種苗をめぐる最近の情勢と課題について -...

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種苗をめぐる最近の情勢と課題について 知的財産課 食料産業局

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Page 1: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

種苗をめぐる最近の情勢と課題について

知的財産課食料産業局

1我が国の種苗産業の情勢

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 2

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の供給体制 食料産業局

3

<一般生産>

(原種生産の種子を採種) (生産者に販売する種子を採種)(採種生産の種子を採種)

<品種改良><種類> <原原種> <原種> <採種>

都道府県の試験場及び都道府県が指定した原原種原種生産者

研究独法都道府県の試験

都道府県が指定した採種生産者

稲麦大豆

ばれいしょ

野菜花き

種苗管理センター

研究独法道県の試験場

種苗会社が委託した

国内の採種生産者

生産者(農家等)

種苗会社が委託した

海外の採種生産者

国内の種苗会社

採種生産者道県が委託した原種生産者

国内の種苗会社生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <原種> <採種>

稲麦大豆ばれいしょ等の主要農作物の種苗は研究独法や都道府県の試験場が開発した優良な品種の原原種を元にして国内の種苗生産地で段階的に増殖したものが供給されている

野菜花きの種苗は国内の種苗会社が開発した優良な品種を用いて国内及び海外の種苗生産地で採種されたものが供給されている

果樹の種苗は研究独法や都道府県の試験場等が開発した優良な品種の母樹の枝(穂木)を他の品種に接いで国内で増殖し苗木に仕立てたものが供給されている

lt種子供給の代表的な例gt

果樹研究独法

都道府県の試験場農家国内の

種苗会社等

苗等枝生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <母樹の生産> <苗木生産>

海外

国内

(注)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の需給動向 食料産業局

4

我が国の種苗産業の市場規模を示す一般的な統計資料はないものの各種の試算が試みられておりおおむね2000億円から3000億円程度と推計するものが多い

種苗の輸出入額はいずれも近年増加傾向にある

野菜の種子は我が国の種苗会社が開発した優良な親品種の雄株と雌株を交配することでより優良な品種が生産されるがこの交配の多く(約9割)が海外で行われているこれは①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性や②一般に作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること等が大きな理由である

(億円)

(1)我が国における種苗の輸出入額(2017年)

(2)我が国における野菜種子の輸出入額の推移

(資料財務省「貿易統計」)

(3)野菜種子の輸入元国(2017年)

(4)野菜種子の輸出先国(2017年)

47 44

68

61

76 75

90

123 128 152 147 158

49 54

76 86 89

73

91

100

116 110 109

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H2年 7年 12年

17年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

輸入

輸出

野菜 454

草花類 71

飼料作

物 80とうもろこ

し 59

穀類 22

豆類 04

てんさい 28

球根 188

きのこ菌

類 49

その他の

種 45

輸入額349億円

輸出額 輸出量

(百万円) (トン)中華人民共和国 2520 332香港 2311 51大韓民国 1125 84ブラジル 466 35インドネシア 437 36ベトナム 429 59アメリカ合衆国 378 33タイ 376 36フィリピン 298 48オランダ 268 9その他 2340 51

10947 774

輸入額 輸入量(百万円) (トン)

チリ 3997 418イタリア 2378 922アメリカ合衆国 2190 1423南アフリカ共和国 1312 158中華人民共和国 1093 339タイ 813 74オーストラリア 604 137ニュージーランド 598 483大韓民国 566 53オランダ 358 34その他 1934 47

15844 4089

野菜 712

草花類 236

球根 04きのこ菌類

12その他の種

36

輸出額154億円

Sheet1

Sheet2

Sheet3

Sheet1

Sheet2

Sheet3

野菜及び花き種子の流通構造

海外のほ場【主な採種地】米国 27採種に適した気候(マメ類ダイコン等)

イタリア 18採種に適した気候地形(アブラナ科野菜)

デンマーク 15日長時間が長い(ホウレンソウ等)

チリ 10 採種に適した気候地形北半球と異なる生産時期(ニンジンネギ 等)

国内農家等

国内種子メーカー

サカタのタネタキイ種苗等〈約60社〉

国内のほ場【少量の品種】

品種開発原種生産

生 産加工選別検

査販 売

海外自社海外拠点等〈10数社〉

国内自社施設等

卸売業者種苗卸会社等

小売業者一般種苗販売店ホームセンター農協 等

輸出

【加工】種子の乾燥選別調整コーティング処理包装

商社等

<約90>

<約10>

外国内消費及び第三国輸出

輸出額116億円(野菜) 31億円(花き)

輸出量1025トン(野菜) 48トン(花き)

財務省「貿易統計」2015年

委託生産

委託生産

注割合()は業界聞き取りによるもの

【検査】発芽率水分率純度等の品質検査病害検査の一部は海外機関又は(独)種苗管理センター等に依頼

大手2社で約5割のシェアを占め

我が国で本格的に事業活動を行っている種苗の外資企業はシンジェンタ及びリマグレンのみ

種子メーカーの販売店

太い矢印は主要な流通経路 5

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

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我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
Page 2: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

1我が国の種苗産業の情勢

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 2

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の供給体制 食料産業局

3

<一般生産>

(原種生産の種子を採種) (生産者に販売する種子を採種)(採種生産の種子を採種)

<品種改良><種類> <原原種> <原種> <採種>

都道府県の試験場及び都道府県が指定した原原種原種生産者

研究独法都道府県の試験

都道府県が指定した採種生産者

稲麦大豆

ばれいしょ

野菜花き

種苗管理センター

研究独法道県の試験場

種苗会社が委託した

国内の採種生産者

生産者(農家等)

種苗会社が委託した

海外の採種生産者

国内の種苗会社

採種生産者道県が委託した原種生産者

国内の種苗会社生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <原種> <採種>

稲麦大豆ばれいしょ等の主要農作物の種苗は研究独法や都道府県の試験場が開発した優良な品種の原原種を元にして国内の種苗生産地で段階的に増殖したものが供給されている

野菜花きの種苗は国内の種苗会社が開発した優良な品種を用いて国内及び海外の種苗生産地で採種されたものが供給されている

果樹の種苗は研究独法や都道府県の試験場等が開発した優良な品種の母樹の枝(穂木)を他の品種に接いで国内で増殖し苗木に仕立てたものが供給されている

lt種子供給の代表的な例gt

果樹研究独法

都道府県の試験場農家国内の

種苗会社等

苗等枝生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <母樹の生産> <苗木生産>

海外

国内

(注)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の需給動向 食料産業局

4

我が国の種苗産業の市場規模を示す一般的な統計資料はないものの各種の試算が試みられておりおおむね2000億円から3000億円程度と推計するものが多い

種苗の輸出入額はいずれも近年増加傾向にある

野菜の種子は我が国の種苗会社が開発した優良な親品種の雄株と雌株を交配することでより優良な品種が生産されるがこの交配の多く(約9割)が海外で行われているこれは①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性や②一般に作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること等が大きな理由である

(億円)

(1)我が国における種苗の輸出入額(2017年)

(2)我が国における野菜種子の輸出入額の推移

(資料財務省「貿易統計」)

(3)野菜種子の輸入元国(2017年)

(4)野菜種子の輸出先国(2017年)

47 44

68

61

76 75

90

123 128 152 147 158

49 54

76 86 89

73

91

100

116 110 109

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H2年 7年 12年

17年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

輸入

輸出

野菜 454

草花類 71

飼料作

物 80とうもろこ

し 59

穀類 22

豆類 04

てんさい 28

球根 188

きのこ菌

類 49

その他の

種 45

輸入額349億円

輸出額 輸出量

(百万円) (トン)中華人民共和国 2520 332香港 2311 51大韓民国 1125 84ブラジル 466 35インドネシア 437 36ベトナム 429 59アメリカ合衆国 378 33タイ 376 36フィリピン 298 48オランダ 268 9その他 2340 51

10947 774

輸入額 輸入量(百万円) (トン)

チリ 3997 418イタリア 2378 922アメリカ合衆国 2190 1423南アフリカ共和国 1312 158中華人民共和国 1093 339タイ 813 74オーストラリア 604 137ニュージーランド 598 483大韓民国 566 53オランダ 358 34その他 1934 47

15844 4089

野菜 712

草花類 236

球根 04きのこ菌類

12その他の種

36

輸出額154億円

Sheet1

Sheet2

Sheet3

Sheet1

Sheet2

Sheet3

野菜及び花き種子の流通構造

海外のほ場【主な採種地】米国 27採種に適した気候(マメ類ダイコン等)

イタリア 18採種に適した気候地形(アブラナ科野菜)

デンマーク 15日長時間が長い(ホウレンソウ等)

チリ 10 採種に適した気候地形北半球と異なる生産時期(ニンジンネギ 等)

国内農家等

国内種子メーカー

サカタのタネタキイ種苗等〈約60社〉

国内のほ場【少量の品種】

品種開発原種生産

生 産加工選別検

査販 売

海外自社海外拠点等〈10数社〉

国内自社施設等

卸売業者種苗卸会社等

小売業者一般種苗販売店ホームセンター農協 等

輸出

【加工】種子の乾燥選別調整コーティング処理包装

商社等

<約90>

<約10>

外国内消費及び第三国輸出

輸出額116億円(野菜) 31億円(花き)

輸出量1025トン(野菜) 48トン(花き)

財務省「貿易統計」2015年

委託生産

委託生産

注割合()は業界聞き取りによるもの

【検査】発芽率水分率純度等の品質検査病害検査の一部は海外機関又は(独)種苗管理センター等に依頼

大手2社で約5割のシェアを占め

我が国で本格的に事業活動を行っている種苗の外資企業はシンジェンタ及びリマグレンのみ

種子メーカーの販売店

太い矢印は主要な流通経路 5

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
Page 3: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の供給体制 食料産業局

3

<一般生産>

(原種生産の種子を採種) (生産者に販売する種子を採種)(採種生産の種子を採種)

<品種改良><種類> <原原種> <原種> <採種>

都道府県の試験場及び都道府県が指定した原原種原種生産者

研究独法都道府県の試験

都道府県が指定した採種生産者

稲麦大豆

ばれいしょ

野菜花き

種苗管理センター

研究独法道県の試験場

種苗会社が委託した

国内の採種生産者

生産者(農家等)

