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統計・ファイナンスプログラム 一橋大学大学院経済学研究科・経済学部

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Page 1: 統計・ファイナンスプログラム · た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

統計・ファイナンスプログラム

一橋大学大学院経済学研究科・経済学部

Page 2: 統計・ファイナンスプログラム · た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

経済理論を身につけ 総合的判断力も備えた専門職業人を輩出する

文系大学院で金融工学教育を実施する必然性

経済学研究科では、2005年度から金融工学・計量ファイナンスの修士レベルの教育システムを「統計・

ファイナンスプログラム」として本格稼働させています。この主たる対象は、本学部と大学院修士課程

に設置された「5年一貫教育システム」により、学部入学から 5 年間で修士号を取得しようという学生

です。もちろん修士課程入学者にも専門職業人養成の一環として、門戸を開いています。

統計・ファイナンスプログラムは、経済学をベースとした金融工学の高度専門職業人教育を行う先駆

的な教育モデルとして、注目を集めてきました。なぜ文系大学院で金融工学教育を行うのでしょうか?

その理由の一端は、今日投資戦略や金融商品の開発を担うクオンツやアクチュアリーとして金融工学の

現場で活躍している専門家の多くが、理系大学・大学院出身者であるということにあります。このこと

は、社会科学系の研究・教育機関で長年にわたって培われてきた経済学や計量経済学の考え方が、現場

で実務に十分反映されているとは言い難い状況であることを意味しています。

金融工学においても、経済理論の基礎的な知識を持つことが重要であることは言うまでもありません。

社会科学サイドからのアプローチにより、総合力を身につけた人材が金融工学の現場に加わることで、

人材の多様化に資することができる筈です。また逆の意味で、現在の経営トップが文系出身者である場

合でも、金融工学の主要な目的の一つのリスク管理において、深い理解と洞察力を持つことが不可欠で

あることは、世界的金融危機以来明らかです。社員から経営者に至るまで文系出身者であるか理系出身

者であるかを問わず、金融工学的リスク管理を数値的に行うセンスを身につけ磨くことは、非常に重要

であると言えます。統計・ファイナンスプログラムの教育は、こういったベクトルを持っているのです。

金融工学教育センターを設立

文部科学省の(旧名称)大学院教育改革支援プログラムに採択された「文系修士課程における金融工

学教育モデル」では、これまで成果をあげてきた統計・ファイナンスプログラムにおける金融工学教育

をより充実させ、新たな分野に発展させることで文系の大学院における高度な教育モデルを確立させる

ことを目指しています。具体的には、金融工学とその周辺分野における教育の実質化を推進し、授業範

囲の拡大や資格取得支援、就職支援などを行ってきました。その実現に向けて、マーキュリータワー(一

橋大学・東キャンパス)内に経済学研究科「金融工学教育センター cfee」(Center for Financial

Engineering Education)を設立しました。

これまで統計・ファイナンスプログラムでは cfee を中心として、広報活動や金融機関などへのイン

ターンシップ、海外の大学における金融工学教育の実地調査、各種資格取得支援、金融工学教育・研究

発表に関する国際コンファレンス開催など、数多くの事業に取り組んでいます。

統計・ファイナンスプログラムには、幾つかの目標がありますが、その一つが大学院生自らの企画立

案による金融工学の研究発表会です。cfee では、それが実現するよう努力しています。また、学生のイ

ンターンシップ・エクスターンシップへの参加を積極的に支援しています。インターン・エクスター

ンシップによって金融工学の現場の雰囲気を知ることができるので、実際に参加した学生は「統計・フ

ァイナンスの知識がどのように活用されているかがよくわかった」と言っています。大学院で学び、身

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に付けた問題解決能力を実践現場に適用するイメージができるでしょう。

