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新ごみ処理施設整備基本計画 資 料 編 平 成 18 年 3月 三鷹市・調布市

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新ごみ処理施設整備基本計画

資 料 編

平 成 18 年 3 月

三鷹市・調布市

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≪ 新ごみ処理施設整備基本計画 資料編 目次 ≫

1.基本計画 P4「建設予定地」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.基本計画 P6「施設規模」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

3.基本計画 P7「計画ごみ質」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

4.基本計画 P8「処理方式」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

5.基本計画 P9「環境保全計画」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

6.基本計画 P10「熱エネルギーの利用」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・ 35

7.基本計画 P11「コミュニティ機能」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

8.基本計画 P12「事業方式」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

9.基本計画 P13「市民参加」についての資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46

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1.基本計画 P4「建設予定地」についての資料

(1)建設予定地の選定経過

新ごみ処理施設の建設予定地の選定については、新ごみ処理施設整備基本計画検討委員会(以

下、「検討委員会」という。)において選定方法や手順について検討が行われ、以下の6箇所の

検討対象地とその検討対象地から建設候補地を絞り込むための14項目の相対比較項目が答申と

して示された。

その答申を踏まえ、新ごみ処理施設整備基本計画策定推進チームを中心として平成 16 年度か

ら平成 17 年 7 月にかけて、各検討対象地の 14 項目の相対比較項目についての調査・検討及び

評価を行った。

また、この間、平成 16 年度に調査を行った結果について、中間報告書を作成するとともに、

説明会を開催し、その際に寄せられた意見等も参考とした。

その後、平成 17 年 8 月に両市で協議を行い、「ふじみ衛生組合用地及びその周辺用地が建設

候補地として最適である。」と判断した。

なお、この検討結果は、平成 17 年 8 月に「新ごみ処理施設整備基本計画の策定に係る建設候

補地選定報告書」として取りまとめ、平成 17 年 10 月に市民説明会を開催し、その報告を行っ

た。

表 検討対象地一覧

地区名 面積 道路 所有者

A地区

(大沢総合グラウンド) 約 10.4ha 16m道路に面す。 東京都

B地区

(ふじみ衛生組合用地及びその周辺用地) 約 2.6ha 30m道路に面す。

三鷹市・調布市

・一部事務組合

C地区

(調布基地跡地留保地) 約 6.0ha 16m道路に面す。 国

D地区

(野川公園) 約34.9ha 注) 30m道路に面す。 東京都

E地区

(調布市民野球場及びその周辺用地) 約 2.7ha 16m道路に面す。 調布市

F地区

(調布基地跡地運動広場(下水処理場予定地)) 約 15.1ha 22m道路に面す。 東京都

注)全面積 39.9ha 中の三鷹市、調布市に位置する面積。

1

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(2)評価方法

① 検討対象地の抽出 検討委員会の答申では、両市全域を対象とし、以下の 6つの条件から 6箇所の土地を抽出し

ている。本計画においても、検討委員会の答申を踏まえ、前述した同じ 6箇所の土地を「検討

対象地」とした。

② 建設候補地として絞り込むための相対比較項目の設定

検討対象地を建設候補地として絞り込むための相対比較項目も同様に、検討委員会の答申を

踏まえ、答申と同様の 14 項目とした。

③ 建設候補地として絞り込むための相対比較項目の評価 建設候補地として絞り込むための相対比較項目ごとに、評価指標、評価基準の考え方、評価

基準を設定し、検討対象地の相対比較を行った。評価は、可能な限り定量的に評価ができるよ

うに整理し、相対評価による 3 段階評価とした。なお、調査の前提として検討対象地を更地と

して各項目の調査を行った。

<実現の可能な検討対象地の抽出項目(6項目)>

・土地面積が2ha以上確保できること。

・大型車両が通行可能な道路からの距離が短いこと。

・現在の土地の所有者が公共であること。

・学校や研究所など現に多くの人が利用している土地は避けること。

・地域の特性を生かした特殊な利用を行っている特殊公園は避けること。

・都市の防災機能の向上に資する遊水池は避けること。

<建設候補地として絞り込むための相対比較項目(14項目)>

・土地利用の現況

・土地利用規制及び建設場所特有の立地規制との整合性

・地形・地質

・将来的な施設の改造、増築、建替え等への対応の可能性

・用地取得の実現性

・建築物形状への制約の有無

・住居密集割合

・周辺諸施設との距離

・騒音、振動、悪臭等の環境保全対策への対応可能性

・周辺他施設における車両通行状況 ・収集運搬の距離 ・関連施設との距離(粗大ごみや資源ごみ関連施設)

・他市町村との距離関係

・両市の位置関係

図 検討委員会答申による評価項目

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(3)評価結果

検討対象地 6 箇所に対する評価結果は、以下のとおりである。

6 箇所の検討対象地について建設候補地として絞り込むための 14 項目の相対比較項目をそれ

ぞれ評価(3 段階)、検討した結果、B地区(ふじみ衛生組合用地及びその周辺用地)が建設候

補地として最適であると判断した。

・評価の結果、B地区(ふじみ衛生組合用地及びその周辺用地)を建設候補地として選定した。

B地区は、◎の評価が 14 項目中 10 項目と最も多く、総合的に最高得点であった。低い評価

の項目については最も少なく 14 項目中 3 項目であった。低い評価の項目は、「将来的な施設

の改造、増築、建替え等への対応の可能性」、「住居密集割合」、「周辺諸施設との距離」であ

り、今後、これらのことを踏まえ、市民の健康と安全を守るための対策の強化を図っていく

ことが重要である。

その他の 5箇所については以下のとおりである。

・A地区(大沢総合グラウンド)は、「土地利用の現況」、「土地利用規制及び建設場所特有の立

地規制との整合性」、「用地取得の実現性」、「建築物形状への制約の有無」、「周辺諸施設との

距離」、「騒音、振動、悪臭等の環境保全対策への対応可能性」で低い評価となった。◎の評

価が 14 項目中 3項目と少なく、総合的には 5番目の結果となった。

・C地区(調布基地跡地留保地)は、「建築物形状への制約の有無」、「住居密集割合」、「周辺諸

施設との距離」、「騒音、振動、悪臭等の環境保全対策への対応可能性」、「関連施設との距離」

で低い評価となった。◎の評価が14項目中3項目と少なく総合的には4番目の結果となった。

・D地区(野川公園)は、「土地利用の現況」、「土地利用規制及び建設場所特有の立地規制との

整合性」、「用地取得の実現性」、「騒音、振動、悪臭等の環境保全対策への対応可能性」、「収

集運搬の距離」、「他市町村との距離関係」で低い評価となったが、◎の評価が 14 項目中 6項

目で、総合的には 2 番目の結果となった。

・E地区(調布市民野球場及びその周辺用地)は、「土地利用規制及び建設場所特有の立地規制

との整合性」、「将来的な施設の改造、増築、建替え等への対応の可能性」、「住居密集割合」、

「騒音、振動、悪臭等の環境保全対策への対応可能性」、「収集運搬の距離」、「関連施設との

距離」、「他市町村との距離関係」、「両市の位置関係」で低い評価となった。◎の評価が 14 項

目中2項目と少なく、総合的には得点が最も低く 6番目の結果となった。

・F地区(調布基地跡地運動広場(下水処理場予定地))は、「土地利用の現況」、「用地取得の

実現性」、「建築物形状への制約の有無」、「周辺諸施設との距離」、「収集運搬の距離」、「関連

施設との距離」、「他市町村との距離関係」で低い評価となった。◎の評価が 14 項目中 6 項目

で、総合的には 3番目の結果となった。

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表 総合評価

A 地区 B 地区 C 地区 D 地区 E 地区 F 地区検討対象地

評価項目・評価基準(考え方)・評価

大沢

総合 Gふじみ 留保地

野川

公園 野球場

下水

計画地

土地利用の

現況

土地利用者数

避難場所指定状況

多くの市民が利用する土地は避けるこ

とが好ましい。

避難場所指定の土地は避けることが好

ましい。

◎ ○ ○

土地利用規

制及び建設

場所特有の

立地規制と

の整合性

土地利用規制

用途地域上、建設が困難な土地は避け

ることが好ましい。

都市公園等の施設建設に規制がある土

地は避けることが好ましい。

◎ ○ ◎

地形・地質

地形

地質

断層・活断層

急傾斜地・くぼ地等の地形は避けるこ

とが好ましい。

軟弱な地盤や断層・活断層は避けるこ

とが好ましい。

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

将来的な施

設の改造、増

築、建替え等

への対応の

可能性

確保可能面積

広い土地を確保できる方が好ましい。

(4ha 以上あれば、改造、増築、建替

え等がいずれも可能となる。)

◎ ◎ ◎ ◎

用地取得の

実現性

国や他自治体との

協議

用地取得費

国や他自治体との調整がなく、用地取

得費の安価な土地が好ましい。 ◎ ○ ○

建築物形状

への制約の

有無

建築物形状への制

建築物形状への制約のある土地は避け

ることが好ましい。 ◎ ○ ◎

住居密集割

合 住宅の戸数 住宅数が少ない方が好ましい。 ○ ◎ ◎

周辺諸施設

との距離

施設数

施設までの距離

(直線距離)

施設数が少なく、施設までの距離が遠

い方が好ましい。 ◎ ○

騒音、振動、

悪臭等の環

境保全対策

への対応可

能性

規制基準による規

制区域

規制区域の厳しい土地は、避けること

が好ましい。 ◎ ◎

周辺他施設

における車

両通行状況

交通集中施設から

の距離(直線距離)

道路混雑度

交通集中施設から遠い方が好ましい。

また、近接する道路は混雑していない

方が好ましい。

○ ○ ○ ◎ ○ ○

収集運搬の

距離

収集運搬の距離

(総トリップ注1))収集運搬距離は短い方が好ましい。 ○ ◎ ○

関連施設と

の距離

関連施設との距離

(直線距離)

関連施設との距離は、短い方が好まし

い。 ○ ◎ ○

他市町村と

の距離関係

他市町村からの距

離(直線距離)

他市町村との距離は遠い方が好まし

い。 ○ ◎ ○

両市の位置

関係

市境からの距離

(直線距離)

両市の市境との距離は近い方が好まし

い。 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

◎ 3 10 3 6 2 6

○ 5 1 6 2 4 1 個数

無印 6 3 5 6 8 7 評価注 2)

得点注 3) 11 21 12 14 8 13

注 1)総トリップとは、各町丁界から建設候補地までの距離×運搬回数の積算を指す。

注 2)評価は、最も優れる区間を◎、次に優れる区間を○、劣る区間を無印としている。

注 3)得点は、無印:0点、○:1点、◎:2 点で算出している。

詳細は、「新ごみ処理施設整備基本計画の策定に係る建設候補地選定報告書/平成 17 年 8月策定」を参照。

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2.基本計画 P6「施設規模」についての資料

(1)算出方法

施設規模は、以下の流れで算出した。

基本的な考え方の設定

両市のごみ搬出量等の推移

(過去の実績)

処理(焼却)対象ごみの設定

(2)算出

① 処理

新ご

必要最

両市のごみ量の予測

① 人口の見通し

② 原単位(1人 1日当たりのごみ排出量)の見通し

③ ごみ量の算出(上記の①×②)

国の指針による算定式 施設規模の算出

計画処理(焼却処理)量の算出

図 施設規模の算出の流れ

結果

(焼却)対象ごみの設定

み処理施設で処理する焼却対象ごみは、「実現可能な限りごみの減量、資源化を図り、

小限に抑える」ことを基本的考え方として、以下のとおりと設定した。

燃やせるごみ

可燃性粗大ごみ

不燃ごみ・不燃性粗大ごみを破砕し、資源を選別した後の可燃分及び残さ

参考≫焼却対象としないもの(ただし、以下の資源物のうち、資源化できないものは除く。)