種苗会社が委託した

海外の採種生産者

国内の種苗会社

採種生産者道県が委託した原種生産者

国内の種苗会社生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <原種> <採種>

稲麦大豆ばれいしょ等の主要農作物の種苗は研究独法や都道府県の試験場が開発した優良な品種の原原種を元にして国内の種苗生産地で段階的に増殖したものが供給されている

野菜花きの種苗は国内の種苗会社が開発した優良な品種を用いて国内及び海外の種苗生産地で採種されたものが供給されている

果樹の種苗は研究独法や都道府県の試験場等が開発した優良な品種の母樹の枝(穂木)を他の品種に接いで国内で増殖し苗木に仕立てたものが供給されている

lt種子供給の代表的な例gt

果樹研究独法

都道府県の試験場農家国内の

種苗会社等

苗等枝生産者(農家等)

<一般生産><品種改良><種類> <母樹の生産> <苗木生産>

海外

国内

(注)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の需給動向 食料産業局

4

我が国の種苗産業の市場規模を示す一般的な統計資料はないものの各種の試算が試みられておりおおむね2000億円から3000億円程度と推計するものが多い

種苗の輸出入額はいずれも近年増加傾向にある

野菜の種子は我が国の種苗会社が開発した優良な親品種の雄株と雌株を交配することでより優良な品種が生産されるがこの交配の多く(約9割)が海外で行われているこれは①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性や②一般に作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること等が大きな理由である

(億円)

(1)我が国における種苗の輸出入額(2017年)

(2)我が国における野菜種子の輸出入額の推移

(資料財務省「貿易統計」)

(3)野菜種子の輸入元国(2017年)

(4)野菜種子の輸出先国(2017年)

47 44

68

61

76 75

90

123 128 152 147 158

49 54

76 86 89

73

91

100

116 110 109

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H2年 7年 12年

17年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

輸入

輸出

野菜 454

草花類 71

飼料作

物 80とうもろこ

し 59

穀類 22

豆類 04

てんさい 28

球根 188

きのこ菌

類 49

その他の

種 45

輸入額349億円

輸出額 輸出量

(百万円) (トン)中華人民共和国 2520 332香港 2311 51大韓民国 1125 84ブラジル 466 35インドネシア 437 36ベトナム 429 59アメリカ合衆国 378 33タイ 376 36フィリピン 298 48オランダ 268 9その他 2340 51

10947 774

輸入額 輸入量(百万円) (トン)

チリ 3997 418イタリア 2378 922アメリカ合衆国 2190 1423南アフリカ共和国 1312 158中華人民共和国 1093 339タイ 813 74オーストラリア 604 137ニュージーランド 598 483大韓民国 566 53オランダ 358 34その他 1934 47

15844 4089

野菜 712

草花類 236

球根 04きのこ菌類

12その他の種

36

輸出額154億円

Sheet1

Sheet2

Sheet3

Sheet1

Sheet2

Sheet3

野菜及び花き種子の流通構造

海外のほ場【主な採種地】米国 27採種に適した気候(マメ類ダイコン等)

イタリア 18採種に適した気候地形(アブラナ科野菜)

デンマーク 15日長時間が長い(ホウレンソウ等)

チリ 10 採種に適した気候地形北半球と異なる生産時期(ニンジンネギ 等)

国内農家等

国内種子メーカー

サカタのタネタキイ種苗等〈約60社〉

国内のほ場【少量の品種】

品種開発原種生産

生 産加工選別検

査販 売

海外自社海外拠点等〈10数社〉

国内自社施設等

卸売業者種苗卸会社等

小売業者一般種苗販売店ホームセンター農協 等

輸出

【加工】種子の乾燥選別調整コーティング処理包装

商社等

<約90>

<約10>

外国内消費及び第三国輸出

輸出額116億円(野菜) 31億円(花き)

輸出量1025トン(野菜) 48トン(花き)

財務省「貿易統計」2015年

委託生産

委託生産

注割合()は業界聞き取りによるもの

【検査】発芽率水分率純度等の品質検査病害検査の一部は海外機関又は(独)種苗管理センター等に依頼

大手2社で約5割のシェアを占め

我が国で本格的に事業活動を行っている種苗の外資企業はシンジェンタ及びリマグレンのみ

種子メーカーの販売店

太い矢印は主要な流通経路 5

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
Page 4: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

我が国における種苗の需給動向 食料産業局

4

我が国の種苗産業の市場規模を示す一般的な統計資料はないものの各種の試算が試みられておりおおむね2000億円から3000億円程度と推計するものが多い

種苗の輸出入額はいずれも近年増加傾向にある

野菜の種子は我が国の種苗会社が開発した優良な親品種の雄株と雌株を交配することでより優良な品種が生産されるがこの交配の多く(約9割)が海外で行われているこれは①多種多様な品目の供給が必要となる野菜の種子を安定的に生産する必要性や②一般に作物は原産地に似た気候で育てた方が良質な種子ができること等が大きな理由である

(億円)

(1)我が国における種苗の輸出入額(2017年)

(2)我が国における野菜種子の輸出入額の推移

(資料財務省「貿易統計」)

(3)野菜種子の輸入元国(2017年)

(4)野菜種子の輸出先国(2017年)

47 44

68

61

76 75

90

123 128 152 147 158

49 54

76 86 89

73

91

100

116 110 109

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H2年 7年 12年

17年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

輸入

輸出

野菜 454

草花類 71

飼料作

物 80とうもろこ

し 59

穀類 22

豆類 04

てんさい 28

球根 188

きのこ菌

類 49

その他の

種 45

輸入額349億円

輸出額 輸出量

(百万円) (トン)中華人民共和国 2520 332香港 2311 51大韓民国 1125 84ブラジル 466 35インドネシア 437 36ベトナム 429 59アメリカ合衆国 378 33タイ 376 36フィリピン 298 48オランダ 268 9その他 2340 51

10947 774

輸入額 輸入量(百万円) (トン)

チリ 3997 418イタリア 2378 922アメリカ合衆国 2190 1423南アフリカ共和国 1312 158中華人民共和国 1093 339タイ 813 74オーストラリア 604 137ニュージーランド 598 483大韓民国 566 53オランダ 358 34その他 1934 47

15844 4089

野菜 712

草花類 236

球根 04きのこ菌類

12その他の種

36

輸出額154億円

Sheet1

Sheet2

Sheet3

Sheet1

Sheet2

Sheet3

野菜及び花き種子の流通構造

海外のほ場【主な採種地】米国 27採種に適した気候(マメ類ダイコン等)

イタリア 18採種に適した気候地形(アブラナ科野菜)

デンマーク 15日長時間が長い(ホウレンソウ等)

チリ 10 採種に適した気候地形北半球と異なる生産時期(ニンジンネギ 等)

国内農家等

国内種子メーカー

サカタのタネタキイ種苗等〈約60社〉

国内のほ場【少量の品種】

品種開発原種生産

生 産加工選別検

査販 売

海外自社海外拠点等〈10数社〉

国内自社施設等

卸売業者種苗卸会社等

小売業者一般種苗販売店ホームセンター農協 等

輸出

【加工】種子の乾燥選別調整コーティング処理包装

商社等

<約90>

<約10>

外国内消費及び第三国輸出

輸出額116億円(野菜) 31億円(花き)

輸出量1025トン(野菜) 48トン(花き)