一橋大学の中期計画では、金融工学教育で高度専門職業人を養成することが掲げられています。 こ

のようにして、統計・ファイナンスプログラムは、一橋大学の計画の中に組み込まれた教育プロジェク

トです。 また統計・ファイナンスは、経済学を中心として、統計学・数学という理系の世界との連携を

図ることで、社会科学と人文科学・自然科学分野との連携を果たします。統計・ファイナンスに対する

(新名称)組織的な大学院教育改革推進プログラムの支援期間は僅か 3年間で、支援は既に終了しまし

たが、このプロジェクトを持続的発展に導いていく必要があることは、いうまでもありません。

豊富な教授陣を擁する一橋大学ならではの取り組み

経済学研究科には、研究者養成コース、修士専修コースの 2コースがあり、それらは経済理論・経済

統計専攻をはじめとする 4つの専攻で構成されています。そのなかで、経済理論・経済統計専攻の教員

が主となって金融工学教育を展開しているのが、統計・ファイナンスプログラムです。当初は修士専修

コースにおいて、高度な学識を備えた専門職業人を育成することを目標にしていましたが、現在は専門

性と総合性を併せ持つ金融工学研究者の育成、つまり博士後期課程における金融工学教育にも進出して

います。

統計・ファイナンスプログラムでは、数学や確率論・統計学、計量経済学、数理ファイナンスの各分

野の優れた教授陣が、高度な金融工学教育を行ってきました。その結果、2006 年度から 2013 年度の間

に 49 名の修士号取得者を輩出して、その多くを金融機関に送り出しています。金融工学の現場で、単

に工学的技術を身に付けただけでなく、経済学の基礎にたった総合力・社会科学的な判断ができる高度

専門職業人が、戦力として認められた成果だと思います。この方向は今後、ますます推進していきます。

金融関係の資格取得をサポート

統計・ファイナンスプログラムでは、金融工学授業の拡充、深化をさせることで金融工学のさらなる

発展を目指します。具体的には、現在需要の高まっている生保・損保・年金の数理的側面を扱う、アク

チュアリー関係の授業体系を整備します。保険数理や年金関係の新たな授業を開講するのはもちろん、

日本大学との学生交流協定締結により、2012 年度から日本大学大学院アクチュアリーコースの一部科目

が履修(単位認定)可能になりました。ちなみに、統計・ファイナンスプログラムを修了して、保険関

係に就職した者のなかには、すでに難関のアクチュアリー資格試験を得た(全ての試験に合格した)者

もいます。このようにして、まず教育環境の充実と授業系列の整備を行うことで、金融工学・計量ファ

イナンスの教育拠点としての位置を確固たるものにしていきます。

統計・ファイナンスプログラムにより多くの優秀な学生を集めるためにも、そして金融工学教育に対

する社会的認知度を高めるためにも、金融工学・計量ファイナンスの教育が文系の修士にとっても魅力

があることを、大学関係者はもちろん広く社会に広報していく必要があります。その具体策として、内

外の金融工学教育・研究の専門家を招いて、金融工学教育に関する国際会議を実施してきました。さら

に優秀な学生を受け入れるために、データベースを導入し、設備や環境を整えています。

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統計・ファイナンスプログラムのねらいと特徴

近年、社会問題の分析(例えば、需要予測、景気動向調査、種々のアンケート調査)において、数量

的分析手法(統計学・計量経済学)がその重要度を増してきています。そして特に金融・ファイナンス

の世界においてそれは顕著であり、この傾向は今後もますます強くなっていくと考えられています。

本プログラムは、これらの強い要請に応えるために、以下のような人材を供給することを目的として

います。

1. 確率論・統計学・計量経済学等のしっかりとした知識を備え、高度な分析能力を持つ専門職

業人。このような人材には、各種研究機関(シンクタンク)や国際機関で需要が見込めます。

2. これらの学問をファイナンスに応用して、金融工学的な解析能力を持つ人材。各種金 融機

関の金融商品開発の現場からの需要が見込めます。

統計・ファイナンスプログラムは、上のような需要にこたえるため、大きく分けて 3つのお互いに関

連の深い分野、すなわち統計学、計量経済学、計量ファイナンスから成り立っています。教育スタッフ

は、経済統計部門の教員を中心に、関連する金融・ファイナンス、数学の教員が加わって構成されてい

ます。

統計・ファイナンスプログラムの教員

金融工学教育センターでは、数学や確率論、統計学、計量経済学、数理ファイナンスの各分野の優れ

た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

指導教員を選び、後で紹介するゼミやインディペンデント・スタディの指導を受けることができます。

以下に教員名と主な研究テーマを紹介します。(教員の所属は特に断らない限り経済学研究科)