【資源物】 ・プラスチック類(容器包装を含む) ・古紙(新聞、雑誌、ダンボール、名刺サイズ以上の紙類(包装紙を含む)) ・布類(衣類、タオル、毛布等) ・びん類(飲食用のびん) ・缶類(飲料・食品の缶、スプレー缶等) ・ペットボトル(飲食用のペットボトル)

【有害ごみ】 ・蛍光管、乾電池、体温計 等

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② ごみ排出量等の推移

【三鷹市のごみ排出量等の推移】

人口は、増加傾向にあるが、総ごみ排出量に対する

原単位が継続的に減少していることから、総排出量も

減少している。新ごみ処理施設の処理対象の中心とな

る可燃ごみも同傾向にある。

77,20478,104

79,161

80,580

82,823

173,205172,058

170,778

169,117167,764

75,000

80,000

85,000

90,000

95,000

H12 H13 H14 H15 H16

世帯

数(世

帯)

155,000

160,000

165,000

170,000

175,000

人口

(人)

世帯数 人口

なお、平成 16 年度の総ごみ排出量に対する原単位

は、910.2g/人/日であり、「三鷹市ごみ処理総合計画

2010/平成 15 年 9 月策定」の目指す目標値(平成 22

年までに 930g/人/日を目指す)を既に達成している。

また、第 3次三鷹市基本計画(改定)では、平成 22

年度の総ごみ排出量に対する原単位の目標を 910g/

人/日としている。

図 人口・世帯数の推移(三鷹市)

年)

量(t/

排出

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

H12 H13 H14 H15 H16

(年度)

燃やせるごみ 粗大ごみ 燃やせないごみ

有害ごみ 資源物 集団回収

0.0

200.0

400.0

600.0

800.0

1,000.0

1,200.0

原単

位(g/人

/日

燃やせ

有害ご

≪ごみ排出量の推移≫

≪資源物の内訳≫

年度 H12 H13 H14 H15 H16

古紙類 3,159 3,416 3,289 3,024 3,562

古着 335 316 353 346 425

びん・缶 2,397 2,299 2,213 2,084 2,070

鉄類 23 30 26 18 10

紙パック 2 2 2 2 1

ペットボトル 12 17 26 31 86

プラスチック 0 42 163 237 810

H17.2 雑紙・ペットボトル・プラスチックの分別収集開始

H13 家電 4品の収集中止

H15.10 パソコンの収集中止

59,798 59,411 59,032 58,167 57,544

H12.9 事 業

系一般廃棄物

を完全有料化

図 ごみ量等の推移(三鷹

6

H12 H13 H14 H15 H16

(年度)

るごみ 粗大ごみ 燃やせないごみ

み 資源物 集団回収

≪原単位の推移≫

単位:t/年 備考

H17.2 から全市で分別収集開始

H13.11 からモデル収集開始

H14.11 にモデル地区拡大

H17.2 から全市で分別収集開始

976.6 962.5 947.0 923.7 910.2

市)

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【調布市のごみ排出量等の推移】

94,743

96,367

98,386

100,125

102,233

201,872

203,403

205,720

208,040

211,709

93,000

98,000

103,000

108,000

113,000

H12 H13 H14 H15 H16

世帯

数(世

帯)

195,000

200,000

205,000

210,000

215,000

人口

(人

世帯数 人口

人口は、増加傾向にあるが、総ごみ排出量に対する

原単位が継続的に減少していることから、総排出量も

減少している。新ごみ処理施設の処理対象の中心とな

る可燃ごみも同傾向にある。

特に、平成 16 年度は家庭ごみの有料化を導入した

ことから、排出量は大幅な減少となっているが、平成

17 年度では、増加傾向にある。

図 人口・世帯数の推移(調布市)

年)

t/

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

排出

量(

燃やせ

有害ご

H16.4 家庭ごみの有料化開始

H12.4 処理

手数料改正 H15.10 パソコンの収集中止

H16.2 戸別収集開始

H13.4 家電 4 品の収集中止

0.0

200.0

400.0

600.0

800.0

1,000.0

1,200.0

原単

位(g/人

/日

燃や

有害

H12 H13 H14 H15 H16

(年度)

るごみ 粗大ごみ 燃やせないごみ

み 資源物 集団回収

72,749 71,861 71,603 72,065 69,158

≪資源物の内訳≫

年度 H12 H13 H14 H15 H16

古紙類 9,276 9,517 9,269 9,348 12,688

古着 883 941 1,084 1,256 1,178

びん・缶 3,255 3,049 3,042 2,987 3,016

鉄類注) 365 285 320 386 377

紙パック 38 37 36 32 38

ペットボトル 0 512 569 624 684

プラスチック 0 0 0 576 4,048

注)鉄類は、粗大ごみの中に計上されている。

ごみ排出量の推移≫

図 ごみ量等の推移(調布

7

H12 H13 H14 H15 H16

(年度)

せるごみ 粗大ごみ 燃やせないごみ

ごみ 資源物 集団回収

987.3 967.9 953.6 946.5 895.0

単位:t/年 備考

H13.4 分別収集開始

H16.2 分別収集開始

≪原単位の推移≫

市)

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③ 各種施策導入後のごみ排出量の推移

一般的に、家庭ごみの有料化や分別区分の変更を行った場合、一時的にごみの排出量が減少

し、その後、ごみの排出量はやや増加する傾向がみられる。

平成 16 年度に三鷹市において分別区分の変更、調布市において家庭ごみの有料化を行った

ことから、その後の動向について整理した。

【三鷹市】

三鷹市では、平成 17 年 2 月に雑紙、ペットボトル、プラスチックの分別収集を開始した。

前年度の同月と比較すると、燃やせるごみ、燃やせないごみの原単位は、大幅な減少となり、

資源物の原単位が大幅な増加となった。総排出量に対する原単位は、平成 17 年度に入り、4 月

から 7 月の平均で 1 人 1 日あたり 929.4g/人/日(集団回収は、月別収集量を調査していない

ため、平成 16 年度の原単位を用いた)となった。

表 ごみ排出量(原単位)の比較(三鷹市)

単位:(g/人/日)

4 月 5 月 6 月 7 月 平均

H16 H17 H16 H17 H16 H17 H16 H17 H16 H17

燃やせるごみ 662.4 555.6 628.6 599.4 656.8 594.6 634.7 574.3 645.6 581.0

H17-H16 の差 -106.8 -29.1 -62.2 -60.4 -64.6

粗大ごみ 26.8 24.3 25.7 24.1 26.8 25.1 22.9 22.9 25.5 24.1

H17-H16 の差 -2.4 -1.6 -1.7 0.0 -1.4

燃やせないごみ 110.3 40.6 98.0 35.0 105.9 28.9 101.7 35.2 103.9 34.9

H17-H16 の差 -69.7 -63.0 -77.0 -66.5 -69.0

有害ごみ 2.9 1.5 1.3 0.9 1.0 1.2 1.1 0.9 1.6 1.1

H17-H16 の差 -1.4 -0.4 0.2 -0.2 -0.4

資源物 102.6 227.3 88.5 214.4 85.5 204.4 84.7 210.7 90.3 214.2

H17-H16 の差 124.7 125.9 118.9 126.0 123.9

集団回収注) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1) (74.1)

計 979.0 923.4 916.1 947.9 949.9 928.2 919.3 918.2 941.1 929.4

H17-H16 の差 -55.6 31.8 -21.8 -1.1 -11.7

注)集団回収は、月別収集量を調査していないため、平成 16 年度の原単位を用いた。

8

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【調布市】

調布市では、平成 16 年 4 月に家庭ごみの有料化を開始した。

前年度の同月と比較すると、5 月、6 月の総排出量に対する原単位(集団回収は、月別収集

量を調査していないため、平成 16 年度の原単位を用いた)は、大幅に増加した。平成 17 年度

の 4月から 7 月の平均で 1人 1 日あたり 922.5g/人/日となった。

燃やせるごみ、燃やせないごみ、資源物において、同様の傾向である。

表 ごみ排出量(原単位)の比較(調布市)

単位:(g/人/日)

4 月 5 月 6 月 7 月 平均

H16 H17 H16 H17 H16 H17 H16 H17 H16 H17

燃やせるごみ 487.6 494.4 485.9 522.7 509.2 520.4 497.8 502.5 495.1 510.0

H17-H16 の差 6.8 36.8 11.3 4.7 14.9

粗大ごみ 19.5 18.6 15.1 16.4 16.4 18.6 17.1 15.5 17.0 17.3

H17-H16 の差 -0.9 1.3 2.3 -1.6 0.3

燃やせないごみ 45.4 52.9 39.5 48.1 38.0 42.1 37.5 42.1 40.1 46.3

H17-H16 の差 7.5 8.6 4.2 4.7 6.2

有害ごみ 2.5 2.1 1.1 1.1 0.8 1.1 0.9 0.9 1.3 1.3

H17-H16 の差 -0.5 0.0 0.3 0.0 0.0

資源物 301.8 284.8 246.4 274.2 277.4 291.7 287.1 282.8 278.2 283.4

H17-H16 の差 -17.1 27.8 14.3 -4.3 5.2

集団回収注) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3) (64.3)

計 921.1 917.0 852.2 926.7 906.0 938.3 904.6 908.1 896.0 922.5

H17-H16 の差 -4.1 74.5 32.3 3.5 26.5

注)集団回収は、月別収集量を調査していないため、平成 16 年度の原単位を用いた。

9

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④ 両市のごみ量の予測

両市のごみ量の予測に当たっては、最新の人口予測並びに平成 16 年度のごみ量のデータを

用い、施設の稼働目標年次である平成 25 年度のごみ量を算出した。

【人口の見通し】

近年の両市の人口は、ともに増加傾向にあり、今後も増加することが予想される。

三鷹市は、第 3次三鷹市基本計画(改定)によると、平成 22 年の人口を約 175,000 人とし、

その後、ほほ横ばいで推移すると予測しているため、本調査においては、平成 25 年度の人口

を 175,000 人に設定した。

調布市は、平成 17 年 3 月に実施した調布市人口推計より、平成 25 年度の人口を 219,527 人

に設定した。

三鷹市:平成 22 年度で 175,000 人(第 3 次三鷹市基本計画(改定)より)

平成 25 年度で 175,000 人(本調査設定値)

調布市:平成 25 年度で 219,527 人(平成 17 年 3 月の調布市人口推計より)

平成 25 年度で 219,527 人(本調査設定値)

【原単位の見通し】

三鷹市の総排出量に対する原単位は、平成 16 年度に雑紙、ペットボトル、プラスチックの

分別収集を開始したことから、910 g/人/日であったが、平成 17 年度の 4月から 7 月までの平

均では、929g/人/日(集団回収は、月別収集量を調査していないため、平成 16 年度の原単位

を用いた)であった。

調布市の総排出量に対する原単位は、平成 16年度に家庭ごみの有料化を開始したことから、

896 g/人/日であったが、平成 17 年度の 4 月から 7 月までの平均では、922g/人/日(集団回

収は、月別収集量を調査していないため、平成 16 年度の原単位を用いた)であった。

両市では、今後も市民、事業者に対する啓発活動等の強化を進める予定であり、三鷹市、調

布市の平成 25 年度の原単位は、それぞれ 910 g/人/日、905 g/人/日と設定する。

三鷹市:原単位を平成 22 年度で 910(g/人/日)とする。

(第 3次三鷹市基本計画(改定)より)

平成 25 年度も同様とする。(本計画設定値)

調布市:原単位を平成 25 年度で 905(g/人/日)とする。(本計画設定値)

10

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【ごみ量の見通し】

以上のことから、将来のごみ量を以下のように設定した。

表 将来ごみ量の見直し(平成 25 年度)