財務省「貿易統計」2015年

委託生産

委託生産

注割合()は業界聞き取りによるもの

【検査】発芽率水分率純度等の品質検査病害検査の一部は海外機関又は(独)種苗管理センター等に依頼

大手2社で約5割のシェアを占め

我が国で本格的に事業活動を行っている種苗の外資企業はシンジェンタ及びリマグレンのみ

種子メーカーの販売店

太い矢印は主要な流通経路 5

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
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60
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1
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20
21
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25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
輸出額 ユシュツ ガク 輸出量 ユシュツリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
105 中華人民共和国 KG 332125 2519699 中華人民共和国 2520 332
108 香港 KG 51420 2311405 香港 2311 51
103 大韓民国 KG 83741 1125169 大韓民国 1125 84
410 ブラジル KG 35241 465749 ブラジル 466 35
118 インドネシア KG 36470 437453 インドネシア 437 36
110 ベトナム KG 59086 429107 ベトナム 429 59
304 アメリカ合衆国 KG 32886 377713 アメリカ合衆国 378 33
111 タイ KG 36042 375661 タイ 376 36
117 フィリピン KG 47680 298498 フィリピン 298 48
207 オランダ KG 8560 267501 オランダ 268 9
106 台湾 KG 50516 193689 その他 タ 2340 51
210 フランス KG 19968 184496 10947 774
506 エジプト KG 53145 155496
133 イラン KG 21248 147956
601 オーストラリア KG 8330 144123
401 コロンビア KG 9741 131919
123 インド KG 9079 115291
220 イタリア KG 13040 111624
127 バングラデシュ KG 12623 108354
409 チリ KG 2556 105288
125 スリランカ KG 21522 89582
112 シンガポール KG 7646 89362
413 アルゼンチン KG 9210 75417
606 ニュージーランド KG 2033 69582
407 ペルー KG 13117 67815
131 ネパール KG 4667 60972
124 パキスタン KG 18396 57801
551 南アフリカ共和国 KG 1259 54517
218 スペイン KG 1543 42008
321 キューバ KG 3900 39522
113 マレーシア KG 2821 32861
602 パプアニューギニア KG 4396 32379
205 英国 KG 1781 19384
234 トルコ KG 2773 17980
517 ガーナ KG 5294 17063
213 ドイツ KG 7001 16378
302 カナダ KG 2615 13825
145 シリア KG 770 13450
132 ブータン KG 620 12187
146 レバノン KG 516 10150
305 メキシコ KG 332 10039
501 モロッコ KG 366 9515
612 フィジー KG 1446 9487
204 デンマーク KG 80 8100
412 ウルグアイ KG 2167 7734
404 スリナム KG 1119 7083
618 ニューカレドニア(仏) KG 225 6083
134 イラク KG 108 5442
144 ヨルダン KG 608 4917
143 イスラエル KG 117 4885
141 オマーン KG 513 4731
408 ボリビア KG 604 3784
230 ギリシャ KG 99 3399
129 マカオ KG 144 3177
403 ガイアナ KG 616 2780
619 仏領ポリネシア KG 77 2408
232 ブルガリア KG 53 2287
547 モーリシャス KG 140 1516
223 ポーランド KG 36 1310
229 アルバニア KG 9 1102
541 ケニア KG 60 1037
122 ミャンマー KG 400 950
411 パラグアイ KG 25 819
610 サモア KG 205 802
505 リビア KG 11 702
224 ロシア KG 119 590
308 ベリーズ KG 32 555
137 サウジアラビア KG 30 539
406 エクアドル KG 40 511
620 グアム(米) KG 7 420
202 ノルウェー KG 0 415
138 クウェート KG 47 377
627 北マリアナ諸島(米) KG 17 296
311 コスタリカ KG 9 288
320 トリニダードトバゴ KG 20 249
543 タンザニア KG 15 247
152 ウズベキスタン KG 5 242
217 ポルトガル KG 10 218
輸入額 ユニュウガク 輸入量 ユニュウリョウ
第2数量 金額 (百万円) ヒャクマン エン (トン)
409 チリ 418084 3997305 チリ 3997 418
220 イタリア 922125 2378059 イタリア 2378 922
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572 アメリカ合衆国 2190 1423
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386 南アフリカ共和国 1312 158
105 中華人民共和国 338770 1092913 中華人民共和国 1093 339
111 タイ KG 74021 813342 タイ 813 74
601 オーストラリア 137181 604069 オーストラリア 604 137
606 ニュージーランド 483321 597838 ニュージーランド 598 483
103 大韓民国 53416 565581 大韓民国 566 53
207 オランダ KG 33759 358286 オランダ 358 34
210 フランス KG 46943 288624 その他 タ 1934 47
123 インド KG 56590 272972 15844 4089
204 デンマーク 330463 272537
106 台湾 KG 25100 213354
413 アルゼンチン KG 32725 199043
410 ブラジル KG 712 184856
407 ペルー KG 140 89866
110 ベトナム KG 2247 89462
305 メキシコ KG 762 62774
118 インドネシア KG 42667 53529
234 トルコ 6801 41761
541 ケニア KG 0 38243
143 イスラエル KG 11 36654
230 ギリシャ KG 30000 16251
543 タンザニア KG 9 14166
208 ベルギー KG 39 10487
306 グアテマラ KG 0 10109
218 スペイン KG 23035 9290
223 ポーランド KG 3220 7967
203 スウェーデン KG 2200 5251
132 ブータン 2784 3847
122 ミャンマー KG 243 3392
121 ラオス KG 51 2835
117 フィリピン KG 2021 2053
501 モロッコ KG 0 1657
215 スイス KG 2 1087
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
205 英国 KG 1 637
213 ドイツ KG 1000 256
第2数量 金額
103 大韓民国 KG 23768 242571
103 大韓民国 KG 29648 323010
103 大韓民国 53416 565581
105 中華人民共和国 KG 12371 30812
105 中華人民共和国 KG 326399 1062101
105 中華人民共和国 338770 1092913
106 台湾 KG 25100 213354
110 ベトナム KG 2247 89462
111 タイ KG 74021 813342
117 フィリピン KG 2021 2053
118 インドネシア KG 42667 53529
121 ラオス KG 51 2835
122 ミャンマー KG 243 3392
123 インド KG 56590 272972
132 ブータン KG 1121 1894
132 ブータン KG 1663 1953
132 ブータン 2784 3847
143 イスラエル KG 11 36654
203 スウェーデン KG 2200 5251
204 デンマーク KG 1229 5326
204 デンマーク KG 329234 267211
204 デンマーク 330463 272537
205 英国 KG 1 637
207 オランダ KG 33759 358286
208 ベルギー KG 39 10487
210 フランス KG 46943 288624
213 ドイツ KG 1000 256
215 スイス KG 2 1087
218 スペイン KG 23035 9290
220 イタリア KG 383599 152825
220 イタリア KG 538526 2225234
220 イタリア 922125 2378059
223 ポーランド KG 3220 7967
225 オーストリア KG 44 682
227 ハンガリー KG 590 665
230 ギリシャ KG 30000 16251
234 トルコ KG 47 10791
234 トルコ KG 6754 30970
234 トルコ 6801 41761
304 アメリカ合衆国 KG 600069 329524
304 アメリカ合衆国 KG 823211 1860048
304 アメリカ合衆国 1423280 2189572
305 メキシコ KG 762 62774
306 グアテマラ KG 0 10109
407 ペルー KG 140 89866
409 チリ KG 6 15379
409 チリ KG 418078 3981926
409 チリ 418084 3997305
410 ブラジル KG 712 184856
413 アルゼンチン KG 32725 199043
501 モロッコ KG 0 1657
541 ケニア KG 0 38243
543 タンザニア KG 9 14166
551 南アフリカ共和国 KG 157649 1312386
601 オーストラリア KG 13809 19729
601 オーストラリア KG 123372 584340
601 オーストラリア 137181 604069
606 ニュージーランド KG 267026 236011
606 ニュージーランド KG 216295 361827
606 ニュージーランド 483321 597838
Page 5: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

野菜及び花き種子の流通構造

海外のほ場【主な採種地】米国 27採種に適した気候(マメ類ダイコン等)

イタリア 18採種に適した気候地形(アブラナ科野菜)

デンマーク 15日長時間が長い(ホウレンソウ等)

チリ 10 採種に適した気候地形北半球と異なる生産時期(ニンジンネギ 等)

国内農家等

国内種子メーカー

サカタのタネタキイ種苗等〈約60社〉

国内のほ場【少量の品種】

品種開発原種生産

生 産加工選別検

査販 売

海外自社海外拠点等〈10数社〉

国内自社施設等

卸売業者種苗卸会社等

小売業者一般種苗販売店ホームセンター農協 等

輸出

【加工】種子の乾燥選別調整コーティング処理包装

商社等

<約90>

<約10>

外国内消費及び第三国輸出

輸出額116億円(野菜) 31億円(花き)

輸出量1025トン(野菜) 48トン(花き)

財務省「貿易統計」2015年

委託生産

委託生産

注割合()は業界聞き取りによるもの

【検査】発芽率水分率純度等の品質検査病害検査の一部は海外機関又は(独)種苗管理センター等に依頼

大手2社で約5割のシェアを占め

我が国で本格的に事業活動を行っている種苗の外資企業はシンジェンタ及びリマグレンのみ

種子メーカーの販売店

太い矢印は主要な流通経路 5

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 9

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

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①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
Page 6: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

都道府県種子協会

稲麦大豆の種子の流通構造

【都道府県が指定する種子生産ほ場】

種子の需給状況を勘案して都道府県が定める種子計画に基づき生産

国内生産者農協の育苗施設等

【品種開発】

国の研究機関(農研機構)

各都道府県の試験場

民間企業(三井化学など)

品種開発原種生産

生 産 検査 販 売

【都道府県による生産物審査】

bull 発芽率(稲90以上麦大豆80以上)

bull 異品種粒病害虫粒等の混入

bull その他都道府県が定める基準

【その他のほ場】

bull 民間企業からの委託

bull 自家採種ほ場bull 海外のほ場 など

独自の審査基準等に基づき検査(任意)

小売り業者等

合格

種子用途以外として流通

不合格

JA小売り業者等

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
Page 7: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(単位百万USドル)

【世界合計】44925百万USドル

14093(31)

14120(31)

10690(24)

4393(10)

500(1)

1129(3)

0100020003000400050006000700080009000

10000110001200013000

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

世界の種苗貿易と産業規模 食料産業局

7

(1)世界の種苗の貿易額の推移

(単位百万

USドル)

世界の種苗の貿易額は80年代後半以降急速に拡大し2016年(平成28年)においては約114億

USドル(約1兆2400億円)となっている

世界の種苗の市場規模はおおむね450億ドル程度と見積られており国別にみるとアメリカ中国

等が上位を占めている我が国は野菜種子の輸出において上位に入る規模を有しているところ

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(2)世界の種苗市場規模(2012年)

単位百万USドル

うち野菜

①アメリカ 12000 1531 529 13531

②中国 9950 251 158 10201

③フランス 2800 1804 349 4604

④ブラジル 2625 165 14 2790

⑤カナダ 2120 323 6 2443

⑥オランダ 590 1583 1255 2173

⑦インド 2000 67 36 2067

⑧ドイツ 1170 727 58 1897

⑨日本 1350 145 91 1495

⑩アルゼンチン 990 150 15 1140

⑪イタリア 767 315 116 1082

⑫トルコ 750 55 12 805

⑫スペイン 660 145 51 805

その他 7153 3282 757 10435

合計 44925 10543 3447

輸出額国内流通額国名 計

(資料国際種子連盟(ISF)ウェブサイト)

(3)国別種子産業の規模(2012年)

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
Page 8: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Graph1

14093
14120
10690
4393
1129
500

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
アジア
北米
EU
南米
アフリカ
その他
Page 9: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Sheet1

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

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①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
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6
7
8
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10
11
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14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Country Value
(USD million) アジア 14093 313700612131
Country Value 北米 ホクベイ 14120 314301613801
(USD million) EU 10690 23795214246
南米 ナンベイ 4393 97785197551
アフリカ 1129 25130773511
その他 タ 500 11129660545
44925
2012 地域 チイキ
USA 12000 2
China 9950 1
France 2800 3
Brazil 2625 4
Canada 2120 2
India 2000 1
Japan 1350 1
Germany 1170 3
Argentina 990 4
Italy 767 3
Turkey 750 3
Spain 660 3
Netherlands 590 3
Russian Federation 500 3
United Kingdom 450 3
South Africa 428 5
Australia 400 6
Republic of Korea 400 1
Mexico 350 4
Czech Republic 305 3
Hungary 300 3
China Taiwan 300 1
Poland 280 3
Sweden 250 3
Romania 220 3
Denmark 218 3
Greece 200 3
Belgium 185 3
Finland 160 3
Austria 145 3
Egypt 140 5
Morocco 140 5
Switzerland 140 3
Bulgaria 120 3
Chile 120 4
Nigeria 120 5
Serbia 120 3
Slovakia 110 3
New Zealand 100 6
Uruguay 96 4
Ireland 80 3
Paraguay 80 4
Portugal 80 3
Algeria 70 5
Kenya 60 5
Iran 55 1
Israel 50 3
Tunisia 45 5
Bolivia 40 4
Colombia 40 4
Slovenia 40 3
Peru 30 4
Zimbabwe 30 5
Malawi 26 5
Libya 25 5
Saudi Arabia 20 1
Zambia 20 5
Philippines 18 1
Ecuador 15 4
Tanzania 15 5
Uganda 10 5
Dominican Republic 7 4
Page 10: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Sheet1

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 11: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Sheet2