●石村 直之(代表)

数理ファイナンス 非線形現象論とその応用

●石原 庸博

多変量確率的ボラティリティ変動モデルのモデリングとベイズ推定

●祝迫 得夫(経済研究所)*

ファイナンス マクロ経済学 アメリカ金融史

●川口 大司

東アジア地域における国際結婚の規定要因の研究 時間利用の長期変化についての日韓比較分析

人事データを用いた企業内労働市場の分析 教育政策が世代間格差の連鎖に与える影響の分析

賃金格差の長期動向についての分析 母体内環境と出生後環境が児童の発達に与える影響

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●黒住 英司

構造変化に付随する諸問題 時系列モデルおよびパネルデータモデルにおける定常性

の検定 共和分に関する諸問題

●桑名 陽一

数理統計学正規性・分布型の検定問題 ファイナンスのための統計解析

高頻度時系列データの分析手法 数理金融論 部分観測下の消費・投資決定問題

●齊藤 誠

不完備市場下の資産価格形成 流動性と資産価格形成 マーケットマイクロストラクチャー

マクロ経済学 金融政策 エネルギー,自然災害リスク,排出権などに関する新しいタイプの金融

取引

●高岡 浩一郎(商学研究科)**

確率論 数理ファイナンス

●高見澤 秀幸(商学研究科)**

計量ファイナンス

●本田 敏雄

統計学および計量経済学の方法論の理論的研究

●山田 昌弘

日中の取引データを用いたファイナンスの実証分析

●山本 庸平

計量経済理論とその応用分析

●渡部 敏明(経済研究所)*

ファイナンス 計量経済学

*経済研究所の教員を、学部 4年生は指導教員として選ぶことはできません。

**商学研究科の教員を、指導教員として選ぶことはできません。

【注】以下の教員は、統計・ファイナンスプログラムの指導教員として、選ぶことはできません。

・青沼 君明(明治大学グローバル・ビジネス研究科,専任教授)

リスク評価 ヘッジ手法

・斯波 恒正(早稲田大学大学院ファイナンス研究科,特任教授)

計量経済学

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・田中 勝人(学習院大学経済学部,教授)

統計学 計量経済学

・藤田 岳彦(中央大学理工学部,教授)