平成 25 年度

人口(人) 175,000

原単位(g/人/日) 910

可燃ごみ(t) 35,820

粗大ごみ(t) 1,568

不燃ごみ(t) 2,036

有害ごみ(t) 86

資源物(t) 13,867

集団回収(t) 4,749

合計(t) 58,126

人口(人) 219,527

原単位(g/人/日) 905

可燃ごみ(t) 39,539

粗大ごみ(t) 1,240

不燃ごみ(t) 3,418

有害ごみ(t) 101

資源物(t) 23,235

集団回収(t) 4,979

調

合計(t) 72,512

11

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⑤ 計画処理(焼却処理)量等の算出

両市のごみ量の予測を踏まえ、計画処理(焼却対象)量を算出した。

本計画における処理(焼却)対象ごみは、燃やせるごみ、可燃性粗大ごみ、不燃性粗大ごみ

と不燃ごみの資源選別後の可燃分及び残さとした。

表 焼却対象ごみ量の予測(平成 25 年度)

燃やせるごみ

(t/年)

可燃性粗大及び不燃ごみ等の資源選

別後の可燃分及び残さ(t/年)

合計(年量)

(t/年)

合計(日量)

(t/日)

三鷹市 35,820 2,854 38,674 106.0

調布市 39,539 3,373 42,912 117.6

計 75,359 6,227 81,586 223.5

⑥ 施設規模の算出

施設規模の算出については、下記の算出式を用いた。

この算出式は「廃棄物処理施設整備費国庫補助金交付要綱の取扱いについて」に基づくもの

であり、規模の算出方式として用いられている。

計画年間日平均処理量

(t/日) 施設規模

(t/日) = 実稼働率

(280 日/365 日)

調整稼働率

(0.96) ÷ ÷

なお、検討委員会の答申においても、上記の算出式を用いている。

上記の算出式に、焼却対象ごみ量の予測値 223.5t/日を当てはめると、施設規模は、約 304

t/日の見込みとなる。

223.5(t/日)÷280 日/365 日÷0.96=304t/日

12

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3.基本計画 P7「計画ごみ質」についての資料

(1)算出方法

計画ごみ質は、以下の流れで算出した。

両市のごみ組成(可燃・不燃)(過去の実績)

計画ごみ質(基準ごみ)の算出

両市のごみ組成(可燃・不燃)(過去の実績)計画ごみ質(高質・低質ごみ)の算出(参考)

算定式

処理(焼却)対象ごみの組成の設定

計画処理(焼却処理)量の算出結果

図 計画ごみ質の算出の流れ

(2)算出結果

① 処理(焼却)対象ごみの組成

【燃やせるごみの組成】

燃やせるごみの組成(湿ベース)は、分別区分の変更を行った平成 17 年 2 月以降の三鷹市

環境センターと二枚橋衛生組合ごみ焼却場の調査データ(乾ベース)を用いて想定した。

なお、二枚橋衛生組合ごみ焼却場には、府中市、小金井市のごみも搬入されているが、燃や

せるごみとして収集している品目が類似していることから、ごみ組成を検討する上で、大きな

差はないと判断している。

表 燃やせるごみの組成(平成 25 年度)

組成(乾ベ

3成分

紙類 厨芥 繊維 木・草その他可燃

プラスチック

ゴム・皮 金属 ガラス土砂・陶磁器

その他不燃

ース)(%) ① 51.2 16.0 5.2 6.1 2.2 14.2 1.8 2.2 0.2 0.7 0.0 99.8

水分(%) ② 35.5 69.6 28.3 30.1 49.8 16.8 6.4 7.8 1.2 3 33.1 -

可燃分(%) ③ 58.4 27.5 66.9 65.9 25.5 74.3 76.6 0 0 0 19.9 -

灰分(%) ④ 6.1 2.9 4.8 4.0 24.7 8.9 17.0 92.2 98.8 97.0 47.0 -

⑤ 45.4 30.1 4.2 5.0 2.5 9.8 1.1 1.4 0.1 0.4 0.0 100.0

総量(t) ⑥

量(t) ⑦=⑤×⑥ 34,709 22,993 3,191 3,803 1,923 7,475 831 1,049 87 306 0 76,367

76,367

換算組成(湿ベース)(%)

将来焼却ごみ量

(資料)3成分:「ごみ処理施設整備の計画・設計要領/(社)全国都市清掃会議」

【不燃ごみ等の資源選別後の可燃分及び残さの組成】

不燃ごみ等の資源選別後の可燃分及び残さの組成(湿ベース)は、分別区分の変更を行った

平成 17 年 2 月以降のふじみ衛生組合の調査データを用いて想定した。

表 不燃ごみ等の資源選別後の可燃分及び残さの組成(平成 25 年度)

組成(湿ベ

ふじみ搬入量

換算ごみ量(t)

資源回収による減量(

紙類 厨芥 繊維 木・草その他可燃

プラスチック

ゴム・皮 金属 ガラス土砂・陶磁器

その他不燃

ース)(%) ⑧ 0.4 1.3 2.0 0.6 0.0 55.8 6.3 25.4 2.8 5.4 0.0 100.0

(t) ⑨

⑩=⑧×⑨ 27 89 137 41 0 3,832 433 1,746 192 371 0 6,868

t) ⑪ 1,649

⑫=⑩-⑪ 27 89 137 41 0 3,832 433 97 192 371 0 5,219

6,868

将来焼却ごみ量(t)

(資料)組成(湿ベース):「平成 16 年度ごみ組成分析調査業務/ふじみ衛生組合」

13

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【処理(焼却)対象ごみの組成】

燃やせるごみの組成、可燃性粗大及び不燃ごみ等の資源選別後の可燃分及び残さの組成を踏

まえ、将来、新ごみ処理施設で焼却処理するごみ組成(湿ベース)の算出を行った。

表 焼却対象ごみの組成(平成 25 年度)

不燃ごみ(t)

燃やせるごみ(t)

計(t)

紙類 厨芥 繊維 木・草その他可燃

プラスチック

ゴム・皮 金属 ガラス土砂・陶磁器

その他不燃

⑦ 34,709 22,993 3,191 3,803 1,923 7,475 831 1,049 87 306 0 76,367

⑫ 27 89 137 41 0 3,832 433 97 192 371 0 5,219

⑬=⑦+⑫ 34,736 23,082 3,328 3,844 1,923 11,307 1,264 1,146 279 677 0 81,586

将来組成(湿ベース)(%) ⑭=⑬/Σ⑬ 42.6 28.3 4.1 4.7 2.4 13.9 1.5 1.4 0.3 0.8 0.0 100.0

② 熱量の算出

紙くず、厨芥類、繊維くず、木くず、その他(可燃物)、プラスチック、ゴムくずについては、

Scheurer-Kestner の式を用いて算出した。金属類、ガラス類、びん類、土砂ガレキ・陶磁器類、

その他(不燃物)については、簡易式を用いて算出した。

その結果、基準ごみの低位発熱量は、約 9,200kJ/kg(2,200 kcal/kg)と算出した。また、

参考として、Steuer の式、Dulong の式で算出した結果を次頁に示す。

表 熱量の算出結果(平成 25 年度)

1

2

4

5

6

7

9

1011

12

水分 可燃分 灰分 C H N O S Cl

% kcal/kg kJ/kg % % % % % % % % %

プラスチック 912.0 13.9 6,581 27,548 16.8 74.3 8.9 80.1 9.6 0.2 6.4 0.0 3.7

ゴム・皮 87.9 1.5 5,672 23,743 6.4 76.6 17.0 71.0 8.0 1.9 14.9 0.5 3.7

3 紙類 781.6 42.6 1,836 7,685 35.5 58.4 6.1 45.3 6.4 0.2 48.0 0.0 0.1

木・草 114.9 4.7 2,438 10,205 30.1 65.9 4.0 49.2 6.2 1.1 43.3 0.0 0.2

繊維 96.1 4.1 2,357 9,867 28.3 66.9 4.8 46.5 6.3 2.9 43.7 0.3 0.2

厨芥 179.6 28.3 635 2,657 69.6 27.5 2.9 47.0 6.3 3.3 43.1 0.1 0.2

その他(可燃物) 20.4 2.4 864 3,615 49.8 25.5 24.7 52.1 6.6 2.8 38.0 0.1 0.4

8 びん類 0.0 0.0 0 0 1.2 0 98.8

ガラス 0.0 0.3 0 0 1.2 0 98.8

金属 0.0 1.4 0 0 7.8 0 92.2土砂・陶磁器 0.0 0.8 0 0 3 0 97.0

その他(不燃物) 0.0 0.0 706 2,954 33.1 19.9 47.0

- 100.0 2,193 9,178 41.1 50.6 8.3

設定値 2,200 9,200

元素組成三成分低位発熱量

設定ケース

1kgごみ中に占める熱

(資料)元素組成:「東京都清掃研究所年次報告書(平成 9年度)/横浜市環境事業局資料」

三成分 :「ごみ処理施設整備の計画・設計要領」

14

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表 (参考)Steuer の式による熱量の算出結果(平成 25 年度)

1

2

4

5

6

7

9

1011

12

水分 可燃分 灰分 C H N O S Cl

% kcal/kg kJ/kg % % % % % % % % %

プラスチック 922.0 13.9 6,653 27,849 16.8 74.3 8.9 80.1 9.6 0.2 6.4 0.0 3.7

ゴム・皮 90.1 1.5 5,818 24,356 6.4 76.6 17.0 71.0 8.0 1.9 14.9 0.5 3.7

3 紙類 922.1 42.6 2,166 9,066 35.5 58.4 6.1 45.3 6.4 0.2 48.0 0.0 0.1

木・草 130.7 4.7 2,774 11,614 30.1 65.9 4.0 49.2 6.2 1.1 43.3 0.0 0.2

繊維 110.3 4.1 2,703 11,314 28.3 66.9 4.8 46.5 6.3 2.9 43.7 0.3 0.2

厨芥 219.2 28.3 775 3,243 69.6 27.5 2.9 47.0 6.3 3.3 43.1 0.1 0.2

その他(可燃物) 23.1 2.4 979 4,097 49.8 25.5 24.7 52.1 6.6 2.8 38.0 0.1 0.4

8 びん類 0.0 0.0 0 0 1.2 0 98.8

ガラス 0.0 0.3 0 0 1.2 0 98.8

金属 0.0 1.4 0 0 7.8 0 92.2土砂・陶磁器 0.0 0.8 0 0 3 0 97.0

その他(不燃物) 0.0 0.0 706 2,954 33.1 19.9 47.0

- 100.0 2,417 10,119 41.1 50.6 8.3

設定値 2,400 10,000

元素組成三成分低位発熱量

設定ケース

1kgごみ中に占める熱

表 (参考)Dulong の式による熱量の算出結果(平成 25 年度)

1

2

4

5

6

7

9

1011

12

水分 可燃分 灰分 C H N O S Cl

% kcal/kg kJ/kg % % % % % % % % %

プラスチック 911.5 13.9 6,577 27,531 16.8 74.3 8.9 80.1 9.6 0.2 6.4 0.0 3.7

ゴム・皮 87.7 1.5 5,663 23,703 6.4 76.6 17.0 71.0 8.0 1.9 14.9 0.5 3.7

3 紙類 771.8 42.6 1,813 7,588 35.5 58.4 6.1 45.3 6.4 0.2 48.0 0.0 0.1

木・草 113.8 4.7 2,415 10,107 30.1 65.9 4.0 49.2 6.2 1.1 43.3 0.0 0.2

繊維 95.2 4.1 2,333 9,766 28.3 66.9 4.8 46.5 6.3 2.9 43.7 0.3 0.2

厨芥 176.8 28.3 625 2,616 69.6 27.5 2.9 47.0 6.3 3.3 43.1 0.1 0.2

その他(可燃物) 20.2 2.4 856 3,582 49.8 25.5 24.7 52.1 6.6 2.8 38.0 0.1 0.4

8 びん類 0.0 0.0 0 0 1.2 0 98.8

ガラス 0.0 0.3 0 0 1.2 0 98.8

金属 0.0 1.4 0 0 7.8 0 92.2土砂・陶磁器 0.0 0.8 0 0 3 0 97.0

その他(不燃物) 0.0 0.0 706 2,954 33.1 19.9 47.0

- 100.0 2,177 9,113 41.1 50.6 8.3

設定値 2,200 9,200

設定ケース

1kgごみ中に占める熱

元素組成三成分低位発熱量

15

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≪参考≫熱量の算出式について

○ 乾ベースから湿ベースへの換算 (例)三鷹市の可燃ごみにおいて、乾ベースの試料が 100gあ

った場合の紙類の重量は 51.2gとなる。

その際の紙の乾ベースの重量は、

(乾ベースの重量)/(三成分の可燃分+三成分の灰分)