14093(31)
14120(31)
10690(24)
4393(10)
1129(3)
500(1)

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 12: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Sheet3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 9

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 13: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

販売実績(億円)

シェア()

モンサント(米) 890 22シンジェンタ(スイス) 600 15ビルモラン(仏) 510 13ナンザ(蘭) 270 7サカタのタネ 210 5タキイ種苗 210 5ライクズワーン(蘭) 210 5エンザ(蘭) 180 5その他 920 23

世界の主要な種苗会社の概要 食料産業局

世界の主要な種苗会社の種苗売上高をみるとモンサント(米)デュポン(米)シンジェンタ(スイス)等が上位を占めており我が国からはサカタのタネ及びタキイ種苗が世界上位10社に入っている

両社は多くの国に展開しているグローバル企業で野菜種子においては上位を占めており特にサカタのタネはブロッコリーで高い世界シェアタキイ種苗は東南アジアのキャベツで高いシェアを有している

国内市場の拡大が見込めない一方種苗の国際競争が激化が見込まれており我が国種苗会社のさらなる輸出拡大や海外展開が重要

(資料(社)農林水産先端技術振興センター「我が国における野菜種苗の安定供給に向けて(平成21年度))

サカタのタネ

ブロッコリーの約65トルコギキョウの約75パンジーの約30の世界シェア

タキイ種苗

キャベツのインドネシアでのシェア約70タイでのシェア約50~60観賞用ヒマワリ及びハボタンの世界シェア約70~80

(3)我が国の種苗会社の海外展開事例

(2)野菜種子の主要会社のシェア(1)世界の主要な種苗会社の種苗売上高(2011年)

0 2000 4000 6000 8000

シンジェンタ(スイス)

ビルモラン(リマグレングループ)(仏)

ウィン フィールド(ランド オーレイク)(米)

KWS(独)

バイエル クロップサイエンス(独)

ダウ アグロサイエンス(米)

サカタのタネ(日本)

タキイ種苗(日本)

デュポン パイオニア(米)

7141

4994

2540

1332

1073

437

857

437

909

978

モンサント(米)

2015 合併合意2017 経営統合2019 3分社化

20186買収完了(バイエルの種子部門はBASFに売却)

20176ケムチャイナ(中)が買収完了

20178デュポンパイオニアとダウアグロサイエンスが統合しダウデュポンとなった20186バイエルによるモンサント買収完了社名の変更はない

(資料カナダのNGOldquoETC Grouprdquoがまとめた2013年のレポート) 8

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 14: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

2種苗法について

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 15: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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種苗法の概要 食料産業局

種苗法に基づく品種登録の出願料登録料(第1年から第6年まで)を軽減する措置(軽減率34)はそれぞれの政策に資する品種開発を促すため以下の5法において実施されている

福島復興再生特別措置法地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律米穀の新用途への利用の促進に関する法律農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律花きの振興に関する法律

<種苗法の目的>

新品種を育成した者に登録により一定の権利を与えることを通じて品種の育成を振興

品種登録制度

種苗の表示に関する規程を定め種苗の流通を適正化表示事項①種苗業者の名称及び住所②種類及び品種名③生産地④有効期限及び発芽率⑤数量⑥その他(農薬の使用回数等)

指定種苗制度

国民生活の向上

種苗法の特例措置(出願料登録料の軽減)

農林水産業の発展

10

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 16: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

種苗生産 流通 使用

育種 採種 販売 野菜花き生産

種苗の生産流通構造と法制度

一般農家民間民間民間

【種苗業者の届出】法第58条

指定種苗(すべての食用作物飼料作物主要な花き果樹芝草)の販売業者は大臣に届出義務

【種苗業者の表示義務】法第59条指定種苗の販売には表示義務

【種苗業者の表示検査】法第62~65条

大臣の指示命令により種苗管理センター等が指定種苗の表示の検査集取

【 種 苗 法 】

【品種登録】法第3条

登録要件を備えた育成者には品種登録を受けることができその品種の育成者権を付与

(品種登録制度) (指定種苗制度)

【権利侵害】法第33条

育成者権者は権利侵害に対して差止請求ができる

(すべての農林水産植物が対象となる権利と義務)

11

(1)品種登録制度について

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食料産業局

13

品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

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①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

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阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 17: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

(1)品種登録制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

食料産業局

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品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 18: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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食料産業局

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品種登録と育成者権の付与保護

関税法による措置税関において育成者権侵害物品の輸出入取り締まり

育成者(新品種)

育成者権権利の存続期間

25年(木本の植物は30年)

登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」を業として利用する権利を専有

農林水産省知的財産課

darr審査登録

利用者

出 願

権利付与

利用料 許諾 侵害への対応

民事上の請求 差止請求侵害の停止予防侵害物等の廃棄を請求

損害賠償請求不当利得返還請求侵害した者に対し損害賠償を請求

信用回復の措置の請求業務上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告の掲載等)を請求

刑事罰 懲役又は罰金個人10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

(併科可能)法人3億円以下の罰金

無断利用者

新たに植物品種を育成した者は国に登録することにより知的財産権のひとつである「育成者権」を得て登録品種の種苗収穫物加工品の販売等を独占できる

[育成者権の効力の範囲外の行為] 試験又は研究の目的での利用 農業者の自家増殖 権利の消尽

登録の要件区別性 均一性安定性未譲渡性(最初の譲渡から1年以内外国においては4年(果樹等木本は6年)以内)名称の適切性

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出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 19: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 14

出願登録数の推移

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

0

500

1000

1500

2000

2500

5354555657585960616263 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

出願件数平成29年度 出願994(うち外国育成424)

登録795(うち外国育成348)

平成29年度までの出願累計33207(うち外国育成11069)

平成29年度までの登録累計26744(うち外国育成8467)

平成28年度末の有効な登録件数8291 有効な登録件数

出願件数登録件数

出願件数のうち国内育成件数

農産種苗法による出願 217件を含む

年 度

登録件数

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 15

登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 20: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種の状況(作物別権利者別)

② 登録品種の作物別割合(S53~H29計) ③ 登録品種の権利者の類型別割合(S53~H29計)

平成28年度末現在権利存続中の品種は8291 平成29年度までの登録累計は26744(権利が消滅したものも含める) 登録品種を作物別にみると草花類(61)観賞樹(17)野菜(7)の順で多くまた権利者の

類型別にみると種苗会社(53)個人(26)都道府県等(10)の順で多くなっている

① 権利存続中の登録品種数(各年度末)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

6117

7

55 5

草花類観賞樹野菜食用作物果樹その他

ラウンドの関係で割合の合計は100にならない

26

53

10

54 1 種苗会社

個人都道府県等食品会社等国等農協等

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
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15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
Page 21: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Graph1

有効登録数
0
47
98
237
388
583
805
986
1243
1479
1661
1759
2094
2407
2697
2908
3128
3299
3356
3702
4018
4260
4428
4882
5369
5382
5780
6057
6429
6986
7338
7718
7991
8120
8106
8134
8204
8269

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

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①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

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阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
1
2
3
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5
6
7
8
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Page 22: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

Sheet1

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

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④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
列1 有効登録数 ユウコウトウロクスウ 系列 2 系列 3
53 0 24 2
54 47 44 2
55 98 18 3
56 237 28 5
57 388
58 583
59 805
60 986
61 1243
62 1479
63 1661
1 1759
2 2094
3 2407
4 2697
5 2908
6 3128
7 3299
8 3356
9 3702
10 4018
11 4260
12 4428
13 4882
14 5369
15 5382
16 5780
17 6057
18 6429
19 6986
20 7338
21 7718
22 7991
23 8120
24 8106
25 8134
26 8204
27 8269
Page 23: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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外国からの出願外国への出願 食料産業局

外国で育成された品種の我が国への出願は近年出願件数の40弱を占めておりそのほとんどは観賞植物である国別にみるとオランダドイツ及びアメリカの順で大きな割合を占めている 日本からUPOV加盟国への出願は過去10年間年160~250件程度で推移

① 外国からの出願の状況(外国育成品種)

③ 日本から外国への出願件数(UPOV加盟国計)

② 外国育成品種の国別割合(S53~H28)

累計 10644

④ 日本から外国への出願件数の国別割合(2015)

年 累計160

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

500

1000

1500

5354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829

年度 出願件数うち外国育成外国育成割合

16

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

17

(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 24: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種作物分野別業種別の内訳 食料産業局

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(S53~H29年度件)

ラウンドの関係で作物分野別の割合の合計が100にならない

個人 種苗会社食品会社

等農協 都道府県 国 合 計

花き観賞樹 6097 12936 686 221 863 120 20923 ( 78)

食用作物 99 52 118 20 720 416 1425 ( 5)

野菜 252 647 244 41 475 154 1813 ( 7)

果樹 570 204 46 53 339 189 1401 ( 5)

その他 56 365 247 15 237 261 1181 ( 4)

合 計7074

( 26)14204 ( 53)

1341 ( 5)

350 ( 1)

2634 ( 10)

1140 ( 4)

26743 (100)

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 25: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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ndash 品種登録出願の前に国内外の公然知られた他の品種と重要な形質(形状色耐病性等)に係る特性(丸い赤い有り等)の全部又は一部によって明確に区別できること

ndash 同一世代でその重要な形質に係る特性の全部が十分類似していること(播いた種子から同じものができる)

ndash 増殖後も重要な形質に係る特性の全部が安定していること(何世代増殖を繰り返しても同じものができる)

ndash 日本国内において出願日から1年遡った日(外国においては日本での出願日から4年(果樹等の永年性植物は6年)遡った日)より前に出願品種の種苗や収穫物を業として譲渡していないこと

ndash 品種の名称が既存の品種や登録商標と紛らわしいものでないこと等

品 種登録の要件 食料産業局

18

④未譲渡性(Novelty)

⑤名称の適切性(Suitability of denomination)

③安定性(Stability)

②均一性(Uniformity)

①区別性(Distinctness)(種苗法第3条第4条)

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

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UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 26: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種の例-1 食料産業局

コシヒカリ新潟BL ~おいしさを保ったまま病気に強い稲~

育 成 者新潟県品種登録2000年12月22日特 徴コシヒカリの食味の良さはそのままでいもち病に対する抵抗性遺伝子をもつ品種ですいもち病はいったん発生すると稲収量の大幅な減収とともに食味の低下に繋がる深刻な病害であり特にコシヒカリはいもち病に弱いことで知られていますが新潟BL1号ではそのリスクが回避されるため生産者から強く支持されていますまた従来のコシヒカリ栽培時に防除目的で使用されていた農薬の使用量も減少するため消費者の食品安全の観点からも評価されています