確率論 数理ファイナンス 保険数理

「学部・大学院 5 年一貫教育システム」および

「修士専修コースの専門職業人養成プログラム」

統計・ファイナンスプログラムには

2つのコースがあります(下図参照)。次頁以降で、それら 2つのコースの概要と選抜方法につ

いて説明します。

♦ 5 年一貫教育システムの中の一つのプログラムとして、学部 4年間で学士号を取得し、続く

1年(原則)で修士号も取得して修了するコース

♦ 修士課程専門職業人養成プログラムの中の一つのプログラムとして、大学院入学時の選考で

採用されて標準 2年間で修士号を取得して修了するコース

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学部・大学院 5年一貫教育システム

概要

経済学研究科は、4年間の学部教育と 1年間の大学院教育(修士課程)を有機的に組み合わせ、 学部

入学から 4年後に学士の、そして 5年後には修士の学位を取得することができるシステムを導入しまし

た。 これを「学部・大学院 5年一貫教育システム」(以下「5年一貫教育システム」)と呼び、参加者は

「5 年一貫専修コース」、「5年一貫研究者養成コース」のいずれかのコースに在籍します。

「5 年一貫専修コース」は「専門職業人養成プログラム」と「一般」から構成されています。 「専門

職業人養成プログラム」については次の項目で説明します。「一般」は、「専門職業人養成プログラム」

には参加しないものの、学部入学から 5年間で修士専修コースを修了することを目指す学生が所属する

プログラムです。また「5 年一貫研究者養成コース」に参加する学生は、他の修士課程研究者養成コー

スの学生より 1年早く、つまり学部入学から 5年で修士課程を修了することが可能となります。これに

より優れた研究成果をあげることができた学生の場合、通例では学部入学から少なくとも 9年を必要と

する博士学位取得までの道のりを 1年短縮することが可能になります(下図参照)。

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選考など

経済学研究科は「5 年一貫教育システム」に参加する学生を「5 年一貫専修コース」と「5 年一貫研

究者養成コース」を合わせ、毎年 20 名程度募集します。「5 年一貫教育システム」に参加するためには、

学部 3 年生の冬学期に実施される試験(「大学院経済学研究科修士課程特別選抜入試に向けた学部特別

選考」)を受け、これに合格し「5年一貫教育システム」参加内定者となる必要があります。この試験は

学部 3年の夏学期までの成績、本人の研究計画書、指導教員の推薦書などによる書類審査と面接試験に

よって行われます。したがって「5 年一貫教育システム」に参加したいと考える学生は、学部入学時か

ら綿密に授業の履修計画を立て、優れた成績を修めていることが必要です。詳細な成績要件などについ

ては、以下の【受験資格】を参照してください。

「5 年一貫教育システム」参加内定者は、学部 4 年次の 7 月頃に実施される「大学院経済学研究科修

士課程特別選抜入試」を必ず受験しなくてはなりません。この試験を受験・合格することにより、本研

究科修士課程への入学が正式に許可されたことになります。

【受験資格】次の 3つの条件をすべて満たすこと

(1)100番台、200番台コア科目に関する履修要件を満たし、これらの成績が GPA3.0以上。

(2)経済学部教育科目(コア科目を含む)を、3年次の夏学期までに 50単位以上履修(卒業要

件は 68単位以上)しており、成績が GPA3.0以上。ただし、専修コースのうち一般以外

のいずれかのプログラムを志望するものについては、本規定の経済学部教育科目に準ずる

ものとして他学部教育科目を含めることがある。*

(3)指導教員等からの推薦があること。

*この但し書きを適応して、他学部教育科目を受験資格に含めることを希望する学生は、事前に相談し、了承を

得て下さい。

専門職業人養成プログラム

概要

大学院経済学研究科における専門職業人養成プログラムは、統計・ファイナンスプログラムを含む 3

つのプログラムから構成されています。統計・ファイナンスプログラムは、調査機関や研究所において、

統計学・計量経済学の分析力を発揮し、金融工学の現場で新しい金融商品の開発を行うような、高度な

数量分析能力を持つ専門職業人の養成を目指しています。

選考など

専門職業人養成プログラムへの参加募集は、4月初めに行われます。参加を希望する学生は、志願理

由書(A4用紙横書き、全体で 1,600字程度を各自作成のこと)を含む必要書類を提出し、書類選考、面

接を経てプログラムへの参加が認められます。必要書類の中に指導教員の簡単な推薦状(書式自由)を

含むことが望ましいです。詳細は、入学後のガイダンスで説明しています。また秋にも追加募集を行う

場合があるので、大学内の掲示を確認するか、金融工学教育センターまで問い合わせてください。

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統計・ファイナンスプログラムのカリキュラム

本プログラムの講義体系は、前に紹介した統計学、計量経済学、計量ファイナンスの 3分野が核とな

っており、カリキュラム上、大まかに分けてこれら 3分野の授業 sequence、すなわち統計学 sequence、

計量経済学 sequence、計量ファイナンス sequence から構成されています。ただしこの分類は厳密なも

のではありません。本プログラムに参加する学生は、勉強の対象をいずれかの分野に集中させることも

できますが、3つの分野にまたがって、広い視野をもって勉強することも可能なようにも作っています。

本プログラム参加者の修了要件は、基本的に既存の修士課程の枠組みに従うものですが、いくつか追

加点があります。これら追加点を含めて主要な要件を下に記します。

1. 必修科目として、ワークショップ[2]、大学院ゼミ[6]、インディペンデント・スタディ[4](イ

ンディペンデント・スタディは 5年一貫プログラムの学生のみ履修可能です)。

*[ ]の数値は単位数を表し、合計 12 単位以上である。(本プログラムの学生は、修士 1 年から大

学院ゼミを履修することが望ましい。また 5 年一貫教育システムの修士 1 年は、大学院ゼミと

インディペンデント・スタディの両方を履修しなければならない。)