=51.2/(0.584+0.061)=79.4g

以下、同様に他の品目の湿ベースの重量を算出し、加算する。

湿ベース紙組成は、

(湿ベースの紙の重量)/(湿ベースの総重量)

=79.4/174.7=45.4%

○ Scheurer-Kestner の式:

高位発熱量(kJ/kg) Hh=339.4*(c-3*o/4)+1435.1*h+94.3*s+104.8*3*o/4

○ Steuer の式:高位発熱量(kJ/kg) Hh=339.4*(c-3*o/8)+238.8*3*o/8+1445.6*(h-o/16)+104.8*s

○ Dulong の式:高位発熱量(kJ/kg) Hh=339.4*c+1435.1*(h-o/8)+94.3*s

c:C成分比 o:O成分比

h:H成分比 s:S成分比

低位発熱量(kJ/kg) Hu=Hh-25*(9h+W)

Hh:高位発熱量 h:湿りごみ中 水素分

W:三成分の水分

○ 簡易式:低位発熱量(kJ/kg) Hu=190B-25W

B:可燃分(%) W:三成分の水分(%)

○ 1kcal/kg=4.186kJ/kg で換算

③ 高質・低質ごみの設定

平成 16 年度、平成 17 年度(4 月~7 月)の三鷹市環境センターの低位発熱量の調査結果の

幅は、6,700kJ/kg~11,800kJ/kg(1,600~2,800kcal/kg)である。また、二枚橋衛生組合の低

位発熱量の調査結果の幅は、8,000 kJ/kg~9,600 kJ/kg(1,900~2,300kcal/kg)である。

これをもとに、本調査では、高質ごみの低位発熱量を 11,800kJ/kg(2,800 kcal/kg)、低質

ごみの低位発熱量を 6,700kJ/kg (1,600 kcal/kg)と設定した。

16

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4.基本計画 P8「処理方式」についての資料

処理方式は、学識経験者等で構成する「処理方式選定委員会(委員長:山本東京大学 環境

安全研究センター長・教授)(以下、「選定委員会」という。)」を設置し検討を進めた。

本計画では、この選定委員会からの答申を最大限尊重した。

(1)選定方法

選定委員会における処理方式の選定については、以下の流れで実施されている。本計画では、

選定委員会の答申を踏まえ、処理方式の選定を行った。

なお、選定委員会では、両市におけるエコセメント化施設の利用が前提となっていることか

ら、灰の資源化方法としてごみを焼却して発生した灰を全量エコセメント化施設に持ち込む「エ

コセメント化」と、溶融処理を行って溶融スラグを生成する「溶融スラグ化」に大別し、評価

している。

処理方式に係る基本方針を設定

検討条件を確認

資源化方法の比較検討

答申

処理方式選定に係る基本事項を整理

エコセメント、スラグの市場動向等の調査

選定委員会での検討経過

処理方式の選定

ごみ量・ごみ質の見通し

バイオガス化施設の導入の見通し

エコセメント化施設の受入条件

図 処理方式の選定の流れ

17

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(2)選定結果

① 処理方式に係る基本方針

処理方式の比較検討に先立って、以下に処理方式に係る基本方針を示す。

処理方式に係る基本方針

1.環境と安全に徹底的に配慮した施設とする。

2.最終処分量を極力削減する施設とする。

3.安定性に優れた施設とする。

4.エネルギー及び資源の有効利用に寄与する施設とする。

5.周辺と調和した施設とする。

6.経済性に優れた施設とする。

② 検討対象とする処理方式

検討対象とする処理方式は、灰を最終的に資源化する方法を踏まえ、「エコセメント化」「溶

融スラグ化」の2方式とする。

【エコセメント化】

新ごみ処理施設で焼却を行い、発生した焼却灰、飛灰を全量エコセメント化施設へ持ち込み、

エコセメントとして資源化する。

注 1)酸化鉄が主なもので

【溶融スラグ化】

新ごみ処理施設で

飛灰をエコセメント

残さ ・焼却灰 ・飛灰 処理対象ごみ ・飛灰

処理対象ごみ

注 2)方式によっては、酸

注 3)方式によっては、資

※1)「山元還元」とは、溶

資に還元して回収する

新ごみ 処理施設

あり、資源化されるかどうかは市況

溶融を行い溶融スラグと

化施設へ持ち込み、エコ

・溶融 飛灰

化鉄が主なものであり、資源化され

源化されていないものもある。

融飛灰から非鉄金属を回収する

ことである。

エコセメン

ト化施設

金属等注 1) エコセメント

による。

して資源化する。新ごみ処理

セメントとして資源化する。

:資源と

:資源と

・飛灰

るかどうかは市況による。

方法。鉛、亜鉛、カドミウム、銅等

18

山元還元※1)

なる

なる

を非

金属

設で発生した溶融

ものを示す。

残さ

新ごみ 処理施設

エコセメン

ト化施設

金属等注 2)

エコセメント

山元還元※1)

金属

スラグ注 3)

ものを示す。

鉄精錬技術で単一物

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③ 検討条件の整理

【新ごみ処理施設の基本条件の設定】 処理方式を選定するため、新ごみ処理施設の基本条件を以下のとおり設定した。

表 新ごみ処理施設の処理方式を検討する上での基本条件

項目 条件 備考

処理量(施設規模) 304t/日程度 「施設規模」を参照

燃やせるごみ 75,900t/年

燃やせないごみ等

の破砕残さ

5,700t/年(ガレキ、陶磁器、

ガラス等を含む)

基準ごみ 低位発熱量:9,200 kJ/kg

(2,200 kcal/kg)

水分 :41.1%

可燃分 :50.6%

灰分 : 8.3%

低質ごみ 低位発熱量:6,700 kJ/kg

(1,600kcal/kg)

ごみ質

高質ごみ 低位発熱量:11,800 kJ/kg

(2,800kcal/kg)

「計画ごみ質」を参照

敷地面積 2ha

バイオガス化施設に

ついて

本施設の整備段階では導入しない。

(継続的に調査、研究の実施)

【参考】「バイオガス化施

設導入の検討」を参照

エコセメント化施設

について

最終処分量ゼロを目指し、エコセメント化施設を利

用する。

なお、エコセメント化施設の受入条件は、次頁のと

おりである。

新ごみ処理施設の稼働ま

で、両市は焼却灰について

エコセメント化施設を利

用して処理することとし

ている。

熱エネルギー利用に

ついて

「環境学習機能」と「ふれあい機能」が充実したコ

ミュニティ施設の整備を想定している。

利用可能熱量は多い方が

望ましい。

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【エコセメント化施設の受入条件】

前述したとおり、両市では、新ごみ処理施設の処理方式にかかわらず、エコセメント化施設

をいずれも利用し、一体的な処理を行うことを前提としている。

東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合で建設、運営されるエコセメント化施設の受入条件に

ついては、以下のとおりである。

表 エコセメント化施設の主な受入条件

項目 内容 備考

受入灰の種類

多摩地域各市町のごみ焼却施設から排出される焼却残

さ、溶融飛灰、二ツ塚処分場に分割埋め立てされた焼

却残さ等。

具体的には、

焼却灰、飛灰、溶融飛灰。

受入灰の性状 現在搬入している「焼却残さ」と同等であること。

受入灰の荷姿

新ごみ処理施設から搬出される灰については、受入可

能な以下の荷姿を想定している。

焼却灰:湿らせた状態でトラック輸送。

飛灰:乾燥した状態で密閉した容器ごと輸送。

溶融飛灰:乾燥した状態で密閉した容器ごと輸送。

いずれの灰についても全行

程で万全の飛散防止措置を

施す。

受入灰の量 両市のコスト負担が変わるものの、制限はない。

灰を溶融する・しないに関わ

らず全量エコセメント化施

設で受け入れることが可能。

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④ エコセメント、スラグの市場動向

【エコセメントの市場動向等】

エコセメントの市場動向として、東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合によるエコセメント

の需要量の見通しを整理した。

(a)エコセメント生産量

東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合では、平成 14 年 7 月にエコセメント事業実施計画を

策定しており、その中でエコセメントの生産量は、日量 520t(年間 161,200t)を見込んで

いる。

(b)セメント販売量

平成 16 年 7 月から平成 17 年 6 月までの 1 年間のセメント販売量は、全国で 57,594 千tで

あり、関東で 17,301 千tである。

また、「エコセメント化施設導入基本計画/平成 11 年 2 月/東京都三多摩地域廃棄物広域処

分組合」によると、セメントの総販売量に占める無筋系用途セメントの販売量の割合は、全国

で 9.6%、関東で 4.0%としており、無筋系用途セメントの販売推計量は、全国で 5,529 千t

であり、関東で 2,304 千tである。

表 セメントの販売量(参考)

売推

年 月 全国(t) 関東一区注1)

関東二区注2)

輸出(t)(t) 東京都(t) (t)

H16/ 7 4,051,210 868,299 289,585 358,512 627,0808 4,558,842 1,016,514 344,863 415,628 700,3679 5,025,628 1,094,403 379,847 445,902 1,147,11910 4,769,237 1,053,463 351,598 424,984 915,66711 4,290,862 894,029 296,825 375,096 878,19212 4,975,735 1,025,235 344,023 424,129 651,797

H17/ 1 5,010,933 1,125,436 427,332 403,095 823,7042 4,201,088 931,323 331,244 347,702 843,2663 4,850,421 1,058,148 389,562 398,264 816,0114 4,918,067 1,005,544 367,783 400,532 934,8625 5,447,974 1,119,463 392,288 457,446 943,4186 5,493,773 1,169,219 410,343 488,792 906,873

57,593,770 12,361,076 4,325,293 4,940,082 10,188,356

9.6 ‐

5,529,002 ‐

年間合計

総販売量に占める無筋系用途セメントの販売量の

割合(%)注3)

無筋系用途セメントの販計量(t)

2,303,751

4.0

注 1)埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の合計販売量

注 2)茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県の合計販売量

注 3)「エコセメント化施設導入基本計画/平成 11 年 2 月/東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合」設定値

(資料)セメント協会ホームページ セメント統計

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(c)エコセメントの需要量

東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合のエコセメント化施設で生産される年間エコセメン

ト量 161 千tに対し、関東地区における無筋系用途の年間セメント販売量は 2,304 千トンと推

計される。

エコセメントの特性を活かした利用法として、無筋の二次製品(セメントボード、ブロック

等)や固化材(土壌改良材)等としての用途があることから、東京都三多摩地域廃棄物広域処

分組合のエコセメントは、十分吸収されると考えられる。

なお、エコセメント化施設の事例調査を行った結果、順調に稼働しており、生成したエコセ

メントも順調に売却できているとの回答を得ている。

(d)エコセメントの JIS 化

経済産業省は、平成 14 年 7 月 20 日付け、都市ごみを焼却した灰を主原料としたエコセメン

トの JIS(日本工業規格)を制定している。

なおエコセメントの JIS 化は、経済産業省が平成 14 年 4 月に策定した「環境JISの策定

促進のアクションプログラム」でも明示されているものであり、同アクションプログラムに基

づく環境 JIS 策定の第1弾に当たる。

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【溶融スラグの市場動向等】

エコスラグ利用普及センター/(社)日本産業機械工業会の調査結果によると、エコスラグ(=

溶融スラグ)の利用状況は、以下のとおりとなっている。

(a)エコスラグ利用状況

エコスラグを有効利用する試みは、多方面で取り組まれており、年々拡がりを見せている。

全体的には、試験的な利用段階であると評価されるが、一部には既に利用等条件付で実用化を

認定しているケース、発生全量を継続的に有効利用しているケース、有償取引されているケー

スも発生している。さらには、埋立ごみを掘り起こし、溶融炉に投入してスラグ化しようとす

る動きもある。今後の利用普及の拡大が大いに期待される。 溶融炉を導入している自治体における最近 5ヵ年のエコスラグ利用状況を、アンケート調査

及び別途入手した情報をベースに分析した。その状況を下記に示す。

表 溶融炉保有自治体のごみエコスラグ有効利用状況推移(参考)(単位:t)