にこまる ~地球温暖化に強い稲~育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2008年3月17日特 徴昨今特に九州などの西日本地域において高温気象によるお米の品質低下が深刻化していますが「にこまる」は高温条件下で育成されても品質が低下しにくく地球温暖化に対応可能な新品種として注目されています「にこまる」はまた高品質なだけでなく九州地方の代表的な品種であるヒノヒカリよりも収量が7~8多いという特長ももっています

育 成 者香川県品種登録2014年3月10日特 徴花の形がティアラを思わせ花が小さく可愛らしい「ミニティアラシリーズ」の新品種ですオランダの種苗会社から生産販売の申請があり2014年1月にEU等での利用許諾契約が結ばれました

ミニティアラコーラルピンク ~海外で生産販売~

1919

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 27: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種の例-2 食料産業局

ぽろたん ~渋皮が簡単に剥けるクリ~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年8月22日特 徴一般に日本グリは中国グリと比べ果肉のやわらかさや果実の大きさなどの点で優れるものの渋皮がむきにくいという欠点があるため味が良くて渋皮がむきやすい日本グリを育成するため交雑選抜を行い渋皮が簡単にむける画期的な品種「ぽろたん」の育成に成功しました 本品種は果実が大きく食味に優れるとともに家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます

クイックスイート ~簡単に焼き芋ができるさつまいも~

育 成 者国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構品種登録2006年10月22日特 徴通常の品種より約20低い温度で糊化(でんぷんがのり状になること)するでんぷんを含み短時間の調理でも甘くなる青果加工用サツマイモ品種です加熱調理中のデンプンの糊化及び糖化(でんぷんが麦芽糖に分解され甘くなること)が早いため電子レンジで調理しても食味が良いです

福岡S6号(あまおう) ~あかいまるいおおきいうまい~

育 成 者福岡県品種登録2005年1月9日特 徴福岡県農業総合試験場で育成されたイチゴで「あかいまるいおおきいうまい」の頭文字を並べて「あまおう」と愛称(商標登録済)で呼ばれています大きさや色はもちろん食感の良さと濃厚な味わいが評判になっています国内だけでなく香港や台湾にも輸出されています

20

UPOV条約の下での育種による農業への効果

21

UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 28: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

UPOV条約の下での育種による農業への効果

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UPOV条約のもとで積極的に新品種が育成された結果 フランスにおいては1945年まで単収の増加が見られなかった小麦において1955年以降大幅な単収増

ベトナムにおいては2006年にUPOV加入後サツマイモで年率36トウモロコシで年率18等の高い収量増が見られており 農業者の収入の増加に結びついている

大幅な反収増

フランス(小麦)サツマイモ36年 収量増

トウモロコシ18年収量増

ベトナム

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 29: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

22

つや姫店頭価格比較

つや姫米袋デザイン

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 日本を代表するブランド米の作出山形県農業の振興と地域活性化の鍵としての水稲新品種の利用等を目的として「山形97号」を育成一般公募を経て知事が「つや姫」と命名 1998年交配2009年品種登録出願2011年品種登録併せてパッケージ等の商標登録も申請2010年から販売開始 2007年ブランド化戦略会議2008年ブランド戦略実施本部を設置し関係機関連携により高品質良食味安全なブランド米を消費者ホテルレストラン等へ提供する戦略を策定

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

23

稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

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赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

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種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

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食料産業局

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阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

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  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 30: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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育成者権の活用例米の新品種「つや姫」 食料産業局

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稲「つや姫」(山形県育成品種)の開発 これまでの県育成品種と異なり県内の栽培適地の技術力のある農家に限定して栽培を許諾して一定水準の品質を確保し一方で県外にも県奨励品種であることなどを条件に許諾を行い普及を図り 全国つや姫フォーラムを開催しながら連携を進め全体の流通量を確保 販売にあたりテレビ新聞各種イベント等を利用して販売促進するとともに小売店での知事によるトップセールスやキャンペーンを毎年実施し「つや姫」の認知度アップを図る 栽培面積は2010年2500haから2016年8800haへ戦略的に拡大 育成者権侵害についてもウェブ上で無断でつや姫の種籾を販売していた農家を告発 他県が自ら育成した稲の新品種普及のお手本とするなどブランド化の優良事例となっている

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育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 31: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化 食料産業局

八幡平市がりんどうの新品種を開発し国内外で知的財産権(育成者権商標権)を取得「安代りんどう」 をブランド化 生産者と専用利用契約を結び種苗の供給栽培指導を行うほかロイヤリティを回収し新品種育成資金を確保

2016年よりEUでの鉢物契約栽培を開始 南半球での契約栽培により世界市場へ周年供給が可能さらにニュージーランドとの共同育種を実施

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

ニュージーランド生産者数3栽培面積20ha販売金額14万NZ$(内国内消費10万NZ$)

生産者数3栽培面積60ha販売金額4万US$

種苗供給ロイヤリティ回収

(販売金額の3)

(2万本)

日本市場切り花輸出

(22万本)

ピーク時販売金額4500万円(2008年)近年は販売縮小

(4万本)

2016年のデータに基づき作成

鉢物用苗供給

24

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

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海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 32: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出 食料産業局

25

海外における権利取得と輸出促進

国内における取組(育成者権と商標権を活用した戦略的ブランド展開)果実の販売

2002年にJA全農が商標登録「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとった「あまおう」の名称で販売

福岡県とJA全農ふくれんが一体となってブランド化

商標「あまおう」植物新品種の育成

2001年福岡県が品種登録出願2005年1月に登録福岡県農業総合試験場で育成厳冬期にも赤く色づき果皮の張りが良く光沢が優れる

丸く形が整っており糖度が高い

品種登録「福岡S6号」

福岡県はJA全農ふくれんと契約

香港

輸出促進

タイ

福岡県産農産物の輸出用ブランドマークで商品価値を高める取組を展開

香港台湾を中心に福岡フェア等を開催

福岡県内での販売価格約500円(H24年12月)

(注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

福岡県が中国韓国において育成者権を取得

品種登録「福岡S6号」

JA全農が香港中国韓国及び台湾において商標登録

商標「あまおう」

シンガポール

台湾

香港での販売価格1500~2000円(H24年12月)

25

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

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育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 33: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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(2)おうとう「紅秀峰」平成17年5月グルメ雑誌においてオーストラリアの生産者が「紅秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し我が国へ輸出しようとしている旨の記事が掲載

記事にはオーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した者の名前も記載されていたため権利者は品種保護Gメンとともに当該者へ事情聴取当該者の証言を得た権利者は同年11月オーストラリアの生産者を刑事告訴

その後平成19年7月「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間はその種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等を条件に和解が成立

品種保護Gメンの活動 食料産業局

26

育成者権の保護の強化を図るため平成17年度より(独)種苗管理センター(現 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構種苗管理センター)に品種保護Gメンを設置し①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言②権利侵害に関する情報の収集及び提供③育成者権侵害状況の記録④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に基づいた品種類似性試験等の活動を実施

(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例(1)輪菊「岩の白扇」平成16年2月権利者は品種保護Gメンに対し無許諾で中国から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し同年11月「両品種の類似性は極めて高い」との結果

権利者は輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたが供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった

その後平成18年6月同じ輸入業者が再び中国産「岩の白扇」を輸入しているとの情報に基づき権利者は品種保護Gメンとともに地方卸売市場を調査し侵害疑義品を入手

侵害疑義品は品種保護Gメンが寄託物として預かり品種類似性試験に供することとしていたが試験実施前に権利者と輸入業者との間で和解が成立

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

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水際措置の利用の実例 食料産業局

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農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 29

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 34: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

権利者

輸入者(輸出者)

輸入差止申立て(輸出差止申立て)

税 関申立て

添付書類

品種登録簿の特性記録部侵害の事実を疎明するための資料 等

(関税法基本通達) 農林水産大臣 (独)種苗管理センター

鑑定結果

鑑定を嘱託

侵害疑義物品を発見

(没収自発的処理)

輸入(

輸出)

禁止

輸入(

輸出)

許可

認定手続開始 認 定

輸入申告

権利者

輸入者(輸出者)

侵害品に該当

非該当

担保供託命令

証拠意見の提出

証拠意見の提出

検査実施

専門委員への意見照会

受理不受理通知

意見照会

回答(30日以内)

(輸出申告)

育成者権侵害物品の水際対策(税関との連携)

27

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 35: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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水際措置の利用の実例 食料産業局

28

農林水産省では育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け税関との情報交換や税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施するとともに毎年複数回にわたり税関職員に対する種苗法の講義を実施

これまで いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立てがなされ中国からの輸入が実際に差し止められた実績がある

(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績 イグサ「ひのみどり」

熊本県は平成15年12月2日に輸入差止めを税関に申立て平成16年12月25日長崎税関八代税関支署は八代港から輸入されようとした中国

産「ひのみどり」のいぐさ原草860袋(約8788kg)を税関検査により発見摘発し平成17年3月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を関税法違反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告発

平成17年11月7日に熊本地検が起訴し平成18年2月1日に熊本地裁で会社に罰金100万円会社社長に懲役1年6月執行猶予4年の有罪判決が下された

平成23年横浜税関が中国から輸入されようとした「ひのみどり」の畳表1815点を差し止め

熊本県は問題の畳表を輸入した業者に対して是正改善を要求 当該業者はH24年1月熊本県に対して以下の内容の報告書を提出

①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え②再発防止のための業務改善の実施

「ひのみどり」の特徴茎が細い着花(花痕)が非常に少ない変色茎の発生がほとんどない

DNA鑑定による原草や畳表ござなどの加工品の品種 識別技術も確立しています

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 36: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

(2)登録品種の自家増殖について

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 37: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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種苗法登録品種の自家増殖の制限について 食料産業局

農 家

自己の経営地で栽培

市 場

収 穫 物

出 荷

権利者(種苗会社県農協小売店)

播 種

収 穫

他の農家 times(種苗への転用目的の譲渡) (最終消費目的での譲渡)

契約により制限された場合は不可

省令で定める植物は許諾が必要

次期作に播種育苗

(種苗法第21条第2~3項)

種苗の購入(正規の方法で種苗を入手)