2. 講義 20単位以上。ただし

・研究科のコア科目の中から 4単位以上

・本プログラム独自の選択必修科目から 8単位以上。

1 と 2 の要件をそれぞれ満足することが、修了要件で、1 と 2 を合計すると修士課程修了のための必

要単位数、32単位になります。いくつかの履修例を下に示すので参照してください。「ワークショップ」

では、修士論文の発表を行う他、学内外の研究者の研究発表に接することができます。また「インディ

ペンデント・スタディ」では、企業へのインターンシップの報告や、修士論文とは別の高度な研究など

の発表を行っています。特に、本プログラムでは現場での経験を重視しているので、インターンシップ

は、金融工学等の現場での実体験を積む絶好の機会です。基礎科目は 300 番台の学部科目であり、5 年

一貫システムの学生は、統計・ファイナンスプログラムに所属が決まる前から履修可能です。基礎科目

と推奨科目は、300 番台科目を含んでおり、本プログラムの修了要件には含まれませんが、学生が関心

に応じて履修することができます。

sequence ごとの科目履修例

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2014年度統計・ファイナンスプログラム関連科目リスト

科目 授業科目名[副題] 対象学年・課程 担当者 単位

基礎計量経済学 学部1-2年 石原庸博 4

統計学 学部3-4年 黒住英司 4

数量経済分析 学部3-4年 桑名陽一 2

金融工学概論 学部3-4年 石村直之 2

上級計量経済学Ⅰ 大学院修士課程 山本庸平 4

中級計量経済学 大学院修士課程 山本庸平 4

ファイナンス経済論A

読替:「ファイナンス保険数理特論」 大学院修士課程 商学研究科 2

ファイナンス経済論B

読替:「投資管理論」 大学院修士課程 商学研究科 2

計量ファイナンスA 大学院修士課程 渡部敏明 2

基礎数理 大学院修士課程 中山能力 2

数理解析I 大学院修士課程 内山耕平 2

確率・統計特論[大標本理論] 大学院修士課程 本田敏雄 2

計量ファイナンス特論

[リスク管理論I,Ⅱ] 大学院修士課程

青沼君明(明治大学

グローバル・ビジネス

研究科専任教授)

2

計量ファイナンス特論

[マーケット・マイクロ

ストラクチャーⅠ,Ⅱ]

大学院修士課程 山田昌弘 2

特別講義

[金融工学とリスクマネジメント] 大学院修士課程

石村直之・

碓井茂樹(日本銀行

金融機構局)

2

金融経済論Ⅱ

[資産価格の実証分析] 大学院

祝迫得夫(千代田

キャンパス開講) 2

基礎数理統計 大学院修士課程 東京大学開講 4

基礎計量経済 大学院修士課程 東京大学開講 4

応用統計 大学院修士課程 東京大学開講 2

数理統計特論 大学院修士課程 東京大学開講 2

計量経済特論 大学院博士修士課程 東京大学開講 4

統計学演習 大学院博士修士課程 東京大学開講 4

生保数理論Ⅰ 大学院修士課程 日本大学開講 2

生保数理論Ⅱ 大学院修士課程 日本大学開講 2

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Page 11: 統計・ファイナンスプログラム · た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

科目 授業科目名[副題] 対象学年・課程 担当者 単位

生保数理特別研究Ⅰ 大学院修士課程 日本大学開講 2

生保数理特別研究Ⅱ 大学院修士課程 日本大学開講 2

生保数理実務論Ⅰ[保険数学3] 大学院修士課程 日本大学開講 2

生保数理実務論Ⅱ[保険数学4] 大学院修士課程 日本大学開講 2

投資理論と株価データ解析

[数理ファイナンス1] 大学院修士課程 日本大学開講 2

統計学入門 学部1-2年 本田敏雄・山田昌弘 2

確率・統計 学部1-2年 本田敏雄 2

情報科学総論A 学部3-4年

荒木万寿夫

(青山学院大学

経営学部教授)