年 度 1999 2000 2001 2002 2003

利用範囲注 1) 件数 利用量 件数 利用量 件数 利用量 件数 利用量 件数 利用量

全量利用 8 44,767 10 61,060 16 82,720 28 101,916 44 176,133

100 未満~70% 0 ― 0 ― 1 3,190 4 14,125 11 29,603

70 未満~50% 1 340 2 2,108 2 2,043 4 8,264 7 11,885

50 未満~30% 5 7,877 2 5,708 0 ― 3 1,447 5 20,972

30 未満~10% 3 940 2 117 2 4,387 6 3,770 7 4,499

10%未満 2 18 2 42 3 7 290 7 567

0% 8 0 20 0 19 0 33 0 34 0

詳細不明 3 ― 5 ― 9 ― 10 ― 10 ―

有効利用量(A) ― 53,942 ― 69,035 ― 92,522 129,812 265,573

未利用量計 ― 27,699 ― 47,020 ― 64,124 106,784 131,349

詳細不明分計 ― 44,817 ― 23,394 ― 19,906 27,544 28,055

合 計 (B) 30 126,458 43 139,449 52 176,582 276,505 452,498

有効利用率(%)注 2) ― 42.7 ― 49.5 ― 52.4 46.9 58.7

注 1)有効利用範囲=有効利用量/発生量

注 2)有効利用率=有効利用量(A)/合計量(B) (資料)エコスラグ利用普及センター(一部推定)

詳細不明分を全量未利用として有効利用率を示すと 1999 年度が約 43%、2003 年度は約 59%

となる。これには最終用途が不明なものもまだ含まれていることを考えると、実際の有効利用

率はこれより下回っていることも推定される。

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(b)自治体における用途別利用状況

エコスラグの有効利用方法としては、若干の特殊なものを除けば建築・土木資材分野が中心

である。全国の具体的な利用実施事例を示す。(利用実施例及び利用計画 565 事例)

注)一次資材は素材として若干の調整を含み、そのまま利用するもの。

利用件数の割合であり、利用実態(重量比)ではない。

(資料)研究会平成 12 年度報告書

図 一次資材としての用途別割合(参考)

注)二次資材とは、加工して製品にしたもの。

利用件数の割合であり、利用実態(重量比)ではない。

(資料)研究会平成 12 年度報告書

図 二次資材としての用途別割合(参考)

(c)溶融スラグの JIS 化

溶融スラグの JIS 化については、平成 14 年 7 月に「道路用溶融スラグ」「コンクリート用溶

融スラグ骨材」の標準情報(TR)が公表され、今年度中の制定が予定されている。特に道路用

溶融スラグについては、今年 4 月に JIS 原案が申請されている。JIS 化後は、グリーン購入法

での特定調達品目の指定が期待されているところである。

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⑤ 処理方式選定に係る基本事項の整理

両市における新ごみ処理施設での資源化方法を検討するための基本事項は、以下のとおり整

理された。

表 新ごみ処理施設の処理方式を検討する上での基本事項の整理

項目 内容 備考

エコセメント化

施設の利用

新ごみ処理施設の稼働までは、両市は主灰を含めた灰につ

いてはエコセメント化施設を利用して処理する。

エコセメント化施設の利用は、両市が東京都三多摩地域廃

棄物広域処分組合の構成員でもあることから、相応の責任

と役割分担を担って利用する必要がある。

資源の有効利用

と最終処分量の

削減の可能性

溶融技術を導入し焼却残さをスラグ化することで、資源と

して有効利用することや最終処分量を削減することが期待

できるが、エコセメント化することでも同様に資源の有効

利用と最終処分量の削減が期待できる。

両市のエコセメント化事業への参画は、資源としてのエコ

セメントの材料供給という視点で考えると、主灰をエコセ

メント化施設に搬入することは溶融飛灰のみを搬入するこ

とよりも望ましい。

段階整備への対

灰の処理をエコセメント化とした場合、エコセメント化事

業の推移を見ながら、必要に応じ灰の処理を再検討するこ

とが選択できる。

エコセメント化事業期間が終了しても新ごみ処理施設の稼

働が続く場合には、灰の処理について別途検討が必要とな

る。

運営期間(予定)は以下

のとおり。

エコセメント:

平成 18-37 年度

新ごみ処理施設:

平成 25-44 年度

生成物の利用可

能性

エコセメント、溶融スラグともに将来の動向を見極める必

要があるが、現状において、溶融スラグを選択する場合は、

市場動向についてより注意が必要である。

また、エコセメントについては、東京都三多摩地域廃棄物

広域処分組合が行うエコセメント化事業の事業者が需要等

について責任を持つが、溶融スラグについては、両市が責

任を持つ。

エコセメント化施設は

公設民営方式(DBO)

情報の更新

素案報告書作成時(平成 13 年 3 月)と差異が想定されるコ

ストデータ等については、できるだけ最新のもので、実態

に則したデータにより検討を行う。

処理方式ごとの稼働施

設に関するコスト調査

を実施。

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⑥ 資源化方法の比較検討

「新ごみ処理施設整備に係る基本方針」に対応する 6 項目に基づき、「エコセメント化」と

「溶融スラグ化」の比較検討を行った。

【環境性・安全性】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・新ごみ処理施設の整備に当たっては、「環境と安全に徹底的に配慮した施設とする。」こと

を基本方針の最重要項目として掲げており、この基本方針に基づき施設を整備することに

より、「エコセメント化」を最大限利用する従来型のごみ焼却方式と灰を溶融する「溶融

スラグ化」のいずれの方式においても、環境と安全に徹底的に配慮した施設とすることが

可能である。したがって、環境性及び安全性については、「エコセメント化」と「溶融ス

ラグ化」に差異はない。

・環境性については、新ごみ処理施設の排ガス、排水等に含まれる有害物質は、適正に処理

され、排出量を最小にすることが可能である。また、灰等として排出される場合もエコセ

メント化施設で適正処理される。また、最近の類似施設の事例によると、排ガスの基準に

ついて法規制値よりさらに厳しい自主基準を設定し、これらが確実に守られている。

・安全性については、国内では、焼却施設による事故で施設外部に被害を及ぼした事例はな

い。なお、平成 12 年 4 月から平成 15 年 9 月までの 3年半で、1,576 箇所のごみ焼却施設

のうち、73 件の火災等の事故が起こっており、その 6 割が、引火性のある危険物がごみ

ピットや炉内に投入されたことが原因である(環境省調査)。これらは収集ごみに危険物

が混入したために起こったものであり、ごみの受入条件強化などの対策を施すことによ

り、事故を少なくすることができる。

・燃焼による高温での運転を行うため、焼却処理、溶融処理を行う施設では、幾重もの安全

対策が施されている。その上で、事故を未然に防ぐための作業手順の見直しやセンサーの

設置による制御機能の強化など、経験工学に基づいた対策を実施することにより、より安

全性の高い施設とすることができる。

・現在まで、これまでの事故の対策を通じ、経験工学的に自治体やプラントメーカは安全対

策をとってきている。また、近年は、市民等の第三者による施設監視など情報公開も行わ

れており、総合的に施設の安全性を確保することが可能であると考えられる。

(参考)

いずれの方式においても安全性については問題ないが、従来型のごみ焼却処理方式はその

歴史が長く、経験工学的にはより安心感がある。

環境性

・安全性

◎ ◎

注)◎:特に良い、○:よい

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【最終処分量の削減】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・処理対象ごみは、最終的に溶融スラグあるいはエコセメントとして資源化されるため、

最終処分量の削減に大きく寄与する。したがって、「エコセメント化」と「溶融スラグ

化」の比較において、差異がないと考えられる。

・生成物が有効利用されない場合には、最終処分される可能性もある。

・新ごみ処理施設から排出される金属等は、溶融方式により資源化されるものもあるが、

最終処分量の削減には軽微である。

最終処分量の

削減

◎ ◎ 注)◎:特に良い、○:よい

【安定性】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・「エコセメント化」、「溶融スラグ化」ともにエコセメント化施設を使用することから、

エコセメント化施設に関する安定性の評価は同等とする。

・ストーカ炉は、稼働している実機

も多く、実績は十分にある。

・灰の溶融技術(ガス化溶融炉を含む)は、近年

稼動実績が増えているが、比較的新しい技術で

あり、ストーカ炉と比較すると実績は少ない。

・資源として生成する溶融スラグは、有効利用先

が確保できない場合、両市の責任で溶融スラグ

をストックしておく必要がある。 ・エコセメント化施設は、平成 18 年度より稼働を開始する予定であるが、両市が整備を

予定している新ごみ処理施設の稼働は、平成 25 年度となっている。エコセメント化施

設は稼働年数を 20 年としており、平成 37 年度までの稼働を計画している。エコセメ

ント化事業が延長されない場合、新ごみ処理施設の稼働年数を 20 年と想定すると、平

成 38 年度から平成 44 年度までの 7 年間、エコセメント化施設を利用しない灰等の処

理を検討する必要がある。

安定性

◎ ○ 注)◎:特に良い、○:よい

【省エネルギー・省資源性】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・処理方式にかかわらず、新ごみ処理施設では、積極的に焼却廃熱を電力やコミュニテ

ィ施設等で有効利用する計画であり、省エネルギー性を発揮する施設となることから、

「エコセメント化」と「溶融スラグ化」の比較において、差異はないと考えられる。

・ごみ中に含まれる金属は、形態は異なるものの、いずれの場合においても、回収され

有効利用されている。また、灰に含まれている微量の重金属についても、最終的にエ

コセメント化施設で回収されることとなり、省資源性に十分寄与するものである。

省 エ ネ ル ギ

ー・省資源性

◎ ◎ 注)◎:特に良い、○:よい

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【周辺との調和】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・処理方式にかかわらず、新ごみ処理施設では、建築物形状や意匠への工夫や緑化が施

される等、周辺地域と調和した施設を設計することが可能であり、処理方式による有

意な差はない。 地域との調和

◎ ◎ 注)◎:特に良い、○:よい

【経済性】

ケース エコセメント化 溶融スラグ化

・建設費・運営費については、施設規模が概ね新ごみ処理施設と同規模の施設を抽出し、

建設・運営コストに対するヒアリングを行った。また、灰処理費については、東京都三

多摩地域廃棄物広域処分組合の資料等に基づき、両市で試算を行い算出した。その結果、

大きな差異はないが、エコセメント化が安価となった。

・薬品・電力・燃料価格等が変動すること、また、エコセメント化施設においては、構

成団体の灰の搬入量により負担金が変動することから、今後の状況に留意が必要であ

る。

建設費 :15,088 百万円 (100)

運営費 :10,538 百万円 ( 70)

灰処理費: 7,570 百万円 ( 50)

計 :33,196 百万円 (220)

建設費 :15,635 百万円~17,203 百万円

(104~114)

運営費 :14,392 百万円~14,778 百万円

( 95~98 )

灰処理費: 3,380 百万円~ 3,910 百万円

( 22~26 )

計 :34,323 百万円~34,975 百万円

(227~231)

経済性

◎ ○ 注)平成 25 年度~平成 44 年度(20 年間)の総コストを算出している。

表中の( )の数値は、主灰を溶融せず、飛灰と合わせて灰を全量エコセメント化施設に持ち込んだ場合の処理方式

の建設費を 100 として比較を行ったものである。

◎:特に良い、○:よい

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⑦ 選定委員会の答申

【答申】 三鷹市、調布市に適した新ごみ処理施設の処理方式は、ストーカ炉による焼却方式とし、発生

する灰については、エコセメント化施設において資源化するべきである。

評価に先立ち、エコセメント化施設での灰の受入について東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合に対して聞き取り調査し