自家増殖とは農業者が収穫物の一部を次期作付用の種苗として使用することをいう種苗法上は一定の要件の下に農業者が登録品種を自家増殖することが認められているが植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)上は登録品種の自家増殖には原則育成者権が及ぶとされておりEU等の主要先進国の制度とも乖離している状況にある

このため自家増殖については植物の種類ごとの実態を十分に勘案した上で生産現場に影響のないものから順次指定していくこととする

登録品種の自家増殖には育成者権が及ばない

ただし次のいずれかの場合には育成者権の効力が及ぶ

① 種苗法施行規則(別表第三)で定める栄養繁殖をする植物に属する登録品種の種苗(トマトバラしいたけ等356種類)

② 契約で別段の定めをした場合

UPOV91年条約における登録品種の自家増殖の取扱い育成者権の範囲保護される品種の種苗に関する次の行為は育成者の許諾を必要とする生産又は再生産増殖のための調整販売の申出販売その他の商業目的による譲渡輸出輸入 (第14条(1))

各締約国は合理的な範囲内でかつ育成者の正当な利益を保護することを条件として自己の営農地において栽培して得た収穫物を自己の経営地において増殖目的で使用することができるようにするためにいかなる品種についても育成者権を制限することができる(第15条(2))

主要先進国における登録品種の自家増殖の扱い

種苗法

種苗

自家増殖の扱い 例外作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

麦類ジャガイモ

自家増殖を認めていない(一部例外あり)

飼料作物穀類ジャガイモ油料及び繊維作物

(植物特許) 自家増殖を認めていない -

(品種保護法) 自家増殖を認る - 米国

英国

オランダ

 EU

 国

30

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

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集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 38: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries31

我が国の新品種の登録出願の推移

各国の品種登録の出願数は日本では10年前と比べ3割減少し世界第3位から5位に減じる一方他の主要国では増加傾向にあり特に中国は約25倍と大幅に増加

新品種の開発数は日本の農業のイノベーションとも直結登録品種の減少は日本農業の競争力にも影響

各国における登録出願数の推移

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

単位件

注1EUは2005年7月にUPOVに加盟したため2005年の数字はない 注2米国の数字は米国農務省(USDA)と米国特許商標庁(USPTO)に登録された品種の合計

出典UPOV

EU中国米国

日本韓国

ウクライナ

977

2923

3299

1604

1274

966

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

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平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

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平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

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自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

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野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 39: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ① 食料産業局

32

平成10年 種苗法改正

農業者が従来から慣行として行っていた自家増殖については育成者権が及ばないただし以下の場合には育成者権の効力が及ぶ

① 省令で定める栄養繁殖をする植物に属する品種の種苗(バラカーネーション等23種類)

② 契約で別段の定めをした場合

平成16年 「植物新品種の保護に関する研究会」報告

【基本的考え方】1 新品種の正当な利益を確保し新品種の育成を促進して我が国農業の国際競争力の強化を図るためには

農業者の自家増殖について農業生産現場への影響に配慮しつつ育成者の効力の及ぶ範囲を拡大し将来的には自家増殖には原則として育成者権を及ぼすことを検討すべきである

2 現状においては多くの農業者にとって自家増殖に関する許諾についての認識が十分でないため自家増殖に育成者権の効力が及ぶこととした場合には大きな混乱が想定されるまた農業者側には種苗の購入等の増大により農業経営が圧迫されることや安定的な種苗供給に支障が生じることについて強い懸念がある

3 当面は自家増殖に関する許諾料の徴収等の契約が定着した植物及び従来自家増殖の慣行のほとんど存在しなかった植物について順次育成者権の効力が自家増殖に及ぶ植物として追加していくことが適当と考えられる

【自家増殖に育成者権を及ぼすべき植物】A 自家増殖に関する契約が定着している植物B 従来我が国ではほとんど経済栽培が行われていなかった植物C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている植物

植物新品種の保護に関する研究会「自家増殖に関する分科会」において自家増殖に育成者権の及ぶ植物の範囲決定の考え方及び今後の進め方についてとりまとめを行った

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 40: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ② 食料産業局

33

平成27年度「自家増殖に関する検討会」における検討結果

登録品種の自家増殖に関する検討会において「登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準」を策定

(基準) 以下の基準を満たす植物について今後定期的に自家増殖に育成者権が及ぶ作物に追加許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物現在有効な登録品種がない植物新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物産地が限定され実態把握が容易な植物

基準に基づき対象となる植物を選定し定期的に農林水産省令に追加平成29年3月生産者及び育成者権者に対するアンケート結果により登録品種の自家増殖の制限が定着している植物及び有効な登録品種がない植物等209種類を追加平成30年3月有効な登録品種がない植物(新規植物登録満了)を中心に67種類を追加

平成28年度以降は基準に基づき対象となる植物を随時追加

平成18年 種苗法施行規則改正

登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物の種類を拡大パパイヤオリヅルランほんしめじ等59種類を追加

平成20年度 「農業者における種苗の自家増殖に関する実態調査」

多様な生産者への制度普及の必要性登録品種の自家増殖に関する制度の内容を知っていた農業者の割合は42(調査結果)十分に周知が進んでいない可能性 rarr許諾が必要な品種について誤って自家増殖してしまうおそれ自家増殖を行う理由として54が 「必要な種苗の量の確保」と回答

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

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野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 41: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準 食料産業局

34

自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物注 この図の整理にかかわらず契約で別段の定めをした場合は自家増殖に育成者権の効力が及ぶ

自家増殖に関する検討会において登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準を策定

同基準に基づき育成者に対するアンケート等を行い候補植物を整理し随時対象植物を拡大

A 許諾契約による自家増殖の制限が定着している植物

自家増殖を制限しても① 種苗の安定供給が確保されるか② 農業経営を著しく圧迫するような種苗購入費等の増大が起こらないか等を検討

B 現在有効な登録品種がない植物

C 新たに栄養繁殖による自家増殖が開始されている開始される可能性がある植物

D 産地が限定され実態把握が容易な植物

(生産現場の混乱が限定的になると考えられるもの)自家増殖の慣行がほとんどない植物

現在有効な登録品種がない植物新規登録される植物(約20種類年)政令で定めるきのこ類で登録実績がない植物(18種)

F1品種の割合が高い野菜を「蔬菜の新品種」育成者権者へのアンケート調査により選定

栽培地が限定的な果樹等草花類を中心に育成者権者へのアンケート調査により選定

〔選定方法〕

栄養繁殖をする植物(栄養繁殖と種子繁殖の両方が行われている植物を含む)

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 42: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

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登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について 食料産業局

35

野菜 果樹 草花類 観賞樹 きのこ 計

改正前 26 9 145 84 25 289

新規追加(平成30年3月23日)

5 0 40 14 8 67

計 31 9 185 98 33 356

新たに追加した植物の一例

登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類数

野菜類 アサツキタイサイサイシンセルリーユウガオ草花類 アニゴザントスオシロイバナオダマキキンギョソウグロクシニアスイセンネモフィ

ラハランヒナギクルドベッキア等観賞樹 アセビイボタノキジンチョウゲセンダンソネリラドリクニウムマンサクレンギョウ

等きのこ類 えのきたけエリンギなめこぬめりすぎたけはたけしめじぶなしめじまいたけや

まぶしたけ

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

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指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

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指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

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フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 43: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

野菜 アサツキ種アピオス属オクラ種オモダカ属カブ変種カリフラワー変種キャベツ亜種キュウリ種ケール変種コールラビ変種サイシン変種シシウド属(トウキ種を除く)スイカ種スマランサス属セイヨウワサビ属セルリー種ダイコン種タイサイ亜種トマト種ナス種ニンジン種フダンソウ変種ブロッコリー変種ブロッコリー変種timesケール変種ホウレンソウ種メキャベツ変種メキャベツ変種timesケール変種メセンブリアンテムム属メロン種ユウガオ種ワケギ種

(31種類)

果樹 カリン属クルミ属スグリ属ナツメ属パパイヤ属バンレイシ属マツブサ属マルピーギア属ムサアクミナタ種(9種類)

草花類 アイリス属アガウェ属アガスタケ属アガパンツス属アグラオネマ属アザミ属アサリナ属アジアンタム属アゼトウガラシ属アタナシア属アニゴザントス属アプテニア属アユガ属アルストロメリア属アルテミシア属アルトロポディウム属アルブカ属アルメリア属アロエ属アロカーシア属アンゲロニア属イソトマ属イヌノハナヒゲ属イベリス属イワダレソウ属イワヒバ属ヴァーレンベルギア属ウェストリンギア属ウツボグサ属ウンキニア属エウコミス属エウパトリウム属エオニウム属エクサクム属エスキナンツス属エピデンドラム属エビネ属エボルブルス属エリゲロン属エリシムム属エリンギウム属オーニソガラム属オシロイバナ属オダマキ属オトメリア属オドントグロッサム属オノセリス属オリガヌム属オリヅルラン属オンシジウム属ガーベラ属カスマンティウム属カスミソウ属カトレア属カヤツリグサ属カラテア属カランコエ属カリオプテリス属カリシア属カリブラコア属カンナ属カンプロクリニウム属キキョウ属キジムシロ属キンギョソウ属クサフヨウ種クセロクリスム属クニフォフィア属クラーキア属クラッスラ属グラプトペタルム属グランマトフィルム属クリヴィア属クレマチス属グロキシニア属グロリオサ属ケラタンツス属ケロネ属ケンタウリウム属コルタデリア属コンウォルウルス属ザルジアンスキア属サンダーソニア属サントリナ属ジゴカクタス属ジゴペタラム類ジニンギア属シラン属シンゴナンツス属シンビジウム属スイセン属スカエウォラ属スコパリア属ストレリチア属ストロマンテ属スパシフィラム属セネキオ属(シネラリア種を除く)セントポーリア属ソリダゴ属ソリダステル属タゲテス属タッカ属タツナミソウ属タナケツム属タマシダ属チゴユリ属チヂミザサ属チューリップ属ツユクサ属ツンベルギア属ディアスキア属ディーフェンバキア属ディオニシア属ディギタリス属ディサ属ディスキディア属デンドロビウム属トケイソウ属トラキメネ属トラデスカンティア属ナデシコ属ネモフィラ属ネリネ属ノラナ属ハエトリグサ属ハベナリア属ハラン属ハワーシア属バンダ属ヒアシンス属ヒエンソウ属ビデンス属ヒナギク属ビャクブ属ピレア属ヒロデンドロン属ファレノプシス属フィソステギア属フィットニア属フウラン属プシリオスタキス属プラティア属フリージア属ブリグハミア属プレクトランツス属ペクテイリス属ペチュニア属ペツコア属ヘミジギア属ヘメロカリス属ペラルゴニウム属ヘレボルス属ペロフスキア属ホウセンカ属ホテイアオイ属ホトトギス属ポネロルキス属ポリアンテス属マルコミア属マルバビユ属マンネングサ属ミムルス属ミルトニア属メカルドニア属メランポディウム属モウセンゴケ属モナルダ属ヤグルマギク属ヤメスブリッテニア属ユーホルビアミリー種ラッキョウ種timesキイイトラッキョウ種ラッキョウ種timesヤマラッキョウ種リアトリス属リカステ属リコリス属リナリア属リベルティア属リンドウ属ルイシア属ルドベッキア属ルモーラ属ルリハコベ属レウカンテムム属ローダンセマム属ローマカミツレ属