2

*2単位は 90分の講義を原則 15回、4単位は 90分の講義を原則 30回

*「大学院修士課程科目」は学部 4年生も履修可能、「大学院科目」は大学院生のみ履修可能

*選択必修科目の上級統計学Ⅰ及びⅡ、推奨科目の経済統計論Bは、本年度休講のため、リストから外してあります。

*他大学で開講される単位認定科目の履修手続きに関する詳細は、経済学研究科事務室に確認して下さい。

講義科目の履修例

♦ 統計学 sequence に重点を置いた例 計 20単位

コ ア 科 目:上級計量経済学I 4単位×1科目=4単位

選択必修科目:上級統計学Ⅰ・Ⅱ、確率論I・Ⅱ、確率・統計特論、基礎数理

ファイナンス経済論 A、計量経済学特論

2単位×8科目=16単位

♦ 計量経済学 sequence に重点を置いた例 計 20単位

コ ア 科 目:上級計量経済学I、上級マクロ経済学 4単位×2科目=8単位

選択必修科目:計量経済学特論、確率・統計特論、確率論I・Ⅱ、

ファイナンス経済論 A、計量ファイナンス特論

2単位×6科目=12単位

♦ 計量ファイナンス sequence に重点を置いた例 計 20単位

コ ア 科 目:上級計量経済学I 4単位×1科目=4単位

選択必修科目:中級計量ファイナンス、ファイナンス経済論 A・B、計量ファイナンス A、

金融経済論Ⅱ、計量ファイナンス特論、基礎数理、応用数理

2単位×8科目=16単位

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統計・ファイナンスプログラムに参加し cfee所属となると

● cfee(金融工学教育センター:マーキュリータワー3402室)内に机が与えられます。

● cfee の高速演算用ワークステーションを使えます。

● cfee 内のワークステーションで、Bloomberg(データベース)を利用できます。

● cfeeの自由利用端末(ノートパソコン)を使えます。

● 金融関係資格試験テキスト、専門書、専門誌を利用できます。

修了者の進路

あいおい損害保険、アクセンチュア、国際協力銀行、国際投信投資顧問、損保ジャパン、第一生命、

大同生命、DIAM アセットマネジメント、中央三井アセット信託銀行、ニッセイアセットマネジメン

ト、日本銀行、日本生命、農林中央金庫、野村アセットマネジメント、野村證券、バークレイズ銀

行、マニュライフ生命、みずほコーポレート銀行、みずほ証券、みずほフィナンシャルグループ、

三菱東京 UFJ銀行、三菱 UFJ信託銀行、明治安田生命、その他(順不同)

成果

学会・研究会での発表

● 「大災害オプションの価格評価について」

日本応用数理学会 研究部会 連合発表会,(2008 年 3月 8日首都大学東京)

● "Nonlinear evolution equation for the risk reference in the optimal investment

Problem," Asian FA-NFA 2008 International Conference,(2008 年 7 月 7 日パシフィコ横

浜 会議センター)

● "Discrete stochastic calculus: the pricing of discrete Margrabe option,"

African Conference on Computational Mechanics First International Conference,

(1/7/2009,Sun City South Africa)

● 「離散確率解析のオプションプライシングへの応用:離散マルグレイブオプションのプ

ライシング」北陸応用数理研究会 2009(2009年 2月 14日金沢大学)

● "Education of Financial Engineering at Hitotsubashi and Japan," SMU (Singapore

Management University) School of Business,Statistics Department Seminar

(11/17/2009)

● "On a Statistical Analysis of Implied Data," Workshop on Risk Measures and

Robust Optimization in Finance,IMS(Institute for Mathematical Sciences),

NUS(National University of Singapore)(11/20/2009)

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Page 13: 統計・ファイナンスプログラム · た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