た結果、溶融を行わずに焼却で発生した灰を全量エコセメント化施設に搬入しても問題がないことが確認できた。

その上で、処理方式について、ごみを焼却して発生した灰を全量エコセメント化施設に搬入する「エコセメント化」と、

溶融処理を行って溶融スラグを生成する「溶融スラグ化」に大別して評価を行った結果、両市においては、「エコセメント化」

が同等あるいは優れると判断した。したがって、両市に適した新ごみ処理施設の処理方式は、ストーカ炉による焼却方式と

し、発生する灰については、エコセメント化施設において資源化することとした。

主な内容は以下のとおりである。

【処理技術の評価】

技術的には、「エコセメント化」「溶融スラグ化」とも、「環境と安全に徹底的に配慮した施設」「最終処分量を極力削減

する施設」「安定性に優れた施設」「エネルギー及び資源の有効利用に寄与する施設」「周辺と調和した施設」「経済性に優

れた施設」を目指した6項目の基本方針を達成することが可能であり、双方の技術とも採用可能である。

特に、環境性の評価では、最近の類似施設の事例より、排ガスの基準について法規制値よりさらに厳しい自主基準を設

定し、これらが確実に守られていること、安全性の評価では、事故を未然に防ぐための作業手順の見直しやセンサーの設

置など経験工学を用いた事故対策が十分に措置されていることから、「エコセメント化」「溶融スラグ化」とも問題はない。

一方、安定性の評価では、ストーカ炉の稼働実績は溶融炉の実績に比べて多く、「エコセメント化」は、「溶融スラグ化」

に対し、優位であった。

さらに、経済性の評価では、建設費を含めた事業コストにおいて、「エコセメント化」は、「溶融スラグ化」に対し、同

等あるいは優位であった。

【エコセメント化事業への参画】

両市は、エコセメント化事業を推進する東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合の構成員でもあることから、エコセメン

ト化施設については相応の責任と役割を担う必要がある。

さらに、両市のエコセメント化事業への参画は、最終処分量を削減すると同時に、資源としてのエコセメントを生成す

ることでもある。エコセメントの材料の供給という視点で考えると、主灰をエコセメント化施設に搬入することは、溶融

飛灰のみを搬入することよりも望ましい。

【エコセメントと溶融スラグの需要】

エコセメント、溶融スラグともに、製品需要は将来の動向を見極める必要があるが、現状において、溶融スラグを選択

する場合は、市場動向等についてより注意が必要である。

また、エコセメントについては、東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合が行うエコセメント化事業の事業者が、需要等

について責任を持つが、溶融スラグについては、両市が責任を持つ点で異なる。

【将来の灰の処理方式の柔軟性】

現時点においては、エコセメント、溶融スラグともに、今後の需要動向を適確に把握することは困難である。ただし、必

要に応じて灰の処理方式について容易に転換できる「エコセメント化」は、将来の灰の処理に対して柔軟性を持っていると考

えられる。

最後に、今後の新ごみ処理施設整備にあたっては、以下の点についても引き続き検討されたい。

(1)エコセメント化施設に灰を搬入するにあたっては相応のコストを要することから、ごみの減量を進め、処理に係る経費等

を削減していくことが重要である。したがって、市民に対しごみの減量について啓発していくこと。

(2)新ごみ処理施設の稼動に伴って発生する熱エネルギーは、最新の技術動向を調査した上で、積極的な有効利用を進め、市

民への還元に努めること。

(3)将来、灰の処理方式を再検討する際には、東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合を構成する市町と連携しながら進めるこ

と。その際に溶融スラグ化を選択する場合は、再度スラグの市場動向を調査すること。

以上

29

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【参考】バイオガス化施設導入の検討

新ごみ処理施設の基本的事項について検討委員会で検討を進め、答申を頂いたが、その中の処理方式

の検討において、「処理方式検討の際には、生ごみ処理の一つであるバイオガス化施設の調査を進め、新

ごみ処理施設整備基本計画策定の段階で実現可能か再度検討したうえで、処理方式の選択を行うこと。」

が提示されている。

この答申を踏まえ、バイオガス化施設の導入について検討を行った結果、家庭系生ごみの受入につい

ては、主に以下の点が課題として挙げられ、現時点では、新ごみ処理施設整備段階での導入は、困難で

あると判断した。

・不純物混入による機器の故障が多く、安定性確保が困難である。

・収集運搬コストが増加する。

・ごみ量・ごみ質の変動によるシステムの稼働率確保が困難である。

また、事業系生ごみの受入については、主に以下の点が課題として挙げられ、現時点では、新ごみ処

理施設整備段階での導入は、困難であると判断した。

・収集可能量が少量のため、採算性が合わない。

・収集可能量が少量のため、エネルギー効率が悪い。

しかし、一方で循環型社会の形成を目指していく上では、生ごみ対策は重要な課題となるものであり、

今後も継続的に調査・研究を進めていく必要がある。主な今後の検討課題としては、以下の 2 点が挙げ

られる。

・バイオガス化施設の事業可能性を判断するための経済指標は、「生ごみをバイオガス化施設でどの

程度処理した場合に費用負担が小さくなるか」という点になる。「福岡県中部地域の食品関連産

業等新規立地に係る環境調査業務報告書」(平成 16 年、九州経済産業局)においては、生ごみを

バイオガス化施設で 20t/日以上処理することで経済性が確保できることが試算されており、一定

程度以上の規模が必要であると思われる。検討課題としては、家庭系生ごみの分別収集や周辺市

との共同処理等が挙げられる。

・全国に稼働実績は少ないが、バイオガス化施設のシステムは、不純物の分別、ガス発生・回収技

術を含め、確立していると判断する。

一方で、技術が確立していても、バイオガス化施設を確実に、効率よく稼働させるためには、施

設に搬入するごみ量・ごみ質の安定供給と生成するバイオガスの供給先の確保が課題となる。

30

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5.基本計画 P9「環境保全計画」についての資料

(1)騒音・振動・悪臭の規制基準

① 騒音の規制基準

新ごみ処理施設の建設予定地は、騒音規制法の規定に基づく特定地域の規制基準による区域

区分の第三種区域に規定されている。

表 騒音についての規制基準

午前 8時から

午後 8時まで

午前 6時から

午前 8時まで

午後 8時から

午後 11 時まで

午後 11 時から

翌日の午前 6時

まで

本計画設定値 60 dB(A)以下 55 dB(A)以下 50 dB(A)以下

国の基準等

(第三種区域) 60 dB(A)以下 55 dB(A)以下 50 dB(A)以下

(注)音の大きさは dB(デシベル)という単位で表し、機械計測を行うが、 dB(A)とは、人の耳と同じになるよう周波数補正を行ったものである。

騒音の目安 騒音レベル

dB

身近にある

騒音環境

昼間の

住宅環境 騒音感覚

110

自動車の警笛

(1m前)

プレス機の音

100

電車が通る時の

ガード下

ピアノの音

聴力機能障害

90

電車の中

ボウリング場

80

幹線道路の

交差点・

バス程度

極めてうるさい

70

街頭

タクシー程度

60

デパートの中

普通の会話

うるさい

50

静かな事務所

40

静かな公園

日常生活で望ま

しい範囲

30

郊外深夜

20

ささやき

静か

(資料)社団法人リビングアメニティ協会

市内住宅

郊外住宅街

ビル街

自動車通り

電車通り

31

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② 振動の規制基準

新ごみ処理施設の建設予定地は、振動規制法の規定に基づく特定工場等の規制基準による区

域区分の第二種区域に規定されている。

表 振動についての規制基準

午前 8時から

午後 8時まで

午後 8時から

翌日の午前 8時まで

本計画設定値 65dB 以下 60dB 以下

国の基準等

(第二種区域) 65dB 以下 60dB 以下

振動レベル (生物的影響等) (睡眠影響) (住民反応)

90dB

80dB

70dB

60dB

50dB

常時振動

40dB

○睡眠震度1の場合 はすべて覚醒する

○やや感じるとい う訴え率が50% となる

○住居内の振動の 認知限界

○睡眠影響はほと んどない

 ※睡眠深度とは睡眠の深さを表す指標で大きくは以下のように区分されている。

深度W(目覚め)

深度1(浅睡眠)

深度2(中程度睡眠)

深度3(深睡眠)

深度REM(レム睡眠)

弱震(

Ⅲ)

軽震(

Ⅱ)

無感(0)

出典:「振動による影響と振動レベルの関係」(環境庁)

○睡眠震度1の場 合は過半数が 覚醒する

○睡眠震度1、2と もすべて覚醒す る

○振動を感じ始め る(聞値)

気象庁震度階

○人体に有意な生 理的影響が生じ 始める

○よく感じるとい う訴え率が50% になる

○よく感じるとい う訴え率が30% になる

○軽度の物的被害 に対する被害感 が感じられる

微震(

Ⅰ)

○睡眠震度1、2と も覚醒する場合 が多い

○産業職場におけ る快感減退境界 (8時間暴露)

(出典:公害用語辞典、日刊工業新聞社)(資料)公害用語辞典、日刊工業新聞社

振動の目安

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③ 悪臭の規制基準

新ごみ処理施設の建設予定地は、悪臭防止法の規定に基づく悪臭の規制基準による区域区分

の第二種区域に規定されている。

表 悪臭についての規制基準

臭気指数

本計画設定値 12 以下

国の基準等(第二種区域) 12 以下

(注)臭気指数とは、人間の嗅覚によって臭いの程度を判定する嗅覚測定法で、臭いの限界値を測

った数値を指数化したものである。近年では、臭気濃度に代わって用いられている。

臭気強度とは、嗅覚で感じられる臭いのレベルをその強度で表示する方法であり、臭気強度

と臭気指数の関係は、以下のとおりである。

臭気強度(6段階臭気強度表示法)

臭気強度 内 容

0 無 臭

1 やっと感知できるにおい

2 何のにおいであるかわかる弱いにおい

3 らくに感知できるにおい

4 強いにおい

5 強烈なにおい

臭気強度と臭気指数の関係

臭気強度 臭気指数の範囲

2.5 10~15

3.0 12~18

3.5 14~21

(資料)千葉県環境研究センターホームページ

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(2)調布市自然環境の保全等に関する条例第 21 条の規定による緑化基準

調布市自然環境の保全等に関する条例第 21 条の規定による緑化基準(抜粋)

・公共施設の緑化基準

《学校、庁舎その他施設》

建物、建築物、通路、運動場その他所定の使用目的をもつ施設部分を除いた空地の 50 パ

ーセント以上を緑化の対象とする。

・民間における緑化基準

《民間事業施設》

新設する民間事業施設については、敷地面積の 30 パーセント以上を緑化の対象地とし、

内周は可能な限り生け垣とする。

(3)安全衛生

施設の運転にあたっては、良好な作業環境や安全を確保しながら、機器の故障などにスムー

ズに対処し、安定した処理を続けることが基本となる。 新ごみ処理施設の安全衛生管理・作業環境管理を保持するため、以下の点に留意する。

・安全衛生管理体制に基づき、職場における労働者の安全と健康を保持するとともに、快適

な作業環境の形成を促進する。

・特に「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」(基発第 401

号の 2、平成 13 年 4 月 25 日)に基づき、運転、点検等の作業の際における作業者のダイ

オキシン類のばく露防止措置を行う。

・定期的に、作業環境に関する調査・計測を行う。

・施設の標準的な安全作業の手順(安全作業マニュアル)を定め、その励行に努め、作業行

動の安全を図る。

・安全作業マニュアルは、施設の作業状況に応じて随時改善し、その周知徹底を図る。

・施設を効率よく、安全に運転するために、技術者の育成を行う。

(4)省エネルギー

新ごみ処理施設は、環境への負荷の低減を図るため、できる限り効率のよい機器を使い、エ

ネルギー消費量を抑えることを基本とする。

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6.基本計画 P10「熱エネルギーの利用」についての資料