(185種類)

観賞樹 アカシア属アジサイ属アセビ属アデニウム属アフェランドラ属アンティゴノン属イトスギ属イボタノキ属イワナンテン属エゴノキ属エスカリョニア属エニシダ属エルウァタミア属エレモフィラム属カナメモチ属ガマズミ属カラタチ属カンノンチク属キダチチョウセンアサガオ属キダチルリソウ属キョウチクトウ属キリ属クチナシ属クルシア属グレヴィレア属クレロデンドルム属クロバナロウバイ属グロブラリア属クロベ属ゲッケイジュ属ケファランツス属ゴオデニア属コルムネア属サピウム属サルココッカ属ジャスティシア属シラタマノキ属シリンガ属ジンチョウゲ属シンフォリカルポス属ストロビランテス属セルリア属センダン属ソネリラ属タバコソウ属ツタ属ディエルビエラ属ディクロア属デイコ属ディジゴテカ属テコマ属デロスペルマ属ドウダンツツジ属ドゥランタ属トキワマンサク属ドドナエア属トベラ属ドリクニウム属ナツツバキ属ナナカマド属ニレ属ネムノキ属ノウゼンカズラ属ノブドウ属ノリナ属バウエラ属パキラ属ハナズオウ属バラ属ヒサカキ属ピティロディア属ビャクシン属ファツヘデラ属フィゲリウス属フジ属ブライニア属プロスタンテラ属ヘーベ属ヘスペロジギス属ベルセリア属ポインセチア種ボケ属ポリスキアス属マダケ属マンサク属ミヤマシキミ属ムラサキシキブ属メディニラ属メラレウカ属モクレン属ヤツデ属ヤナギ属ユスラウメ種ラウァンドゥラ属ルクリア属ルスクス属レンギョウ属ロフォミルツス属

(98種類)

きのこ あらげきくらげ種うすひらたけ種えのきたけ種エリンギ種おおひらたけ種きくらげ種きぬがさたけ種くりたけ種くろあわびたけ種こむらさきしめじ種しいたけ種しろたもぎたけ種たまちょれいたけ種たもぎたけ種つくりたけ種とんびまいたけ種なめこ種におうしめじ種ぬめりすぎたけ種はたけしめじ種はなびらたけ種ひめまつたけ種ひらたけ種ひらたけ種timesエリンギ種ぶなしめじ種ぶなはりたけ種ほんしめじ種まいたけ種まんねんたけ種むきたけ種むらさきしめじ種やなぎまつたけ種やまぶしたけ種

(33種類)

(参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類) 食料産業局

36

赤字は新たに追加(H30323)された植物(67種類)自家増殖に育成者権の効力が及ぶのは下記植物に属する登録品種のみ

(3)指定種苗制度について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

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海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 44: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

(3)指定種苗制度について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 37

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 41

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 45: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の目的 食料産業局

38

種苗(種子苗)は外観からは品種の識別や発芽率等の品質の判定が困難

種苗に適正な表示を行うことにより品種の識別品質の確認を容易にする

種苗流通の適正化を図るとともに農家等の生産者を保護することを目的としています

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 41

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

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知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

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91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

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ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 46: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗制度の概要 食料産業局

39

①農林水産大臣が農業生産上重要と考えられる植物種苗の形態を指定(指定種苗)

②指定種苗を販売する一定の種苗業者を届け出制とする(種苗業者届の提出)

③全ての種苗業者に対し指定種苗を販売する際指定種苗に一定の事項の表示を義務化

④指定種苗の表示に対する検査態勢指定種苗の表示義務に違反した場合の是正措置違反者に対する罰則を制定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 41

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【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

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シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

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【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

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海外での品種登録の必要性 食料産業局

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日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 47: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

指定種苗の表示に対する検査態勢 食料産業局

40

集取種子の表示内容品質を検査rarr 発芽率品種純度純潔病害の有無

種苗業者

1指定種苗の集取(種苗法第62条第63条)報告の徴収等(法第65条)

(稲

麦類及び大豆は都道府県)

農林水産大臣

➀農研機構種苗管理センター➁(独)家畜改良センター(飼料作物)③都道府県(稲麦類及び大豆)

集取命令

検査報告

集取の実施

集取した種苗

検査実施機関トマト 農林次郎

報告の徴収等

また種苗を集取し検査実施機関で表示内容(発芽率)等を確認する検査を実施します種苗法の規定で定める表示事項が適切に表示されているか検査します(店頭表示検査)

3海外での品種登録の必要性について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 41

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 48: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

3海外での品種登録の必要性について

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries 41

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

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【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

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【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

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東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 49: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【流出事例1】 シャインマスカットの流出事例

中国で「陽光バラ」「陽光玫瑰」「香印翡翠」等の名称で販売されて

いることを確認中国で「香印」を含む商標が出願(香印青提香印翡翠)されている

ことが判明日本原産として高値で苗木取引

【日本】

我が国で育成されたブドウ品種甘みが強く食味も優れ皮ご

と食べられることから高値で取引

輸出産品としての期待も高い

苗木が中国に流出

逸失利益は数百億~数千億に及ぶおそれ

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【中国】

有力な海外マーケットを失うおそれ

「香印」はシャイン(xiāng yigraven)と発音される

陽光バラ(約490円)中国産

香印翡翠(約1357円kg)中国産

42

食料産業局

42

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

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シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

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晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

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食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

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1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 50: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

阳光玫瑰簡体字

陽光玫瑰繁体字

陽光レーズン繁体字

阳光 玫瑰葡萄簡体字

陽光バラ日本語

しこく香印青レーズン日本語

香印翡翠shine Muscat

日本香印青葡萄

陽光バラ

日本語

阳光玫瑰

簡体字

陽光玫瑰

繁体字

香印青

レーズン

日本語

香印翡翠

shine

muscut

日本香印

青葡萄

店舗数 17 23 2 2 2 1

17

23

2 2 2 10

5

10

15

20

25

シャインマスカット発見店舗数

静岡晴王(箱と中の商品) 晴王の葡萄

山雅晴王晴王(箱には記載がないが中のブドウに「晴王」のシール

静岡晴王 晴王の葡萄 山雅晴王 晴王

店舗数 13 5 2 4

0

5

10

15

晴王発見店舗数

【中国におけるシャインマスカットの調査】中国に流出したシャインマスカットは各地で栽培されブランド化日本のブランド名である「晴王」の名称で販売されている

43

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 51: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

日本の育成者権者が韓国の生産者に許諾(期間限定契約者のみ利用可等)した「章姫」「レッドパール」が第三者に流出し広く栽培された

2006年には両品種は韓国のイチゴ栽培シェアの8割以上まで広がりその後これらの日本品種をもとに韓国で開発された品種が拡大(シェア9割以上)

日本は韓国に対し早期に全植物を保護対象とするよう累次の要請を行ったもののUPOV条約上の猶予期間2012年までイチゴを保護対象にされず育成者の権利は保護されなかった

韓国におけるイチゴの保護対象化日本の育成者と韓国生産者との協議

1996年 「章姫」の育成者権者が韓国種苗業者に許諾

1998年 「レッドパール」の育成者権者が韓国生産者と許諾

(この間韓国で育成者の許諾を得ず広く増殖栽培され2006年頃の両品種の韓国のシェアが8割超)

2006-2009年日本の育成者権者と韓国のイチゴ生産者協会との間で協議が行われたが許諾料等の条件で折り合わず決裂

2012年 日本品種をもとに開発された韓国品種が品種登録(雪香(ソルヒャン)梅香(メヒャン)等)

1998年 種子産業法施行(現新植物品種保護法)

2002年 UPOV条約に批准2006年までにイチゴの保護化を表明(条約上10年後の2012年までに全植物の保護対象化が義務)

2006年 イチゴの保護対象化を2009年まで延期

2009年 イチゴ等を除く全植物を保護対象化2012年 イチゴ等を含む全植物を保護対象化

【侵害事例2】 イチゴの流出事例 食料産業局

44

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 52: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知財侵害】 商標の冒認出願

Copyright 2018 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【スカイベリーの知的財産権取得状況】

栃木県が開発したイチゴのブランド名「スカイベリー」に関連する名称が中国で冒認出願登録される事例が発生

(1)商標権栃木県等が平成24年9月に国内

で商標権を取得

(2)育成者権栃木県が平成26年11月に国内で育成者

権を取得(登録品種名「栃木i27号」) 国内販売(平成24年)から4年以上経過しているため海外での品種登録はできない

(3)海外における商標権取得状況香港シンガポールマレーシアタイインドネシアにおいて商標権を取得済み

イチゴ「スカイベリー」日本産またldquo標的rdquo(日本農業新聞 201796 朝刊1面)

中国 勝手にブランド名登録(産経新聞 201797 朝刊3面)

しかし

中国で栃木県とは無関係の第三者が「スカイベリー」の関連名称を商標登録

「天空草莓」は栃木県がネーミングした「スカイベリー」の中国名

登録商標 出願区分 登録日 出願者

SKYBERRY 生の果物など 2016年6月28日

SKYBERRY 広告商品販売など 2016年6月28日

天空草莓 生の果物など 2016年12月14日

天空草莓 医薬品等の販売 2016年7月21日

上海汇果电子科技有限公司

スカイベリーの冒認商標の登録に関しては複数の新聞でも報道

45

食料産業局

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 53: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【その他の知的財産侵害】 デコポン(不知火)について 食料産業局

