排痰補助装置の...
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1フクダライフテック横浜株式会社
排痰補助装置の説明、注意点
退院・在宅医療支援室主催 医療ケア実技研修会
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2フクダライフテック横浜株式会社
排痰補助装置の種類
療法
機械による咳介助( machanicalinsufflation-exsuffation : MI-E )
肺内パーカッション換気(intrapulmonary percussiveventilation : IPV)
高頻度胸壁振動法(high frequency chest wall oscillation : HFCWO)
機種 販売元
カフアシストE70(フィリップス・レスピロニクス)
コンフォートカフプラスコンフォートカフⅡ(カフベンテック:フクダライフテック)
ミニペガサソⅡ(エア・ウォーター)パルサー(チェスト)
パーカッションベンチレータ(パーカッショネアジャパン)
陽・陰圧体外式人工呼吸器 RTXレスピレーター(アイ・エム・アイ)
スマートベスト(東機貿)
在宅
診療報酬
排痰 ○1,800点/月
× ×
人工呼吸 × ○ *6,480点/月NPPV7,480点/月TPPV
○ *7,480点/月 RTXのみ
* 人工呼吸器として在宅で使用が可能。
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3フクダライフテック横浜株式会社
排痰に必要な三要素① 重力
– 貯留部位を上位に(体位ドレナージ)② 痰の粘性加湿
– 粘液繊毛エスカレーター③ 空気の量と速さ
– 十分な吸気量– 呼気流速
東京都立保健科学大学 中山 優季 氏 作成資料引用
排痰補助装置は、ゴッホーンと咳を作る器械です。大きく息を吸わせ、早いスピード吐かせます。掃除機で吸われる感じです。
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4フクダライフテック横浜株式会社
MI-E 原理
• 気道に陽圧を加えた後、急速に(0.1秒くらい)陰圧にシフトすることにより、患者の気管支・肺に貯留した分泌物除去するの。この陽圧から陰圧へのシフトが、肺から高い呼気流速を生じ、自然の咳を補強するか、咳の代用になる。
陽圧
陰圧
+20cmH2O
-20cmH2O
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5フクダライフテック横浜株式会社
MI-E 診療報酬
• 排痰補助装置加算 1、800点/月
人工呼吸を行っている入院中の患者以外の神経筋疾患等の患者に対して、排痰補助装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。
入院中の使用に診療報酬が設定されていない。在宅のみ、診療報酬が設定されているため、復旧が遅れている。しかし、急性期など、他の排痰補助装置と併用して使われている。
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6フクダライフテック横浜株式会社
MI-E 各ガイドライン• 神経筋疾患・脊椎損傷の排痰に有用である【神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイド】
• 神経筋疾患、特にNPPVを使用する患者では強く推奨する【米国呼吸療法学会(AARC)による入院を要するあらゆる病変の成人・小児に対する気道クリアランスのガイドライン】
• 咽頭喉頭機能低下、徒手介助やエアスタックに協力できないか効果的でない患者には、MI-Eを使用する。
• 神経筋疾患患者の治療を行う全ての病院で、急性期には挿管や人工呼吸器管理時の必要性や、急性増悪の予防目的のため気道クリアランスの手技として、MI-Eを使用可能にする
【英国胸部疾患学会(BTS)による「筋力低下のある小児の呼吸マネジメントガイドライン】
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7フクダライフテック横浜株式会社
器械による咳介助の効果
• 神経筋疾患等での上気道感染時や、頭部や胸腹部等の術後で咳が弱くなっている時、短時間で疲労や傷みが少なく効果的に排痰ができるため、肺炎や無気肺になったり、気道内挿管になるのを防ぐ。
• 誤嚥による気管内異物の除去のため気管支内視鏡を使う必要が減る。
• フェイスマスクと機械による咳介助を用いた適切な呼吸リハビリテーションにより、NPPVから気管切開への移行を遅らせる。
神経筋疾患、呼吸運動療法の理論と技術 237~260 2003 引用
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8フクダライフテック横浜株式会社
器械による咳介助の効果
• 鼻汁貯留による鼻閉時に、鼻をかむことの代わりにもなり、上気道を空気の通り道として確保し、NPPVの効果を維持できる。
• 在宅人工呼吸において、介助者でも使え、器械を使った咳介助の使用により緊急入院の頻度が減る。
• ICUやリカバリールームで、気管内挿管を通しての排痰にも効果があり、抜管(NPPVへの移行を含む)を助ける。
• 気管切開チューブを通しての排痰にも有用で、通常の排痰のみより苦痛が少なく一度に多数の痰が吸引でき、吸引の頻度が減り肺炎になりにくい。
神経筋疾患、呼吸運動療法の理論と技術 237~260 2003 引用
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9フクダライフテック横浜株式会社
その他の器械による咳介助の使用
• 肺や胸郭の可動性やコンプライアンス維持• 無気肺の予防• 深呼吸
神経筋疾患、呼吸運動療法の理論と技術 237~260 2003 引用
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10フクダライフテック横浜株式会社
器械による咳介助の相対的禁忌
• ブラのある肺気腫の既往、気胸や気縦隔の疑い、人工呼吸器による肺障害の患者に対しては、原則として行わないことされている。
• 不整脈や心不全のある患者では原則として行わないが、どうしても行う場合は、脈拍と酸素飽和度をモニタしながら慎重に行う。
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11フクダライフテック横浜株式会社
器械による咳介助の副作用• 不整脈• 頻脈/除脈• 不快感• 悪心・嘔吐• 胃への空気流入(腹部膨満)• 循環動向への影響(血圧や頭蓋内圧の変動)• 腹圧変動• 耳への圧付加による痛み• 胸郭拡張による進展痛• 使用後の喉の痛み• 連続使用による過換気• 新生児や乳児などの未発達な肺で使用した場合の肺胞虚脱によるSpO2低下
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12フクダライフテック横浜株式会社
器械による咳介助の必要物品
• 吸引器• パルスオキシメータ• 蘇生バック• 酸素
• 緊急時心電図モニタ• 気管挿管セット• 胸部X線撮影のできる環境
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13フクダライフテック横浜株式会社
(例)設定
モ ー ド :自動(AUTO)陽 圧 :+40 cmH2O陰 圧 :ー40 cmH2O陽 圧 時 間 : 1 . 5 ~ 3 . 0 秒陰 圧 時 間 : 1 . 5 ~ 3 . 0 秒ポ ー ズ 時 間 : 0 ~ 1 . 0 秒
朝・夕の一日2回1回 陽陰圧を5サイクル × 3~5セット
*使用頻度は医師の処方による*5サイクル以上行うとCO2低下・過換気症候群状態の可能性があるので避ける。