【熱エネルギー利用可能量】

新ごみ処理施設の熱エネルギー利用可能量を算出する。

新ごみ処理施設の日平均処理量及び低位発熱量は、「施設規模」より、以下のとおりであり、

ボイラー熱回収量を 70%と想定すると 60GJ/h(14Gcal/h)程度の熱回収が予想される。

そのうち、新ごみ処理施設の稼働に伴う場内の熱消費量を熱回収量の 30%と想定すると、

18GJ/h(4Gcal/h)程度の使用が見込まれる。

従って、残りの 42GJ/h(10Gcal/h)程度が施設外で利用可能となる。

なお、42GJ/h(10Gcal/h)の熱量があれば、温水プールや温浴施設等の熱エネルギー利用施

設を検討する上では問題ないと考えられる。

表 熱エネルギー利用可能量の算出

番号 項目 設定値 備考

① 日平均処理量 223.5t/日

② 低位発熱量 9,200kJ/kg

③ 熱回収量 60GJ/hボイラー熱回収量 70%

③=①×②/24h×70%

④ 場内熱消費量 18GJ/h 熱回収量の 30%

⑤ 場外熱利用可能量 42GJ/h ⑤=③-④

※)GJ(ギガジュール)=1,000,000,000J

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参考として、「ごみ処理施設整備の計画・設計要領」による場外余熱利用設備の必要熱量を以

下に示す。 なお、42GJ/h(10Gcal/h)の熱量は、約 8,200 世帯分のエネルギー消費量に相当するものであ

る。

表 場外余熱利用設備の必要熱量

設備名称 設備概要(例) 必要熱量

(GJ/h)備考

福祉センター

給湯

収容人員 60 名

1 日(8時間)

給湯量 16m3/8h

0.46 5-60℃加熱

福祉センター

冷暖房

収容人員 60 名

延床面積 2,400m2 1.60 冷房の場合は暖房時必要熱量×1.2 倍

地域集中給湯 対象世帯 100 世帯

給湯量 300ℓ/世帯・日0.08 5-60℃加熱

地域集中暖房 集合住宅 100 世帯

個別住宅 100 世帯

4.20

8.40冷房の場合は暖房時必要熱量×1.2 倍

温水プール 25m一般用

子供用併設 2.10

温水プール用

シャワー設備

1 日(8時間)

給湯量 30m3/8h 0.86 5-60℃加熱

温水プール

管理等冷暖房 延床面積 350m2 0.23 冷房の場合は暖房時必要熱量×1.2 倍

動植物用温室 延床面積 800m2 0.67

熱帯動植物用温

室 延床面積 1,000m2 1.90

18.00 多重効用缶 海水淡水化設備 造水能力 1,000m3/日

26.00 2 重効用缶方式

施設園芸 面積 10,000m2 6.30~

15.00

アイススケート

場 リンク面積 1,200m2 6.50

空調用含む

滑走人員 500 名

(資料)ごみ処理施設整備の計画・設計要領

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7.基本計画 P11「コミュニティ機能」についての資料

【東京都 23 区の事例(平成 17 年 8 月現在)】

東京都 23 区における熱エネルギーの利用状況を以下に示す。東京都 23 区では、全ての施設

で発電を行っている。熱エネルギー利用施設としては、温水プールや福祉施設を整備している

例が多い。

表 東京 23 区 可燃ごみ処理施設 熱エネルギー利用状況

熱エネルギー利用 清掃

工場名 竣工 処理方式

規模

t/日×炉 発電出力 kW 給熱

杉並 昭和 57 年

12 月 ストーカ 300×3 6,000 高温水

高井戸市民センター(地域区民センター・高齢者活

動支援センター・温水プール)

光が丘 昭和 58 年

9 月 ストーカ 150×2 4,000

高温水

低温水

旭町南地区区民館

光が丘体育館/光が丘団地

大田第

平成 2年

3 月 ストーカ 200×3 12,000 ― ―

目黒 平成 3年

3 月 ストーカ 300×2 11,000 高温水

田道ふれあい館・目黒区民センター(プール・中小

企業センター)・田道小学校

練馬 平成 4年

9 月 ストーカ 300×2 1,500 高温水 三原台温水プール・三原台児童館・三原台敬老館

有明 平成 7年

12 月 ストーカ 200×2 5,600

高温水

蒸気

有明スポーツセンター

給熱(地域冷暖房)

千歳 平成 8年

3 月 ストーカ 600×1 12,000 高温水 千歳温水プール

江戸川 平成 9年

1 月 ストーカ 300×2 12,300 温水 くつろぎの家(浴室・集会室等)

墨田 平成 10 年

1 月 ストーカ 600×1 13,000 高温水

すみだ健康ハウス

すみだスポーツ健康センター

北 平成 10 年

3 月 ストーカ 600×1 11,500 高温水

元気ぷらざ(プール・集会施設・志茂老人いこいの

家)

新江東 平成 10 年

9 月 ストーカ 600×3 50,000

高温水

蒸気

夢の島総合体育館・夢の島いこいの家・夢の島熱帯

植物館・辰巳国際水泳場

港 平成 11 年

1 月 ストーカ 300×3 22,000 ― ―

豊島 平成 11 年

6 月 流動床炉 200×2 7,800 高温水

健康プラザとしま(スポーツ施設・コミュニティ-施

設等)

中央 平成 13 年

7 月 ストーカ 300×2 15,000 蒸気 ほっとプラザはるみ(温浴施設・集会施設等)

渋谷 平成 13 年

7 月 流動床炉 200×1 4,200 ― ―

板橋 平成 14 年

11 月

ストーカ+

灰溶融炉

300×2

(90×2) 13,200 高温水

区立高島平温水プール、区立熱帯環境植物館、区立

障害者福祉センター、都立板橋養護学校

多摩川 平成 15 年

6 月

ストーカ+

灰溶融炉

150×2

(30×1) 6,400 高温水 矢口区民センター(温水プール、敬老福祉施設)

足立 平成 17 年

3 月

ストーカ+

灰溶融炉

350×2

(65×1) 16,200 高温水

区立スイムスポーツセンターうきうき館、区立老人

会館、区立東伊興生活館、足立西清掃事務所

大井 平成 18 年

3 月(予定)

ストーカ+

灰溶融炉

300×2

(90×2)

平成 14 年度から平成 17 年度プラント更新工事

灰溶融炉設置

葛飾 平成 18 年度

(予定)

焼却炉+

灰溶融炉

250×2

(55×2)

平成 15 年度から平成 18 年度プラント更新工事

灰溶融炉設置

世田谷 平成 19 年度

(予定)

ガス化溶融炉

+灰溶融炉

150×2

(60×2)

平成 16 年度から平成 19 年度建替え工事

灰溶融炉設置

注)規模欄の( )は、灰溶融炉の規模を示す。

給熱欄の高温水(135℃)・低温水(45℃)は給熱媒体として循環使用している。

杉並工場の 1炉は予備炉である。

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【熱エネルギー利用の一例】

① 熱エネルギー利用施設

熱エネルギー利用施設の一例を以下に示す。

東京都新江東清掃工場

施設規模:1800t/日(600t/日×3炉)

発電施設 出力;max50,000kW

竣工:平成 10 年 9 月

東京都辰巳国際水泳場 東京都夢の島熱帯植物館

多摩清掃工場 施設規模:400t/日(200t/日×2 炉)

発電施設 出力;max8,000kW

竣工:平成 14 年 3 月

アクアブルー多摩

東京都江戸川清掃工場

施設規模:600t/日(300t/日×2 炉)

発電施設 出力;max12,300kW

竣工:平成 9 年 1月

くつろぎの家

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② 電力利用

国内の熱エネルギー利用の形態として、熱エネルギーを利用して発電を行うケースが多く見

受けられる。

発電した電気は、ごみ処理施設そのものに利用するとともに、余剰分は、電力会社に売電す

る場合が多い。

③ 健康増進プログラムの作成

熱エネルギー利用施設の利用促進につながるように、健康増進プログラムを作成している事

例もある。

筑西遊湯館/筑西広域市町村圏事務組合の提供

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8.基本計画 P12「事業方式」についての資料

① PFI/PPP 推進協議会での調査結果

PFI/PPP 推進協議会での調査結果を以下に示す。

・新ごみ処理施設の事業費には、建設費と運営費があるが、PFI の導入によりコストの大幅な

削減が期待できる運営費が大きな比重を占める。

・民間事業者との適正なリスク分担により、確実な効果(VFM)を期待することができる。

・PFI 方式を導入した他の廃棄物処理施設においても VFM を確保できている。 <箱モノ事業※2)PFI の VFM イメージ> <本事業 PFI の VFM イメージ>

リスク分担見直

し(最適化)によ

るコスト減 (“官>民”とな

る部分のみを民

間にリスク移転)

新規競争導入に

るコスト減等よ

リスク対応

コスト

VFM VFM

運営

コスト

設計・建設

コスト

設計・建設

コスト

運営

コスト 運営

コスト

設計・建設

コスト

設計・建設

コスト

リスク対応

コスト

運営

コスト

PSC PFI-LCC PSC※3) PFI-LCC※4)

図 本事業 PFI における VFM のイメージ

表 主な廃棄物中間処理 PFI における VFM の実績

事業名称 名古屋市鳴海清掃工場 益田地区広域クリーンセンター

事業方式 BTO(割賦) BOT

処理規模 約 530 t/日 約 60 t/日

VFM

市が直接実施する場合(a) 34,448 百万円

PFI 事業として実施する場合(b) 23,460 百万円

財政負担削減額(a-b) 10,988 百万円

財政負担削減率(VFM) 31.9%

広域組合が直接実施する場合(a) 7,950 百万円

PFI 事業として実施する場合(b) 5,148 百万円

財政負担削減額(a-b) 2,802 百万円

財政負担削減率(VFM) 35.2%

※2)箱モノ事業とは、施設の設計・建設コストが、運営を含めた総事業費の大部分を占める事業を指す。

※3)PSC(Public Sector Comparator)とは、公共が、事業を従来どおりの公共公営事業として実施した場合の公的財政

負担見込額の現在価値をいう。PFI 事業方式による LCC(後段参照)との比較として使われる。建設コストの他に、

想定される契約期間を通じて発生する維持管理、運営に要する経費及び解体撤去費、ならびに民間事業者に移転し

たリスクを定量化したもの等を含んだ総費用である。

※4)LCC(Life Cycle Cost)とは、建物生涯費用であり、建物の企画・設計から施工、監理、維持管理、修繕、解体・

撤去までの建物の生涯にかかる総費用である。PFI 事業における LCC とは、民間事業者が事業を行った際の事業期

間全体を通じた公的財政負担の見込額の現在価値のことで、PSC(前段参照)という従来型公共事業の場合に係る総

費用との比較で使われる。

40

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下図は一般的な VFM の構成イメージを示したものである。厳密には、いわゆる積上げコスト

とリスク対応コストとを明確に区別することは困難であるが、ここでは便宜的に示している。

リスク対応 コスト②

積上げコスト

設計 建設 運営

リスク対応

コスト①

公設

VFM

PFI の場合でも公共が負担するコスト

民間がコントロールした方が効率的となる業務やリスクのみを民間へ移転することによりコスト削減が見込

≪主に積上げコスト削減からの VFM の

・PFI のコスト評価は、建設費の大

れる。そのため、「高品質の材料

材料を適度に交換しながら使用

も経済的な方法が選択されるこ

・PFI では、民間事業者が施設の設

や維持管理方策を踏まえた効率

業に最適な人員配置計画が可能

≪主に最適なリスクコントロールから

・PFI では、必要最小限の最も効

みの最大処理量を 85,000t/年」

績を考慮しながら、系列数、系

合いの中で、最適な施設規模を

(例:施設稼動日数の条件を規定

年間ごみ処理量 85,000t÷稼

年間ごみ処理量 85,000t÷稼

・将来の事業の変化に対してライ

計画に関して、事故対応時コス

期を早めることで、短期的には

ライフサイクルコストを抑える

験的・統計的データが豊富な民

P

図 VFM の構

例≫

小ではなく、

を使用しメ

していくか。」

ととなる。

計から建設、

的な施設設計

となる。

の VFM の例≫

率的な設計を

といった性能

列あたりの稼

設定する。

しない場合)

