標準的な開発作業を整理

次の3編で構成される

『開発プロセスガイド』

ESPRとは

Part1 Part1 解説編解説編

ESPRESPRの目的、位置づけなどを記載の目的、位置づけなどを記載

Part2Part2技術編技術編

ESPRESPRの定義とドキュメント・テンプレート例を記載の定義とドキュメント・テンプレート例を記載

Part3Part3活用編活用編

ESPRESPRの活用例として、開発プロジェクトの工程設計を記載の活用例として、開発プロジェクトの工程設計を記載

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri開発プロセスガイドの特徴

特徴特徴11 ソフトウェア、システムの開発プロセスに関する国際規格をソフトウェア、システムの開発プロセスに関する国際規格を

参考に、より具体的な作業のレベルで開発プロセスを整理。参考に、より具体的な作業のレベルで開発プロセスを整理。

特徴特徴22 組込みソフトウェアの開発において実施すべき作業項目と組込みソフトウェアの開発において実施すべき作業項目と注意すべき事項を整理。注意すべき事項を整理。

特徴特徴33 個々の作業の入出力を明示するとともに、作業内容に個々の作業の入出力を明示するとともに、作業内容についても具体的で理解容易な表現をついても具体的で理解容易な表現を使用使用。。

既存のソフトウェア開発プロセス

既存のソフトウェア既存のソフトウェア開発プロセス開発プロセス

組込みソフトウェア向け 開発プロセスガイド

(ESPR)

組込みソフトウェア向け組込みソフトウェア向け 開発プロセスガイド開発プロセスガイド

((ESPRESPR))

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri国際規格とESPRの関係

カバー範囲

広く

詳細度

深く

ESPR

国際規格ISO/IEC12207ISO/IEC15288

Ver.2.0

Ver.1.0

組込みソフトウェア開発に最低限必要な作業の集まりとする⇒横方向:プロセスのカバー範囲は国際規格ISO/IEC12207、

15288よりは少ないプロセス

⇒縦方向:詳細度は組込みソフトウェア開発の実作業が見えるレベルの詳細な程度

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiESPRのプロセス・カテゴリ

プロセスプロセス ソフトウェア・エンジニアリング・プロセス (SWP)

ソフトウェア・エンジニアリング・プロセス (SWP)

SWP: SoftWare engineering Process

SUP: SUpport Process

SYP: SYstem engineering Process

ソフトウェアとしての要求定義からソフトウェア総合テストまでソフトウェ

アを作る際の直接作業を整理したプロセス

ソフトウェア開発を円滑に進めるために必要となる支援作業や間接作

業を中心に整理したプロセス

組込みソフトウェアが組み込まれて動作する組込みシステムとしてとら

えた場合のシステム要求やシステムと

しての動作検証などの作業を

整理したプロセス

サポート・プロセス(SUP)

サポート・プロセス(SUP)

システム・エンジニアリング・プロセス (SYP)

システム・エンジニアリング・プロセス (SYP)

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riプロセスの構造

開発作業を4階層でブレイクダウン開発作業を4階層でブレイクダウン

プロセスプロセス

アクティビティアクティビティ

タスクタスク

サブタスクサブタスク

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiESPRのアクティビティ

Software Engineering Center 15Copyright © 2007 IPA, All Rights Reserved

SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiV字モデルとの対応

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiESPRのタスク例

SWP2 ソフトウェア・アーキテクチャ設計のタスク

SWP2 SWP2 ソフトウェア・アーキテクチャ設計のタスクソフトウェア・アーキテクチャ設計のタスク

Software Engineering Center 17Copyright © 2007 IPA, All Rights Reserved

SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・RiESPRのサブタスク(例)

Software Engineering Center 18Copyright © 2007 IPA, All Rights Reserved

SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riサブタスクの解説(SWP)

P38

作業の入出力を明示作業の入出力を明示

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riサブタスクの解説(SWP)

P38

組込みソフトウェアの開発において実施すべき作業項目を整理組込みソフトウェアの開発において実施すべき作業項目を整理

Software Engineering Center 20Copyright © 2007 IPA, All Rights Reserved

SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riサブタスクの解説(SWP)

P38

作業を実施する際の作業を実施する際の注意すべき事項を整理注意すべき事項を整理

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riドキュメント・テンプレート例

P106~109

成果物の成果物のテンプレートとして利用できるテンプレートとして利用できる

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri想定する利用者

個々の開発案件個々の開発案件でで開発プロセスや工程を検討・決定するマネージャやリーダ開発プロセスや工程を検討・決定するマネージャやリーダ

組織や部門の開発プロセスの標準や基本的な考え方を整備し、組織や部門の開発プロセスの標準や基本的な考え方を整備し、その運用を支援するメンバーその運用を支援するメンバー

品質保証など、ソフトウェア開発を間接的に支える品質保証など、ソフトウェア開発を間接的に支える支援グループのメンバー支援グループのメンバー

組込みソフトウェアを開発する組織において、

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri想定する利用方法

ソフトウェアの開発プロセスなどが未整備で、ソフトウェアの開発プロセスなどが未整備で、新規に組織や部門の開発プロセス標準を決める場合新規に組織や部門の開発プロセス標準を決める場合

既に組織や部門の標準的な開発プロセスがあるが、既に組織や部門の標準的な開発プロセスがあるが、実際の作業などとのずれが生じていて見直しが必要な場合実際の作業などとのずれが生じていて見直しが必要な場合

従来の開発プロセスでは対応できないため、従来の開発プロセスでは対応できないため、新たな開発プロセス標準が必要な場合新たな開発プロセス標準が必要な場合

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riプロセスガイド(ESPR)の活用

開発プロセス開発プロセス

開発を進める上で必要な作業(アクティビティ)を整理したもの

• どのような作業を行うか• 作業の結果をどのように形にするか• 時間的な順序性は持っていない

工程設計 アクティビティ(、タスク、サブタスク)を

選定し、時間軸上に割り付ける

開発工程開発工程組織/部門や製品ドメインの性質

に合わせて実際の作業を時間 軸を考慮して割り付けたもの

Part2技術編

Part2Part2技術編技術編

Part3活用編

Part3Part3活用編活用編

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri開発工程(例)

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Riまとめ

開発プロセスガイドを利用することにより得られる効果

組織や部門で必要な作業を効率的に整理し、組織や部門の開発プロ

セスとして整備することができる。

個々の作業の結果整理や成果物の内容を検討することができる(ド

キュメント・テンプレート例)。

組込みソフトウェア開発作業において、特に注意すべき事項などを組

織や部門の開発プロセス検討の際に参考とすることができる。

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SECSoftware Engineeringfor Mo・No・Zu・Ku・Ri

SECの活動にご協力ください。

「ESxR活用トライアル」参加企業を募集中(締切:5月/21日)

「ESxRワークショップ」開催予定(9月)

http://sec.ipa.go.jp/

ご清聴ありがとうございました。