● "Mathematics Education of Financial Engineering in the University for Social

Sciences," The 5th East Asia Regional Conference on Mathematics Education

(8/20/2010,国立オリンピック記念青少年総合センター)

査読制度付き専門誌での論文発表

● 「国際株式市場における分散因果性の検定-日次データによる日米印市場の分析-」,

『証券アナリストジャーナル』第 46巻第 4号,(2008年 4月号),pp.88-97

● "An arbitrage approach to the pricing of catastrophe options involving the Cox

process," Hitotsubashi Journal of Economics,Vol.49 No.2 (2008),pp.67-74

● "Note on the optimal portfolio problem in discrete processes," Kybernetika,

Vol.45 (2009),pp.681-688

● "Traveling Wave Solutions to the Nonlinear Evolution Equation for the Risk

Preference," JSIAM (The Japan Society for Industrial and Applied Mathematics)

Letters,Vol.3 (2011),pp.25-28

● "Credit Risk with Incomplete Information," IEEE Xplore Digital Library,Business

Management and Electronic Information (BMEI),International Conference on

Vol.3,(2011),pp.312-315

● "Dynamic asset allocation with commodities and stochastic interest rates," World Review

of Business Research,Vol.2 No.4,(2012),pp.116-130

● "Note on formulas of copulas," Proceedings of 2012 3rd International Conference on

E-Business and E-Government,Vol.1,(2012),pp.393-395

● "Tail dependence of a class of bivariate copulas," Proceedings of the 5th International Conference on Computer Research and Development,(2013),pp.233-237

金融関係資格合格例

● 証券アナリスト試験 第1次レベル

・証券分析とポートフォリオ・マネジメント

・財務分析

・経済

● 社団法人 日本アクチュアリー会資格試験 第1次試験

・数学

・生保数理、損保数理、年金数理

・会計、経済、投資理論

● CFA(Chartered Financial Analyst) 米国証券アナリスト試験

・LevelⅠ

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1.統計・ファイナンスプログラムのパンフレットの URL(cfee の web サイトに掲載)

http://www.econ.hit-u.ac.jp/~finmodel/jpn/outline.html

2.求める学生

・専門分野(大学院で研究しようと考えている分野)は、金融工学、数理ファイナンス

だけでなく、確率論・統計学、計量経済学、計量ファイナンスを含めます。

・成績優秀な学生を求めます。(学部成績や入試成績を参考にします。)

3.応募要件

・統計・ファイナンスプログラムでは、修士1年から指導教員のもとでゼミに所属する

ので、応募前に統計・ファイナンスの教員にコンタクトを取り、推薦してもらう(略式

で良いので推薦書を提出してもらう)ことがきわめて望ましい です。(各教員の履

修可能年次、ゼミ選考期間については、経済学研究科履修ガイドを確認する 。)

・提出書類の中の志望理由書には、指導予定の教員名とコンタクト・推薦の状況を

記載して下さい。それに加え、推薦書も提出して下さい。

・教員とコンタクトを取るためのメールアドレスは、本学ウェブサイトの教員紹介に掲

載されています。

経済学研究科 http://www.econ.hit-u.ac.jp/~koho/jpn/introduce/professor/

経済研究所 http://www.ier.hit-u.ac.jp/Japanese/faculty/list.html

4.学習支援

cfee(金融工学教育センター、MT4 階 3402 室) 内に、個人机を持つことができます。

cfee 内にある高速演算用ワークステーション、Bloomberg(データベース)、ノートパ

ソコン、蔵書を自由に利用することができます。 それ以外にも、学生や指導教員か

らの要望を取り入れて、研究支援を積極的に行います。

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Page 15: 統計・ファイナンスプログラム · た教授陣が、統計・ファイナンスプログラムの学生を対象に高度な金融工学教育を行います。学生は、

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問合せ先

一橋大学大学院経済学研究科 金融工学教育センター(cfee)

〒186-8601 東京都国立市中2-1 tel/fax 042-580-9129

http://www.econ.hit-u.ac.jp/~finmodel

E-mail [email protected]

2014 年 6月発行

編集 金融工学教育センター