動日数 280 日

↓民間

動日数 300 日

フサイクルで

トが事前補修

コストは増大

ことができる

間事業者のリ

4

まれる部分

FI

成イメージ

運営期間を含めた事業期間全体のコストで行わ

ンテナンスの費用の削減を図るか。」、「低価格の

の比較検討が可能となり、ライフサイクルで最

運営までを一貫して責任を負うため、運営体制

や従前の雇用状況等に影響を受けることなく事

図ることが可能となる。例えば、設計条件を「ご

規定にすれば、民間事業者は自らの技術力や実

動日数、ごみピット容量、修繕計画等との兼ね

=304t/日

が自らの実績を踏まえ設定

=283t/日 ⇒炉の規模を小さくできる

のリスク対応が可能となる。例えば、修繕更新

コストに対して極端に大きい場合には、補修周

するものの、結果として事故リスクが軽減され、

。このような修繕更新計画の立案について、経

スク管理能力が期待できる。

1

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② PFI 的手法の概要

【PFI 的手法とは】

これまでの公共事業は、施設の計画、調査、設計から財源確保、建設、運営まで公共側が行

う方式(以下、「公設公営方式」という。)が主体であった。

公設公営方式によるごみ処理事業の場合、公共は予め定めた整備計画等に従って事業を進め、

「ごみ処理」というサービスを市民に提供することになる。また、この他にも外部にその業務

を委託する場合もある。その場合は、施設の管理運営は公共が主体となって外部委託を組み込

みながら行っていくことになるが、委託期間は単年度となり、委託業務範囲についても定める

ものとなる。

一方、PFI 的手法とは、公共と民間の適正な役割分担により民間企業の資金及びノウハウを

活用し、長期的かつ効率的に事業運営を行うものである。

なお、内閣府によると、PFI の効果として以下の 3点が挙げられている。

【PFIの効果】内閣府ホームページより抜粋

1.低廉かつ良質な公共サービスが提供されること

PFI 事業では、民間事業者の経営上のノウハウや技術的能力を活用できる。また、事業全体のリスク管理が

効率的に行われることや、設計・建設・維持管理・運営の全部又は一部を一体的に扱うことによる事業コスト

の削減が期待できる。これらにより、コストの削減、質の高い公共サービスの提供が期待される。

2.公共サービスの提供における行政の関わり方の改革

従来、国や地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者が行うようになるため、官民の適切な役割分担に

基づく新たな官民パートナーシップが形成されていくことが期待される。

3.民間の事業機会を創出することを通じ、経済の活性化に資すること

従来、国や地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者にゆだねることから、民間に対して新たな事業機

会をもたらす。また、他の収益事業と組み合わせることによっても、新たな事業機会を生み出すこととなる。

PFI 事業のための資金調達方法として、プロジェクト・ファイナンス等の新たな手法を取り入れることで、金

融環境が整備されるとともに、新しいファイナンス・マーケットの創設につながることも予想される。このよ

うにして、新規産業を創出し、経済構造改革を推進する効果が期待される。

42

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【PFI 的手法における事業形態】

PFI 的手法における事業形態は、その対象事業の種類やその地域特性等を勘案して、事業リ

スク、法的枠組みの制約及び利益追求の程度を考慮し、「Design(設計)」、「Build(建設)」、

「Operate(運営)」、「Transfer(譲渡)」、「Own(所有)」等を組み合わせ、事業毎に検討する。以

下に主な組み合わせを示す。

表 主な PFI 的手法の事業形態による分類

事業形態 内容

BOO

(Build-Own-Operate)

民間事業者が施設を建設・所有し運営を行う。

事業期間終了後、原則的には、民間事業者が施設を撤去もし

くは事業を継続する。

BOT

(Build-Operate-Transfer)

民間事業者が施設を建設・所有し運営を行う。

事業期間終了後、民間事業者が施設を公共に譲渡する(有償ま

たは無償)。

BTO

(Build-Transfer-Operate)

民間事業者が施設を建設し、完成後に所有権を公共に移転す

る。民間事業者が事業運営を行う。

DBO

(Design-Build-Operate)

公共の資金調達により民間事業者の意見を採り入れながら公

共が施設を建設、所有する。民間事業者が事業運営を行う。

【PFI 的手法に係る法制度】

国では、施策の基本法となる「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する

法律」(以下、「PFI 法」という。)を施行し、法に基づく基本的考え方として「民間資金等の活

用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針」(以下、「PFI 基本方針」

という。)を定めている。また、PFI 法及び PFI 基本方針では実際の事業の詳細を定めていない

ことから、実務上の指針となる 5つのガイドラインを定めている。

既存法制度 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)

民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針(PFI基本方針)

PFI事業実施プロセスに関するガイドライン

PFI事業におけるリスク分担等に関するガイドライン

VFM(Value For Money)に関するガイドライン

契約に関するガイドライン

モニタリングに関するガイドライン

個別事業に関わる法制度

廃棄物処理法都市計画法建築基準法

         等

公共事業を実施する際に関わる法制度

地方自治法公物管理法各種税法         等

図 PFI 的手法に係る法制度と既存法制度の関係

43

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【PFI 的手法の実施事例】

廃棄物処理事業における PFI 的手法の実施状況を以下に示す。

廃棄物処理事業においては、PFI に限定せず、DBO のような事業形態で民間の活力を導入し

た事例も多くみられる。

表 廃棄物処理事業における PFI 的手法の実施状況(1/2)(平成 17 年 10 月末現在)

事業期間 No. 案件名 設置主体 施設の種類 施設規模 受入対象物

建設期間 運営期間

事業

形態

1

留辺蘂町外2 町

一般廃棄物最終

処分場整備及び

運営事業

留辺蘂町ほか 2

町一般廃棄物

広域処理推進

協 議 会 ( 北 海

道)

最終処分場 約 71,000m3 一般廃棄物H14.8~

H16.3 17 年間 BOT

2

資源循環型廃棄

物処理施設整備

運営事業

倉 敷 市 ( 岡 山

県)

ガス化溶融

施設(一廃

303t/d+産

廃 252t/d)

555t/d 一般廃棄物

産業廃棄物20 年間 BOO

3 彩の国資源循環

工場整備事業 埼玉県

ガス化溶融

施設 450t/d 産業廃棄物

H16.5~

H18.9 20 年間 BOO

4

大館周辺広域市

町村圏組合・ごみ

処理事業

大館周辺広域

市町村圏組合

(秋田県)

焼却溶融施

設 90t/d 一般廃棄物

H15.10~

H17.06 15 年間 BOO

5

(仮称)新リサイ

クルセンター整

備等事業

田原町、赤羽根

町、渥美町(愛

知県)

ごみ固形燃

料化施設 60t/d 一般廃棄物

H15.4~

H17.3 15 年間 BOT

6

長泉町一般廃棄

物最終処分場(仮

称)整備・運営事

長 泉 町 ( 静 岡

県) 最終処分場 約 40,000m3 一般廃棄物

H16.4~

H18.3 15 年間 BOT

7 名古屋市鳴海工

場整備運営事業

名古屋市(愛知

県)

ガス化溶融

施設 450t/d 一般廃棄物

H17.4~

H21.6 20 年間 BTO

8

益田地区広域ク

リーンセンター

整備及び運営事

益田地区広域

市町村圏組合

(島根県)

焼却溶融施

設 70t/d 一般廃棄物

H17.4~

H20.4 15 年間 BOT

9

稚内市廃棄物最

終処分場整備運

営事業

稚 内 市 ( 北 海

道) 最終処分場 189,000m3 一般廃棄物

H17.3~

H19.9 10 年間 BTO

10

堺市・資源循環型

廃棄物処理施設

整備運営事業

堺市(大阪府) 焼却溶融施

設 450t/d 一般廃棄物

H19.12~

H23.3 20 年間 BTO

11

第 2クリーンセン

ター(仮称)整備

運営事業

岩手県 焼却溶融施

80t/d

(目安) 産業廃棄物

契約締結

日~

H22.3

20 年間 BOO

H15.4~

H17.3

44

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表 廃棄物処理事業における PFI 的手法の実施状況(2/2)(平成 17 年 10 月末現在)

事業期間 No. 設置主体 施設の種類 施設規模 受入対象物

建設期間 運営期間

事業

形態

1

西胆振廃棄物処

理広域連合(北海

道)

ガス化溶融施

設 210t/d 一般廃棄物

H13.1 ~

H15.3 18 年間 DBO

2 浜松市(静岡県) 焼却溶融施設 450t/d(最

大) 一般廃棄物

H17.6 ~

H21.3 15 年間 DBO

3 福島市(福島県) 焼却溶融施設 220t/d 一般廃棄物 H18.1 ~

H20.3 20 年間 DBO

4 藤沢市 (神奈川

県) 焼却処理施設 150t/d 一般廃棄物

H17.1 ~

H19.3 20 年間 DBO

5

石 川 北 部 ア ー

ル・ディー・エフ

広域処理組合(石

川県)

ごみ固形燃料

利用施設 160t/d 一般廃棄物 - 15 年間 長期運営委託

6

高松地区広域市

町村圏振興事務

組合(香川県)

ガス化溶融施

設、最終処分

場、リサイクル

プラザ

300t/d 一般廃棄物 - 15 年 6 ヶ月

間 長期運営委託

7 柏市(千葉県) 焼却溶融施設 250t/d 一般廃棄物 - 20 年間 長期運営委託

8 宮崎県環境整備

公社(宮崎県)

焼却溶融施設、

リサイクルプ

ラザ、最終処分

場等

579t/d 一般廃棄物 -

単年度

(延長オプ

ション)

長期運営委託

9 釧路広域連合(北

海道)

ガス化溶融施

設 240t/d 一般廃棄物 - 15 年間 長期運営委託

10 田村広域行政組

合(福島県) 焼却溶融施設 40t/d 一般廃棄物 - 14 年 9 ヶ月 長期運営委託

11 倉敷市(岡山県) 焼却施設 300t/d 一般廃棄物 - 8 年 9ヶ月 長期運営委託

(既設)

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9.基本計画 P13「市民参加」についての資料

【環境影響評価の実施】

新ごみ処理施設の整備に着手する前に、環境影響評価を実施する。

この環境影響評価は、新ごみ処理施設の規模が 200t/日を上回ることから、東京都環境影響

評価条例に基づき実施することとする。

東京都環境影響評価の実施フローは、図 11.1 のとおりであるが、市民参加の場として以下に

掲げる機会がある。両市等は、学識経験者等で構成される審議会の審査や東京都の確認のもと、

市民から寄せられた意見を踏まえ、最終的な評価書を作成する。

① 計画書に対する意見の提出

両市等は、環境影響評価を行うに際し、調査計画書を作成する。

この調査計画書が東京都により、公示・閲覧に供され、市民は、これに対し、意見書を提出

することができる。

② 評価書案に対する意見の提出

両市等は、調査計画書に沿って実測調査を実施し、その後、評価書案を作成する。

この評価書案が東京都により、公示・閲覧に供され、市民は、これに対し、意見書を提出す

ることができる。

③ 説明会への参加

上記の評価書案の公示・閲覧期間に、両市等は、市民に対して説明会を開催することが義務

付けられている。

市民は、この説明会に参加し、評価書案に対し、不明な点等について質問を行うことができ

る。

④ 都民の意見を聴く会への参加

評価書案に寄せられた意見を踏まえ、両市等は、見解書を作成する。

東京都は、この見解書を公示・閲覧に供するとともに、都民の意見を聴く会を開催する。

市民は、この都民の意見を聴く会に参加し、意見を述べることができる。

⑤ 事後評価の確認

事業に着手した後でも、両市等は、事後調査計画書、事後調査報告書を作成し、東京都に提

出することとなり、東京都より公表される。

市民は、事後調査の方法やその結果を含め、確認することができる。

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資料:東京都ホームページ

図 東京都環境影響評価に定める基本フロー

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