社会保障論

藤田 益伸

授業の到達目標

•社会保障の体系について説明できる。

•日本の社会保険制度を理解し、自身の生活に活用できる。

日本の社会保障の体系

授業について

•社会保障は細かい内容・紛らわしい内容が多くて最初はとまどうと思います

•まずは大枠で理解する•年金って私にも関係あるんだ～•えっ、バイトでも有給取れるの！？

•丸暗記も大切だが、自分の生活に関連づけて、イメージながら覚える•将来、役に立つことが多いでしょう

社会保障（Social Security ）

個人のリスクを国・社会が保障する

•個人的リスクである、病気・けが・出産・障害・死亡・老化・失業などの生活上の問題について貧困を予防し、貧困者を救い、生活を安定させるために、

•国家または社会が所得移転によって所得を保障し、医療や介護などの社会的サービス（Social benefits）を給付する制度

ILO（国際労働機関）の基準(p2)

1.制度の目的がリスクやニーズに対する給付を提供する

2.制度が法律によって定められ、特定の権利が付与され、あるいは公的な機関によって責任が課せられる

3.制度が法律によって定められた公的機関によって管理されている

ライフサイクルからみる(p4)

•保健・医療•一生涯必ず何らかの医療保険に加入している

•社会福祉•保育、障害、介護をカバー

•所得保障•年金は所得保障の意味合いを持つ

•労災・雇用•就業も様々な法律でカバー

•公衆衛生

ライフサイクルからみる(p4)

•労災・雇用

•ワーク・ライフ・バランス•仕事と生活の調和

•ディーセント・ワーク•働きがいのある人間らしい仕事

•背景に過労死、ワーキングプアといった問題がある

•公的扶助制度

（イギリス・エリザベス救貧法）

•社会保険制度

（ドイツ・ビスマルク）

社会保障

○初めて法律に使われたのはアメリカの社会保障法（1935）

○ベヴァリッジ報告(1942)で体系化

ベヴァリッジ報告(1942)

•正式名称は「社会保険と関連サービス」（Social Insurance and Allied Services ）

•五大悪 (FIVE GIANT'S EVILS) 1. 窮乏(want)

2. 疾病(disease)

3. 不潔(squalor)

4. 無知(ignorance)

5. 無為(idleness)

•ナショナルミニマム

福祉国家(p8)

1. 雇用の安定

2. 社会保障の充実

•完全雇用の実現のために、ケインズの有効需要創出の経済理論が大きな影響を与えた

• 1970年代の石油危機まで、西欧諸国は福祉国家の途を歩んでいった

社会保障の根拠(p9)

•世界人権宣言(1948)

•日本国憲法 第25条(生存権)•第2項に国の責務が明記•３つの学説•朝日訴訟・堀木訴訟

•第13条(幸福追求権)

社会保障の定義 (p11)•社会保障制度審議会勧告(1950)

•困窮を引き起こす事態に

•保険的方法か公の負担による方法を用いた

•経済的な保障で対応する

•国の責務として国民の生活を保障する

•日本の社会保障制度の基本的方向を示す

社会保障の目的(p13)

•生活の安定、生活の保障•個人の自助努力では対応しがたい不測の事態への備え（公助）

•基本は「自助」あるいは「互助」「共助」

•個人の尊厳の保持

•自立支援•経済的自立

•精神的自立

•身体的自立

社会保障の機能(p14)

1.社会的セーフティネット

2.リスク分散

3.所得再分配

4.家族・社会・経済の安定

１．社会的セーフティネット

人生とは、綱渡りと同じ

１．社会的セーフティネット

○不慮の事態に対する安定と安心をもたらす○トランポリンのように人を成長させる効果も

２．リスク分散•危機管理の一種。互いに相関の低い、または逆相関のリスクを組み合わせることで、全体のリスクを軽減させようとすること。

３．所得再分配•税制や社会保障などを通じて、高所得者から低所得者へ富を移転させること

•貧富の差を緩和

•階層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止

３．所得再分配

•垂直的再分配…高所得層→低所得層

•水平的再分配…同水準の所得層間

•行き過ぎた再分配は資源配分の効率性を阻害し、経済効率の低下を招くとの批判がなされ、

•近年では所得再配分の抑制を主張する新自由主義が台頭している

内閣府平成24年度 年次経済財政報告

４．家族・社会・経済の安定

•家族機能の代替

•仕事と家庭の両立

•ワーク・ライフ・バランスの推進

•経済安定機能

•スタビライザー機能=景気の自動安定化装置•好況期には増税で景気の過熱を防ぎ、

•不況期には社会保障制度で所得の低下に歯止めをかける

課題

•ActiveAcademyで指定されたURLへ、以下の内容を入力することで、出席したことを確認します。

•本日の意見・質問・感想

•締切 毎週水曜日23:59まで