46

1 日本で育成普及1972年(昭和47年)に農林水産省果樹試験場(現農研機構)で交配熊本県で品種名「不知火(シラヌヒ)」として普及

1993年(平成5年)熊本県果実農業協同組合連合会が「デコポン」として商標登録品質基準(糖度13度以上酸度1度以下)をクリアし日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体(JA)に限り名称使用可全国へ普及

2 海外への流出不知火は海外で育成者権を取得しなかったことから多くの国で栽培されブランド化されているが日本には利益が還元されていない 韓国での状況1990年代に韓国の済州島へ渡って特産品となり「漢拏峰(ハルラボン)」という名称で高級ミカンとして知られ贈答用にも使用されている

米国での状況1998年にカリフォルニア州に日本の品種として輸入2011年には「Sumo Citrus」として販売されSuntreat社が商標登録「Sumo」は甘い種なしむき易いなどの特性が米国消費者から高い人気を得ておりSuntreat社は オーストラリアスペインペルー南アフリカでも展開し年間商材として供給が確立されている

韓国「漢拏峰(ハルラボン) 」出典韓国の通販ページ

米国「Sumo」出典Suntreat社HP

46

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 54: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

海外での品種登録の必要性 食料産業局

47

日本のいちご品種が流出

当該品種を基に韓国で品種改良

タイなどアジアマーケットに輸出(平成25年度農林水産省「東アジア包括的育成者権侵害対策強化委託事業報告書」)

相手国で品種登録可能な品種は持ち出し自由 自国内で譲渡開始後4年(木本は6年)以内しか外国で登録できない

UPOV条約に基づく国際ルール

自国内で品種登録後速やかに外国で登録しなければ保護できない

日本の農業関係者は海外での育成者権保護の必要性に気付いていない

出願可能期限を経過した品種が中国に流出紅ほっぺ シャインマスカット

中国で栽培成功日本原産として高値で苗木取引

ldquo中国広西自治区でシャインマスカット産地化に成功rdquo(現地新聞情報)

韓国のケース 中国のケース

可能性のあるマーケットを喪失

しかし

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 55: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

知的財産の戦略的活用 食料産業局

48

海外への流出防止を実効的に実施するためには開発されてから速やかに①栽培等が行われる可能性の大きい国②主な輸出先国の双方で登録することが重要

品種登録は育成者権を主張する各国ごとに行う必要

外国で品種登録し育成者権を取得

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置種苗の回収廃棄栽培の差止め販売された農産物の回収廃棄発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締

外国においてすれば

種苗の譲渡契約時に同種苗の海外持出しの禁止条項を設定

対象範囲契約当事者のみ(第三者や流出経路がわからない場合効力が及ばない)

可能な対抗措置契約先へ発生した損害の賠償請求のみ(流出した種苗の回収は不可能)

海外持ち出し禁止のでは

外国で産品のブランド名を商標登録

対象範囲登録先国全て

可能な対抗措置ブランド名称の使用差止め発生した損害の賠償請求輸出入における水際取締更新すれば半永久的に継続

しかしながら名称を変更すれば商標権の侵害にはならない種苗の持ち出しや栽培は防げない

外国においてすれば

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 56: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

植物品種等海外流出防止総合対策事業

<対策のポイント>海外への我が国優良品種の流出無断増殖を防止するため品種登録出願(育成者権取得)や侵害対応等に係る経費を支援するとともに品種保護に必要となる技術的課題の解決や東アジアにおける品種保護制度の整備充実を促進するための協力活動等を推進します<政策目標>農林水産物食品の輸出額の拡大(8071億円[平成29年]rarr 1兆円[平成31年])農産物の輸出力強化につながる品種の海外への品種登録件数を100件とする[平成34年度まで]

【平成31年度予算概算要求額 400(95)百万円】

[お問い合わせ先]食料産業局知的財産課(03-6738-6443)

<事業の内容> <事業 イ メ ー ジ>

1植物品種等海外流出防止総合対策事業(補助)① 海外出願経費の支援 海外で品種登録を行うことが我が国農産物の輸出力強化につながる優良な植物品種について海外への品種登録出願に係る経費を支援します

② 海外出願支援体制の整備ア 海外での品種登録に関する相談窓口の設置イ 主な出願先国への海外出願マニュアルの作成ウ 我が国優良品種の海外流出侵害実態調査エ 海外での育成者権侵害対応に係る経費の支援

2植物品種等海外流出防止総合対策事業(委託) 植物品種保護制度の運用改善や東アジアにおける品種保護制度の整備海外における植物品種保護等のための優先度の高い技術課題の機動的な解決等育成者権の保護環境整備に資する取組を実施します

育成者権者

海外出願相談支援申請

出願経費の支援(定額12)

海外での権利侵害発生

侵害対応経費の支援(23)

我が国の優良品種について海外への流出無断栽培を防止することにより海外市場で海外産と競合しない環境を確保して輸出促進に貢献

植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム

(事業実施主体)

国育成者権者

定額12以内等

<事業の流れ>

コンソーシアム

委託民間団体等

定額12以内等

49

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 57: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)食料産業局

50

91年条約(新条約)

加盟国地域5778年条約(旧条約)

加盟国18

保護対象植物全植物

(締結後10年間の猶予)24種類以上

育成者権の及ぶ範囲

種苗収穫物特定の加工品 種苗のみ

育成者権の

存続期間

登録から20年以上

(永年性植物は25年以上)

登録から15年以上

(永年性植物は18年以上)

東アジア各国の

加盟国(加盟年)

日本(1998年)

韓国(2002年)

シンガポール(2004年)

ベトナム(2006年)

日本(1982年)

中国(1999年)

【参考】WTO加盟国164カ国地域

WIPO(世界知的所有権機関)加盟国191ヵ国地域

(2018年2月現在)

OAPI(アフリカ知的財産機関)アフリカ17か国からなる知的財産に関する国際機関(本部カメルーン)2014年7月にUPOVに加盟

UPOV加盟国(75カ国地域)

UPOV条約(UPOV Union Internationale pour la Protection des Obtentions Veacutegeacutetales) 新品種の保護の条件保護内容最低限の保護期間などの基本的原則を規定 加盟国はこの原則に従って育成者権を保護する法制度体制を整備 1968年に発効締約国は全世界で75カ国地域(EUOAPIを含む)

1 UPOV条約には新旧の条約が併存しており保護対象権利の範囲等が異なる2 加盟国数は2017年11月現在

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 58: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

ブルネイミャンマーは国内法(案)とUPOV91年条約との適合性が2017年UPOV理事会で承認された

東アジア植物品種保護フォーラムについて 食料産業局

51

東アジア植物品種保護フォーラムの活動

東アジア地域の連携による品種保護制度の整備を進めるため日本のイニシアチブによりASEAN+日中韓の13か国から成る「東アジア植物品種保護フォーラム(East Asia Plant Variety Protection Forum)」を2007年に設立

これまでにブルネイミャンマーの国内法(案)がUPOV加盟審査で認定されるなど各国における主体的な取組の動き

第11回「東アジア植物品種保護フォーラム」本会合(2018年8月1日於マニラ)

毎年政策決定者等が参加する年次会合を開催し情報共有協力活動の決定を行う

植物品種保護制度の整備充実を目的とした協力活動を実施

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略
Page 59: 種苗をめぐる最近の情勢と課題について - CSIDEjaja.cside.ne.jp/kenkyukai/deta/180912.pdf億円から3,000億円程度と推計するものが多い。 種苗の輸出入額は、いずれも近年、増加傾向にある。

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

フォーラムでは10年戦略の共通目標に即した活動を優先的に支援

協力活動Cooperation activities

東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略 食料産業局

EAPVPフォーラム10年戦略(10-Year Strategic Plan)

目標1各国はUPOV条約に則したPVP制度を強化目標2出願や審査手順の地域調和メカニズムを構築

全ての参加国のUPOV加盟達成に向け各国はUPOV91年条約に則したPVP(植物品種保護)制度を確立

効率的かつ協力的な地域品種保護メカニズムの構築

目標Objectives

コア活動Core

activities

各国個別活動(目標1達成に向けた活動)法令整備審査手続確立審査当局の能力向上等

地域協力活動(目標2達成に向けた活動)各国の出願審査手順審査ガイドラインの調和等

共通方針Common Direction

各国実施戦略Individual Implementing Plan

長期方針Long-term direction

10年戦略は今後10年のフォーラムの取組を戦略的に展開すべく東アジアの全ての参加国のUPOV加盟を盛り込んだフォーラム全体の「共通方針」とその達成に向け各国が策定する「各国実施戦略」により構成

2018年8月1日フィリピンにおける本会合で採択され今後はこの10年戦略に基づく活動を重点的に実施

各国は共通方針を反映した目標活動計画を記載した各国実施戦略を作成

各国は自身の各国実施戦略を踏まえ協力活動を提案

52

  • 種苗をめぐる最近の情勢と課題について
  • スライド番号 2
  • 我が国における種苗の供給体制
  • 我が国における種苗の需給動向
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • 世界の種苗貿易と産業規模
  • 世界の主要な種苗会社の概要
  • スライド番号 9
  • 種苗法の概要
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • 品種登録と育成者権の付与保護
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • 外国からの出願外国への出願
  • 登録品種作物分野別業種別の内訳
  • 品 種 登 録 の 要 件
  • 登録品種の例-1
  • 登録品種の例-2
  • スライド番号 21
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例米の新品種「つや姫」
  • 育成者権の活用例安代りんどうー国内外で知的財産を権利化
  • 育成者権の活用例いちご「あまおう」ー商標を活用した輸出
  • 品種保護Gメンの活動
  • スライド番号 27
  • 水際措置の利用の実例
  • スライド番号 29
  • 種苗法登録品種の自家増殖の制限について
  • 我が国の新品種の登録出願の推移
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ①
  • 登録品種の自家増殖の見直しに関する検討の経緯 ②
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物の基準
  • 登録品種の自家増殖に育成者権の効力を及ぼす植物種類の拡大について
  • (参考)自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物(現行356種類)
  • スライド番号 37
  • 指定種苗制度の目的
  • 指定種苗制度の概要
  • 指定種苗の表示に対する検査態勢
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • 【その他の知的財産侵害】  デコポン(不知火)について
  • 海外での品種登録の必要性
  • 知的財産の戦略的活用
  •  植物品種等海外流出防止総合対策事業
  • UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)
  • 東アジア植物品種保護フォーラムについて
  • 東アジア植物品種保護フォーラムの10年戦略